説明

分極反転構造形成方法及び分極反転構造形成装置

【課題】本発明は、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することを目的とする。
【解決手段】本発明は、非線形光学結晶のウエハに周期的な分極反転構造を形成する分極反転構造形成方法及び装置であって、シングルドメイン化され、かつ鏡面加工されている非線形光学結晶のウエハの一方の面に、前記分極反転構造の周期に一致する周期パターンを絶縁物で作製する周期パターン作製工程と、前記ウエハの他方の面に、前記周期パターンに対面する対面パターンを絶縁物で作製する対面パターン作製工程と、前記ウエハの両面間に所要の直流電圧を印加し、前記周期パターンに対応する分極反転構造を形成する分極反転構造形成工程と、を順に備えることに係る分極反転構造形成方法及び装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非線形光学結晶のウエハに周期的な分極反転構造を形成する分極反転構造形成方法及び分極反転構造形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非線形光学結晶で発生する二次非線形効果の一種である擬似位相整合を、第二高調波発生、和周波発生、差周波発生等に利用することが行われている。擬似位相整合を利用して非線形光学結晶で和周波数及び差周波数の光を発生させる構成を図1に示す。図1において、91は合波器、92は非線形光学結晶、93は分波器である。励起光A及び励起光Bが合波器91で合波され、非線形光学結晶92に入射する。非線形光学結晶92中では、励起光Aと励起光Bの和周波数又は差周波数の光Cへと変換され、励起光A及び励起光Bと共に非線形光学結晶92から出射される。和周波数又は差周波数の光Cは分波器93で励起光A及び励起光Bと分波される。励起光Aの周波数と励起光Bの周波数が同一であった場合、あるいは励起光Aのみが入射された場合には、第二高調波発生によって光Cの周波数は励起光Aの2倍の周波数となる。
【0003】
擬似位相整合を利用する非線形光学結晶では、分極方向が周期的に反転している分極反転構造を形成する必要がある。周期的な分極反転構造を形成する方法として、以下の方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。シングルドメイン化された非線形光学結晶である厚さ500μmのMgO含有LiNbO(以下、LNと略記する。)結晶基板を用いる。この基板の表面である+Z面には、目的とするパターンを有する第一の電極を形成し、+Z面の裏面である−Z面には、一様な第二の電極を形成する。この後、第一の電極に正の電圧を、第二の電極に負の電圧を印加する。電圧の印加を停止した後には、目的のパターンに応じた分極反転構造が形成されている。
【0004】
周期的な分極反転構造を形成する方法として、以下の方法も知られている(例えば、非特許文献2参照。)。シングルドメイン化された非線形光学結晶である厚さ200μmのLN結晶基板を用いる。この基板の−Z面には、目的とするパターンを有する第一の電極を形成し、この基板の+Z面には、一様な第二の電極を形成する。この後、第一の電極に負の電圧を、第二の電極に正の電圧を印加する。電圧の印加を停止した後には、目的のパターンに応じた分極反転構造が形成されている。
【0005】
従来の分極反転構造を形成するには、非線形光学結晶のウエハの+Z面又は−Z面にのみ分極反転構造の周期に一致するパターンが作製されていた。図2は、従来の非線形光学結晶のウエハの一方のZ面に絶縁物で分極反転周期に一致するパターンを作製する工程を説明する図である。図2において、95は非線形光学結晶のウエハ、96は一様な第二の電極、97は分極反転構造の周期に一致するパターン、98は第一の電極としての液体電極である。
シングルドメイン化された非線形光学結晶のウエハ95は、パターン97の間に満たされた液体電極98と一様な第二の電極96との間で直流電圧が印加され、印加された箇所の分極が反転する。しかし、パターン97を構成する絶縁物の断面はエッジが立っているため、電界がエッジ部分に集中し、分極反転がパターン97のエッジ部分から開始されて、図2に示すように、分極反転構造は乱れてしまう。
【非特許文献1】M.Nakamura et.al., “Quasi−Phase−matched Optical Parametric Oscillator Using Periodically Poled MgO−Doped LiNbO3 Crystal”, Jpn.J.Appl.Phys.,vol.38,part2,no11App.L1234−1236,1999
【非特許文献2】J.Webjoen et.al., “Quasi−phase−matched blue light generation in bulk lithium niobate,electrically poled via periodic liquid electrodes”, Electronics Letters,vol.20,no.11,p894−895,1994
