説明

凍結防止濃縮物及び冷却剤組成物並びにそれらの製造

改善された熱安定性を有する毒性的にやさしい凍結防止組成物が提供されている。一態様において、該凍結防止組成物は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、アジピン酸、及びコハク酸、並びにそれらの混合物、のアルカリ金属塩から選択される水性凝固点降下剤を5〜80重量%、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の少なくとも1種を0.1〜10重量%、並びにオクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ネオデカン酸、安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、p−ターブチル安息香酸、及びそれらの混合物の少なくとも1種を0.1〜10重量%含む。一態様において、該組成物は10〜90重量%の水と混合される濃縮物として使用される。該組成物は、全くグリコールが無くても良いし、或いは、代わりの態様において、1:2〜1:20のグリコール:非グリコールベース比を有しても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、低温で改善された熱安定性を示す凍結防止組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
〔関連出願の参照〕
本願は同時係属出願番号11/769,960の部分継続出願である。
【0003】
熱交換システムにおいて、及び/又は除氷用途のために、凍結防止組成物を使用することは知られている。これらの用途において、凍結防止組成物は、熱交換システム又は除氷すべきシステムの異なる部分を形成する種々の金属、合金、及び他の成分と接触する。凍結防止組成物と接触する部分及び成分の腐食から保護するために努力がなされてきた。従来技術の解決には、種々の腐食防止剤の添加、及び/又は複合的金属保護システム用の異なる有機酸の使用が含まれる。
【0004】
腐食保護はあらゆる温度範囲において重要である。しかしながら、低温では、スケ−ル(scale:水あか、湯あか)及び/又は沈着物の望ましくない形成を含めて、凍結防止組成物の性能に重要な他の因子が作用し始める。凍結防止組成物を希釈するために水がしばしば使用される。水の品質は、地理的な位置、人口、及び工業化度で大きく変化する。硬水を使用する場合、アルカリ土類金属炭酸塩及び燐酸塩の沈着からスケールが形成され得る。これらの無機皮膜は、伝熱を抑制し、従って該システムの伝熱効率を減少させる傾向がある。硬水の使用に加えて、ある種の腐食防止剤の使用も、沈着物の形成、例えば、ケイ酸塩のゲル化の一因となる。冷却剤用のある種の添加物パッケージにおいて、金属の冷却システム部分の保護を助けるために、そして該凍結防止剤のpHを制御する緩衝剤としても、ケイ酸塩/燐酸塩腐食防止剤が使用される。ケイ酸塩/燐酸塩を含有する組成物を硬水と混合する場合、多量の沈殿が短い時間で現れる。これらの沈殿物は冷却システムを塞ぐ可能性があり、凍結防止剤/冷却剤流の減少、エンジン操作温度の増加、及び耐用年数の短縮を招く。沈着物の形成は又、該システムの部分及び成分で使用されている柔らかい材料部分、例えば、水ポンプのシール、エンジンのヘッドシール、ホース等の物理的損傷を招く可能性もある。
【0005】
該ケイ酸塩沈着物問題を軽減するために、凍結防止組成物にケイ酸塩安定剤を添加することが出来る。
【0006】
しかしながら、低い操作温度、例えば、亜凍結では、いくつかの添加剤は溶解性ではないので該問題を更に悪化させる。
【0007】
沈着物/不溶性物質の望ましくない形成は凍結防止組成物の伝熱性を減少させるので、理想的に、凍結防止組成物は操作中透明性を維持すべきであり、不溶性物質を皆無にしておくべきである。
【0008】
又理想的に、凍結防止組成物は環境的に且つ毒性的に優しくなければならない。
【0009】
毒性的に優しい凍結防止組成物、即ち、塩/沈着物形成が最小であり低温で改善された熱安定性を有する非グリコールベースの組成物に対する必要性が依然として存在する。
【0010】
〔従来技術の簡単な説明〕
アルキレングリコールの存在を説明している凍結防止組成物は多数存在する。米国特許第5,997,763号は、少なくとも、
a)アルキレングリコール、
b)腐食防止有効量以上の非置換安息香酸、及び、
c)腐食防止有効量以上のC〜C14モノカルボン酸、
を加え合わせることにより製造される凍結防止濃縮物を開示している。
【0011】
この配合物は、ホウ酸塩、第1級及び第2級アミン、燐酸塩、ケイ酸塩、が無い冷却剤、及びp−tertブチル安息香酸が無い冷却剤において、腐食を防止するのに特に効果的である。
【0012】
米国特許第6,080,331号は、アルキレングリコール又はその誘導体に基づく、ケイ酸塩、ホウ酸塩、及び硝酸塩が無い凍結防止濃縮物であって、
