説明

分岐管継手

【構成】 分岐管継手10は、サドル部20および枝管部22を含み、ケーブル保護管の本管(12)に対して分岐管(14)を接続するために用いられる。分岐管継手10では、枝管部突出部分20aの軸方向中央近傍におけるサドル部20内面の側縁部間距離Wが、枝管部突出部分20aより軸方向外側部分における側縁部間距離Wより小さくされる。すなわち、枝管部突出部分20aにおいて、サドル部20が縮径され、サドル部20内面の曲率半径が小さくされる。
【効果】 本管外面とサドル部内面とを接着接合する際に、サドル部の内面全体がより適切に本管外面に密着するようになる。したがって、接着不良を生じることなく本管に対して適切に分岐管継手を取り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は分岐管継手に関し、特にたとえば、ケーブルを収容して保護するケーブル保護管の本管と分岐管とを接続する、分岐管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信線や電力線などのケーブルを地中に埋設する際には、ケーブルを保護するためのケーブル保護管が用いられる。そして、建物内にケーブルを引き込むときのように、ケーブル保護管の本管に分岐管を接続する必要がある場合には、本管と分岐管とを接続するための分岐管継手が用いられる。
【0003】
従来の分岐管継手の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1の分岐管継手は、本管の外周面と略同一形状の内周面を有するサドル部と、サドル部から鋭角に分岐する枝管部(分岐管部)とを備える。そして、サドル部内面側には、本管の分岐孔(貫通孔)に沿うU字状の屈曲突出部が形成されている。この屈曲突出部は、本管の肉厚以上の突出高さとなるように、サドル部を陥没させることによって形成される。このような屈曲突出部を形成することによって、サドル部の開口(分岐管部の下部開口)と本管の分岐孔とを位置決めできると共に、本管から分岐管側へ挿通されるケーブルの損傷を防止することができる。
【特許文献1】特許第2530941号 [F16L 41/02]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図6を参照して、一般に、本管に分岐孔を形成すると、分岐孔を形成した部分には、押出成形時の残留応力によって管内面側に曲がる力が作用するので、本管の分岐孔を形成した部分の外径は、分岐孔を形成していない部分の外径と比較して小さくなってしまう。特に、本件のように、本管に形成される分岐孔が軸方向に延びる長円の場合には、穿孔長さが長くなるため、この傾向が顕著となる。しかしながら、特許文献1などの従来の分岐管継手では、サドル部の内径(内面の曲率半径)は、分岐孔を形成する前の本管の外径に合わせて一様に設定されている。このため、分岐孔を形成した本管の軸方向位置においては、本管外面とサドル部内面との間に隙間(浮き)が生じてしまう。
【0005】
また、寸法誤差などによって本管外面とサドル部内面との間に隙間が生じる可能性はあるが、本管外面とサドル部内面とを接着接合する際には、固定バンドを用いてサドル部外面を締め付ける。このため、固定バンドの取付位置においては、寸法許容差内の寸法誤差によって生じる隙間程度であれば吸収できる。しかしながら、本管の分岐孔に対応するサドル部の軸方向部分、つまりサドル部の枝管部突出部分には、枝管部が邪魔となって固定バンドを取り付けることができない。したがって、分岐孔を形成した本管の軸方向位置においては、本管外面とサドル部内面との間に隙間が残ったままの状態となってしまい、本管外面とサドル部内面とを接着接合したときに、接着不良を生じてしまう恐れがあった。また、本管外面とサドル部内面とを接着接合する際には、コスト、施工事故の発生および施工性などを考慮すると、エポキシ樹脂系またはアクリル系の充填タイプの接着剤よりも、接着時に高い密着性が求められる塩化ビニル系の溶剤タイプの接着剤を用いることが好ましい。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、分岐管継手を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、接着不良を生じることなく、本管に対して適切に取り付けることができる、分岐管継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0009】
第1の発明は、ケーブルを収容して保護するケーブル保護管の本管と分岐管とを接続する分岐管継手であって、本管の外面に密着して取り付けられるサドル部、サドル部の外面から突出し、サドル部を本管に取り付けた状態で本管の管軸に対して鋭角となる分岐角度を有する枝管部、およびサドル部の枝管部との連結部分に形成され、枝管部の内部と連通する開口を備え、枝管部の突出部分の軸方向中央近傍におけるサドル部内面の側縁部間の距離を、枝管部の突出部分より軸方向外側部分におけるサドル部内面の側縁部間の距離より小さくしたことを特徴とする、分岐管継手である。
