説明

切削方法

【課題】汎用のマシニングセンタを使用してワークの切削を行うことができて、マシニングセンタの設備費用の低減及びマシニングセンタの設置スペースの縮小を図ることができる切削方法を提供する。
【解決手段】テーブル17上に平面非円形状のワークWを支持した状態で、そのテーブル17を一軸線を中心に回転させる。テーブル17の回転軸線と直交する面内で回転される刃38aを有するカッタ38を回転させながら、テーブル17の回転軸線と直交する面内において移動させる。この移動により、テーブル17上のワークWの上端面Waを切削する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばエンジン部品としてのシリンダヘッドの下端面(シリンダブロックとの合わせ面)や、シリンダブロックの上端面(シリンダヘッドとの合わせ面)等のワークの平面を切削するための切削方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の切削方法としては、例えば特許文献1に開示されるような方法が提案されている。この従来方法においては、図9及び図10に示すように、シリンダブロックよりなるワークWを加工装置の固定の機台51上に固定した状態で、大径のフライスカッタ52を回転させながら、ワークWの上端面Waに沿って移動させて、フライスカッタ52の下面の刃52aにより、ワークWの上端面Waを切削するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61−169518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この従来の切削方法においては、ワークWを固定した状態で、フライスカッタ52を回転及び移動させることにより、ワークWの上端面Waを切削する。そして、加工時間を短縮するために、フライスカッタ52の一方向への1パスのみで切削を完了しようとすると、フライスカッタ52の外径Rを、ワークWの幅L2よりも大きくなるように設定する必要がある。また、フライスカッタ52の移動距離L1を、
ワークWの長さL3+フライスカッタ52の外径R
よりも大きくなるように設定する必要がある。
【0005】
このため、カッタの外径や移動距離が制限されている汎用加工装置を使用して切削加工を行うことができず、切削専用の高価な大型加工装置を使用する必要があった。よって、ワークWの上端面Waの切削加工に続いて、切削加工時に上端面Waの端縁部Wbに発生したバリの除去加工や、上端面Waの隅部に対する孔Wcの穿孔加工等を行う場合、それらの加工装置を切削専用の加工装置とは別に設置する必要があった。その結果、加工装置を含む生産ラインの設備費用が高くなるとともに、加工装置を含む生産ラインの設置のために広いスペースが必要になるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、汎用の加工装置を使用してワークの切削を行うことができて、加工装置の設備費用の低減及び加工装置を含む生産ラインの設置スペースの縮小を図ることができる切削方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は、テーブル上に平面非円形状のワークを支持してそのテーブルを一軸線を中心に回転させ、その回転軸線と直交する面内で回転される刃を有するカッタを回転させながら前記面内において移動させて、ワークの平面を切削することを特徴としている。
【0008】
従って、この発明の切削方法によれば、ワークの幅よりも小さな外径のカッタを使用することができるとともに、カッタの移動距離をワークの長さよりも小さく設定することができる。このため、カッタの外径や移動距離が制限されている汎用の加工装置を使用して切削加工を行うことができるとともに、その汎用加工装置により切削加工に続いて、バリの除去加工や穿孔加工等の他の加工を行うことができる。よって、加工装置の設備費用を低減することができるとともに、加工装置の設置スペースを縮小することができる。
【0009】
前記の方法において、前記ワークの被切削面の短尺幅寸法より小径のカッタを用いることが望ましい。このようにすれば、小型の加工装置を用いることができる。
前記の切削方法において、前記ワークは燃焼室が形成されたエンジン部品とするとよい。このようにした場合には、エンジン部品の端面を能率よく高精度に切削することができる。
【0010】
前記の切削方法において、前記テーブルの回転にともない、前記ワークがその中心部から外れた位置を中心に回転されるようにするとよい。このようにする場合には、カッタをテーブルの中心まで移動させることがなくその移動距離を短くすることができる。
