説明

分散型ジェット冷却を備えたシャーシ

【課題】シャーシにシンセティックジェットを取り付けるための信頼性のある取付け手段を提供すること。
【解決手段】分散型ジェット冷却を備えたシャーシ10は、容積内に配置されている1つまたは複数の発熱部品を実質的に取り囲むように構成され、容積を画定している1つまたは複数の側壁12を含む。シャーシは、1つまたは複数の側壁のうちのそれぞれの1つに熱的に結合されている少なくとも1つのアレイ状のフィン14と、アレイ状のフィンのうちのそれぞれの1つの側部15、16に配設されているマルチオリフィスシンセティックジェット30または複数の単一オリフィスシンセティックジェット2を含む少なくとも1つのシンセティックジェット組立体とをさらに含む。シャーシは、少なくとも1つのシンセティックジェット組立体を側壁に取り付けるための少なくとも1つの取付け手段4、6、をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に熱管理システムに関し、さらに詳細には、対流熱伝達を増大させる分散型ジェット冷却を備えた熱管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニクス技術における最近の進歩により、ナノメートルサイズの電子回路が生み出されている。得られる先進のエレクトロニクスはより小さいが、より高い熱流束を有している。伝熱表面積(thermal real estate)が縮小してきているので、先進の冷却技術が必要である。コスト、サイズ、信頼性、および利用可能性が大きな制約になっている。
【0003】
コスト、利用可能性、および信頼性の理由から、自然対流空冷が、多くの低パワーエレクトロニクス用途に最適な方法である。しかし、その性能は、浮力依存性の流動(buoyancy dependent flow)により制限される。したがって、最新のパワーエレクトロニクスを冷却するために、自然対流のさらなる増強が必要である。自然対流の増強により、より高い熱放散が可能になり、受動的冷却の単純さは依然として大いに維持される。
【0004】
シンセティックジェットは、周囲流体の周期的な吸引と噴出で形成される小規模な乱流ジェットである。ジェットが熱伝導面上に衝突し、対流冷却を増強することができる。同様に、ジェットが熱伝導面に平行に流動し、やはり対流冷却を増強することができる。高い気流速度を伴うこれらのデバイスの小さいサイズにより、パワーエレクトロニクスのための熱管理ハードウェアのサイズの大幅な縮小が可能になり得ると考えられる。シンセティックジェットは、従来、境界層制御用途に使用されている。しかし、それらがまた、自然および強制対流熱伝導を増強することも示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
研究によると、シンセティックジェットを使用して熱伝導の増強が可能であることが示されているが、大きなヒートシンク面に対するシンセティックジェット用途に利用可能なデータが限られている。さらに、シンセティックジェットをシャーシに確実に取り付けるための新しい取付け手段が必要である。したがって、主流動とシンセティックジェット流動との間の相互作用を理解すること、およびこの相互作用を利用して、シャーシ冷却用途などの大きなヒートシンク面の熱伝導の増強を達成することが、望ましいと考えられる。シャーシにシンセティックジェットを取り付けるための信頼性のある取付け手段を提供することが、さらに望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様が、分散型ジェット冷却を備えたシャーシにある。シャーシは、容積内に配置されている1つまたは複数の発熱部品を実質的に取り囲むように構成されている、容積を画定している1つまたは複数の側壁を含む。シャーシは、1つまたは複数の側壁のうちのそれぞれの1つに熱的に結合されている少なくとも1つのアレイ状のフィンと、アレイ状のフィンのうちのそれぞれの1つの側部に配設されているマルチオリフィスシンセティックジェットまたは複数の単一オリフィスシンセティックジェットを含む少なくとも1つのシンセティックジェット組立体とをさらに含む。シャーシは、少なくとも1つのシンセティックジェット組立体のうちのそれぞれの1つを1つまたは複数の側壁のうちのそれぞれの1つに取り付けるための少なくとも1つの取付け手段をさらに含む。本発明の別の態様が、分散型ジェット冷却を備えたシャーシにあり、シャーシは、容積内に配置されている1つまたは複数の発熱部品を実質的に取り囲むように構成されている、容積を画定している1つまたは複数の側壁と、1つまたは複数の側壁のうちのそれぞれの1つに熱的に結合されている少なくとも1つのアレイ状のフィンとを含む。シャーシは、アレイ状のフィンのうちのそれぞれの1つの側部に配設されている複数の単一オリフィスシンセティックジェットを含む少なくとも1つのシンセティックジェット組立体をさらに含む。各単一オリフィスシンセティックジェットは、フィンのうちのそれぞれの1つの端部でジェットを方向付けかつ1つのオリフィスを含むように構成されている。オリフィスの少なくとも一部は、約3ミリメートル(mm)から約17mmまでの範囲の開口長さLを有する。オリフィスのうちのそれぞれの1つとフィンのそれぞれの端部との間の距離dは、約1ミリメートル(mm)から約7mmまでの範囲である。
【0007】
諸図面を通じて同様の符号が同様の部分を示す添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むと、本発明のこれらおよび他の特徴、態様、ならびに利点が、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】シンセティックジェット組立体を備えていないシャーシの図である。
【図2】それぞれのシンセティックジェット組立体が備え付けられているシャーシの2つの側壁を示す図である。
【図3】シンセティックジェットをシャーシ側壁に取り付けるためのスナップ式構成の図である。
【図4】cクリップホルダの斜視図である。
【図5】図3に示されている装置の横断面図であり、シンセティックジェットのためのeクリップホルダまたはcクリップホルダを受容するための側壁内に形成されている一列のスロットを示す図である。
【図6】シンセティックジェットをシャーシに取り付けるための屈曲したeクリップ装置の図である。
