説明

冷蔵庫と、そのプログラム

【課題】消臭剤の有効期限が切れたことを検知して、使用者に報知する。
【解決手段】無線ICタグ21aの情報を読み取る読取手段2と、記憶手段5と、時計手段3と、報知手段6と、それらの制御手段4とを具備した冷蔵庫1において、消臭剤20aに添付されている無線ICタグ21aから、タグの情報を読取手段2で読み取り、記憶手段5にタグの情報が記憶されていないことを検知したときに、記憶手段5にタグの情報と、時計手段3の情報に所定値を加えて算出した有効期限に関する情報とを記憶させ、有効期限に関する情報と時計手段3の情報とが一致した時に、その旨を報知手段6から報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ICタグを利用して消臭剤を効率的に管理する冷蔵庫と、そのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、無線ICタグ(非接触ICタグ)を物品に貼り付けておき、無線ICタグ読み取り/書込み手段を収納庫に設置して在庫管理を行うことが行なわれており、更には収納庫内の環境情報を無線ICタグに書き込んで保存状態を記憶する方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−316525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成は、物品管理といった用途であって、その用途に適した情報が無線ICタグに記憶されていることが前提となっているが、一般家庭では、流通の過程で添付された無線ICタグがそのまま持ち込まれることになるので、必要とする情報が必ずしも記憶されているとは限らない。
【0004】
例えば、消臭剤のように有効期限切れのまま放置しておくと、悪臭が漂うようになって初めて、消臭剤の有効期限切れに気がつくということが多いものであるが、例えば来客中に冷蔵庫を開けたとたん悪臭が漂ったりすると、非常に悪い印象を与えかねない。特にそれが大切なお客様であったりした場合には、大恥をかくことになりかねないので、未然に防ぐために使用者に注意を喚起することが望まれるが、こういった生活上の不便さを解消するようなことは提案されていない。
【0005】
そして、消臭剤に添付される無線ICタグには消臭剤の有効期限に関する情報が含まれているとは限らない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、前記従来の課題を解決するために、無線ICタグの情報を読み取る読取手段と、記憶手段と、時計手段と、報知手段と、それらの制御手段とを具備した冷蔵庫において、消臭剤に添付されている無線ICタグから、タグの情報を前記読取手段で読み取り、前記記憶手段に前記タグの情報が記憶されていないことを検知したときに、前記記憶手段に前記タグの情報と、前記時計手段の情報に所定値を加えて算出した有効期限に関する情報とを記憶させ、前記有効期限に関する情報と前記時計手段の情報とが一致した時に、その旨を前記報知手段から報知するようにした。
【発明の効果】
【0007】
これにより、流通の過程で添付された無線ICタグがそのまま持ち込まれて必要とする情報が記憶されていなくても、使用開始からの有効期限を自動的に算出して、有効期限が近づくと報知するので、消臭剤においては、有効期限切れのまま放置させないようにするので、悪臭が漂うようになって初めて、消臭剤の有効期限切れに気がつくといったようなことがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、本発明の冷蔵庫において、無線ICタグの情報を読み取る読取手段と、記憶手段と、時計手段と、報知手段と、それらの制御手段とを具備した冷蔵庫において、
消臭剤に添付されている無線ICタグから、タグの情報を前記読取手段で読み取り、前記記憶手段に前記タグの情報が記憶されていないことを検知したときに、前記記憶手段に前記タグの情報と、前記時計手段の情報に所定値を加えて算出した有効期限に関する情報とを記憶させ、前記有効期限に関する情報と前記時計手段の情報とが一致した時に、その旨を前記報知手段から報知するようにした。
【0009】
これにより、流通の過程で添付された無線ICタグがそのまま持ち込まれて必要とする情報が記憶されていなくても、使用開始からの有効期限を自動的に算出して、有効期限が近づくと報知するので、消臭剤においては、有効期限切れのまま放置させないようにするので、悪臭が漂うようになって初めて、消臭剤の有効期限切れに気がつくといったようなことがなくなる。