【0010】
第1の発明では、分岐管継手(10)は、サドル部(20)および枝管部(22)を含み、ケーブル保護管の本管(12)に対して分岐管(14)を接続するために用いられる。サドル部は、本管の外面と略同一形状の内面を有するたとえば半円筒状に形成され、枝管部は、本管の管軸に対して鋭角となる分岐角度でサドル部の外面から突出する。また、サドル部には、枝管部との連結部分に、枝管部の内部と連通する略楕円形状の開口(24)が形成される。そして、本管の分岐孔(18)に対応するサドル部の軸方向部分、つまり枝管部突出部分(20a)の軸方向中央近傍におけるサドル部20内面の側縁部間距離(W)は、枝管部突出部分より軸方向外側部分における側縁部間距離より小さくされる。すなわち、この発明の分岐管継手では、枝管部突出部分において、サドル部を縮径し、サドル部内面の曲率半径を小さくしている。
【0011】
第1の発明によれば、枝管部突出部分の軸方向中央近傍におけるサドル部内面の側縁部間距離を、枝管部突出部分の軸方向外側部分における側縁部間距離より小さくした。これによって、本管外面とサドル部内面とを接着接合する際に、分岐孔の穿孔によって縮径した部分の本管外面に対して枝管部突出部分のサドル部内面が沿うので、サドル部の内面全体がより適切に本管外面に密着するようになる。したがって、接着不良を生じることなく本管に対して適切に取り付けることができる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明に従属し、枝管部の突出部分の軸方向中央近傍におけるサドル部内面の側縁部間の距離は、サドル部両端部の固定バンドの取付位置におけるサドル部内面の側縁部間の距離より小さくされる。
【0013】
第2の発明では、枝管部突出部分(20a)の軸方向中央近傍におけるサドル部(20)内面の側縁部間距離(W)は、本管(12)外面とサドル部内面とを接着接合する際に取り付けられる、サドル部両端部の固定バンドの取付位置(20b)におけるサドル部内面の側縁部間距離より小さくされる。サドル部の枝管部突出部分には、枝管部(22)が邪魔となって固定バンドを取り付けることができないが、枝管部突出部分の軸方向中央近傍におけるサドル部内面の側縁部間距離を、サドル部両端部の固定バンドの取付位置より予め小さくしておくことにより、分岐孔の穿孔によって縮径した部分の本管外面に対して枝管部突出部分のサドル部内面が沿うようになり、かつ、固定バンドの取り付けによって幅広部分を締め付けることにより、サドル部の内面全体がより適切に本管外面に密着するようになる。
【0014】
第2の発明によれば、第1の発明と同様に、接着不良を生じることなく本管に対して分岐管継手を適切に取り付けることができる。
【0015】
第3の発明は、第2の発明に従属し、軸方向端縁におけるサドル部内面の側縁部間の距離は、サドル部両端部の固定バンドの取付位置におけるサドル部内面の側縁部間の距離より小さくされる。
【0016】
第3の発明では、軸方向端縁(20d)におけるサドル部(20)内面の側縁部間距離(W)は、サドル部両端部の固定バンドの取付位置(20b)におけるサドル部内面の側縁部間距離より小さくされる。サドル部の端縁近傍(たとえば、端縁から30−50mmの部分)は、本管(12)に対してサドル部をバランス良く押さえ付けることや、取付作業性などを考慮すると、固定バンドの取付位置としては適さない。サドル部の端縁近傍の側縁部間距離が固定バンドの取付位置の側縁部間距離より大きい場合は、本管外面とサドル部内面との間に隙間が生じ、その隙間がそのまま残る可能性があるが、端縁におけるサドル部内面の側縁部間距離を予め小さくしておくことによってそれが防止される。
【0017】
第3の発明によれば、サドル部の端縁近傍の内面がより適切に本管外面に密着するようになるので、本管に対してより適切に分岐管継手を取り付けることができる。
【0018】
第4の発明は、第1ないし第3のいずれかの発明に従属し、サドル部の内面から突出し、開口の周縁に沿って環状に形成される突起部をさらに備える。
【0019】
第4の発明では、サドル部(20)の内面には、開口(24)の周縁に沿って環状に形成される突起部(26)が形成される。突起部は、たとえば、開口全周に亘って延びるように形成される環状突起や、その機能を損なわない範囲で周縁に沿って断続的に形成される断続的環状突起を含む。本管(12)に分岐管継手(10)を取り付ける際には、本管の所定の位置に、突起部の外縁(外周面基端部)に沿う形状の分岐孔(18)が形成され、この分岐孔に突起部が嵌め込まれる。これによって、分岐管継手の軸方向および周方向の動きは、本管の分岐孔によって確実に拘束される。
【0020】
第4の発明によれば、開口の周縁に沿って環状に形成される突起部をサドル部の内面に形成したので、本管の分岐孔に突起部を嵌め込むことによって、本管に対する分岐管継手の動きが確実に拘束される。したがって、取付位置からずれることなく、本管の分岐孔の位置と分岐管継手の枝管部突出部分との位置ずれを確実に防止して、適切に分岐管継手を本管に取り付けることができる。