【0011】
前記の切削方法において、ワークの平面に形成された前記燃焼室の穴の内側にテーブルの回転中心が位置するようにワークを支持するとよい。このようにすれば、カッタが燃焼室の内周面に達したところで切削を終了できるため、カッタの移動距離をさらに短くできる。この場合、前記の切削方法において、前記燃焼室の穴の中心とテーブルの回転中心とが一致するようにワークを支持するとよい。
【0012】
前記の切削方法において、前記燃焼室の穴の径よりも小さい径のカッタを用いることが可能となる。そして、前記燃焼室の穴の中心とテーブルの回転中心とを一致させれば、カッタがワークの被切削面を抜けた穴の位置で切削を終了できるため、高精度切削が可能となる。
【0013】
前記の切削方法において、前記カッタがテーブルの回転中心に接近移動されるのに従って、そのカッタとテーブルとの相対回転速度が高くなるようにするとよい。このようにした場合には、テーブルの回転中心に近づくに従ってワークの回転周速度が低くなるようなことはなく、切削加工精度が低下するおそれを抑制することができ、加工周速をほぼ一定に保つことができ、ワークの平面全体を均一の精度で切削することができる。
【0014】
前記の方法において、前記ワークを支持する回転テーブルと、その回転テーブルに対向し、前記カッタを回転支持する工具交換可能な主軸ヘッドと、その主軸ヘッドを切り込み方向と前記面内に沿った少なくとも一軸方向に移動させる移動機構とを備えたマシニングセンタを用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、この発明によれば、汎用のマシニングセンタを使用してワークの切削を行うことができて、マシニングセンタの設備費用の低減及びマシニングセンタの設置スペースの縮小を図ることができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明を具体化したマシニングセンタを側方から見た要部縦断面図。
【図2】図1のマシニングセンタによる第1実施形態の切削方法を示す要部斜視図。
【図3】図2のワークの切削方法の要部平面図。
【図4】(a)〜(c)はワークの切削加工に続いてその他の加工を行う場合に使用される工具を示す正面図。
【図5】第2実施形態の切削方法を示す要部平面図。
【図6】第3実施形態の切削方法を示す要部平面図。
【図7】第3実施形態の異なる切削方法を示す要部平面図。
【図8】第4実施形態の切削方法を示す要部平面図。
【図9】従来のワークの切削方法を示す要部斜視図。
【図10】図9のワークの切削方法の要部平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下に、この発明の切削方法を具体化したマシニングセンタの第1実施形態を、図1〜図4に従って説明する。
【0018】
図1に示すように、この実施形態に用いられるマシニングセンタにおいては、機台フレーム11の上部に加工ユニットフレーム12が装着されている。機台フレーム11内の前部には加工空間13が形成されるとともに、後部には工具交換装置空間14が形成されている。加工空間13内において、機台フレーム11にはテーブル回転用モータ15がブラケット16を介して設置され、そのモータ15のモータ軸には回転テーブル17が取り付けられている。そして、このテーブル17上にエンジン部品であるシリンダヘッドが下面側を上にして支持される。すなわちテーブル17上に平面非円形状をなすワークWが支持された状態で、モータ15よってテーブル17が垂直な回転軸線Aを中心に回転されることにより、ワークWが同軸線Aの周りで回転される。
【0019】
前記加工ユニットフレーム12上には、Y軸サドル18が左右一対のガイドレール19及びスライダ(図示しない)を介してY軸方向(前後方向)へ移動可能に支持されている。加工ユニットフレーム12の後部にはY軸移動用モータ21が配置され、そのモータ21のモータ軸にはボールネジ22が連結されている。そして、Y軸移動用モータ21よってボールネジ22が回転されることにより、Y軸サドル18がY軸方向に移動される。
【0020】
前記Y軸サドル18の前面には、X軸サドル24が上下一対のガイドレール25及びスライダ26を介してX軸方向(左右方向)へ移動可能に支持されている。そして、X軸移動用モータ(図示しない)の回転によってX軸サドル24がX軸方向に移動される。
【0021】
前記X軸サドル24の前面には、Z軸サドル30がスライダ31及び左右一対のガイドレール32を介してZ軸方向(上下方向)へ移動可能に支持されている。Z軸サドル30の上部にはZ軸移動用モータ33が配置されている。そして、Z軸移動用モータ33の回転よってZ軸サドル30がZ軸方向に移動される。
