分析作業時間収集方法およびシステム
【課題】複数の分析業務を同時に実施する分析システムで、個々の分析に要した作業時間を把握し、作業実績の管理を容易にする。
【解決手段】複数の分析作業場所で複数の分析作業を並行して行なう場合に、作業時間実績収集装置1は作業項目毎の作業時間の実績を収集する。作業内容解析処理部21は、分析作業場所に対応して設置されるデータ収集装置2を識別する作業場所情報と、分析作業を実施する作業者を識別する作業者識別情報と、分析作業に用いる検体を識別する検体識別情報を取り込み、検体情報DB及び作業場所情報DBを検索して、受信データと同一の分析作業項目を解析する。作業時間集計処理部22は分析作業項目ごとの作業時間を集計する。
【解決手段】複数の分析作業場所で複数の分析作業を並行して行なう場合に、作業時間実績収集装置1は作業項目毎の作業時間の実績を収集する。作業内容解析処理部21は、分析作業場所に対応して設置されるデータ収集装置2を識別する作業場所情報と、分析作業を実施する作業者を識別する作業者識別情報と、分析作業に用いる検体を識別する検体識別情報を取り込み、検体情報DB及び作業場所情報DBを検索して、受信データと同一の分析作業項目を解析する。作業時間集計処理部22は分析作業項目ごとの作業時間を集計する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境測定の業務における分析作業(例えば、水質分析、大気分析、土壌分析など)の分析作業時間を把握する分析作業実績時間収集方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水質分析などを実施する環境測定の業務では、複数の検体に関する分析作業をまとめて作業することにより業務効率の向上を図っている。各検体に関する分析作業時間を入力する際には、例えば10個の検体をまとめて作業した際に要した時間を検体数10で割ることにより、各検体に関する作業実績時間としていた。
【0003】
また、特許文献1に開示されているように、分析システムにネットワークを介して情報端末を接続し、分析システムの精度、費用、在庫、運用などの管理を行なう提案もある。情報端末は分析装置の分析項目毎のテスト数とデータや稼働時間等を受信し、分析項目毎に集計して運用効率を最大に保つようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−279583公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、環境測定の業務における分析作業は1検体に対し複数の分析作業を同時並行に進めることが多く、複数並行に進められる分析作業において作業者ごと、作業項目ごとの作業実績時間の把握が困難であった。
【0006】
また、分析作業はその内容により作業時間が異なるため、分析作業の内容が異なる検体に関し作業を行なう場合には、上述のように単純に検体数で割った作業実績時間ではその精度に問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点に鑑み、複数の検体を同時に分析作業を行なう作業時間の実績を自動で収集する分析作業時間収集方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、各分析作業場所のデータ収集装置を介して受信データを入力し、複数の分析作業の作業時間を収集する分析作業時間収集方法において、前記受信データが、前記データ収集装置を識別する作業場所情報のみの場合は作業者が分析作業を終了したと判定し、前記作業場所情報と分析作業を実施する作業者を識別する作業者情報の場合は作業者が分析作業を開始したと判定し、
前記受信データが、前記作業場所情報、前記作業者情報及び分析作業に用いる検体を識別する検体情報を含む場合は、予め記憶されている、作業場所と分析作業項目が対応付けられている作業場所情報DB及び検体名と分析作業項目が対応付けられている検体情報DBから、前記受信データの作業場所情報、検体情報と一致する作業場所情報及び検体情報の分析作業項目をそれぞれ検索し、さらに両者の分析作業項目の中から共通する分析作業項目を抽出し、
当該分析作業における前記抽出された分析作業項目、当該検体情報、当該作業者情報、及び前記分析作業の終了と開始の判定時刻に基づいて作業時間を収集することを特徴とする。
【0009】
本発明の分析作業時間収集システムは、複数の分析作業場所で複数の分析作業を行なう作業者の作業時間の実績を、作業項目毎に収集する分析作業実績時間収集装置と、任意の分析作業場所に対応して設置されるデータ収集装置を備え、
前記データ収集装置から前記分析作業実績時間収集装置に、前記データ収集装置を識別する作業場所情報と、分析作業を実施する作業者を識別する作業者情報と、分析作業に用いる検体を識別する検体情報の各データを伝送する通信機能を備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記分析作業実績時間収集装置は、前記データを受信するデータ受信処理部を有する通信装置と、前記作業場所情報から分析作業項目を読み取る作業内容解析処理部及び作業内容毎の作業時間を集計する作業時間集計処理部とを有する処理装置と、分析作業に用いる検体に関する情報、分析作業を実施する作業者の情報、分析作業における作業項目に関する情報及び分析作業を実施する分析作業場所の情報を予め記憶し、かつ分析作業の作業時間の実績に関する情報を記憶する記憶装置と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記データ収集装置は、分析作業場所に対応して設置されるデータ収集装置を識別する作業場所情報を記憶する記憶装置と、前記作業者情報を格納したICカードより作業者情報を読み取るICカード読取処理部及び分析作業に用いる検体を識別する検体番号が示されたバーコードより検体情報を読み取るバーコード読取処理部を有するデータ読取装置と、前記作業場所情報と前記作業者情報及び前記検体情報を取り込むデータ取り込処理部を有する処理装置と、前記データ取り込処理部にて取り込まれたデータを送信するデータ送信処理部を有する通信装置と、を備えることを特徴とする。
【0012】