(a)第一の酸が脂肪族モノカルボン酸であり、第二の酸がo−、m−又はp−ヒドロキシ安息香酸及びo−、m−又はp−(ヒドロキシメチル)安息香酸から成る群から選択されるヒドロキシ芳香族モノカルボン酸である、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、又は置換アンモニウム塩の形をした、各々が3〜16炭素原子から成る2種のモノカルボン酸の混合物、濃縮物の全量に基づいて0.05〜10重量%、及び(b)少なくとも1種の炭化水素−トリアゾール及び/又は炭化水素−チアゾール、濃縮物の全量に基づいて0.01〜3重量%、
から本質的に成る前記の凍結防止濃縮物を対象にしている。
米国特許第6,398,984号は、好ましい態様において、凝固点降下剤としてエチレン又はプロピレングリコールのようなアルキレングリコールを含む腐食防止剤配合物を対象にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,997,763号
【特許文献2】米国特許第6,080,331号
【特許文献3】米国特許第6,398,984号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様において、
アセテート、ホルメート、プロピオネート、アジペート、及びスクシネートから選択されるアニオンの水性媒体アルカリ金属塩の少なくとも1種を含む凝固点降下剤を50〜99.8重量%、少なくとも分枝有機酸(C〜C16)、又は分枝有機酸(C〜C16)のアルカリ若しくはアミノ塩を0.1〜5重量%、及びi)脂肪族モノ酸(C〜C12)又は脂肪族モノ酸(C〜C12)のアルカリ若しくはアミノ塩、又はii)芳香族有機酸(C〜C18)又は芳香族有機酸(C〜C18)のアルカリ若しくはアミノ塩、iii)置換芳香族有機酸(C〜C18)又は置換芳香族有機酸のアルカリ若しくはアミノ塩、を0.1〜5重量%、
含む凍結防止組成物が提供される。一態様において、該組成物は濃縮物として、10〜90重量%の水を含む凍結防止水溶液と混合して使用される。
【0015】
もう一つの局面において、
アセテート、ホルメート、プロピオネート、アジペート、及びスクシネート、並びにそれらの混合物から選択されるアニオンのアルカリ金属塩の群から選択される凝固点降下剤を50〜99.8重量%、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の少なくとも1種を0.1〜10重量%、及びヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ネオデカン酸、安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、p−ターブチル安息香酸、及びそれらの混合物の少なくとも1種を0.1〜10重量%、
含む凍結防止濃縮物組成物が提供される。
【0016】
又、凍結防止組成物の熱安定性を改良する方法であって、
a)少なくとも分枝有機酸(C〜C16)、又は分枝有機酸(C〜C16)のアルカリ若しくはアミノ塩を0.1〜10重量%、及びb)i)脂肪族モノ酸(C〜C12)又は脂肪族モノ酸(C〜C12)のアルカリ若しくはアミノ塩、又はii)芳香族有機酸(C〜C18)又は芳香族有機酸(C〜C18)のアルカリ若しくはアミノ塩、iii)置換芳香族有機酸(C〜C18)又は置換芳香族有機酸のアルカリ若しくはアミノ塩、を0.1〜10重量%、
含む腐食防止剤系を凍結防止組成物の凝固点降下剤マトリックス中に混合することを含む前記の方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の更なる理解を促進するために、以下の用語に対する定義をここに提供する。
【0018】
用語「凍結防止剤」は、水溶液の凝固点を減少させる組成物のことを言う、即ち、水に関して減少した凝固点を有する水溶液、例えば、凝固点降下剤を含む組成物である。
【0019】
用語「冷却剤」は、エンジンを凍結、沸騰、又は腐食なしに効果的に機能させる性能を有する液状凍結防止組成物の範疇のことを言う。エンジン冷却剤の性能は、米国材料試験協会(A.S.T.M.)及び自動車技術者協会(S.A.E.)により定められた規格に合致するか超えなければならない。
【0020】
用語「伝熱流体」は、システム内で生成した熱を、該熱を利用又は分散することの出来る他のシステム又は装置に移動させながら、システムの過熱を防止するためにシステムを通って流れる流体のことを言う。
【0021】
用語「除氷」流体は、システム、装置、又は部品を氷が無いようにするか又はしておく流体、又は氷を溶融する流体のことを言う。
【0022】
本明細書で使用する場合、用語「凍結防止」組成物(又は流体若しくは濃縮物)は、「伝熱」、「冷却剤」、又は「除氷」流体(組成物又は濃縮物)と交換できるように使用することが出来る。
【0023】