【0022】
前記Z軸サドル30には、主軸装置36が下向きの状態で装着されている。主軸装置36の主軸37には切削用カッタ38が脱着交換可能に取り付けられ、そのカッタ38の下面外周縁には複数の刃38aが設けられている。Z軸サドル30には、主軸回転用モータ39が配置されている。そして、このモータ39よって主軸37が回転されることにより、切削用カッタ38が一方向に回転される。
【0023】
前記工具交換装置空間14内において、機台フレーム11には工具交換装置40が配置されている。工具交換装置40の工具マガジン43の外周には前記切削用カッタ38及びその他の工具が着脱可能に支持される。その他の工具としては、前記切削用カッタ38のほかに、例えば図4(a)〜(c)に示すように、回転ブラシ44aを有するバリ除去用工具44、ドリル45aを有する穿孔用工具45、テーパ加工用刃46aを有するテーパ用カッタ46等が用意されている。
【0024】
そして、工具交換装置40により工具を交換する場合には、マガジン回転用モータ41により工具マガジン43が割り出し回転されて、図1に鎖線で示すように、所定の空の工具把持部43aが主軸37と対応する前方の工具交換位置に配置される。それとともに、主軸装置36がY軸、X軸及びZ軸方向に移動されて、主軸37が工具交換位置の工具把持部43aと対応配置される。この状態で、Y軸移動用モータ21によって主軸装置36がY軸方向に接離移動されることにより、主軸37上の工具が工具把持部43aに受け渡される。引き続き、主軸37がZ軸方向の上方に後退して工具から離れるとともに、工具マガジン43が割り出し回転されて、所要の工具が主軸37と対向される。そして、主軸37は下降してその工具を受け取り、元の位置に復帰する。このようにして、工具主軸37と工具把持部43aとの間で工具の交換が行われる。
【0025】
次に、前記のように構成されたマシニングセンタによりワークWの上端面Waを切削する切削方法について説明する。
さて、エンジン部品であるシリンダヘッドよりなるワークWを切削する場合には、図2及び図3に示すように、複数の燃焼室の穴Wdが形成された下端面(シリンダブロックとの合わせ面)を上向きにした状態で,ワークWがテーブル17上に固定支持される。従って、切削加工時には、この下端面が上端面Waになる。この場合、平面非円形状をなすワークWの中心部がテーブル17の回転軸線A上に位置するように配置される。この状態で、主軸装置36がY軸、X軸及びZ軸方向に移動されて、図3に実線で示すように、主軸37に装着された切削用カッタ38がワークWの上端面Waの端縁の回転軌跡Cに近接した位置に配置される。そして、切削用カッタ38は、その外径Rがワークの被切削面である上端面Waの短尺幅L2より小径のものが用いられる。
【0026】
その後、テーブル回転用モータ15によりテーブル17が高速(例えば3000rpm)回転されて、ワークWが回転軸線Aを中心に一方向へ回転される。それとともに、主軸回転用モータ39により主軸37が高速(例えば3000rpm)回転されて、切削用カッタ38がワークWと反対方向に回転される。そして、Y軸移動用モータ21により主軸装置36がY軸方向に移動されて、切削用カッタ38がテーブル17の回転軸線Aと直交する面内において、図3に実線で示す位置から鎖線で示す位置,すなわちカッタ面の前進端がテーブル17の中心をわずかに越えた位置まで移動される。この移動により、ワークWの上端面Wa全面が切削用カッタ38の刃38aよって切削される。
【0027】
この場合、切削用カッタ38がテーブル17の回転中心に接近移動されるのに従って、そのカッタ38の回転速度が徐々に高くなるように調整される。この調整により、ワークWの回転周速度が回転中心に近づくほど低くなることにともなって発生する切削速度低下が是正されて、ワークWの上端面Wa全体にわたって均一な精度の切削が行われる。
【0028】
また、前記切削用カッタ38によるワークWの上端面Waの切削後に、必要に応じて同一のマシニングセンタを用いて、ワークWに対しその他の加工が連続して行われる。この場合には、工具交換装置40により主軸37に対して、図4(a)〜(c)に示すようなバリ除去用工具44、穿孔用工具45及びテーパ用カッタ46が順に交換装着される。そして、バリ除去用工具44が装着された状態で、切削加工時にワークWの上端面Waの端縁部Wbに発生したバリの除去加工が行われる。また、穿孔用工具45が装着された状態で、ワークWの例えば隅部に対するボルトのための孔Wcの穿孔加工が行われる。さらに、テーパ用カッタ46が装着された状態で、ワークWの各燃焼室の穴Wdの内面に対するテーパ加工が行われる。