更に、前記分析作業実績時間収集装置の記憶装置に予め作業者ごとの作業時間単価情報を記憶し、前記作業時間集計処理部にて得られる作業者単位の作業時間の実績情報と当該作業者の作業時間単価情報を入力して作業者ごとの作業原価を計算する原価計算処理部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の分析業務を同時に実施する場合においても、検体ごとの作業実績時間の把握が可能となるので、作業実績時間の管理の向上に寄与できる効果がある。かつ、作業実績の入力を行なう手間が省かれる。また、管理者にとっては、作業実績の原価管理が容易になるので、密度の高い見積作成が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の最良の実施形態について図1〜図14を参照して説明する。
【0015】
図1は、本実施形態の分析作業時間収集システムの構成を示す。本分析作業時間収集システムは作業実績時間収集装置1と複数のデータ収集装置2からなる。
【0016】
作業実績時間収集装置1は特徴部分として、通信装置30におけるデータ受信処理部31と、処理装置20における作業内容解析処理部21と、作業時間集計処理部22を有している。記憶装置10は検体情報DB11、作業者情報DB12、作業項目情報DB13、作業場所情報DB14及び作業時間情報DB15を有している。
【0017】
データ受信処理部31は通信装置30で受信した分析作業場所を示す作業場所IDと、当該分析作業場所において分析作業を実施する作業者を示す作業者IDと、分析作業に用いる検体を示す検体IDを各分析作業場所のデータ収集装置2から受信する。作業内容解析処理部21はデータ受信処理部31で受信した作業者ID、作業場所ID及び検体IDと、記憶装置10に記憶してある各種情報DBとを比較し、検体毎の分析作業項目を解析する。作業時間集計処理部22は作業内容解析処理部21で解析した分析作業項目毎に、作業者毎の検体に要した作業時間を集計する。
【0018】
作業実績時間収集装置1をデータ受信処理部31、作業内容解析処理部21及び作業時間集計処理部22として機能させる為のプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録され磁気ディスク等に格納された後、メモリにロードされて処理装置20で実行される。なお、プログラムを記録する媒体はCD−ROM以外の媒体でも良い。
【0019】
図2はデータ収集装置の概略構成を示す。データ収集装置2は分析作業の作業場所ごとに設置されており、記憶装置50、通信装置60、処理装置70及びデータ読取装置80を有している。
【0020】
記憶装置50は、分析作業場所を示す作業場所情報51を有しており、当該作業場所情報には分析作業場所毎に個別の作業場所ID52を記憶する。
通信装置60は、データ送信処理部61を有しており、データ読取装置80にて読み込まれた作業者ID及び検体IDとデータ取り込処理部71で取り込まれた作業場所IDを、作業実績時間収集装置1へ送信する。
【0021】
処理装置70は、データ取り込処理部71を有しており、データ読取装置80より作業者IDや検体IDが読み込まれた際に、記憶装置50より分析作業場所を示す作業場所ID52を取り込む処理を実施する。
データ読取装置80はICカード読取処理部81とバーコード読取処理部82を有している。ICカード読取処理部81は、分析作業者を示す作業者IDが記憶されているICカードより、当該作業者IDを読み込む処理を行なう。バーコード読取処理部82は、分析作業に用いる検体を示す検体IDが打ち込まれたバーコードより、当該検体IDを読み込む処理を行なう。バーコード読取装置82は、ICカード読取装置、無線タグ装置などの読取装置によっても良い。
【0022】
図3は検体情報DBの概略構成を示す。検体情報DB11は、分析作業に用いる個々の検体と分析作業項目を表したDBである。分析作業に用いる検体を示す検体IDを格納する検体ID欄111と、検体を採取した場所を示す検体名を格納する検体名欄112と、当該検体がどのような分析作業項目を実施するかの分析作業項目を格納する分析作業項目欄113を有している。
【0023】
図4は作業者情報DBの概略構成を示す。作業者情報DB12は、分析作業を実施する作業者を表したDBであり、分析作業を実施する作業者を示す作業者の作業者IDを格納する作業者ID欄121と、当該作業者IDの作業者名を格納する作業者名欄122を有している。
【0024】
図5は作業項目情報DBの概略構成を示す。作業項目情報DB13は、分析作業項目における個々の作業における重み付けをした負荷係数を表したDBである。分析作業項目を格納する分析作業項目欄131と、分析作業項目における分析作業毎の重み付けを示す負荷係数を格納する作業負荷係数欄132を有している。作業負荷係数は、分析作業に掛かる時間が分析作業項目毎に異なる事に対応し、分析作業項目ごとに重み付けをすることにより、各分析作業時間をより正確に推定するための値である。
【0025】
図6は作業場所情報DBの概略構成を示す。作業場所情報DB14は、分析作業場所において実施可能な分析作業項目を表したDBである。分析作業場所を示す作業場所IDを格納する作業場所ID欄141と、当該作業場所IDに対応する作業場所名を示す作業場所を格納する作業場所欄142と、分析作業場所にて実施可能な分析作業項目を示す分析作業項目を格納する分析作業項目欄143を有している。
【0026】
図7は作業時間情報DBの構成を示す。作業時間情報DB15は、作業時間集計処理において算出した作業時間の実績を格納するDBである。分析作業に用いた検体を示す検体IDを格納する検体ID欄151と、当該分析作業の内容を示す作業項目を格納する分析作業項目欄152と、当該分析作業を実施した作業者を示す作業者IDを格納する作業者ID欄153と、当該分析作業において分析作業に要した作業時間を格納する作業時間欄154を有している。
【0027】
次に、分析作業における作業者IDの読み取りの方法について説明する。図8は、本実施形態のデータ収集装置2から作業実績時間収集装置1へ分析作業者を示す作業者IDを送信するイメージを示している。
【0028】
図4に示すように、分析作業を実施する作業者には作業者IDが与えられており、当該作業者IDはICカード7に記憶されている。作業を実施する作業者はICカード7を携帯し、分析作業を始める際に分析作業場所毎に設置されているデータ収集装置2のICカード読取装置6へICカード7を装着する。データ収集装置2は、ICカード7が装着されるとICカード7の作業者IDを読み取り、作業場所毎にデータ収集装置2に割り振られている作業場所を示す作業場所IDと共に、通信回線5を介して作業実績時間収集装置1へ伝送される。
