説明

処理ステージ装置及びそれを用いる塗布処理装置

【課題】被処理基板の処理ステージ装置及びそれを用いる塗布処理装置において、処理動作のタクトタイムを短縮する。
【解決手段】基板搬入部2は、ガラス基板Gを水平に搬送可能な第1の基板搬送部5Bと、前記第1の基板搬送部を少なくとも基板搬送方向に沿って前後方向と斜め上下方向と垂直上下方向とのいずれかに移動させる第1の進退手段10とを有し、前記基板処理部は、ステージ15と、前記ステージの載置面に対し相対的に昇降可能に設けられ、上昇位置において前記基板を水平に搬送可能な第2の基板搬送部16と、前記ステージの載置面に対し前記第2の基板搬送部を相対的に昇降させる第2の進退手段24,25とを有し、前記基板搬出部は、前記被処理基板を水平に搬送可能な第3の基板搬送部29と、前記第3の基板搬送部を少なくとも基板搬送方向に沿って前後方向と斜め上下方向と垂直上下方向とのいずれかに移動させる第3の進退手段30とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理ステージ装置、及びそれを用いる塗布処理装置に関し、特に、処理動作のタクトタイムを短縮可能な処理ステージ装置及び塗布処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、FPD(フラットパネルディスプレイ)の製造においては、いわゆるフォトリソグラフィ工程により回路パターンを形成することが行われている。
このフォトリソグラフィ工程では、ガラス基板等の被処理基板に所定の膜を成膜した後、処理液であるフォトレジスト(以下、レジストと呼ぶ)が塗布されレジスト膜(感光膜)が形成される。そして、回路パターンに対応して前記レジスト膜が露光され、これが現像処理され、パターン形成される。
【0003】
このようなフォトリソグラフィ工程において、被処理基板にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成する方法として、スリット状のノズル吐出口からレジスト液を帯状に吐出し、レジストを基板上に塗布する方法がある。
この方法を用いた従来のレジスト塗布装置について、図21を用いて簡単に説明する。図21に示すレジスト塗布装置200は、X方向に長く延設されたステージ201と、このステージ201の上方に配備されるレジスト供給ノズル202と、このレジスト供給ノズル202を移動させるノズル移動手段203とを具備している。
【0004】
前記ステージ201の上面には、複数のガス噴射口210とガス吸引口211とが設けられている。ガラス基板Gは、ガス噴射口210から噴射されたガスにより、或いは、前記噴射されたガスがガス吸引口211から吸引され形成されるガス流によりステージ上に浮上するようになっている。
また、レジスト供給ノズル202には、基板の幅方向に延びる微小隙間を有するスリット状の吐出口202aが設けられ、レジスト液供給源204から供給されたレジスト液を吐出口202aから吐出するようになされている。
【0005】
また、ステージ201上に浮上するガラス基板Gは、その左右両側が一対の基板搬送部205により保持され、基板搬送部205は、ステージ201の左右両側に敷設された一対のレール206に沿って(X方向に)移動可能となされている。
また、ステージ201上の基板搬入領域201a、及び基板搬出領域201bには、それぞれ複数の(図では4本の)昇降可能なリフトピン207が設けられ、このレジスト塗布装置200へのガラス基板Gの搬入出時にガラス基板Gはリフトピン207上に一時的に載置されるようになっている。
【0006】
このように構成されたレジスト塗布装置200において、ガラス基板Gへのレジスト液の塗布処理は、次のように行われる。
先ず、基板搬入領域201aにおいてリフトピン207が上方に突出され、塗布処理前のガラス基板Gが搬送ロボットのアーム(図示せず)によって前記リフトピン207上に載置される。
次いで、ガラス基板Gの左右縁部が基板搬送部205によって保持される。ここで、ガラス基板Gの下面にはガス噴射口210からのガス噴射が吹き付けられ、ガラス基板Gはステージ201上に浮上した状態となされる。
そして、リフトピン207が下降すると、ガラス基板Gは基板搬送部205によって基板処理領域201cに移動される。
【0007】
基板処理領域201cにおいては、ガラス基板Gは所定の速度でX方向に搬送される。それに対し、基板上方に配置されたレジスト供給ノズル202は、ノズル移動手段203によって基板搬送方向とは逆の方向に移動され、それと同時に基板面に対しレジスト液を吐出する。尚、この基板処理領域201cでは、ガス噴射口210から噴射されたガスがガス吸引口211に吸引されてステージ上に所定のガス流が形成されており、ガラス基板Gはそのガス流上で安定した状態で浮上搬送される。
【0008】
基板上にレジスト膜が形成されたガラス基板Gは、基板搬送部205によって基板搬出領域201bまで搬送され、そこでリフトピン207が上昇すると共に、ガス噴射口210からのガス噴射が停止される。また、ガラス基板Gは基板搬出領域201bにおいて、リフトピン207により支持され、基板搬送部205による保持状態が解除される。
そして、レジスト膜が形成されたガラス基板Gは、搬送ロボットの搬送アーム(図示せず)により後段の処理装置に搬出される。
尚、このようなレジスト塗布装置200については、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−80983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記のようにレジスト塗布装置200の構成においては、ステージ201に対しガラス基板Gを搬入出する際にリフトピン207が昇降移動され、リフトピン207上にガラス基板Gが一時的に載置される。更には、基板搬入領域201aのリフトピン207にガラス基板Gを載置する際、及び基板搬出領域201bのリフトピン207に載置されたガラス基板Gを搬出する際、搬送ロボットのアーム(図示せず)が駆動され、前記アームによりガラス基板Gが搬送される。
