説明

出力装置、出力方法、および出力システム

【課題】電車の車両内や商業施設内に表示装置を用いた電子広告システムの使い勝手を良くする。
【解決手段】複数の出力装置と、少なくとも一つの装置管理サーバと、少なくとも一つのマルチキャストサーバと、複数のユニキャストサーバがネットワークで接続されたデジタルサイネージの出力装置において、出力装置は、装置管理サーバが取得、生成したマルチキャストサーバとユニキャストサーバの動作状態から求めた接続優先順位を表す制御テーブルに従い、マルチキャストサーバとユニキャストサーバの接続先を求め、接続したマルチキャストサーバまたは、ユニキャストサーバからの情報を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
映像および音声を出力する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電車の車両内や商業施設内に表示装置を用いた電子広告、いわゆるデジタルサイネージが見られるようになってきた。デジタルサイネージは、映像と音声で周囲の人の興味を引き付けやすく、従来の紙を用いた広告では表現しきれなかった効果を用いることで、わかりやすく訴求することが可能であり広告効果が高い。また、表示内容の入れ替えが容易であったり、状況変化に応じた表示切り替えが可能であったりと管理面でもメリットが大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-302746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術のサーバ・クライアント間通信にマルチキャスト配信技術を用いたシステムでは、単一の映像の配信において、視聴を中断した映像の続きを配信することは可能であるが、個別に映像を配信することができず、デジタルサイネージ等への適用は考慮されていない。一方、ユニキャスト配信技術を用いたシステムでは、個別に映像を配信することができので、個別に映像を配信することができるが、配信コスト及びシステムが配信数に比例して掛かってしまう課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、サーバ・クライアント間通信にマルチキャスト配信技術および、ユニキャスト配信技術を用い、クライアント側ユーザの操作、用途により、適宜クライアントとマルチキャストサーバまたは、ユニキャストサーバ相互の切り替える手段を有する。
【発明の効果】
【0006】
これにより、使い勝手のよいクライアント(出力装置、方法、システム)を提供することができ、出力装置の広告効果を向上させることができる。
【0007】
また、マルチキャストサーバおよびユニキャストサーバ装置同士の連携を潤滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】システムの全体構成の一例を示す図である。
【図2】出力装置の構成の一例を示す図である。
【図3】装置管理サーバの構成の一例を示す図である。
【図4】マルチキャストサーバの構成の一例を示す図である。
【図5】ユニキャストサーバの構成の一例を示す図である。
【図6】出力装置の表示画面の一例を示す図である。
【図7】装置管理サーバ、マルチキャストサーバ、ユニキャストサーバ及び出力装置のシステム全体の動作のフローチャートの一例である。
【図8】装置管理サーバ、マルチキャストサーバ、ユニキャストサーバ及び出力装置のシステム全体の動作のフローチャートの一例である。
【図9】装置管理サーバ、マルチキャストサーバ、ユニキャストサーバ及び出力装置のシステム全体の動作のフローチャートの一例である。
【図10】装置管理サーバ、マルチキャストサーバ、ユニキャストサーバ及び出力装置のシステム全体の動作のフローチャートの一例である。
【図11】装置管理サーバで生成処理された接続先制御テーブルの一例である。
【図12】コンテンツの選択処理の概要を示す図の一例である。
【図13】ユニキャストサーバの記憶部に記憶されるコンテンツ選択処理Aのコンテンツ関連制御テーブルの一例である。
【図14】ユニキャストサーバの記憶部に記憶されるコンテンツ選択処理Bのコンテンツ関連制御テーブルの一例である。
【図15】出力装置の動作のフローチャートの一例である。
【図16】出力装置の動作のフローチャートの一例である。
【図17】装置管理サーバで生成・更新処理された接続先制御テーブルの一例である。
【図18】装置管理サーバの生成・更新処理された接続先制御テーブルの一例である。
【図19】装置管理サーバの生成・更新処理された接続先制御テーブルの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1はシステムの全体構成の一例を示す図である。出力装置200a、200b、・・・、200nはLAN(Local Area Network)3に接続され、ルータ2を介して広域ネットワーク1に接続される。また、装置管理サーバ300およびマルチキャストサーバ301、ユニキャストサーバ302a、・・・サーバ302mは広域ネットワーク1に接続される。外部機器400a、400b、・・・、400nはそれぞれ出力装置200a、200b、・・・、200nに直接接続される。
【0011】
ここで、出力装置200、ユニキャストサーバ302、外部機器400の台数に制限はなく、1台でも複数台でもよい。
【0012】
出力装置200は、モニタやテレビジョンなどの映像及び音声を出力する装置である。出力装置200はマルチキャストサーバ301または、ユニキャストサーバ302から送信される出力情報を受信して出力し、外部機器400からの入力があった場合に、ユニキャストサーバ302の稼動状況を接続先管理サーバ300に問い合わせ、ユニキャストサーバ302に、外部機器400からの入力情報を送信する。
【0013】
装置管理サーバ300は、出力装置200が接続するサーバの情報をマルチキャストサーバ301および、ユニキャストサーバ302に対してステータス確認処理することで、接続先制御テーブルを生成し、出力装置200からの接続先制御テーブルの取得要求処理や、接続先制御テーブルの更新処理、システムの稼動状態を管理する。
【0014】
本システムでは配信方式として、マルチキャストとユニキャストを利用している。マルチキャストとは、マルチキャストサーバ302から出力装置200a、200b、・・・、200nに一斉配信する通信方式であり、マルチキャストサーバ302から送り出したデータを必要な数だけルータ2でコピーし、複数の宛先である出力装置200a、200b、・・・、200n配信することで、ネットワークに掛かる負荷を軽減させる配信方式である。より具体的には、ネットワーク上のルータが、予め指定されたマルチキャストアドレス宛に送られる情報を視聴希望する出力装置からIPアドレスを含めた視聴希望を受信し、マルチキャストアドレスとその受信したIPアドレスとをマルチキャストグループとして対応付けて記憶部に格納しておき、マルチキャストサーバは、そのマルチキャストアドレスを宛先とするパケットをネットワークに送出する。ルータがそのマルチキャストアドレスに宛てた情報を受信すると、記憶部から対応するIPアドレスを読み出し、読み出したIPアドレスを持つ出力装置に、マルチキャストアドレス宛に受信した情報のコピーを送信する。また、特定の出力装置のみのマルチキャストを停止するには、マルチキャストグループに登録された特定の出力装置のIPアドレスをルータの記憶部から削除、または一時的に無効化し、特定の出力装置に対して、マルチキャストサーバから、マルチキャストアドレス宛に送出した情報がルータでコピー、送信されないようにする。ユニキャストとは、ユニキャストサーバ302a、・・・サーバ302mから出力装置200a、200b、・・・、200nに対して1対1の組となるよう個別に配信する通信方式であり、ユニキャストサーバ302a、・・・サーバ302mから送り出したデータはルータ2で1つだけコピーされ、組となる出力装置200a、200b、・・・、200nの中の一つに配信することで、各々個別のデータを扱う配信方式である。
【0015】
マルチキャストサーバ301は、出力装置200が出力する映像及び音声を作成し、出力情報としてネットワーク1を介して送信する。また、ユニキャストサーバ302は、出力装置200から送信された外部機器400からの入力情報を受信し、受信した入力情報を処理し、出力装置200が出力する映像及び音声を作成し、出力情報としてネットワーク1を介して送信する。
【0016】
外部機器400は、キーボード、マウス、タッチパネル、Felica(登録商標)通信装置などの近距離通信装置、赤外線受信装置、などの入力装置、出力装置、入出力装置であり、本実施例の出力装置200は、説明のためタッチパネル装置を備えているものとしている。なお、広域ネットワーク1には、他のルータを介してPC(Personal Computer)やネットワークプリンタなど、他の機器が接続されており、ルータ2にも出力装置200や外部機器400以外のほかの機器が接続されていてもよい。
【0017】