【0029】
従って、この実施形態においては、以下の効果がある。
(1) この実施形態の切削方法においては、テーブル17上にワークWが支持された状態で、そのテーブル17が垂直な回転軸線Aを中心に回転されるとともに、切削用カッタ38が回転されながらテーブル17の回転軸線Aと直交する面内において移動されることにより、ワークWの上端面Waが切削されるようになっている。このため、図3に示すように、ワークWの幅L2よりも小さな外径Rの切削用カッタ38を使用しても、1パスでワークWを切削できる。このため、切削用カッタ38として小径のものでよく、このため汎用の小型のマシニングセンタによりワークWを切削できる。
【0030】
(2) この実施形態の切削方法においては、切削用カッタ38の移動距離L1をワークWの長さL3よりも小さく設定することができる。すなわち、ワークWが回転されているため、図3に実線及び鎖線で示すように、切削用カッタ38をワークWの上端面Waの端縁の回転軌跡Cに近接した位置から、長くてもカッタ面の前進端がテーブル17の回転軸線Aをわずかに越えた位置まで移動させるだけで、ワークWの上端面Waの全体を切削することができる。従って、前記と同様に、このためカッタ38の切削のための移動ストロークが短くてよく、汎用の小型のマシニングセンタによりワークWを切削できる。
【0031】
(3) この実施形態の切削方法においては、前記のようにマシニングセンタとして汎用のマシニングセンタを使用して切削加工を行うことができるとともに、その切削加工に続いて、同じマシニングセンタによりバリの除去加工や穿孔加工等の他の加工を行うことができる。その結果、マシニングセンタを含む生産ラインの設備費用を低減することができるとともに、マシニングセンタを含む生産ラインの設置スペースを縮小することができる。このため、工場内のマシニングセンタを含む生産ラインのレイアウトにおいて自由度が増す。
【0032】
(4) この実施形態の切削方法においては、切削用カッタ38がテーブル17の回転中心に接近移動されるのに従って、そのカッタ38の回転速度が高くなるように調整される。このため、テーブル17の回転中心に近づくに従ってワークWの回転周速度が低くなっても、切削用カッタ38とワークWとの相対回転速度を維持でき、従って、切削速度が低下するおそれを抑制することができ、ワークWの上端面Wa全体を均一の精度で切削することができる。
【0033】
(5) テーブル割り出しとマシニングセンタのY軸移動により孔開け加工も行うことができるため、工具をX軸方向に移動させるためのX軸移動機構の存在しない簡素なマシニングセンタを使用することも可能になる。すなわち、マシニングセンタの軸構成を1軸省略でき、構成の簡素化とコンパクト化や軽量化を達成できる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0034】
この第2実施形態においては、図5に示すように、ワークWをテーブル17上でその回転軸線Aから外れた位置に支持して、ワークWの切削を行うようにする。つまり、テーブル17の回転にともない、ワークWがその中心部から外れた位置を中心に回転されるように設定して、ワークWの切削加工を行う。
【0035】
このようにした場合には、図5に実線及び鎖線で示すように、切削用カッタ38をワークWの上端面Waの端縁の回転軌跡Cに近接した位置から、テーブル17の回転軸線A付近の位置まで移動させれば、ワークWの上端面Waの全体を切削することができる。すなわち、図5に2点鎖線で示すように、テーブル17の回転にともないワークWが切削用カッタ38の移動開始位置側に回転された位置において、切削用カッタ38の前進端がワークWの側縁部Weを超える位置まで、切削用カッタ38を移動させればよい。
【0036】
従って、この第2実施形態においては、以下の効果がある。
(6) 切削用カッタ38をその前進端がワークWの側縁部Weを超える位置まで移動させるのみでよいため、切削用カッタ38をテーブル17の回転中心まで移動させることなく、切削用カッタ38の移動距離を短くすることができる。
【0037】
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
この第3実施形態においては、図6及び図7に示すように、ワークWの燃焼室の穴Wdの内側(図6及び図7においてはワークWの燃焼室の穴Wdの中心)にテーブル17の回転軸線Aが位置するようにワークWが支持される。
【0038】