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の分極反転構造の形成方法では、パターンを有する第一の電極の形成されたウエハの面に形成される分極反転構造は周期的であるものの、パターンを有しない第二の電極の形成されたウエハの面に形成される分極反転構造は乱れている。つまり、ウエハの厚さ方向で分極反転構造の反転/非反転率(以後、デューティと略記する。)が一様でないという課題があった。
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、発明者らは、非線形光学結晶に周期分極反転構造を形成する方法について鋭意検討した結果、鏡面加工されている非線形光学結晶のウエハの+Z面と−Z面の両面に分極反転構造の周期に一致するパターンをそれぞれ絶縁物で作製し、パターンを作製した両面に直流電圧を印加することによって、分極反転構造を形成することとした。
【0009】
具体的には、非線形光学結晶のウエハに周期的な分極反転構造を形成する分極反転構造形成方法であって、シングルドメイン化され、かつ鏡面加工されている非線形光学結晶のウエハの一方の面に、前記分極反転構造の周期に一致する周期パターンを絶縁物で作製する周期パターン作製工程と、前記ウエハの他方の面に、前記周期パターンに対面する対面パターンを絶縁物で作製する対面パターン作製工程と、前記ウエハの両面間に所要の直流電圧を印加し、前記周期パターンに対応する分極反転構造を形成する分極反転構造形成工程と、を順に備える分極反転構造形成方法である。
【0010】
ウエハの両面に分極反転構造の周期に一致するパターンを絶縁物で作製するため、本発明に係る分極反転構造形成方法は、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することができる。
【0011】
本発明の分極反転構造形成方法は、前記周期パターン又は前記対面パターンを作製する絶縁物の材料がフォトレジスト材料であり、前記分極反転構造形成工程の前に、前記フォトレジスト材料が溶け始める温度まで前記ウエハを加熱するポストベーク工程を有することが望ましい。
【0012】
絶縁物の材料がフォトレジスト材料であるため、容易に周期パターン又は対面パターンを作製することができる。また、ポストベーク工程で溶け始めたフォトレジストの断面が略半円となるため、ウエハの一部への電界の集中を防止することができ、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することができる。
【0013】
本発明の分極反転構造形成方法は、前記ウエハは、結晶軸がZカットされており、厚さが200μm以上1mm以下であることが望ましい。
【0014】
非線形光学結晶のウエハが200μm以下であると、ウエハが薄くなりすぎて取り扱いが困難で、露光や現像などのフォト工程でウエハが破損する虞がある。逆に、1mm以上の厚いウエハとなると、分極反転に必要となる直流電圧が大きくなり、実用的でない。
【0015】
本発明の分極反転構造形成方法は、前記非線形光学結晶がLiNbO若しくはLiTaOの結晶、又はこれらにMgO及びZnOの少なくとも1種を添加物として含有する結晶であることが望ましい。
【0016】
本発明の分極反転構造形成方法は、二次非線形効果の大きな非線形光学結晶を使用するため、擬似位相整合が容易となる。
【0017】
本発明の分極反転構造形成方法は、前記分極反転構造形成工程が加温された環境下で行われることが望ましい。
【0018】
非線形光学結晶のウエハを加温すると、非線形光学結晶の分極反転に要する電界の大きさである抗電界が小さくなるので、ウエハが厚くなっても低い直流電圧を印加すれば足りる。また、非線形光学結晶の電気伝導度も大きくなるので、均一な分極反転構造を形成することができる。
【0019】
本発明の分極反転構造形成方法は、前記分極反転構造形成工程において、当該ウエハの周期パターンの形成面を第1の液体電極に浸し、対面パターンの形成面を前記第1の液体電極と独立した第2の液体電極に浸し、前記第1及び第2の液体電極間に直流電圧を印加して行うことが望ましい。
【0020】
液体電極は、ウエハの各周期パターン同士の間の領域と各対面パターン同士の間の領域とに満遍なく当接するので、第1及び第2の液体電極間に直流電圧が印加されると、互いに対向する領域間に、印加直流電界が貫通する通り道が制限され且つ電界が最短距離になるように直線的に形成されるので、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することができる。
【0021】
本発明の分極反転構造形成方法は、前記分極反転構造形成工程において、当該ウエハの周期パターン及び対面パターンの形成面の何れか一方の面に金属を蒸着して金属膜を形成し、他方の面を液体電極に浸し、これら金属膜と液体電極間に直流電圧を印加して行うことが望ましい。
