説明

処置具

【課題】ガイドワイヤの先端が心臓に接触することを防止しながらガイドワイヤを心膜腔内に導入する。
【解決手段】その先端面に開口し長手方向に形成されたチャネル21を有する細長い挿入部3と、該挿入部3の先端に設けられ、開閉可能な一対の把持片41,42を有する鉗子部5と、チャネル21内に移動可能に収納されるとともに、ガイドワイヤ13を挿入可能な貫通孔が長手方向にその先端面である針先面6aまで形成された穿刺針6とを備え、一方の把持片41が、他方の把持片42の先端よりも基端側にずれた位置にその先端を配置可能に設けられ、穿刺針6が、挿入部3の先端面の開口から、ずれて配置された一対の把持片41,42の先端同士の間に形成された空間Sへ出没可能に設けられている処置具1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処置具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、心膜をつまんだ状態で穿刺することにより、ガイドワイヤを心膜腔内に導入する処置具が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5931810号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の場合、ガイドワイヤを心膜に貫通させたときに、心膜と隣接する心臓にガイドワイヤの先端が接触してしまう可能性があるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、ガイドワイヤの先端が心臓に接触することを防止しながらガイドワイヤを心膜腔内に導入することができる処置具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、その先端面に開口し長手方向に形成されたチャネルを有する細長い挿入部と、該挿入部の先端に設けられ、開閉可能な一対の把持片を有する鉗子部と、前記チャネル内に移動可能に収納されるとともに、ガイドワイヤを挿入可能な貫通孔が長手方向にその先端面である針先面まで形成された穿刺針とを備え、一方の前記把持片が、他方の前記把持片の先端よりも基端側にずれた位置にその先端を配置可能に設けられ、前記穿刺針が、前記挿入部の前記先端面の開口から、ずれて配置された前記一対の把持片の先端同士の間に形成された空間へ出没可能に設けられている処置具を提供する。
【0006】
本発明によれば、挿入部を体内に挿入し、鉗子部の一対の把持片の間に心膜を挟んで把持した状態でチャネル内から穿刺針を出没させて心膜に貫通させることにより、穿刺針内の貫通孔内を介してガイドワイヤを心膜腔内へ導入することができる。
この場合に、心膜を把持した一方の把持片側においては、その先端が他方の把持片の先端よりも引っ込んでいる分だけ心膜と心臓との間に空間が確保され、穿刺針の針先面からこの空間へガイドワイヤが出没させられる。これにより、ガイドワイヤの先端が心臓に接触することを防止しながらガイドワイヤを心膜腔内に導入することができる。
【0007】
上記発明においては、前記穿刺針の、前記他方の把持片の先端よりも先端側への移動を制限する移動制限部材を備えていてもよい。
このようにすることで、穿刺針が、他方の把持片の先端よりも先端側に突出することを防ぐことができる。
【0008】
また、上記発明においては、前記穿刺針は、その長手方向に対して斜めに形成された前記針先面からなる刃面を有し、前記空間に出没させられた前記穿刺針の前記刃面が前記一方の把持片側に向けられるように前記穿刺針の周方向の回転を制限する回転制限手段を備えていてもよい。
このようにすることで、チャネル内から出没させられた位置において穿刺針の刃面の切っ先が他方の把持片側に配されることにより、穿刺針の切っ先が組織と接触することを防ぐことができる。
【0009】
また、上記発明においては、前記回転制限手段が、前記穿刺針を、前記チャネル内に収納された位置においては前記刃面を前記他方の把持片側へ向け、前記空間に出没させられた位置においては前記刃面を前記一方の把持片側へ向けるように、周方向に回転させながら進退させるネジ機構を備えていてもよい。
このようにすることで、穿刺針の切っ先は、心膜がより引っ張られた位置において心膜に穿刺させられることとなる。これにより、穿刺針をより確実に心膜に穿刺させることができる。
