説明

分解した炭化水素供給材料からプロピレン収量を増加させ且つ生成するナフサフラクション中のベンゼンを減少させる方法

軽質オレフィンの収量を増加させるように接触分解ユニットを運転して炭化水素供給材料を分解する方法。同伴するベンゼン含有ナフサ生成物流を、ベンゼン選択性の膜を通して更に処理して低含量のベンゼン流を与える。精製業者は、しばしば、石油化学産業におけるニーズに応じて軽質オレフィン、例えばプロピレンの収量を最適にするようにそれらの分解ユニットを運転しており、このようにして運転するユニットによって、増加した量のベンゼンを含むナフサがしばしば製造されることを分かっている。したがって、本発明方法によって、軽質オレフィンの収量を最適にし、更に同時に低いベンゼン含量を有するナフサの収量を与えることが所望の場合に、このユニットを運転することができる。本発明は、分解ユニットが軽質オレフィンの収量を増加させるために増加した濃度のペンタシルゼオライトを用いる場合に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は軽質オレフィンを製造するために行う接触分解方法に関する。本発明は更に、かかるプロセスにおいて製造されるナフサフラクション中のベンゼンを減少させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ベンゼンはガソリンの製造において生成する公知の発癌性物質である。欧州連合、米国、及び他の地域における規制は、ガソリン中1%未満のベンゼンを要求している。ガソリンは、精油所において、ブタン、イソペンタン、アルキレート、異性化体、直留ナフサ、水素化分解物、接触分解ナフサ、水蒸気分解ナフサ、コーカーナフサ、分解ガソリン、接触改質物、減圧軽油、及び酸素化物などの成分流をブレンドすることによって製造される。接触分解、例えば流動接触分解(FCC)から形成されるナフサは、軽質接触分解ナフサ、中間接触分解ナフサ、及び重質接触分解ナフサに更に分別することができる。
【0003】
[0003]現在のFCCプロセスからの製品分布は、ガソリンナフサに加えて多数の成分を含む。ガソリンは殆どの精製業者にとって主要な関心対象であるが、FCC生成物中には軽質オレフィン及びLPGも見られ、これらの生成物が高価であるために、精製業者の関心も高まっている。製造される軽質オレフィンは多くの目的のために用いることができ、例えばこれらは硫酸又はHFアルキル化によって高品質のアルキレートに改質される。LPGは調理及び/又は加熱目的のために用いられる。したがって、FCCユニットの経営者は、FCCが供給される市場、及びFCC生成物中に見出される各成分の価値に応じでそれらの生成物の含量を変動させることができる。
【0004】
[0004]プロピレンは、高需要の特定の軽質オレフィンである。これは、世界の最も大規模で最も成長の速い合成材料及び熱可塑性材料の多くにおいて用いられている。精製業者は、プロピレンに対する増大する需要を満足させるためにこれらのFCCユニットに益々依存するようになり、したがって、経営者は利益を最大にする機会を追求しているので、伝統的なFCCユニットの主力製品を輸送用燃料から離れて石油化学供給材料の製造に移している。実際、FCCユニットは世界のプロピレンの1/3を提供しており、ユニットからのプロピレン生産量を増加させることができることは、プロピレンの価格が高い場合には価値がある。
【0005】
[0005]精製業者がその既存のFCCユニットを拡張することができない場合には、ユニットの経営者は軽質オレフィン製造を増加させるためにかなり限られた数の選択肢しか有しない。報告されている選択肢としては:
(a)FCCユニットにおいて添加ZSM−5触媒及び/又は添加剤を用いること;及び
(b)ユニット、例えばペンタシルゼオライト(例えばZSM−5)の上での軽油からの分解ガスの製造における条件(例えば温度)の厳しさを増加させること;
が挙げられる。
【0006】
[0006]しかしながら、上記のようなプロセスは、通常、ガソリンナフサ流に分別すると、ガソリン収量を最大にする条件で運転するユニットと比較してより高いベンゼンの濃度を有する生成物を生成する。軽質オレフィン収量を増加させるように運転するFCCユニットからのナフサフラクションは、2%より多いベンゼンを含む可能性がある。増加したベンゼンの源は、精製業者によって容易には特定されていない。
【0007】
[0007]したがって、オレフィンのニーズを実質的に満足するためにFCCユニットに依存することは好まれない可能性があり、或いはペンタシル添加触媒の使用を最大にすることは好まれな可能性がある。この抵抗感は、精製業者がペンタシル添加剤を用いてオレフィン収量を増加させる場合にはガソリンの収量がしばしば犠牲になることを考えると更に強くなる。言い換えると、精製業者は、プロセスにおいて生成物を処理して増加した量のベンゼンを除去することが必要であるという事実に加えて、高価な製品の収量が減少するという更なる問題に直面する。
【0008】
[0008]ポリマー膜は芳香族物質を分離することが報告されている。
【0009】
[0009]米国特許第2,930,754号(Stuckey)、米国特許第2,958,656号(Stuckey)、米国特許第3,370,102号(Carpenterら)、米国特許第4,115,465号(Elfertら)、米国特許第4,944,880号(Hoら)、米国特許第5,028,685号(Hoら)、米国特許第5,063,186号(Schucker)、及び米国特許第5,635,055号(Sweetら)は全て、芳香族物質/非芳香族物質の分離用の膜に関するが、いずれも炭化水素流からのベンゼンの除去には取り組んでいない。
【0010】
[0010]米国特許第6,180,008号(White)及び米国特許第6,187,987号(Chinら)は、芳香族溶媒を回収するために超濾過を用いるポリイミド膜及びプロセスに関する。しかしながら、炭化水素流からのベンゼンの除去には取り組んでいない。
【0011】
[0011]US−5,914,435(Streicher及びPrevost)には、処理した炭化水素流のベンゼン含量を減少させるために、膜透過区域を用いてベンゼンに富む蒸留カラムからの側流を処理する方法が記載されている。膜はベンゼンに対して選択性であり、低ベンゼン保持液の少なくとも一部を2つの流れに分割し、蒸留カラム内の2つの異なる高さに再循環する。蒸留カラムは、150〜200℃の範囲の沸点を有する炭化水素をカラムの底部において回収し、約50℃の沸点を有する炭化水素をカラムの頂部から回収する、C〜C10炭化水素を分離するように設計されているナフサ予備分別カラムであると考えられる。
【0012】
[0012]"Reduce Your Tier 2 Gasoline Compliance Costs with Grace Davison S-Brane Technology"と題され、Spring 2002 NPRAミーティング(AM-02-21)においてBalkoによって発表された文献には、S-Brane膜を用いることによってガソリン中のイオウ含量を減少させることが記載されている。米国特許第6,896,796号(White, Wormsbecher, 及びLesemann)も参照。Balkoでは、S-Brane膜を用いるプロセスによって保持液の芳香族物質(特にベンゼン)のレベルが実質的に減少することがおおまかに記載されているが、これをオレフィン製造に関連するガソリン流に関して行うことは言及されておらず、イオウの減少がS-Brane膜を用いる主要な目的であった。実際、Balkoではベンゼンの除去に関する裏付けデータは提供されていない。
【0013】
[0013]以下の参考文献にも、炭化水素供給流からイオウを除去するために膜を用いることが記載されている。Balkoの’761特許を除いて、これらの参考文献はベンゼンの除去には言及していない。米国特許第6,649,061号(Minhasら)、US−7,048,846(Whiteら)、及びUS−7,267,761(Balko)。