【0022】
金属膜は蒸着によって形成されているので、上記の液体電極と同様に、ウエハの各周期パターン同士の間の領域と各対面パターン同士の間の領域とに金属膜が満遍なく当接する。このため、金属膜と液体電極間に直流電圧が印加されると、上記同様、互いに対向する領域間に、印加直流電界が貫通する通り道が制限され且つ電界が最短距離になるように直線的に形成されるので、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することができる。
【0023】
本発明の分極反転構造形成方法は、前記分極反転構造形成工程において、当該ウエハの周期パターン及び対面パターンの形成面の両面に金属を蒸着して金属膜を形成し、両面の金属膜間に直流電圧を印加して行うことが望ましい。
【0024】
このウエハの両面に金属膜を形成した場合も、上記同様に両面のパターン間の領域に金属膜が満遍なく当接するので、両面の金属膜間に直流電圧が印加されると、上記同様、互いに対向する領域間に、印加直流電界が貫通する通り道が制限され且つ電界が最短距離になるように直線的に形成されるので、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することができる。
【0025】
更に、具体的には、シングルドメイン化され、かつ鏡面加工されている非線形光学結晶のウエハをセットし、このウエハに周期的な分極反転構造を形成する分極反転構造形成装置であって、前記ウエハの一方の面に、前記分極反転構造の周期に一致して絶縁物で作製された周期パターンと、前記ウエハの他方の面に、前記周期パターンに対面して絶縁物で作製された対面パターンと、前記周期パターン及び前記対面パターンが作製されたウエハを保持し、この保持状態のウエハの周期パターン及び対面パターンの形成面間に直流電圧を印加する保持印加手段と、を備えた分極反転構造形成装置である。
【0026】
保持印加手段で保持されたウエハの周期パターン及び対面パターンの形成面間に直流電圧が印加されると、ウエハの各周期パターン同士の間の領域と各対面パターン同士の間の領域において互いに対向する領域間に、印加直流電界が貫通する通り道が制限され且つ電界が最短距離になるように直線的に形成されるので、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することができる。
【0027】
本発明の分極反転構造形成装置は、前記ウエハに前記周期パターン及び前記対面パターンを作製する絶縁物にフォトレジスト材料を用い、このフォトレジスト材料が溶け始める温度まで当該ウエハを加熱する加熱手段を更に備えたことが望ましい。
【0028】
絶縁物の材料がフォトレジスト材料であるため、容易に周期パターン又は対面パターンを作製することができる。また、ポストベーク工程で溶け始めたフォトレジストの断面が略半円となるため、ウエハの一部への電界の集中を防止することができ、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することができる。
【0029】
本発明の分極反転構造形成装置は、前記保持印加手段は、前記ウエハを保持し、この保持状態のウエハの周期パターンの形成面が第1の液体電極に浸り、前記対面パターンの形成面が前記第1の液体電極と独立した第2の液体電極に浸る状態に、当該第1及び第2の液体電極を収容する冶具と、前記第1及び第2の液体電極に各々挿入された直流電圧印加用の第1及び第2の電極棒とを備えたことが望ましい。
【0030】
第1及び第2の電極棒を介して第1及び第2の液体電極間に直流電圧が印加されると、ウエハの各周期パターン同士の間の領域と各対面パターン同士の間の領域において互いに対向する領域間に、印加直流電界が貫通する通り道が制限され且つ電界が最短距離になるように直線的に形成されるので、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することができる。
【0031】
本発明の分極反転構造形成装置は、前記ウエハは、前記周期パターン及び前記対面パターンの形成面の何れか一方の面に金属蒸着により形成された金属膜を備え、前記保持印加手段は、当該ウエハを保持し、この保持状態のウエハの金属膜の形成面と相対面が液体電極に浸る状態に、当該液体電極を収容する冶具と、前記金属膜に接続された直流電圧印加用の第1の電極棒と、前記液体電極に挿入された直流電圧印加用の第2の電極棒とを備えたことが望ましい。
【0032】
第1及び第2の電極棒を介して金属膜と液体電極間に直流電圧が印加されると、上記同様、ウエハの互いに対向するパターン未形成領域間に、印加直流電界が貫通する通り道が制限され且つ電界が最短距離になるように直線的に形成されるので、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することができる。
【0033】
