説明

凍結品の温度を維持するための輸送容器

輸送容器1は、真空支持材料55を含む排気された断熱容器2の形態の超断熱構造を有する。その中に、冷却容器16が組み込まれる。その冷却容器は熱伝導性の金属ウールの充填物57を含むと共に、その冷却容器16には、−30℃〜−85℃の温度範囲において固体/液体相転移を呈しかつ少なくとも50J/mlの融解熱を有する有機冷却剤が充填される。凍結された組織の標本26保持用の薄い円筒状の標本チャンバ24が設けられる。このチャンバは、冷却容器16によって囲繞され、かつ、長いネック開口25に一体的に繋がっている。このネック開口25には、ねじ込み可能なプラグ28の断熱シャフト30がほぼ満たすように差し込まれ、その断熱シャフト30によってネック開口25を標本チャンバ24に対してシールすることができる。この場合、残存する環状の間隙32を、排気装置48から排気できる。プラグ28は、標本チャンバ24の中に延びるパッド38と、標本チャンバ24内の温度を記録するデータロガー41とを備えている。冷却剤凍結後、輸送容器1によって、14日間までの輸送時間および中間貯蔵が、保持する組織標本26に全くリスクを及ぼさずに可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結品、特に凍結された生物学的組織の標本または培養細胞の温度を維持するための輸送容器に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床の診断および研究は、治療法に関する決定のための結果を得るために、外部の専門研究所における組織の標本の早急な分析を必要とする場合が多い。用いられる分析法(例えばRNA分析、タンパク質マーカー)は急速に発展している。標本の超低温冷凍は、標本の中に含まれる情報量をほとんど破壊しないことが判明している。研究によって新しいマーカーがほとんど毎日のように発見されているので、情報の保存は重要であり、標本を現在有効な試験にかけるだけでなく、標本を超低温冷凍によってできるだけ永続的に保存することも有意義になっている。標本採取後、患者が数ヶ月以内、あるいは場合によっては数年以内に問題を発現した場合、例えば、病気がぶり返して治療が必要になった場合、標本採取時にはまだ知られていなかった分析法によって当初の標本を新規に試験することは、役立つ可能性があり、合目的的でない標準治療法の代わりに、可能性のある合目的的な高価な現代的治療法を指示して、これを、資金後援者に対して財政的に正当化することができるであろう。
【0003】
従って、個々の凍結標本を送付するための輸送容器を有することが重要である。この輸送容器は、閉じた冷凍チェーンの輸送による断絶を確実に回避すると共に、一方では、できる限り小型、軽量で、現行の規制を満足し、かつ送付コストを低く抑えるものでなければならない。送付の煩雑さおよびコストは、標本を集荷してそれらを一緒に送付することによってある程度までは低減できるが、この場合、集荷期間はせいぜい5日までが可能であるだけであり、しかも、この方式は、管理上および物流上の煩雑さを招き、かつ極定温における標本の中間貯蔵を必要とする。この目的用に要求される冷凍箱で、例えば−70℃に冷凍可能な冷凍箱は、ごく僅かな数の病院しか保有していない。
【0004】
国際公開第2005/066559A2号パンフレットは、凍結した生物学的組織の標本および培養細胞の温度を維持するための輸送容器をすでに開示している。それは、断熱カバー部分からアクセスでき、かつ熱伝導率λ≦0.002W/(mK)の超断熱構造を備えた断熱容器を含む。この断熱容器内には、冷却剤チャンバを含む冷却容器が設けられ、その冷却剤チャンバは、固定側におけるアクセス開口部を除いて、凍結品用の標本チャンバを取り巻いている。冷却剤チャンバは、恒久的に密封シールされており、固体/液体の相転移によって冷熱を放出する冷却剤を含む。冷却剤は、−15℃〜−100℃、特に−30℃〜−85℃の温度範囲において相転移を呈し、少なくとも50J/mlの融解熱を有する。
【0005】
この既知の輸送容器においては、冷却剤チャンバおよび標本チャンバを含む冷却容器を断熱容器から取り外すことができる。標本チャンバは冷却容器のほとんど上端まで延びている。断熱容器の金属の内壁が外壁に繋がっており、その間に金属接触が形成される。
【0006】