【0014】
[0014]Jonquieres, R. Clement, P. Lochon, J. Neel, M. Dresch, 及びB. Chretien; 「西洋諸国におけるパーベーパレーション及び蒸気透過の工業的最新技術」; J. Membrane Sci. 206 (2002) 87-117には、「石油化学産業においては、現在ではこれらの新しい分離プロセスが、依然として公共的な保健上の現在の重要な問題の1つであるガソリンからの芳香族物質の除去という来るべき世界的規模の難題に立ち向かう非常に良好な候補として考えらている」と示されているが、更なる参考文献又は情報は与えられていない。A. Jonquieres, R. Clement, 及びP. Lochon; 「蒸気及び液体に対するブロックコポリマーの透過性」; Prog. Polym. Sci. 27 (2002) 1803-1877も参照。
【0015】
[0015]米国特許第6,232,518号(Ou)は、炭化水素流からベンゼンを除去するためにシクロデキストリンを用いることに関する。
【0016】
[0016]J. Garci Villaluenga及びA. Tabe-Mohammandi; 「パーベーパレーション(pervaperation)プロセスによるベンゼン/シクロヘキサン混合物の分離の総説」; J. Membrane Sci. 169 (2000) 159-174には、ベンゼンを回収するための既存の技術が総説されている。しかしながら、ベンゼンを低レベルに除去することには取り組んでいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第2,930,754号明細書
【特許文献2】米国特許第2,958,656号明細書
【特許文献3】米国特許第3,370,102号明細書
【特許文献4】米国特許第4,115,465号明細書
【特許文献5】米国特許第4,944,880号明細書
【特許文献6】米国特許第5,028,685号明細書
【特許文献7】米国特許第5,063,186号明細書
【特許文献8】米国特許第5,635,055号明細書
【特許文献9】米国特許第6,180,008号明細書
【特許文献10】米国特許第6,187,987号明細書
【特許文献11】US−5,914,435
【特許文献12】米国特許第6,896,796号明細書
【特許文献13】米国特許第6,649,061号明細書
【特許文献14】US−7,048,846
【特許文献15】US−7,267,761
【特許文献16】米国特許第6,232,518号明細書
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】"Reduce Your Tier 2 Gasoline Compliance Costs with Grace Davison S-Brane Technology", Spring 2000 NPRAミーティング(AM-02-21), Balko
【非特許文献2】Jonquieres, R. Clement, P. Lochon, J. Neel, M. Dresch, 及びB. Chretien; J. Membrane Sci. 206 (2002) 87-117
【非特許文献3】A. Jonquieres, R. Clement, 及びP. Lochon; Prog. Polym. Sci. 27 (2002) 1803-1877
【非特許文献4】J. Garci Villaluenga及びA. Tabe-Mohammandi; J. Membrane Sci. 169 (2000) 159-174
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
[0017]新しい規則では、ガソリン中のベンゼンのより低いレベルが求められている。FCCユニットはガソリン用の配合成分を製造するので、ベンゼンのレベルを低く維持することは精製業者にとって重要である。したがって、その製造中に生成するFCCガソリン中のベンゼンのレベルを同時に低下させながら増加したプロピレン製造を可能にする方法を有することが望ましいであろう。上術の議論から明らかなように、この難問に対する実際的な解決策は開示も示唆もされていない。
【課題を解決するための手段】
【0020】
[0020]本発明者らは、軽質オレフィンの収量を増加させることが知られているペンタシルゼオライト触媒又は他の条件を用いて供給材料を軽質オレフィン(例えばプロピレン)に分解する際のベンゼンの望ましくない蓄積に対処するために膜プロセスを用いて、それによって、ガソリンプール中にブレンドすることができるより環境に優しいナフサ流を同時に与えながら、FCCユニットからの軽質オレフィンの収量を増加させるプロセス条件を可能にすることができることを見出した。軽質オレフィンとは、ここではエチレン、プロピレン、及びブチレン、即ち2〜4個の炭素を含む(C〜Cの)オレフィンを意味するものとされる。
【0021】
[0021]本発明は、約120℃からの初留点及び約850℃以下の終留点を有することを特徴とする炭化水素供給材料を接触分解ユニットの反応区域中に導入することを含む。ユニットからの軽質オレフィンの収量がより通常的な条件、例えば下記に示す条件で運転する同一のユニットのものと比較して増加するような温度、触媒/油比、圧力、水蒸気希釈率、及び空間速度の条件下で供給材料を分解触媒と接触させることによって、供給材料をユニットの反応区域内で分解する。
【0022】
【表1】

【0023】
[0022]ユニットは、それによって、軽質オレフィン、ナフサ、及びベンゼンを含み、上記の分解工程中に導入される炭化水素供給材料の重量を基準として約6〜約20%のプロピレンを含む生成物を生成させる。次に、生成物を少なくとも軽質オレフィン含有フラクション及びベンゼン含有ナフサフラクションに分別する。かかる流れは、フルレンジ(full range)接触分解ナフサ(50℃〜約220℃の範囲の沸点、及び0.6〜約3重量%のベンゼン)、又は軽質接触分解ナフサ(50℃〜約105℃の範囲の沸点、及び1.2〜約6重量%のベンゼン)を含む可能性がある。
【0024】
[0023]軽質オレフィン含有フラクションを回収し、ベンゼン含有ナフサフラクションを膜と接触させる。使用するために選択される膜はベンゼン選択性であり、したがってナフサからベンゼン富化透過液フラクション及び低ベンゼンナフサ保持液フラクション(ここで、ベンゼン富化透過液フラクションは保持液と比較してベンゼンに富む)を分離するのに十分な流束及び選択性を有していなければならない。次に、低ベンゼンナフサ保持液フラクションを回収し、ベンゼン富化透過液フラクションを更なる処理に送る。
【0025】
[0024]かかるプロセスを運転する場合、接触分解ユニットにおける軽質オレフィンの収量を増加させるように、ユニットの条件、例えば触媒のタイプ及び組成、温度、触媒/油比、圧力、水蒸気希釈率、及び/又は空間速度のような条件を選択すれば、接触分解ユニット内で軽質オレフィン及び低いベンゼン含有率のナフサを製造する方法を自由自在に実施することができる。
【0026】
[0025]このようにしてベンゼンを除去することが可能になることで、精製業者はそのFCC生成物流からの軽質オレフィンの収量を最大にすることができる。ユニットがそのオレフィン製造のためにペンタシルゼオライトを用いる場合には、流れは、FCCユニットへの供給材料の重量を基準として6〜約20重量%のプロピレンの範囲のプロピレンを含む可能性がある。
【0027】
[0026]したがって、ガソリン供給材料からベンゼンを選択的に除去する芳香族物質選択性膜によって、1%未満、好ましくは0.6%未満のベンゼンレベルを有する大きな割合のガソリンを生成させながら、FCCユニットからの軽質オレフィン、例えばプロピレン1の増加した収量が同時に与えられる。芳香族物質選択性膜を用いるパーベーパレーションが、ベンゼンを除去するための好ましいプロセスである。