【図7】シンセティックジェットをシャーシに取り付けるための別の例示的装置の図である。
【図8】シンセティックジェットをシャーシに取り付けるためのロッドフレーム(rod−and−frame)装置の図である。
【図9A−C】シンセティックジェットをシャーシに取り付けるための部分的密閉パッケージング装置の第1の部分の上面図、正面図および背面図である。
【図10A−B】部分的密閉パッケージング装置の第2の部分の上面図および正面/背面図である。
【図11】組立て済みの部分的密閉パッケージング装置の正面図である。
【図12】左右対称のプレートを組み込んでいる、方向転換された空気流を有するシンセティックジェットパッケージの図である。
【図13】図12に示されているシンセティックジェットパッケージの2プレート構成の図である。
【図14】図1のシャーシで使用するための、マルチオリフィスシンセティックジェットの例示的構成の図である。
【図15】単一オリフィスシンセティックジェットの動作の図である。
【図16】単一オリフィスシンセティックジェットの動作のさらなる図である。
【図17】v溝プレートフィン構成の図である。
【図18】シンセティックジェットとフィンとの間の間隔dの図である。
【図19】シンセティックジェットとフィンとの3つの異なる「フィンに基づく」配置の図である。
【図20】開口長さLを有するジェットのオリフィスの図である。
【図21】AAに沿った、図20の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
分散型ジェット冷却を備えたシャーシ10が、図1〜17を参照して記載されている。図1に例として示されている通り、シャーシ10は、容積内に配置されている1つまたは複数の発熱部品(図示せず)を実質的に取り囲むように構成されている、容積(図示せず)を画定している1つまたは複数の側壁12を含む。発熱部品は、その非限定的な例にハイパワープロセッサおよびパワーエレクトロニクスが含まれる、冷却を必要とする任意の部品であってもよい。シャーシは、1つまたは複数の側壁12のうちのそれぞれの1つに熱的に結合されている少なくとも1つのアレイ状のフィン14をさらに含む。図1に示されている装置では、フィン14は、縦方向のプレートフィンである。しかし、ピンフィンを含むがこれに限定されない他のタイプのフィンが使用されてもよい。簡潔に言えば、発熱部品からの熱は側壁内に伝達され、側壁は熱をフィン14内に伝達する。フィン14は、発熱部品を冷却するために熱伝達のための表面積を増大させる。
【0010】
図2に示されている通り、例えば、シャーシ10は、少なくとも1つのアレイ状のフィンのうちのそれぞれの1つの側部15、16に配設されているマルチオリフィスシンセティックジェット(図2に示されていない)または複数の単一オリフィスシンセティックジェット2を含む少なくとも1つのシンセティックジェット組立体30をさらに含む。図2に示されている例示的装置では、シンセティックジェット組立体30は、それぞれのアレイ状のプレートフィン14の下側部15に配設されている。この例は例示的であり、本発明はこの例示的構成に限定されない。さらに、図2に示されている通り、シャーシは、少なくとも1つのシンセティックジェット組立体30(それぞれの個々のシンセティックジェット2を含む)のうちのそれぞれの1つを1つまたは複数の側壁12のうちのそれぞれの1つに取り付けるための少なくとも1つの取付け手段4をさらに含む。図2に示されている例示的取付け手段4は、例示的に過ぎず、複数の付加的な取付け装置が、図3〜図13を参照して以下に記載されている。本発明は特定の取付け手段に限定されないことに留意すべきである。
【0011】
シンセティックジェット2の動作は、図15および図16を参照して理解することができる。例として示されている通り、図15および図16では、各シンセティックジェット2は、第1の可撓性構造32と、第2の可撓性構造34と、第1の可撓性構造および第2の可撓性構造のうちの少なくとも1つに結合されている少なくとも1つの能動材料36と、第1の可撓性構造と第2の可撓性構造との間に配置されておりかつチャンバを画定しているコンプライアント壁38とを含む。図15および図16に示されている通り、コンプライアント壁38は、チャンバとフィン14の周囲環境との間の流体連通を促進するためにオリフィス39を画定している。
【0012】
図15および図16の図示の装置では、能動材料36は、第1の可撓性構造32上にかつ第2の可撓性構造34の下側部に配置されている。図面に示されている可撓性構造32、34上の能動材料36の位置は純粋に例示的なものであり、本発明は能動材料の任意の特定の位置に限定されないことに留意すべきである。図15および図16に示されている装置では、能動材料はそれぞれの可撓性構造と同一の広がりを持つが、他の実施形態では、能動材料は可撓性構造の一部のみに亙って広がっている。例えば、同一の広がりを持つ活性層36の代わりに、より小さい直径の圧電セラミック板(図示せず)が、可撓性構造32、34上に配設されていてもよい。能動材料は、単一の連続的部分の形をとることができる。あるいは、能動材料の複数の不連続部分を使用して、可撓性構造のうちのそれぞれの1つを作動させることができる。適切な能動材料は、電気的刺激による応力を生み出すことができるものである。可撓性構造32、34は、同一の材料または異なる材料を含んでいてもよい。
【0013】
適切な能動材料の例には、圧電性材料、(コイルからの磁場が互いに引き付け合う/反発し合う)磁気歪み材料、形状記憶合金、および(質量不均衡のモータが振動運動を生じる)モータ不均衡(motor imbalance)が含まれる。圧電性材料のサブセットの範囲内で、適切な能動材料には、2つの圧電層が異相で活性化されて曲げを作り出すバイモルフ圧電構成、1つの圧電層が高強度ステンレス鋼(pre−stressed stainless steel)シム上に配設されているサンダー構成(thunder configuration)、1つの圧電層が黄銅シム上に配設されているブザー要素構成、およびフレキシブル回路上の圧電繊維複合材料がシムに結合されているMFC構成が含まれる。能動材料は、セラミック材料を含んでいてもよい。
【0014】