しかしながら、そのような構成にあっては、基板処理領域201cへの基板搬入の際、及びステージ201からの基板搬出の際に、基板搬送が滞るという課題があった。そのため、基板搬入出の際に生じる被処理基板の滞留時間を低減し、処理動作のタクトタイムを短縮可能な構成が求められていた。
【0011】
前記課題を解決するものとして、従来から、コロ搬送などにより被処理基板を水平な状態で、且つ水平方向に(以後、これを平流しと記載する)搬入し、平流し搬送しながら基板幅方向に延びるノズル吐出口からレジスト液を基板上に吐出して塗布し、平流し搬送により後段に搬出する構成がある。前記構成の場合、基板搬入出の際に基板が滞留することがなく、処理動作のタクトタイムを短縮することができる。
しかしながら、そのような構成にあっては、ノズルは基板搬送方向に移動可能な構成であるため、ノズルのメンテナンス処理(ノズル吐出口に付着するレジスト液の状態を整えるプライミング処理など)を行うノズル待機部が基板搬送路上に配置される。そのため、ノズルのメンテナンス処理を行う際、ノズル吐出口に付着し乾燥したレジストのパーティクル等が下方に落ち、基板搬送路に付着して被処理基板を汚染する虞があった。
【0012】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、被処理基板に所定の処理を施すための処理ステージ装置、及びそれを用いる塗布処理装置において、処理動作のタクトタイムを短縮することができる処理ステージ部を提供し、また、前記処理ステージ装置を塗布処理装置に適用した際、ノズルのメンテナンス処理に起因する被処理基板の汚染を防止することのできる塗布処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記した課題を解決するために、本発明に係る処理ステージ装置は、被処理基板に所定の処理を施す基板処理部と、前記基板処理部に前記基板を搬入する基板搬入部と、前記基板処理部から前記基板を搬出する基板搬出部とを備える処理ステージ装置であって、前記基板搬入部は、前記基板を水平に搬送可能な第1の基板搬送部と、前記第1の基板搬送部を少なくとも基板搬送方向に沿って前後方向と斜め上下方向と垂直上下方向とのいずれかに移動させると共に、前進位置において前記第1の基板搬送部上の被処理基板を前記基板処理部に搬入可能とする第1の進退手段とを有し、前記基板処理部は、前記基板搬入部の基板搬送方向下流側に所定距離を空けて配置され、前記基板に所定の処理を施すための載置面を有するステージと、前記ステージの載置面に対し相対的に昇降可能に設けられ、上昇位置において前記基板を水平に搬送可能な第2の基板搬送部と、前記ステージの載置面に対し前記第2の基板搬送部を相対的に昇降させることにより前記基板を前記第2の搬送部上または前記ステージの載置面上に載置する第2の進退手段とを有し、前記基板搬出部は、前記基板処理部の基板搬送方向下流側に所定距離を空けて配置され、前記被処理基板を水平に搬送可能な第3の基板搬送部と、前記第3の基板搬送部を少なくとも基板搬送方向に沿って前後方向と斜め上下方向と垂直上下方向とのいずれかに移動させると共に、後退位置において前記基板処理部から前記第3の基板搬送部に被処理基板を搬出可能とする第3の進退手段とを有することに特徴を有する。
尚、前記基板処理部において、前記ステージの載置面には、前記第2の進退手段により前記第2の基板搬送部が下降した際、前記第2の基板搬送部を収容可能な溝部が設けられていることが望ましい。
また、前記第1乃至第3の基板搬送部は、それぞれコロ搬送により前記被処理基板を水平に搬送する構成とすることができる。
【0014】
このように構成によれば、前記基板処理部への基板搬入の際には、前記基板搬入部の第1の基板搬送部が前進移動し、前記第1の基板搬送部から基板処理部の第2の基板搬送部に被処理基板が搬入される。一方、前記基板処理部からの基板搬出の際には、前記基板搬出部の第3の基板搬送部が後退移動し、基板処理部の第2の基板搬送部から前記第3の基板搬送部に被処理基板が搬出される。
また、前記基板処理部においては、前記第2の基板搬送部がステージに対し相対的に上昇位置にあることにより、被処理基板の搬入出が可能となり、第2の基板搬送部がステージに対し相対的に下降することにより、被処理基板がステージの載置面に載置される。
この構成により、従来の基板搬入出の際にリフトピンなどにより被処理基板を一時的に保持するステップ、及び搬送アームにより被処理基板を搬送するステップ等が不要となる。その結果、ステージに対し搬入出を行う際に生じる被処理基板の滞留時間が大幅に低減され、処理動作のタクトタイムを短縮することができる。
【0015】
また、前記した課題を解決するために、本発明に係る塗布処理装置は、前記処理ステージ装置を用い、被処理基板に処理液を塗布する塗布処理装置であって、前記基板処理部において、一方向に延びる吐出口を有し、前記ステージの載置面に載置された被処理基板の上方を移動されると共に、前記吐出口から前記基板上に処理液を吐出するノズルと、前記ノズルを移動させるノズル移動手段と、前記基板処理部の側方に設けられ、前記ノズル移動手段により前記基板処理部の側方に移動された前記ノズルの吐出口の状態を整えるノズルメンテナンス手段とを備えることに特徴を有する。
このようにノズル吐出口の状態を整えるノズル待機部が基板処理部の側方に配置されるため、ノズルのメンテナンス処理の際、パーティクルなどが基板搬送路上に落ちることがなく被処理基板の汚染を防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、被処理基板に所定の処理を施すための処理ステージ装置、及びそれを用いる塗布処理装置において、処理動作のタクトタイムを短縮することができる処理ステージ部を提供し、また、前記処理ステージ装置を塗布処理装置に適用した際、ノズルのメンテナンス処理に起因する被処理基板の汚染を防止することのできる塗布処理装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明に係る処理ステージ装置の全体構成を示す図であって、図1(a)は処理ステージ装置の第1の状態を示す平面図、図1(b)はその側面図である。
【図2】図2は、本発明に係る処理ステージ装置の全体構成を示す図であって、図2(a)は処理ステージ装置の第2の状態を示す平面図、図2(b)はその側面図である。