本発明の一態様において、優れた熱安定性を有する凍結防止組成物が提供される。該組成物は、(視覚的に観察できる)沈着物形成が最小で、比較的に澄明なままである。該組成物は、非グリコールベースの凝固点降下剤中に腐食防止剤の組合せを含む。
【0024】
[非グリコールベースの凝固点降下剤マトリックス]
一態様において、凝固点降下剤マトリックスは、グリコールが無く、最終濃縮物組成物全重量の50〜99.8重量%の量で、アセテート、ホルメート、プロピオネート、アジペート、及びスクシネートから選択されるアニオンの水性媒体アルカリ金属塩から少なくとも構成される。一態様において、該組成物は、10〜90重量%の水を含む凍結防止水溶液と混合している。適切な例は、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、酢酸カリウム、アジピン酸二カリウム、及びそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。
【0025】
一態様において、該マトリックスは、凝固点の極端な減少のために、親水性の強い置換基を含有するホルムアミド及び/又は尿素のような追加の水溶性有機化合物を更に含む。もう一つの態様において、マトリックス用非グリコール凝固点硬化剤に、1:2〜1:20のグリコール:非グリコールベース比で、いくらかのグリコールを添加しても良い。
【0026】
一態様において、該非グリコールマトリックスは、上述の全部ではではなければいくつかのアルカリ金属塩の混合物である。いくつかの組合せ/混合物、例えば、酢酸塩及びギ酸塩に関して、該組合せは、個々のアルカリ金属塩成分を使用した場合でさえ達せられない凝固点の極端な減少を生じる。例えば、酢酸カリウム(40:0)の濃厚水溶液は−38℃の凝固点を有し、水溶液中のギ酸カリウム(40:0)は−35℃で凝固する。もしこれら2種のカリウム化合物を互いに組み合わせて水中に「溶解させる」なら、−70℃で液状の組成物が得られる。水中プロピオン酸ナトリウム(40:0)の濃縮物は、−32℃の凝固点を有する。水中プロピオン酸ナトリウムとギ酸カリウム(20:20の比における)の混合物は、−48℃の凝固点を有し、それは、加算法則を用いて計算した−34℃の予想中間点よりも顕著に低い。
【0027】
一態様において、ギ酸カリウムが凝固点降下剤として使用される。第二の態様において、ギ酸カリウムとプロピオン酸カリウムの混合物が、1:5〜1:20のギ酸塩:プロピオン酸塩比用のマトリックスで使用される。第三の態様において、酢酸カリウムとモノエチレングリコールの混合物が該マトリックスで使用される。更に第四の態様において、アジピン酸二カリウムが凝固点降下剤として使用される。第五の態様において、該非グリコールマトリックスは、90:10〜99:1の比でコハク酸カリウムとポリアスパラギン酸ナトリウムの混合物を含む。
【0028】
一態様において、該非グリコールマトリックス成分は、40重量%より多いアルカリ金属の酢酸塩又はギ酸塩を含む。更にもう一つの態様において、該マトリックスは1:6のホルメート−アセテートアニオン濃度比を有し、水で希釈した場合(65重量%の水含量に関して)、該マトリックスは−25℃の凝固点を有し、及び30重量%の水含量に関して水で希釈した場合−80℃の凝固点を有する。
【0029】
[腐食防止剤系]
該凍結防止組成物は更に、a)0.1〜10重量%の、第一成分としての、1種以上の分枝有機酸(C〜C16)、又は該分枝有機酸のアルカリ若しくはアミノ塩、及びb)0.1〜10重量%の、第二成分としての、1種以上の線状脂肪族モノ−又はジ−塩基酸(C〜C12)、芳香族有機酸(C〜C18)、又は置換芳香族有機酸(C〜C18)、又は前記酸のアルカリ若しくはアミノ塩、の組合せ、を含む。該組成物は、脂肪族有機酸又は置換芳香族酸のみを含有する従来技術の組成物と比較して、凍結防止組成物の熱安定性を改良する。
【0030】
一態様において、該第一成分は、分枝有機酸、分枝有機酸の塩、及びそれらの混合物の少なくとも1種を含む。例は、以下の分枝C〜C18カルボン酸及びそれらの塩、即ち、イソブタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸を含むが、それらに限定されない。一態様において、該分枝有機第一成分は2−エチルヘキサン酸又は3,5,5−トリメチルヘキサン酸である。
【0031】
一態様において、該第二成分は、脂肪族モノ酸、脂肪族ジ塩基酸、芳香族有機酸、置換芳香族有機酸、前述の酸のアルカリ金属、アンモニウム、又はアミン塩、及びそれらの混合物の群から選択される。
【0032】
一態様において、該脂肪族モノ酸成分は、少なくともC〜C12脂肪族モノ塩基酸又はそのアルカリ金属、アンモニウム、若しくはアミン塩を含む。該酸又は異性体の例は、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、及びドデカン酸、並びにそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。該モノ塩基酸塩を形成するために、いかなるアルカリ金属、アンモニウム、又はアミンをも使用することが出来る。一態様において、該第二成分は、モノ塩基酸塩形成用のアルカリ金属としてナトリウム及びカリウムが使用された脂肪族モノ酸のアルカリ金属塩を少なくとも含む。もう一つの態様において、該第二成分としてオクタン酸が使用される。