【0010】
また、上記発明においては、前記穿刺針は、先端部が前記針先面を側方に向けて湾曲し、前記穿刺針の前記針先面を前記一方の把持片側に向けるように前記穿刺針の周方向の回転を制限する回転制限手段を備えていてもよい。
このようにすることで、一方の把持片側に確保された心膜と心臓との間の空間において、ガイドワイヤは心臓からそれた方向に沿って導入されるので、ガイドワイヤの先端が心臓に接触することをより確実に防止することができる。
【0011】
また、上記発明においては、前記他方の把持片は、その先端が前記一方の把持片の先端と揃えて配置される通常位置と、その先端が前記一方の把持片の先端よりも先端側に突出して配置される突出位置との間で移動可能に設けられていてもよい。
このようにすることで、例えば、心膜を把持するときには把持片の先端を揃え、穿刺針を心膜に穿刺するときには他方の把持片を移動させて先端位置をずらすなど、操作の内容に応じて他方の把持片の先端位置を選択することにより操作性を向上することができる。
【0012】
また、上記発明においては、前記他方の把持片が、その前記先端と前記一方の把持片の先端とのずれ量が異なる複数の前記突出位置に移動可能に設けられていてもよい。
このようにすることで、操作の内容に応じて一対の把持片の先端のずれ量を選択することにより操作性を向上することができる。
【0013】
また、上記発明においては、前記穿刺針の、前記他方の把持片の先端よりも先端側への移動を制限する移動制限部材を備え、該移動制限部材が、前記他方の把持片と一体で移動可能に設けられていてもよい。
このようにすることで、他方の把持片の先端の位置に依らずに穿刺針の他方の把持片の先端からの突出量を一定範囲内に制限することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ガイドワイヤの先端が心臓に接触することを防止しながらガイドワイヤを心膜腔内に導入することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る処置具の全体構成図であり、把持片を開いた状態を示している。
【図2】図1の処置具のI−I断面図である。
【図3】図1の処置具であり、把持片を閉じて穿刺針を出没させた状態を示している。
【図4】図1の処置具の使用方法を説明する図であり、(a)処置具を心膜まで到達させた状態、(b)把持片により把持した心膜に穿刺針を穿刺した状態、(c)心膜腔へガイドワイヤを導入した状態をそれぞれ示している。
【図5】図1の処置具の鉗子部および穿刺針の変形例を示す図であり、(a)穿刺針が挿入部内に収納された状態と(b)穿刺針が挿入部から出没させられた状態とを示している。
【図6】図5の鉗子部の構成において、ネジ機構の一例を示す図である。
【図7】図6の挿入部のVI−VI断面図である。
【図8】図6の穿刺針の動作を説明する図であり、(a)把持片が心膜を把持した状態、(b)挿入部から出没させられた穿刺針が心膜を穿孔した状態をそれぞれ示している。
【図9】鉗子部のもう1つの変形例を示す図であり、一方の把持片の先端位置が移動可能に設けられた構成の一例を示す図である。
【図10】図9の鉗子部の使用方法を説明する図であり、(a)他方の把持片の先端が通常位置に配された鉗子部により心膜を把持した状態、(b)他方の把持片の先端位置を突出位置に配して穿刺針により心膜を穿孔した状態をそれぞれ示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の一実施形態に係る処置具1について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る処置具1は、図1に示されるように、長手方向に貫通形成された2つのチャネル21,22を有する細長い挿入部3と、該挿入部3の先端に設けられ一対の把持片41,42を有する鉗子部5と、挿入部3内に収納された穿刺針6と、把持片41,42および穿刺針6の動作を挿入部3の基端側においてそれぞれ操作する鉗子操作部7および針操作部8とを備えている。
図2は、図1の挿入部3を途中位置で切断した横断面図である。
【0017】