【0028】
[0027]FCCユニットにおける触媒及びプロセス条件は、軽質分ストリッピング塔からのC及びC軽質オレフィンの収量を20重量%より大きく増加させるように更に調節することができる。かかるプロセスによって1%より多いベンゼンを含む可能性があるナフサフラクションが排出されるが、本発明の膜工程によって、ガソリンフラクションが、1%未満のベンゼンを有する主要なフラクションである保持液、及び1%より多いベンゼンを含む少量フラクションである透過液に分離される。主要な保持液フラクションはガソリンプールにおいて直接用いることができ、一方、小割合の透過液フラクションは精油所における更なる処理に送る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】[0018]図1は、膜を用いて軽質接触分解ナフサを処理して流れの中のベンゼンの量を減少させる本発明の一態様を示す概要図である。
【図2】[0019]図2は、実施例3に記載する膜M1及びM2に関する、ベンゼン濃度を減少させる本発明の性能を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
接触分解プロセス:
[0028]本発明の接触分解プロセスは、好ましくはFCCプロセスである。FCCプロセスにおいて用いる触媒は粒子状形態であり、通常は20〜200ミクロンの範囲の平均粒径を有し、分解反応器と触媒再生器との間を循環する。反応器内において、炭化水素供給流は熱い再生した触媒と接触し、それによって供給流が気化及び分解する。FCCユニットは一定範囲の条件下で運転することができ、反応温度は約400℃〜700℃の範囲であり、再生は約500℃〜900℃の温度で行う。特定の条件は、処理する石油供給材料、所望の生成物流、及び精製業者に周知の他の条件によって定まる。例えば、軽質の供給材料はより低い温度で分解することができる。反応器内に平衡触媒を保持しながら、触媒(すなわちインベントリー)を接触分解反応と再生との間で連続的にユニットを通して循環させる。本発明は、FCCユニットにおいて、通常の分解条件下で用いることができる。FCCユニットにおいて見られる通常の条件を以下に列記する。
【0031】
【表2】

【0032】
[0029]本発明の幾つかの態様は、やや厳しい条件を用いる。厳しいプロセスとしては、深度接触分解(DCC)、接触熱分解プロセス(CPP)、及び超接触分解(UCC)として知られているものが挙げられる。より厳しいプロセスに関する条件の例を下表に示す。
【0033】
【表3】

【0034】
[0030]当業者であれば、本発明によってかかるプロセスをどの時点で用いることができるかを熟知している。かかるプロセスと共に本発明を用いる場合には、本発明に対する幾つかの修正が必要な可能性があり、例えばこれらのプロセスにおける触媒組成物の有効性を最適にするために触媒の活性及び損耗度を変化させることが必要な可能性がある。このような改変は当業者に公知である。例えば、増加した量のZSM5のようなペンタシルゼオライトを用いる場合には、FCCユニットを上記の表の第1欄に示す通常のFCC条件下で運転して、軽質オレフィンの収量を増加させることができる。
【0035】
[0031]分解反応によって炭素質の炭化水素又はコークスが触媒上に堆積し、それによって触媒を失活させる。コークス化した触媒から分解生成物を分離する。触媒ストリッパー内において通常は水蒸気を用いてコークス化した触媒から揮発性物質をストリッピングし、次に再生する。触媒再生器により、酸素含有ガス、通常は空気を用いて触媒からコークスを燃焼して触媒活性を復活させ、触媒を例えば500℃〜900℃、通常は600℃〜750℃に加熱する。再生した熱触媒を分解反応器に再循環して、更なる新しい供給流を分解する。再生器からの燃焼ガスは、微粒子を除去するか又はCOを転化させるように処理した後、大気中に排出することができる。FCCプロセス及びその発展は、Fluid Catalytic Cracking Report, Amos A. Avidan, Michael Edwards, 及びHartley Owen, 1990年1月8日, Oil & Gas Journal版に記載されている。
【0036】
[0032]種々の炭化水素供給材料をFCCユニット内で分解して、軽質オレフィン及びガソリンを製造することができる。代表的な供給材料としては、全体又は一部として、約120℃(250°F)より高い初留点、少なくとも約315℃(600°F)の50%留点、及び約850℃(1562°F)以下の終留点を有する軽油(例えば軽質、中間、又は重質軽油)が挙げられる。供給材料としてはまた、ディープカット(deep cut)軽油、減圧軽油、コーカー軽油、熱媒油、残油、循環油、全塔頂粗油、タールサンド油、シェール油、合成燃料、石炭の分解水素化から誘導される重質炭化水素フラクション、タール、ピッチ、アスファルト、上記の任意のものから誘導される水素処理供給材料なども挙げることができる。認識されるべき点として、約400℃より高い高沸点石油フラクションの蒸留は、熱分解を回避するために減圧下で行わなければならない。ここで用いる沸点とは、便宜上、雰囲気圧力に補正した沸点を表す。約850℃以下の終留点を有する更に高金属含量の残油又はディーパーカット(deeper cut)軽油を分解することができる。
【0037】
[0033]Yタイプのゼオライトは、ガソリンを製造するためのFCCプロセスにおいて通常的に用いられる。これらのゼオライトとしては、ゼオライトY(米国特許第3,130,007号);超安定Yゼオライト(USY)(米国特許第3,449,070号);希土類交換Y(REY)(米国特許第4,415,438号);希土類交換USY(REUSY);脱アルミニウム化Y(DeAlY)(米国特許第3,442,792号;米国特許第4,331,694号);及び超疎水性Y(UHPY)(米国特許第4,401,556号);が挙げられる。これらのゼオライトは、約7Åより大きい孔径を有する大孔モレキュラーシーブである。現在の商慣行においては、殆どの分解触媒はこれらのゼオライトを含む。
【0038】
[0034]金属カチオン交換ゼオライト、例えばMgUSY、ZnUSY、及びMnUSYゼオライトも用いることができ、これらは、マグネシウム、亜鉛、又はマンガンの塩を、用いられる希土類金属塩の代わりに用いてREUSYを形成する他はREUSYの形成に関するものと同一の方法で、Mg、Zn、又はMn、或いはこれらの混合物の金属塩を含む交換溶液を用いることによって形成される。これらの触媒の内容物及び製造は当該技術において周知である。
【0039】
[0035]本発明において用いるための触媒組成物中のYタイプゼオライトの量は、ガソリンナフサレンジの分子を製造するのに十分なものでなければならない。一般に、ゼオライトYは、触媒の1〜99重量%の範囲の量で存在させる。約12〜約60重量%のYタイプゼオライトを含む触媒がより通常的であり、具体的な量は所望の活性の量によって定まる。Yタイプゼオライトの量は、通常、Yタイプゼオライトと下記のペンタシルの合計量が全触媒組成物の少なくとも約35重量%を構成するようなものである。
【0040】
[0036]前示のとおり、触媒の原材料にペンタシルゼオライトを加えることは、本発明にしたがって軽質オレフィンの収量を増加させるようにFCCユニットを運転する1つの方法である。これらの触媒は周知であり、通常は添加触媒と呼ばれる。本発明のために好適なペンタシルゼオライトとしては、5員環を有するゼオライト構造のものが挙げられる。好ましい態様においては、本発明の触媒組成物は、ZSM−5又はZSM−11のX線回折パターンを有する1種類以上のペンタシルを含む。好適なペンタシルとしては、米国特許第5,380,690号(その内容は参照により援用されるものとする)に記載されているものが挙げられる。商業的に入手可能な合成の形状選択性のゼオライトも好適である。