図2に概略的に示されている通り、シンセティックジェット駆動部40が設けられて、少なくとも1つの能動材料36に電流を流し、周囲空気流を形成する。シンセティックジェット駆動部40は、例えば電線またはフレキシブル相互接続(flexible interconnect)を使用して、能動材料36に電気的に接続することができる。簡潔に言えば、シンセティックジェット駆動部40からの電流は、能動材料により受け取られ、機械エネルギーに変換される。図示の通り、例えば図15では、能動材料36は、可撓性壁32、34上に応力を生み出してそれらを内側に撓ませ、チャンバ70からオリフィス39経由で周囲空気を噴出させる。同様に、図16に示されている通り、能動材料36が可撓性チャンバ壁32、34上に応力を生み出してそれらを膨張させると、もう1つのチャンバ容積の変化がもたらされ、周囲空気はオリフィス39経由でチャンバ70に引き込まれる。このようにして、駆動部40はジェット30を作動させる。
【0015】
シンセティックジェット駆動部40は、シャーシ10の内側に配置されていてもよく、または遠隔に配置されていてもよい。さらに、シンセティックジェット駆動部40はまた、小型化され、シンセティックジェットと一体化されていてもよい。電流が正弦波、方形波、三角波、または任意の他の適切な波形で供給されてもよく、当然のことながら、電流は、任意の特定の波形に限定されない。しかし、例えば正弦波などのより低い高調波を有する電流を使用し、より静かなシンセティックジェット30を実現することができることが分かっている。電流の電圧レベルは、1ボルトと150ボルトの間としてもよいが、それに限定されない。電流の周波数は、ノイズの低減を必要とする実施形態では2ヘルツと300ヘルツの間としてもよく、ノイズレベルの低減を必要としない実施形態では300ヘルツと15キロヘルツの間としてもよい。
【0016】
図示の構成の多くでは、各シンセティックジェット組立体30は、複数の単一オリフィスシンセティックジェット2を含む。図3および図5に示されている特定の取付け構成では、側壁12の少なくとも1つが、アレイ状のフィン14の側部15、16の少なくとも一方に配設されている複数のスロット8を含み、取付け手段4は、スロット8のうちのそれぞれの1つ内へ挿入するために、かつそれぞれの各単一オリフィスシンセティックジェット2をそれぞれのスロット8に固定するために、構成されている。図5に示されている例示的装置では、例示目的でスロット8の1つが空になっている。図3および図5の装置は、cクリップ取付け手段を使用して実施されてもよい。図4は、例示的cクリップ4を斜視図で示している。図示の通り、例えば図2では、シンセティックジェット2は、フレキシブルコネクタ6により、cクリップホルダ4に取り付けられてもよい。1つの非限定的な例では、フレキシブルコネクタ6は、シリコーン「耳部」を含む。図5に例として示されている通り、cクリップ4の基部は、スロット8内にスナップ式に嵌め込まれ、シンセティックジェット2をシャーシ側壁12にしっかりと取り付ける。シンセティックジェットをシャーシにさらに固定するために、例えば図5に示されている通り、cクリップホルダ4は、側壁にボルトで留められてもよい。
【0017】
図6は、シンセティックジェットをシャーシに取り付けるための別の例示的装置を示す。図6の例示的装置では、各シンセティックジェット組立体が、複数の単一オリフィスシンセティックジェット2を含む。しかし、図示を簡略化にするために、図2にはジェット2が1つだけ示されている。図3〜図5を参照して前段で検討されたcクリップ構成に加えて、eクリップもまた使用されて、単一オリフィスシンセティックジェット2のうちのそれぞれの1つを側壁12に固定してもよい。図6に示されている構成では、取付け手段は、複数のeクリップ(やはり、参照番号4で示されている)を含む。図6に示されている通り、各eクリップ4は、屈曲部5を有する。図示の通り、各単一オリフィスシンセティックジェット2は、eクリップ4のうちのそれぞれの1つに取り付けられており、各eクリップ4の屈曲部5は、側壁12のうちのそれぞれの1つに固定されている。図6に示されている例示的装置では、各eクリップの屈曲部5は、ボルト7を使用して側壁12に固定されている。図6の装置の横断面図は、図6の装置にスロットが必要ないことを除いて、図5に示されているものと類似している。
【0018】
図7は、シンセティックジェットをシャーシに取り付けるためのさらに別の例示的装置を示す。図7に示されている装置では、各シンセティックジェット組立体は、複数の単一オリフィスシンセティックジェット2を含み、取付け手段は、複数の可撓性部分6を含む。図7に示されている通り、各単一オリフィスシンセティックジェット2には、少なくとも1つの可撓性部分6が取り付けられており、各可撓性部分6は、側壁12のうちのそれぞれの1つに固定されている。図7に示されている例示的装置では、各シンセティックジェットは、3つの可撓性部分6により側壁に取り付けられている。しかし、他の装置では、他の数の可撓性部分6が用いられていてもよい。1つの非限定的な例では、可撓性部分6はシリコーン耳部を含む。耳部は、例えばロッドまたはボルト7を用いて、それぞれの側壁に取り付けられてもよい。図7に示されている通り、「耳部」の隣接する対間に間隙があってもまたは間隙がなくてもよい。より特定の例によれば、単一オリフィスシンセティックジェット2の少なくとも1つは、フィン14に対してある角度で配置されていてもよい。例えば可撓性部分を側壁に取り付けるのに使用されるボルトの高さを調節することにより、このことが達成されてもよい。
【0019】
図8は、シンセティックジェットをシャーシに取り付けるためのロッドフレーム装置を示す。図8に示されている装置では、各シンセティックジェット組立体は、複数の単一オリフィスシンセティックジェット2を含み、取付け手段は、フレーム9と、フレーム9に取り付けられておりかつそのフレームから延在している複数のロッド11とを含む。図示の装置では、各単一オリフィスシンセティックジェット2は、ロッド11の2つの隣接するロッドに取り付けられている。より特定の装置によれば、取付け手段は、複数の可撓性部分6をさらに含み、各単一オリフィスシンセティックジェット2には、少なくとも2つの可撓性部分6が取り付けられており、単一オリフィスシンセティックジェット2は、可撓性部分6によりロッド11に取り付けられている。上記の通り、可撓性部分6の1つの非限定的な例が、シリコーン「耳部」である。図8に示されている特定の装置では、各単一オリフィスシンセティックジェット2には、少なくとも3つの可撓性部分6が取り付けられている。図示の通り、各単一オリフィスシンセティックジェット2は、可撓性部分6のうちのそれぞれの1つによりフレーム9に直接取り付けられている。さらに、フレーム9は、図8の上面図に示されているロッド/ボルト13によりそれぞれの側壁に取り付けられていてもよい。