本システムは、シンクライアントシステムを用いて構築することが可能である。シンクライアントシステムとは、クライアントサーバ型の情報システムにおいて、ユーザが使用するクライアント端末に最低限の機能しか持たせず、サーバ側でアプリケーションソフトやファイルなどの資源を管理するシステムのことである。シンクライアントシステムにおいて、サーバは映像や音声の出力情報を生成し、生成した出力情報をネットワーク経由でクライアント端末に送信する。クライアント端末は、JPEGなどの静止画の連続と音声情報、もしくはMPEGなどの動画形式でサーバから送信された出力情報を映像出力部および音声出力部に出力する。また、クライアント端末は、クライアント端末に接続された例えば、タッチパネル、キーボード、マウス、カメラ、近距離無線通信手段、赤外線受光部、などの外部機器から取得した入力情報をネットワーク経由でサーバに送信する仕組みを持つ。
【0018】
シンクライアントシステムでは、入力情報を受信したサーバはその入力情報に基づいてアプリケーションの実行などの操作を行い、その結果を映像や音声などの出力情報として作成し、出力情報をクライアント端末に送信する。クライアント端末はサーバから受信した出力情報を出力する。以上のようにシステムを構成することで、受信した出力情報を出力し、受け付けた入力をサーバへ送信するという、最低限の機能しか持たないクライアント端末を、あたかも複数のアプリケーションやファイルを記憶し、該アプリケーションやファイルを用いた複雑な操作をクライアント端末単体で行えるかのようにして使用することができる。また、これによって、端末コストの減縮や端末の集中管理、端末の記憶部にデータを保存させないことによるセキュリティの向上などを図ることができる。
【0019】
さらに、本システムはシンクライアントシステムの一種であるビデオシンクライアント(VTC:Video Thin Client)システムを用いて構築することも可能である。VTCシステムとは、クライアント端末としてコンピュータではなく、テレビジョン装置を用いてシンクライアントシステムを実現させる方法のことである。
【0020】
VTCを用いた場合も本実施例の出力システムは、上記のシンクライアントシステムと同様の動作を行う。ただし、サーバが作成する映像や音声などの出力情報をMPEGなどの動画形式にトランスコーダが変換して、テレビジョン装置に送信する。テレビジョン装置は、ネットワーク接続部から取得した動画形式にエンコードされた出力情報を、テレビジョン装置のデコーダでデコードし、映像出力部および音声出力部から出力情報を出力する。テレビジョン装置はシンクライアントシステムで説明したように、外部機器からの入力情報を受け付けてサーバに送信する。サーバは受信した入力情報に基づいてアプリケーションなどの操作を行い、その結果を映像や音声などの出力情報として作成する。サーバは生成した出力情報をテレビジョン装置に送信し、テレビジョン装置は受信した出力情報を出力する。
【0021】
以上の構成を有するテレビジョン装置と、VTCシステムと、を用いることで、パーソナルコンピュータと比較すると処理能力が劣るテレビジョン受信機を、あたかも複数のアプリケーションやファイルを記憶し、該アプリケーションやファイルを用いた複雑な操作をクライアント端末単体で行えるかのようにして使用することができる。また、これによって端末コストの減縮や端末の集中管理、端末の記憶部にデータを保存させないことによるセキュリティの向上などを図ることができる。なお、VTCシステムではクライアント端末をテレビジョン装置として説明したが、サーバから送信される出力情報をデコード可能なデコーダを備えていれば、テレビジョン装置でなくともよい。
【0022】
以下では、VTCシステムを用いて、マルチキャストサーバ301および、ユニキャストサーバ302が送信した動画形式で出力した出力情報を、テレビジョン装置である出力装置200が受信して再生する例を説明する。
【0023】
図2は出力装置200の構成の一例を示す図である。
出力装置200は、放送信号入力端子201、チューナ202、復調部203、デスクランブラ204、暗号化/復号処理部205、ストリーム処理部206、映像デコーダ207、音声デコーダ208、時計部209、映像処理部210、音声処理部211、映像出力部212、音声出力部213、映像音声入出力端子214、ネットワーク接続部215、ネットワーク接続端子216、外部機器制御部217、外部機器接続端子218、制御部219、記憶部220、メモリ221から構成される。ただし、本実施例を実現することができれば、出力装置200は図2に含まれる全ての構成を有する必要は無く、また、図2に含まれない他の構成が含まれることを除外するものでもない。
【0024】
放送信号入力端子201は、アンテナ、ケーブル等が受信した放送信号データの入力を受け付ける。放送信号入力端子201が受け付ける放送信号は地上波デジタル信号、地上波アナログ信号やBS、CSなどのデジタルまたはアナログ放送信号である。放送信号入力端子201がデジタル信号の入力を受け付ける場合、チューナ202は、放送信号入力端子201が受け付けた放送信号データから特定のチャンネルを抽出する。復調部203は、チューナ202が抽出したチャンネルからテレビ番組用の符号化された映像音声データおよび各種データが多重化されたストリームを復調する。
【0025】
デスクランブラ204は、サービス事業者との契約者のみに視聴させる場合やデジタル放送を視聴する場合など、復調部203が生成したストリームにスクランブルがかかっている場合に、図示しない、サービス事業者から発行された情報、またはB−CASカード(登録商標)から取得した情報および放送波に多重されている鍵情報を使うなどして、スクランブルを解除する。
【0026】
スクランブルを解除されたストリームを記憶部220などに記憶させる場合について説明する。ストリームのコピー制限情報が世代コピー可の制限をもつ場合、デスクランブラ204から送信されたストリームをストリーム処理部206は暗号化/復号処理部205に送信する。暗号化/復号処理部205は、受信したストリームを暗号化し、暗号化したストリームを記憶部220に記憶させる。暗号化の際の鍵は、例えば、出力装置200の持つ固有情報、記憶部220の持つ固有情報、そのほか乱数などから生成される。記憶部220に記憶されるストリームは、制御部219によってストリームリストとして管理される。
【0027】
放送信号入力端子201およびネットワーク接続端子215から入力されたストリームを視聴する場合、ストリームはストリーム処理部206に入力される。また、記憶部220から再生されるストリームは、暗号化/復号処理部205によって復号された後にストリーム処理部206に入力される。
【0028】
放送信号入力端子201およびネットワーク接続端子215から受信したストリーム、記憶部220で記憶したストリームがMPEG2のトランスポートストリーム(TS:Transport Stream)である場合は、映像データと音声データを同期して出力できるように、出力装置200が参照する時刻基準情報値であるプログラムクロックリファレンス(PCR)がストリームに多重されている。ストリーム処理部206は、入力されるトランスポートストリームからPAT(Program Association Table)/PMT(Program Map Table)を取得し、パケット識別子(PID)を判別する。ストリーム処理部206は、判別したPIDを持つTSパケットに多重分離(Demultiplex)する。ストリーム処理部206は、圧縮符号化映像データと、圧縮符号化音声データと、PCRと、をPIDに応じてそれぞれ映像デコーダ207、音声デコーダ208、時計部209に出力する。
【0029】
圧縮符号化映像データは、映像デコーダ207で伸張が施された後、映像処理部210にて付属情報が重畳されて映像信号とされ、映像出力部212によって出力される。ここで、映像処理部210は、映像信号に文字情報などを重畳することができる。また、圧縮符号化音声データは音声デコーダ208で慎重が施された後、音声処理部211にて左右の音声のバランス調整などの処理を施されて音声信号とされ、音声出力部213によって出力される。さらに、映像信号および音声信号は映像音声入出力端子214からそれぞれ外部の機器に出力することができ、必要であれば映像処理部210および音声処理部211はそれぞれ映像信号および音声信号をデジタル形式からアナログ形式へ変換して映像音声入出力端子214に出力する。なお、映像音声入出力端子214は、HDMI(登録商標)などの端子のように、映像および音声を同時に出力することができる端子として1つにまとめることもできる。さらに、映像音声入出力端子214は、外部の機器から映像信号および音声信号の入力を受け付けることができ、映像音声入出力端子214から入力された映像信号および音声信号は、それぞれ映像出力部212および音声出力部213から出力される。なお、映像音声入出力端子214は、映像入出力端子と音声入出力端子とに分かれていてもよい。
【0030】
時計部209は、ストリーム処理部206から出力されたPCRをシステムタイムクロック(STC)カウンタの計数値の初期値として設定する。時計部209はカウンタの計数値を増加させ、各映像データに付随している復号時刻情報(DTS)がこの計数値に一致した時刻にデコード(復号)を行うように映像デコーダ207および音声デコーダ208に指示を行う。出力装置200は映像または音声データに付随する再生出力時刻情報(PTS)が一致した時刻に映像または音声データの出力を行う。