【0041】
[0037]好ましいペンタシルゼオライトは、一般に1〜12の拘束指数を有する。拘束指数試験の詳細は、J. Catalysis, 67, 218-222 (1981)及び米国特許第4,711,710号(両方とも参照として本明細書中に包含する)において与えられている。かかるペンタシルは、中間孔ゼオライト、例えば約4〜約7Åの孔径を有するゼオライトによって例示される。ZSM−5(米国特許第3,702,886号及び再発行特許発明第29,948号)並びにZSM−11(米国特許第3,709,979号)が好ましい。これらの合成ペンタシルを製造する方法は当該技術において周知である。ペンタシルの好ましい態様は、比較的低い、例えば100:1未満、好ましくは50:1未満のシリカ/アルミナ比を有する。本発明の好ましい態様は、30:1未満のシリカ/アルミナ比を有する。ペンタシルはまた、金属カチオンで交換することもできる。好適な金属としては、米国特許出願公開第2004/011029号(その内容は参照により援用されるものとする)に記載されている金属ドーパントが挙げられる。簡単に言うと、これらの金属は、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類金属、リン、ホウ素、貴金属、及びこれらの組合せであってよい。ZSM−5ペンタシルを含む触媒は、W. R. Grace & Co.-Conn.から商業的に入手することができ、Olefins Ultra、Olefins Extra、及びOlefinsMaxブランドの触媒として販売されている。Olefins Ultra HZ添加剤が本発明において用いるために特に好適である。
【0042】
[0038]軽質オレフィンの収量を増加させるためにこれらの添加触媒をマクロ多孔性ゼオライトY触媒と組み合わせて用いることは公知であり、当該技術において公知の技術にしたがって且つ公知の条件下で、本発明において用いることができる。例えば、精製業者は、アモルファス担体中に10〜80重量%、通常は12〜35重量%、より通常的には25〜50重量%のペンタシルゼオライトを有するペンタシル含有触媒を、それらのFCCユニットへの添加触媒として加えることができる。この場合に、ペンタシルは、従来の大孔ゼオライト触媒を含む粒子とは別個の粒子として加えられる。これらの添加剤は、それらを大孔ゼオライト分解触媒と共に反応区域と再生区域との間で循環させることを可能にする物理特性を有するように製造する。別個の添加剤中でペンタシルを用いることにより、現時点で入手することができる多種多様なタイプの商業的に入手可能な大孔ゼオライト分解触媒を用いる能力を精製業者が保持することができ、精製業者がガソリンの製造に重点を置くことと軽質オレフィンの製造に重点を置くこととの間で切り替えることが可能になる。
【0043】
[0039]添加剤粒子中のペンタシルゼオライト含量に関係なく、触媒の全原材料中のペンタシルゼオライト結晶の量は、かかる触媒が存在しない場合と比較してFCCユニットのオレフィン収量を増加させるのに十分な量でなければならず、或いは例えばオクタンを増加させるために、低濃度(例えば1重量%以下)しか存在させない。「ペンタシルゼオライト結晶」とは、ニート形態の結晶質ペンタシルゼオライトを指すことを意図する。選択されたペンタシルゼオライト結晶(好ましくはZSM−5)の含量は、好ましくは本発明によって用いる触媒の2〜約20重量%の範囲である。ペンタシル結晶の量は、当業者に公知のX線回折技術を用いて担体及び/又はマトリクスを含む触媒粒子から計算することができる。
【0044】
[0040]本発明において、上記に記載の範囲の結晶の量を得るためには高ペンタシルゼオライト含量の触媒粒子が好ましい。高含量粒子を用いることによって、ゼオライトYのガソリン分解活性の低下が避けられる。かかる高ペンタシルゼオライト含量の触媒は公知であり、米国特許第6,916,757号(その内容は参照により援用されるものとする)に記載されている。
【0045】
[0041]これらの触媒添加剤は、FCCユニットにおいて広範囲の条件下で用いることができ、軽質オレフィンの収量は用いる条件によって定まる。温度の厳しさ、即ちより高い温度を、ZSM5のようなペンタシルゼオライトの使用と組み合わせると、通常は軽質オレフィンの収量の増加がもたらされるが、これはしばしばベンゼン含量の増加に伴いガソリンの収量が低下することも意味する。
【0046】
[0042]FCCユニットからのオレフィン収量を増加させるためにFCCユニット内で用いるのに特に好適なペンタシルゼオライト触媒は、国際公開第2006/050487号及び米国特許出願公開第2008/0093263号(これらの内容は参照により援用されるものとする)に記載されている。簡単に言うと、触媒をY−タイプのゼオライトと配合して約10%〜約50%の範囲のペンタシルゼオライトを含ませて、少なくとも0.25のペンタシルゼオライト/Y−タイプゼオライトの比にする。この触媒に関するペンタシルゼオライト/Y−タイプゼオライトの比は、一般に約3.0以下でなければならない。本発明の代表的な態様は、約10重量%〜約30重量%、より一般的には10〜約20重量%のペンタシルゼオライトを含む。この触媒中のペンタシルゼオライトの量は、一般に、上記のペンタシルゼオライト及びY−タイプゼオライトの量が全触媒組成物の少なくとも35重量%であるようなものである。
【0047】
[0043]本発明において用いるのに好適な他のペンタシルゼオライト触媒は、ペンタシルゼオライトを含む粒子の重量を基準として少なくとも1重量%の酸化鉄を含むものである。かかる触媒は、国際公開第2007/005075号(その内容は参照により援用されるものとする)に記載されている。これらの酸化鉄含有ペンタシルゼオライトは、通常、1〜10重量%の酸化鉄を含み、この量の鉄はペンタシル骨格の骨格外にあり、例えば鉄はペンタシルのシリカアルミナ骨格中に存在するものとは対照的にペンタシル粒子のマトリクス中に存在する。国際公開第2007/005075号においては、これらのタイプのペンタシル触媒を製造する方法、及びかかる触媒をどのようにしてFCCユニットの触媒原材料中に導入することができるかが記載されている。これらの触媒はFCCユニットのオレフィン収量を増加させるように特に設計されており、本発明はその触媒原材料がかかる触媒を含むFCCユニットにおいて特に有用性を有する。
【0048】
[0044]本発明はまた、その触媒原材料が米国特許出願第2006−0011513号(ここでは、ペンタシル触媒は金属リン酸塩バインダーを含む)に記載されているもののような鉄系触媒、特にリン酸鉄バインダーを含む触媒を含むFCCユニットにおいて用いるのにも好適である。
【0049】
[0045]上述したように、FCCユニットにおける軽質オレフィンの収量は、上記の表において列挙したDCC、UCC、及びCPPのようなより厳しい操作を用いても増加する。これらの方法は、FCCにおいて通常用いられる同一の触媒を、選択される特性の条件に合わせた量及び比で用いる。これらの操作のそれぞれに関する条件の範囲は上表に与えられている。これらの方法及びそこで用いる触媒は当該技術において公知である。1994 NPRA Annual Meeting, San Antonio, Texas, 1994年3月20-22日において発表されたChapinらの"Deep Catalytic Cracking, Maximize Olefin Production"(DCC);Mengら, "Production of Light Olefins by Catalytic Pyrolysis of Heavy Oil", Petroleum Science and Technology Vol. 24, p. 413-422, 2006(CPP);及び米国特許第5,846,402号(UCC);を参照。
【0050】