【0029】
一方、分析作業を終了する際に、作業者は分析作業場所毎に設置されているデータ収集装置2のICカード読取装置6より装着済みのICカード7を抜き出す。ICカード7が抜き出された際に、データ収集装置2は作業場所毎に割り振られている作業場所を示す作業場所IDを通信回線5を介して作業実績時間収集装置1へ伝送する。
【0030】
次に、分析作業における検体IDの読み取りの流れについて説明する。図9は、本実施形態のデータ収集装置2から作業実績時間収集装置1へ分析作業に用いる検体を示す検体IDを送信するイメージを示す。
【0031】
図3に示すように、分析作業に用いる検体には個別に検体IDが与えられており、当該検体IDはバーコード9として印刷され、検体1つ1つに装着されている。分析作業を始める際に、作業者は分析作業場所毎に設置されているデータ収集装置2のバーコード読取装置8により検体からバーコード9を読み取る。バーコード情報が読み取られると、データ収集装置2はバーコード化された検体IDを、作業場所毎に割り振られている作業場所を示す作業場所IDと共に、通信回線5を介して作業実績時間収集装置1へ伝送する。なお、検体IDはバーコードによらず、他の記号等によっても良い。
【0032】
通信回線5を介して作業実績時間収集装置1にて受信されたデータは、処理装置20の作業内容解析処理部21にて処理される。ここで、作業実績時間収集装置1にて受信したデータは作業場所ID、検体ID、作業者IDである。
【0033】
次に、作業実績時間収集装置内における作業内容解析処理の流れを説明する。図10は作業内容解析処理部における中間情報DBを示し、作業内容解析における各種IDや作業者の分析作業時刻を格納しておくための内部処理用の中間情報DB16である。
【0034】
中間情報DBは、作業者IDを格納する作業者ID欄161と、作業場所IDを格納する作業場所ID欄162と、作業者が分析作業を開始した時刻を格納する作業開始時刻欄163と、終了した時刻を格納する作業終了時刻欄164と、検体IDを格納する検体ID欄165を有している。
【0035】
図11は、本実施形態の作業内容解析処理部の処理手順を示すフローチャートである。まず、作業内容解析処理部21は通信装置30がデータ収集装置2より受信したデータを解読し(ステップ200)、解読したデータ内容が作業場所IDのみかをチェックする(ステップ210)。収集装置2より受信したデータが作業場所IDのみの場合は、作業者が分析作業を終了したことを示しているので、作業内容解析処理を終了する(ステップ220)。
【0036】
解読したデータが作業場所IDのみでない場合は、データに検体IDが含まれるかどうかをチェックする(ステップ230)。受信データに検体IDが含まれていない場合は、中間情報DB16の作業者ID欄161、作業場所ID欄162に書き込む(ステップ260)。
【0037】
このとき、作業時間実績収集装置1の時刻(たとえば、処理装置20のクロック)を作業者の分析作業開始時刻として、中間情報DB16の作業開始時刻欄163に書き込み(ステップ270)、作業内容解析処理部を終了する。
【0038】
ステップ230で、データに検体IDが含まれる場合は、中間情報DB16の作業場所ID欄162より受信データの作業場所IDと一致するデータを検索する(ステップ240)。そして、作業場所IDが一致した中間情報DB16の検体ID欄165へ、受信データの検体IDを書き込む(ステップ250)。
【0039】
次に、作業場所情報DB14を読み込み(ステップ280)、受信データの作業場所IDと同一の作業場所IDを検索し(ステップ290)、同一の作業場所ID欄141における分析作業項目欄143より分析作業項目を抽出する(ステップ300)。
【0040】
次に、検体情報DB11を読み込み(ステップ310)、受信データの検体IDと同一の検体IDを検索し(ステップ320)、同一の検体ID欄111における分析作業項目欄113より分析作業項目を抽出する(ステップ330)。
【0041】
次に、ステップ300とステップ330の分析作業項目を比較し、当該作業場所における同一検体の作業項目として共通する分析作業項目を抽出する(ステップ340)。最後に、抽出結果の作業項目と検体IDを作業時間情報DBにセットする(ステップ350)。
【0042】
次に、作業実績時間収集装置1における作業時間集計処理部22の処理を説明する。図12は本実施形態における作業時間集計処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【0043】
まず、分析作業の作業者が作業終了したかどうかを判定するため、通信装置30がデータ収集装置2より受信したデータをチェックする(ステップ400)。受信したデータが作業場所IDと検体IDであれば分析作業は継続中である。このため、作業時間集計処理は実施せず、中間情報DB16の検体ID欄164へ検体IDを書き込む処理を繰り返す。一方、通信装置30がデータ収集装置2より受信したデータが作業場所IDのみの場合は、作業集計処理を実施する。
【0044】
作業時間集計処理では中間情報DB16を読み込み、その作業場所ID欄162より、直近に受信した作業場所IDが一致するデータを検索する(ステップ405)。
【0045】
次に、作業実績時間収集装置1の時刻を読み込み(ステップ410)、この読み込んだ時刻を作業終了時間(Te)とし、作業場所IDが一致するデータにおける中間情報DB16の作業終了時刻欄164に記憶する。そして、中間情報DB16の作業開始時刻欄163に記憶されている作業開始時刻(Ts)と中間情報DB16の作業終了時刻欄164に記憶されている作業終了時間(Te)より、作業場所における作業者の総作業時間(Te−Ts)を算出する(ステップ420)。
【0046】
次に、予め記憶してある作業項目情報DB13を読み込み(ステップ430)、作業時間の実績を算出する(ステップ440)。ここで、作業場所における検体IDをiとし、作業場所における分析作業項目をjとした場合、個々の検体における作業実績時間(Tij)は式(1)にて算出する。
【0047】
【数1】
【0048】
このとき、作業負荷係数(Sij)は分析作業項目に対する作業項目情報DB13より読み込みを行なう。
【0049】
次に、検体毎の作業項目に対する作業実績時間を作業時間情報DB15にセットする(ステップ450)。以上の処理により作業時間の実績収集が可能となる。
【0050】