この既知の実施形態は、高い融解熱を有する冷却剤を使用し、かつ熱伝導率の低い超断熱構造を用いることによって、凍結標本の温度を幾日間も維持する可能性をすでに提供している。しかし、規定される厳格な要件を必ずしも常に確実に満たすことはできない。その理由は、熱橋が存在し、その結果として、有害な熱の流入によって冷却剤が早期に費消されてしまい、このため、標本における情報の喪失をもたらすことがあり得るからである。さらに、この既知の輸送容器の取り扱いはまだ理想的ではないことが判明した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、その機能および取り扱いが改善された輸送容器であって、貯蔵および輸送中において超低温冷凍状態を確保し、凍結生物学的材料に対する現行の輸送規制を完全に満たし、かつ、問題なく製造可能な輸送容器を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、上記の既知の輸送容器を出発点として利用して、冷却剤チャンバを含む冷却容器を断熱容器の中に固定して組み込むこと、少なくとも3倍だけその横寸法を超過する長さのネック形状の開口を形成するという条件で、その断熱容器が標本チャンバを超えて延びること、そのネック開口の外側の端部において断熱容器の内壁および外壁を相互に断熱する断熱リングであって、連結された冷却容器を伴う内壁を外壁に対して弾性的に取り付ける断熱リングが設けられ、さらに、断熱シャフトによってネック開口の中に延び込んでネック開口をほぼその全長にわたって満たすプラグであって、その先端においてネックシール材によって断熱容器の内壁に対してシールされるプラグをカバー部分に組み込むこと、および、断熱容器とカバー部分との間に容器シール材を配置し、さらに、断熱シャフトを囲繞するネック開口の間隙を含むカバーの内部を排気する排気装置を設けることによって達成される。
【0009】
標本チャンバへのアクセス領域における熱橋は、この手段によって確実に回避され、その結果、長期間の冷却効果を有する特に良好な性能を実現できる。断熱容器の内壁と外壁との間の熱伝導性の金属連結は断熱リングによって回避され、標本チャンバ内への内壁からの熱の流入は、長いネック開口によってさらに低減される。加えて、冷却剤を含む冷却容器の重量が内壁に懸架されるにも拘らず、内壁が弾性的に取り付けられるので、内壁を薄く設計でき、従って、熱伝導の断面積をさらに低減できる。また、冷却容器を一体的に組み込むことによって、相対的に狭いネック開口が可能になり、これも同様に内壁の熱伝導断面積を低減する。さらに、カバー内と、隣接するネック開口内部とにおける空気の対流による熱の流入に対しては、断熱シャフトを備えるプラグを挿入する結果、残存するネック開口の間隙がごく狭くなることが対抗手段になる。さらに、閉じ込められた空気量を排気することも可能である。
【0010】
断熱容器の内壁と外壁との間の熱橋を避けるために、全断熱容器を低熱伝導率のプラスチックから製造するとすれば、これは、そのプラスチックが(有機)冷却剤に対する耐性を有するべきであるだけでなく、さらに非常な低温および高度の耐真空において安定でなければならないという欠点を有することになろう。これは、また、プラスチック自体の有機性ガスの放散および冷却剤の拡散のいずれも許容されないことを意味している。このジレンマは、金属製の別個の冷却剤容器をプラスチック容器の中に組み込みことによっては解決できない。その理由は、その場合、標本チャンバとネックとの間に、日常の使用においてはもはやアクセスできない間隙が生成されるからである。しかし、生物学的標本および組織標本に関する現行の輸送規制のために、および衛生上の理由から、標本空間は、隔離遮断されなければならず、輸送容器再利用の際には容易に清浄化できなければならない。このため、冷却容器を断熱容器の中に固定して組み込み、かつ、標本チャンバおよびネック開口の壁面を、冷却容器の内壁と一緒に、例えばステンレス鋼から一体品として製作し、従って継ぎ目なしの標本チャンバを得ることが好適である。この場合、金属の内壁は、容器の使用に先立つ冷熱装入の間の熱伝達、すなわち、液体の冷却剤を固体相に相転移させる間の熱伝達が改善されるという付加的な利点を有する。
【0011】
本発明による輸送容器においては、冷却剤を完全に固体状態に転移させる冷熱装入後、ほぼ14日間の冷却期間が可能になるので、供給者による冷熱装入と、「使用準備完了」システムとが可能になる。このシステムにおいては、顧客、例えば病院に、使用準備の整った輸送容器が提供されるが、この輸送容器は、供給者から顧客に必要な信頼性をもって送付され、顧客は、それを1週間まで中間保管でき、その後、中央研究所に送付することができる。
【0012】
本発明の好適な改良形態および発展形態が従属請求項から明らかになる。これらは、冷熱装入に関連する好適な手段にも関係しており、以下の図面の説明において提示されるであろう。
【0013】
本発明による輸送容器およびその製造、並びにその輸送容器に対応する冷熱装入用の冷熱移送装置を、概略図面に基づいて、例示の形で以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】3つの標本を有する輸送容器の、容器の軸を通る断面を示す。
【図2】外側梱包体として機能する外側容器を備えた図1による輸送容器を、縮尺でかつまた断面で示す。