本発明の分極反転構造形成装置は、前記ウエハは、前記周期パターン及び前記対面パターンの形成面の両面に金属蒸着により形成された金属膜を備え、前記保持印加手段は、当該ウエハを保持する冶具と、この冶具で保持状態のウエハの両面の金属膜に接続された直流電圧印加用の第1及び第2の電極棒とを備えたことが望ましい。
【0034】
第1及び第2の電極棒を介して両面の金属膜間に直流電圧が印加されると、上記同様、ウエハの互いに対向するパターン未形成領域間に、印加直流電界が貫通する通り道が制限され且つ電界が最短距離になるように直線的に形成されるので、ウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、非線形光学結晶のウエハの厚さ方向でデューティが一様な分極反転構造を形成することができる分極反転構造形成方法及び分極反転構造形成装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0037】
図3は、非線形光学結晶のウエハの一方のZ面に、分極反転周期に一致するパターンを絶縁物で作製する工程を説明する図である。図3において、21は非線形光学結晶のウエハ、22は分極反転周期に一致する周期パターンである。周期パターンの周期は、例えば、2μm〜40μmである。まず、シングルドメイン化された非線形光学結晶のウエハ21の一方のZ面(+Z面)に、分極反転周期に一致する周期パターン22を絶縁物で作製する(周期パターン作製工程)。さらに、対向する他方のZ面(−Z面)に、絶縁物で周期パターン22に相対面する対面パターン(不図示)を作製する(対面パターン作製工程)。
【0038】
非線形光学結晶としては、LN若しくはLiTaO(以下、LTと略記する。)の結晶が望ましい。あるいは、これらにMgO及びZnOの少なくとも1種を添加物として含有する結晶でもよい。このような結晶は、非線形効果が大きく、擬似位相整合を利用して和周波数及び差周波数の光を発生させることが容易となる。非線形定数の大きさからはLTよりもLNを用いることが望ましい。光損傷耐性の点からはMgO又はZnOを含有するLNを用いることが望ましい。直流電圧を印加した際の分極反転の速度からはZnOを含有するLNを用いることが最も望ましい。
【0039】
パターンの作製に使用する絶縁物の材料は、フォトレジスト材料が好ましい。フォトレジスト材料によるパターン形成面に金属膜を蒸着してもよい。フォトレジスト材料としては、例えばS1818(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製)が例示できる。金属膜に使用する材料としては、金、銀、白金、銅、ニッケル、アルミニウム、クロム、タンタルが例示できる。
【0040】
次に、非線形光学結晶のウエハの両面間に所要の直流電圧を印加する方法について図4で説明する。図4は、分極反転構造形成装置の構成を示す断面図であり、この図において、21は非線形光学結晶のウエハ、22は分極反転周期に一致する周期パターン、23はOリング、24は上方から見た形状がドーナツ状の冶具、25−1は第1の液体電極、25−2は第2の液体電極、26−1,26−2は図示せぬ直流電源に接続された第1の電極棒及び第2の電極棒、27はホットプレート、28は周期パターンに相対面する対面パターンである。分極反転構造形成装置は、分極反転構造形成対象のウエハ21を除く、他の構成要素22〜28の全てを含んで構成されている。なお、Oリング23、テフロン(登録商標)等の絶縁物による冶具24、各液体電極25−1,25−2及び各電極棒26−1,26−2で保持印加手段が構成されている。
【0041】
非線形光学結晶のウエハ21としては鏡面加工されたZカットLN結晶の基板を使用する。ウエハ21の大きさは3インチであり、厚さは300μmである。ウエハ21の厚さは200μm以上1mm以下が望ましい。200μm以下であると、ウエハ21が薄くなりすぎて取り扱いが困難で、露光や現像などのフォト工程でウエハ21が破損する虞がある。逆に、1mm以上の厚いウエハ21となると、分極反転に必要となる直流電圧が大きくなり、実用的でない。
【0042】
ウエハ21に表示された上向きの矢印は、所要の直流電圧を印加する前にシングルドメイン化された分極の方向を示している。ウエハ21の+Z面には、絶縁物としてのフォトレジストで分極反転構造の周期に一致する周期パターン22が作製されている。周期パターン22を構成するフォトレジストの断面形状は略半円が望ましい。
【0043】
また、ウエハ21の−Z面には、絶縁物としてのフォトレジストで周期パターン22に相対面する対面パターン28が作製されている。対面パターン28を構成するフォトレジストの断面形状は略半円が望ましい。
【0044】