【0031】
受信したストリームがMPEG2のPESパケットの場合には、PESに含まれるPTS、DTSの値と時計部209のカウンタ値とに基づき、デコード開始及び出力開始タイミングが制御される。
【0032】
ネットワーク接続端子216は、図1のLAN3に接続される。ネットワーク接続部215は、ネットワーク接続端子216を介して装置管理サーバ300、マルチキャストサーバ301およびユニキャストサーバ302や他の出力装置と各種情報の送受信を行う。また、ネットワーク接続部215は、例えば、データの到達が保証されず信頼性はないがリアルタイム性のある伝送モード(以降、リアルタイム伝送モードと呼ぶこともある)と、データの到達が保証され信頼性はあるがリアルタイム性のない伝送モード(以降、信頼性のある伝送モードと呼ぶこともある)に動作を切り換え可能である。
【0033】
ここで、リアルタイム伝送モードには、例えば、UDP(User Datagram Protocol)、およびRTP(Real−Time Transport Protocol)が用いられる。この方式では、送信したデータが相手に届いたかどうかを確認しないので、伝送パケットが失われて相手に届かない場合があり、映像や音声が途切れることがあるが、反面、データの送信は継続するので遅延が少なく、リアルタイム性が維持できる。
【0034】
例えば、RTPでは、ネットワークを経由して転送されると、パケットの喪失や、配送の遅れが起こる。しかし、映像や音声のデータは、データの一部が欠けていても再生が可能である。データの受信側では、喪失や、配送の遅れたパケットは無視し、受信側が期待する時間に到着したパケットだけを利用してデータの再生を行う。受信側は、受信したパケットについて、受信確認応答(ACKnowledgement)を逐一送ることはしない。
【0035】
また、信頼性のある伝送モードには、例えば、TCP(Transmission Control Protocol)、およびHTTP(HyperText Transfer Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)が用いられる。この方式では、送信したデータが相手に届いたかどうかを確認し、伝送パケットが失われて相手に届かなかった場合は、再度送信処理を行うので、その間、映像や音声が停止してしまうことあるが、データの信頼性は確保される。
【0036】
ネットワーク接続部215は、LAN3に接続されたネットワーク接続端子216を介して、マルチキャストサーバ301およびユニキャストサーバ302からストリームを受信する。外部機器制御部217は、外部機器接続端子218を介して図1の外部機器400に接続されており、USB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外部機器400からの入力情報を受信し、作成した外部機器400を制御するための制御情報を外部機器400に送信する。
【0037】
制御部219は、記憶部220に記憶されたプログラムをメモリ221に展開し、展開したプログラムを実行することで各種プログラムに応じた機能を実現することができる。
【0038】
メモリ221には、接続先判定処理部2001、マルチ/ユニキャスト処理部2002が展開される。
接続先判定処理部2001およびマルチ/ユニキャスト処理部2002は、記憶部220に記憶された接続先判定プログラム2001やマルチ/ユニキャスト処理プログラム2002を制御部219がメモリ221に展開して実行することで、ソフトウェアによって接続先判定処理およびマルチ/ユニキャスト処理の各機能を実現することができる。
【0039】
また、ソフトウェアとして実現された各機能は接続先判定処理部2001やマルチ/ユニキャスト処理部2002などのように各処理を行う処理部として集積回路化するなどしてハードウェアとして実現することもできる。以下では説明を簡略化するために、接続先判定プログラム2001およびマルチ/ユニキャスト処理プログラム2002を制御部219が実行することで実現される各処理を、各処理部が主体となって行うものとして説明する。なお、各処理部をハードウェアで実現した場合には、その各処理部が主体となって各処理を行う。
【0040】
接続先判定処理部2001は、装置管理サーバ300から取得した接続先制御テーブルより、接続先サーバの判定処理を行う(図7のS1011)
マルチ/ユニキャスト処理部2002は、マルチキャストサーバ301とルーターを介したマルチキャスト通信処理と、ユニキャストサーバ302aからユニキャスト配信されたコンテンツの表示処理と、を行う(図7のS1022、S1027)
図3は、装置管理サーバの構成の一例を示す図である。
【0041】
装置管理サーバ300は、制御部351、メモリ352、記憶部353、ネットワーク接続部354、ネットワーク接続端子355、外部機器制御部356、外部機器接続端子357から構成される。
【0042】
制御部351は、記憶部353に記憶されたプログラムをメモリ352に展開し、展開したプログラムを実行することで、装置管理サーバ300の起動、情報処理、情報の送受信など、サーバとしての機能を実現する。
【0043】
メモリ352には、ステータス確認処理部3001、接続先制御テーブル管理部3002が展開される。
ステータス確認処理部3001および接続先制御テーブル管理部3002は、記憶部353に記憶されたステータス確認プログラム3001や接続先制御テーブル管理プログラム3002を制御部351がメモリ352に展開して実行することで、ソフトウェアによって接続先判定処理およびマルチ/ユニキャスト処理の各機能を実現することができる。
【0044】
また、ソフトウェアとして実現された各機能はステータス確認処理部3001や接続先制御テーブル管理部3002などのように各処理を行う処理部として集積回路化するなどしてハードウェアとして実現することもできる。以下では説明を簡略化するために、ステータス確認処理部3001および接続先制御テーブル管理部3002を制御部351が実行することで実現される各処理を、各処理部が主体となって行うものとして説明する。なお、各処理部をハードウェアで実現した場合には、その各処理部が主体となって各処理を行う。
【0045】
ステータス確認処理部3001は、マルチキャストサーバ301のステータス確認処理(図7のS1001)、ユニキャストサーバ302aのステータス確認処理(図7のS1002)、出力装置200aのステータス確認処理(図7のS1003)を行う。
【0046】
接続先制御テーブル管理部3002は、ステータス確認処理(図7のS1001、S1002、S1003)の情報を元に接続先制御テーブルを生成し(図7のS1004)出力装置200aからの要求により、接続先制御テーブルの更新処理(図7のS1013)を行う。
【0047】
記憶部353は、HDDやSSD、DVD、BD、ICカードなどの記憶装置であり、出力装置200に出力する接続先制御テーブルなどの情報、制御部351がメモリ352に展開するプログラム、テーブルなどを記憶することができる。
【0048】
ネットワーク接続端子355は、図1の広域ネットワーク1に接続される。ネットワーク接続部354は、ネットワーク接続端子355を介して他のサーバや出力装置200と各種情報の送受信を行う。外部機器制御部356は、USB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外部機器を接続するための外部機器接続端子357に接続された外部機器からの入力を受付け、外部機器の動作を制御する。
【0049】
図4は、マルチキャストサーバの構成の一例を示す図である。
【0050】
マルチキャストサーバ301および、ユニキャストサーバ302は、制御部361、メモリ362、記憶部363、ネットワーク接続部364、ネットワーク接続端子365、外部機器制御部366、外部機器接続端子367、トランスコーダ368から構成される。
【0051】
制御部361は、記憶部363に記憶されたプログラムをメモリ362に展開し、展開したプログラムを実行することで、マルチキャストサーバ301情報処理、情報の送受信など、サーバとしての機能を実現する。
【0052】
メモリ362には、再生区間情報取得部3011、マルチキャスト処理部3012が展開される。
再生区間情報取得部3011およびマルチキャスト処理部3012は、記憶部363に記憶された再生区間情報取得プログラム3011やマルチキャスト処理プログラム3012を制御部361がメモリ362に展開して実行することで、ソフトウェアによって再生区間情報取得およびマルチキャスト処理の各機能を実現することができる。
【0053】
また、ソフトウェアとして実現された各機能は再生区間情報取得部3011やマルチキャスト処理部3012などのように各処理を行う処理部として集積回路化するなどしてハードウェアとして実現することもできる。以下では説明を簡略化するために、再生区間情報取得プログラム3011およびマルチキャスト処理プログラム3012を制御部361が実行することで実現される各処理を、各処理部が主体となって行うものとして説明する。なお、各処理部をハードウェアで実現した場合には、その各処理部が主体となって各処理を行う。
【0054】