【0010】
第2の発明は、特に第1の発明において、前記記憶手段に記憶されていない新たな消臭剤のタグの情報を検知したときに、既に前記記憶手段に記憶済みのタグの情報があって、その記憶済みの前記タグの情報の消臭剤が有効期限中である場合には、前記記憶済みの消臭剤と新たな消臭剤とで重複して使用する旨を前記報知手段から報知するようにした。
【0011】
これにより、有効期限が残っているにもかかわらず、新しい消臭剤と交換されそうになった時には、その旨を報知するので、無駄が無く消臭剤が使用可能となる。
【0012】
第3の発明は、特に第1〜2のいずれかの発明において、前記時計手段の情報に加えるべき所定値に関する情報が前記無線ICタグに記憶されているようにした。
【0013】
これにより、消臭剤ごとに有効期限が異なる場合でも、その消臭剤に応じて最適な有効期限設定が可能となり、利便際が向上した。
【0014】
第4の発明は、特に第1〜3のいずれかの発明において、前記消臭剤の出し入れを行うための開口部と、前記開口部を閉じるための扉と、前記扉の開閉状態を検知する開閉スイッチとを具備して、前記扉が閉じられた時点で、前記読取手段で無線ICタグの情報を読み取って前記報知手段から報知するようにした。
【0015】
これにより、消臭剤の出し入れのために扉の開け閉めを行なった後に、冷蔵庫の中に存在する消臭剤に添付された無線ICタグの情報を読み取るので、冷蔵庫の中の消臭剤に変化があった可能性があるときにだけ、無線ICタグより情報を読み取ることが出来る。
【0016】
第5の発明は、特に第4の発明において、前記冷蔵庫と前記扉とを電磁波遮断物質で構成した、あるいは、覆った。
【0017】
これにより、冷蔵庫の庫外に存在する消臭剤に添付された無線ICタグの情報を読み取るというミスをおこすことがなくなり、常に冷蔵庫の中に存在している無線ICタグより情報を読み取ることが出来る。
【0018】
第6の発明は、特に第1〜4の発明のいずれかにおいて、少なくともひとつの動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、CPU、RAM、ROM、記憶装置、I/Oなどを備えた電気情報機器、コンピュータ等のハードリソースを協働させて本発明の一部あるいは全てをプログラムとして容易に実現することができる。また記憶媒体に記憶あるいは、通信回線を用いてプログラム配信することにより、プログラム配布が他の手段に比べて極めて簡単に実現できる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて実施形態について詳細に説明するが
、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
ここでは、無線ICタグ21aには、個別の無線ICタグ21aごとに、タグの情報として、それぞれを区別できるようなID情報が記憶されている場合について、図1と、図2とを用いて説明していく。
【0021】
まず、最初に、ここでいうところのID情報とは、例えば96ビット〜128ビット長のバイナリコードであって、それだけでは意味を持たないが、物品ごとにコードが異なり、同じ種類の物品であっても、コードが異なることを想定している。
【0022】
図1は本発明の冷蔵庫の構成一例を示す図である。
【0023】
図1において、冷蔵庫1は、無線ICタグ21aから情報を読み取るための読取手段2と、日付時刻情報を発生する時計手段3と、全体を制御する制御手段4と、情報を記憶する記憶手段5と、使用者にさまざまな報知をおこなう報知手段6と、開閉スイッチ7と、消臭剤や食品などを出し入れするための開口部8と、開口部を閉じるための扉9とを具備している。
【0024】
消臭剤20aには、無線ICタグ21aが添付されており、その無線ICタグ21aには、少なくとも消臭剤20aを個別に区別できるID情報が記憶されている。
【0025】
このID情報を読取手段2で読み取り、その読み取ったID情報を制御手段4にて処理して、内容に応じて報知手段6より報知を行うことになるが、これから以降では、図2を用いて処理の流れについて説明していく。
【0026】
図2は本発明の冷蔵庫の処理の流れを示す図である。
【0027】
図2において、扉9が開かれたかどうかを、開閉スイッチ7により検知して、扉9が開かれた後に、閉じられたとき(ステップ31)、読取手段2で消臭剤20aに添付された無線ICタグ21aから情報を読み取る。