【0033】
一態様において、該ジ塩基酸成分は、少なくともヒドロカルビルC〜C12ジ塩基酸又はかかるジ塩基酸のアルカリ金属、アンモニウム、若しくはアミン塩を含む。例は、スベリン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ジシクロペンタジエンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、及びそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。一態様において、該第二成分は、該酸塩形成用のアルカリ金属としてナトリウム及びカリウムが使用された該ジ塩基酸のアルカリ金属塩を少なくとも含む。第二の態様において、該第二成分としてセバシン酸が使用される。
【0034】
芳香族有機酸、及びヒドロキシル置換芳香族有機酸の例は、安息香酸、C〜Cアルキル安息香酸/それらの塩、例えばo−、m−及びp−メチル安息香酸又はp−tert−ブチル安息香酸、C〜Cアルコキシ安息香酸、例えばo−、m−及びp−メトキシ安息香酸、ヒドロキシル含有芳香族モノカルボン酸、例えばo−、m−又はp−ヒドロキシ安息香酸、o−、m−及びp−(ヒドロキシメチル)安息香酸、並びにハロ安息香酸、例えばo−、m−又はp−フルオロ安息香酸を含むが、それらに限定されない。一態様において、該芳香族有機酸は、2−ヒドロキシ安息香酸、p−ターブチル安息香酸、マンデル酸、及びホモフタル酸、並びにそれらの塩から選択される。
【0035】
一態様において、前述のカルボン酸は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム若しくはカリウム塩として、又はアンモニウム塩若しくは置換アンモニウム塩(アミン塩)として、例えばアンモニア、トリアルキルアミン、若しくはトリアルカノールアミンと共に、
存在する。
【0036】
一態様において、該組合せパッケージの(存在する水非グリコール凝固点降下剤の量に基づいた)大体の割合は、第一成分の約0.1〜15.0重量%及び第二成分の約0.1〜15.0重量%である。第二の態様において、第一又は第二の成分の量は0.1〜5重量%の範囲にある。第三の態様において、いずれか一方の成分は0.5〜3重量%の量で存在する。第四の態様において、該系は、第一成分対第二成分の比が3:1〜1:3の範囲で、1〜3重量%の第一成分及び1〜3重量%の第二成分を含む。
【0037】
一態様において、水で希釈された後、該凍結防止組成物は、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、酢酸カリウム、アジピン酸二カリウム、及びそれらの混合物の少なくとも1種が(希釈組成物の最終重量に基づいて)40〜55重量%であるマトリックス中に、2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸から選択される分枝酸を1〜3重量%、安息香酸、オクタン酸、p−tertブチル安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、及びそれらの混合物の少なくとも1種を1〜3重量%含む。更に他の態様において、該希釈組成物は、少なくとも非グリコール凝固点降下剤物質を約40〜50重量%、2−エチルヘキサン酸を1〜2重量%、及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸を1〜2重量%含む。
【0038】
[更なる/随意的な成分]
一態様において、該凍結防止組成物は、上述の成分と組み合わせて、(非グリコール凝固点降下剤マトリックスの重量に基づいて)0.01〜5.0重量%の濃度で1種以上の更なる従来の腐食防止剤を更に含む。随意的な従来の腐食防止剤の例には、アルカリ金属ホウ酸塩、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属安息香酸塩、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属亜硝酸塩、アルカリ金属モリブデン酸塩、及びヒドロカルビルチアゾールが含まれる。一態様において、該更なる腐食防止剤は、ヒドロカルビルトリアゾール、ヒドロカルビルチアゾール、メタ珪酸ナトリウム五水和物、オルガノシラン安定剤、及びそれらの混合物から選択される。適切なヒドロカルビルトリアゾールは、0.1〜0.5重量%の濃度で芳香族トリアゾール又はアルキル置換芳香族トリアゾール、例えばベンゾトリアゾール又はトリルトリアゾール及びそれらの混合物、を含む。更に他の態様において、該凍結防止組成物は、更なる腐食防止剤として、0.2〜5重量%の亜硫酸塩又は亜硫酸のアルカリ金属塩を含む。