【0020】
図9(a)〜図9(c)、図10(a)および図10(b)ならびに図11は、シンセティックジェットをシャーシに取り付けるための部分的密閉パッケージング装置を示す。図11に示されている装置では、各シンセティックジェット組立体は、複数の単一オリフィスシンセティックジェット2を含み、取付け手段は、部分的密閉パッケージ20を含む。所与のシンセティックジェット組立体の内部の各単一オリフィスシンセティックジェット2は、部分的密閉パッケージ20の内部に配設されている。
【0021】
図9〜図11に示されている例示的パッケージ構成では、部分的密閉パッケージ20は、第1の部分22と第2の部分24とを含む。図9(a)は、パッケージの第1の部分22の上面図である。第1の部分22の正面図および背面図が、図9(b)および図9(c)それぞれに示されている。図10(a)は、パッケージ20の第2の部分24の上面図であり、第2の部分24の正面/背面図が、図10(b)に示されている。図9(a)に例として示されている通り、第1の部分22は、単一オリフィスシンセティックジェット(図示せず)のうちのそれぞれの1つを受容するように構成されている複数の開口部26を画定している。図11に例として示されている通り、組立て後、第2の部分24は、第1の部分22に取り付けられて、開口部26を覆う。図9〜図11に示されている例示的構成では、第2の部分24は、ボルト7により第1の部分22に取り付けられている。
【0022】
図9(a)に示されている通り、例えば、図示の部分的密閉パッケージ20は、複数のガスケット28をさらに含む。図示の通り、各ガスケット28は、開口部26のうちのそれぞれの1つに配設されており、単一オリフィスシンセティックジェット2のうちのそれぞれの1つを収容している。1つの非限定的な例では、ガスケット28は、シリコーンゴムで形成されている。有利なことに、ガスケットは、単一オリフィスシンセティックジェット2を振動から保護する。
【0023】
より詳細には、図9(b)に示されている通り、第1の部分22は陥凹していて、ジェットおよびガスケットのうちのそれぞれの1つを受容するための陥凹領域21を提供している。さらに、やはり図9(b)に示されている通り、ジェット空気のために、開口部23が設けられており、ジェット送風(jet bellowing)のために、穴部25が第1の部分22内に設けられている。ガスケット28は、穴部25および第2の部分24に対してジェットを配置して、ジェット送風に必要な容積を得る。図9(a)〜図9(c)に示されている例示的構成では、図9(c)に示されている通り、第1の部分22と第2の部分24とを一緒にボルトで留めてパッケージ20を形成するために、穴部27が第1の部分22に設けられている。さらに、例えば図9(c)に示されている例示的装置では、パッケージをそれぞれのシャーシ側壁12にボルトで留めるために、穴部29が第1の部分の端部に形成されている。同様に、図10(a)および図10(b)に示されている通り、ボルト7を受容するために、穴部31が第2の部分24に形成されている。図11に例として示されている通り、部分的密閉パッケージ20は、例えばボルト7を用いて、側壁12のうちのそれぞれの1つに取り付けられていてもよい。さらに、パッケージ20とそれぞれのシャーシ側壁12との間に、振動ダンパ(または緩衝スペーサ、図示せず)が配設されていてもよい。
【0024】
本発明は、部分的密閉パッケージに対する複数の修正を包含する。例えば、図11の例示的構成の「L」形フットブラケットは、緩衝のために、柔らかいゴム(またはSi)で作製されているスペーサまたはブシュと交換されてもよい。別の選択肢は、「L」形ブラケットを完全に除去し、第1の部分と第2の部分とを取り付けるのに使用されるボルトをシャーシ側壁まで延ばしてパッケージをシャーシ側壁に取り付けることである。
【0025】
さらに、減量のために、パッケージ20の開いたバージョンが使用されてもよい。この装置では、パッケージの第1の部分22および第2の部分24を形成して構造的に一緒に保持するのに十分な材料だけが使用される。この開いたバージョンは、ジェットのための6つの「リング」ホルダを備えた三角格子形状で構造化することができる。
【0026】
さらに、シンセティックジェットに電力を供給するために種々の電気的接続(図示せず)が使用されてもよい。本発明は、任意の特定の電気的接続構成に限定されない。1つの例示的装置では、溝部(図示せず)が第2の部分24に成型されており、ジェットからの電線を受容し、それらをシャーシの外側の接続に通す。別の例示的装置では、電線を一緒に通すために、溝が第2の部分24に成型されている。依然としてパッケージ内にあるが、電線は、例えばシャーシおよびパッケージの底部の整列穴部を通して、シャーシの方へ通される。この場合、ドライブエレクトロニクス(図示せず)がシャーシの内側にあると考えられる。
【0027】
シンセティックジェットの電気的接続のためのさらに別の例示的装置では、ジェットには、強固な端子パッド(図示せず)で終了する比較的小さく固定されたリード線のセットが備え付けられている。この装置では、パッケージ20の第1の部分22は、端子パッドのための切取り部(陥凹部)を有するジェット切欠き領域に隣接する領域を含む。パッケージ20の第2の部分24は、整合パッドと、ドライブエレクトロニクスに対する端子パッドまでの埋込み電線(および特定の実施形態では、プリント基板タイプの接続)とを含む。この構成では、ドライブエレクトロニクス(図示せず)は、シャーシの外側にある。しかし、この装置は、シャーシの内側にあるドライブエレクトロニクスと共に使用するために修正されてもよい。この場合、配線は、パッケージ20の第1の部分22上にあり、電線をシャーシ内に通すことを容易にする。
【0028】