挿入部3は、硬性な材料からなる。一方の第1のチャネル(チャネル)21は、挿入部3の両端面に開口し、穿刺針6が長手方向に移動可能に挿入されている。他方の第2のチャネル22は、鉗子部5と鉗子操作部7とに両端が接続された把持力伝達部材9が長手方向に移動可能に挿入されている。
【0018】
鉗子部5は、一対の把持片41,42を互いに連結するリンク機構10を備えている。リンク機構10は、把持力伝達部材9の基端側への後退動作を把持片41,42の閉動作に変換し、把持力伝達部材9の先端側への前進動作を把持片41,42の開動作に変換するように構成されている。
【0019】
一方の把持片41は、他方の把持片42よりも小さい長手方向の寸法を有し、一方の把持片41の先端は他方の把持片42の先端よりも基端側にずれた位置に配置されている。これにより、図3に示されるように、把持片41,42が閉じられた状態において、一方の把持片41の先端と他方の把持片42の先端との間に空間Sが形成される。
【0020】
一方の把持片41には、長手方向に沿ってチャネル11が形成されている。該チャネル11は、把持片41,42が閉じられた状態において第1のチャネル21の延長上に配置され、穿刺針6は、第1のチャネル21内から把持片41のチャネル11内を通って該把持片41の先端の開口から出没可能になっている。このときに、穿刺針6は、空間S内に出没させられることになる。
【0021】
穿刺針6は、その先端が他方の把持片42の先端と略同一の位置まで出没させられたときに、それ以上の先端側への移動が制限されるように、第1のチャネル21の先端側の開口の縁に突き当てられるフランジ状のストッパ(移動制限部材)12が外周面に設けられている。これにより、穿刺針6が他方の把持片42の先端よりも突出して体内の組織に接触することが防止されるようになっている。
【0022】
穿刺針6は、図2に示されるように、ガイドワイヤ13を挿入可能な貫通孔6cが長手方向に形成され、該貫通孔内6cに挿入されたガイドワイヤ13は穿刺針6の先端面である針先面6aの開口から出没可能になっている。針先面6aは、長手方向に対して斜めに形成されることにより刃面(以下、刃面6aともいう。)を構成している。
【0023】
穿刺針6は、刃面6aが一方の把持片41側に向けられるように、回転制限手段によって周方向の回転が制限されている。回転制限手段は、例えば、第1のチャネル21の内面および穿刺針6の外面の横断面形状が、楕円形や多角形などの非円形に形成されることにより構成されている。これにより、空間S内に出没させられた穿刺針6の切っ先6bが他方の把持片42に添って配置されるので、空間Sの外側に配置された組織などに切っ先6bが接触することが防止されるようになっている。
【0024】
鉗子操作部7は、把持片41,42の開閉を操作する固定ハンドル7aおよび可動ハンドル7bを備えている。固定ハンドル7aは挿入部3に対して固定され、可動ハンドル7bは把持力伝達部材9を介して鉗子部5のリンク機構10と接続されている。操作者が固定ハンドル7aおよび可動ハンドル7bを握ったときに、可動ハンドル7bが固定ハンドル7aに接近し、把持力伝達部材9が基端側に引っ張られるように構成されている。これにより、操作者は、両ハンドル7a,7bを握ることにより把持片41,42を閉じることができる。
【0025】
一方、鉗子操作部7は、操作者が両ハンドル7a,7bから手を離したときには、把持力伝達部材9が前進して把持片41,42を開かせるようになっている。把持片41,42の開き角度が一定に保持されるように、両ハンドル7a,7bの相対位置を固定する図示しない固定手段が備えられていてもよい。
【0026】
針操作部8は、挿入部3の長手方向に沿って前後方向に移動可能に設けられるとともに、挿入部3内において穿刺針6の基端と接続されている。操作者は、針操作部8を基端側に移動させることにより、穿刺針6を、第1のチャネル21内に収納された収納位置(図1参照。)に配することができる。一方、操作者は、針操作部8を先端側へ移動させることにより、穿刺針6を、一方の把持片41の先端から空間S内に出没した穿刺位置に配することができる。また、針操作部8は穿刺針6の貫通孔6cと連通したワイヤ導入口8aを有し、操作者はワイヤ導入口8aから穿刺針6の貫通孔6c内にガイドワイヤ13を挿入することができる。
【0027】
次に、このように構成された処置具1の作用について説明する。