再生区間情報取得部3011は、ユニキャストサーバ302aからの再生区間情報要求の問い合わせに再生区間情報の応答を行う(図7のS1018)。
【0055】
マルチキャスト処理部3012は、ルータ2を介して、出力装置200aに対してマルチキャスト通信処理を行う(図7のS1036)。
【0056】
記憶部363は、HDDやSSD、DVD、BD、ICカードなどの記憶装置であり、出力装置200に出力するコンテンツ、制御部361がメモリ362に展開するプログラム、テーブルなどを記憶することができる。
【0057】
ネットワーク接続端子365は、図1の広域ネットワーク1に接続される。ネットワーク接続部364は、ネットワーク接続端子365を介して他のサーバや出力装置200と各種情報の送受信を行う。
【0058】
外部機器制御部366は、USB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外部機器を接続するための外部機器接続端子367に接続された外部機器からの入力を受付け、外部機器の動作を制御する。トランスコーダ368は、出力装置200に出力する映像や音声などの出力情報を、動画形式にエンコードし、ネットワーク接続部364に送信する。
【0059】
図5は、ユニキャストサーバの構成の一例を示す図である。
【0060】
ユニキャストサーバ302は、制御部371、メモリ372、記憶部373、ネットワーク接続部374、ネットワーク接続端子375、外部機器制御部376、外部機器接続端子377、トランスコーダ378から構成される。
【0061】
制御部371は、記憶部373に記憶されたプログラムをメモリ372に展開し、展開したプログラムを実行することで、ユニキャストサーバ302の起動、情報処理、情報の送受信など、サーバとしての機能を実現する。
【0062】
メモリ372には、座標情報保持部3021、ユニキャスト処理部3022、コンテンツ選択処理部3023が展開される。
座標情報保持部3021およびユニキャスト処理部3022およびコンテンツ選択処理部3023は、記憶部373に記憶された座標情報保持プログラム3021やユニキャスト処理プログラム3022やコンテンツ選択処理プログラム3023を制御部371がメモリ372に展開して実行することで、ソフトウェアによって座標情報保持およびユニキャスト処理およびコンテンツ選択処理の各機能を実現することができる。
【0063】
また、ソフトウェアとして実現された各機能は座標情報保持部3021やユニキャスト処理部3022やコンテンツ選択処理部3023などのように各処理を行う処理部として集積回路化するなどしてハードウェアとして実現することもできる。以下では説明を簡略化するために、座標情報保持プログラム3021およびユニキャスト処理プログラム3022およびコンテンツ選択処理プログラム3023を制御部371が実行することで実現される各処理を、各処理部が主体となって行うものとして説明する。なお、各処理部をハードウェアで実現した場合には、その各処理部が主体となって各処理を行う。
【0064】
座標情報保持部3021は、出力機器200aからの接続要求/座標情報より座標情報を取得し保持を行う(図7のS1016)。
【0065】
ユニキャスト処理部3022は、出力装置200aに対して、ユニキャストによりコンテンツの配信を行う(図7のS1022)。
【0066】
コンテンツ選択処理部3023は、座標情報と再生区間情報により再生コンテンツを選択し、出力装置200aにユニキャストによりコンテンツの配信を行い(図7のS1020)、出力機器200aからの座標情報より配信コンテンツの選択処理を行う(図7のS1025)。
【0067】
記憶部373は、HDDやSSD、DVD、BD、ICカードなどの記憶装置であり、出力装置200に出力するコンテンツ、制御部371がメモリ372に展開するプログラム、テーブルなどを記憶することができる。
【0068】
ネットワーク接続端子375は、図1の広域ネットワーク1に接続される。ネットワーク接続部374は、ネットワーク接続端子375を介して他のサーバや出力装置200と各種情報の送受信を行う。 外部機器制御部376は、USB(Universal Serial Bus)デバイスなどの外部機器を接続するための外部機器接続端子377に接続された外部機器からの入力を受付け、外部機器の動作を制御する。トランスコーダ378は、出力装置200に出力する映像や音声などの出力情報を、動画形式にエンコードし、ネットワーク接続部374に送信する。
【0069】
図6は、出力装置200の表示画面の一例を示す図である。
【0070】
ここでは、出力装置200の映像出力部212の表示画面の上に、外部機器400のタッチパネルが配置されているものとする。この例では、マルチキャストサーバ301および、ユニキャストサーバ302からの映像出力の再生チャプタ部分が表示されており、ユーザが外部機器400のタッチパネルの左下を原点、横をX方向、縦をY方向とし、基準座標(Xp,Yp)、範囲(Wp,Hp)の位置部分をパネルタッチした例を示している。また、右下は、“最初に戻る”のボタン表示をしている場合の例である。
【0071】
図7は、出力装置200のユーザ操作に対応した処理を実現するためのシステム全体の動作のフローチャートの一例である(S1000)。
【0072】
装置管理サーバ300、マルチキャストサーバ301、ユニキャストサーバ302a、出力装置200aの間の通信手順(S1000)の処理について説明する。
【0073】
装置管理サーバ300のステータス確認処理部3001は、マルチキャストサーバ301の制御部361(S1001)、ユニキャストサーバ302aの制御部371(S1002)、出力装置200aの制御部219(S1003)との間でステータス確認処理を順に実行し、装置管理サーバ300のステータス確認処理部3001はステータス確認処理の結果を装置管理サーバ300の接続先制御テーブル管理部3002に対して更新する。更新された情報を元に装置管理サーバ300の接続先制御テーブル管理部3002は、接続先制御テーブル生成処理(S1004)を実行する。生成した接続先制御テーブル情報を元に装置管理サーバ300のシステム制御部は、マルチキャストサーバ301のネットワーク接続部354に対してマルチキャスト動作開始指定(S1005)を通知し、出力装置200aのネットワーク接続部215に対してマルチキャストモード動作指定(S1006)を通知する。これにより、マルチキャストサーバ301と出力装置200a間でルータを介して、マルチキャスト処理(S1007)が実行され、マルチキャストサーバ301から送信された配信映像/音声が、出力装置200aから出力される。
【0074】
図6のようにユーザからの表示画面上へのパネルタッチがあると、出力装置200aの外部機器制御部217は、外部機器からパネルタッチされた座標情報を取得する(S1008)。出力装置200aのマルチキャスト処理部3012は、装置管理サーバ300のネットワーク接続部354に接続先制御テーブル取得要求(S1009)を行い、接続先制御テーブル取得(S1010)を行う。出力装置200aの接続先判定処理部2001は、取得した接続先制御テーブルを参照し、接続先判定処理(S1011)を行い、図11の接続先制御テーブルから、“稼動中/接続可”のユニキャストサーバ稼動状態で最もユニキャストサーバ接続優先順位の高いものを、接続するユニキャストサーバ302として決定する。接続先判定処理部2001は、決定したユニキャストサーバ302を示すアドレス等の情報と共に装置管理サーバ300に接続先制御テーブル更新要求(S1012)を行う。装置管理サーバ300の接続先制御テーブル管理部3002は、図11の接続先制御テーブルから、決定したユニキャストサーバ302を示すアドレス等の情報が示すユニキャストサーバ302のユニキャストサーバ稼動状態を“稼動中/接続可”から“接続中”に変更する接続先制御テーブル更新処理(S1013)を実行する。装置管理サーバ300の接続先制御テーブル管理部3002から更新OK(S1014)の応答を得て、出力装置200aのマルチキャスト処理部3012は該当するユニキャストサーバ302aに座標情報を含んだ接続要求を送信する(S1015)。
【0075】
なお、本実施例では、出力装置200aが、接続先制御テーブルを装置管理サーバ300から取得するとして説明したが、必ずしも本例に限るものではない。例えば、装置管理サーバ300が、出力装置200aの要求に応じてユニキャストサーバ302aを選択し、そのアドレスを要求元の出力装置200aに送信し、出力装置200aが、受信したアドレスのユニキャストサーバ302aにS1015において接続要求/座標情報を送信しても良い。この場合、接続先制御テーブル送受信によるネットワーク負荷を軽減でき、また、出力装置200aの処理を簡素化できる。
【0076】