図12および13は、シャーシ側壁にシンセティックジェット2を取り付けるための別の構成を示し、そこでは、空気流が方向転換させられる。図12に示されている装置では、側壁12の下側壁42が、アレイ状のフィンを有しておらず、取付け手段は、下側壁42に取り付けられている少なくとも1つのプレート44を含む。図12に示されている通り、単一オリフィスシンセティックジェット2の少なくとも1つが、プレート44に取り付けられており、ジェットを外側に方向付けるように配置されており、プレート44は、側壁12の隣接する1つ上のアレイ状のフィン14に当たるようにジェットがシャーシの隅部を曲がるように誘導するための少なくとも1つの屈曲部46を有する。
【0029】
図12に示されている特定の装置では、取付け手段は、下側壁42に取り付けられている1つのプレート44を含む。図12に示されている装置では、プレート44は、ボルト7で下側壁42に取り付けられている。図12に示されている通り、単一オリフィスシンセティックジェット2の少なくとも2つが、プレート44に取り付けられており、それぞれのジェットを反対方向に外側へ方向付けるように配置されている。図12に示されている特定の装置では、プレート44は、側壁12の隣接する1つ上のアレイ状のフィン14に当たるようにシャーシのそれぞれの隅部を曲がるジェットのうちのそれぞれの1つを誘導するための2つの屈曲部46を有する。特定の装置によれば、複数の単一オリフィスシンセティックジェット2が、プレート44に取り付けられておりかつそれぞれのジェットを第1の方向に外側へ方向付けるように配置されていてもよく、複数の単一オリフィスシンセティックジェット2が、プレート44に取り付けられておりかつそれぞれのジェットを第2の方向に外側へ方向付けるように配置されていてもよい。図12に明示的に示されていないが、これは、図13に示されている装置に類似しているが、左右対称のプレート44の両端部にジェット2の列を有するものである。
【0030】
図12は単一の左右対称のプレート44を示しているが、本概念はまた、図13に示されている通り、2つのプレート44a,bを用いて実施されてもよい。その2プレート構成では、取付け手段は、下側壁42に取り付けられている第1のプレート44aと第2のプレート44bとを含む。図12に示されている装置と同様に、プレート44a,bは、下側壁にボルトで留められてもよい。図13に示されている通り、単一オリフィスシンセティックジェット2の少なくとも1つは、第1のプレート44aに取り付けられている。図12に示されている装置と同様に、1つまたは複数のジェットは、ジェットを第1の方向に外側へ方向付けるように配置されている。同様に、単一オリフィスシンセティックジェット2の少なくとも1つは、第2のプレート44bに取り付けられており、ジェットを第2の方向に外側へ方向付けるように配置されている。ジェットの相対配置は、図12に示されているものと同一である。各第1のプレート44aおよび第2のプレート44bは、側壁12のうちのそれぞれの隣接する側壁上のアレイ状のフィン14に当たるようにシャーシのそれぞれの隅部を曲がるそれぞれのジェットを誘導するための屈曲部46を有する。
【0031】
図13に示されている特定の装置では、複数の単一オリフィスシンセティックジェット2が第1のプレート44aに取り付けられておりかつそれぞれのジェットを第1の方向に外側へ方向付けるように配置されており、複数の単一オリフィスシンセティックジェット2が第2のプレート44bに取り付けられておりかつそれぞれのジェットを第2の方向に外側へ方向付けるように配置されている。ジェットの相対配置は、図12に示されているものと同一である。有利なことに、ジェット2は下側壁42上に取り付けられているため、図12および図13で示されている装置では、フィン14の部分を除去することは必要ない。さらに、屈曲部が屈曲している角度は、ジェットからの空気流とフィン14の端面との間の角度を調節するように選択されてもよい。さらに、プレート(単数または複数)と下側壁との間の間隔は、フィンの端面と垂直空気流との間の関連する距離を調節するように調節されてもよい。
【0032】
上記の通り、単一オリフィスシンセティックジェット2に加えて、シンセティックジェット組立体は、図14に示されているマルチオリフィスシンセティックジェット30を含んでいてもよい。さらに、各シンセティックジェット組立体は、その全体が参照として本明細書に援用されている、M. Arikらの、「Heat Sinks with Distributed and Integrated Jet Cooling」という名称の、同一出願人による米国特許出願第12/421,068号に記載されている、積層(図示せず)状の単一オリフィスまたはマルチオリフィスシンセティックジェット30を含んでいてもよい。図14に例として示されている通り、あるマルチオリフィスシンセティックジェット30が、第1の可撓性構造32と、第2の可撓性構造34と、第1の可撓性構造および第2の可撓性構造のうちの少なくとも1つに結合されている少なくとも1つの能動材料36と、第1の可撓性構造と第2の可撓性構造との間に配置されておりかつチャンバを画定しているコンプライアント壁38とを含む。図14に示されている通り、コンプライアント壁は、チャンバとフィン14の周囲環境との間の流体連通を促進するために、複数のオリフィス39を画定している。図14に示されている複数のオリフィスは、例示的に過ぎず、非限定的であることに留意すべきである。1つの非限定的な例では、コンプライアント壁38はエラストマーを含む。コンプライアント壁38の他の例示的材料には、ポリマー、糊、接着剤、金属、および複合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0033】
図14の図示の装置では、能動材料36は、第1の可撓性構造32および第2の可撓性構造34の両方の上に配置されている。図に示されている可撓性構造32、34上の能動材料36の位置は純粋に例示的であり、本発明は、能動材料の任意の特定の位置に限定されないことに留意すべきである。特定の実施形態では、能動材料は、それぞれの可撓性構造と同一の広がりを持つ。他の実施形態では、能動材料は、可撓性構造の一部のみに亙って広がっている。能動材料は、単一の連続部分の形をとることができる。あるいは、能動材料の複数の不連続部分を使用して、可撓性構造のうちのそれぞれの1つを作動させることができる。適切な能動材料は、電気的刺激に起因する応力を生み出すことができるものである。適切な能動材料の例が、図15および図16を参照して前段で提供されている。
【0034】