本実施形態に係る処置具1を使用してガイドワイヤ13を心膜腔Aに導入するためには、穿刺針6を収納位置に配した状態で挿入部3を体内に挿入し、図4(a)に示されるように、鉗子部5を心膜Bの外側に配置する。そして、図4(b)に示されるように、把持片41,42の間に心膜Bを把持する。この状態で、ガイドワイヤ13を体外においてワイヤ導入口8a内へ押し込むことにより、図4(c)に示されるように、一方の把持片41の先端からガイドワイヤ13を出没させて心膜腔Aに導入することができる。
【0028】
この場合に、本実施形態によれば、一対の把持片41,42の先端が前後方向にずれて配置されているため、心膜Bを把持した状態の一方の把持片41の先端側においては心膜Bが心臓C表面から十分に離れた位置まで引っ張られ、心膜Bと心臓Cとの間に空間が確保される。これにより、心臓Cから離れた位置において穿刺針6の心膜Bへの穿刺およびガイドワイヤ13の導入を行い、これら6,13の先端が心臓Cに接触ることを防ぐことができるという利点がある。
【0029】
本実施形態においては、一方の把持片41の先端から穿刺針6が出没させられることとしたが、これに代えて、図5(a)に示されるように、一対の把持片41,42の間から出没させられることとしてもよい。このようにしても、図5(b)に示されるように、前後方向にずれて配置された把持片41,42の先端の間の空間Sに穿刺針6を出没させて、心臓C表面との間に十分に間隔を空けた位置において穿刺針6の心膜Bへの穿刺およびガイドワイヤ13の心膜腔Aへの導入を行うことができる。
【0030】
また、本実施形態においては、図5(a),(b)に示されるように、穿刺針6の先端部が一方向に湾曲して形成されることにより、刃面6aが穿刺針6の長手方向に対して側方に向けられていてもよい。この場合、穿刺針6は、刃面6aが一方の把持片41側に向けられるように、回転制限手段によって回転が制限される。
このようにすることで、図5(b)に示されるように、ガイドワイヤ13は、挿入部3の長手方向に対して側方へ出没させられる。すなわち、把持片41,42の正面方向に配置された心臓Cからそれた方向に沿ってガイドワイヤ13が心膜腔Aに導入されるので、ガイドワイヤ13の先端が心臓Cに接触することをさらに確実に防止することができる。
【0031】
また、本実施形態においては、回転制限手段が、刃面6aを一方の把持片41側に向けるように穿刺針6の回転を制限することとしたが、これに代えて、穿刺針6を周方向に回転させながら進退させるネジ機構を備えていてもよい。ネジ機構は、例えば、図6に示されるように、穿刺針6の側面に形成された螺旋状の溝からなるオネジ14aと、第1のチャネル21の内面に設けられオネジ14aに螺合させられるメネジ14bとからなる。図7は、挿入部3を途中位置で切断した横断面図である。ネジ機構は、収納位置においては刃面6aが他方の把持片42側に向けられ、穿刺位置においては刃面6aが一方の把持片41側に向けられるように構成されている。
【0032】
このようにすることで、穿刺針6は、図8(a)に示されるように、心膜Bを、一方の把持片41により心臓C表面から十分に離れた位置まで引っ張られた位置において穿刺し、その後に、図8(b)に示されるように、回転させられながら穿刺位置まで前進することにより刃面6aが一方の把持片41側に向けられる。すなわち、弾力を有する心膜Bを、より強く張った位置において穿刺することにより、穿刺針6をより確実に心膜Bに穿孔させることができる。
【0033】
また、本実施形態においては、図9に示されるように、他方の把持片42の先端位置が前後方向に移動可能に設けられていてもよい。他方の把持片42は、その先端が一方の把持片41の先端と揃って配される通常位置と、その先端が一方の把持片41の先端よりも突出して配される突出位置との間で移動可能に設けられる。他方の把持片42は、通常位置と突出位置との間で連続的に移動可能になっていてもよく、図示しないクリック機構などによって、通常位置からの突出量が異なる複数の突出位置に段階的に移動可能になっていてもよい。
【0034】
このように構成された鉗子部5によれば、図10(a)に示されるように、他方の把持片42を通常位置に配した状態で心膜Bまでの挿入および心膜Bの把持を行う。その後、図10(b)に示されるように、心膜Bを把持した状態で他方の把持片42を突出位置へ移動させることにより、穿刺針6を心臓Cから十分に離れた位置において心膜Bに穿刺させることができる。