【0021】
第5の発明は、第4の発明に従属し、突起部は、サドル部に形成される厚肉部によって形成され、突起部を形成した部分におけるサドル部外面は、円筒面をなすように形成される。
【0022】
第5の発明では、突起部(26)は、サドル部(20)に厚肉部を形成することによって形成され、突起部を形成した部分におけるサドル部外面は、円筒面をなすように形成される。すなわち、サドル部を内面側に陥没させることなく、サドル部に肉厚の大きい部分を設けることによって突起部が形成される。
【0023】
第5の発明によれば、サドル部外面に凹部を形成しないので、本管(12)に分岐管継手(10)を取り付けるときに、枝管部(22)の近傍にも固定バンドを装着することができるようになる。したがって、本管の分岐孔(18)の位置の一端に対応する位置(20c)にて固定バンドを締め付けることができるので、分岐孔を穿孔した位置での本管の歪みを矯正して、本管に対してサドル部をバランス良く押さえ付けることができるので、本管の外面とサドル部の内面とをより適切に接着接合できる。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、枝管部突出部分の軸方向中央近傍におけるサドル部内面の側縁部間距離を、枝管部突出部分の軸方向外側部分における側縁部間距離より小さくしたので、本管外面とサドル部内面とを接着接合する際に、サドル部の内面全体がより適切に本管外面に密着するようになる。したがって、接着不良を生じることなく、本管に対して適切に取り付けることができる。
【0025】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の一実施例である分岐管継手を用いて本管と分岐管とを接続した様子を示す断面図である。
【図2】図1の分岐管継手の外観を示す図解図である。
【図3】図1の分岐管継手のサドル部内面側を示す図解図である。
【図4】図1の分岐管継手のサドル部の形状を説明するための図解図であり、(A)は分岐管継手を軸方向に見た外観を示し、(B)は分岐管継手を幅方向に見た外観を示す。
【図5】図1の分岐管継手を本管に取り付けた様子を示す図解図である。
【図6】本管に分岐孔を形成したときの形状変化の様子を説明するための図解図であり、(A)は分岐孔を形成する前の本管を示し、(B)は分岐孔を形成した後の本管を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照して、この発明の一実施例である分岐管継手10は、ケーブル保護管の本管12に対して分岐管14を接続するために用いられる。ケーブル保護管は、地中に埋設される通信線や電力線などのケーブル16を内部に収容し、ケーブル16を保護するための管であり、本管12、分岐管14、およびこれらを接続する分岐管継手10などによって構成される。本管12は、たとえば道路に沿って地中に埋設される管であり、分岐管14は、たとえば本管12から分岐して建物内まで延びる管である。本管12および分岐管14は、硬質塩化ビニル樹脂などの合成樹脂によって形成される。
【0028】
図2および3に示すように、分岐管継手10は、本管12の外面に密着して取り付けられるサドル部20と、サドル部20の外面から鋭角に突出する枝管部22とを含み、硬質塩化ビニル樹脂などの合成樹脂によって形成される。
【0029】
具体的には、サドル部20は、本管12の外面と略同一形状の内面を有する半円筒状に形成される。サドル部20の軸方向長さは、たとえば500mmである。枝管部22は、短直管状に形成され、サドル部20(分岐管継手10)を本管12に取り付けた状態で、本管12の管軸方向に対して鋭角に延びる。本管12に対する枝管部22の分岐角度(取り出し角度)は、ケーブル16の引込作業が円滑に行える角度に設定され、たとえば25〜50°に設定される。また、枝管部22の鈍角側部分(図1および2において上側の部分)は、通線されるケーブル16の許容曲率半径に応じた所定の曲率半径で湾曲される。この実施例では、枝管部22の分岐角度は、45°であり、枝管部22の鈍角側部分の内面の曲率半径は、300mmである。
【0030】
また、サドル部20には、枝管部22との連結部分に略楕円形状の開口24が形成される。開口24は、枝管部22の内部と連通しており、開口24の周縁は、枝管部22の内面と滑らかに連結される。
【0031】
さらに、サドル部20の内面には、開口24の周縁に沿って環状に形成される、つまり開口24全周に亘って延びる環状突起26が形成される。環状突起26の内周面は、開口24の周縁と滑らかに連結され、環状突起26の外縁(外周面基端部)は、平面視で軸方向両側が非対称の略角丸矩形状を有する。また、環状突起26は、サドル部20の肉厚を大きくする、つまりサドル部20に厚肉部を形成することによって形成され、環状突起26を形成した部分におけるサドル部20外面は、円筒面をなすように形成される(図1参照)。すなわち、サドル部20外面には、環状突起26を形成した部分においても、内面側に陥没する凹部は形成されない。また、環状突起26の突出高さは、本管12の肉厚とほぼ同じ、或いは本管12の肉厚よりも少し(たとえば1mm程度)大きくなるように設定される。つまり、環状突起26の突出高さは、サドル部20を本管12に取り付けた状態で、本管12の内面とほぼ同じ高さになるように、或いは本管12の内面から少し突出するように設定される。
