説明

凝血時間を決定するための方法および装置

本発明は、血液構成成分を含有するサンプル流体の凝血時間を、共振子を用いてその振動パラメータを使用して決定するための方法に関する。前記共振子は、少なくとも部分的に接着性の表面(10)を有し、表面(10)はサンプル流体(12)と接触している。本発明は、表面(10)が、血液構成成分を含有するプレインキュベーション液体(14)とプレインキュベートされ、これにより、表面(10)の接着性の領域上に固定点が形成されることを特徴とする。また、共振子がプレインキュベーション後にすすがれること、活性化サンプル流体が、プレインキュベーション直後に、いかなる前すすぎステップも経ず、前記共振子に適用されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルに記載の方法、ならびに、請求項17に特定される型の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
救急医療において、または、凝血障害を有する患者のモニタリングにとって、患者の血液の凝固状態または凝固性が極めて重要となる。凝血障害は、通例、その罹患者に深刻な結果を与える。凝固亢進状態および凝固低下状態の両方において、そのような結果は相当なものとなり得る。一般に、凝固性は、クイックタイム(Quick's time)と称されるものを決定することができる方法を使用して評価される。歴史的に、このような方法のさらなる改良は、様々な形態をとってきた。
【0003】
技術的可能性の点で特に魅力的な一方法は、水晶マイクロバランスを使用して凝固時間を測定することである。この方法では、血液または血漿を水晶マイクロバランスの表面に施し、周波数応答または減衰挙動を経時的に測定する。ある程度の周波数低下が起こり次第、これによりこの時点までに測定された凝固時間が表される。
【0004】
この方法の1つの例が、「全血液及び血漿凝固研究における表面プラズモン共鳴と水晶微量天秤の比較(Comparison of Surface Plasmon Resonance and Quartz Crystal Microbalance in the Study of Whole Blood and Plasma Coagulation)」と題された印刷文書に開示されている。この文書には、水晶マイクロバランスを使用して血液成分を測定する一般的な方法が記載されている。しかし、これらの方法は、凝固時間が正確に決定できない、即ち、血液または血漿の活性化から有意な粘度変化までの時間が正確に決定できないという点で不利である。これにより、これらの方法では、曲線の個々の値は決定されず、単に引き続くデータ処理を伴う測定を通して凝固時間が決定され得るにすぎないため、相対的に不正確である。
【0005】
「固体表面上における血漿の音響(Acoustics of Blood Plasma on Solid Surfaces)」と題された印刷文書には、水晶をクエン酸塩添加ヒト血漿とプレインキュベートして、非特異的結合部位を飽和させることが開示されている。その結果、フィブリン吸着を測定できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Vikinqe TPら、「血液及び血漿凝固研究における表面プラズモン共鳴と水晶微量天秤の比較」、バイオセンサ&バイオエレクトロン(Biosensors&Bioelectron)、2000年、第15巻、第11−12号、第605−13頁
【非特許文献2】Andersson Mら、「固体表面上における血漿の音響」、2002年、第13巻、第8号、第907−17頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、共振子を用いて血液凝固時間の迅速かつ正確な決定を可能にする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、サンプル流体を適用する前に、水晶をプレインキュベーション流体と接触させることによって達成される。これにより、固定部位(anchoring site)が形成され、ここで凝固が生じる。プレインキュベーションによって、接着性の共振子表面に血液成分が既に吸着されているようになる。この様式により、血液成分の層が既に形成される。当該プロセスの後の段階において、この層は、さらなる血液成分の吸着を促進し、特に、フィブリンメッシュの形成を促進し、粘度変化を生じさせる。したがって、凝固が水晶表面の近傍で特異的に生じることが確実となり、凝固によって生じるサンプル流体の粘度変化を速やかに測定することが確実に可能となる。
【0009】
この方法は、1つの装置のみを使用して、血漿凝固パラメータを迅速、正確、かつ汎用的に決定する手法を提供し、この方法はさらに、大幅な小型化および自動化の可能性を有する。