【図3】図2による外側容器の別の縮尺横断面を示す。
【図4】冷却容器の組立ておよび断熱容器の内壁へのその連結の間における製造工程の各段階を垂直断面において示す。
【図5】冷却容器の組立ておよび断熱容器の内壁へのその連結の間における製造工程の各段階を垂直断面において示す。
【図6】冷却容器の組立ておよび断熱容器の内壁へのその連結の間における製造工程の各段階を垂直断面において示す。
【図7】冷却容器の組立ておよび断熱容器の内壁へのその連結の間における製造工程の各段階を垂直断面において示す。
【図8】冷却容器に冷却剤を充填開口から充填する状況の垂直断面、および充填開口を密封シールした後の図8の一部の詳細拡大図を示す。
【図9】冷却容器を組み込む間の断熱容器の組立てを垂直断面において示す。
【図10】冷却容器を組み込む間の断熱容器の組立てを垂直断面において示す。
【図11】冷却容器を組み込む間の断熱容器の組立てを垂直断面において示す。
【図12】冷却容器を組み込む間の断熱容器の組立てを垂直断面において示す。
【図13】断熱容器のカバー部分を垂直断面において示す。排気弁の装着が示されている。
【図14】図1に従って設けられるプラグであって、カバー部分を載せる前にネック開口の中に組み込まれるプラグを、拡大尺度で、部分的には垂直断面において示す。
【図15】液体窒素による輸送容器への直接冷熱装入を垂直断面において示す。
【図16】上方に延びる冷却突起棒を用いて液体窒素によって輸送容器に関接冷熱装入する冷熱装入装置を示す。
【図17】別の冷熱源を用いる、冷却突起棒による冷熱装入を示す。
【図18】凍結庫内に配置するための、上方に延びる冷却突起棒を備えた冷熱移送装置を示す。
【図19】フィンプレートと上方に延びる冷却突起棒とを含む、図19による冷熱移送装置の平面図を示す。
【図20】冷熱装入後発送準備が整った輸送容器の組立体を垂直断面において示す。
【図21】標本が蓄積される現地における輸送容器の開放、充填および再シールを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1に垂直位置に描かれた輸送容器1は、ほぼカップの形状の断熱容器2を含み、この断熱容器2は、内壁3および外壁4と、内側底面5および外側底面6とを有する。外側底面6は(図11においても説明するように)、外壁4の僅かに後退した下端部に差し込まれ、その下端部に接着接合またはハンダ付けされる。
【0016】
上端においては、外壁は内部フランジ7に繋がっており、この内部フランジ7は、容器のシール材9を保持する環状の溝8を備えると共に、下向きに延びる円周状の連結ウェブ材10に繋がっている。
【0017】
薄壁のステンレス鋼から製作される内壁3は、パイプのように薄く構成され、その下端にはチャンバ底面11が設けられる。内壁3は、中間高さに条溝状の狭窄部12を有し、その上端においてメスネジ部13を支え、その上部で、外側に突き出る環状フランジ14に直接繋がっている。
【0018】
断熱容器2の上端には断熱リング15が配置され、その断熱リング15によって、内壁3の環状フランジ14と、外壁4の連結ウェブ材10とが、ある距離をおいて互いに固定して接着接合される。この状態は図10および11に同様に見ることができる。この方式によって、断熱容器2の金属壁3および4間に断熱層が存在することになる。その間に接着接合される断熱リング15は、同時に、内壁3を外壁4に対してサイレントブロックの形で弾性的に取り付ける効果を有する。
【0019】
環状の冷却容器16は断熱容器2の中に固定して組み込まれる。冷却容器16は周囲壁17を有しており、その周囲壁17は、その上端において、上方に延びる内側ウェブ材19を含むカバーフランジ18に繋がっている。冷却容器16は、次のように断熱容器の中に組み込まれる。すなわち、冷却容器16は、冷却容器16の内側の周囲壁20が内壁3の下半分によって形成され、一方、内側底面5およびチャンバ底面11が冷却剤チャンバ21の平坦な中心領域を形成するように組み込まれる。内側底面5とチャンバ底面11との間の中心の溶接スポット22は、内壁3の上部領域において生起し得る機械的負荷を軽減する。冷却容器16の内側のウェブ材18は溶接ビード23によって内壁3に固定して接合され、その結果として、冷却剤チャンバ21が密封シールされる。
【0020】
内壁3の狭窄部12は、内壁3内部の空間を、下部の標本チャンバ24と上部のネック開口25とに細分する(図5)。標本チャンバ24は、図示のように、それぞれ1つの標本容器27の中に入れた3つの異なる標本26を同時に保持できる。この標本は、例えばヌンク(Nunc)チューブとすることができる。
【0021】