【0032】
また、図1を参照して、環状突起26は、本管12軸方向における一方側(枝管部22の分岐方向と逆側)の部分26aにおいて幅広に形成され、本管12軸方向における他方側(枝管部22の分岐方向側)の部分26bにおいて幅狭に形成される。そして、環状突起26の一方側部分26aは、その内周面基端部から頂上部にかけて、枝管部22の鈍角側部分の内面と同じ曲率半径で湾曲するように形成される。つまり、環状突起26の一方側部分26aにおいては、枝管部22の内面、開口24の周縁、および環状突起26の内周面に亘って所定の曲率半径で湾曲され、これによって、ケーブル16の引込作業が円滑に行えるようにされる。また、環状突起26の一方側部分26aの外周面上部から頂上部にかけての部分は曲面で形成され、これによって、本管12の内面から環状突起26が突出する場合であっても、環状突起26によってケーブル16が傷つけられることはない。
【0033】
一方、環状突起26の他方側部分26bでは、その内周面は、枝管部22の鋭角側部分の内面と同じ方向に突出することなく、曲面(たとえば、曲率半径が12mm)で滑らかに落とし込まれており、これによって、開口24の大きさが確保される。
【0034】
また、環状突起26の他方側部分26bでは、その外周面が傾斜面28によって形成される。本管12の管軸に対する傾斜面28の傾斜角度は、枝管部22の分岐角度以下であって、かつ概略25°以上である角度範囲に設定される。これは、傾斜面28の傾斜角度が枝管部22の分岐角度より大きいと、分岐管継手10を射出成形する際に、分岐管継手10から金型を取り外すことが困難になってしまうからである。また、傾斜面28の傾斜角度が概略25°より小さいと、本管12に形成した分岐孔18に環状突起26を嵌め込んだ際に、分岐孔18の周縁に環状突起26が引っ掛かり難くなり、分岐管継手10の軸方向の動きを適切に拘束できないからである。さらに、傾斜面28の傾斜角度を小さくすると、突起部26の他方側部分26bの幅が大きくなるので、サドル部26内面の本管12外面との接着面積が小さくなってしまう、或いは接着面積を確保するためにサドル部20の軸方向長さを大きくする必要が生じる。このため、傾斜面28の傾斜角度は、射出成形する際に金型を容易に取り外せる範囲内で、なるべく大きく設定することが好ましい。この実施例では、傾斜面28の傾斜角度は、枝管部22の分岐角度と同じである45°に設定されている。
【0035】
また、サドル部20の外面の周方向両側には、周方向に延びる一対の突起30a,bが形成される。この一対の突起30a,bは、たとえばサドル部20の軸方向両端部および枝管部22の基端部近傍に配置される。分岐管継手10を本管12に取り付ける際には、この一対の突起30a,b間(図4に示す20bおよび20cの部分)に固定バンドが装着される。この一対の突起30a,bを形成することによって、固定バンドの位置決めを正確に行うことができ、固定バンドのずれは防止される。
【0036】
さらに、サドル部20の外面の4隅には、軸方向に延びる突起32が形成される。この突起32は、サドル部20の周方向側縁から所定距離の位置、すなわち本管12の管軸を中心として所定角度を有する位置に配置される。この実施例の突起32は、本管12の管軸を中心として枝管部22の中心軸から85°の位置に形成されている。分岐管継手10を本管12に取り付ける際に、本管12の天頂位置と突起32の位置とを合わせれば、枝管部22(延いては分岐管14)が水平方向から所定角度(5°)上向くようになる。すなわち、突起32を目印とすることによって、枝管部22の取付角度を正確に制御できる。
【0037】
このような分岐管継手10を本管12に取り付ける際には、本管12に分岐孔18を形成した後、本管12外面とサドル部20内面とを密着させて接着接合する。従来の分岐管継手では、サドル部20の内径(内面の曲率半径)は、分岐孔18を形成する前の本管12の外径に合わせて設定され、サドル部20内面の側縁部間の距離は、軸方向全体に亘って一様に設定されていた。しかし、本管12の分岐孔18を形成した部分は、押出成形時の残留応力によって縮径し、分岐孔18を形成していない部分と比較して外径が小さくなる。特に、分岐孔18を軸方向に延びる長円状に穿孔する場合には、この傾向が顕著となり、分岐孔18の軸方向(長手方向)中央近傍の部分における本管12の外径が最も小さくなる(図6参照)。このため、従来の分岐管継手では、分岐孔18を形成した本管12の軸方向位置において、本管12外面とサドル部20内面との間に隙間(浮き)が生じてしまうという問題があった。
【0038】