【図3】図3は、図1,図2の処理ステージ装置が備えるステージ部及びコロ搬送部を拡大した平面図である。
【図4】図4は、図3のB−B矢視断面図である。
【図5】図5は、図1の処理ステージ装置を用いる塗布処理装置の概略構成を示し、図5(a)は平面図、図5(b)はその基板搬送方向に沿った断面図である。
【図6】図6は、図5に示す状態から遷移した異なる状態を示す平面図及び断面図である。
【図7】図7は、図6に示す状態から遷移した異なる状態を示す平面図及び断面図である。
【図8】図8は、図7に示す状態から遷移した異なる状態を示す平面図及び断面図である。
【図9】図9は、図8に示す状態から遷移した異なる状態を示す平面図及び断面図である。
【図10】図10は、図9に示す状態から遷移した異なる状態を示す平面図及び断面図である。
【図11】図11は、図10に示す状態から遷移した異なる状態を示す平面図及び断面図である。
【図12】図12は、図11に示す状態から遷移した異なる状態を示す平面図及び断面図である。
【図13】図13は、図12に示す状態から遷移した異なる状態を示す平面図及び断面図である。
【図14】図14は、図1の処理ステージ装置が備える基板処理部の変形例を示す平面図である。
【図15】図15は、図14のB−B矢視断面図である。
【図16】図16は、図1の処理ステージ装置が備えるステージ部及びコロ搬送部の変形例を示す平面図である。
【図17】図17は、図16の一部を拡大して示す断面図である。
【図18】図18は、図16の一部を拡大して示す断面図であり、アライメントの一連の動作を説明するための状態遷移を示す図である。
【図19】図19(a)〜(c)は、基板搬入部及び基板搬出部の変形例であって、その一連の動作を模式的に示す断面図である。
【図20】図20(a)〜(c)は、図19(a)〜(c)に続く一連の動作を模式的に示す断面図である。
【図21】図21は、従来のレジスト塗布装置の概略構成を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の処理ステージ装置にかかる一実施形態を、図面に基づき説明する。図1、図2は、本発明に係る処理ステージ装置の全体構成を示す図であって、図1(a)は処理ステージ装置の第1の状態を示す平面図、図1(b)はその側面図である。また、図2(a)は処理ステージ装置の第2の状態を示す平面図、図2(b)はその側面図である。
【0019】
図1、図2に示す処理ステージ装置100は、被処理基板である例えばガラス基板Gを載置して所定の処理を施すための基板処理部1と、基板処理部1にガラス基板Gを搬入する基板搬入部2と、基板処理部1からガラス基板Gを搬出する基板搬出部3とを備える。
図1に示すように、基板搬入部2と基板搬出部3とは、それぞれ基板搬送方向Aに沿って、基板処理部1に対し所定の距離を空けて配置されている。
【0020】
基板搬入部2は、基板搬送方向に沿って配置された前段部2Aと後段部2Bとで構成される。前段部2Aと後段部2Bとにおいては、それぞれ架台4上に第1の基板搬送部であるコロ搬送部5A、5Bが敷設されている。コロ搬送部5A,5Bは、基板搬送方向Aに沿って並列に複数のコロ軸6が回転自在に配備され、各コロ軸6に複数のコロ7が設けられている。コロ搬送部5Aとコロ搬送部5Bとには、それぞれ各コロ軸6の一端側が係合する駆動軸8、9が設けられ、駆動軸8,9の回転によって、各コロ軸6はガラス基板Gを搬送する方向に回転動作する。前記駆動軸8、9は、それぞれ駆動モータM1、M2によって回転駆動するように構成されている。
【0021】
また、後段部2Bにおいては、架台4とコロ搬送部5Bとの間に、コロ搬送部5Bを基板搬送方向に沿って前後移動させるスライド機構10(第1の進退手段)が設けられている。このスライド機構10は、架台4上に基板搬送方向Aに沿って敷設されたレール11と、レール11上を移動自在に設けられると共にコロ搬送部5Bを支持するスライダ12と、スライダ12をレール11に沿って移動させる駆動源としてのエアシリンダ13とにより構成される。
【0022】
即ち、図1及び図2に示すように、エアシリンダ13のピストン軸13aが、シリンダ13bに対し進退動作することにより、スライダ12上に配置されたコロ搬送部5Bが基板処理部1に向けて前後移動するようになっている。具体的には、コロ搬送部5Bが後退位置にあるときは(図1の状態)、コロ搬送部5Aからコロ搬送部5Bへの基板搬送が可能な状態となされる。また、コロ搬送部5Bが前進位置にあるときは(図2の状態)、コロ搬送部5Bから基板処理部1への基板搬送が可能な状態となされる。
尚、基板搬入部2において、M1及びエアシリンダ13は、図示しない制御手段により所定のタイミングで駆動するよう制御される。また、本実施形態においては、コロ搬送部5Bの進退動作はエアシリンダ13の駆動により行うものとしたが、それに限定することなく例えばベルト駆動によりコロ搬送部5Bを進退動作させる構成としてもよい。
【0023】
基板処理部1は、架台14上にガラス基板Gを載置するためのステージ部15が設けられ、その周囲に第2の基板搬送部であるコロ搬送部16が設けられている。
それらステージ部15及びコロ搬送部16の構成について、さらに図3、図4を用いて説明する。図3は、ステージ部15及びコロ搬送部16を拡大した平面図、図4は図3のB−B矢視断面図である。
ステージ部15は、図3に示すように平面視において略長方形状であり、その基板載置面(上面)は、ガラス基板Gの被処理面が撓むことなく載置可能な大きさに形成されている。また、ステージ部15の基板載置面(上面)において、その左右縁部には、基板幅方向に所定の長さを有する複数の溝部15aが基板搬送方向Aに沿って並列に形成されている(図面では片側に5つの溝部15a)。この溝部15aは、ステージ部15の載置面(上面)側及び側面側から凹設され、前記コロ搬送部16が有する所定長さのコロ軸17及びそれに設けられたコロ18が収容可能な形状となされている。
【0024】
コロ搬送部16が有する前記コロ軸17は、その一端側が係合する駆動軸19の回転によってガラス基板Gを搬送する方向に回転動作し、ステージ部15両側の一対の駆動軸19は、それぞれ駆動モータM3,M4によって回転駆動するように構成されている。尚、図4に示すようにステージ部15において前記溝部15aの奥部には、ステージ下面に連通する連通孔15bが上下方向に穿設され、その連通孔15bを挿通された支持部材23によって前記コロ軸17の他端側が回転自在に支持されている。