【0028】
例えば、図1に示すように、消臭剤20aと、無線ICタグ21aが冷蔵庫1の庫内に初めて収納された場合には、まだ記憶手段5には何も記憶されていない。
【0029】
次に、無線ICタグ21aの情報を読取手段2で読み取り(ステップ32)、その無線ICタグ21aの情報は、上述したように、まだ記憶手段5には記憶されていないので(ステップ33)、その情報を記憶手段5に記憶する(ステップ34)。
【0030】
次に、時計手段3より、その時点での日付時刻情報を取得して、先ほどの無線ICタグ21aの情報に加えて、記憶手段5に記憶させておく(ステップ35)。
【0031】
さらに、この日付時刻情報に一定の期間(例えば3ヶ月)を加えた日付時刻を有効期限として算出して(ステップ36)、この有効期限情報も記憶手段5に記憶させておく(ステップ36)。
【0032】
ここで一定の期間として、消臭剤に共通する期間(例えば3ヶ月)としても良いが、もし、無線ICタグ21aの情報を基に、インターネット接続して、メーカなどが用意したサーバーから、ID情報に対応した詳細情報を取得して、添付された消臭剤20aの有効期限に関する情報(例えば1ヶ月しか持たない)が詳細情報に含まれているようであれば
、その情報と、時計手段3との日付時刻情報とから、消臭剤20aに最適な有効期限を算出して、記憶手段5に記憶することもできる。
【0033】
これにより、消臭剤20aに固有の、より正確な有効期限が求められることになる。
【0034】
次に、扉9が開かれるまで待機しておき(ステップ37)、扉9が開かれた時点で(ステップ37)、記憶手段5に記憶されている有効期限に関する情報と、時計手段3から得られた、その時点での日付時刻情報とを比較して、有効期限を過ぎてしまっているようであれば(ステップ38)、報知手段6より使用者に対して消臭剤20aの有効期限が切れていることを報知する(ステップ39)。
【0035】
なお、報知を行い、使用者が新しい消臭剤20aと、それに添付された無線ICタグ21aを持ち込んだ場合には、まったく別のID情報が得られ、新しい消臭剤に交換されたと判断して、ステップ31から同様に登録、有効期限の確認、報知を行うといった流れになるが、ここまでの説明と同じであるので説明を省略する。この実施の形態1での要点は、唯一無二のユニークなID情報を用いることで、異なるID情報の消臭剤を検知することで、消臭剤が交換されたことを知るという点である。
【0036】
なお、有効期限に関する報知内容であるが、単に異常を知らせるだけのブザー音のようなものであっても構わないが、いろいろな手法で使用者に注意を促すことが効果的である。
【0037】
例えば、音だけでなく、音声や光、振動、文字表示板の文字情報のいずれか、あるいは、それらの組み合わせにより報知することが好ましい。
【0038】
無線ICタグ21aの情報を基に、インターネット接続して、メーカなどが用意したサーバーから、ID情報に対応した詳細情報を取得して、その詳細情報に、消臭剤20aに関するさまざまな情報(例えば、メーカ名、品名)が含まれていて、それらを含む情報を報知手段6より、どのようなメーカ名のどういった品名の消臭剤の有効期限が切れているのかといったこともあわせて報知することも可能であり、さらに利便性が向上する。
【0039】
もちろん、記憶手段5に記憶されている、初めて冷蔵庫1に収納された時期(すなわち消臭剤20aを使用し始めた時期)に関する情報を、共に報知することも可能である。
【0040】
あるいは、有効期限が切れていなくても、有効期限が近づいたころ(例えば有効期限の1週間前に)、そろそろ有効期限が切れますよといった予告をおこなってももちろん構わない。
【0041】
なお、記憶済みの消臭剤がまだ有効期限に達していないにもかかわらず、新しい消臭剤(登録されていない新しいID情報)が検出された時には、有効期限前に消臭剤を交換しようとしている旨を報知して、使用者に注意を促すといったことも考えられ、無駄なく消臭剤を使用することが可能になる。
【0042】
図2には示していないが、読み取れる無線ICタグ21aがまったく無かった場合には、大至急に消臭剤20aを入れるように、警告するような報知を行うことも可能であり、悪臭を未然に防ぐために、有効な手法である。
【0043】
また、無線ICタグ21aに、それが添付されている消臭剤20aが対応可能な冷蔵庫の最大容量に関する情報が記憶されており、冷蔵庫1の容量が予め入力されて判明している場合には、両者を比較して、例えば消臭剤をもっと追加するような報知を行うといった