プラグ28をネック開口25の中に差し込むが、このプラグ28は図14に拡大表示されている。プラグ28は、垂直断面においてT字形状であり、大きな幅の上部ヘッド29と、下方に延びかつ上端にオスネジ31を有する中心の断熱シャフト30とを含む。これによって、プラグ28は、内壁3のメスネジ13にねじ込まれる。この場合、断熱シャフト30の長さはネック開口25の高さに合致しており、その結果、ネック開口25の環状間隙32のみがそのまま残される。断熱シャフト30は、その下端に環状のネックシール材33を備えており、そのネックシール材33は、プラグ28がねじ込まれたときに、内壁3の内側に狭窄部12によって形成される弁座34に当接して(図20)、これによって、標本チャンバ24をネック開口25または環状間隙32に対してシールする。この環状間隙32は、Oリング35によっていくつかの区画に細分される。Oリング35は断熱シャフト30の環状の溝36に挿入される。これによって、環状間隙32を通る対流による熱伝達が防止される。断熱シャフト30における縦方向の溝37(図14)が、Oリング35およびオスネジ31を越えて延びており、間隙部分とプラグ28の上部側との間の圧力均衡を確保する。
【0022】
断熱シャフト30は、その下側に、突出するパッド材38を備えている。このパッド材38は、漏洩する可能性がある標本の液体の吸収用として用いられ、容易に取替え可能である。上部からアクセスできるヘッド29の内部に空洞39が設けられ、空洞カバー40によってカバーされる。空洞39には、例えば、データロガー41およびそれに付属するバッテリ42を収納できる。データロガー41は、断熱シャフト30の下端の温度センサ44に、耐真空方式で埋め込まれる信号線43を介して接続され、標本チャンバ24内の現在温度を連続的に記録できる。代替方式として、データロガー、バッテリおよび温度センサを含まない簡素化されたプラグを設けることができる。
【0023】
断熱容器2は断熱カバー部分45によってカバーする。そのカバー部分45の下側には、容器のシール材9と相互作用してシールする環状のウェブ材46が設けられる。カバー部分45は、その下側に、カバーの内部47を形成する窪みを有する。このカバーの内部は、プラグ28のヘッド29をゆるく保持する。
【0024】
カバー部分45には排気装置48を設ける。この排気装置48は、カバーの内部47に連絡しており、固定保護キャップ50を備えた排気弁49の形態である。
【0025】
断熱容器2の外側底面6には、排気弁52および保護キャップ53を備えた同様の排気装置51を設ける。これによって、断熱容器2内に形成される断熱チャンバ54内に、例えば熱分解法ケイ酸などの真空支持材55を完全充填することが可能になる。これは、断熱チャンバが排気されるときに構造を強化する効果を有する。断熱容器2の底面領域には、断熱チャンバ54内の残留ガスを結合するためにゲッター56が装着される。
【0026】
冷却剤チャンバ21には、冷却剤の充填の他に、金属ウールの充填物57が設けられる。この結果、冷却剤チャンバ内部の熱伝導が著しく改善され、これによって、冷熱装入および冷却剤の液体/固体の相転移が促進される。
【0027】
任意選択的に用いられる輸送容器1用の外被梱包体58が、垂直および水平断面としてそれぞれ図2および3に示される。この外被梱包体58は、外側のカバー60を有する外側容器59を含む。この外側カバー60は、円周状のシール用ウェブ材61によって、外側容器59の上端に設けられる対応するシール溝62と係合する。外側容器59および外側カバー60は、断熱材料から製作され、正方形の外側断面と円形の内側断面とを有する。
【0028】
外側容器59は、外壁63および内壁64を有する中空体として製造され、両壁間に連結用ウェブ材65が延びている。内壁64が、外側カバー60と共に、輸送容器1に合致する円筒状の受入れチャンバ66を取り囲む。
【0029】
外壁63と内壁64との間に形成される空洞には、同様に冷却剤67を充填するが、この冷却剤67は、0〜−15℃の比較的高い温度範囲において固体/液体相転移を呈するものとする。外被梱包体58と、特に、使用前に凍結される冷却剤67とが、被包された輸送容器1への熱の流入に対する遮蔽を形成する。
【0030】
図4〜13は、輸送容器1を構成する個々の部品と、各部品の好適な組み立て方を示す。
【0031】
図4に従って、冷却容器16には金属ウール充填物57が設けられる。これは、例えば、絡み合わされた銅の金属糸とするのが好適である。この金属ウールの充填物57は、図6に明示されるように、冷却容器16内にほぼ環状の形に配置され、冷却容器16の底面5の上の中心には、薄い金属ウール層または少なくとも1本の金属糸の部分が残るようにする。
【0032】
図5に従って、メスネジ13および狭窄部12を含む内壁3を断熱リング15の中に押し込む。すなわち、図6に示す位置まで押し込み、それに続いて、内壁3を、図6に示すように、冷却容器16の中に図7の位置に達するまで挿入する。この位置において、内壁3の底面および冷却容器16の底面は溶接スポット22によって互いに支持され、冷却容器16は、その上端において、溶接ビード23によって内壁3に固定して接合される。