このようにすることで、切削に際してテーブル17の回転軸線Aまで切削用カッタ38の前進端が届く必要がなく、その前進端はワークWの燃焼室の穴Wdの周面位置に達すればよい。
【0039】
従って、この第3実施形態においては、以下の効果がある。
(7) 切削用カッタ38の前進端が燃焼室の穴Wdの周面位置に達すればよいため、切削用カッタ38の移動距離をさらに短くできる。
【0040】
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
この第4実施形態においては、図8に示すように、切削用カッタ38の外径がワークWの燃焼室の穴Wdの直径より小さく形成されている。また、ワークWの中央の燃焼室の穴Wdの中心にテーブル17の回転軸線Aが位置するようにワークWが支持される。そして、切削用カッタ38は、その全体がワークWの回転軌跡C外の位置から前記中央の燃焼室の穴Wdと対応する位置まで切削移動される。
【0041】
このようにすることで、この第4実施形態においては、以下の効果がある。
(8) 切削用カッタ38が中央の燃焼室の穴Wdと対応する位置まで切削移動されて、上端面Waを抜けた穴Wdの内側で切削を終了させることができるため、ワークWの上端面Waを高精度に仕上げることができる。
【0042】
(変更例)
この発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
【0043】
・ 前記実施形態において、ワークWとしてエンジン部品であるシリンダブロックの上端面あるいは下端面を切削すること。
・ 前記実施形態において、テーブル17上に複数のワークWを並べて、1つの切削用カッタ38により、それらのワークWに対して同時に切削加工を施すこと。
【0044】
・ 実施形態に示す構成のものに限らず、他の構成のマシニングセンタ,例えばX軸移動機構を省略したコンパクトな装置を用いること。
【符号の説明】
【0045】
15…テーブル回転用モータ、17…テーブル、18…Y軸サドル、21…Y軸移動用モータ、36…主軸装置、37…主軸、38…切削用カッタ、38a…刃、W…ワーク、Wa…上端面、Wd…燃焼室の穴、A…軸線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブル上に平面非円形状のワークを支持してそのテーブルを一軸線を中心に回転させ、その回転軸線と直交する面内で回転される刃を有するカッタを回転させながら前記面内において移動させて、ワークの平面を切削することを特徴とした切削方法。
【請求項2】
前記ワークの被切削面の短尺幅寸法より小径のカッタを用いることを特徴とする請求項1に記載の切削方法。
【請求項3】
前記ワークは燃焼室が形成されたエンジン部品であることを特徴とした請求項1または2に記載の切削方法。
【請求項4】
前記テーブルの回転にともない、前記ワークがその中心部から外れた位置を中心に回転されることを特徴した請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の切削方法。
【請求項5】
ワークの平面に形成された前記燃焼室の穴の内側にテーブルの回転中心が位置するようにワークを支持することを特徴とする請求項3に記載の切削方法。
【請求項6】
前記燃焼室の穴の中心とテーブルの回転中心とが一致するようにワークを支持することを特徴とする請求項5に記載の切削方法。
【請求項7】
前記燃焼室の穴の径よりも小さい径のカッタを用いることを特徴とする請求項6に記載の切削方法。
【請求項8】
前記カッタがテーブルの回転中心に接近移動されるのに従って、そのカッタとテーブルとの相対回転速度を高くすることを特徴とした請求項1〜7のいずれか一項に記載の切削方法。
【請求項9】
前記ワークを支持する回転テーブルと、その回転テーブルに対向し、前記カッタを回転支持する工具交換可能な主軸ヘッドと、その主軸ヘッドを切り込み方向と前記面内に沿った少なくとも一軸方向に移動させる移動機構とを備えたマシニングセンタを用いることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の切削方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−269432(P2010−269432A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125012(P2009−125012)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000152675)コマツNTC株式会社 (218)
【Fターム(参考)】