また、コロ搬送部16において、ステージ部15の前後には、それぞれ前記一対の駆動軸19のいずれかに係合し、前記駆動モータM3,M4によって回転駆動するコロ軸21及びそれに設けられたコロ22が配置されている。
【0025】
また、図4に示すように、前記コロ搬送部16は、フレーム部材24により下方から支持されている(前記支持部材23は前記フレーム部材24上に設けられている)。
前記フレーム部材24は、シリンダ25aに対しピストン軸25bが進退移動するエアシリンダ25により昇降移動可能となされている。エアシリンダ25は、ステージ部15の中央部下方に配置され、ステージ部15の左右両側の下方には、前記架台14に取り付けられた円筒状ガイド部材26がそれぞれ配備されている。前記フレーム部材24には下方に延びて前記円筒状ガイド部材26の中を摺動自在な棒状部材27が設けられ、フレーム部材24の昇降移動の動作が揺動することなく安定して行われるようになっている。尚、前記フレーム部材24、エアシリンダ25により第2の進退手段が構成されている。
【0026】
また、前記エアシリンダ25によりコロ搬送部16が上昇位置に配置されると、図4に示すようにステージ部15の左右両側に配置されたコロ軸17がステージ部15に対し上昇し、コロ18によりガラス基板Gを搬送可能な状態となされる。
一方、コロ搬送部16が下降位置に配置されると、前記コロ軸17は下降移動してステージ部15の溝部15a内に収容され、ガラス基板Gがステージ部15の上面に載置される状態となされる。
尚、基板処理部1において、駆動モータM3,M4及びエアシリンダ25は、図示しない制御手段により所定のタイミングで駆動するよう制御される。
【0027】
また、基板搬出部3は、図1、図2に示すように架台28上に第3の基板搬送部であるコロ搬送部29が敷設されている。コロ搬送部29は、基板搬送方向Aに沿って並列に複数のコロ軸6が回転自在に配備され、各コロ軸6に基板搬送のための複数のコロ7が設けられている。各コロ軸6は、その一端側が係合する駆動軸8の回転によって、ガラス基板Gを搬送する方向に回転動作し、前記駆動軸8は、駆動モータM5によって回転駆動するように構成されている。
【0028】
また、基板搬出部3においては、架台28とコロ搬送部29との間に、コロ搬送部29を基板搬送方向に沿って前後移動させるスライド機構30(第3の進退手段)が設けられている。このスライド機構30は、架台28上に基板搬送方向Aに沿って敷設されたレール31と、レール31上を移動自在に設けられると共にコロ搬送部29を支持するスライダ32と、スライダ32をレール31に沿って移動させる駆動源としてのエアシリンダ33とにより構成される。
【0029】
即ち、図1及び図2に示すように、エアシリンダ33のピストン軸33aが、シリンダ33bに対し進退動作することにより、スライダ32上に配置されたコロ搬送部29が基板処理部1に向けて前後移動するようになっている。具体的には、コロ搬送部5Bが前進位置にあるときは(図1の状態)、コロ搬送部29から後段への基板搬送が可能な状態となされる。また、コロ搬送部29が後退位置にあるときは(図2の状態)、基板処理部1のコロ搬送部16からコロ搬送部29への基板搬送が可能な状態となされる。
尚、基板搬出部3において、駆動モータM5及びエアシリンダ33は、図示しない制御手段により所定のタイミングで駆動するよう制御される。また、本実施形態においては、コロ搬送部29の進退動作はエアシリンダ33の駆動により行うものとしたが、それに限定することなく例えばベルト駆動によりコロ搬送部29を進退動作させる構成としてもよい。
【0030】
続いて、本発明に係る処理ステージ装置100を、ガラス基板Gに対し所定の処理液を塗布する塗布処理装置に適用した場合について説明する。
図5は、処理ステージ装置100を用いる塗布処理装置150の概略構成を示し、図5(a)は塗布処理装置150の平面図、図5(b)はその基板搬送方向に沿った断面図である。尚、図面において図1乃至図4に示した細部の構成は一部省略している。
【0031】
図5に示すように、塗布処理装置150は、基板搬入部2と基板搬出部3との間に塗布処理部40が配置され、この塗布処理部40上に基板処理部1が設けられている。
図5(a)に示すように、基板処理部1の前後には、基板幅方向に延びる一対のレール41が敷設され、このレール41に沿って一対のスライダ42が移動可能に設けられている。前記一対のスライダ42間には、基板搬送方向(ガラス基板Gの前後方向)に延びるスリット状の吐出口(図示せず)を有するノズル43が架設され、スライダ42の移動によって、ノズル43がガラス基板G上を基板幅方向に走査可能となされている。尚、レール41、スライダ42によりノズル移動手段が構成される。
【0032】
また、図5(a)に示すように、塗布処理部40において、基板処理部1の側方には、ノズル先端の吐出口の状態を整えるプライミング処理などのメンテナンス処理を行うためのノズル待機部44(ノズルメンテナンス手段)が設けられている。このノズル待機部44は、プライミング処理のためのプライミングローラなどが配置されたプライミング処理部(図示せず)、ノズル先端をシンナー等の溶剤で洗浄するノズル洗浄部(図示せず)、ノズル先端の乾燥を防ぐためにノズル先端を溶剤雰囲気に晒した状態で保持する溶剤雰囲気室(図示せず)などが配備されている。
【0033】
このように構成された塗布処理装置150において、複数のガラス基板Gに対し処理液の塗布処理を行う際には次のように行われる。
先ず、図5(a)、図5(b)に示すように1枚目のガラス基板G1が基板搬入部2における後段部2Bのコロ搬送部5Bまでコロ搬送される。
【0034】
次いで、図6(a)、図6(b)に示すようにガラス基板G1を支持するコロ搬送部5Bが前進し、基板処理部1のステージ部15の後側に隣接する状態となされる。
また、このとき基板処理部1においてステージ部15に対しコロ搬送部16は上昇位置に配置され、コロ18により基板搬送可能な状態となされる。
【0035】
