説明

凝固剤注入によるアスベスト封じ込めシステム

【課題】 アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材から、アスベストが飛散しないように封じ込め処理をしようとすると、建材が空気を70〜80%含有する事から浸透性が悪く下地まで凝固剤溶液が染み込まず、凝固剤溶液の重さで剥離や落下が起きていた。
【解決手段】 以上の課題を解決する為に、本発明により提供される針状凝固剤注入器をアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材に刺し込み、凝固剤溶液を注入する事により、下地と骨材と凝固剤が一体的に硬化接着し、強度の高い凝固した支柱が形成される。さらに、アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材の表面に針状凝固剤溶液注入器の針先から凝固剤溶液を線状に噴きつけ上下左右に繰り返すことからネット状に硬化し、下地との接着力を更に高め剥離や落下を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアスベスト封じ込み作業を行う際の接着強度不足から起こる剥離及び落下を、接着強度を上げることにより防ぐ凝固剤溶液注入器と、接着強度を上げる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今までのアスベスト封じ込め技術では、アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材の表面に凝固剤を噴きつけ硬化させて、アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材からアスベストが飛散しないように封じ込める。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、今までの技術によれば、噴きつけられた凝固剤はアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材は空気層を70〜80%含有する事から浸透性が悪く、下地まで含浸して硬化しないので、表面で固まった凝固剤の重さでアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材が下地から剥離し落下することがある。
また、アスベスト封じ込めに関する特許文献は無かった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の課題を解決する為に第一発明によれば、本発明により提供される針状凝固剤注入器をアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材に刺し込み凝固剤溶液を注入する事により、下地とアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材が一体的に硬化接着し強度の高い凝固した支柱が形成される針状凝固剤注入器。
【0005】
第二発明によればアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材の表面に針状凝固剤溶液注入機の針先から凝固剤溶液を線状に噴きつけ上下左右に繰り返すことからネット状に硬化し、下地との接着力を高め剥離や落下を防ぐ方法。
【発明の効果】
【0006】
以上のように本発明によれば専用の凝固剤注入器をアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材に刺し込み凝固剤を注入し硬化させる事により、下地との接着力を強化でき、さらに凝固剤溶液をアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材の表面に線状に噴きつけながら上下左右に連続し移動することにより凝固剤溶液がネット状に表面で硬化する。表面でネット状に形成された硬化物と、刺し込み注入した凝固剤が硬化し、骨材と凝固剤が一体化した支柱が下地と強固に結びつき、剥離及び落下を防止しすることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下最良の実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下に説明する機能配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で改変することが出来るものである。
【0008】
本明細書中でアスベスト吹き付け材とは石綿処理法によりアスベストが法により指定された含有率以上含まれたアスベスト吹き付け材を指す。
【0009】
また、アスベスト含有飛散性建材とは石綿処理法によりアスベストが法により指定された含有率以上含まれた飛散性のある建築材や飛散性のある工業製品を指す。
【0010】
本実施形態の凝固剤溶液の注入動力は人力又は動力を用いる。
【実施例】
【0011】
凝固剤溶液は図1の導入管1を通り導かれる。
【0012】
凝固剤溶液は図1の刺し込み注入用針2から噴出し注入される。
【0013】
図2のように凝固剤溶液注入針はアスベスト吹き付け材又は、アスベスト含有建材3に刺し込み、表面から下地4まで注入される。
【0014】
図3のように注入された凝固剤溶液5は下地から表面まで円柱状に接着凝固し、剥離や落下を防ぐ。
【0015】
図4の様に凝固剤溶液を注入する際、アスベスト吹き付け材又は、アスベスト含有建材の表面に針穴から溶液を線状に噴き続けながら上下左右に繰り返すと、線状に噴きつけられた凝固剤溶液が固まりネット状硬化物6が出来る。
【0016】
図には示さないが、上記操作により下地から接着された凝固剤が強固に保持しアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材等のアスベスト含有物に封じ込め剤を吹き付けても、剥離や落下を防ぐことが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0017】
吹き付けアスベストまたは、アスベスト含有飛散性建材の封じ込みを行う際、本発明の針型の注入器で下地まで凝固剤溶液を注入し、アスベストが劣化や凝固剤の重さで落ちないように、下地とアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材の表面から下地まで注入された凝固剤溶液が、注入した針を中心に円形に広がり、凝固溶液が染み込み硬化し、下地から吹き付け材の表面まで円柱状の強固な支柱を作る凝固剤注入をする針状溶液抽入器と、所望されるアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材に対する引っ張り強度に応じた間隔で凝固剤溶液を注入し、下地と一体に接着凝固させ、アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材の表面まで円柱状の強固な凝固した支柱を作る。更に針先から凝固剤溶液を上下左右に噴き出しながら移動し、アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材に一定間隔で針を刺し込み凝固剤を注入する動作を繰り返すと、アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材の表面より下地まで注入された凝固剤が凝固し、下地と一体になって固まった円柱状の支柱部と、円柱状の支柱を作るために一定間隔で移動をする際、針穴から凝固剤が表面に線状に噴き付けながら上下左右に移動し、アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材の表面でネット状に固まり剥離防止用ネットが出来上がるアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材用剥離落下防止用方法が出来るので、今までの劣化による剥離や接着力不足による落下が防ぐことが出来るので好適である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】凝固剤溶液注入器側面図
【図2】凝固剤溶液注入器を刺し込み注入する模式図
【図3】凝固剤溶液注入器を刺し込み注入し凝固形成される支柱の模式図
【図4】凝固剤溶液注入器から表面に噴き付けられネットが形成される模式図
【符号の説明】
【0019】
1 凝固剤溶液注入管
2 刺し込み凝固剤溶液注入用針
3 アスベスト吹き付け材
4 アスベスト吹きつけ下地
5 凝固剤が硬化し出来上がる下地と骨材が一体化した支柱
6 凝固剤がネットを形成する模式

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材の封じ込め作業を行う際、封じ込めを行う為に噴き付けられた凝固剤の重さで、劣化したアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材が下地から剥離し、又は落下するのを防止する為、アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材の上から針型凝固剤溶液注入器を刺し込み溶液を下地まで注入し硬化させ、アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材と下地を注入用針から注入させた凝固剤溶液が固化して円形の凝固した支柱を形成する凝固剤溶液注入器。
【請求項2】
凝固剤注入器を用い、アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材に凝固剤溶液を注入しながら請求項1で形成された凝固した支柱を、所望の間隔で生成する為に繰り返し溶液を針先から噴き続けながら移動をすると、アスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材の表面に連続して凝固剤溶液を線状に噴き続けるけることにより、アスベスト吹き付け材、又はアスベスト含有建材の表面に線状に浸透し線状に凝固する。請求項1で行われる凝固した支柱形成をする作業を一定間隔で移動しながら繰り返し注入、噴きつけを上下左右に行う事により線状の噴きつけがネット状に浸透し硬化し、剥離、又は落下防止の効果の高いネットを形成し、同時に表面から注入された下地までを一体として支持基盤が生成され、封じ込め剤の重さでアスベスト吹き付け材及びアスベスト含有建築材が剥離、落下しない方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−278049(P2007−278049A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−129563(P2006−129563)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(506154524)有限会社ヴォイスインターフェース (4)
【Fターム(参考)】