図13は、本実施形態より原価管理を行なうシステムの概略構成を示す。図1のシステム構成に作業者単価情報DB15と原価計算処理部23を追加した構成である。
【0051】
図14は作業者単価情報DBの構成を示す。作業者単価情報DB17は、分析作業者の作業時間単価を表したDBであり、分析作業者を示す作業者IDを格納する作業者ID欄171と、当該作業者IDの作業者名を格納する作業者名欄172と、作業者に対応する作業時間単価を格納する作業時間単価欄173を有している。
【0052】
図13における原価計算処理部23においては、作業内容解析処理部21にて算出した作業者ごとの作業実績時間と、作業者単価情報17の作業時間単価情報より、作業者ごとの作業原価を計算する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】一実施例による分析作業実績時間収集システムの構成を示すブロック図。
【図2】一実施例によるデータ収集装置の構成を示すブロック図。
【図3】検体情報DBの構成図。
【図4】作業者情報DBの構成図。
【図5】作業項目情報DBの構成図。
【図6】作業場所情報DBの構成図。
【図7】作業時間情報DBの構成図。
【図8】作業者IDを送信するイメージ図。
【図9】検体IDを送信するイメージ図。
【図10】作業内容解析処理部の内部処理による中間情報DBの構成図。
【図11】作業内容解析処理部の処理手順を示すフローチャート。
【図12】作業内容集計処理部の処理手順を示すフローチャート。
【図13】一実施例による原価管理を行なうシステムの構成を示すブロック図。
【図14】作業者単価情報DBの構成図。
【符号の説明】
【0054】
1…作業時間実績収集装置、2…データ収集装置、5…通信回線、6…ICカード読取装置、7…ICカード、8…バーコード読取装置、9…バーコード、10…記憶装置、11…検体情報DB、12…作業者情報DB、13…作業項目情報DB、14…作業場所情報DB、15…作業時間情報DB、16…中間情報DB、17…作業者単価情報DB、20…処理装置、21…作業内容解析処理部、22…作業時間集計処理部、23…原価計算処理部、30…通信装置、31…データ受信処理部、50…記憶装置、51…作業場所情報、52…作業場所ID、60…通信装置、61…データ送信処理部、70…処理装置、71…データ取り込処理部、80…データ読取装置、81…ICカード読取処理部、82…バーコード読取処理部、111…検体ID欄、112…検体名欄、113…分析作業項目欄、121…作業者ID欄、122…作業者名欄、131…分析作業項目欄、132…作業負荷係数欄、141…作業場所ID欄、142…作業場所欄、143…分析作業項目欄、151…検体ID欄、152…分析作業項目欄、153…作業者ID欄、154…作業時間欄、161…作業者ID欄、162…作業場所ID欄、163…作業開始時刻欄、164…作業終了時刻欄、165…検体ID欄、171…作業者ID欄、172…作業者名欄、173…作業時間単価欄。
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境測定の業務における分析作業(例えば、水質分析、大気分析、土壌分析など)の分析作業時間を把握する分析作業実績時間収集方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水質分析などを実施する環境測定の業務では、複数の検体に関する分析作業をまとめて作業することにより業務効率の向上を図っている。各検体に関する分析作業時間を入力する際には、例えば10個の検体をまとめて作業した際に要した時間を検体数10で割ることにより、各検体に関する作業実績時間としていた。
【0003】
また、特許文献1に開示されているように、分析システムにネットワークを介して情報端末を接続し、分析システムの精度、費用、在庫、運用などの管理を行なう提案もある。情報端末は分析装置の分析項目毎のテスト数とデータや稼働時間等を受信し、分析項目毎に集計して運用効率を最大に保つようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−279583公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術では、環境測定の業務における分析作業は1検体に対し複数の分析作業を同時並行に進めることが多く、複数並行に進められる分析作業において作業者ごと、作業項目ごとの作業実績時間の把握が困難であった。
【0006】
また、分析作業はその内容により作業時間が異なるため、分析作業の内容が異なる検体に関し作業を行なう場合には、上述のように単純に検体数で割った作業実績時間ではその精度に問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点に鑑み、複数の検体を同時に分析作業を行なう作業時間の実績を自動で収集する分析作業時間収集方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、各分析作業場所のデータ収集装置を介して受信データを入力し、複数の分析作業の作業時間を収集する分析作業時間収集方法において、前記受信データが、前記データ収集装置を識別する作業場所情報のみの場合は作業者が分析作業を終了したと判定し、前記作業場所情報と分析作業を実施する作業者を識別する作業者情報の場合は作業者が分析作業を開始したと判定し、
前記受信データが、前記作業場所情報、前記作業者情報及び分析作業に用いる検体を識別する検体情報を含む場合は、予め記憶されている、作業場所と分析作業項目が対応付けられている作業場所情報DB及び検体名と分析作業項目が対応付けられている検体情報DBから、前記受信データの作業場所情報、検体情報と一致する作業場所情報及び検体情報の分析作業項目をそれぞれ検索し、さらに両者の分析作業項目の中から共通する分析作業項目を抽出し、
当該分析作業における前記抽出された分析作業項目、当該検体情報、当該作業者情報、及び前記分析作業の終了と開始の判定時刻に基づいて作業時間を収集することを特徴とする。
【0009】
本発明の分析作業時間収集システムは、複数の分析作業場所で複数の分析作業を行なう作業者の作業時間の実績を、作業項目毎に収集する分析作業実績時間収集装置と、任意の分析作業場所に対応して設置されるデータ収集装置を備え、