これによりガラス基板G1はステージ部15上に搬送され、その後、図7(a)、図7(b)に示すように基板搬入部2における後段部2Bのコロ搬送部5Bは後退移動される(図5の状態に戻される)。また、このとき基板搬入部2における前段部2Aのコロ搬送部5Aには次のガラス基板G2が搬送される。
前記のようにガラス基板G1がステージ部15上に搬送されると、図8(a)、図8(b)に示すようにコロ搬送部16は下降され、溝部15aに収容される。これによりガラス基板G1は、ステージ部15の基板載置面(上面)に載置される。
また、このとき基板搬入部2において前段部2Aのガラス基板G2は後段部2Bに搬送される。
【0036】
ここまでノズル待機部44に待機していたノズル43は、ノズル先端の状態を整えると、図9(a)、図9(b)に示すようにガラス基板G1上を基板幅方向に走査し、処理液をガラス基板Gの被処理面(上面)に塗布する。
ガラス基板G1への塗布処理が完了すると、図10(a)、図10(b)に示すようにノズル43はノズル待機部44に戻される。また、基板搬入部2の後段部2Bのコロ搬送部5Bが前進移動されてステージ部15の後側に隣接する状態となされる。また、基板搬出部3のコロ搬送部29が後退移動されてステージ部15の前側に隣接する状態となされる。また、コロ軸17は上昇位置に配置され、基板搬送可能な状態となされる。
【0037】
これにより、図11(a)、図11(b)に示すように、塗布処理を終えたガラス基板G1は、基板搬出部3のコロ搬送部29上に搬送され、基板搬入部2のコロ搬送部5B上のガラス基板G2はステージ部15上に搬送される。また、このとき基板搬入部2の前段部2Aには新たなガラス基板G3が搬送される。
そして、図12(a)、図12(b)に示すように、ガラス基板G1を支持する基板搬出部3のコロ搬送部29は前進移動され、基板搬入部2の後段部2Bのコロ搬送部5Bは後退移動される。
【0038】
また、図13(a)、図13(b)に示すように塗布処理がなされたガラス基板G1は基板搬出部3から(後段に)搬送され、基板搬入部2の前段部2Aから後段部2Bにガラス基板G3が搬送される。また、図13に示す状態からステージ部15のコロ軸17が下降すると、図8に示した状態に戻り、その後、図8〜図13に示した一連の処理が所定の処理枚数に達するまで繰り返される。
【0039】
以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、被処理基板であるガラス基板Gに所定の処理を施す基板処理部1に対し、その基板搬送方向上流側に所定の距離を空けて基板搬入部2が配置され、基板搬送方向下流側に所定の距離を空けて基板搬出部3が配置される。そして、前記基板処理部1への基板搬入の際には、前記基板搬入部2のコロ搬送部5Bが前進移動し、コロ搬送部5Bから基板処理部1のコロ搬送部16にガラス基板Gが搬入される。一方、前記基板処理部1からの基板搬出の際には、前記基板搬出部3のコロ搬送部29が後退移動し、基板処理部1のコロ搬送部16からコロ搬送部29にガラス基板Gが搬出される。
また、前記基板処理部1においては、前記コロ搬送部16が上昇位置にあることにより、ガラス基板Gの搬入出が可能となり、コロ搬送部16が下降することにより、ガラス基板Gがステージ部15の基板載置面に載置される。
この構成により、従来の基板搬入出の際にリフトピンなどによりガラス基板Gを一時的に保持するステップ、及び搬送アームによりガラス基板Gを搬送するステップ等が不要となる。その結果、ステージ部15に対し搬入出を行う際に生じるガラス基板Gの滞留時間が大幅に低減され、処理動作のタクトタイムを短縮することができる。
【0040】
また、前記処理ステージ装置100を塗布処理装置150に用いた場合には、ノズル43の走査(塗布)方向を基板幅方向とし、ノズル43の吐出口の状態を整えるノズル待機部44を基板処理部1の側方に配置することができるため、ノズル43のメンテナンス処理の際に飛散したパーティクルなどが基板搬送路上に落ちることが無くガラス基板Gの汚染を防止することができる。
【0041】
尚、前記実施の形態では、ステージ部15の上方においてガラス基板Gの左右両側縁部のみをコロ18(コロ搬送部16の短いコロ軸17に設けられる)により支持し搬送する構成としたが、本発明に係る処理ステージ装置にあっては、それに限定されるものではない。
例えば、図14(平面図)、及び図15(図14のB−B断面図)に示すように、コロ搬送部16を構成する複数のコロ軸を全て基板幅よりも長いコロ軸21とし、それら複数のコロ軸21をステージ部15上において基板搬送方向に並列に設けてもよい。
この場合、コロ軸21は、その一端側が係合する駆動軸19の回転によってガラス基板Gを搬送する方向に回転動作し、駆動軸19は、駆動モータM6によって回転駆動するように構成される。
また、前記ステージ部15の基板載置面には基板幅方向に延びる複数の溝部15cが設けられ、複数のコロ22が設けられた複数のコロ軸21は、エアシリンダ25により下降移動した際、前記溝部15c内に収容される。また、この構成においては、コロ軸21が長いため、その両端だけでなくステージ部15の中央付近においてもコロ軸21を回転自在に支持する支持部材45を設けることが望ましい。
このような構成によれば、基板サイズに拘わらず安定して搬送することができる。
【0042】
また、前記実施の形態では、高さが固定された前記ステージ部15に対し、コロ搬送部16を昇降移動させる構成としたが、本発明に係るステージ処理装置にあっては、それに限定されるものではなく、コロ搬送部16の高さを固定し、それに対してステージ部15を昇降移動させる構成(即ち、ステージ部15に対し相対的にコロ搬送部16が昇降移動する)としてもよい。
【0043】
また、前記実施の形態においては、ステージ部15にガラス基板Gを載置する際のアライメント(基板位置合わせ)の動作について示さなかったが、好ましくは図16、図17、図18に示す構成を用いて高精度のアライメントを実現することができる。
詳しく説明すると、図16は、ステージ部15及びコロ搬送部16の変形例を示す平面図である。図17は、図16の一部を拡大して示す断面図である。また、図18は、図16の一部を拡大して示す断面図であり、アライメントの一連の動作を説明するための状態遷移を示している。
【0044】
