説明

冷菓製造装置

【課題】定期的な分解洗浄を確実にユーザに促すことができる冷菓製造装置を実現する。
【解決手段】本発明の冷菓製造装置1は、フロント蓋部5の装着の有無を判定する装着判定部6と、装着判定部6が装着有りから装着無しと判定し、再度装着有りと判定することによりカウントを開始するタイマー71と、カウント開始以降、フロント蓋部5の分解洗浄が行われないまま、所定時間経過した場合、冷菓製造装置1の機能の少なくとも一部を停止させる停止手段72と、ユーザに警告を発するランプ8とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトクリームやシェークに代表される半固形状の冷菓を製造する冷菓製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷菓製造装置には、冷菓の原料となるミックスを貯蔵するミックスタンク、ミックスを攪拌冷却することにより冷菓を製造するシリンダ、およびシリンダから冷菓が取り出すためのフロント蓋部などが設けられている。食品衛生上の理由から、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令によると、1週間に1回、フロント蓋部を取り外して、フロント蓋部の内側や表面を分解などして、洗浄することが義務付けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、冷菓製造装置を取り扱うユーザは、臨時で雇用されるアルバイト等の場合が多く、分解洗浄の手間や省令の周知等の問題から、定期的な分解洗浄を忘れたりするおそれがある。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、定期的な分解洗浄を確実にユーザに促すことができる冷菓製造装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る冷菓製造装置は、上記課題を解決するために、冷菓原料を攪拌冷却することにより冷菓を製造するシリンダと、当該シリンダから冷菓を取り出すためのフロント蓋部とを備えた冷菓製造装置であって、上記フロント蓋部の装着の有無を判定する判定手段と、上記判定手段が、装着有りから装着無しと判定し、再度装着有りと判定することによりカウントを開始するタイマー手段と、当該タイマー手段のカウント開始以降、上記判定手段が装着無しと判定せず、当該タイマー手段が所定時間カウントした場合、または、当該タイマー手段のカウント開始以降、上記判定手段が装着無しと判定し再度装着有りと判定せず、当該タイマー手段が所定時間カウントした場合、ユーザに警告を発する告知手段と、を備えることを特徴としている。
【0006】
本発明に係る冷菓製造装置は、上記課題を解決するために、冷菓原料を攪拌冷却することにより冷菓を製造するシリンダと、当該シリンダから冷菓を取り出すためのフロント蓋部とを備えた冷菓製造装置であって、上記フロント蓋部の装着の有無を判定する判定手段と、上記判定手段が、装着有りから装着無しと判定し、再度装着有りと判定することによりカウントを開始するタイマー手段と、当該タイマー手段のカウント開始以降、上記判定手段が装着無しと判定せず、当該タイマー手段が所定時間カウントした場合、または、当該タイマー手段のカウント開始以降、上記判定手段が装着無しと判定し再度装着有りと判定せず、当該タイマー手段が所定時間カウントした場合、上記冷菓製造装置の機能の少なくとも一部を停止させる停止手段と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る冷菓製造装置は、定期的な分解洗浄を確実にユーザに促すことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施形態について図1ないし図3に基づいて説明すると以下の通りである。
【0009】
図1は、本実施の形態に係る冷菓製造装置1の構成を示すブロック図である。冷菓製造装置1は、ミックスタンク2、シリンダ3、加熱冷却手段4を有しており、さらに、フロント蓋部5が取り外し可能に設けられている。ミックスタンク2には冷菓の原料となるミックスが貯蔵され、ミックスタンク2からシリンダ3へミックスが供給される。冷菓製造時には、加熱冷却手段4は、ミックスタンク2およびシリンダ3を冷却する。シリンダ3でミックスが攪拌冷却され、フロント蓋部5から冷菓が取り出される。また、加熱殺菌時には、加熱冷却手段4は、ミックスタンク2およびシリンダ3を加熱する。
【0010】
さらに、食品衛生上の理由から、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令は、1週間に1回、フロント蓋部5を取り外して、分解などをし、洗浄することが義務付けている。そこで、冷菓製造装置1では、定期的な分解洗浄をユーザに促すために、装着判定部6および制御部7が設けられている。
【0011】
装着判定部6は、フロント蓋部5の装着の有無を判定するものであり、特許請求の範囲の判定手段に相当する。フロント蓋部5の装着の有無を判定するための構成の一例を図2に示す。
【0012】
図2(a)および(b)は、冷菓製造装置1の一部側面図であり、(a)は、フロント蓋部5の装着前の状態を示しており、(b)は、フロント蓋部5の装着後の状態を示している。装着判定部6は、フロント蓋部5が装着される開口部9の上方に設けられており、下方に延びる検知レバー6aを有している。図2(a)に示すように、開口部9には、ボルト12が設けられており、ボルト12をフロント蓋部5の穴に挿入した後、図2(b)に示すように、ナット11を取り付けることにより、フロント蓋部5は固定される。ここで、検知レバー6aの下端が、フロント蓋部5に当接するので、検知レバー6aの角度は、フロント蓋部5の装着前後で変化する。これにより、装着判定部6は、フロント蓋部5の装着の有無を判定する。
【0013】