ここで、フォトレジストの周期パターン22及び対面パターン28は、断面形状が略半円であることが望ましい。非線形光学結晶のウエハ21とフォトレジストの周期パターン22及び対面パターン28の断面形状を図5に示す。シングルドメイン化された非線形光学結晶のウエハ21には、各周期パターン22同士の間の領域(上側領域と称す)と各対面パターン28同士の間の領域(下側領域と称す)に、各液体電極25−1,25−2を介して各電極棒26−1,26−2から直流電圧が印加される。この印加時、周期パターン22及び対面パターン28の断面が略半円であるため、従来のように電界が周期パターン22及び対面パターン28のエッジに集中することがなく、上側領域と下側領域との対向部位の中心線部分から分極反転(下向き矢印で示す)が開始される。これによって、分極反転構造のデューティ制御が容易となる。
【0045】
次に、略半円の断面のパターンを作成する方法を説明する。非線形光学結晶のウエハ21の表面に通常のフォトレジスト材料を適量滴下した後、スピンコータによってフォトレジスト膜とする。毎分3000回転のスピードで約1.8μmの厚さに成膜できる。フォトレジスト膜を90℃でプリベークし、コンタクトアライナーを用いて露光、現像し、周期的な凸状のパターンを作製する。この段階では、フォトレジストのパターンはエッジが立っており、断面形状は四角である。現像した非線形光学結晶のウエハ21を加熱手段としてのオーブンに入れ、ポストベークを行う。ポストベークではフォトレジスト材料が溶け始める温度(150℃〜250℃)まで非線形光学結晶のウエハ21を加熱する(ポストベーク工程)。例えば、先のS1818の材料では、160℃から200℃の温度範囲である。この様な温度では、パターンのエッジ部が軟化し、図5に示すように周期パターン22及び対面パターン28の断面形状が略半円となる。
【0046】
図4において、ウエハ21は、Oリング23を介して、アクリル又はポリカーボネート製の上方から見た形状がドーナツ状の冶具24で上下から挟まれている。これによって、上方の冶具24のドーナツ状の中空部分にウエハ21の上面が底面として密着されて防水構造の凹部が形成され、下方の冶具24の円形凹部分がウエハ21の下面で蓋状に密閉されて空洞が形成される。これら凹部並びに空洞に各液体電極25−1,25−2が充填され、これによって、ウエハ21の上下面が各液体電極25−1,25−2に密着状態とされている。各液体電極25−1,25−2としては塩化リチウム水溶液が例示できる。また、各液体電極25−1,25−2として水銀でもよい。
【0047】
また、各液体電極25−1,25−2には、直流電源につながる各電極棒26−1,26−2が浸かっている。+Z面に接する液体電極25−1には陽極の電極棒26−1が、−Z面に接する液体電極25−2には陰極の電極棒26−2が配置されている。陽極の電極棒26−1又は陰極の電極棒26−2のいずれか一方をグランドに接地してもよい。下方の冶具24はホットプレート27の上に配置されており、ホットプレート27で冶具24ごとLN結晶の基板であるウエハ21を加温する。
【0048】
分極反転構造の周期に一致するように作成されたフォトレジストの周期パターン22及び対面パターン28は、絶縁膜として機能し、LN結晶のウエハ21には各液体電極25−1,25−2から直流電圧が印加される(分極反転構造形成工程)。
【0049】
ウエハ21の+Z面と−Z面の両方に周期パターン22及び対面パターン28が形成されている。このため、図5の下向きの矢印で示すように、印加された直流電界が貫通する通り道が制限され、かつ、電界が最短距離になるように直線的に形成されることから、ウエハ21の厚さ方向で分極反転構造のデューティが一様となる。
【0050】
また、直流電圧を印加する分極反転構造形成工程では、非線形光学結晶のウエハ21が加温された状態で実施されることが望ましい。加温すると、非線形光学結晶の分極反転に要する電界の大きさである抗電界が小さくなるので、ウエハ21が厚くなっても低い直流電圧を印加することで足りる。更に、非線形光学結晶の電気伝導度も大きくなるので、均一な分極反転構造を形成することができる。加温する温度としては、50℃以上150℃以下であることが望ましく、90℃以上100℃以下がさらに望ましい。150℃以上の温度になると、液体電極の水分が蒸発してしまう。
【実施例】
【0051】
(実施例1)
本実施例では、非線形光学結晶としてZnOを含有するLN結晶を用い、ウエハ21として厚さ300μmの3インチ基板を用いて、図4に示したように分極反転構造を形成した。
【0052】
前述したように、まず、+Z面と−Z面の両方にフォトレジスト材料で周期パターン22及び対面パターン28をそれぞれ作製した。この作製したLN結晶のウエハ21を冶具24にセットし、各液体電極25−1,25−2として塩化リチウム水溶液を注入し、ホットプレート27でウエハ21を80℃に加温した状態で、直流電源から各電極棒26−1,26−2を介して直流電圧を印加した。この際、直流電源から0.8kV(電界強度2.7kV/mm)の電圧を300msec印加したところ、2mCの反転電荷量が流れ、所望の周期的な分極反転構造を形成することができた。
【0053】