ユニキャストサーバ302aの座標情報保持部302は、受信した座標情報を保持し(S1016)、更に、ユニキャストサーバ302aのユニキャスト処理部3022はマルチキャストサーバ301に現在のコンテンツの再生区間情報要求を行う(S1017)。マルチキャストサーバ301の再生区間情報取得処理部は、再生区間情報取得処理(S1018)を行い、ユニキャストサーバ302aに対して再生区間情報を応答する(S1019)。ユニキャストサーバ302aのユニキャスト処理部3022は、ユニキャストサーバ302aの座標情報保持部が保持している座標情報と、ネットワーク接続部354が受け取った再生区間情報と、から対応するコンテンツ選択処理A(S1020)を行い、ルータに対してマルチキャストの受信停止要求を行うと共に、出力装置200aに対して、ユニキャストコンテンツを配信する(S1021)。マルチキャストの受信停止要求は、出力装置200aがルータ2に要求してもよい。本実施例のように、マルチキャストサーバ301が再生区間情報取得処理をするので、例えば装置管理サーバ300に再生区間情報を集約してユニキャストサーバ302が装置管理サーバ300に再生区間情報を要求する場合に比べ、装置管理サーバ300への負荷の集中を緩和できるという効果がある。
【0077】
一方、再生区間情報取得処理における他の例として、装置管理サーバ300がマルチキャストサーバ301に再生区間情報を要求し取得し、ユニキャストサーバ302が装置管理サーバ300に再生区間情報を要求し取得するという構成も考えられる。この場合、本実施例のシステム実現に必要な情報が装置管理サーバ300に集約されるので、システムのメンテナンス、サーバの置き換え作業が、比較的容易になるという効果がある。
【0078】
図8は、出力装置200aのユーザ操作に対応した処理を実現するためのシステム全体の動作のフローチャートの一例であり、図7の続きを示している。ユニキャストサーバ302a、出力装置200aの間の処理について説明する。
【0079】
ユニキャストサーバ302aのユニキャスト処理部3022と出力装置200aマルチ/ユニキャスト処理部2002との間でユニキャスト処理(S1022)により、コンテンツの配信が行われているとする。出力装置200aにおいて、図6のようにユーザが表示画面上にパネルタッチすると、出力装置200aの外部機器制御部217は、外部機器からパネルタッチされた座標情報を取得(S1023)し、ネットワーク接続部215を介してユニキャストサーバ302aに座標情報の送信(S1024)を行う。ユニキャストサーバ302aのコンテンツ選択処理部3023は、受信した座標情報を用いてコンテンツ選択処理B(S1025)を行い、該当するユニキャストコンテンツ配信(S1026)を行う。これにより、ユニキャストサーバ302aと出力装置200aの間でユニキャスト処理(S1027)を行い、出力装置200aでは、コンテンツの表示処理を行う。
【0080】
図9は、出力装置200aのユーザ操作に対応した処理を実現するためのシステム全体の動作のフローチャートの一例であり、図7の続きを示している。装置管理サーバ300、マルチキャストサーバ301、ユニキャストサーバ302a、出力装置200aの間の処理について説明する。
【0081】
ユニキャストサーバ302aのユニキャスト処理部3022と出力装置200aのマルチ/ユニキャスト処理部2002との間でユニキャスト処理(S1022)により、コンテンツの配信が行われているとする。出力装置200aにおいて、図6のようにユーザが表示画面上の“最初に戻る”にパネルタッチすると、出力装置200aの外部機器制御部217は、外部機器からパネルタッチされた座標情報を取得(S1023)し、ネットワーク接続端子216を介してユニキャストサーバ302aに再生終了の座標情報の送信(S1028)を行う。ユニキャストサーバ302aのコンテンツ選択処理部3023は、受信した再生終了のメッセージにおける座標情報を用いてコンテンツ選択処理B(S1025)を行い、ユニキャストコンテンツ再生終了通知(S1029)を出力装置200aのマルチ/ユニキャスト処理部2002に通知する。出力装置200aの接続先判定処理部2001は、装置管理サーバ300に対して、接続先制御テーブル取得要求(S1030)を通知し、接続先制御テーブルを取得する(S1031)。出力装置200aの接続先判定処理部2001は、接続先判定処理(S1032)を行い、接続されていたユニキャストサーバ302を示すアドレス等の情報と共に接続先制御テーブル更新要求(S1033)を装置管理サーバ300に送信する。接続先制御テーブル更新要求を受信した装置管理サーバ300の接続先制御テーブル管理部3002は、図11の接続先制御テーブルにおいて、出力装置200aに接続されていたユニキャストサーバ302のユニキャストサーバ稼動状態を“接続中”から“稼動中/接続可”に変更する接続先制御テーブル更新処理(S1034)の実行後、更新OK(S1035)の応答を出力装置200aの接続先判定処理部2001に送信し、出力装置200aのマルチ/ユニキャスト処理部2002とマルチキャストサーバ301のマルチキャスト処理部3012は、マルチキャスト処理(S1036)を実行する。
【0082】
図10は、出力装置200aのユーザ操作に対応した処理を実現するためのシステム全体の動作のフローチャートの一例であり、図7の続きを示している。
【0083】
装置管理サーバ300の接続先制御テーブル更新処理は、出力装置200aからの要求により、接続先制御テーブルの更新処理を行う(S1034)。
【0084】
装置管理サーバ300、マルチキャストサーバ301、ユニキャストサーバ302a、出力装置200aの間の処理について説明する。
【0085】
ユニキャストサーバ302aのユニキャスト処理部3022と出力装置200aマルチ/ユニキャスト処理部2002との間でユニキャスト処理(S1022)により、コンテンツの配信が行われているとする。出力装置200aにおいて、図6のようにユーザが表示画面上にパネルタッチする操作が予め設定された期間の間、行われない(S1037)と、ユニキャストサーバ302aに再生終了のメッセージを座標情報とともに装置管理サーバ300に送信する(S1028)。
【0086】
ユニキャストサーバ302aのコンテンツ選択処理部3023は、受信した再生終了メッセージにおける座標情報を用いてコンテンツ選択処理B(S1025)を行い、ユニキャストコンテンツ再生終了通知(S1029)をマルチ/ユニキャスト処理部2002に通知する。出力装置200aの接続先判定処理部2001は、装置管理サーバ300に対して、接続先制御テーブル取得要求(S1030)を通知し、接続先制御テーブル取得(S1031)を行う。接続先判定処理部2001は、接続先判定処理(S1032)により、ユニキャストサーバ302aに対応する接続先制御テーブル更新要求(S1033)を送信する。接続先制御テーブル更新要求を受信した装置管理サーバ300の接続先制御テーブル管理部は、接続先制御テーブル更新処理(S1034)の実行後、更新OK(S1035)の応答を接続先判定処理部2001に送信し、マルチ/ユニキャスト処理部2002は、マルチキャスト処理(S1036)を実行する。
【0087】
また、図7の座標情報取得(S1008)、図8の座標情報取得(S1023)、図9の座標情報取得(S1023)、図10のタイマー閾値判定(S1037)の各処理の際に取得する出力端末200aの座標情報に加え、出力端末200aの持つ年月日を含む時刻情報を合わせて取得し、座標情報を該当するユニキャストサーバ302aに送信する構成としても良い。これにより、該当するユニキャストサーバ302aでのコンテンツ選択処理において、出力端末200aの座標情報に、年月日を含む時刻情報を合わせて利用することで、特定の日時や季節や時間帯に応じたコンテンツの選択可能となる。更に、出力端末200aの持つ年月日を含む時刻情報に代えて、出力端末200aの座標情報を取得する際に該当するユニキャストサーバ302aの年月日を含む時刻情報を取得し、コンテンツを選択する構成としても良い。ただし、出力端末200aの持つ年月日を含む時刻情報を取得する方が、出力端末200aとユニキャストサーバ302aとの設置場所による標準時間の時差の影響を受けない利点がある。
【0088】
図11は、装置管理サーバで生成処理された接続先制御テーブルの一例である。
図11のマルチキャストサーバアドレスおよび、ユニキャストサーバアドレスの要素は予め設定しても良いし、図7のステータス確認処理(S1001、S1002)にて取得しても良い。図11のユニキャストサーバ稼動状態の要素は、図7のステータス確認処理(S1002)にて、ユニキャストサーバ302から取得、設定された情報であり、“1”は“稼動中/接続可”を、“2”は“接続中”を意味するものとする。ユニキャストサーバ接続優先順位の要素は、出力装置200が接続するユニキャストサーバ302の接続先の優先順位を示している。
【0089】
図11を図7中の動作と合わせて説明する。
図7中の接続先制御テーブル生成処理(S1004)で生成される接続先制御テーブルは、全てのユニキャストサーバ稼動状態の要素が“稼動中/接続可”の“1”の状態である。出力装置200aのマルチキャスト処理部3012は、この接続先制御テーブルを接続先制御テーブル取得要求処理(S1009)の応答情報として、接続先制御テーブル取得(S1010)にて、取得する。出力装置200aの接続先判定処理部2001は、接続先判定処理(S1011)において接続先制御テーブルを参照し、ユニキャストサーバ稼動状態が“稼動中/接続可”の装置の内、最も接続優先順位の高いユニキャストサーバを選択する。接続先判定処理部2001は、選択したユニキャストサーバアドレス101に接続する前に、接続先制御テーブル更新要求(S1012)を実行し、装置管理サーバ300では、接続先制御テーブル更新処理(S1013)により、図10のように、ユニキャストサーバアドレス101のユニキャストサーバ稼動状態を“接続中”である“2”に更新し、更新OK(S1014)を出力装置200aに応答する。この後、出力装置200aはユニキャストサーバアドレス101、つまり、図7中のユニキャストサーバ302aに接続処理を実行するよう動作する。
