切断ツール並びに軌道誘導システム
切断ツールおよび軌道システムは、ワークピースの表面に着脱可能に取付けられるように構成されたマルチセグメント軌道アセンブリと、軌道部材に沿ってこれに乗るように構成された切削台アセンブリと、切削台アセンブリを軌道アセンブリに沿って駆動するように配置された切削台駆動機構と、切削台アセンブリに接続された断ツールアセンブリと、管状のワークピースの軸の周りでワークピースの表面に沿って径方向切断平面内で動かされるツール駆動機構とを有している。ワークピースを切断する方法も提供されており、この方法では、切断ツールアセンブリが、ワークピースの中心軸の周りで切断平面内で所定の移動通路に沿って移動するようにエンドミルを回転可能に支持する。最初にエンドミルがワークピースの壁の厚さ方向にわたって送られ、切断ツールアセンブリが移動通路に沿って移動される。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、平面形か弓形の表面を備えたワークピースを切削するために有用な方法、切断ツール、および軌道システムに関する。
【0002】
平面形および弓形の表面を備えたワークピースを切断する分野では多くの携帯用切断ツールが公知である。管の切断に関して、所定の機械加工ツールが適当でない、または使用不可能である分野では、典型的には携帯の管用切断ツールが使用されている。従来の管用切断ツールのタイプには、米国特許4,418,591号に説明されたような携帯用旋盤や、米国特許5,515,756号に説明されているもののような転がりカッタモジュールが含まれる。一般に、従来の携帯の管用切断ツールは、軸を中心として回転するように駆動され、作業時以外は留め具か心棒によって管に対して固定して支持される回転式または固定式の切断ツールを備えた回転ツールヘッドを有している。通常は、バイトが、管が切開されるまで、各通路から少量の材料を繰り返し取り除くように管の周りおよび管の中に送られる。このさい、壁が厚い場合は、相当な時間を消耗する場合がある。
【0003】
従来の管用切断ツールでは、軸受けが機械加工作業中に生じた切れ屑などのひどい汚染から免がれた状態を維持しながら、円滑で正確な機械加工作業が高いツール荷重で行なわれ得るように切断ツールを配置させ、これを支持することは難しい。ステンレススチールおよび他の硬質材料でできた壁の厚い管を高速で機械加工する間に、高いラジアル方向の荷重とスラスト方向の荷重とがかかる。このように機械加工によって高い荷重がかかるため、大きくて複雑なツール支持アセンブリを使用しなくてはならない。
【0004】
公知の管用切断ツールは、典型的には、管のサイズを所定の範囲内にあわせるように設計されている。更に、このようなツールは、使用が管の切断のみに限定されていることがあり、従って、平面形か弓形の表面に切断作業を行なう際の汎用性に欠けている。
【0005】
他の公知のワークピース(特に大きいピース)切断方法では、ワークピース表面に沿って切断ツールを誘導して与えるための駆動軌道部を備えた軌道誘導システムの使用を伴う。当分野で公知の従来の軌道システムには、米国特許4,297,061号に開示されているような、ワークピースを取り囲んでこのワークピースに固定して取付けられる大きな構造の軌道システムや、米国特許5,403,133号に開示されているような、ワークピース上に直接的には支持されずに構造部材に接続されるトラックシステムや、あるいはワークピースに磁石や吸着カップを用いて直接的に取付けられる米国特許4,570,542号および6,494,307号に開示されているような軽量の軌道システムなどがある。しかし、従来の切断ツールおよび軌道システムはいずれも、容易かつ迅速にワークピースに取付けまたは取外しができないこと、また、高速かつ高荷重での機械加工作業の厳しさに耐えるほど頑丈ではないことが分かっている。
【0006】
従って、金属の切断ツールと、機械加工の高荷重に耐える程度に十分に頑丈でありながら携帯性が高く、ワークピースに固定して取付けられるように構成されている軌道誘導システムを得られることが望ましい。また、弓形だけでなく平面形の表面を備えたワークピースに迅速かつ容易に取付けおよび取外しされ得る切断ツールおよび軌道誘導システムとを得られることが望ましい。更に、管形、平面形、または弓形などの多様なワークピースを収容でき、これを必要最低限の時間で適当に切断できる切断ツールおよび軌道誘導システムを得られることが望ましい。
【0007】
本発明は、弓形のものだけでなく平面形のワークピースも切断する切断ツールおよび軌道誘導システムを提供するものである。切断ツールおよび軌道システムは、高い機械加工荷重に耐えるくらいに十分に丈夫でありながら、ワークピースに対して迅速に取付けおよび取外し可能である。
【0008】
本発明の好ましい実施形態に係われば、切断ツールおよび軌道誘導システムは、ワークピース上に設けられるように構成された軌道アセンブリを有しており、また、複数の互いに接続された軌道部材から形成されたマルチセグメント軌道アセンブリを有している。各軌道部材は、少なくとも1つの軌道部材と、この軌道部材の長手方向の全長にわたって支持されているラック部材とを有している。切削台アセンブリが設けられており、このアセンブリは、軌道部に沿ってこの上に乗るように構成されており、軌道部に沿って切削台機構を動かすように切削台駆動機構に接続されている。切削台アセンブリはまた、回転する切断ツールを備えた切断ツールアセンブリを保持するように構成されている。ツール駆動システムは、切断ツールアセンブリに接続されており、切断ツールアセンブリに回転入力動作を伝えるように動作可能である。軌道部は、隣接し交合している軌道部に適当に接続され、マルチセグメント軌道アセンブリ全体を分解しなくとも迅速に軌道部から分離され得るように様々な構成に成形されるように設計されている。