ことも、悪臭を未然に防ぐために、有効な手法である(図示せず)。
【0044】
また、逆に冷蔵庫1の容量を著しく超えた(例えば10倍の容量の)消臭剤20aが検出されたような場合には、消臭剤の入れすぎであり、不経済であるため、その旨を報知して、必要充分な消臭剤の使用を促すといった使い方も考えられる(図示せず)。
【0045】
(実施の形態2)
次に、実施の形態1とは異なり、無線ICタグには、個別の無線ICタグごとに、タグの情報として、それぞれを区別できるようなID情報が記憶されておらず、単なる製品種別情報だけが記憶されている場合について、図3と、図4とを用いて説明していく。
【0046】
ここでいうところの無線ICタグが記憶している製品種別情報とは、実施の形態1と同様、例えば96ビット〜128ビット長のバイナリコードであって、それだけでは意味を持たない点までは同様であるが、同じ種類の物品であれば、同じコードが用いられているという点が、実施の形態1と大きく異なる点である。
【0047】
すなわち、無線ICタグには、(唯一無二の)個別ID情報ではなくて、単なる製品種別情報だけが記憶されているので、消臭剤を入れ替えた場合でも、無線ICタグから読み出せる情報は、同じであり、実施の形態1とは異なる方法で、消臭剤20bと、無線ICタグ21bとが取り替えられたことを検知している。
【0048】
図3は本発明の冷蔵庫の構成一例を示す図である。
【0049】
図3は図1とほとんど同じであるが、消臭剤20bに添付されている無線ICタグ21bだけが異なり、個別の無線ICタグごとに、それぞれを区別できるようなID情報が記憶されていない点が大きく異なる。
【0050】
処理の流れについて図4を用いて説明する。
【0051】
図4は本発明の冷蔵庫の処理の流れを示す図である。
【0052】
まず、開閉スイッチ7により検知して、扉9が(開かれた後)、閉じられたとき(ステップ51)、読取手段2で消臭剤20bに添付された無線ICタグ21bから情報を読み取る。
【0053】
例えば、図3で示すように、消臭剤20bと、無線ICタグ21bが冷蔵庫1の庫内に初めて収納された場合には、読取手段2で読み取れた無線ICタグ21の情報は(ステップ52)、記憶手段5には記憶されていないので(ステップ53、ステップ55)、その無線ICタグ21bの情報を記憶手段5に記憶する(ステップ56)。
【0054】
次に、時計手段3より、その時点での日付時刻情報を取得して、記憶手段5に記憶させておき(ステップ57)、この日付時刻情報に一定の期間(例えば3ヶ月)を加えた日付時刻を有効期限として算出して(ステップ58)、この有効期限情報を記憶手段5に記憶させておく(ステップ58)。
【0055】
もし、無線ICタグ21bの情報を基に、インターネット接続して、メーカなどが用意したサーバーから、タグの情報に対応した詳細情報を取得して、その詳細情報に、添付された消臭剤20bの有効期限に関する情報が含まれているようであれば、その情報と、時計手段3との日付時刻情報とから、消臭剤20bに最適な有効期限を算出して、記憶手段5に記憶することができる(ステップ58)。
【0056】
これにより、消臭剤20bに固有の正確な有効期限が求められることになる。
【0057】
次に、扉9が開かれるまで待機しておき(ステップ59)、扉9が開かれた時点で(ステップ59)、記憶手段5に記憶されている有効期限に関する情報と、時計手段3から得られた、その時点での日付時刻情報とを比較して、有効期限を過ぎてしまっているようであれば(ステップ60)、報知手段6より使用者に対して消臭剤20bの有効期限が切れていることを報知する(ステップ61)。
【0058】
有効期限が切れてしまった消臭剤20bと、それに添付された無線ICタグ21bを交換する場合には、一旦、それらを冷蔵庫1の庫内から取り除いて扉9を閉じる必要がある。この点が実施の形態1で述べた場合とは異なる。
【0059】
このときの処理の流れを説明すると、扉9が閉じられて(ステップ51)、読取手段2で無線ICタグ21bの情報を読もうとするが(ステップ52)、無線ICタグ21bが取り出されているので、読み取れないことになる(ステップ52)。その結果、記憶されているのに、読めない無線ICタグ21bという判定をされることになる(ステップ53)。それにより、一旦、交換するために取り出されたという判定の元、記憶手段5から無線ICタグ21bに関する情報を抹消する(ステップ54)。
【0060】