なお、図2に示す構成の他、装着判定部6は、冷菓製造装置1の内部に設けられるスイッチであってもよく、スイッチのON/OFFによってフロント蓋部5の装着の有無を検出してもよい。
【0014】
制御部7は、マイクロコンピュータを含む機能ブロックであり、タイマー71および停止手段72を有している。タイマー71は、カウント開始からフロント蓋部5の分解洗浄が行われること無く所定期間経過した場合、ランプ8を点灯させたり、停止手段72にシリンダ3や加熱冷却手段4の機能を停止させる。なお、タイマー71およびランプ8は、特許請求の範囲のタイマー手段および告知手段にそれぞれ相当する。以下、図3に基づいて装着判定部6、タイマー71、停止手段72およびランプ8の動作について具体的に説明する。
【0015】
フロント蓋部5の分解洗浄を行うため、フロント蓋部5が取り外されると、装着判定部6は、フロント蓋部5が装着無しと判定する(ステップS1において「Yes」)。分解洗浄後、フロント蓋部5が取り付けられると、装着判定部6は、再度フロント蓋部5が装着有りと判定する(ステップS2において「Yes」)。これにより、タイマー71は、フロント蓋部5が分解洗浄されたとみなして、カウントを開始する(ステップS3)。
【0016】
カウント開始以降、フロント蓋部5が分解洗浄されることなく、所定時間(例えば1週間)経過した場合(ステップS4において「Yes」)、タイマー71は、ランプ8を点灯させることによりユーザに分解洗浄が必要であることを警告したり、あるいは、停止手段72にシリンダ3や加熱冷却手段4の機能を停止させる(ステップS5)。
【0017】
一方、カウント開始以降、1週間以内に分解洗浄が行われた場合、すなわち、装着判定部6が、装着無しと判定し(ステップS6において「Yes」)、再度装着有りと判定した場合(ステップS2において「Yes」)、タイマー71は、再びカウントを開始する(ステップS3)。
【0018】
なお、ステップS5において、停止手段72は、冷菓製造装置1の全ての機能を停止させてもよく、再びフロント蓋部5が分解洗浄されたとみなされない限り(すなわち、ステップS1、S2が行われない限り)、当該機能の停止を解除しない。また、タイマー71がランプ8を点灯させる代わりに(又はランプ8を点灯させるとともに)、ブザーによって警報音を鳴らしたり、液晶画面に警告を表示させてもよい。
【0019】
このように、タイマー71は、フロント蓋部5の分解洗浄が行われてから、カウントを開始し、再びフロント蓋部5が分解洗浄されることなく所定時間経過すると、ランプ8を点灯させたり、停止手段72によって冷菓製造装置1の少なくとも一部の機能を停止させる。したがって、フロント蓋部5の定期的な分解洗浄を確実にユーザに促すことができるという効果を奏する。特に、停止手段72によって冷菓製造装置1の少なくとも一部の機能を停止させる構成は、フロント蓋部5を分解洗浄しない限り、冷菓製造装置1を使用できないので、より確実にユーザに分解洗浄を促すことができる。
【0020】
なお、フロント蓋部5の分解洗浄の所要時間を考慮して、装着判定部6が装着無しから装着有りに判定するまでの間(ステップS1〜S2、ステップS6〜S2)、所定時間(例えば1分間)経過していることを条件に、タイマー71がカウントを開始する構成としてもよい。
【0021】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、換気扇やエアコンのフィルター等、定期的な取り外し洗浄が必要な機器にも好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係る冷菓製造装置の構成を示すブロック図である。
【図2】(a)、(b)ともに、上記冷菓製造装置の一部側面図であり、(a)は、フロント蓋部の装着前の状態を示しており、(b)は、フロント蓋部の装着後の状態を示している。
【図3】上記冷菓製造装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0024】
1 冷菓製造装置
3 シリンダ
5 フロント蓋部
6 装着判定部
71 タイマー
72 停止手段
8 ブザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷菓原料を攪拌冷却することにより冷菓を製造するシリンダと、
当該シリンダから冷菓を取り出すためのフロント蓋部とを備えた冷菓製造装置であって、
上記フロント蓋部の装着の有無を判定する判定手段と、
上記判定手段が、装着有りから装着無しと判定し、再度装着有りと判定することによりカウントを開始するタイマー手段と、
当該タイマー手段のカウント開始以降、上記判定手段が装着無しと判定せず、当該タイマー手段が所定時間カウントした場合、または、
当該タイマー手段のカウント開始以降、上記判定手段が装着無しと判定し再度装着有りと判定せず、当該タイマー手段が所定時間カウントした場合、
ユーザに警告を発する告知手段と、を備えることを特徴とする冷菓製造装置。
【請求項2】
冷菓原料を攪拌冷却することにより冷菓を製造するシリンダと、
当該シリンダから冷菓を取り出すためのフロント蓋部とを備えた冷菓製造装置であって、
上記フロント蓋部の装着の有無を判定する判定手段と、
上記判定手段が、装着有りから装着無しと判定し、再度装着有りと判定することによりカウントを開始するタイマー手段と、
当該タイマー手段のカウント開始以降、上記判定手段が装着無しと判定せず、当該タイマー手段が所定時間カウントした場合、または、
当該タイマー手段のカウント開始以降、上記判定手段が装着無しと判定し再度装着有りと判定せず、当該タイマー手段が所定時間カウントした場合、
上記冷菓製造装置の機能の少なくとも一部を停止させる停止手段と、を備えることを特徴とする冷菓製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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