[0046]また、本発明は、公知でKellogg Brown and RootによってSuperflexプロセスとしてライセンスされているプロセスを行うユニットを用いることができることも想到される。かかる態様においては、Superflexプロセスを計画的に操作して、軽質ナフサ供給流を直接処理する際の軽質オレフィン収量を増加させ、次にユニットからの生成物をここでの教示にしたがって違う方法で処理する。
【0051】
[0047]FCCユニットからの炭化水素流出流又は生成物は変動し、供給材料だけでなく、ユニット内の条件にも依存する。通常のFCC条件下で処理した炭化水素流、及び本発明にしたがって処理したものは、下記の実施例において示す仕様を有する生成物を与える。
【0052】
[0048]次に、FCCユニットからの生成物を、本発明にしたがって更に処理するために分別カラムに送る。FCC生成物中の軽質オレフィンの収量を増加させるようにFCCユニットを運転すると、軽質オレフィンはFCCユニットへの供給流の重量を基準として6〜約20%のプロピレンを含む。プロピレンの収量を最大にするためのDCCプロセスに関する上述のNPRAの発表における表2は、FCCユニットの生成物の仕様、例えばCオレフィンを最大にするように運転するFCCユニットからの約8%のプロピレンの収量の例示である。より慣用的な条件下で得られるFCC生成物、例えば約7%のプロピレン収量は、1991 NPRA Annual Meeting, 1991年3月17-19日, San Antonio Texasにおいて発表されたYoungらの"Reformulated Gasoline: The Role of Current and Future FCC Catalysts"の表3に示されている。
【0053】
分別:
[0049]石油精製の最終生成物目標に応じて、FCC生成物を種々のフラクションに分離する。本発明の目的のためには、FCC生成物は、例えばFCCの主要カラムとしても知られる分別カラムによって、少なくとも軽質オレフィン含有フラクション及びナフサフラクションに分離される。軽質オレフィン含有フラクションは、一般的にC以下の飽和及び/又は不飽和フラクションを含む。カラム又は分別器は当該技術において公知のものであってよい。Fluid Catalytic Cracking Handbook-Design, Operation, and Troubleshooting of FCC Facility, Sadeghbiegi, pp. 18-21 (1995)を参照。これらのカラムを運転するための条件は、所望のフラクション数によって変化する。FCCを運転する精製業者は、通常、FCC生成物を、軽質オレフィンフラクション、ガソリンナフサフラクション、軽質サイクル油(LCO)フラクション、及び重質サイクル又は塔底油フラクションに分別される。
【0054】
[0050]C以下の飽和及び/又は不飽和フラクションを含む軽質オレフィンフラクションは、通常、「湿性ガス」として留去する。湿性ガスフラクションは、一般に50℃以下の沸点を有するフラクションと考えられる。これらのフラクションは、通常、圧縮装置内で回収し、処理/蒸留してカラムからフラッシングされる個々の軽質オレフィンにする。
【0055】
[0051]ガソリンナフサフラクションは、一般にC〜C12炭化水素を含む。本発明の目的のためには、「ナフサ」及び「ガソリンナフサ」という用語は、ここでは約50℃〜約220℃の間の沸点範囲を有する、精油所の運転時に見出される炭化水素流を示す同義語として用られている。ナフサフラクションは、種々の量のオレフィン性、芳香族、及び非芳香族、例えば脂肪族の炭化水素化合物を含み、主として次の沸点範囲によって区別される。軽質ナフサは50℃〜約105℃の範囲の沸点を有する。中間(mid)ナフサは105℃〜約160℃の範囲の沸点を有する。重質接触分解ナフサは約160℃〜約220℃の範囲の沸点を有する。
【0056】
[0052]ベンゼンは80℃の沸点を有し、FCC生成物中のベンゼン含量のかなりの部分がナフサフラクションと共に留出する。増加したオレフィン収量を生成するように運転するFCCユニットからの生成物のナフサフラクションは、0.6〜約3重量%のベンゼン、しばしば1%より多いベンゼンを含む可能性がある。
【0057】
[0053]FCC生成物を軽質、中間、及び重質接触分解ナフサフラクションに分離する場合には、相当量のベンゼンが、軽質接触分解ナフサ、即ち50〜105℃のフラクションと共にフラッシングされる。増加したオレフィン収量を生成するように運転するFCCユニットからの軽質接触分解ナフサは、1.2〜約6重量%のベンゼン、しばしば2%より多いベンゼンを含む可能性がある。かかるベンゼン濃度は、ペンタシルゼオライト、例えばZSM5の結晶が触媒原材料の2〜20重量%を構成するユニットにおいて製造される軽質接触分解ナフサ中に見出すことができる。
【0058】
[0054]特定の理論には拘束されないが、FCCユニットにおいてより多くの軽質オレフィンを製造するためにより厳しいプロセスを用いる場合には、芳香族側鎖の脱アルキル化、環化、及び脱水素反応が起こってより大きな濃度のベンゼンが生成すると考えられる。他方において、軽質のオレフィンを製造するためにペンタシルゼオライトに頼るプロセスにおいては、分子がオレフィン分子に分解し、これがナフサフラクションから除去され、それによってより高いベンゼン濃度を有する流れが得られる。言い換えれば、ペンタシル触媒によってナフサ流から分子が除去され、これによりベンゼンの存在が別の方法で希釈される。
【0059】
[0055]ベンゼン含有ナフサフラクション(例えばフルレンジナフサ又は軽質ナフサフラクション)をカラムから回収し、次に本発明による更なる処理のための膜に送る。図1を参照。カラムから排出される残りのフラクション(例えばLCO及びHCO)は、それぞれC12〜C22範囲及びC22以上の範囲の炭化水素フラクションに相当する。これらのフラクションは、通常、本発明による更なる処理を必要としないと考えられる。これらの後者の流れは、しばしば、回収して、分離処理に送るか、或いは例えばFCCユニットを通って再循環する。
【0060】
膜分離:
[0056]本発明において有用な膜は、複数の芳香族化合物を含む炭化水素(例えばベンゼン含有ガソリンナフサ)の存在下で少なくともベンゼンを透過するのに十分な流束及び選択性を有する膜である。任意の芳香族物質選択性の膜を用いることができる。好ましい膜は、高い流束及び良好な芳香族物質選択性の組み合わせである高い生産性、並びに通常は80〜120℃の範囲の熱い運転温度に耐える能力に基づいて選択される。ベンゼンは芳香族物質選択性の膜に対して高度に透過性である。ベンゼン選択性の膜を横切るベンゼンの移動速度を供給材料中のC以上の化合物に関する移動速度と比較すると、ベンゼン除去の相対速度が最も速く、これにより本発明が多少効率的になり、同時に保持液中に高価なガソリンフラクションが保持される。更に、膜システムを、例えば34,000バレル/日のオーダーの大規模供給流を取り扱うように設計して、それによって本発明を利用する精製業者に潜在的な規模の経済を与えることができる。
【0061】
[0057]膜は、通常、1.5より大きく、好ましくは2より大きく、更により好ましくは約2〜約20、最も好ましくは約2.5〜15のベンゼン富化係数を有する。好ましくは、膜は、同一か又は異なる材料のより厚い多孔質基礎構造の上の密な超薄の頂部「表面」薄層から完全に構成されるものとして定義することができる非対称構造を有する。通常、非対称膜は好適な多孔質支持材又は支持材料の上に支持される。
【0062】
[0058]本発明の一態様においては、膜は、米国特許第6,180,008号(その内容は参照により本明細書中に援用されるものとする)において記載されているMatrimid 5218又はLenzingポリイミドポリマーから製造されるポリイミド膜である。
【0063】