【0010】
サンプル流体を適用する前に、サンプル流体を、凝固を誘発する活性化因子と混合してもよい。次いで、活性化サンプル流体を、プレインキュベートされた水晶に適用し、その後、共振子の振動パラメータの測定が行う。活性化された血液成分はプレインキュベーションにより生成された層に吸着するため、凝固は水晶表面の近傍で生じる。
【0011】
このようにして、個々の凝固時間をせいぜい数秒以内に決定することができる。共振子をプレインキュベートしていない場合には、凝固部位が影響を受けることがないので、凝固時間の決定には常にある程度の不確定性が存在することになる。この不確定性の理由は、粘度が凝固の開始点付近で変化する一方、そのような変化が、凝固から共振子までの距離のために共振子によってまだ検出されていないか、および/または潜在的な障壁層により検出不可能であることにある。血液成分を含有する流体とのプレインキュベーションは、そのように、粘度測定において生じている実際の寄生効果を表す吸着測定の特徴を活用して、凝固時間の決定に高度な的確性をもたらしている。
【0012】
本方法の別のステップにおいては、プレインキュベーション後に、共振子を緩衝溶液ですすいでもよい。共振子をすすぐことにより、共振子に吸着された任意の過剰なおよび/または非結合の血液成分が確実に除去される。さらに、このステップ後に、共振子の表面を測定チャンバーの外でブロー乾燥してもよく、次いで、このブロー乾燥により共振子を保存することができる。これにより、共振子を最初にプレインキュベートし、乾燥させ、必要なときに適切な測定機器に設置するだけでよいことが可能となる。
【0013】
さらに、測定チャンバー中または共振子表面上に任意の過剰な非結合血液成分があることは、不確定性のさらなる要因となろう。すすぎにより任意の過剰な血液成分を取り除くことで、このような妨害を除去することになる。
【0014】
特に有利な様式では、共振子のプレインキュベートに使用されるプレインキュベーション流体は、サンプル流体と同一である。これにより、実際にはサンプル流体中に含有されていない可能性のある凝固因子が、プレインキュベーションにより組み込まれることを防ぐ。プレインキュベーション流体は、全血液であってもよく、または半合成もしくは全合成の血液成分含有流体であってもよい。
【0015】
用語「血液成分」は、本発明の文脈で使用するとき、特に凝固関連成分、例えば、血小板および/または凝固因子を指す。
【0016】
特に、共振周波数は、振動パラメータとして経時的に測定される。共振周波数の測定は、粘度変化の決定に特に適しているが、その理由は、低い吸着度で粘度が前々から、顕著に変化するためである。凝固時間は、サンプル流体の活性化から共振周波数曲線における周波数極大までの時間を測定することによって決定される。あるいは、振動パラメータとして減衰を測定することも可能である。この場合、減衰曲線の特徴は、共振周波数の特徴に対して逆になるだろう。
【0017】
共振周波数における極大または減衰の場合の極小を決定する代わりに、変曲点を決定することも可能である。変曲点または回帰点を決定するかは、共振子の表面被覆に依存するであろう。
【0018】
次いで、この時間値、即ち、サンプルの活性化から凝固までの時間により、また添加される活性化因子に依存して、サンプル流体に存在するそれぞれの凝固異常を推定することができる。
【0019】
サンプルが、例えばカルシウム-トロンボプラスチン溶液を使用して活性化される場合、凝固が生じるまでの測定された時間は、技術文献においてクイックタイムとも称されるトロンボプラスチン時間と一致するであろう。クイックタイムの決定は、例えばマルクマール(Marcumar(登録商標))投与中の患者にとって極めて重要である。クイックタイムが長すぎる場合は、このような患者は、内部出血に罹患するリスクを有し得る。
【0020】
一方、サンプル流体が、接触相およびリン脂質により活性化される場合、関連する時間は、今日の凝固診断法における他の重要な因子であるaPTTと一致するであろう。
【0021】
さらに、活性化凝血時間(ACT)を測定することもできる。ACTは、サンプル流体をカオリンまたはシリカで活性化することによって決定される。ACTと公知の数の血小板との組合せに基づいて、内在性凝固系の機能と血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulopathy、DIC)の存在とに関する評価を行うことができる。
【0022】
凝固時間の決定に加えて、周波数および/または減衰曲線の動態を、とりわけ周波数の関数に基づいて減衰の関数として決定することも可能である。これにより、さらに、凝血特性に関しての結論を引き出し得る。このことで、より正確な凝固分析が可能になる。
【0023】
好ましくは、全血液または血漿をサンプル流体として使用する。全血液は、主に救急患者の凝固時間の分析に適しており、一方で、血漿は研究において使用し易い。