【0090】
図12は、コンテンツの選択処理の概要を示す図の一例である。図12では、マルチキャストサーバのコンテンツを「再生ストリーム」、ユニキャストサーバのコンテンツを「コンテンツA〜コンテンツF」、更に、コンテンツCに関連付いた「コンテンツC1〜C6」として、これらの関係を模式的に示したものである。
【0091】
図12のコンテンツ選択処理の過程を図7〜図9の動作と合わせて説明する。
図12中のマルチキャストサーバの再生ストリームは、図7のマルチキャスト処理(S1007)においてマルチキャストサーバ301から出力装置200aに送信されるコンテンツであり、現在再生区間Kが出力装置200aに表示されているとする。また、図7の出力装置200aが備えるタッチパネルへのパネルタッチが、図12のパネルタッチに対応しており、図7の座標情報取得(S1008)により得られる情報が、図12の座標(X3,Y3)情報である。
【0092】
コンテンツ選択処理部3023は、コンテンツ選択処理A(S1020)の判定情報として、「座標情報」及び「再生区間情報」を利用する。図12では、コンテンツ選択処理Aにおいて、コンテンツCが選択され、ユニキャストサーバ302aからコンテンツCが配信されることを表している。
【0093】
ユニキャストサーバ302aからコンテンツCの配信は、図8のユニキャスト処理(S1022)に対応している。さらに図12では、出力装置200aに再生区間CKが表示されていることを表している。
【0094】
図8の出力装置200aが備えるタッチパネルへのパネルタッチが、図12のパネルタッチに対応しており、図8の座標情報取得(S1023)により得られる情報が、図12の座標(XCi,YCj)に対応している。また、コンテンツ選択処理部3023は、コンテンツ選択処理B(S1025)の判定情報として、「座標情報」及び「再生区間情報」を利用する。
【0095】
コンテンツ選択処理B(S1025)において、コンテンツ選択処理部3023は、「座標情報」及び「再生区間情報」に応じてコンテンツC1〜C6の選択または、再生終了の何れかを選択する。
【0096】
コンテンツ選択処理部3023は、再生終了が選択された場合に、図9のユニキャストコンテンツ配信終了通知(S1029)を行うことで、出力装置200aをマルチキャスト処理(S1036)へと移行させ、ルータを介して、マルチキャストサーバ301に接続されるよう動作する。
【0097】
また、図12のコンテンツ選択処理において、コンテンツ選択処理Aでは座標情報と再生区間情報、コンテンツ選択処理Bでは座標情報を用いて処理した例を示しているが、この座標情報の取得の際の出力端末またはユニキャストサーバで、年月日を含む時刻情報を取得し、座標情報と年月日を含む時刻情報を用いて、コンテンツ選択処理を実行する構成としても良い。これにより、特定の日時や季節や時間帯に応じたコンテンツの選択可能となる。
【0098】
図13は、ユニキャストサーバ302の記憶部373に記憶される、コンテンツ選択処理部3023がコンテンツ選択処理Aに用いるコンテンツ関連制御テーブルの一例である。
【0099】
図13のコンテンツ関連制御テーブルは、予めユニキャストサーバ302の記憶部373に記憶されているものであり、マルチキャストサーバ301の再生ストリームの「再生区間情報J〜L・・・」「基準座標」「座標範囲」により、コンテンツ選択処理部3023が出力装置200で再生させるコンテンツとして「コンテンツA〜F・・・」を選択するよう対応付けられたものである。
【0100】
これにより、出力装置200の外部機器400のタッチパネルにタッチした際、再生ストリームの再生区間情報、タッチした座標情報から、コンテンツ選択処理部3023がコンテンツ選択処理AでコンテンツA〜F・・・の中からコンテンツの選択できるようになる。例えば、図12のようにコンテンツの再生区間Kの再生中に座標(X3,Y3)との指示をユーザから受けると、コンテンツ選択処理部3023は、コンテンツCを選択する。
【0101】
図14は、ユニキャストサーバ302の記憶部373に記憶される、コンテンツ選択処理部3023がコンテンツ選択処理Bに用いるのコンテンツ関連制御テーブルの一例である。
【0102】
図14のコンテンツ関連制御テーブルは、予めユニキャストサーバ323の記憶部373に記憶されているものであり、ユニキャストサーバ302の再生コンテンツの「再生区間情報CJ〜CL・・・」「基準座標」「座標範囲」により、コンテンツ選択処理部3023が出力装置200で再生させるコンテンツとして「コンテンツC1〜C6または、再生終了」を選択するよう対応付けられたものである。
【0103】
これにより、出力装置200の外部機器400のタッチパネルにタッチした際、再生コンテンツの再生区間情報、タッチした座標情報から、コンテンツ選択処理部3023がコンテンツ選択処理BでコンテンツC1〜C6・・・の中からのコンテンツまたは再生終了の選択ができるようになる。
【0104】
また、図13、図14のコンテンツ関連制御テーブルにおいては、再生区間の情報と、基準座標と座標範囲の座標情報により、選択する再生コンテンツを選択する例を示しているが、この再生区間の情報と座標情報に加え、年月日を含む時刻情報を含むコンテンツ関連制御テーブルの構成としても良い。コンテンツ関連制御テーブルに年月日を含む時刻情報を含むことにより、特定の日時や季節や時間帯に応じた再生コンテンツの選択可能となる。
【0105】
図15は、出力装置200の動作のフローチャートの一例であり、「S」は「ステップ」を意味する。
【0106】
図15は、図7の出力装置200aにおける動作フローであり、起動されると処理を開始(S700)する。マルチ/ユニキャスト処理部2002は、装置管理サーバ300との間でステータス確認処理(S701)を実行し、装置管理サーバ300の命令により、マルチキャストモード動作開始(S702)し、マルチキャストサーバ301から送信されたコンテンツを表示する動作を行う。
【0107】
外部機器制御部356は、パネルタッチ検出(S703)の判定処理を行い、パネルタッチが検出されるまでループ処理を行う。パネルタッチが検出されると外部機器制御部217は、座標情報取得(S704)によりパネルタッチされた座標情報を取得し、外部機器制御部217から座標情報を取得したマルチ/ユニキャスト処理部2002は、装置管理サーバ300に対して接続先制御テーブル取得要求(S705)、接続先制御テーブル取得(S706)を実行する。
【0108】
出力装置200の接続先判定処理部2001は、装置管理サーバ300からステップS706により取得した接続先制御テーブルを参照し、接続可能なユニキャストサーバ302を検索/決定する接続先判定処理(S707)を実行し、接続を決定したユニキャストサーバ302の情報を送信して、装置管理サーバ300に接続先制御テーブル更新要求(S708)をする。装置管理サーバ300による更新処理が完了するとマルチ/ユニキャスト処理部2002は、決定したユニキャストサーバ302に対して座標情報を有する接続要求を送信し(S709)、ユニキャストサーバ302のコンテンツ選択処理部3023でコンテンツ選択処理されたコンテンツを表示するためのユニキャストモード動作開始(S710)を実行する。((A)に続く)
図16は、出力装置200の動作のフローチャートの一例であり、「S」は「ステップ」を意味する。
【0109】
図16は、図8〜図10の出力装置200における動作フローであり、図15のユニキャストモード動作開始の状態((A)からの継続)である。
【0110】
図16における図8に対応する動作フローでは、マルチ/ユニキャスト処理部2002は、時計部209から時刻を取得するタイマー起動(S711)を実行する。マルチ/ユニキャスト処理部2002は、断続的にタイマー起動(S711)からの経過時刻を取得し、パネルタッチ検出(S712)の判定処理をパネルタッチが検出されるまでループ処理を行う。パネルタッチが検出されるとマルチ/ユニキャスト処理部2002は、タイマー終了(S713)を実行し、タイマーを解除した後、座標情報取得(S714)により、外部機器制御部217からパネルタッチされた座標情報を取得する(図8のS1023)。マルチ/ユニキャスト処理部2002は、ユニキャストサーバ302に対して座標情報の送信(S715)(図8のS1024)を実行し、ユニキャストサーバ302のコンテンツ選択処理部3023からコンテンツ選択処理B(図8のS1025)の結果を受け取り(図8のS1026)、終了判定(S716)を行う。
【0111】