【0033】
冷却容器16は、その上側にネジ付き開口69を有しており、図8に示すように、その開口69を通して、液体の冷却剤を、冷却容器16がほぼ完全に充填されるまで容器68から冷却容器16の中に注入する。この冷却剤は、−15℃〜−100℃の温度範囲、好ましくは−30℃〜−85℃の温度範囲の固体/液体相転移温度と、少なくとも50J/mlの融解熱とを有する有機物質である。このような冷却剤は、例えば、オクタン、1−ヘキサノール、2−ヘキサノン、ヘキサナール、ピリジン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、またはクロロベンゼンとすることができる。
【0034】
充填後、冷却容器16のネジ付き開口69を恒久的に密封シールする。このシールは、図8aに従って、最初に止めネジ70をねじ込み、続いて残余の開口部を溶接閉止し、さらに、飛び出ている溶着材料71を平坦面になるように除去することによって行う。
【0035】
ここで、図9に従って、冷却容器16と内壁3と断熱リング15とを含む構成を、外壁4の中に図10に示す位置に達するまで差し込む。この位置において、内壁3および外壁4を、接着剤層72および73によって耐真空方式で断熱リング15に接合する。これによって、冷却容器16および内壁3を含む構成の外壁4に対する弾性的取り付けが同時に実現される。
【0036】
引き続いて、図11に従って、外壁4の内部に形成される断熱容器2の断熱チャンバ54に真空支持材料55を充填し、ゲッター56を有する外側底面6を外壁4の下端部に押し込み、接着剤74によって耐真空方式で外壁4に接合する。その結果、図12に示す構成が得られ、続いて、上端において、その中に容器シール材9を挿入し、下端において、止めキャップ53を有する排気弁52を耐真空方式でねじ込む。それに続いて断熱容器2を排気する。図13に従って、排気弁49を同様にカバー部分45に耐真空方式でねじ込む。
【0037】
最後に、図14に従って、データロガー41とバッテリ42と温度センサ44とを組み込み、かつ、Oリング35およびパッド38を装着することによって、プラグ28を完成する。
【0038】
輸送容器1への冷熱装入、すなわち冷却容器16内の冷却剤の液体相から固体相への相転移は、図15〜19に説明する、異なる方法および装置によって効果的に実施できる。
【0039】
図15は、例えば液体窒素75による直接冷熱装入を示す。この目的のため、注入漏斗76を、開放された輸送容器1(カバー部分45およびプラグ28なし)のメスネジ13の中にねじ込み、冷熱装入の間、開放カバー77を装着する。注入漏斗76およびカバー77は断熱材料製である。この直接冷熱装入の利点は、内側周囲壁20およびチャンバ床面11を含む内壁3の下半分の全体が液体窒素75に接触し、従って、冷熱移送の点で効率的で短い装入時間に有利な点にある。しかし、冷熱装入完了後に、標本チャンバ24およびネック開口25の中に(液体)窒素が残留していないことを特に別途確認しなければならない。
【0040】
図16に従って、液体窒素(あるいは、ドライアイスまたはドライアイスとイソプロパノールなどの液体との混合物)による間接冷熱装入を想定できる。この目的用として、底板79を含む椀形の冷熱移送装置78を用いる。この底板79から、中心の長い冷却突起棒80と、内側の周囲壁81および外側の周囲壁82とが上方に延びている。2つの周囲壁81および82の間に、液体窒素84用の環状チャンバ83が形成される。冷熱移送装置78には、底板79および外側の周囲壁82を囲繞する外側断熱層85を設ける。底板79と、周囲壁81および82と、冷却突起棒80とは、銅などの高熱伝導率の材料から一体品として製造するのは望ましい。
【0041】
冷熱装入するために、カバーを取り外した輸送容器1を倒立位置にして、輸送容器1の内壁3を冷却突起棒80の上に嵌め込む。この場合、冷却突起棒は壁体よりも僅かに長く、容器の重量によって、冷却突起棒80の上端面とチャンバの床面11との間の良好な接触が確保される。さらに、内側の周囲壁81の直径の寸法を、図示のように、内側の周囲壁81が装入位置にある輸送容器1の下端を保持するように定める。
【0042】
図16に従って装入する場合は、冷熱または温熱は、底板79および冷却突起棒80を通して、さらに実質的にはチャンバ床面11を通して輸送される。冷却容器16内の冷却剤との熱交換は、主として金属ウールの充填物によって行われる。この金属ウールの充填物は、チャンバ底面11と内側底面5との間にも介在しており、有機冷却剤の低い熱伝導特性の点から見て冷熱装入時間を実質的に短縮する。これは、また、熱の伝達が、冷却の間下向きに沈下する冷却剤の最高点においてチャンバ底面11を通して行われ、従って冷却剤の全体的な凍結を改善するという点によって促進される。