【0024】
特に有利な様式では、線溶亢進(hyperfibrinolysis)の検出が可能となる。この目的において、振動パラメータは、凝固時間の決定に必要とされるよりも長い時間、測定される。凝固時間の測定においては、周波数低下または減衰の増加が取得される。線溶亢進および/または線溶の場合には、次いでこの値は再び反転するであろう。
【0025】
研究により、共振子を少なくとも15秒間プレインキュベートすることが特に有利であることが示された。
【0026】
さらに、請求項1のプレアンブルに記載の凝固パラメータを測定する方法が提供される。当該方法を使用し、凝固時間を超えて少なくとも1種の振動パラメータを測定することによって、線溶亢進を決定できる。凝固時間後、凝固に反する振動パラメータ曲線の特徴が検出された場合は、線溶亢進が存在するとひいては推定されることになる。
【0027】
モニターする振動パラメータが周波数であった場合、凝固中に周波数の低下が観察され得たことを意味する。凝固後に周波数の上昇がある場合には、これにより、線溶亢進が存在することが示唆される。同様に、凝固後に減衰曲線が低下した場合、この場合も線溶亢進との診断がなされるであろう。この方法は、本発明の方法に続けて実行することができ、時間および費用の大幅な削減が可能となる。
【0028】
さらに、本発明は、信頼性のある正確な止血パラメータの決定を可能とする水晶振動子(vibrating quartz crystal)を用いることによって、凝固時間の測定のための装置を提供する。
【0029】
既に上記したように、血液サンプルに面する表面を備えた水晶振動子を使用して凝固時間を決定することは一般に知られている。しかし、先行技術では、水晶振動子表面が完全にタンパク質耐性および/または細胞耐性である場合、凝固が水晶振動子表面の直上で起こらないという問題がある。この場合、凝固によってもたらされる粘度変化を測定することは、全く不可能であるか、少なくとも有効な結果は得られない。接着性の表面である場合、吸着層の厚さは、もはや測定が不可能になる程度まで共振子に影響を及ぼすであろう。
【0030】
本発明の方法を実行するためには、血液成分に対して接着性の領域と非接着性の領域を有する表面を備えた水晶振動子が特に好適である。
【0031】
この接着性の表面領域と非接着性の表面領域という組合せによって、血液成分が、一方では接着性の領域に吸着され、他方では凝集体とフィブリンメッシュの形成によって非接着性の領域を橋架けするという利点が得られるであろう。
【0032】
先行技術とは対照的に、この手法は、水晶振動子表面の直上で凝固を達成させる信頼性のあるものであり、この場合、凝固によって引き起こされる粘度変化を有用なセンサ信号によっても表せるだろう。これにより、血漿凝固パラメータの信頼性のある正確な測定が確実となる。
【0033】
本発明のさらに別の有利な実施形態において、非接着性の領域は、タンパク質耐性および/または細胞耐性となるように形成される。このことは、血液成分が当該表面に吸着されないという点で有利である。血液成分が過剰な量で表面に接着する場合、粘度が接着により遮蔽されるので、もはや粘度を測定できなくなる。
【0034】
別の特に有利な実施形態では、接着性の領域および非接着性の領域が水晶振動子表面上にモザイクの形態で配置される。そのような表面設計により、特に正確な測定を実行することができる。
【0035】
特に、接着性の領域は金で作製され、非接着性の領域はポリエチレン(PE)で作製される。金およびポリエチレン(PE)が共にマイクロシステム工学において非常に汎用的な材料であるので、これらの材料を表面に使用することはよく知られており、処理が容易であるという点で有利である。金層を使用する別の利点は、水晶振動子の電極の役割も同時に果たし得るという点である。
【0036】
特に、水晶振動子の表面は、非接着性の領域が、センサ表面全体の少なくとも20パーセントから最大90パーセントの間を占めるように分割される。この範囲において最も優れた結果が得られるであろう。
【0037】
別の有利な効果は、トロンビンなどの活性化因子が既に水晶振動子表面に組み込まれている場合にもたらされ得る。したがって、有利には、サンプルの活性化と水晶振動子への適用とが、同時でなくとも非常に迅速に達成され得る。また、活性化された血液を導管系などを通してできるだけ迅速に共振子に供給する必要がないため、装置全体をより単純な設計とすることができる。血液成分は、活性化層に接着するときに活性化され、次いで、この活性化が血漿凝固を誘発するであろう。これにより、例えば、血液の適用時点から実際の凝固までを凝固時間として決定することが可能である。
【0038】
本発明のさらなる利点、特徴および可能な適用は、以下の説明から、図面に例証された実施形態と組み合わせることで明らかとなろう。本発明を、図面を参照してより詳細に説明する。