図16に示すようにステージ部15の上面側には、基板搬送方向Aに沿ってガラス基板Gの左右両側に複数(図では片側4つ)のサイドコロ50(コロ部材)が鉛直軸周りに回転自在に設けられている。各サイドコロ50は、図17に示すようにステージ部15に形成された上下に貫通する貫通孔15d(収容孔)にコロ軸51が挿通され、その上端部にコロ部材が回転自在に設けられている。
【0045】
また、サイドコロ50は、そのコロ面が、図16、図17に示すようにコロ搬送部16によって搬送されるガラス基板Gの側端部に当接するよう配置されており、基板左右両側をサイドコロ50で案内することによりガラス基板Gの幅方向の位置ずれが防止される。尚、図示しないが、図1などに示した基板搬入部2の前段部2A、後段部2Bにも基板左右両側を案内する複数のサイドコロ50を設けることが望ましく、それによってステージ部15上への基板搬入の際、ガラス基板Gの幅方向の位置ずれを防止することができる。
【0046】
また、前記コロ軸51は例えばエアシリンダからなる昇降駆動部52(コロ昇降手段)によって昇降可能に設けられており、ステージ部15上をガラス基板Gが搬送される際にサイドコロ50が上昇され、基板側方に配置されるようになっている。一方、それ以外のときには、サイドコロ50は下降されて貫通孔15dに収容され、ステージ部15の載置面よりも下方に配置されるようになっている。尚、図16、図17においてはサイドコロ50を貫通孔15dに収容可能な構成としたが、収容部は孔に限らずステージ部に溝部(収容溝)を設けて、そこにサイドコロ50を収容するように構成してもよい。
【0047】
また、ステージ部15の上面側の四隅付近には、それぞれ2本のアライメントピン55が昇降可能に設けられている(即ち合計8本)。図16に示すように、ガラス基板Gの各角部を形成する基板端部には、それぞれアライメントピン55の側面が当接し、それによってガラス基板Gがステージ部15上の所定位置に高精度に配置されるようになっている。
各アライメントピン55は、図18(a)に示すように所定の直径の直胴部を有すると共に先端が尖った杭状に形成され、ステージ部15を上下に貫通する貫通孔15eに挿通されている。また、各アライメントピン55は、エアシリンダなどの昇降駆動部56によって昇降移動可能となされ、最も下降した位置では貫通孔15eに先端部が収容されるようになっている。
【0048】
ここでアライメントピン55によるガラス基板Gのアライメント動作を1本のアライメントピン55の動作を図示して具体的に説明する。
図18(a)に示すようにガラス基板Gがステージ部15上の所定位置まで搬送され停止すると、全てのアライメントピン55が図18(b)に示すように昇降駆動部56によって上昇移動される。
アライメントピン55の先端は尖っているため、図18(b)に示すように基板端部がピン側に寄っている場合にはピン先端の尖った側面に基板端部が当接する。そのため、更にアライメントピン55が上昇し、基板端部と当接するピン先端が拡径すると、ガラス基板Gはアライメントピン55によって側方(ステージ内側)に押されることになる。そして、最終的には図18(c)に示すように基板端部はアライメントピン55の直胴部側面に当接する状態、即ち位置合わせされた状態となるまで押されて移動する。
【0049】
全てのアライメントピン55の上昇移動によって、ガラス基板Gが水平方向における所定位置に配置されると、図18(d)に示すようにコロ搬送部16が下降し、ガラス基板Gがステージ部15上に載置される。また、このとき、位置合わせされたガラス基板Gを、ステージ部15に設けられた吸引機構(図示せず)によって吸着保持することが望ましい。
そして、ガラス基板Gがステージ部15上に保持されると、全てのアライメントピン55が下降移動され、図18(e)に示すようにピン先端が貫通孔15eに収容されるようになっている。
尚、図18(a)〜(e)に示した構成にあっては、アライメントピン55は、その先端が尖った杭状の形状とされ、昇降駆動部56によって単に昇降するものとしたが、その形態に限定されるものではなく、ピン側面に基板側部を当接させて基板位置合わせを行う構成であれば他の構成でもよい。例えば、アライメントピン55を直棒状に形成し、全てのピンをガラス基板Gの側部から離れた外側の位置で上昇させた後、内側に水平移動させて、その側面を基板側部に当接させ、位置合わせを行うように構成してもよい。
【0050】
また、ステージ部15上において、例えばコロ軸17などを収容する複数の溝部15aのいずれかには、上方を搬送されるガラス基板Gを検出するための第1光学センサ及び第2光学センサ(共に図示せず)が設けられている。
前記第1光学センサ及び第2光学センサは、上方に搬送されてきたガラス基板Gの先端の検出に用いられる。具体的には、制御手段(図示せず)が、第1光学センサの検出タイミングで基板搬送速度を減速させ、第2光学センサの検出タイミングで基板搬送を停止させる。
そのように構成することにより、ステージ部15上に搬送されたガラス基板Gをほぼ所定位置に停止させることができる。
【0051】
更に、複数のアライメントピン55のうち基板搬送方向Aの最下流側に位置する2本のアライメントピン55Aを搬送停止部材として用い、ガラス基板Gの搬送停止前に上昇させて待機させてもよい。そのようにすれば、搬送されてきたガラス基板Gの前端が前記アライメントピン55Aに当接し、ガラス基板Gが機械的に(強制的に)搬送停止されるため、前記光学センサによる停止制御の不具合発生時に起きるオーバーランなどを防止することができる。尚、前記搬送停止部材としてアライメントピン55A(55)を用いるのではなく、基板搬送停止用の専用の昇降ピン、或いは昇降可能な壁状の板部材などを設け、ガラス基板Gの搬送停止前に予め上昇させて待機させるようにしてもよい。
【0052】
このように構成されたステージ部15によれば、ガラス基板Gを搬入時においては、コロ搬送されるガラス基板Gの幅方向の位置ずれをサイドコロ50によって矯正することができる。
また、予め上昇して待機するアライメントピン55Aによってガラス基板Gの前端を受け止め、基板搬送を強制的に停止させることで、光学センサによる停止制御の不具合発生時に起きるオーバーランなどを防止することができる。