そこで、この実施例では、本管12の分岐孔18の軸方向中央近傍の部分に対応するサドル部20の軸方向部分、つまり枝管部22が突出する軸方向部分(枝管部突出部分)の軸方向中央近傍におけるサドル部20内面の側縁部間の距離を、枝管部突出部分より軸方向外側部分における距離より小さくしている。すなわち、この実施例の分岐管継手10では、枝管部突出部分において、サドル部20を縮径し、サドル部20内面の曲率半径を小さくしている。
【0039】
具体的には、図4を参照して、枝管部22基端部の軸方向両端22aより軸方向内側の部分であるサドル部20の部分を枝管部突出部分20aとすると、枝管部突出部分20aより外側部分におけるサドル部20内面の側縁部間距離Wは、分岐孔18を形成する前の本管12の外径に合わせて設定され、枝管部突出部分20aにおけるサドル部20内面の側縁部間距離Wは、本管12の縮径に合わせて設定される。枝管部突出部分20aとその外側部分とは滑らかに連続するので、枝管部突出部分20aの軸方向中央近傍におけるサドル部20内面の側縁部間距離Wは、その外側部分の側縁部間距離Wより小さくなる。たとえば、枝管部突出部分20aの軸方向中央近傍、つまり分岐孔18および開口24の軸方向中央近傍の部分に対応するサドル部20の部分において、側縁部間距離Wが最も小さくされる。そして、枝管部突出部分20aの軸方向中央近傍から外側に向かうに従い、側縁部間距離Wは徐々に大きくされて、枝管部突出部分20aの内面とその外側部分の内面とは滑らかに連結される。
【0040】
枝管部突出部分20aの側縁部間距離Wを小さくする程度は、分岐管継手10が接続する本管12や分岐管14(分岐孔18)の大きさ等によって適宜設定される。たとえば、内径150mmの本管12と内径75mmの分岐管14とを接続する分岐管継手10の場合には、側縁部間距離Wは、最も小さくする部分(枝管部突出部分20aの軸方向中央近傍)で、外側部分と比較して0.5−5.0mm小さくされる。
【0041】
側縁部間距離Wは、成形誤差により多少のばらつきが生じる可能性はあるが、この実施例では、少なくとも、枝管部突出部分20aの軸方向中央近傍におけるサドル部20内面の側縁部間距離Wを、サドル部20両端部の固定バンド取付位置20b、或いは固定バンドを取付可能な位置範囲の側縁部間距離Wより小さくしている。本管12外面とサドル部20内面とを接着接合する際には、固定バンドを用いてサドル部20外面を締め付けるため、固定バンドの取付位置20bにおいては、寸法許容差内の寸法誤差によって生じる隙間程度であれば吸収される。しかし、サドル部20の枝管部突出部分20aには、枝管部22が邪魔となって固定バンドを取り付けることができないため、枝管部突出部分20aの軸方向中央近傍における側縁部間距離Wを予め小さくしておくことにより、本管12外面とサドル部20内面との間の隙間の発生を防止するのである。
【0042】
また、サドル部20の端縁20d近傍(たとえば端縁20dから30−50mmまでの部分)は、本管12に対してサドル部20をバランス良く押さえ付けることや、取付作業性などを考慮すると、固定バンドの取付位置としては適さない。このため、サドル部20の端縁20d近傍においては、寸法誤差などによって本管12外面とサドル部20内面との間に隙間が生じた場合、隙間がそのまま残る可能性がある。そこで、この実施例では、成形誤差によって側縁部間距離Wに多少のばらつきが生じることもあり得るが、少なくとも端縁20dにおけるサドル部20内面の側縁部間距離Wを、固定バンド取付位置20bにおけるサドル部20内面の側縁部間距離Wより小さくして、両者の内面が滑らかに連続するようにしている。たとえば、端縁20d近傍では、端縁20dにおいて側縁部間距離Wが最も小さくされ、端縁から内側に向かうに従い側縁部間距離Wは徐々に大きくされる。端縁20d近傍の側縁部間距離Wを小さくする程度は、本管12の大きさ等によって適宜設定されるが、固定バンド取付位置20bと比較して、最も小さくする部分(端縁20d)でたとえば0.5−3.0mm小さくされる。
【0043】
このような分岐管継手10を製作する方法は、特に限定されないが、射出成形などを利用することができる。たとえば、先ず、サドル部内面の側縁部間距離が軸方向全体に亘って一様の分岐管継手を射出成形または2次加工によって成形する。その後、成形した分岐管継手のサドル部を加熱すると共に、サドル部の枝管部突出部分の軸方向中央部およびサドル部端縁の側縁部を外面側から押圧して、その部分の側縁部間距離を小さくすることによって、分岐管継手10を製作するとよい。なお、サドル部への押圧加工は、たとえば射出成形用金型を取り外した直後である分岐管継手がまだ軟化状態にある間に実行すれば、別途の加熱処理を省略できるので、分岐管継手10を容易に製作できる。
【0044】
また、たとえば、分岐管継手10を成形するための専用の射出成形用金型、つまりサドル部を成形する部分を湾曲させた専用金型を製作し、その専用金型を用いて、分岐管継手10を射出成形によって1度に(つまり押圧加工を施すことなく)成形することもできる。ただし、この場合には、金型を無理抜きする必要があるので、金型の取り外し作業には注意を要する。もちろん、これらの他にも適宜の方法を採用できる。