【0039】
一態様において、該凍結防止組成物は、添加剤が低温度において溶解性で熱安定性であるという条件で、抗酸化剤、耐磨耗剤、洗浄剤、消泡剤、酸塩基指示薬、染料、等のような他の添加剤を、(非グリコール凝固点降下剤マトリックスの重量に基づいて)0.05〜約0.1重量%の量で更に含有する。
【0040】
消泡剤の例は、約1,000〜約4,000の分子量を有するポリアルキレンオキサイド、ジメチルポリシロキサンのようなシリコーン油、及び珪酸ジエチルのような有機珪素化合物、を含むがそれらに限定されない。
【0041】
抗酸化剤の例は、2,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール及び4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)のようなフェノール類、p,p−ジオクチルフェニルアミン、モノオクチルジフェニルアミン、フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、フェニル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミン、アルキルフェニル−1−ナフタルアミン、及びアルキルフェニル−2−ナフタルアミンのような芳香族アミン類、並びに硫黄含有化合物、例えばジチオホスフェート、ホスファイト、硫化物及びジチオ金属塩、例えばベンゾチアゾール、錫−ジアルキルジチオホスフェート、及び亜鉛−ジアリールジチオホスフェート、を含むがそれらに限定されない。
【0042】
耐磨耗剤の例は、燐酸塩、燐酸エステル、ホスファイト、チオホスファイト、例えば亜鉛−ジアルキルジチオホスフェート、亜鉛−ジアリールジチオホスフェート、燐酸トリクレジル、塩素化ワックス、硫化脂肪及びオレフィン、例えばチオジプロピオン酸エステル、硫化ジアルキル、多硫化ジアルキル、アルキルメルカプタン、ジベンゾチオフェン及び2,2’−ジチオビス(ベンゾチアゾール)、有機鉛化合物、脂肪酸、モリブデン錯体、例えば二硫化モリブデン、ハロゲン置換有機珪素化合物、有機珪素化合物、ボレート、及びハロゲン置換燐化合物、を含むがそれらに限定されない。
【0043】
洗浄剤の例は、スルホン酸塩、長鎖を有するアルキルで置換されている芳香族スルホン酸、ホスホネート、チオホスホネート、フェノラート、アルキルフェノールの金属塩、及び硫化アルキル、を含むがそれらに限定されない。
【0044】
一態様において、該配合物のpHを7〜10に調節するために、充分な量の少なくとも塩基、例えばNaOH、を該組成物に添加する。更に他の態様において、該pHを7〜9にするために、充分な量の少なくとも塩基を添加する。
【0045】
[製造方法]
該凍結防止組成物を配合するために、該腐食防止剤組合せ、随意的添加剤、随意的グリコール降下剤を、該非グリコールベース凝固点降下剤マトリックス中に、個々に又は種々の小組合せで混合することが出来る。使用される凝固点降下剤の量に依って、該組成物は「濃縮物」の形で、そのまま使用しても良いし、又は更に希釈しても良い。
【0046】
一態様において、50〜90重量%の水性凝固点降下剤を有する凍結防止濃縮物は、冷却システムにおいて又は凍結防止/除氷液として使用される前に、約10〜90容量%の水で更に希釈する。第二の態様において、該凍結防止組成物は25〜60容量%の水で希釈する。第三の態様において、添加される水の量は30〜50重量%である。第四の態様において、3〜9重量部の水、1〜2重量部のギ酸カリウム、1〜9重量部の酢酸カリウム、所望により1.5重量部までの尿素、及び所望により1.5重量部までのグリコール、及び1〜 重量部の該腐食防止剤組合せを含む組成物を目的として、該凍結防止濃縮物に水を添加する。
【0047】
[性質]
凝固点降下剤マトリックス用の非グリコール物質を有する一態様において、該凍結防止組成物は、同レベルの霜よけに対して、(グリコールベースの系と比較して)改良された熱伝達性及びより低い粘度を提供する。該組成物は、金属の腐食に対して優れた保護を示すよう特徴づけられる。更に該組成物は熱安定性であるよう特徴づけられる。
【0048】
本明細書で使用する場合、「熱安定性である」は、該凍結防止組成物のサンプルが少なくとも24時間、0℃で冷却されると2%未満の沈殿を形成することを意味する。他の態様において、該用語は、該組成物が少なくとも24時間、−15℃で冷却された後、(視覚的に観察される時)比較的に沈殿を有さないことを意味する。更に他の態様において、「熱安定性である」は、該組成物の2%未満が少なくとも24時間−15℃で冷却されると沈殿を形成することを意味する。第三の態様において、該用語は、該組成物の1%未満が少なくとも24時間、−15℃で冷却されると沈殿を形成することを意味する。第四の態様において、該組成物は少なくとも24時間、−25℃で冷却されると1重量%未満の沈殿を形成する。本明細書で使用する場合、「沈殿」は、不溶物、凝固物、凝集物、固体及び/又は微粒子、(結晶化からの)針状物、結晶、ゲル、コロイド状形成物、凝集した若しくは沈殿した塊、クラスター、又は該凍結防止組成物中で懸濁、析出若しくは沈降しても良い粒体、を含むことを広く意味する。