【0043】
図17によれば、図16による冷熱装入に相当する間接冷熱装入で、例えばスターリング冷凍機のような能動冷凍機86を冷熱供給源として用いる間接冷熱装入が設けられる。この冷熱供給源から、同様の長い金属の冷却突起棒87が上方に延びている。この突起棒87も、銅などの高熱伝導率の材料から作られる。
【0044】
図18および19に従ってさらに別の間接冷熱装入が設けられる。但し、この場合は、冷凍庫内に入れて行う受動冷却が設けられている。この目的のため、同様に上方に延びる冷却突起棒90を有する冷熱移送装置89が設けられる。その冷却突起棒90は、その下端において、図19に示すように星形に配置されるフィンプレート91に連結される。この場合も、冷却突起棒90およびフィンプレート91は、銅などの高熱伝導率の材料から構成される。
【0045】
図20は、発送準備が整った輸送容器1の組立体を示す。輸送容器1においては、プラグ28が、差し込まれて、そのネックシール材33が弁座34にシールする形に当接するまで、矢印1に従ってねじ込まれる。続いて、カバー部分45を、矢印2に従って装着し、さらに引き続いて、矢印3に従って、カバーの内部47を排気弁49から排気する。この方式で作り出された外部の余剰圧力によって、カバー部分45が、軸方向に、断熱容器2対して確実に押し付けられ、容器のシール材9によってそれが確実にシールされることになる。同時に、環状間隙32における対流による熱伝達が抑止される。
【0046】
この場合、凍結された冷却剤を含む冷却容器16は、排気された断熱容器2によって形成される超断熱構造と、断熱シャフト30を備えたプラグ28と、断熱シャフト30の回りの排気された環状間隙32とによって、熱の流入が遮断される。その結果、凍結状態または冷熱装入は、取り扱い現地(病院)に送付される間の周囲温度においても可能な限り長く維持される。
【0047】
図21は取り扱い現地における使用を示す。矢印1〜4に示す段階に従って、保護キャップ50が取り外され、排気弁49を作動させてカバーの内部47に給気し、カバー部分45を取り外し、プラグ28のネジを弛めてそれを取り外す。その後、標本容器27に入れた凍結標本26を標本チャンバ24に挿入する。続いて、輸送容器1を、できるだけ速やかに、逆に順序、すなわち、プラグ28をねじ込み、カバー部分45を装着し、カバーの内部47を排気し、保護キャップ50を取り付けて再シールする。この結果、図1に示す状態が得られる。この状態で、標本26は、輸送容器1の上記の断熱効果と、特に冷却容器16内の凍結冷却剤の冷熱容量とによって温度上昇から防護され、その送付先に発送できる。場合によっては、これを、図2および3の外被梱包体58を使用することなく行うことも可能である。外被梱包体59は、特に、貯蔵期間および/または輸送期間が長い場合、および、周囲温度が相対的に高い場合に使用する。到着地では、引き続いて、標本26を、輸送容器1から取り出し、分析し、場合によっては凍結庫に恒久保存する。データロガー41は、標本チャンバ24内の目標貯蔵温度が維持されたこと、および、その結果標本26が損傷されなかったことを検証するために用いられる。
【0048】
輸送容器1は再利用することが想定されている。これをなすには、冷熱の新規再装入と、上記の組立てと、取り扱い現地への送付とが必要なだけである。さらに、断熱容器2の排気を、経験的に設定される時間間隔でチェックし更新することが推奨される。
【0049】
総括的に、本発明による輸送容器は、次のように記述することができる。すなわち、輸送容器1は、真空支持材料55を含む排気された断熱容器2の形の超断熱構造を有する。その中に、冷却容器16が組み込まれ、その冷却容器16は熱伝導性の金属ウールの充填物57を含むと共に、その冷却容器16には、−30℃〜−85℃の温度範囲において固体/液体の相転移を呈しかつ少なくとも50J/mlの融解熱を有する有機冷却剤が充填される。超低温冷凍された組織の標本26保持用の薄い円筒状の標本チャンバ24が設けられる。このチャンバは、冷却容器16によって囲繞され、かつ、長いネック開口25に一体的に繋がっている。このネック開口25には、ねじ込み可能なプラグ28の断熱シャフト30がほぼ満たすように差し込まれ、その断熱シャフト30によってネック開口25を標本チャンバ24に対してシールすることができる。この場合、残存する環状の間隙32を、排気装置48から排気できる。プラグ28は、標本チャンバ24の中に延びるパッド38と、標本チャンバ24内の温度を記録するデータロガー41とを備えている。冷却剤凍結後、輸送容器1によって、14日間までの輸送時間および中間貯蔵が、保持する組織標本26に全くリスクを及ぼさずに可能になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結品(26)、特に凍結した生物学的組織の標本または培養細胞の温度を維持するための輸送容器であって、