【0045】
続いて、図1および図5を参照して、上述のような分岐管継手10を用いて本管12と分岐管14とを接続する方法について説明する。
【0046】
先ず、本管12の所望位置にケーブル16を取り出すための分岐孔18を形成する。分岐孔18の形状は、分岐管継手10の環状突起26の外縁に沿う形状、すなわち管軸方向に延びる略角丸矩形状である。分岐孔18を形成する際には、先ず、本管12の外面にけがきゲージをセットして、けがき線を記す。そして、ドリル、カッター、エンドミルおよび鋸などの専用工具を用いて、けがき線に従って本管12を穿孔し、本管12に分岐孔18を形成するとよい。なお、本管12内に既設のケーブル16がない場合には、ホールソーを用いて分岐孔18の両端に当たる位置に2つの孔を形成した後、2つの孔を連結するように分岐孔18の両側縁に当たる位置をカットすることによって、本管12に分岐孔18を形成してもよい。また、分岐孔18の周縁は、ヤスリ等を用いて適宜面取りする。本管12に分岐孔18を形成すると、押出成形時の残留応力によって管内面側に曲がる力が管壁に作用するので、本管12の分岐孔18を形成した部分の外径は、それ以外の部分の外径と比較して小さくなる(図6参照)。
【0047】
次に、本管12に分岐管継手10を接着接合によって取り付ける。この際には、本管12の外面またはサドル部20の内面、或いはそれら双方の所定部分に対して、接着剤(接合剤)を塗布する。接着剤としては、たとえば、塩化ビニル系の溶剤タイプの接着剤や、エポキシ樹脂系またはアクリル系の充填タイプの接着剤を用いることができるが、後述のように、コスト、施工事故の発生および施工性などを考慮すると、塩化ビニル系の溶剤タイプの接着剤を用いることが好ましい。
【0048】
接着剤の塗布後、本管12の分岐孔18に分岐管継手10の環状突起26を嵌め込み、本管12の外面とサドル部20の内面とを密着させた状態で、固定バンドをサドル部20の外面に装着して固定する。このとき、分岐管継手10の軸方向および周方向の動きは、本管12の分岐孔18に環状突起26が嵌め込まれることによって確実に拘束される。そして、枝管部突出部分20aの軸方向中央近傍におけるサドル部20内面の側縁部間距離Wが、枝管部突出部分20aの外側部分(少なくとも固定バンドの取付位置20b)の側縁部間距離Wより小さくされ、また、少なくとも端縁20dの側縁部間距離Wが、固定バンドの取付位置20bの側縁部間距離Wより小さくされることによって、サドル部20の内面全体が本管12外面に対してより高い密着性を有して密着する。
【0049】
その後、枝管部22の先端開口からウエス(布)等を差し入れ、分岐孔18の周縁と突起部26の外周面との間からはみ出した接着剤などをウエス等によって適宜拭き取る。この際、環状突起26の他方側部分26bの内周面が曲面で滑らかに落とし込まれて、開口24の大きさが確保されているので、ウエス等を引き抜くときにこの部分での引っ掛かりが生じず、清掃作業を容易に行うことができる。
【0050】
本管12への分岐管継手10の取付作業が終了すると、枝管部22に分岐管14を接着接合などによって接続することにより、本管12と分岐管14との接続作業を終了する。
【0051】
この実施例によれば、枝管部突出部分20aの軸方向中央近傍におけるサドル部20内面の側縁部間距離Wを、枝管部突出部分20aの外側部分(少なくとも固定バンドの取付位置20b)の側縁部間距離Wより小さくした。このため、本管12外面とサドル部12内面とを接着接合する際に、分岐孔18の穿孔によって縮径した部分の本管12外面に対して枝管部突出部分20aのサドル部20内面が沿うので、サドル部20の内面全体がより適切に本管12外面に密着するようになる。したがって、接着不良を生じることなく本管12に対して分岐管継手10を適切に取り付けることができる。
【0052】
なお、本管12外面とサドル部20内面とを接着接合する際には、塩化ビニル系の溶剤タイプの接着剤(塩化ビニル系接着剤)や、エポキシ樹脂系またはアクリル系の充填タイプの接着剤(エポキシ系またはアクリル系接着剤)などが用いられるが、エポキシ系またはアクリル系接着剤は、塩化ビニル系接着剤と比較して高価であり、また、たとえばエポキシ系またはアクリル系接着剤を塗布し過ぎて本管12内部にたれてしまった場合には、ケーブル18表面や本管12内部で固化してケーブル18を損傷してしまう恐れがある。また、2液混合タイプのエポキシ系またはアクリル系接着剤を用いると、作業性も悪くなる。さらに、分岐管継手10のリサイクルを考えた場合、塩化ビニル系接着剤と違ってエポキシ系またはアクリル系接着剤は不純物となってしまう。したがって、塩化ビニル系接着剤を用いる方が好ましいが、塩化ビニル系接着剤では、接着機能を適切に発揮するためには、サドル部20の内面と本管12外面との間により高い密着性が求められる。しかしながら、この実施例によれば、サドル部20の内面全体が本管12外面に対して高い密着性を有して適切に密着するので、塩化ビニル系接着剤であっても好適に用いることができる。