【0049】
一態様において、該組成物は、従来技術の組成物と比較して、改良された熱安定性を更に示し、少なくとも24時間の期間後、凍結温度又はそれより低い温度で不溶物/沈殿物が比較的ないままでいる。一態様において、該組成物は、少なくとも24時間後0℃より低い温度で比較的透明なままでいる。一態様において、該組成物は−5℃より低い温度で熱安定性のままでいる。第二の態様において、該組成物は−10℃より低い温度で熱安定性のままでいる。第三の態様において、該組成物は−20℃より低い温度で熱安定性のままでいる。
【0050】
[用途]
該液体の熱安定性及び該腐食防止剤により提供される優れた保護のおかげで、該凍結防止組成物は、かつて使用中の液体変化又は液体変性が最小である長い耐用年数を提供することが望ましい用途に特に有用である。一態様において、該凍結防止組成物は、寒冷地帯で掘削又は輸送された石油物質の流動性を改良し粘度を減少させるために該石油物質に熱を供給すべき用途に使用される。他の態様において、該組成物は又、工業用エンジンにおける冷却剤のような熱伝達流体に対する従来の用途にも有用である。
【0051】
グリコールの無い非グリコールマトリックスを有する環境的に優しい組成物に対する一態様において、該組成物は、火力発電所の冷却塔、工業用及び家庭用の冷蔵庫及び冷凍庫、開放式及び閉鎖式の熱交換器、太陽集熱器、化学工業で使用されるダブラ及びオートクレーブを、一般に凍結の場合に霜害に対して装置に保護を与えながら、操作するのに、そして間接冷却用の食料分野(例えば、凍結乾燥、深冷凍結キャビネット)において、使用することが出来る。更に他の態様において、該組成物は、航空機、装置、等から氷を融解するための除氷用途に使用することも出来る。
【実施例】
【0052】
以下の実施例は、本発明の諸局面を非限定的に説明するものとして記載する。
【0053】
他に特に規定がなければ、該組成物は、表2に示した量で諸成分を混合することにより製造する。実施例で使用した諸成分及び表1中の対応する「符号」を以下に記載する。すべての成分は、多数の供給源から市販されている。
【0054】
オクタン酸: C8
【0055】
2−エチルヘキサン酸: 2−eha
【0056】
3,5,5−トリメチルヘキサン酸(セカン酸): TMHA
【0057】
セバシン酸: C10b
【0058】
アジピン酸: C6b
【0059】
安息香酸: BA
【0060】
p−tertブチル安息香酸: PTBA
【0061】
ギ酸カリウム(Kホルメート)、プロピオン酸カリウム(Kプロピオネート)、酢酸カリウム(Kアセテート)、及びアジピン酸二カリウム: 実施例で使用される非グリコールベースの凝固点硬化剤
【0062】
モノエチレングリコール(MEG): 実施例のいくつかで使用される随意的グリコールベースの凝固点硬化剤
【0063】
該凍結防止組成物をガラスバイアルに入れ、表で特定された温度に維持された環境室の中に置いた。24時間後に、該ガラスバイアルを取り出して視覚的に評価した。(表中に示した)実施例における液体試料についての観察は、表1中の指針に従って行った。
【0064】
【表1】

【0065】
もしも該液体がわずかに濁っていると観察されたら、「TH」の符号を使用する。もしも該液体が非常に濁っており、微量の沈殿を有しているなら、その時は「SH+TP」を使用する。もしも該液体は清澄であるが(ごくわずかより多い)針状物が内部に観察されるなら、その時は符号「MN」を使用する。もしも該液体がわずかに濁っており、多くのゲルをガラス壁上に有し、且つ微量の凝集物を有していいるなら、符号の組合せ、例えば、「TH+SG+TF」を使用することが出来る。最後に、もしも該液体が清澄である(不安定性なし)なら、その時は「OK」の符号を使用する。
【0066】
例1〜13では,各凍結防止組成物は、(該組成物の最終重量に基づいて)43重量%のギ酸カリウム、表に特定された重量%の有機酸含量、試料のpHが10.8〜11.2になるのに充分な量のKOH、及び残りの水を使用している。例14〜35では、各例は、(該組成物の最終重量に基づいて)22重量%のギ酸カリウム、16重量%のプロピオン酸カリウム、特定された有機酸含量、試料のpHが9.8〜10.2になるのに充分な量のKOH、及び水を使用している。例36〜64では、各例は、(該組成物の最終重量に基づいて)21重量%の酢酸カリウム、28重量%のモノエチレングリコール(MEG)、特定された有機酸含量、試料のpHが8.8〜9.2になるのに充分な量のKOH、及び水を使用している。例65〜93では、各例は、(該組成物の最終重量に基づいて)22.8重量%のアジピン酸二カリウム、特定された有機酸含量、試料のpHが9.8〜10.2になるのに充分な量のKOH、及び水を使用している。