前記データ収集装置から前記分析作業実績時間収集装置に、前記データ収集装置を識別する作業場所情報と、分析作業を実施する作業者を識別する作業者情報と、分析作業に用いる検体を識別する検体情報の各データを伝送する通信機能を備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記分析作業実績時間収集装置は、前記データを受信するデータ受信処理部を有する通信装置と、前記作業場所情報から分析作業項目を読み取る作業内容解析処理部及び作業内容毎の作業時間を集計する作業時間集計処理部とを有する処理装置と、分析作業に用いる検体に関する情報、分析作業を実施する作業者の情報、分析作業における作業項目に関する情報及び分析作業を実施する分析作業場所の情報を予め記憶し、かつ分析作業の作業時間の実績に関する情報を記憶する記憶装置と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記データ収集装置は、分析作業場所に対応して設置されるデータ収集装置を識別する作業場所情報を記憶する記憶装置と、前記作業者情報を格納したICカードより作業者情報を読み取るICカード読取処理部及び分析作業に用いる検体を識別する検体番号が示されたバーコードより検体情報を読み取るバーコード読取処理部を有するデータ読取装置と、前記作業場所情報と前記作業者情報及び前記検体情報を取り込むデータ取り込処理部を有する処理装置と、前記データ取り込処理部にて取り込まれたデータを送信するデータ送信処理部を有する通信装置と、を備えることを特徴とする。
【0012】
更に、前記分析作業実績時間収集装置の記憶装置に予め作業者ごとの作業時間単価情報を記憶し、前記作業時間集計処理部にて得られる作業者単位の作業時間の実績情報と当該作業者の作業時間単価情報を入力して作業者ごとの作業原価を計算する原価計算処理部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の分析業務を同時に実施する場合においても、検体ごとの作業実績時間の把握が可能となるので、作業実績時間の管理の向上に寄与できる効果がある。かつ、作業実績の入力を行なう手間が省かれる。また、管理者にとっては、作業実績の原価管理が容易になるので、密度の高い見積作成が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の最良の実施形態について図1〜図14を参照して説明する。
【0015】
図1は、本実施形態の分析作業時間収集システムの構成を示す。本分析作業時間収集システムは作業実績時間収集装置1と複数のデータ収集装置2からなる。
【0016】
作業実績時間収集装置1は特徴部分として、通信装置30におけるデータ受信処理部31と、処理装置20における作業内容解析処理部21と、作業時間集計処理部22を有している。記憶装置10は検体情報DB11、作業者情報DB12、作業項目情報DB13、作業場所情報DB14及び作業時間情報DB15を有している。
【0017】
データ受信処理部31は通信装置30で受信した分析作業場所を示す作業場所IDと、当該分析作業場所において分析作業を実施する作業者を示す作業者IDと、分析作業に用いる検体を示す検体IDを各分析作業場所のデータ収集装置2から受信する。作業内容解析処理部21はデータ受信処理部31で受信した作業者ID、作業場所ID及び検体IDと、記憶装置10に記憶してある各種情報DBとを比較し、検体毎の分析作業項目を解析する。作業時間集計処理部22は作業内容解析処理部21で解析した分析作業項目毎に、作業者毎の検体に要した作業時間を集計する。
【0018】
作業実績時間収集装置1をデータ受信処理部31、作業内容解析処理部21及び作業時間集計処理部22として機能させる為のプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録され磁気ディスク等に格納された後、メモリにロードされて処理装置20で実行される。なお、プログラムを記録する媒体はCD−ROM以外の媒体でも良い。
【0019】
図2はデータ収集装置の概略構成を示す。データ収集装置2は分析作業の作業場所ごとに設置されており、記憶装置50、通信装置60、処理装置70及びデータ読取装置80を有している。
【0020】
記憶装置50は、分析作業場所を示す作業場所情報51を有しており、当該作業場所情報には分析作業場所毎に個別の作業場所ID52を記憶する。
通信装置60は、データ送信処理部61を有しており、データ読取装置80にて読み込まれた作業者ID及び検体IDとデータ取り込処理部71で取り込まれた作業場所IDを、作業実績時間収集装置1へ送信する。
【0021】
処理装置70は、データ取り込処理部71を有しており、データ読取装置80より作業者IDや検体IDが読み込まれた際に、記憶装置50より分析作業場所を示す作業場所ID52を取り込む処理を実施する。
データ読取装置80はICカード読取処理部81とバーコード読取処理部82を有している。ICカード読取処理部81は、分析作業者を示す作業者IDが記憶されているICカードより、当該作業者IDを読み込む処理を行なう。バーコード読取処理部82は、分析作業に用いる検体を示す検体IDが打ち込まれたバーコードより、当該検体IDを読み込む処理を行なう。バーコード読取装置82は、ICカード読取装置、無線タグ装置などの読取装置によっても良い。
【0022】
図3は検体情報DBの概略構成を示す。検体情報DB11は、分析作業に用いる個々の検体と分析作業項目を表したDBである。分析作業に用いる検体を示す検体IDを格納する検体ID欄111と、検体を採取した場所を示す検体名を格納する検体名欄112と、当該検体がどのような分析作業項目を実施するかの分析作業項目を格納する分析作業項目欄113を有している。
【0023】
図4は作業者情報DBの概略構成を示す。作業者情報DB12は、分析作業を実施する作業者を表したDBであり、分析作業を実施する作業者を示す作業者の作業者IDを格納する作業者ID欄121と、当該作業者IDの作業者名を格納する作業者名欄122を有している。
【0024】
図5は作業項目情報DBの概略構成を示す。作業項目情報DB13は、分析作業項目における個々の作業における重み付けをした負荷係数を表したDBである。分析作業項目を格納する分析作業項目欄131と、分析作業項目における分析作業毎の重み付けを示す負荷係数を格納する作業負荷係数欄132を有している。作業負荷係数は、分析作業に掛かる時間が分析作業項目毎に異なる事に対応し、分析作業項目ごとに重み付けをすることにより、各分析作業時間をより正確に推定するための値である。
【0025】