[0059]本発明の他の態様においては、膜は、例えばミクロ多孔性又は限外濾過支持層上に被覆されている、活性分離層の一部としてシロキサンベースのポリマーを有するものである。ポリシロキサン官能基を導入した膜構造の例は、米国特許第4,781,733号;米国特許第4,243,701号;米国特許第4,230,463号;米国特許第4,493,714号;米国特許第5,265,734号;米国特許第5,286,280号;及び米国特許第5,733,663号;(これらの参照文献は参照により本明細書中に援用されるものとする)において見られる。
【0064】
[0060]本発明の更に他の態様においては、膜は、米国特許第4,962,271号(参照により本明細書中に援用されるものとする)に開示されているような芳香族ポリ尿素/ウレタン膜である。かかるポリ尿素/ウレタン膜は、少なくとも20%であるが100%未満の尿素指数、少なくとも15モル%の芳香族炭素含量、ポリマー1000gあたり少なくとも約10の官能基密度、及び約8未満のC=O/NH比を有することを特徴とする。
【0065】
[0061]上記のポリイミド、ポリ尿素/ウレタン系、及びポリシロキサン系の膜は、その触媒が2〜約20重量%の範囲のペンタシルゼオライト結晶、例えばZSM−5を含むユニットにおいて製造されるガソリン(例えば軽質接触分解ナフサ)からベンゼンを分離する場合に特に有用である。上述したように、かかる触媒から製造される軽質接触分解ナフサは、1.2〜6.0重量%のベンゼンを含む可能性がある。
【0066】
[0062]膜は、シート、チューブ、又は中空繊維のような任意の好都合な形態で用いることができる。シートを用いて、当業者によく知られている螺旋巻回モジュールを製造することができる。或いは、シートを用いて、供給流−保持液スペーサー及び透過液スペーサーによって交互に分離される複数の膜層を含む平坦な積層透過器を製造することができる。この装置は、米国特許第5,104,532号(参照により本明細書中に援用されるものとする)に記載されている。
【0067】
[0063]チューブは、それぞれのチューブが扁平で、他の扁平なチューブと平行に配置されている多分割モジュールの形態で用いることができる。それぞれのチューブは内部にスペーサーを含む。扁平なチューブの隣接する対は、スペーサー材料の層によって分離する。扁平なチューブは、配置されているスペーサー材料と共に、流体の入口及び出口手段を備える耐圧ハウジング中に収容する。チューブの端部を締着して、ハウジング内のチューブとは別の内部及び外部区域を形成する。このタイプの装置は、米国特許第4,761,229号(参照により本明細書中に援用されるものとする)に記載され、特許請求されている。
【0068】
[0064]中空繊維は、いずれかの端部をポッティングしてチューブシートを形成し、圧力容器中に取り付けて、それによってチューブの内側をチューブの外側から隔離する束列で用いることができる。このタイプの装置は当該技術において公知である。標準的なデザインの改変は、バッフルを用いることによって中空繊維束を別々の区域に分割して、流体流を束のチューブ側上に変向させて、チューブ側上での流体のチャンネリング及び偏りを妨げることを伴う。この改変は、米国特許第5,169,530号(参照により本明細書中に援用されるものとする)に開示されている。
【0069】
[0065]螺旋巻回、プレート/フレーム、管状、又は中空繊維部材のような複数の分離部材を、直列又は並列のいずれかで用いることができる。米国特許第5,238,563号(参照により本明細書中に援用されるものとする)には、部材が、部材の同一の端部に配置されている2つのチューブシートによって被包される空間によって画定されている供給流/保持液区域と平行にグループ分けされている複数部材のハウジングが開示されている。
【0070】
[0066]ベンゼン含有ガソリンの透過液及び保持液への選択膜分離は、例えばそれがフルレンジガソリンであるか又は軽質接触分解ナフサであるかにかかわらず、パーベーパレーション又はパーストラクション条件下で行う。好ましくは、プロセスはパーベーパレーション条件下で行う。
【0071】
[0067]パーベーパレーションプロセスは、通常、透過液側上に減圧をかけて透過液を蒸発させるか又は他の方法で表面から膜へ移動させて、分離プロセスを駆動する濃度勾配駆動力を維持することによる。供給流は液体及び/又は気体状態である。気体状態の場合には、プロセスは蒸気の透過として説明することができる。パーベーパレーションにおいて用いる温度最高値は、膜を通して選択的に透過させることを求める供給流中の成分を気化させるのに必要なものであって、更に膜が物理的に損傷を受ける温度よりも低い温度である。パーベーパレーションは約25℃〜200℃及びこれ以上の温度で行うことができ、温度最高値は膜が物理的に損傷を受ける温度である。膜ユニット中への供給流の圧力は通常は1〜20気圧の範囲であり、ユニットは0.1〜300mmHgの範囲の減圧下で運転する。パーベーパレーションプロセスは設備コストを減少させるために単一段階運転として運転することが好ましい。減圧に代えて、透過液側に掃去ガスを用いて生成物を取り出すことができる。このモードにおいては、透過液側は大気圧である。
【0072】
[0068]パーストラクションプロセスでは、供給流中の透過液分子が膜フィルム中に拡散し、濃度勾配の影響下でフィルムを通って移動し、透過液側上に再び出現する。濃度勾配駆動力を維持するために、液体の掃去流は膜の透過液側で使用される。パーストラクションプロセスは、米国特許第4,962,271号(参照により本明細書中に援用されるものとする)に記載されている。
【0073】
[0069]パーベーパレーションであるか又はパーストラクションであるかにかかわらず、選択される膜プロセスは、供給流速又は運転温度を変化させることによってFCCユニットの種々の生成物に容易に適合させることができる。したがって、本発明は、石油精製収量の増加を促進する更なるプロセス制御変数を与え、更にベンゼン含有ナフサ流を取り扱うプロセスを有する。
【0074】
[0070]本発明による選択性膜によって、ナフサ中のベンゼンの非常に大きな減少を達成することができる。一般的には、保持液(ここでは低ベンゼン保持液とも呼ぶ)は、ナフサ中のベンゼン濃度、膜分離条件等によって、1%未満、及び100ppm程度の低濃度でのベンゼンを含有する。本発明によると、好ましくは保持液が0.6重量%未満のベンゼンを含むようにガソリンベンゼンが減少する。一般に、保持液中のガソリンナフサ分子のレベルを実質的に又は相当に保持しながら、保持液における十分なベンゼンの減少を容易に達成することができる。次に、保持液流を精製業者のガソリンプールに送って、そこで他の精油所流を配合してガソリン製品を形成する。
【0075】
[0071]ベンゼン富化透過液は、回収及び適当な処理、使用及び/又は廃棄のために、精油所のBTXユニット(ベンゼン、トルエン、及びキシレン)に送る。本発明からの透過液は、通常、1〜10重量%のベンゼンの範囲の量のベンゼン(及びトルエン)を有する。精油所によって、ベンゼンに非常に富む透過液を、流れを化学的操作において用いるための実質的に純粋なベンゼンに更に濃縮するプロセスに送ることができ、或いは透過液を更に処理して改質プロセス又はアルキル化プロセスにおける供給材料にすることができる。
【0076】
[0072]本発明の増加した効率は、ナフサフラクションからベンゼンを分離するための膜ユニットの前に、脱ペンタン蒸留カラム内でベンゼン含有ナフサ(フルレンジ又は軽質)を分別することによって達成することができる。選択される膜に応じて、ガソリン流中のCオレフィンは通常は保持液中に残留するが、これらのオレフィンを透過液中に濃縮することもできる。ナフサ流を処理することによって透過液からCオレフィンを除去し、したがって膜に送られる供給材料中にベンゼンを濃縮する。これによって全体的に、ステージカット要件は低下する。C類を除去し、高濃度ベンゼンを、低濃度ベンゼンが存在する場合よりも速い絶対速度で除去する。C類を有しないと、透過液を濃縮するコストも減少する。脱ペンタン器から回収されるCオレフィンは、次に他の精油所でのニーズのために更に処理するか、或いは処理してガソリンプールへ送る前に保持液流に戻すことができる。脱ペンタンカラムは当該技術において公知である。本発明のこの態様に用いるカラムは、50℃のカラム頂部におけるフラクション、及び150〜200℃の範囲の温度の塔底フラクションをフラッシングするように運転することができる。