さらに、搬送停止されたガラス基板Gに対し、複数のアライメントピン55が上昇することにより所定位置に高精度に位置合わせすることができ、その後、コロ搬送部16が下降することにより、ステージ上の所定位置に吸着保持することができる。
【0053】
また、前記実施の形態にあっては、基板搬入部2の後段部2Bにおいて、コロ搬送部5Bが基板搬送方向に沿って前後方向にのみ移動可能な構成とし、基板搬出部3において、コロ搬送部29が基板搬送方向に沿って前後方向にのみ移動可能な構成とした。
しかしながら、本発明にあっては、その構成に限定されず、前記コロ搬送部5Bやコロ搬送部29を基板搬送方向に沿った前後方向の移動だけでなく、斜め上下方向や垂直上下方向の移動が可能な構成としてもよい。図19、図20を用いて具体的に説明する。図19(a)〜(c)、図20(a)〜(c)は、基板搬入部2及び基板搬出部3の変形例であって、その一連の動作を模式的に示す断面図である。
【0054】
図19(a)に示すように、基板搬入部2において、コロ搬送部5Bは、基板搬送方向に沿って斜め上下方向に延びるレール34上を、エアシリンダ或いはベルト駆動装置などの駆動装置35によって移動可能に設けられている。これによりコロ搬送部5Bは、コロ搬送部5Aの前方位置と下方位置(待機位置)との間を斜め上下方向に移動可能となされている。即ち、コロ搬送部5Bがコロ搬送部5Aの前方位置にあるときには(例えば図19(b)の状態)、コロ搬送部5Aからコロ搬送部5Bを介して基板処理部1のコロ搬送部16へのコロ搬送が可能な状態となる。一方、コロ搬送部5Bがコロ搬送部5Aの下方位置(待機位置)にあるときには(例えば図20(a)の状態)、コロ搬送部5Aと基板処理部1とは所定距離を空けて分離され、基板処理部1での基板処理(塗布処理など)が可能な状態となる。
【0055】
また、図19(a)に示すように基板搬出部3において、コロ搬送部はコロ搬送部29Aとコロ搬送部29Bとにより構成される。
コロ搬送部29Bは図示するように基板搬送路上に、基板処理部1のコロ搬送部16と所定の距離を空けて設けられている。
コロ搬送部29Aは、基板搬送方向に沿って斜め上下方向に延びるレール36上を、エアシリンダ或いはベルト駆動装置などの駆動装置37によって移動可能に設けられている。これによりコロ搬送部29Aは、コロ搬送部29Bの後方位置と下方位置(待機位置)との間を斜め上下方向に移動可能となされている。即ち、コロ搬送部29Aがコロ搬送部29Bの後方位置にあるときには(例えば図20(b)の状態)、基板処理部1のコロ搬送部16からコロ搬送部29Aを介してコロ搬送部29Bへのコロ搬送が可能な状態となる。
一方、コロ搬送部29Aがコロ搬送部29Bの下方位置にあるときには(例えば図20(a)の状態)、コロ搬送部29Bと基板処理部1とは所定距離を空けて分離され、基板処理部1での基板処理(塗布処理など)が可能な状態となる。
【0056】
このような構成において、図19(a)に示すように基板搬入部2のコロ搬送部5Aまでガラス基板Gが搬送されると、待機位置(コロ搬送部5Aの下方位置)にあったコロ搬送部5Bが図19(b)に示すように斜め上方に前進移動され、コロ搬送部5Aと基板処理部1のコロ搬送部16の間に配置される。
これによりコロ搬送部5A上のガラス基板Gは、図19(c)に示すようにコロ搬送部5Bを介して基板処理部1のコロ搬送部16にコロ搬送により搬入される。
基板処理部1に基板搬入されると、コロ搬送部5Bは斜め下方に後退移動され、図20(a)に示すように再び待機位置に配置される。また、このとき基板処理部1は基板搬入部2及び基板搬出部3と分離された状態となり、塗布処理部40により基板面への塗布処理が施される。
【0057】
塗布処理が完了すると、基板搬出部3において待機位置(コロ搬送部29Bの下方位置)にあったコロ搬送部29Aが、図20(b)に示すように斜め上方に移動され、コロ搬送部29Bと基板処理部1のコロ搬送部16との間に配置される。
これにより基板処理部1のコロ搬送部16上のガラス基板Gは、図20(c)に示すように基板搬出部3のコロ搬送部29Aを介してコロ搬送部29Bへコロ搬送により搬出される。尚、コロ搬出部29Bへの基板搬出後には、コロ搬送部29Aは斜め下方に移動され、再び待機位置に配置される。
【0058】
以上の構成によれば、基板搬入部2にあっては、コロ搬送部5Bは、コロ搬送部5Aと基板処理部1のコロ搬送部16との間に配置されることによってコロ搬送可能な基板搬送路を形成できればよい。また、基板搬出部3にあっては、コロ搬送部29Aは、基板処理部1のコロ搬送部16とコロ搬送部29Bとの間に配置されることによってコロ搬送可能な基板搬送路を形成できればよい。
即ち、コロ搬送部5B及びコロ搬送部29Aはそれぞれガラス基板Gの全体を支持する大きさである必要はなく、その基板搬送方向の全長を基板長よりも短く形成することができる。
その結果、基板搬送路の長さ(装置の長さ)を短縮することができ、装置にかかるコストを低減することができる。また、ガラス基板Gを載置した状態(ガラス基板Gが静止した状態)で搬送する機構が無くなり、ガラス基板Gの移動は全てコロ搬送により行うため、基板搬送にかかる時間が短縮され、全体の処理速度を向上することができる。
また、待機位置において、基板搬送路の下方に形成された所定の空間を利用して、コロ搬送部5B、29のメンテナンスを行うこともできる。
尚、図19、図20に示した構成例では、コロ搬送部5B及びコロ搬送部29Aが斜め上下方向に移動するものとしたが、垂直上下方向に移動する構成としてもよい。
【0059】
また、前記実施の形態にあっては、図5に示したように塗布処理部40において、基板搬送方向に延びるスリット状の吐出口を有するノズル43が、基板幅方向に走査されることによって処理液をガラス基板Gに塗布する構成とした。
しかしながら、本発明にあっては、その構成に限定されるものではない。例えば、ノズル43のスリット状の吐出口を基板幅方向に沿って配置し、ノズル43を基板搬送方向に沿って走査させるように構成してもよい。
【0060】
また、本発明に係る処理ステージ装置にあっては、被処理基板に処理液を塗布する塗布形成装置に限らず、被処理基板に所定の処理を施す様々な処理装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