図6は作業場所情報DBの概略構成を示す。作業場所情報DB14は、分析作業場所において実施可能な分析作業項目を表したDBである。分析作業場所を示す作業場所IDを格納する作業場所ID欄141と、当該作業場所IDに対応する作業場所名を示す作業場所を格納する作業場所欄142と、分析作業場所にて実施可能な分析作業項目を示す分析作業項目を格納する分析作業項目欄143を有している。
【0026】
図7は作業時間情報DBの構成を示す。作業時間情報DB15は、作業時間集計処理において算出した作業時間の実績を格納するDBである。分析作業に用いた検体を示す検体IDを格納する検体ID欄151と、当該分析作業の内容を示す作業項目を格納する分析作業項目欄152と、当該分析作業を実施した作業者を示す作業者IDを格納する作業者ID欄153と、当該分析作業において分析作業に要した作業時間を格納する作業時間欄154を有している。
【0027】
次に、分析作業における作業者IDの読み取りの方法について説明する。図8は、本実施形態のデータ収集装置2から作業実績時間収集装置1へ分析作業者を示す作業者IDを送信するイメージを示している。
【0028】
図4に示すように、分析作業を実施する作業者には作業者IDが与えられており、当該作業者IDはICカード7に記憶されている。作業を実施する作業者はICカード7を携帯し、分析作業を始める際に分析作業場所毎に設置されているデータ収集装置2のICカード読取装置6へICカード7を装着する。データ収集装置2は、ICカード7が装着されるとICカード7の作業者IDを読み取り、作業場所毎にデータ収集装置2に割り振られている作業場所を示す作業場所IDと共に、通信回線5を介して作業実績時間収集装置1へ伝送される。
【0029】
一方、分析作業を終了する際に、作業者は分析作業場所毎に設置されているデータ収集装置2のICカード読取装置6より装着済みのICカード7を抜き出す。ICカード7が抜き出された際に、データ収集装置2は作業場所毎に割り振られている作業場所を示す作業場所IDを通信回線5を介して作業実績時間収集装置1へ伝送する。
【0030】
次に、分析作業における検体IDの読み取りの流れについて説明する。図9は、本実施形態のデータ収集装置2から作業実績時間収集装置1へ分析作業に用いる検体を示す検体IDを送信するイメージを示す。
【0031】
図3に示すように、分析作業に用いる検体には個別に検体IDが与えられており、当該検体IDはバーコード9として印刷され、検体1つ1つに装着されている。分析作業を始める際に、作業者は分析作業場所毎に設置されているデータ収集装置2のバーコード読取装置8により検体からバーコード9を読み取る。バーコード情報が読み取られると、データ収集装置2はバーコード化された検体IDを、作業場所毎に割り振られている作業場所を示す作業場所IDと共に、通信回線5を介して作業実績時間収集装置1へ伝送する。なお、検体IDはバーコードによらず、他の記号等によっても良い。
【0032】
通信回線5を介して作業実績時間収集装置1にて受信されたデータは、処理装置20の作業内容解析処理部21にて処理される。ここで、作業実績時間収集装置1にて受信したデータは作業場所ID、検体ID、作業者IDである。
【0033】
次に、作業実績時間収集装置内における作業内容解析処理の流れを説明する。図10は作業内容解析処理部における中間情報DBを示し、作業内容解析における各種IDや作業者の分析作業時刻を格納しておくための内部処理用の中間情報DB16である。
【0034】
中間情報DBは、作業者IDを格納する作業者ID欄161と、作業場所IDを格納する作業場所ID欄162と、作業者が分析作業を開始した時刻を格納する作業開始時刻欄163と、終了した時刻を格納する作業終了時刻欄164と、検体IDを格納する検体ID欄165を有している。
【0035】
図11は、本実施形態の作業内容解析処理部の処理手順を示すフローチャートである。まず、作業内容解析処理部21は通信装置30がデータ収集装置2より受信したデータを解読し(ステップ200)、解読したデータ内容が作業場所IDのみかをチェックする(ステップ210)。収集装置2より受信したデータが作業場所IDのみの場合は、作業者が分析作業を終了したことを示しているので、作業内容解析処理を終了する(ステップ220)。
【0036】
解読したデータが作業場所IDのみでない場合は、データに検体IDが含まれるかどうかをチェックする(ステップ230)。受信データに検体IDが含まれていない場合は、中間情報DB16の作業者ID欄161、作業場所ID欄162に書き込む(ステップ260)。
【0037】
このとき、作業時間実績収集装置1の時刻(たとえば、処理装置20のクロック)を作業者の分析作業開始時刻として、中間情報DB16の作業開始時刻欄163に書き込み(ステップ270)、作業内容解析処理部を終了する。
【0038】
ステップ230で、データに検体IDが含まれる場合は、中間情報DB16の作業場所ID欄162より受信データの作業場所IDと一致するデータを検索する(ステップ240)。そして、作業場所IDが一致した中間情報DB16の検体ID欄165へ、受信データの検体IDを書き込む(ステップ250)。
【0039】
次に、作業場所情報DB14を読み込み(ステップ280)、受信データの作業場所IDと同一の作業場所IDを検索し(ステップ290)、同一の作業場所ID欄141における分析作業項目欄143より分析作業項目を抽出する(ステップ300)。
【0040】
次に、検体情報DB11を読み込み(ステップ310)、受信データの検体IDと同一の検体IDを検索し(ステップ320)、同一の検体ID欄111における分析作業項目欄113より分析作業項目を抽出する(ステップ330)。
【0041】
次に、ステップ300とステップ330の分析作業項目を比較し、当該作業場所における同一検体の作業項目として共通する分析作業項目を抽出する(ステップ340)。最後に、抽出結果の作業項目と検体IDを作業時間情報DBにセットする(ステップ350)。
【0042】
次に、作業実績時間収集装置1における作業時間集計処理部22の処理を説明する。図12は本実施形態における作業時間集計処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【0043】
まず、分析作業の作業者が作業終了したかどうかを判定するため、通信装置30がデータ収集装置2より受信したデータをチェックする(ステップ400)。受信したデータが作業場所IDと検体IDであれば分析作業は継続中である。このため、作業時間集計処理は実施せず、中間情報DB16の検体ID欄164へ検体IDを書き込む処理を繰り返す。一方、通信装置30がデータ収集装置2より受信したデータが作業場所IDのみの場合は、作業集計処理を実施する。