本実施例では、分極反転構造の周期は6.3μmのマスクを用いて形成したが、2μm以上の任意の周期で分極反転構造を形成することができることを確認した。作製したLN結晶のウエハ21から周期の方向に直交する向きで短冊状に波長変換素子を切り出し、切り出した波長変換素子の両端面を研磨し、波長1.06μmの励起光を入射したところ、波長532nmの緑色SHG光を発生させることができた。
【0054】
(実施例2)
本実施例においては、実施例1と同様の方法で、ZnOを含有するLN結晶を用い、ウエハ21として厚さ300μmの3インチ基板を用いて分極反転構造を形成した。
【0055】
周期パターン及び対面パターンの作製は実施例1と同様に行い、フォトレジスト材料で周期4.5μmの周期パターン22及び対面パターン28を作製した。本実施例においては、+Z面につながる電極棒26−1を接地し、−Z面につながる電極棒26−2を介してマイナス電圧を印加することによって、分極反転構造を形成した。LN結晶のウエハ21を冶具24にセットし、ホットプレート27でウエハ21を温度80℃に加温した状態で、直流電源から−1.35kVの電圧を300msecの間、印加することによって所望の周期分極反転構造を形成することができた。ウエハ21から短冊状に波長変換素子を切り出し、希釈フッ硝酸溶液中でエッチング処理を施し、内部の分極反転構造を観察したところ、−Z面から+Z面にわたるまでウエハの厚さ方向に均一な分極反転構造が形成されており、+Z面と−Z面での分極反転構造のデューティに差は見られなかった。
【0056】
(実施例3)
本実施例では、実施例1と同様の方法で、非線形光学結晶としてZnOを含有するLN結晶を用い、ウエハ21として厚さ300μmの3インチ基板を用いて分極反転構造を形成した。
【0057】
実施例1と同様の方法で、ウエハ21の+Z面と−Z面にフォトレジスト材料で所望の周期パターン22及び対面パターン28を作製したのち、本実施例においては、図6に示すように、パターン22側表面にのみ金を蒸着して金属膜29を形成した。このウエハ21をテフロン(登録商標)等の絶縁物による冶具32にセットし、−Z面側の空洞には上記同様に液体電極25を注入し、この液体電極25に陰極の電極棒26−2を挿入して配置し、また、金属膜29に陽極の電極棒26−1を接続した。また、下方の冶具24の下には図4の構成同様にホットプレート27が配置されている。なお、本装置構成では+Z面側のOリング23は省略可能である。
【0058】
この構成において、ホットプレート27でウエハ21を80℃に加温した状態で、直流電源から各電極棒26−1,26−2を介して直流電圧を印加した。この際、直流電源から0.8kV(電界強度2.7kV/mm)の電圧を300msec印加したところ、2mCの反転電荷量が流れ、所望の周期的な分極反転構造を形成することができた。
【0059】
ウエハ21として上記のLN結晶のほか、MgOを含有したLN結晶や、LT結晶を用いた場合においても、各ウエハの抗電界に相当する直流電圧を印加することによって、均一な分極反転構造を作製することができた。各ウエハから波長変換素子を短冊状に切り出し、希釈フッ硝酸溶液中でエッチング処理を施し、内部の分極反転構造を観察したところ、−Z面から+Z面にわたるまでウエハの厚さ方向に均一な分極反転構造が形成されており、+Z面と−Z面でのデューティに差は見られなかった。
【0060】
(実施例4)
本実施例では、非線形光学結晶としてZnOを含有するLN結晶を用い、ウエハ21として厚さ300μmの3インチ基板を用いて分極反転構造を形成した。
【0061】
本実施例においては、周期が変化する、いわゆるチャープのある周期をもつパターンを作製した。ノンチャープに比べチャープを持つ場合には、整合温度範囲が広く取れる。+Z面にフォトレジスト材料で左右方向に所望のチャープを持つ周期パターン22を作製し、−Z面にも同じ周期の対面パターン28を作製した後、実施例1と同様の方法で直流電圧を印加した。
【0062】
作製したLN結晶のウエハ21をフッ硝酸溶液中でエッチングしたところ、分極反転構造が形成されている箇所と、形成されていない箇所が、縞模様となって現れた。これは、−Z面を露光、現像する際に+Z面を露光したフォトマスクと同じものを用いたために、チャープの向きが左右反転し、+Z面と−Z面に作製された周期パターン22及び対面パターン28がZ軸方向(厚み方向)で一致しないところが現れたためである。このように本発明においては、所望の周期構造に一致する周期パターン22及び対面パターン28を+Z面、−Z面で相対面するように作製することが重要である。
【0063】
これとは別に、+Z面の露光で使用したフォトマスクと左右反転対称のフォトマスクを用意して、実施例1と同様の方法で、+Z面はチャープをもったフォトマスク、−Z面は左右反転チャープをもったフォトマスクを用いてパターンを作製し、実施例1と同様の方法で直流電圧を印加したLN結晶のウエハ21をエッチングしたところ、所望の分極反転構造が均一に作製できていることが確認できた。
【0064】