【実施例】
【0077】
[0073]本発明及びその有利性を更に示すために、以下の特定の実施例を与える。実施例は例示目的だけのために与えるものであり、特許請求の範囲に対する限定となることは意図していない。本発明は実施例において示される特定の詳細には限定されないと理解すべきである。
【0078】
[0074]実施例及び明細書中の残りの箇所における固体の組成又は濃度に関する全ての部及びパーセントは、他に示さない限りにおいて重量基準である。しかしながら、実施例及び明細書中の残りの箇所における気体の組成に関する全ての部及びパーセントは、他に示さない限りにおいて体積基準である。
【0079】
[0075]更に、特定の特性のセット、測定値の単位、条件、物理的状態、又はパーセントを表すもののような明細書又は特許請求の範囲に示されている任意の数値の範囲は、表示されている任意の範囲内の数値の任意の部分集合(subset)を含む当該範囲内に含まれる任意の数値を、本明細書中明示的な言及の有無にかかわらず、文字通りに包含することが意図されている。
【0080】
実施例1:
[0076]2工程コーティングプロセスで、ベンゼン選択性のポリ尿素/ウレタン膜(M1)を調製した。1.05/1のモル比のトルエンジイソシアネート末端ポリエチレンアジペート及び4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)から構成されるジオキサン中4.0%固形分の溶液を調製した。これを一晩16時間反応させてポリ尿素/ウレタン溶液を生成させた。得られた溶液で、ポリアクリロニトリル限外濾過基材を浸漬コーティングを実施した。次に、コーティングを施した基材を100℃の通気オーブンに移して、乾燥及び硬化させた。第2工程において、トルエンジイソシアネート末端ポリエチレンアジペート及び4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)の別の溶液を調製したが、今回はジオキサン中2.65%固形分であった。これを一晩かけて16時間反応させて、ポリ尿素/ウレタン溶液を生成させた。次にこの溶液を、先にコーティングを施した基材上に浸漬コーティングを実施し、これを7日間熟成させた。新たにコーティングを施した基材を、再び100℃の通気オーブンに移した。完成した膜は、乾燥状態で耐久性であった。
【0081】
[0077]Feimerらの手順(米国特許第4,879,044号)を用いて、M1のポリマー分離層に関する特性を計算した。芳香族指数=17.56、尿素指数=50、(C=O+NH)の合計/1000g=12.64、及びC=O/NH値=5.34が算出された。
【0082】
実施例2:
[0078]実施例1に記載のものと同様の2工程コーティングプロセスで、第2のベンゼン選択性の膜(M2)を調製した。1.05/1のモル比のトルエンジイソシアネート末端ポリエチレンアジペート及び4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)のジオキサン中2.65%固形分の溶液を調製した。これを一晩かけて16時間反応させて、ポリ尿素/ウレタン溶液を生成させた。上記記載と同じポリアクリロニトリル限外濾過基材に浸漬コーティングを実施し、次に100℃の通気オーブンに移して、乾燥及び硬化させた。第1のコーティングを7日間熟成させた後に、コーティングを施した基材に対して上記と同じコーティング材を用いて2回目のコーティングを実施した。完成した膜は、乾燥状態で耐久性であった。
【0083】
[0079]M2は、より大きい芳香族物質含量及びより高い官能基密度を有する他のポリ尿素/ウレタン膜であった。芳香族指数=29.63、尿素指数=50、(C=O+NH)の合計/1000g=12.97、及びC=O/NH値=2.33が算出された。
【0084】
実施例3:
[0080]25.5のAPI比重、11.94のKファクター、0.68%のコンラドソン炭素、及び0.12重量%の窒素を有するFCC供給材料を、Davidson Circulating Riser内で、1010°Fの反応器温度、25psigの反応器圧力、及び1300°Fの再生器温度において、80%のUltimaと20%のOlefin Ultraの触媒ブレンドを用いて処理した。プロピレンの収量は、新しい供給流を基準として8.37重量%であった。90°Fの塔底温度及び12°Fの塔頂温度で運転する蒸留カラムによって、軽質C及びC化合物をナフサから分離した。回収されたナフサは1.1重量%のベンゼンを含んでいた。
【0085】
[0081]ベンゼン選択性の膜M1及びM2を用い、供給流貯留槽、循環ポンプ、流量計、オーブンの内部に配置されている膜試料を含む試験セル、透過液回収容器、及び真空ポンプから構成されるパーベーパレーションシステム内においてこのナフサを更に処理した。透過液トラップを液体窒素(−195℃)中で冷却した。供給流はC及びC化合物がストリッピングされたFCCナフサであった。パーベーパレーションユニットにおいて、120℃及び完全真空でそれぞれの膜M1及びM2に関して膜の検査実験を行って、このナフサ中のベンゼンレベルを減少させた。圧力調整器によってナフサを80psiに加圧し、熱い状態の間に液相として保持した。真空ポンプによって、膜の透過液側上に10torr未満の真空を生成させた。
【0086】
[0082]それぞれの透過液試料を1〜2時間回収した。複数の透過液試料を回収することによって、大きな段カットが得られた。保持液は、膜の上に再循環するために供給流貯留槽に連続的に戻した。透過液のそれぞれのフラクションの回収の開始時において保持液試料を回収し、実験の終了時に最終試料を回収した。
【0087】
[0083]標準的なGC法を用いて、保持液及び透過液の両方に関して炭化水素の濃度(重量%)を測定した。
【0088】
[0084]結果をグラフ(図2)に示す。グラフ中、ステージカットは透過液として除去された供給流のフラクションを示す。M1は、25%のステージカットで0.6%未満のベンゼンを有する保持液を生成した。より選択性の膜であるM2は、21%のステージカットによって0.6%未満のベンゼンを生成した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.約120℃からの初留点と約850℃以下の終留点を有することを特徴とする炭化水素供給流を、接触分解ユニットの反応区域中に導入し;
b.反応区域内において、ユニットからのオレフィンの収量を増加させて、オレフィン、ナフサ、及びベンゼンを含み、上記の工程aにおいて導入される炭化水素供給材料の重量を基準として約6〜約20%のプロピレンを含む生成物を生成させるような分解触媒、温度、触媒/油比、圧力、水蒸気希釈率、及び空間速度を用いて供給材料を接触分解し;
c.生成物を、少なくとも軽質オレフィン含有フラクション、及びベンゼン含有ナフサフラクションに分別し;
d.軽質オレフィン含有フラクションを回収し;
e.ベンゼン含有ナフサフラクションを、保持液と比較してベンゼンに富むベンゼン富化透過液フラクション及び低ベンゼンナフサ保持液フラクションを分離するのに十分な流束及び選択性を有する膜と接触させ;
f.低ベンゼンナフサ保持液フラクションを回収し;そして
g.ベンゼン富化透過液フラクションを更なる処理に送る;
ことを含む接触分解方法。
【請求項2】
工程bにおける分解触媒が触媒の2〜約20重量%の範囲のペンタシルゼオライト結晶含量を含む、請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項3】