【0053】
また、この実施例では、少なくとも端縁20dにおけるサドル部20内面の側縁部間距離Wを、固定バンドの取付位置20bの側縁部間距離Wより小さくした。このため、サドル部20の端縁近傍の内面が本管12外面により適切に密着するようになり、本管12に対して分岐管継手10をより適切に接着接合できる。
【0054】
さらに、この実施例では、開口24の周縁に沿って延びる環状突起26をサドル部20の内面に形成したので、本管12の分岐孔18に環状突起26を嵌め込むことによって、分岐管継手10の軸方向および周方向の動きが確実に拘束される。したがって、その取付位置から分岐管継手10がずれてしまうことがなく、適切に分岐管継手10を本管12に取り付けることができる。
【0055】
また、サドル部20に厚肉部を形成することによって環状突起26を形成した。すなわち、枝管部22周囲のサドル部20外面に凹部を形成しないようにした。このため、本管12に分岐管継手10を取り付ける際には、サドル部20の軸方向両端部の取付位置20bだけでなく、サドル部20の中央部分の取付位置20c、つまり本管12に穿孔される分岐孔18の一端に対応する枝管部22近傍の取付位置20cにも、固定バンドを装着することができるようになる(図1および図4参照)。これによって、分岐孔18の一端に対応する位置において穿孔による本管12の歪みを矯正して、本管12に対してサドル部20をバランス良く押さえ付けることができるので、本管12の外面とサドル部20の内面とをより適切に接着接合できる。
【0056】
さらに、環状突起26の傾斜面28の傾斜角度を、枝管部22の分岐角度以下であって、本管12の管軸に対して概略25°以上である角度範囲に設定するので、分岐管継手10を射出成形によって適切に成形できると共に、本管12に取り付ける際の分岐管継手10の軸方向の動きを確実に拘束できる。
【0057】
また、環状突起26の突出高さを本管12の内面とほぼ同じ高さ、或いは少し突出する高さとした。このため、分岐管22にケーブル16を引き込む際には、ケーブル16やその通線治具は、環状突起26によって本管12径方向の位置が制限される。つまり、環状突起26がケーブル16等のガイドとして機能し、ケーブル16等と本管12の分岐孔18の周縁との接触を避けることができる。したがって、ケーブル16の引込作業時のケーブル16等の引っ掛かりや、ケーブル16等の損傷を防止できる。
【0058】
また、環状突起26の外縁形状を軸方向両側が非対称となる形状にしたので、本管12に対して分岐管継手10を誤って逆向きに取り付けてしまうことを防止できる。何故なら、本管12に分岐管継手10を取り付ける際に、分岐管継手10の取付方向が逆向きになっていると、本管12の分岐孔18に環状突起26を嵌め込めないからである。
【0059】
なお、上述の実施例では、サドル部20外面から押圧する等してサドル部20の管壁を湾曲させることによって、サドル部20内面の側縁部間距離Wを小さくするようにしたが、これに限定されず、サドル部20内面側に突出する厚肉部を形成することによって、サドル部20内面の側縁部間距離W(または曲率半径)を小さくすることもできる。
【0060】
また、上述の実施例では、本管12に対して分岐管継手10を略水平方向(5°の取付角度)に取り付けるようにしたが、これに限定されず、分岐管継手10の取付角度は適宜変更され得る。
【0061】
さらに、上述の実施例では、サドル部20を半円筒状に形成した(つまり開口角を180°とした)が、これに限定されない。サドル部20は、本管12の外面に沿うように湾曲する形状であって、本管12の外面と適切に接着接合できる大きさを有していればよく、たとえば周方向の長さを半円よりも大きくすることもできるし、小さくすることもできる。また、両端部などの本管12の抱え込みを強めたい部分や、枝管部22付近などの接着しろを多く取りたい部分など、サドル部20の開口角を部分的に180°より小さくするようにしてもよい。
【0062】
また、分岐管継手10は、無色透明および有色透明を含む透明の樹脂で形成することもできる。分岐管継手10を透明にすることによって、本管12への取付状況が分かり易くなるので、より適切に分岐管継手10を本管12に取り付けることができるようになる。
【0063】
さらに、分岐管継手10のサドル部20の内面には、接着剤を塗布する部分を示すためのシボ加工を施すこともできる。たとえば、環状突起26の外縁から所定間隔をあけたサドル部20内面の周縁部にシボ加工を施し、このシボ加工の部分に接着剤を塗布するようにするとよい。これにより、接着剤を塗布する部分の把握が作業者にとって容易となるので、より適切に分岐管継手10を本管12に取り付けることができるようになる。もちろん、環状突起26の外縁から所定間隔の部分、つまり接着剤を塗布してはいけない部分にシボ加工を施しておき、このシボ加工を施した部分以外の部分に接着剤を塗布するようにしてもよいし、接着剤を塗布する部分と塗布しない部分との境界線としてシボ加工を施してもよい。