1 基板処理部
2 基板搬入部
3 基板搬出部
5A コロ搬送部
5B コロ搬送部(第1の基板搬送部)
6 コロ軸
7 コロ
8 駆動軸
9 駆動軸
10 スライド機構(第1の進退手段)
15 ステージ部(ステージ)
15a 溝部
15c 溝部
15d 貫通孔(収容孔)
16 コロ搬送部(第2の基板搬送部)
24 フレーム部材(第2の進退手段)
25 エアシリンダ(第2の進退手段)
29 コロ搬送部(第3の基板搬送部)
30 スライド機構(第3の進退手段)
41 レール(ノズル移動手段)
42 スライダ(ノズル移動手段)
43 ノズル
44 ノズル待機部(ノズルメンテナンス手段)
50 サイドコロ
51 コロ軸
52 昇降駆動部(コロ昇降手段)
55 アライメントピン
100 処理ステージ装置
150 塗布処理装置
G ガラス基板(被処理基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理基板に所定の処理を施す基板処理部と、前記基板処理部に前記基板を搬入する基板搬入部と、前記基板処理部から前記基板を搬出する基板搬出部とを備える処理ステージ装置であって、
前記基板搬入部は、前記基板を水平に搬送可能な第1の基板搬送部と、前記第1の基板搬送部を少なくとも基板搬送方向に沿って前後方向と斜め上下方向と垂直上下方向とのいずれかに移動させると共に、前進位置において前記第1の基板搬送部上の被処理基板を前記基板処理部に搬入可能とする第1の進退手段とを有し、
前記基板処理部は、前記基板搬入部の基板搬送方向下流側に所定距離を空けて配置され、前記基板に所定の処理を施すための載置面を有するステージと、前記ステージの載置面に対し相対的に昇降可能に設けられ、上昇位置において前記基板を水平に搬送可能な第2の基板搬送部と、前記ステージの載置面に対し前記第2の基板搬送部を相対的に昇降させることにより前記基板を前記第2の搬送部上または前記ステージの載置面上に載置する第2の進退手段とを有し、
前記基板搬出部は、前記基板処理部の基板搬送方向下流側に所定距離を空けて配置され、前記被処理基板を水平に搬送可能な第3の基板搬送部と、前記第3の基板搬送部を少なくとも基板搬送方向に沿って前後方向と斜め上下方向と垂直上下方向とのいずれかに移動させると共に、後退位置において前記基板処理部から前記第3の基板搬送部に被処理基板を搬出可能とする第3の進退手段とを有することを特徴とする処理ステージ装置。
【請求項2】
前記基板処理部において、
前記ステージの載置面には、前記第2の進退手段により前記第2の基板搬送部が下降した際、前記第2の基板搬送部を収容可能な溝部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載された処理ステージ装置。
【請求項3】
前記ステージの載置面には、前記第2の基板搬送部により搬送される被処理基板の左右両側に当接して基板幅方向の位置を案内する複数のコロ部材が基板搬送方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された処理ステージ装置。
【請求項4】
前記複数のコロ部材を前記ステージの載置面に対し相対的に昇降させるコロ昇降手段を備え、
前記ステージの載置面には、前記コロ部材を収容可能な収容孔または収容溝が設けられ、前記複数のコロ部材は、前記基板が前記ステージの載置面に載置されている間、前記コロ昇降手段により下降され前記収容孔または収容溝に収容されることを特徴とする請求項3に記載された処理ステージ装置。
【請求項5】
前記ステージの載置面には、被処理基板の角部に対応する位置に、それぞれ昇降可能なアライメントピンが設けられ、
前記ステージに搬送された被処理基板に対し、前記アライメントピンが上昇すると共に、その側面が前記被処理基板の側部に当接し、位置合わせがなされることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された処理ステージ装置。
【請求項6】
前記ステージの載置面には、該載置面に対し昇降移動により上方に突出または下方に収納可能な搬送停止部材が設けられ、
上昇位置に配置された前記搬送停止部材に、前記第2の基板搬送部により搬送される被処理基板の前端が当接することにより該被処理基板の搬送が停止されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された処理ステージ装置。
【請求項7】
前記第1乃至第3の基板搬送部は、それぞれコロ搬送により前記被処理基板を水平に搬送することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された処理ステージ装置。
【請求項8】
前記請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された処理ステージ装置を用い、被処理基板に処理液を塗布する塗布処理装置であって、
前記基板処理部において、
一方向に延びる吐出口を有し、前記ステージの載置面に載置された被処理基板の上方を移動されると共に、前記吐出口から前記基板上に処理液を吐出するノズルと、
前記ノズルを移動させるノズル移動手段と、
前記基板処理部の側方に設けられ、前記ノズル移動手段により前記基板処理部の側方に移動された前記ノズルの吐出口の状態を整えるノズルメンテナンス手段とを備えることを特徴とする塗布処理装置。
【請求項9】
前記ノズルの吐出口が前記基板の前後方向に延びるように配置されている場合、前記ノズル移動手段は、前記ノズルを基板幅方向に移動させ、
前記ノズルの吐出口が基板幅方向に延びるように配置されている場合、前記ノズル移動手段は、前記ノズルを前記基板の前後方向に移動させることを特徴とする請求項8に記載された塗布処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−102153(P2013−102153A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−229006(P2012−229006)
【出願日】平成24年10月16日(2012.10.16)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】