以上の操作により、まったく初期の状態に戻るので、これより先は、初めて無線ICタグ21bを冷蔵庫1に収納したときの処理流れと同様であり、ステップ55以降の動作を行うことになる。
【0061】
その他、報知内容などについては、実施の形態1で説明した通りなので、ここでは説明を省略する。
【0062】
なお、所定の手続きを踏まないと新しい消臭剤に交換されたことを検知できないが、消臭剤を入れ替えたばかりなのに相変わらず期限切れを報知されて誤った操作に使用者は気がつくので、その時点で再度所定の手続き(一旦、消臭剤を取り除いて、扉を閉める)をやり直すことになる。
【0063】
また、記憶済みの消臭剤がまだ有効期限に達していないにもかかわらず、新しい消臭剤(登録されていない新しいID情報)が検出された時には、有効期限前に消臭剤を交換しようとしている旨を報知して、使用者に注意を促すといったことも考えられ、無駄なく消臭剤を使用することが可能になる。
【0064】
このように、実施の形態2では、無線ICタグに、個別の無線ICタグごとに、それぞれを区別できるようなID情報が記憶されていない場合でも、一旦、冷蔵庫から、有効期限の切れた消臭剤を取り出し、再度、新品の消臭剤を収納し直すということで、煩わしい作業無しに、交換状況と、その有効期限とを容易に登録することが出来る。
【0065】
これらにより、実施の形態1と同様の効果と利便性を享受できることになる。
【0066】
(実施の形態3)
最後に、図5を用いて扉9や冷蔵庫1の全体(側面パネル、背面パネル、底パネル、天井パネル)の構成について述べていく。
【0067】
図5は、本発明の冷蔵庫の構成一例を示す図であるが、扉9や冷蔵庫1の全体に電磁波遮断物質(例えば金属)が添付されている点が図1と異なる点である。
【0068】
図5において、冷蔵庫1の庫外に存在する消臭剤20cに添付された無線ICタグ21cは、冷蔵庫1の内部に存在する読取手段とは通信できない構造になっている。
【0069】
これは、冷蔵庫1と、扉9を電磁波遮断物質(例えば金属)で構成する、あるいはそのような物質で覆って、冷蔵庫1の外部とは通信できないようにしているからである。
【0070】
庫外に無線ICタグ21cが存在した場合、その存在は無視されるべきであるが、通信距離が長いアクティブタグ型の無線ICタグでは、このような構造にしておくことは非常に効果的である。
【0071】
例えば、近距離でしか使えないとされるパッシブタグ型の無線ICタグであっても、UHF帯の無線ICタグは条件によっては10m程度離れていても通信するので、このような無線ICタグを用いる場合には、図5に示したような、冷蔵庫1と扉9を電磁波遮断物質で構成する、あるいは覆うとことは重要である。
【0072】
一般的に用いられる13.56MHz、あるいは、2.54GHz帯のものであれば数十センチメートル〜数メートル以下であるが、場合によっては冷蔵庫1の庫外に存在する無線ICタグを読み取ってしまうことが想定される。
【0073】
すなわち、たとえ数十センチでしか通信できないような場合でも、冷蔵庫1のそばに存在する、まったく関係のない無線ICタグ(例えば冷蔵庫1の上に置かれた消臭剤に添付された無線ICタグ)から情報を読み出してしまう可能性はあるので、このような場合でも前述のように電磁波遮断物質で構成することは、大変好ましい結果が期待できる。
【0074】
当然ながら、前述のように電磁波遮断物質で構成した場合でも、扉9がきちんと閉まっている時に無線ICタグを読み取ることが好ましいのはいうまでもない。
【0075】
ここまでの説明では、読取手段2は電波を発して、その電波を受けた無線ICタグは励起して情報を返答するパッシブ型の無線ICタグを主に想定してきたが、この限りではなく、電池を内蔵したアクティブタグであっても同様の効果が得られる。
【0076】
なお、無線ICタグにユーザ書込み可能な記憶エリア(メモリー)が内蔵されていて、その記憶エリア(メモリー)に、さまざまな情報(例えば、メーカ名、品名、品番、製造日、生産国、成分、有効期限)を書き込んで利用するといった使用方法も考えられる(図示せず)。
【0077】
読取手段2は、本体以外にアンテナが接続されることもあるので、そのアンテナ配置は、収納されたすべての食品と消臭剤に添付された無線ICタグと通信可能なように考慮すべきであり、アンテナを複数個設けて、読取可能な領域(通信領域)を拡大するといったことも大変有益である(図示せず)。
【0078】