【0044】
作業時間集計処理では中間情報DB16を読み込み、その作業場所ID欄162より、直近に受信した作業場所IDが一致するデータを検索する(ステップ405)。
【0045】
次に、作業実績時間収集装置1の時刻を読み込み(ステップ410)、この読み込んだ時刻を作業終了時間(Te)とし、作業場所IDが一致するデータにおける中間情報DB16の作業終了時刻欄164に記憶する。そして、中間情報DB16の作業開始時刻欄163に記憶されている作業開始時刻(Ts)と中間情報DB16の作業終了時刻欄164に記憶されている作業終了時間(Te)より、作業場所における作業者の総作業時間(Te−Ts)を算出する(ステップ420)。
【0046】
次に、予め記憶してある作業項目情報DB13を読み込み(ステップ430)、作業時間の実績を算出する(ステップ440)。ここで、作業場所における検体IDをiとし、作業場所における分析作業項目をjとした場合、個々の検体における作業実績時間(Tij)は式(1)にて算出する。
【0047】
【数1】
【0048】
このとき、作業負荷係数(Sij)は分析作業項目に対する作業項目情報DB13より読み込みを行なう。
【0049】
次に、検体毎の作業項目に対する作業実績時間を作業時間情報DB15にセットする(ステップ450)。以上の処理により作業時間の実績収集が可能となる。
【0050】
図13は、本実施形態より原価管理を行なうシステムの概略構成を示す。図1のシステム構成に作業者単価情報DB15と原価計算処理部23を追加した構成である。
【0051】
図14は作業者単価情報DBの構成を示す。作業者単価情報DB17は、分析作業者の作業時間単価を表したDBであり、分析作業者を示す作業者IDを格納する作業者ID欄171と、当該作業者IDの作業者名を格納する作業者名欄172と、作業者に対応する作業時間単価を格納する作業時間単価欄173を有している。
【0052】
図13における原価計算処理部23においては、作業内容解析処理部21にて算出した作業者ごとの作業実績時間と、作業者単価情報17の作業時間単価情報より、作業者ごとの作業原価を計算する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】一実施例による分析作業実績時間収集システムの構成を示すブロック図。
【図2】一実施例によるデータ収集装置の構成を示すブロック図。
【図3】検体情報DBの構成図。
【図4】作業者情報DBの構成図。
【図5】作業項目情報DBの構成図。
【図6】作業場所情報DBの構成図。
【図7】作業時間情報DBの構成図。
【図8】作業者IDを送信するイメージ図。
【図9】検体IDを送信するイメージ図。
【図10】作業内容解析処理部の内部処理による中間情報DBの構成図。
【図11】作業内容解析処理部の処理手順を示すフローチャート。
【図12】作業内容集計処理部の処理手順を示すフローチャート。
【図13】一実施例による原価管理を行なうシステムの構成を示すブロック図。
【図14】作業者単価情報DBの構成図。
【符号の説明】
【0054】
1…作業時間実績収集装置、2…データ収集装置、5…通信回線、6…ICカード読取装置、7…ICカード、8…バーコード読取装置、9…バーコード、10…記憶装置、11…検体情報DB、12…作業者情報DB、13…作業項目情報DB、14…作業場所情報DB、15…作業時間情報DB、16…中間情報DB、17…作業者単価情報DB、20…処理装置、21…作業内容解析処理部、22…作業時間集計処理部、23…原価計算処理部、30…通信装置、31…データ受信処理部、50…記憶装置、51…作業場所情報、52…作業場所ID、60…通信装置、61…データ送信処理部、70…処理装置、71…データ取り込処理部、80…データ読取装置、81…ICカード読取処理部、82…バーコード読取処理部、111…検体ID欄、112…検体名欄、113…分析作業項目欄、121…作業者ID欄、122…作業者名欄、131…分析作業項目欄、132…作業負荷係数欄、141…作業場所ID欄、142…作業場所欄、143…分析作業項目欄、151…検体ID欄、152…分析作業項目欄、153…作業者ID欄、154…作業時間欄、161…作業者ID欄、162…作業場所ID欄、163…作業開始時刻欄、164…作業終了時刻欄、165…検体ID欄、171…作業者ID欄、172…作業者名欄、173…作業時間単価欄。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析作業場所ごとのデータ収集装置を介して受信データを入力し、複数の分析作業の作業時間を収集する分析作業時間収集方法において、
前記受信データが、前記データ収集装置を識別する作業場所情報のみの場合は作業者が分析作業を終了したと判定し、前記作業場所情報と分析作業を実施する作業者を識別する作業者情報の場合は作業者が分析作業を開始したと判定し、
前記受信データが、前記作業場所情報、前記作業者情報及び分析作業に用いる検体を識別する検体情報を含む場合は、
予め記憶されている、作業場所と分析作業項目が対応付けられている作業場所情報DB及び検体名と分析作業項目が対応付けられている検体情報DBから、前記受信データの作業場所情報、検体情報と一致する作業場所情報及び検体情報の分析作業項目をそれぞれ検索し、さらに両者の分析作業項目の中から共通する分析作業項目を抽出し、
当該分析作業における前記抽出された分析作業項目、当該検体情報、当該作業者情報、及び前記分析作業の終了と開始の判定時刻に基づいて作業時間を収集することを特徴とする分析作業時間収集方法。
【請求項2】
請求項1において、前記抽出された分析作業項目が複数ある場合に、分析作業項目ごとの作業負荷係数を参照し、検体ごと、分析作業項目ごとの作業時間を演算することを特徴とする分析作業時間収集方法。
【請求項3】
複数の分析作業場所で複数の分析作業を行なう作業時間の実績を収集する分析作業時間収集システムにおいて、
複数の分析作業場所で複数の分析作業を行なう作業者の作業時間の実績を、作業項目毎に収集する分析作業実績時間収集装置と、任意の分析作業場所に対応して設置されるデータ収集装置を備え、
前記データ収集装置から前記分析作業実績時間収集装置に、前記データ収集装置を識別する作業場所情報と、分析作業を実施する作業者を識別する作業者情報と、分析作業に用いる検体を識別する検体情報の各データを伝送する通信機能を備えることを特徴とする分析作業時間収集システム。