なお、上の説明では、経過時間の計測の起点(タイマー起動のタイミング)を、ユニキャストモードコンテンツ切替のとき、またはパネルタッチの検出のときとしたが、何らかの方法によりユーザによるユニキャストコンテンツの視聴の終了を判定できればよく、例えば、上記のようにパネルタッチを最後に検出してからの経過時間を測定するほか、ユニキャストコンテンツの再生区間が終了してからの経過時間を測定しても良い。 図8に対応する動作フローでは、コンテンツ選択処理B(図8のS1025)の結果が、処理終了でない場合であり、マルチ/ユニキャスト処理部2002は終了判定(S716)で「No」を選択する。その後マルチ/ユニキャスト処理部2002は、ユニキャストモードコンテンツ切替(S717)により、座標情報に対応したユニキャストサーバからのコンテンツへの切替を実行し(図8のS1027)、ステップS711に戻る。
【0112】
図16における図9に対応する動作フローでは、ユニキャストサーバ302のコンテンツ選択処理部3023によるコンテンツ選択処理Bの結果が、処理終了であるので、マルチ/ユニキャスト処理部2002は、終了判定(S716)において「Yes」を選択し、ユニキャストモード動作終了(S721)を実行する。その後、接続先判定処理部2001は装置管理サーバ300に対して接続先制御テーブル取得要求(S722)(図9のS1030)、接続先制御テーブル取得(S723)(図9のS1031)を実行する。
【0113】
出力装置200の接続先判定処理部2001は、取得した接続先制御テーブルを参照し、接続可能なマルチキャストサーバ301を検索/決定する接続先判定処理(S724)(図9のS1032)を実行し、装置管理サーバ300に接続先制御テーブル更新要求(S725)(図9のS1033)する。更新が完了すると、決定したマルチキャストサーバ301からのコンテンツを表示するためのマルチキャストモード動作開始(S702)(図9のS1036)を実行する。
【0114】
図16における図10に対応する動作フローでは、パネルタッチが検出されない状態で、タイマー起動(S711)からの経過時刻が閾値を越えると(図9のS1037)、マルチ/ユニキャスト処理部2002はタイマー終了(S720)を実行し、タイマーを解除した後、ユニキャストモード動作終了(S721)のため、座標情報を伴う再生終了メッセージをユニキャストサーバ302aに送信する。
【0115】
また、図15、図16の出力装置200の動作のフローチャートでは、座標情報取得(図15のS704、図16のS714)で取得した座標情報を用い、接続要求/座標情報(図15のS709)、座標情報(図16のS715)の処理をそれぞれ実行する例を示しているが、この座標情報の際、年月日を含む時刻情報を含む処理を追加した構成としても良い。この出力装置200の動作のフローチャートに年月日を含む時刻情報を含むことにより、ユニキャストサーバ302のコンテンツ選択処理の際、特定の日時や季節や時間帯に応じたコンテンツ選択処理が可能となる。
【0116】
上記の実施例により、サイネージに求められる広告性に重要である同報性能(映像の同期表示)と、個別サイネージに求められる利用者別のコンテンツ表示が可能なサーバ・クラアント型サイネージを実現することが可能となる。
【0117】
また、ユニキャストサーバの実稼動率の最大値が100%にならないサービス形態においては、その不稼働率分だけユニキャストサーバの台数を減ずることが可能であり、サイネージ広告効果を低下することなく、全体システムコスト低減や、消費電力を低減する効果がある。
【0118】
更に、上記の実施例では、ユーザ別のコンテンツを表示した状態で、ユーザが終了処理をせずに出力装置から離れた場合においても、予め設定した所定の時間が経過すると、同報表示されているサイネージの表示に切り替わるためサイネージの効果を失うことはない。
【0119】
加えて、出力装置200または、ユニキャストサーバ302で年月日を含む時刻情報を取得し、再生コンテンツの選択処理に利用することで、ユーザが出力装置200で同一のコンテンツの再生区間と同一の座標をタッチした場合でも、特定の日時や季節や時間帯に応じて異なったコンテンツを表示されることが可能となるため、特定の日時や季節や時間帯に応じたコンテンツ表示を行うことで、サイネージ効果を高めることができるようになる。
【実施例2】
【0120】
本実施例での出力システムの動作は原則として実施例1と同様であるが、一部ユニキャストサーバを休止させ、装置管理サーバ300の接続先制御テーブルにおいて“休止中”を表すフラグを追加的に利用し、ユニキャストサーバの休止状態を管理することでユニキャストサーバ群全体として消費電力低減を図る点が実施例1と異なる。以下では実施例1との相違点を説明する。
【0121】
図17は、装置管理サーバで生成・更新処理された接続先制御テーブルの一例である。
【0122】
図17は、実施例1における図11を拡張した接続先制御テーブルである。
【0123】
図17のユニキャストサーバ稼動状態の要素は、図7のステータス確認処理(S1002)にて、ユニキャストサーバ302から取得、設定された情報であり、“1”は“稼動中/接続可”、を“2”は“接続中”を、“0”は“休止中”を意味するものとする。
【0124】
装置管理サーバ200の接続先制御テーブル管理部3002は、接続先制御テーブルを更新する場合に、“稼動中/接続可”のユニキャストサーバ302の数が予め定められた所定の範囲内に収まるように、“稼動中/接続可”、“休止中”となるユニキャストサーバ302を選択する。接続先制御テーブル管理部3002は、選択したユニキャストサーバ302に“稼動中/接続可”、“休止中”の稼動状態の変化があるユニキャストサーバ302に対して稼動状態変更命令を送信し、稼動状態変更命令を受信したユニキャストサーバ302の制御部371は、稼動状態変更命令に応じて稼動状態を変更する。
【0125】
接続先制御テーブル管理部3002は、“休止中”となるユニキャストサーバ302を、例えば接続先制御テーブルのユニキャストサーバ接続優先順位の低いユニキャストサーバ302から順に選ぶなど、適宜選択することができる。
【0126】
これにより、ユニキャストサーバ稼動状態を“稼動中/接続可”、“接続中”、“休止中”として管理可能となるため、ユニキャストサーバ302の実稼動が見込めるシステムにおいては、実稼動実績から必要となる最小限のユニキャストサーバ302のみを“稼動中/接続可”の状態とし、その他のユニキャストサーバ302は、“休止中”となるよう装置管理サーバ200で制御することで、全体システムの消費電力を低減する効果がある。
【0127】
また、この場合、“接続中”のユニキャストサーバの増減や、利用者からの出力装置200のパネルタッチが統計的に多いと予想される時間帯により、“稼動中/接続可”となるユニキャストサーバ302を増減するよう処理してもよく、これによって“休止中”のユニキャストサーバ302の数を増やすことができ、さらに本実施例の効果を高めることができる。。
【実施例3】
【0128】
本実施例での出力システムの動作は原則として実施例1と同様であるが、装置管理サーバ300の接続先制御テーブルにおいて“障害中”を示すフラグを追加的に利用し、ユニキャストサーバの障害発生状況を管理することで、障害発生サーバへの接続優先順位を下げる点が異なる。以下では実施例1との相違点を説明する。
【0129】
図18は、装置管理サーバで生成・更新処理された接続先制御テーブルの一例である。
【0130】
図18は、実施例1における図11を拡張した接続先制御テーブルである。
【0131】
図18のユニキャストサーバ稼動状態の要素は、図7のステータス確認処理(S1002)にて、ユニキャストサーバ302から取得、設定された情報であり、“1”は“稼動中/接続可”を、“2”は“接続中”を、“0”は“休止中”を、“−1”は“障害発生”を意味するものとする。
【0132】
装置管理サーバ200の接続先制御テーブル管理部3002は、接続先制御テーブルを更新する場合及び障害が発生したユニキャストサーバ302の制御部371から障害発生の通知を受けた場合およびシステムの管理者等から特定のユニキャストサーバ302に障害が発生したことを通知された場合に、接続先制御テーブルのユニキャストサーバ稼動状態を“障害発生”に変更する。
【0133】
出力装置200の接続先判定処理部2001は、接続先判定処理(図7のS1032、図16のS724)において、接続先制御テーブルのユニキャストサーバ稼動状態が“障害発生”のユニキャストサーバ302以外に接続する。
【0134】
これにより、ユニキャストサーバ稼動状態を“稼動中/接続可”、“接続中”、“休止中”“障害発生”として管理可能となるため、ユニキャストサーバの実稼動が見込めるシステムにおいては、実稼動実績から必要となる最小限のユニキャストサーバのみを“稼動中/接続可”の状態とし、その他のユニキャストサーバは、“休止中”となるよう装置管理サーバで制御することで、全体システムの消費電力を低減すると共に、“障害発生”したユニキャストサーバには、接続の優先順位を下げ、なるべく接続しないようにし、全体システムの安定性を向上させる効果がある。
【実施例4】
【0135】
図19は、装置管理サーバで生成・更新処理された接続先制御テーブルの一例である。
【0136】
図19は、実施例1における図11を拡張した接続先制御テーブルである。ユニキャストサーバ稼動累計時間は、出力装置とユニキャスト接続した時間の累計を示している。
【0137】