図2を参照して前段で検討された通り、シンセティックジェット駆動部40を設け、少なくとも1つの能動材料36に電流を流して、周囲空気流を形成することができる。シンセティックジェット駆動部40は、シャーシの内側に配置されていてもよく、または遠隔に配置されていてもよい。
【0035】
前述のシャーシでは、複数の異なるフィン構成を使用することができる。図1および図2に示されている装置では、フィンは、規則的な一次元アレイに配置されているプレートフィンである。図17は、v溝プレートフィン構成を示す。特定の状況では、v溝構成が、図1および図2に例として示されている従来型プレートフィン配置に対して冷却の増強を示す可能性がある。図17は左右対称のv溝を有するv溝構成を示しているが、本発明は、これらの配置に限定されず、非対称のv溝構成を使用することもできることに留意すべきである。同様に、図17はジェットのそれぞれの中心線と整合している中心線を有するv溝構成を示しているが、v溝の中心線がジェットの中心線とずれているずれた配置もまた用いられてもよい。同様に、これらの配置の組合せもまた用いられてもよい(それぞれのジェットに対してずれている非対称のv溝)。
【0036】
分散型ジェット冷却を備えたシャーシ10の特定の特徴が、図15、図16、図18および図19を参照して記載されている。図1および図2を参照して前段で検討された通り、シャーシ10は、容積内に配置されている1つまたは複数の発熱部品(図示せず)を実質的に取り囲むように構成されている、容積(図示せず)を画定している1つまたは複数の側壁12を含む。シャーシ10は、1つまたは複数の側壁のうちのそれぞれの1つに熱的に結合されている少なくとも1つのアレイ状のフィン14と、少なくとも1つのアレイ状のフィンのうちのそれぞれの1つの側部15、16に配設されている複数の単一オリフィスシンセティックジェット2を含む少なくとも1つのシンセティックジェット組立体30とをさらに含む。図示の通り、例えば図15では、各単一オリフィスシンセティックジェット2は、フィン14のうちのそれぞれの1つの端部でジェットを方向付けるように構成されている(「フィンに基づく」構成)。有利なことに、実験的試験の結果によると、フィンに基づく構成(ジェット出口中心線がそれぞれのフィンと整合している)は、ジェットが隣接するフィン間に方向付けられた配置に対して冷却性能の増強を示した。
【0037】
図示の通り、図15および図16の例として、各単一オリフィスシンセティックジェット2は、1つのオリフィスを含む。特定の実施形態では、オリフィスの少なくとも一部が、約3ミリメートル(mm)から約17mmまでの範囲の開口長さLを有し、オリフィスのうちのそれぞれの1つとフィンのそれぞれの端部との間の距離d(例えば図18参照)が、約1ミリメートル(mm)から約7mmまでの範囲である。例えば図20および図21に示されている通り、オリフィス39の開口長さLは、オリフィスを画定している壁(例えば、ケイ素壁)の端部により形成されている弦の長さである。このように、ジェットを「正面から」見ると(オリフィスに向かって)、開口長さLは、開口部の二次元の長さである。より一般的には、オリフィスのサイズは、フィン間隔に比例しているように選択されて、最適な冷却を達成し、適切な冷却/渦生成を実現し、ジェットはフィンと共に最適に配置されている。より特定の実施形態によれば、オリフィスの少なくとも一部が、約8mmから約17mmまでの範囲の、さらにより詳細には約13mmから約17mmまでの範囲の開口長さLを有する。実験的試験の結果によると、15mmオリフィスのジェットが8mmオリフィスのジェットに対して冷却性能の増強を示した。
【0038】
より特定の実施形態によれば、距離dは、約1ミリメートル(mm)から約3mmの範囲である。1つの非限定的な例では、オリフィスとフィンの端部との間の距離dは、約2ミリメートルである。本明細書で使用されている用語「約」は、述べられた値のプラス/マイナス10パーセント内を意味すると見なされるべきである。実験的試験の結果によると、10mm間隔でかつそれぞれのフィンから2mmに配置されているジェットでは同様の冷却が示された。したがって、ジェットの取付けで必要とされる間隔を減少させるには、2mm間隔が好適である。
【0039】
図19は、シンセティックジェットおよびフィン14の3つの異なる「フィンに基づく」配置を示す。図19に示されている第1の構成(「3つのジェット」と表示されている)では、各シンセティックジェット組立体が、3つの単一オリフィスシンセティックジェット2を含み、隣接する単一オリフィスシンセティックジェット間の間隔は、フィン4つ毎である。より一般的には、整数N個の単一オリフィスシンセティックジェット2が使用されてもよく、隣接する単一オリフィスシンセティックジェット間の間隔はフィン4つ毎である。図19に示されている第1の構成では、N=3である。試験されたヒートシンクの2倍の幅のシャーシでは、例えばN=6である。図19に例として示されている通り、語句「フィン4つ毎」は、一次元アレイのプレートフィンの場合にはフィン4つ毎を意味すると理解されるべきである。同様に、これは、二次元アレイのピンフィンの場合にはフィン4列毎を指す。
【0040】
図19に示されている第2の構成(「4つのジェット」と表示されている)では、各シンセティックジェット組立体が、4つの単一オリフィスシンセティックジェット2を含み、隣接する単一オリフィスシンセティックジェット2間の間隔は、フィン3つ毎である。より一般的には、整数N個の単一オリフィスシンセティックジェット2が使用されてもよく、隣接する単一オリフィスシンセティックジェット間の間隔はフィン3つ毎である。図19に示されている第2の構成では、N=4である。試験されたヒートシンクの150%の幅のシャーシでは、例えばN=6である。図19に例として示されている通り、語句「フィン3つ毎」は、一次元アレイのプレートフィンの場合にはフィン3つ毎を、二次元アレイのピンフィンの場合にはフィン3列毎を意味すると理解されるべきである。
【0041】
図19に示されている第3の構成(「5つのジェット」と表示されている)では、各シンセティックジェット組立体が、5つの単一オリフィスシンセティックジェット2を含み、隣接する単一オリフィスシンセティックジェット2間の間隔は、フィン1つ置きである。より一般的には、整数N個の単一オリフィスシンセティックジェット2が使用されてもよく、隣接する単一オリフィスシンセティックジェット間の間隔は、フィン1つ置きである。図19に示されている第2の構成では、N=5である。しかし、Nの特定値は変動し得る。図19に例として示されている通り、語句「フィン1つ置き」は、プレートフィンの場合にはフィン1つ置きを、二次元アレイのピンフィンの場合にはフィン1列置きを意味すると理解されるべきである。