本実施例に見られるように、本発明においては+Z面と−Z面に作製される周期パターン22及び対面パターン28はZ軸方向から眺めたときに、一致していることが望ましく、チャープのある周期をもつフォトマスクを用いる場合は、左右反転対称となる裏面用フォトマスクを別に用意することが望ましい。
【0065】
(実施例5)
本実施例においては実施例3と同様の方法を用いて、ウエハ21の+Z面、−Z面にフォトレジスト材料で周期パターン22及び対面パターン28を作製したのち、図7に示すように、−Z面のパターン表面のみに金を蒸着して金属膜29を形成した。このウエハ21を冶具24,30でOリング23を介して上下から挟んでセットする。本実施例構成の場合、液体電極25は+Z面側のみ用いるのでOリング23は+Z面側のみで良く、下方の冶具30は、金属膜29に平面で当接するアクリル又はポリカーボネート製あるいはテフロン(登録商標)製の平板のものを用い、この冶具30と上方の冶具24とでウエハ21を上下から挟む構成とした。また、+Z面側の液体電極25に+電圧印加用の電極棒26−1を挿入して配置し、また、−Z面側の金属膜29に接地された電極棒26−2を接続した。下方の冶具30の下にはホットプレート27が配置されている。
【0066】
この構成において、ホットプレート27でウエハ21を80℃に加温した状態で、+Z面につながる電極棒26−1に+電圧を印加した。この際、直流電源から0.8kV(電界強度2.7kV/mm)の電圧を300msec印加したところ、2mCの反転電荷量が流れ、所望の周期的な分極反転構造を形成することができた。
【0067】
ウエハ21から波長変換素子を短冊状に切り出し、希釈フッ硝酸溶液中でエッチング処理を施し、内部の分極反転構造を観察したところ、−Z面近傍で分極反転ドメインがつながっているところが確認された。
(実施例6)
本実施例においては実施例6と同様の方法を用いて、ウエハ21の+Z面、−Z面にフォトレジスト材料で周期パターン22及び対面パターン28を作製したのち、図8に示すように、+Z面、−Z面両方のパターン表面に金を蒸着して金属膜29を形成した。このウエハ21を冶具30に載置してセットし、+Z面の金属膜29に+電圧印加用の電極棒26−1を接続し、−Z面の金属膜29に接地された電極棒26−2を接続した。下方の冶具30の下にはホットプレート27が配置されている。
【0068】
この構成において、ホットプレート27でウエハ21を80℃に加温した状態で、+Z面につながる電極棒26−1に+電圧を印加した。この際、直流電源から0.8kV(電界強度2.7kV/mm)の電圧を300msec印加したところ、2mCの反転電荷量が流れ、所望の周期的な分極反転構造を形成することができた。
【0069】
ウエハ21から波長変換素子を短冊状に切り出し、希釈フッ硝酸溶液中でエッチング処理を施し、内部の分極反転構造を観察したところ、−Z面近傍で分極反転ドメインがつながっているところが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の分極反転構造形成方法及び分極反転構造形成装置は、波長変換素子等の製造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】擬似位相整合を利用して非線形光学結晶で和周波数及び差周波数の光を発生させる構成図である。
【図2】従来の非線形光学結晶のウエハの一方のZ面に絶縁物で分極反転周期に一致するパターンを作製する工程を説明する図である。
【図3】非線形光学結晶のウエハの一方のZ面に、絶縁物で分極反転周期に一致するパターンを作製する工程を説明する図である。
【図4】ウエハ上下面に液体電極を用いる場合の分極反転構造形成装置の構成を示す断面図である。
【図5】本実施形態の非線形光学結晶のウエハとフォトレジストの周期パターン及び対面パターンの断面形状図である。
【図6】ウエハ上面に金属膜、下面に液体電極を用いる場合の分極反転構造形成装置の構成を示す断面図である。
【図7】ウエハ上面に液体電極、下面に金属膜を用いる場合の分極反転構造形成装置の構成を示す断面図である。
【図8】ウエハ上下面に金属膜を用いる場合の分極反転構造形成装置の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0072】
21:ウエハ
22:周期パターン
23:Oリング
24,30,32:冶具
25,25−1,25−2,98:液体電極
26,26−1,26−2:電極棒
27:ホットプレート
28:対面パターン
29:金属膜
91:合波器
92:非線形光学結晶
93:分波器
95:非線形光学結晶のウエハ
96:第二の電極
97:パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非線形光学結晶のウエハに周期的な分極反転構造を形成する分極反転構造形成方法であって、
シングルドメイン化され、かつ鏡面加工されている非線形光学結晶のウエハの一方の面に、前記分極反転構造の周期に一致する周期パターンを絶縁物で作製する周期パターン作製工程と、