【0039】
詳細な説明、特許請求の範囲、および図面を通して、用語および関連する参照番号は、以下の符号の説明に列挙されるように使用される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】サンプル流体中に含有されている血液成分が、プレインキュベーション流体の血液成分上に吸着されていることを示す図である。
【図2】クイックタイム(PTT)を決定するための共振周波数のグラフである。
【図3】PEおよび金で作製された水晶振動子表面を備える装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、共振子のプレインキュベートされた表面10を示し、ここでインキュベーション流体の血液成分14はプレインキュベーションの結果として共振子の接着性の表面に吸着されている。さらに、この図には、活性化サンプル流体の血液成分12を示している。活性化因子16は、凝固を誘発するであろう。
【0042】
プレインキュベーション流体の血液成分14によって生成された固定部位が既に存在していることから、活性化サンプル流体は、水晶振動子表面の直上に位置するこれらの部位で、例えばフィブリン結合を通して、血漿凝固プロセスを誘発しようとする。活性化された血漿凝固の場合は、とりわけ、フィブリンメッシュが形成されるため、これにより水晶振動子表面の直上および/または音響波の感知的に重要な浸透深さ内でサンプル流体の粘度変化が生じ、このため共振子によって容易に検出することが可能となる。これにより、凝固時間が非常に迅速に的確に決定され得る。
【0043】
図2は、経時的な周波数曲線を示す図である。曲線の開始は、サンプル流体の適用時点である。曲線が極大に達するとすぐに、サンプル流体の凝固が生じる。この時間は、使用するアプリケータに依存して、特定の凝固時間に一致しており、この例では血漿トロンビン溶液が使用されたので、クイックタイムと一致する。
【0044】
曲線のさらなる過程において、周波数の急な低下を認めることができる。これは、フィブリン形成の結果、粘度が継続的に増加していることを示している。曲線が終わりにむかうと、周波数が再び増加するが、これは、線溶亢進および/または線溶が生じており、したがって凝固中に形成されたフィブリンが再び溶解していることを示唆している。
【0045】
図3は、PE層22および金層24を備えた水晶振動子20の表面を示す。知られるように、PE層22は、細胞耐性である。したがって、PE層22は、タンパク質ならびに他の細胞成分および血液成分26の吸着を防ぐ。対照的に、金層は接着性であり、したがって、この領域内における血液成分26の吸着を可能にする。血液成分26は、非接着性のPE領域22を橋架けする。可能な吸着部位が少数であるために、血液成分の層は、水晶振動子表面の直上に凝固を生じさせることが可能な厚さとなる。この配置により、血液成分の薄層が得られ、これにより、一方で水晶表面の近くに凝固が生じることが確実となり、他方で表面に吸着された層が厚くなりすぎず、したがって、センサの振動挙動に影響を及ぼさないことが確実となる。
【0046】
したがって、上記に示された方法を使用して、様々な凝固時間を測定することが可能になる。水晶振動子の使用により、高度自動化と大幅な小型化の可能性をもたらすことができる。
【符号の説明】
【0047】
10 共振子
12 サンプル流体の血液成分
14 プレインキュベーション流体の血液成分
16 活性化因子
18 フィブリン
20 水晶振動子
22 PE層
24 金層
26 血液成分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液成分を含有するサンプル流体の凝固時間を共振子を用いて決定するための方法であって、前記共振子の振動パラメータを測定して、次いで前記サンプル流体の粘度変化を決定する基礎として使用し、前記共振子が、前記サンプル流体(12)と接触している少なくとも部分的に接着性の表面(10)を有する方法において、前記表面(10)が、血液成分を含有するプレインキュベーション流体(14)とプレインキュベートされ、前記プレインキュベーション流体(14)は、凝固系との公知の相互作用手段を有し、これにより、前記表面の接着性の領域上に固定部位が形成されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記共振子が、プレインキュベーション後にすすがれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記活性化サンプル流体が、プレインキュベーション直後に、いかなる前すすぎステップも経ず、前記共振子に適用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プレインキュベーション流体(14)が、前記サンプル流体(12)と一致することを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