ここまでは、冷蔵庫について説明してきたが、必ずしも冷蔵庫に限らず、例えば、殺虫剤、洗浄フィルタのように寿命があって、定期的に交換するようなモノを扱うような、物品保存庫、冷蔵庫であっても、同様に効果を発揮できるものであり、冷蔵庫に限定はしていない。
【0079】
なお、本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記憶装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバ等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、
磁気メディアや光メディアなどの記憶媒体に記憶、もしくはインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上のように、本発明は、日々の雑多な日用消耗品に対して、それを交換する度に、それが交換されたことを自動的に検知して、次回の交換時期にはそれを知らせることができるのであり、冷蔵庫においては、消臭剤の有効期限が切れたことを検知して、使用者に対して報知して、消臭剤の交換を使用者に注意を喚起するといった生活上の不便さを解消するようなことが期待できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の形態1の冷蔵庫の構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1の消臭剤管理の動作一連の流れを示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態2の冷蔵庫の構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態2の消臭剤管理の動作一連の流れを示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態3の冷蔵庫の構成を示す図
【符号の説明】
【0082】
1 冷蔵庫
2 読取手段
3 時計手段
4 制御手段
5 記憶手段
6 報知手段
7 開閉スイッチ
8 開口部
9 扉
20a、20b、20c 消臭剤
21a 無線ICタグ(タグの情報として個別ID情報を記憶)
21b 無線ICタグ(タグの情報として個別ID情報ではなく、単なる製品種別情報を記憶)
21c (庫外に置かれた)無線ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ICタグの情報を読み取る読取手段と、記憶手段と、時計手段と、報知手段と、それらの制御手段とを具備した冷蔵庫において、
消臭剤に添付されている無線ICタグから、タグの情報を前記読取手段で読み取り、前記記憶手段に前記タグの情報が記憶されていないことを検知したときに、
前記記憶手段に前記タグの情報と、前記時計手段の情報に所定値を加えて算出した有効期限に関する情報とを記憶させ、
前記有効期限に関する情報と前記時計手段の情報とが一致した時に、その旨を前記報知手段から報知する冷蔵庫。
【請求項2】
前記記憶手段に記憶されていない新たな消臭剤のタグの情報を検知したときに、
既に前記記憶手段に記憶済みのタグの情報があって、その前記記憶済みのタグの情報の消臭剤が有効期限中である場合には、前記記憶済みの消臭剤と新たな消臭剤とで重複して使用する旨を前記報知手段から報知する請求項1記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記時計手段の情報に加えるべき前記所定値に関する情報が前記無線ICタグに記憶されている請求項1〜2のいずれか記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記消臭剤の出し入れを行うための開口部と、前記開口部を閉じるための扉と、前記扉の開閉状態を検知する開閉スイッチとを具備して、
前記扉が閉じられた時点で、前記読取手段で前記無線ICタグの情報を読み取る請求項1〜3のいずれか記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記冷蔵庫と前記扉とを電磁波遮断物質で構成した、あるいは、覆った請求項4記載の冷蔵庫。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の前記冷蔵庫の少なくとも一部をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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