【0067】
本明細書及び別紙特許請求の範囲の意図に関して、他に特に断りのない限り、量、パーセント、又は割合を表すすべての数字、及び本明細書及び特許請求の範囲で使用されている他の数値は、すべての場合、用語「約」により修飾されていると理解されるべきである。従って、反対の断りがない限り、以下の明細書及び別紙特許請求の範囲に記述された数値パラメーターは、本発明が得ようとする所望の性質に依って変化するかもしれない近似値である。本明細書及び別紙特許請求の範囲で使用されている場合、単数形「ア(a)」、「アン(an)」、及び「該(the)」は、明確にはっきりと一つの対象に限定されていない限り、複数の対象を含むということが知られている。本明細書で使用されている場合、用語「含む」及びその文法的変形体は、表中への項目の列挙が該リストアップされた項目に対して置換又は加えることが出来る他の同様な項目を排除しない様に、非限定的であることが意図されている。
【0068】
この書かれた記載は、最善の態様を含めて、本発明を開示するために、そして又いかなる当業者も本発明を製造し使用することが出来るように、例を使用している。特許性のある範囲は、特許請求の範囲により定義されており、当業者が思い付く他の例を含んでいても良い。このような他の例は、もしもそれらが本特許請求の範囲の文字通りの言語と相違しない構造的要素を有しているか、又は本特許請求の範囲の文字通りの言語からの相違が実体のない均等な構造的要素を含んでいるならば、本特許請求の範囲の範囲内にあることが意図されている。
【0069】
本明細書で参照されたすべての引用例は、明確に本明細書に引用して援用するものである。
【表2−1】


【表2−2】


【表2−3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結防止組成物であって、グリコールの不存在下で、
a) 酢酸、ギ酸、プロピオン酸、アジピン酸、及びコハク酸、及びそれらの混合物、のアルカリ金属塩から選択される水性凝固点降下剤を5〜80重量%、
b) 少なくとも分枝有機酸(C〜C16)、又は分枝有機酸(C〜C16)のアルカリ若しくはアミノ塩を0.1〜10重量%、及び
c) i)脂肪族モノ酸(C〜C12)、ii)脂肪族ジ塩基酸(C〜C12)、iii)脂肪族モノ酸(C〜C12)又は脂肪族ジ塩基酸(C〜C12)のアルカリ塩、iv)脂肪族モノ酸(C〜C12)のアミノ塩、v)脂肪族ジ塩基酸(C〜C12)のアルカリ塩、vi)脂肪族ジ塩基酸(C〜C12)のアミノ塩、vii)芳香族有機酸(C〜C18)、viii)芳香族有機酸(C〜C18)のアルカリ塩、ix)芳香族有機酸(C〜C18)のアミノ塩、x)置換芳香族有機酸(C〜C18)、xi)置換芳香族有機酸のアルカリ塩、xii)置換芳香族有機酸のアミノ塩、及びxiii)それらの混合物、の少なくとも1種を0.1〜10重量%、
含む凍結防止組成物。
【請求項2】
該組成物の全重量に基づいて10〜90重量%の水と混合される濃縮物として使用される、請求項1の凍結防止組成物。
【請求項3】
該凝固点降下剤が酢酸カリウム、ギ酸カリウム、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、アジピン酸二カリウム、及びそれらの混合物、の群から選択される、請求項1の凍結防止組成物。
【請求項4】
0.1〜0.5重量%のヒドロカルボニルトリアゾールを更に含む、請求項1の凍結防止組成物。
【請求項5】
該脂肪族モノ酸(C〜C12)又は塩が、0.5〜3重量%の濃度範囲で存在するC〜C12脂肪族モノ塩基酸又は前記酸のアルカリ金属、アンモニウム、若しくはアミン塩である、請求項1の凍結防止組成物。
【請求項6】
該脂肪族ジ塩基酸(C〜C12)又は塩が、スベリン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ジシクロペンタジエンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、及びそれらの混合物、から成る群から選択される、請求項1の凍結防止組成物。
【請求項7】
該分枝有機酸(C〜C16)又は塩が、イソブタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、及びそれらの混合物、から成る群から選択される、請求項1の凍結防止組成物。
【請求項8】
該芳香族有機酸若しくは置換芳香族有機酸(C〜C18)又は塩が、安息香酸、C〜C−アルキル安息香酸、C〜C−アルコキシ安息香酸、ヒドロキシル含有芳香族モノカルボン酸、ハロ安息香酸、マンデル酸、ホモフタル酸、ニトロ安息香酸、及びそれらの混合物、の群から選択される、請求項1の凍結防止組成物。
【請求項9】