工程bにおける分解触媒が触媒添加剤の10〜約80重量%の範囲のZSM5を含む触媒添加剤を含む、請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項4】
工程cにおけるベンゼン含有ナフサフラクションが0.6〜約3重量%のベンゼンを含む、請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項5】
工程cにおけるベンゼン含有ナフサフラクションが、50〜105℃の範囲の沸点を有する軽質接触分解ナフサであり、1.2〜約6重量%のベンゼンを含む、請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項6】
工程cにおけるベンゼン含有ナフサフラクションが、50〜105℃の範囲の沸点を有する軽質接触分解ナフサであり、1.2〜約6重量%のベンゼンを含む、請求項2に記載の接触分解方法。
【請求項7】
プロセスが深度接触分解プロセスであり、工程aの反応区域における条件が以下のもの:
温度,℃:505〜575;
触媒/油:9〜15;
圧力,気圧:0.7〜1.5;
水蒸気希釈率,供給流の重量%:10〜30;
WHSV,hr−1:0.2〜20;
ペンタシル結晶含量,触媒の重量%:10〜75;
である、請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項8】
工程eにおける膜が、ポリイミド、ポリ尿素−ウレタン、ポリシロキサン、及びこれらの組合せからなる群から選択される成分を含む、請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項9】
工程eにおける膜が、ポリイミド、ポリ尿素−ウレタン、ポリシロキサン、及びこれらの組合せからなる群から選択される成分を含む、請求項2に記載の接触分解方法。
【請求項10】
工程eにおける膜が、ポリイミド、ポリ尿素−ウレタン、ポリシロキサン、及びこれらの組合せからなる群から選択される成分を含む、請求項5に記載の接触分解方法。
【請求項11】
ベンゼン含有ナフサフラクションをパーベーパレーション条件下で膜と接触させる、請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項12】
低ベンゼンナフサ保持液が1重量%未満で約100ppmまでのベンゼンを含む、請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項13】
低ベンゼンナフサ保持液が0.6重量%未満で約100ppmまでのベンゼンを含む、請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項14】
ベンゼン富化透過液が1〜約10重量%のベンゼンを含む、請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項15】
ベンゼン含有ナフサフラクションを工程eにしたがって膜と接触させる前に、工程cからのベンゼン含有ナフサフラクションを分別して、Cフラクションを除去することを更に含む、請求項1に記載の接触分解方法。
【請求項16】
a.接触分解ユニットにおけるオレフィン収量を増加させる触媒、温度、触媒/油比、圧力、水蒸気希釈率、及び/又は空間速度を選択し;
b.ユニット内で供給材料を分解触媒と接触させて、それによってオレフィン、ナフサ、及びベンゼンを含む生成物を生成させ;
c.生成物を少なくとも軽質オレフィン含有フラクション及びベンゼン含有ナフサフラクションに分別し;
d.軽質オレフィン含有フラクションを回収し;
e.ベンゼン含有ナフサフラクションを、保持液と比較してベンゼンに富むベンゼン富化透過液フラクション及び低ベンゼンナフサ保持液フラクションを分離するのに十分な流束及び選択性を有する膜と接触させ;
f.低ベンゼンナフサ保持液フラクションを回収し;そして
g.ベンゼン富化透過液フラクションを更なる処理に送る;
ことを含む、接触分解ユニット内において炭化水素供給材料から軽質オレフィン及びベンゼン低含有ナフサを製造する方法。
【請求項17】
工程cにおけるベンゼン含有ナフサフラクションが50℃〜約220℃の範囲の沸点を有し、このフラクションが0.6〜約3重量%のベンゼンを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
工程cにおけるベンゼン含有ナフサフラクションが50℃〜約105℃の範囲の沸点を有し、このフラクションが1.2〜約6重量%のベンゼンを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
工程bからの生成物が工程aにおける供給材料の重量を基準として6〜約20重量%のプロピレンを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
工程eにおける膜が、ポリイミド、ポリ尿素−ウレタン、ポリシロキサン、及びこれらの組合せからなる群から選択される成分を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
ベンゼン含有ナフサフラクションをパーベーパレーション条件下で膜と接触させる、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
低ベンゼンナフサ保持液が1重量%未満で約100ppmまでのベンゼンを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
低ベンゼンナフサ保持液が0.6重量%未満で約100ppmまでのベンゼンを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
低ベンゼンナフサ保持液が1重量%未満で約100ppmまでのベンゼンを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
低ベンゼンナフサ保持液が1重量%未満で約100ppmまでのベンゼンを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
供給材料をZSM5を含む触媒と接触させる、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
工程bにおける供給材料を2〜約20重量%のペンタシル結晶を含む触媒と接触させる、請求項16に記載の方法。
【請求項28】
工程aにおける供給材料を2〜約20重量%のペンタシル結晶を含む触媒と接触させる、請求項19に記載の方法。
【請求項29】
ペンタシルがZSM−5である、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
ペンタシルがZSM−5である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
工程bにおける分解触媒が触媒添加剤の10〜約80重量%の範囲のZSM5を含む触媒添加剤を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項32】
工程bにおける分解触媒が触媒添加剤の10〜約80重量%の範囲のZSM5を含む触媒添加剤を含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−503038(P2012−503038A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526859(P2011−526859)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2009/005095
【国際公開番号】WO2010/030369
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(598055242)ユーオーピー エルエルシー (182)
【Fターム(参考)】