前記ウエハの他方の面に、前記周期パターンに対面する対面パターンを絶縁物で作製する対面パターン作製工程と、
前記ウエハの両面間に所要の直流電圧を印加し、前記周期パターンに対応する分極反転構造を形成する分極反転構造形成工程と、
を順に備える分極反転構造形成方法。
【請求項2】
前記周期パターン又は前記対面パターンを作製する絶縁物の材料がフォトレジスト材料であり、前記分極反転構造形成工程の前に、前記フォトレジスト材料が溶け始める温度まで前記ウエハを加熱するポストベーク工程を有することを特徴とする請求項1に記載の分極反転構造形成方法。
【請求項3】
前記ウエハは、結晶軸がZカットされており、厚さが200μm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の分極反転構造形成方法。
【請求項4】
前記非線形光学結晶がLiNbO若しくはLiTaOの結晶、又はこれらにMgO及びZnOの少なくとも1種を添加物として含有する結晶であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の分極反転構造形成方法。
【請求項5】
前記分極反転構造形成工程が加温された環境下で行われることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の分極反転構造形成方法。
【請求項6】
前記分極反転構造形成工程において、当該ウエハの周期パターンの形成面を第1の液体電極に浸し、対面パターンの形成面を前記第1の液体電極と独立した第2の液体電極に浸し、前記第1及び第2の液体電極間に直流電圧を印加して行うことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の分極反転構造形成方法。
【請求項7】
前記分極反転構造形成工程において、当該ウエハの周期パターン及び対面パターンの形成面の何れか一方の面に金属を蒸着して金属膜を形成し、他方の面を液体電極に浸し、これら金属膜と液体電極間に直流電圧を印加して行うことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の分極反転構造形成方法。
【請求項8】
前記分極反転構造形成工程において、当該ウエハの周期パターン及び対面パターンの形成面の両面に金属を蒸着して金属膜を形成し、両面の金属膜間に直流電圧を印加して行うことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の分極反転構造形成方法。
【請求項9】
シングルドメイン化され、かつ鏡面加工されている非線形光学結晶のウエハをセットし、このウエハに周期的な分極反転構造を形成する分極反転構造形成装置であって、
前記ウエハの一方の面に、前記分極反転構造の周期に一致して絶縁物で作製された周期パターンと、
前記ウエハの他方の面に、前記周期パターンに対面して絶縁物で作製された対面パターンと、
前記周期パターン及び前記対面パターンが作製されたウエハを保持し、この保持状態のウエハの周期パターン及び対面パターンの形成面間に直流電圧を印加する保持印加手段と、
を備えたことを特徴とする分極反転構造形成装置。
【請求項10】
前記ウエハに前記周期パターン及び前記対面パターンを作製する絶縁物にフォトレジスト材料を用い、このフォトレジスト材料が溶け始める温度まで当該ウエハを加熱する加熱手段を更に備えたことを特徴とする請求項9に記載の分極反転構造形成装置。
【請求項11】
前記保持印加手段は、前記ウエハを保持し、この保持状態のウエハの周期パターンの形成面が第1の液体電極に浸り、前記対面パターンの形成面が前記第1の液体電極と独立した第2の液体電極に浸る状態に、当該第1及び第2の液体電極を収容する冶具と、前記第1及び第2の液体電極に各々挿入された直流電圧印加用の第1及び第2の電極棒とを備えたことを特徴とする請求項9又は10に記載の分極反転構造形成装置。
【請求項12】
前記ウエハは、前記周期パターン及び前記対面パターンの形成面の何れか一方の面に金属蒸着により形成された金属膜を備え、前記保持印加手段は、当該ウエハを保持し、この保持状態のウエハの金属膜の形成面と相対面が液体電極に浸る状態に、当該液体電極を収容する冶具と、前記金属膜に接続された直流電圧印加用の第1の電極棒と、前記液体電極に挿入された直流電圧印加用の第2の電極棒とを備えたことを特徴とする請求項9又は10に記載の分極反転構造形成装置。
【請求項13】
前記ウエハは、前記周期パターン及び前記対面パターンの形成面の両面に金属蒸着により形成された金属膜を備え、前記保持印加手段は、当該ウエハを保持する冶具と、この冶具で保持状態のウエハの両面の金属膜に接続された直流電圧印加用の第1及び第2の電極棒とを備えたことを特徴とする請求項9又は10に記載の分極反転構造形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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