活性化因子(16)が、前記サンプル流体(12)に添加されることを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記活性化サンプル流体を、前記プレインキュベートされた共振子に適用することを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記測定した振動パラメータが、共振子の共振周波数に一致することを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記凝固時間が、サンプル流体の活性化から振動パラメータの経時的な過程の局所的極値または回帰点までの時間と一致し、前記時間として測定されることを特徴とする、請求項1から7の一項に記載の方法。
【請求項9】
前記サンプルが、カルシウムトロンボプラスチン溶液を使用して活性化されること、および前記時間が、血漿トロンビン時間、即ち、クイックタイムに一致することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記サンプルが、接触相およびリン脂質によって活性化されること、および前記時間がaPTTに一致することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記サンプルが、カオリンまたはシリカを使用して活性化されること、および前記時間が、活性化凝血時間(ACT)に一致することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記サンプル流体(12)が、全血液、血漿またはフィブリノーゲンを含むことを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の方法。
【請求項13】
プレインキュベーション後に、水晶振動子が緩衝溶液ですすがれることを特徴とする、請求項1から12の一項に記載の方法。
【請求項14】
前記プレインキュベーション流体(14)が合成または半合成され、凝固系との公知の相互作用手段を有することを特徴とする、請求項1から13の一項に記載の方法。
【請求項15】
前記プレインキュベーション時間が、少なくとも15秒であることを特徴とする、請求項1から14の一項に記載の方法。
【請求項16】
線溶亢進が、凝固時間を超えて少なくとも1種の振動パラメータを測定することによって決定でき、但し前記振動パラメータの逆の過程は、前記凝固時間後に検出されることを特徴とする、請求項1のプレアンブルに記載の凝固パラメータを測定する方法。
【請求項17】
前記共振子の前記表面(10)が、血液成分に対して接着性の領域(24)および非接着性の領域(22)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の方法を実行するための装置。
【請求項18】
前記非接着性の領域(22)が、可能な限り、タンパク質耐性および/または細胞耐性とされることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記非接着性の領域(22)および前記接着性の領域(24)が、水晶振動子表面上にモザイクの形態で配置されることを特徴とする、請求項17または18に記載の装置。
【請求項20】
前記接着性の領域が金(24)で形成される一方、前記非接着性の領域がポリエチレン(PE)(22)で作製されることを特徴とする、請求項17から19の一項に記載の装置。
【請求項21】
前記非接着性の領域(22)が、表面全体の少なくとも20%から最大90%の間を占めることを特徴とする、請求項17から20の一項に記載の装置。
【請求項22】
活性化因子が、前記表面に組み込まれていることを特徴とする、請求項17から21の一項に記載の装置。
【請求項23】
前記表面が、フィブリノーゲンを含むことを特徴とする、請求項22に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−504071(P2013−504071A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528273(P2012−528273)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005549
【国際公開番号】WO2011/029601
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(512059855)アンドレアス・ヘティック・ゲーエムベーハー・ウント・コー・カーゲー (3)
【Fターム(参考)】