a)断熱容器(2)であって、
b)断熱カバー部分(45)からアクセス可能であり、かつ、
c)熱伝導率λ≦0.002W/(mK)の超断熱構造を有する断熱容器(2)と、
d)前記断熱容器(2)内に配置されると共に冷却剤チャンバ(21)を含む冷却容器(16)であって、
e)前記冷却剤チャンバは、前記凍結品(26)用の標本チャンバ(24)を固定側のアクセス開口(25)を除いて囲繞し、
f)恒久的に密封シールされ、かつ、
g)冷却剤を含む、冷却容器(16)と、を含む輸送容器であって、
h)前記冷却剤は、固体/液体相転移によって冷熱を放出し、
i)−15℃〜−100℃の温度範囲において相転移を呈し、かつ、
j)少なくとも50J/mlの融解熱を有する、
輸送容器において、
k)前記冷却剤チャンバ(21)を含む前記冷却容器(16)が、前記断熱容器(2)内に固定して組み込まれ、
l)少なくとも3倍だけその横寸法を超過する長さのネック形状の開口(25)を形成するという条件で、前記断熱容器(2)が前記標本チャンバ(24)を超えて延び、
m)前記ネック開口(25)の外側の端部において断熱リング(15)が設けられ、
n)前記断熱リングは、前記断熱容器(2)の内壁(3)および外壁(4)を相互に断熱すると共に、
o)前記連結された冷却容器(16)を伴う前記内壁(3)を前記外壁(4)に対して弾性的に取り付け、さらに、
p)プラグ(28)が前記カバー部分(45)に組み込まれ、
q)前記プラグは、断熱シャフト(30)によって前記ネック開口(25)の中に延び込み、
r)前記ネック開口(25)をほぼその全長にわたって満たし、かつ、
s)その先端において、ネックシール材(33)によって前記断熱容器(2)の内壁(3)に対してシールされ、さらに、
t)前記断熱容器(2)と前記カバー部分(45)との間に容器シール材(9)が配置され、かつ、
u)前記断熱シャフト(30)を囲繞する環状の間隙(32)を含むカバーの内部(47)を排気する排気装置(48)が設けられる、
ことを特徴とする輸送容器。
【請求項2】
前記冷却剤が、−30℃〜−85℃の相転移温度を有する純粋な有機物質であることを特徴とする請求項1に記載の輸送容器。
【請求項3】
前記断熱容器(2)が、その容器の外壁(4)に隣接する外側底面(6)を備える中空の円筒状に設計され、その容器の内壁(3)は、同時に前記冷却容器(16)の内側の周囲壁(20)を形成しかつ前記標本チャンバ(24)を画成すると共に、内側の端部においてチャンバ底面(11)に繋がっており、前記チャンバ底面(11)は、前記冷却容器の底面を形成する前記断熱容器(2)の内側底面(5)に対して間隙距離をおいて配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の輸送容器。
【請求項4】
前記断熱容器(2)に、真空断熱のための排気装置(51)が設けられ、かつ、真空支持材料(55)が充填されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の輸送容器。
【請求項5】
前記断熱容器(2)に、真空支持材料(55)として、粉末の熱分解法ケイ酸が充填されることを特徴とする請求項4に記載の輸送容器。
【請求項6】
前記断熱容器(2)内にゲッター(56)が装着されることを特徴とする請求項4または5に記載の輸送容器。
【請求項7】
前記断熱シャフト(30)を含む前記プラグ(28)が別個の構成部品であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の輸送容器。
【請求項8】
前記プラグ(28)が、前記ネック開口(25)の外側の端部におけるメスネジ(13)と協動するネジプラグとして設計されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の輸送容器。
【請求項9】
前記プラグ(28)が、前記断熱シャフト(30)に比べて幅広であると共に前記カバー部分(45)の窪みの中に保持されるヘッド(29)を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の輸送容器。
【請求項10】
前記プラグ(28)のヘッド(29)が、データロガー(41)およびそれに付属するバッテリ(42)を含み、前記データロガー(41)は、前記断熱シャフト(30)の自由端の領域の温度センサ(44)に、前記断熱シャフト(30)を貫通して導かれる信号線(43)を介して接続されることを特徴とする請求項9に記載の輸送容器。
【請求項11】