このように、各操作の内容に応じて把持片42の先端位置を選択することにより、心膜Bの把持などの操作をより容易に行なうことができる。
【0035】
この場合に、空間Sに出没させられる穿刺針6の突出量を制限する移動制限部材も、他方の把持片42の先端位置の移動に伴って移動するように構成されていることが好ましい。例えば、穿刺針6の外周面に設けられたストッパ12と突き当てられる図示しない突き当て部材が、他方の把持片42と一体で第1のチャネル22内を移動可能に設けられていてもよい。このようにすることで、他方の把持片42の先端位置を移動させたときに、その先端位置に対して一定の位置まで穿刺針6の切っ先6bを出没させることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 処置具
3 挿入部
5 鉗子部
6 穿刺針
6a 針先面、刃面
6b 切っ先
6c 貫通孔
7 鉗子操作部
7a 固定ハンドル
7b 可動ハンドル
8 針操作部
8a ワイヤ導入口
9 把持力伝達部材
10 リンク機構
11 チャネル
12 ストッパ(移動制限部材)
13 ガイドワイヤ
14a オネジ(ネジ機構、回転制御手段)
14b メネジ(ネジ機構、回転制御手段)
21,22 チャネル
41,42 把持片
A 心膜腔
B 心膜
C 心臓
S 空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その先端面に開口し長手方向に形成されたチャネルを有する細長い挿入部と、
該挿入部の先端に設けられ、開閉可能な一対の把持片を有する鉗子部と、
前記チャネル内に移動可能に収納されるとともに、ガイドワイヤを挿入可能な貫通孔が長手方向にその先端面である針先面まで形成された穿刺針とを備え、
一方の前記把持片が、他方の前記把持片の先端よりも基端側にずれた位置にその先端を配置可能に設けられ、
前記穿刺針が、前記挿入部の前記先端面の開口から、ずれて配置された前記一対の把持片の先端同士の間に形成された空間へ出没可能に設けられている処置具。
【請求項2】
前記穿刺針の、前記他方の把持片の先端よりも先端側への移動を制限する移動制限部材を備える請求項1に記載の処置具。
【請求項3】
前記穿刺針は、その長手方向に対して斜めに形成された前記針先面からなる刃面を有し、
前記空間に出没させられた前記穿刺針の前記刃面が前記一方の把持片側に向けられるように前記穿刺針の周方向の回転を制限する回転制限手段を備える請求項2に記載の処置具。
【請求項4】
前記回転制限手段が、前記穿刺針を、前記チャネル内に収納された位置においては前記刃面を前記他方の把持片側へ向け、前記空間に出没させられた位置においては前記刃面を前記一方の把持片側へ向けるように、周方向に回転させながら進退させるネジ機構を備える請求項3に記載の処置具。
【請求項5】
前記穿刺針は、先端部が前記針先面を側方に向けて湾曲し、
前記穿刺針の前記針先面を前記一方の把持片側に向けるように前記穿刺針の周方向の回転を制限する回転制限手段を備える請求項1に記載の処置具。
【請求項6】
前記他方の把持片は、その先端が前記一方の把持片の先端と揃えて配置される通常位置と、その先端が前記一方の把持片の先端よりも先端側に突出して配置される突出位置との間で移動可能に設けられている請求項1に記載の処置具。
【請求項7】
前記他方の把持片が、その前記先端と前記一方の把持片の先端とのずれ量が異なる複数の前記突出位置に移動可能に設けられている請求項6に記載の処置具。
【請求項8】
前記穿刺針の、前記他方の把持片の先端よりも先端側への移動を制限する移動制限部材を備え、
該移動制限部材が、前記他方の把持片と一体で移動可能に設けられている請求項7に記載の処置具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−135352(P2012−135352A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288075(P2010−288075)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】