【0064】
また、分岐管14への枝管部22の差し込み長さを示すために、枝管部22の外面に対して、周方向に延びる標線、突起および溝などのような目印を形成することもできる。これにより、分岐管14への枝管部22の差し込み長さの把握が作業者にとって容易となるので、差し込み不足などが生じることなく、より適切に分岐管継手10に分岐管14を接続できるようになる。
【0065】
また、環状突起26の軸方向両側の外縁の径を、市販のホールソーの径と同じ大きさに形成するようにすれば、環状突起26の外縁に沿う周縁を有する分岐孔18を、市販のホールソーを用いて容易に本管12に形成できるようになる。また、環状突起26は、必ずしも軸方向両側が非対称となる形状に形成する必要はなく、軸方向両側が対称となる形状に形成することもできる。
【0066】
また、環状突起26は、必ずしも厚肉部を形成することによって形成する必要はなく、サドル部20を内面側に屈曲(陥没)させることによって形成することもできる。また、環状突起26全体を厚肉部とせず、取付位置20cに装着する固定バンドの締め付け機能を損なわない範囲において、サドル部20の外面側に肉抜きを施すこともできる。さらに、環状突起26は、必ずしも開口24全周に亘って延びるように形成する必要はなく、その機能(位置ずれ防止機能)を損なわない範囲で、開口24周縁に沿って断続的に形成することもできる。つまり、断続的環状突起とすることもできる。また、分岐管継手10には、環状突起26を形成しないこともできるし、軸方向一方側を開放したU字状突起を形成することできる。
【0067】
また、分岐管継手10を射出成形する場合には、射出成形用金型のキャビティ内に合成樹脂を導入するゲートは、サドル部20の周方向中央部(天頂部)であって、枝管部22の突出方向とは逆側の軸方向部分(図4(b)において右側の外側部分)に設けるようにすることが好ましい。これによって、射出した樹脂の流れが最適となると共に、射出成形する際にサドル部20外面に形成されるゲート部を、分岐管継手10の勾配などを測定するため等に利用することもできるようになる。
【0068】
なお、上述した寸法などの具体的数値は、いずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能なものである。
【符号の説明】
【0069】
10 …分岐管継手
12 …本管
14 …分岐管
16 …ケーブル
18 …本管の分岐孔
20 …サドル部
20a …サドル部の枝管部突出部分
20b …サドル部両端部の固定バンド取付位置
20c …サドル部の軸方向端縁
22 …枝管部
24 …サドル部の開口
26 …環状突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルを収容して保護するケーブル保護管の本管と分岐管とを接続する分岐管継手であって、
前記本管の外面に密着して取り付けられるサドル部、
前記サドル部の外面から突出し、前記サドル部を前記本管に取り付けた状態で前記本管の管軸に対して鋭角となる分岐角度を有する枝管部、および
前記サドル部の前記枝管部との連結部分に形成され、前記枝管部の内部と連通する開口を備え、
前記枝管部の突出部分の軸方向中央近傍における前記サドル部内面の側縁部間の距離を、前記枝管部の突出部分より軸方向外側部分における前記サドル部内面の側縁部間の距離より小さくしたことを特徴とする、分岐管継手。
【請求項2】
前記枝管部の突出部分の軸方向中央近傍における前記サドル部内面の側縁部間の距離は、前記サドル部両端部の固定バンドの取付位置における前記サドル部内面の側縁部間の距離より小さくされる、請求項1記載の分岐管継手。
【請求項3】
軸方向端縁における前記サドル部内面の側縁部間の距離は、前記サドル部両端部の固定バンドの取付位置における前記サドル部内面の側縁部間の距離より小さくされる、請求項1または2記載の分岐管継手。
【請求項4】
前記サドル部の内面から突出し、前記開口の周縁に沿って環状に形成される突起部をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の分岐管継手。
【請求項5】
前記突起部は、前記サドル部内面に形成される厚肉部によって形成され、
前記突起部を形成した部分における前記サドル部外面は、円筒面をなすように形成される、請求項4記載の分岐管継手。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−41954(P2012−41954A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181604(P2010−181604)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(505142964)クボタシーアイ株式会社 (192)
【出願人】(500140127)エヌ・ティ・ティ・インフラネット株式会社 (61)
【Fターム(参考)】