【0042】
ジェットの数で冷却の増強が増大するが、この傾向は、ジェットの数の増加で低減する。3つのジェットから4つのジェットに交換すると、増強全体は、0.7上昇して2.5から3.2に変化するのに対して、4つのジェットから5つのジェットに交換した場合には0.3増大する。このことは、ジェットの数が増加するにつれて、COP(性能係数:coefficient of performance)が減少することを示す。現在の仕事のCOPは、シンセティックジェットの電力消費に対する熱放散の比率と定義される。フィン付きプレートの2mm下に配置されている15mmオリフィスを備えたシンセティックジェットを使用するフィンに基づく配置に対する一連の複数のジェット試験に関して、これらの結果が得られた。これらの配置では、3つのジェットから4つのジェットに交換することにより、COPは49から47へ若干減少した。しかし、4つのジェットから5つのジェットに交換することにより、COPは47から42へ減少した。有利なことに、4つのジェットを使用することにより、性能係数47で自然対流全体に亙って300%の増強が達成された。
【0043】
本明細書において本発明のある特徴のみを例証し記載したが、多数の修正および変更が当業者に思い付くであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲に入るそのような修正および変更の全てを包含するものとされることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0044】
2 単一オリフィスシンセティックジェット
4 取付け手段、cクリップホルダ、eクリップホルダ
5 (eクリップホルダの)屈曲部
6 フレキシブルコネクタ、可撓性部分
7 ボルト
8 スロット
9 フレーム
10 シャーシ
11 ロッド
12 (シャーシ)側壁
13 ロッド/ボルト
14 フィン、プレートフィン
15、16 (アレイ状のフィンの)側部
20 部分的密閉パッケージ
21 陥凹領域
22 (部分的密閉パッケージの)第1の部分
23、26 開口部
24 (部分的密閉パッケージの)第2の部分
25、27、29、31 穴部
28 ガスケット
30 シンセティックジェット組立体、マルチオリフィスシンセティックジェット
32 第1の可撓性構造
34 第2の可撓性構造
36 能動材料
38 コンプライアント壁
39 オリフィス
40 シンセティックジェット駆動部
42 下側壁
44 プレート
44a 第1のプレート
44b 第2のプレート
46 (プレートの)屈曲部
70 チャンバ
L 開口長さ
d 距離、間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散型ジェット冷却を備えたシャーシ(10)であって、
容積内に配置されている1つまたは複数の発熱部品を実質的に取り囲むように構成されている、前記容積を画定している1つまたは複数の側壁(12)と、
前記1つまたは複数の側壁のうちのそれぞれの1つに熱的に結合されている少なくとも1つのアレイ状のフィン(14)と、
前記少なくとも1つのアレイ状のフィンのうちのそれぞれの1つの側部(15、16)に配設されているマルチオリフィスシンセティックジェット(30)または複数の単一オリフィスシンセティックジェット(2)を含む少なくとも1つのシンセティックジェット組立体(30)と、
前記少なくとも1つのシンセティックジェット組立体のうちのそれぞれの1つを前記1つまたは複数の側壁のうちのそれぞれの1つに取り付けるための少なくとも1つの取付け手段(4、6、9、11、20、44)と
を備える、シャーシ(10)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのシンセティックジェット組立体(30)が、複数の単一オリフィスシンセティックジェット(2)を含み、前記側壁(12)の少なくとも1つが、前記アレイ状のフィン(14)の前記側部(15、16)の少なくとも1つに配設されている複数のスロット(8)を含み、前記少なくとも1つの取付け手段が、前記スロットのうちのそれぞれの1つ内に挿入するように、かつそれぞれの前記単一オリフィスシンセティックジェットを前記スロットに固定するように構成されている、請求項1記載のシャーシ(10)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのシンセティックジェット組立体(30)が、複数の単一オリフィスシンセティックジェット(2)を含み、前記少なくとも1つの取付け手段が、複数のクリップ(4)を含み、各前記クリップが屈曲部(5)を有し、各前記単一オリフィスシンセティックジェットが、前記クリップのうちのそれぞれの1つに取り付けられており、各前記クリップの前記屈曲部が、前記1つまたは複数の側壁(12)のうちのそれぞれの1つに固定されている、請求項1記載のシャーシ(10)。
【請求項4】
前記少なくとも1つのシンセティックジェット組立体(30)が、複数の単一オリフィスシンセティックジェット(2)を含み、前記少なくとも1つの取付け手段が、複数の可撓性部分(6)を含み、各前記単一オリフィスシンセティックジェットに少なくとも1つの可撓性部分が取り付けられており、各前記可撓性部分が、前記1つまたは複数の側壁(12)のうちのそれぞれの1つに固定されており、前記単一オリフィスシンセティックジェット(2)の少なくとも1つが、前記フィン(14)に対してある角度で配置されている、請求項1記載のシャーシ(10)。
【請求項5】
前記少なくとも1つのシンセティックジェット組立体(30)が、複数の単一オリフィスシンセティックジェット(2)を含み、前記取付け手段が、フレーム(9)と、前記フレームに取り付けられておりかつそれから延在している複数のロッド(11)とを含み、各前記単一オリフィスシンセティックジェットが、前記ロッドの2つの隣接するロッドに取り付けられており、前記取付け手段が、複数の可撓性部分(6)をさらに含み、各前記単一オリフィスシンセティックジェットに少なくとも2つの可撓性部分が取り付けられており、前記単一オリフィスシンセティックジェットが、前記可撓性部分により前記ロッド(11)に取り付けられている、請求項1記載のシャーシ(10)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのシンセティックジェット組立体(30)が、複数の単一オリフィスシンセティックジェット(2)を含み、前記取付け手段が、部分的密閉パッケージ(20)を含み、各前記単一オリフィスシンセティックジェットが、前記部分的密閉パッケージの内部に配設されており、