出力装置300のマルチ/ユニキャスト処理部2002は、時計部209から取得した図16のタイマー起動(S711)を実行した時刻と、時計部209から取得したユニキャストモード動作終了(S721)を実行した時刻とからユニキャストサーバ302に接続した時間を求め、接続先制御テーブル更新要求(S725)を実行する際に接続管理サーバ300に送信する。接続管理サーバ300の接続先制御テーブル管理部3002は、出力装置300から送信された接続時間を、出力装置300が接続していたユニキャストサーバ302のユニキャストサーバ稼動累計時間に加算する。
【0138】
これにより、ユニキャストサーバ稼動状態を“稼動中/接続可”、“接続中”、“休止中”“障害発生”、“各ユニキャストサーバの稼動累計時間”が管理可能となり、実施例1〜3に加え、ユニキャストサーバの稼動累計時間が長いほど、ユニキャストサーバ接続優先順位を下げるという接続先制御テーブル上の管理を行うことで、特定のユニキャストサーバの稼動時間が長くなり、その結果、障害発生率が高くなってしまう問題を解決でき、ユニキャストサーバの稼動による機械部品の消耗を平均化することで、全体システムの安定性を向上させると共に、保守費用を低減させる効果がある。
【0139】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0140】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、制御部219がそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に置くことができる。
【0141】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0142】
1 広域ネットワーク
2 ルータ
3 LAN
200 出力装置
201 放送信号入力端子
202 チューナ
203 復調部
204 デスクランブラ
205 暗号化/復号処理部
206 ストリーム処理部
207 映像デコーダ
208 音声デコーダ
209 時計
210 映像処理部
211 音声処理部
212 映像出力部
213 音声出力部
214 映像音声入出力端子
215 ネットワーク接続部
216 ネットワーク接続端子
217 外部機器制御部
218 外部機器接続端子
219 制御部
220 記憶部
221 メモリ
300 装置管理サーバ
301 マルチキャストサーバ
302 ユニキャストサーバ
351 制御部
352 メモリ
353 記憶部
354 ネットワーク接続部
355 ネットワーク接続端子
356 外部機器制御部
357 外部機器接続端子
358 トランスコーダ
400 外部機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置を有する複数の出力装置と、マルチキャストアドレス宛てのマルチキャストコンテンツを送信するマルチキャストサーバと、前記出力装置宛てのユニキャストコンテンツを送信するユニキャストサーバと、前記ユニキャストサーバのアドレスを管理する装置管理サーバとを備えるコンテンツ出力システムであって、
前記マルチキャストサーバは、
前記複数の出力装置に対してマルチキャストコンテンツを送信する第1のコンテンツ送信部を有し、
前記装置管理サーバは、
前記複数の出力装置のうち特定の出力装置の前記入力装置が入力を受け付けた場合に、前記出力装置が有する情報送信部から送信される制御情報を受信する情報受信部と、
前記情報受信部が前記制御情報を受信した場合に、前記特定の出力装置に前記ユニキャストサーバのアドレスを送信するアドレス送信部と、を有し、
前記ユニキャストサーバは、前記複数の出力装置のうち、一台の出力装置にユニキャストコンテンツを送信する第2のコンテンツ送信部を有し、
前記出力装置は、
前記マルチキャストサーバから送信された前記マルチキャストコンテンツを受信し、前記アドレスを受信した場合は、前記アドレスが示す前記ユニキャストサーバから送信された前記ユニキャストコンテンツを受信するコンテンツ受信部と、
前記情報受信部が受信したコンテンツを表示する表示部と、を有する、
ことを特徴とするコンテンツ出力システム。
【請求項2】
請求項1記載のコンテンツ出力システムにおいて、
前記装置管理サーバは、
さらに記憶部を備え、
前記複数のユニキャストサーバの動作状態を取得し、各ユニキャストサーバのアドレスとその動作状態に基づく接続優先順位を対応付けた接続先制御テーブルを記憶部に格納し、
前記アドレスを前記出力装置に送信する場合、前記記憶装置から読み出した接続先制御テーブルを前記出力装置に送信し、
前記出力装置は、
前記接続先制御テーブルの接続優先順位に従って決定したユニキャストサーバにコンテンツの送信を要求し、前記接続先となったユニキャストサーバからユニキャストコンテンツを受信し、接続したユニキャストサーバの情報を前記装置管理サーバに通知することにより前記接続先制御テーブルの更新を要求する
ことを特徴とするコンテンツ出力システム。
【請求項3】
請求項1記載のコンテンツ出力システムであって、
前記出力装置は、前記入力として、前記出力装置の表示画面上の位置を指定する入力情報を受け付け、
前記ユニキャストサーバは、前記入力のあった時刻および前記入力情報に対応したコンテンツを前記出力装置に送信することを特徴とするコンテンツ出力システム。
【請求項4】
請求項3記載のコンテンツ出力システムであって、
前記出力装置は、前記入力情報を前記ユニキャストサーバに送信し、
前記マルチキャストサーバは、前記入力のあった時刻に送信していたマルチキャストコンテンツを特定する情報を前記ユニキャストサーバに送信し、
前記ユニキャストサーバは、前記入力のあった時刻に前記マルチキャストサーバが送信していたマルチキャストコンテンツと前記入力情報とに基づいて、送信するユニキャストコンテンツを決定する、
ことを特徴とするコンテンツ出力システム。
【請求項5】
マルチキャストアドレス宛のマルチキャストコンテンツを送信するマルチキャストサーバと、ユニキャストでコンテンツを送信するユニキャストサーバと、前記マルチキャストサーバおよび前記ユニキャストサーバを管理する装置管理サーバとにネットワークを介して接続するコンテンツ出力装置であって、
前記マルチキャストコンテンツ及び前記ユニキャストコンテンツを前記ネットワーク経由で受信するコンテンツ受信部と、
当該出力装置の視聴者からの入力を受けつける入力部と、
前記入力部により入力を受け付けた場合に前記装置管理サーバに制御情報を送信し、前記マルチキャストコンテンツを中継するルータにマルチキャストコンテンツの送信停止要求を送信する情報送信部と、
を備え、
前記装置管理サーバから前記制御情報に応じて前記ユニキャストサーバのアドレスを受信し、当該受信したアドレスに基づきユニキャストサーバにユニキャストコンテンツの送信を要求する、
ことを特徴とするコンテンツ出力装置。
【請求項6】
請求項5記載のコンテンツ出力装置は、
さらに、前記ユニキャストコンテンツの受信開始からの経過時間を計測するタイマーを備え、
前記タイマーの計測値が所定の値を超えた場合に、前記装置管理サーバに当該ユニキャストコンテンツを送信するユニキャストサーバのコンテンツ受信終了を通知し、前記ルータにマルチキャストコンテンツの受信開始を通知する、
ことを特徴とするコンテンツ出力装置。
【請求項7】
請求項5記載のコンテンツ出力装置であって、
前記装置管理サーバから受信したアドレスとともに、各アドレスに対応付けられたユニキャストサーバの動作状態に応じた接続優先順位の情報を受信し、
前記コンテンツの送信を要求する先のユニキャストサーバを前記接続優先順位に基づいて決定する
ことを特徴とするコンテンツ出力装置。
【請求項8】
請求項6記載のコンテンツ出力装置であって、
前記入力情報は、当該出力装置の表示画面上の位置を特定する情報であり、
前記ユニキャストサーバへのコンテンツ送信要求に応じて受信するコンテンツは、前記入力の時点で送信されていたコンテンツの区間と前記表示画面上の位置とに対応するコンテンツとしてユニキャストコンテンツにより選択されたものである
ことを特徴とするコンテンツ出力装置。
【請求項9】
入力装置を有する複数の出力装置と、マルチキャストアドレス宛てのマルチキャストコンテンツを送信するマルチキャストサーバと、前記出力装置宛てのユニキャストコンテンツを送信するユニキャストサーバと、前記ユニキャストサーバのアドレスを管理する装置管理サーバとを備えるコンテンツ出力システムにおけるコンテンツ出力方法であって、
前記出力装置は、前記マルチキャストサーバから受信したマルチキャストコンテンツを表示し、当該出力装置の視聴者から入力を受け付けた場合に制御情報を前記装置管理サーバに送信し、
前記装置管理サーバは、ユニキャストサーバの動作状態に応じた接続優先順位を前記出力装置に送信し、
前記出力装置は、前記接続優先順位に基づき選択されたユニキャストサーバにコンテンツの送信を要求し、当該要求に応じて送信されたコンテンツを表示する、
ことを特徴とするコンテンツ出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−222587(P2012−222587A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85950(P2011−85950)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】