アルカリ金属ホウ酸塩、アルカリ金属珪酸塩、アルカリ金属安息香酸塩、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属亜硝酸塩、アルカリ金属モリブデン酸塩、アルカリ金属クロム酸塩、アルカリ金属燐酸塩、アルカリ金属ポリ燐酸塩、ヒドロカルビルチアゾール、及びそれらの混合物、の少なくとも1種を0.1〜0.5重量%更に含む、請求項1の凍結防止組成物。
【請求項10】
該組成物のpHを約6.5〜11の範囲に調節するためにアルカリ金属水酸化物が添加されている、請求項1の凍結防止組成物。
【請求項11】
酢酸、ギ酸、プロピオン酸、アジピン酸、及びコハク酸、及びそれらの混合物、のアルカリ金属塩から選択される水性凝固点降下剤を5〜80重量%、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の少なくとも1種を0.1〜10重量%、並びにセバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ジシクロペンタジエンジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ネオデカン酸、安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、p−ターブチル安息香酸、及びそれらの混合物、の少なくとも1種を0.1〜10重量%含む、凍結防止組成物。
【請求項12】
冷却システムにおいて又は凍結防止/除氷流体として使用される前に10〜90容量%の水で希釈されている請求項1の凍結防止組成物。
【請求項13】
凍結防止組成物の熱安定性を増加させる方法であって、a)少なくとも分枝有機酸(C〜C16)、又は分枝有機酸(C〜C16)のアルカリ若しくはアミノ塩を0.01〜10重量%、及びb)i)脂肪族モノ酸(C〜C12)又は脂肪族モノ酸(C〜C12)のアルカリ若しくはアミノ塩、又はii)芳香族有機酸(C〜C18)又は芳香族有機酸(C〜C18)のアルカリ若しくはアミノ塩、iii)置換芳香族有機酸(C〜C18)又は置換芳香族有機酸のアルカリ若しくはアミノ塩を0.01〜10重量%含む腐食防止剤系を凝固点降下剤マトリックスに添加する工程を含み、該凝固点降下剤マトリックスが酢酸カリウム、ギ酸カリウム、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウム、アジピン酸二カリウム、及びそれらの混合物、の少なくとも1種を含む、前記の方法。
【請求項14】
該脂肪族モノ酸(C〜C12)又は塩が、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、及びネオデカン酸、並びにそれらの混合物、から成る群から選択される、請求項13の方法。
c) 0.01〜10重量%の、i)脂肪族モノ酸(C〜C12)又は脂肪族モノ酸(C〜C12)のアルカリ若しくはアミノ塩、又はii)芳香族有機酸(C〜C18)又は芳香族有機酸(C〜C18)のアルカリ若しくはアミノ塩、iii)置換芳香族有機酸(C〜C18)又は置換芳香族有機酸のアルカリ若しくはアミノ塩。
【請求項15】
1:2〜1:20のグリコール:非グリコールベース比を有する凍結防止組成物であって、
a) 酢酸、ギ酸、プロピオン酸、アジピン酸、及びコハク酸、並びにそれらの混合物、のアルカリ金属塩から選択される水性凝固点降下剤を5〜80重量%、
b) 少なくとも分枝有機酸(C〜C16)、又は分枝有機酸(C〜C16)のアルカリ若しくはアミノ塩を0.1〜10重量%、並びに、
c) i)脂肪族モノ酸(C〜C12)、ii)脂肪族ジ塩基酸(C〜C12)、iii)脂肪族モノ酸(C〜C12)又は脂肪族ジ塩基酸(C〜C12)のアルカリ塩、iv)脂肪族モノ酸(C〜C12)のアミノ塩、v)脂肪族ジ塩基酸(C〜C12)のアルカリ塩、vi)脂肪族ジ塩基酸(C〜C12)のアミノ塩、vii)芳香族有機酸(C〜C18)、viii)芳香族有機酸(C〜C18)のアルカリ塩、ix)芳香族有機酸(C〜C18)のアミノ塩、x)置換芳香族有機酸(C〜C18)、xi)置換芳香族有機酸のアルカリ塩、xii)置換芳香族有機酸のアミノ塩、及びxiii)それらの混合物、の少なくとも1種を0.1〜10重量%、
含む凍結防止組成物。

【公表番号】特表2012−526180(P2012−526180A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509897(P2012−509897)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/033525
【国際公開番号】WO2010/129534
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(503148834)シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド (258)
【Fターム(参考)】