【請求項4】
請求項3において、前記分析作業実績時間収集装置と前記データ収集装置を有線もしくは無線のネットワークで結ぶことを特徴とする分析作業時間収集システム。
【請求項5】
請求項3において、前記分析作業実績時間収集装置は、
前記データを受信するデータ受信処理部を有する通信装置と、
前記作業場所情報から分析作業項目を読み取る作業内容解析処理部及び作業内容毎の作業時間を集計する作業時間集計処理部とを有する処理装置と、
分析作業に用いる検体に関する情報、分析作業を実施する作業者の情報、分析作業における作業項目に関する情報及び分析作業を実施する分析作業場所の情報を予め記憶し、かつ分析作業の作業時間の実績に関する情報を記憶する記憶装置と、
を備えることを特徴とする分析作業時間収集システム。
【請求項6】
請求項3において、前記データ収集装置は、
分析作業場所に対応して設置されるデータ収集装置を識別する作業場所情報を記憶する記憶装置と、
前記作業者情報を格納したICカードより作業者情報を読み取るICカード読取処理部と、分析作業に用いる検体を識別する検体番号が示されたバーコードより検体情報を読み取るバーコード読取処理部を有するデータ読取装置と、
前記作業場所情報と前記作業者情報及び前記検体情報を取り込むデータ取り込処理部を有する処理装置と、前記データ取り込処理部にて取り込まれたデータを送信するデータ送信処理部を有する通信装置と、
を備えることを特徴とする分析作業時間収集システム。
【請求項7】
請求項5において、
予め前記記憶装置に作業者ごとの作業時間単価情報を記憶し、前記作業時間集計処理部より得られる作業者ごとの作業時間の実績情報と当該作業者の作業時間単価情報を入力して、作業者ごとの作業原価を計算する原価計算処理部を備えることを特徴とする分析作業時間収集システム。
【請求項1】
分析作業場所ごとのデータ収集装置を介して受信データを入力し、複数の分析作業の作業時間を収集する分析作業時間収集方法において、
前記受信データが、前記データ収集装置を識別する作業場所情報のみの場合は作業者が分析作業を終了したと判定し、前記作業場所情報と分析作業を実施する作業者を識別する作業者情報の場合は作業者が分析作業を開始したと判定し、
前記受信データが、前記作業場所情報、前記作業者情報及び分析作業に用いる検体を識別する検体情報を含む場合は、
予め記憶されている、作業場所と分析作業項目が対応付けられている作業場所情報DB及び検体名と分析作業項目が対応付けられている検体情報DBから、前記受信データの作業場所情報、検体情報と一致する作業場所情報及び検体情報の分析作業項目をそれぞれ検索し、さらに両者の分析作業項目の中から共通する分析作業項目を抽出し、
当該分析作業における前記抽出された分析作業項目、当該検体情報、当該作業者情報、及び前記分析作業の終了と開始の判定時刻に基づいて作業時間を収集することを特徴とする分析作業時間収集方法。
【請求項2】
請求項1において、前記抽出された分析作業項目が複数ある場合に、分析作業項目ごとの作業負荷係数を参照し、検体ごと、分析作業項目ごとの作業時間を演算することを特徴とする分析作業時間収集方法。
【請求項3】
複数の分析作業場所で複数の分析作業を行なう作業時間の実績を収集する分析作業時間収集システムにおいて、
複数の分析作業場所で複数の分析作業を行なう作業者の作業時間の実績を、作業項目毎に収集する分析作業実績時間収集装置と、任意の分析作業場所に対応して設置されるデータ収集装置を備え、
前記データ収集装置から前記分析作業実績時間収集装置に、前記データ収集装置を識別する作業場所情報と、分析作業を実施する作業者を識別する作業者情報と、分析作業に用いる検体を識別する検体情報の各データを伝送する通信機能を備えることを特徴とする分析作業時間収集システム。
【請求項4】
請求項3において、前記分析作業実績時間収集装置と前記データ収集装置を有線もしくは無線のネットワークで結ぶことを特徴とする分析作業時間収集システム。
【請求項5】
請求項3において、前記分析作業実績時間収集装置は、
前記データを受信するデータ受信処理部を有する通信装置と、
前記作業場所情報から分析作業項目を読み取る作業内容解析処理部及び作業内容毎の作業時間を集計する作業時間集計処理部とを有する処理装置と、
分析作業に用いる検体に関する情報、分析作業を実施する作業者の情報、分析作業における作業項目に関する情報及び分析作業を実施する分析作業場所の情報を予め記憶し、かつ分析作業の作業時間の実績に関する情報を記憶する記憶装置と、
を備えることを特徴とする分析作業時間収集システム。
【請求項6】
請求項3において、前記データ収集装置は、
分析作業場所に対応して設置されるデータ収集装置を識別する作業場所情報を記憶する記憶装置と、
前記作業者情報を格納したICカードより作業者情報を読み取るICカード読取処理部と、分析作業に用いる検体を識別する検体番号が示されたバーコードより検体情報を読み取るバーコード読取処理部を有するデータ読取装置と、
前記作業場所情報と前記作業者情報及び前記検体情報を取り込むデータ取り込処理部を有する処理装置と、前記データ取り込処理部にて取り込まれたデータを送信するデータ送信処理部を有する通信装置と、
を備えることを特徴とする分析作業時間収集システム。
【請求項7】
請求項5において、
予め前記記憶装置に作業者ごとの作業時間単価情報を記憶し、前記作業時間集計処理部より得られる作業者ごとの作業時間の実績情報と当該作業者の作業時間単価情報を入力して、作業者ごとの作業原価を計算する原価計算処理部を備えることを特徴とする分析作業時間収集システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−79239(P2006−79239A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260693(P2004−260693)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000153443)株式会社 日立ハイコス (359)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000153443)株式会社 日立ハイコス (359)
【Fターム(参考)】
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