前記部分的密閉パッケージ(20)が、第1の部分(22)と第2の部分(24)とを含み、前記第1の部分が、前記単一オリフィスシンセティックジェット(2)のうちのそれぞれの1つを受容するように構成されている複数の開口部(26)を画定しており、前記第2の部分が、前記第1の部分に取り付けられて前記開口部を覆い、
前記部分的密閉パッケージ(20)が、複数のガスケット(28)をさらに含み、各前記ガスケットが、前記開口部のうちのそれぞれの1つに配設されておりかつ前記単一オリフィスシンセティックジェット(2)のうちのそれぞれの1つを収容し、前記部分的密閉パッケージが、前記側壁(12)のうちのそれぞれの1つに取り付けられている、請求項1記載のシャーシ(10)。
【請求項7】
前記側壁(12)の下側壁(42)が、アレイ状のフィンを有しておらず、前記取付け手段が、前記下側壁に取り付けられている少なくとも1つのプレート(44)を含み、前記単一オリフィスシンセティックジェット(2)の少なくとも1つが、前記プレートに取り付けられておりかつジェットを外側へ方向付けるように配置されており、前記プレートが、前記側壁の隣接する1つ上の前記アレイ状のフィンに当たるように前記シャーシの隅部を曲がる前記ジェットを誘導するための少なくとも1つの屈曲部を有し、
前記取付け手段が、前記下側壁に取り付けられている少なくとも1つのプレート(44)を含み、前記単一オリフィスシンセティックジェット(2)の少なくとも2つが、前記プレートに取り付けられておりかつそれぞれの前記ジェットを反対方向に外側へ方向付けるように配置されており、前記プレートが、前記側壁のうちのそれぞれの隣接する側壁上の前記アレイ状のフィンに当たるように前記シャーシのそれぞれの前記隅部を曲がる前記ジェットのうちのそれぞれの1つを誘導するための2つの屈曲部を有する、請求項1記載のシャーシ(10)。
【請求項8】
前記側壁(12)の下側壁(42)が、アレイ状のフィンを有しておらず、前記取付け手段が、前記下側壁に取り付けられている少なくとも1つのプレート(44)を含み、前記単一オリフィスシンセティックジェット(2)の少なくとも1つが、前記プレートに取り付けられておりかつジェットを外側へ方向付けるように配置されており、前記プレートが、前記側壁の隣接する1つ上の前記アレイ状のフィンに当たるように前記シャーシの隅部を曲がる前記ジェットを誘導するための少なくとも1つの屈曲部を有し、
前記取付け手段が、前記下側壁に取り付けられている第1のプレート(44a)と第2のプレート(44b)とを含み、前記単一オリフィスシンセティックジェット(2)の少なくとも1つが、前記第1のプレートに取り付けられておりかつ前記ジェットを第1の方向に外側へ方向付けるように配置されており、前記単一オリフィスシンセティックジェット(2)の少なくとも1つが、前記第2のプレートに取り付けられておりかつ前記ジェットを第2の方向に外側へ方向付けるように配置されており、各前記第1のプレートおよび前記第2のプレートが、前記側壁のうちのそれぞれの隣接する側壁上の前記アレイ状のフィンに当たるように前記シャーシのそれぞれの前記隅部を曲がるそれぞれの前記ジェットを誘導するための屈曲部を有する、請求項1記載のシャーシ(10)。
【請求項9】
各前記マルチオリフィスシンセティックジェットが、
第1の可撓性構造(32)と、
第2の可撓性構造(34)と、
前記第1の可撓性構造および前記第2の可撓性構造のうちの少なくとも1つに結合されている少なくとも1つの能動材料(36)と、
前記第1の可撓性構造と前記第2の可撓性構造との間に配置されておりかつチャンバを画定しているコンプライアント壁(38)であって、前記チャンバと前記フィンの周囲空気との間の流体連通を容易にするための複数のオリフィス(39)を画定しているコンプライアント壁(38)と
を含む、請求項1記載のシャーシ(10)。
【請求項10】
分散型ジェット冷却を備えたシャーシ(10)であって、
容積内に配置されている1つまたは複数の発熱部品を実質的に取り囲むように構成されている、前記容積を画定している1つまたは複数の側壁(12)と、
前記1つまたは複数の側壁のうちのそれぞれの1つに熱的に結合されている少なくとも1つのアレイ状のフィン(14)と、
前記少なくとも1つのアレイ状のフィンのうちのそれぞれの1つの側部(15、16)に配設されている複数の単一オリフィスシンセティックジェット(2)を含む少なくとも1つのシンセティックジェット組立体(30)であり、各前記単一オリフィスシンセティックジェットが、前記フィンのうちのそれぞれの1つの端部でジェットを方向付けるように構成されている、少なくとも1つのシンセティックジェット組立体(30)とを含み、
各前記単一オリフィスジェットが、1つのオリフィスを含み、前記オリフィスの少なくとも一部が、約3ミリメートル(mm)から約17mmの範囲の開口長さLを有し、前記オリフィスのうちのそれぞれの1つと前記フィンの前記それぞれの端部との間の距離dが、約1ミリメートル(mm)から約7mmの範囲である、シャーシ(10)。
【請求項11】
前記オリフィスの少なくとも一部が、約8mmから約17mmのまでの範囲の開口長さLを有し、前記距離dが、約1ミリメートル(mm)から約3mmの範囲である、請求項10記載のシャーシ(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A−C】
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【図10A−B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−228700(P2011−228700A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84147(P2011−84147)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】