前記断熱シャフト(30)が、少なくとも1つの環状の溝(36)を含み、前記溝(36)には、前記断熱シャフト(30)を前記断熱容器(2)の内壁(3)に対してシールすると共に、前記内壁(3)と前記断熱シャフト(30)との間の環状間隙(32)を細分するOリングが装着されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の輸送容器。
【請求項12】
前記プラグ(28)が、前記標本チャンバ(24)を画定するその先端部において、標本チャンバの液体を吸収するための取り換え可能なパッド(38)を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の輸送容器。
【請求項13】
前記冷却容器(16)の冷却剤チャンバ(21)が、冷却剤の他に、前記凍結品(26)の受入れに先立つ冷熱装入を改善するための熱伝導性の金属ウールの充填物(57)も含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の輸送容器。
【請求項14】
前記冷却剤が有機物質であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の輸送容器。
【請求項15】
前記断熱容器(2)および前記冷却容器(16)がステンレス鋼製であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の輸送容器。
【請求項16】
前記輸送容器に、断熱外側容器(59)および断熱外側カバー(60)を含む外被梱包体(58)が付属し、前記外被梱包体(58)は、前記輸送容器(1)の寸法に適合する寸法の受入れチャンバ(66)を囲繞することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の輸送容器。
【請求項17】
前記外側容器(59)が、0℃〜−15℃の温度範囲において液体/固体相転移する冷却剤(67)を含むことを特徴とする請求項16に記載の輸送容器。
【請求項18】
前記輸送容器に、特に銅製の高熱伝導率の固体冷却突起棒(80、88、90)を含む冷熱装入装置が付属し、前記冷却突起棒の長さは前記標本チャンバ(24)および前記ネック開口(25)の合計長さに合致し、前記冷却突起棒の横方向寸法は前記標本チャンバ(24)および前記ネック開口(25)に適合し、さらに、前記冷却突起棒(80、88、90)の一方の端部が冷熱移送装置(78、87、89)に連結されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の輸送容器。
【請求項19】
前記冷熱移送装置(78)が、液体窒素またはドライアイスなどの低温冷却剤(84)を保持するための、外部断熱(85)を施した容器(79、81、82)であることを特徴とする請求項18に記載の輸送容器。
【請求項20】
前記冷却突起棒(80)が前記容器(79、81、82)の底面(79)の中心から上方に延び、前記容器は、前記冷却剤(84)用の外側の環状チャンバ(83)と、前記断熱容器(2)保持用の内側チャンバとを有し、前記断熱容器(2)は、ネック開口(25)を下向きにして前記冷却突起棒(80)に差し込まれることを特徴とする請求項19に記載の輸送容器。
【請求項21】
前記冷熱移送装置(89)が、超低温冷凍庫における冷熱装入において熱伝達が増大するようにフィンプレート(91)をもって構成されることを特徴とする請求項18に記載の輸送容器。
【請求項22】
前記冷却突起棒が、前記標本チャンバの底面(11)に当接して、動的に追随され、その結果、特に重量負荷によって端部側が固定してそれに載ることになることを特徴とする請求項18〜21のいずれか一項に記載の輸送容器。
【請求項23】
前記輸送容器に、液体窒素などの低温冷却媒体(75)によって直接冷熱装入するための充填用漏斗(76)が付属し、ここで、前記充填用漏斗(76)を、前記ネック開口(25)の外側の端部におけるメスネジ(13)にねじ込むことができることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の輸送容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2009−543082(P2009−543082A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518784(P2009−518784)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006138
【国際公開番号】WO2008/006558
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(506227644)
【Fターム(参考)】