【0009】
切削台アセンブリの1つの実施形態に係われば、切削台には、切削台アセンブリをこれが軌道アセンブリに沿って移動する形で支持するために、軌道アセンブリと協働するように配置された調節可能な軸受けアセンブリが設けられている。切削台アセンブリはまた、切削台アセンブリをこの長さ方向に沿って誘導するために軌道アセンブリと協働するように配置されたカム構成物を有している。
【0010】
軌道部の1つの実施形態に係われば、複数の支持部が設けられており、これら支持部は、ワークピースに設けられている時に各軌道部材を固定および支持する。各支持部は、ワークピース上に支持された取付け部材に取付けられるように構成されている。1つの実施形態に係われば、取付け部材は、ワークピース上に支持されたマウントプレートと、これから延びた複数のスタッドとを有している。支持部は、スタッドを受けるように構成されており、これらスタッドに取付けられる。他の実施形態では、取付け部材は、ワークピース上に直接的に設けられたスタッドであり、支持部は、これらスタッドを受けるように構成されており、これらに取付けられる。
【0011】
本発明の1つの実施形態に係われば、複数の軌道部が設けられており、これら軌道部は、ワークピースに沿って互いに端と端を接して組立てられて、切断作業のための連続的な移動経路を形成する。
【0012】
本発明は、平面形および弓形のワークピースを切断する方法を提供している。この方法では、少なくとも1つの切断ツールが、ワークピース上に支持されており、所定の移動経路に沿ってこのワークピースの一部分の周りで移動する。本発明の好ましい方法に係われば、切断ツールは、ワークピースに対してほぼ直交するように位置されたエンドミルを回転可能に支持している。エンドミルは、ワークピースの壁の厚さ方向にわたって径方向に送られ、その後に、移動経路に沿って送られて、移動経路に沿って単一の通路内でワークピースを切断する。この通路は、ツールが管の軸の周りで回転される場合に、切断平面を規定している。
【0013】
本発明の他の実施形態および詳細については、以下の詳細な説明を概観することによって明らかになるだろう。
【0014】
図1〜2は、本発明の好ましい実施形態に係わる切断ツールおよび軌道システム10を示している。切断ツールおよび軌道システム10は、切削台アセンブリ18を支持するように構成された複数の軌道部から形成されているマルチセグメント軌道アセンブリ14を有している。切削台アセンブリ18は、切断ツールアセンブリ12を保持し、この切削台アセンブリ18を軌道アセンブリ14に沿って移動させるために切削台駆動機構16に接続されている。
【0015】
図1および図2に示されている実施形態を参照すると、各軌道部は、湾曲面を備えたワークピースにほぼ適合するように十分に可撓性を有し得る軌道部材34を有している。この軌道部材34は、この部材がワークピースの幾何学に合うように直接的に曲げられ得る程度まで可撓性であると好ましい。軌道部材34は、上部、底部、および側面を有し、実質的に矩形形状であると好ましい。軌道部材34は、可撓性で高強度の炭素鋼から構成されていると好ましい。
【0016】
ラック部材38が、軌道部材34の上面に取付けられ、実質的に長手方向に沿って延びている。1つの実施形態では、ラック部材38は、軌道部材34の長手方向の長さにわたって互いの端と端を接して一様に組立てられている複数のラックセグメントを有していてもよい。あるいは、他の実施形態では、ラック部材38が、軌道部材34とほぼ同じ長さを有する単一の本体から構成されていてもよい。ラック部材38は、切削台駆動機構16の駆動ピニオン40と係合するように構成された複数の歯部を有している。ラック部材38は、軌道部材34に溶接されたり、適当な取付け部材によって取付けられたり、所定の適当な手段で取付けられていてよい。ラック部材38は、可撓性で高強度の炭素鋼で形成されていると好ましい。
【0017】
複数の支持孔44が開いた基部を備えた複数の支持部30が、軌道部材34の底部に取付けられている。支持部30は、溶接または適当な留め具による接続を含む従来の方法で基部部材34の底部に取付けられ得る。
【0018】
図1に示されている1つの実施形態に係われば、支持部30は、ワークピースに取付けられた固定部32上に位置されることによって、ワークピース上にしっかりと支持されるように構成されている。各固定部32は、ワークピースに対して溶接されるように構成されているとともに支持部30の底部を実質的に受けるような構成および寸法にされている支持プレート60を有していてよい。固定部32は、支持部30の支持孔44によって受けられて適当な留め具によってこの孔と共に留められるように構成されている複数のスタッド58を有していてよい。
【0019】
図3の他の実施形態では、固定部32は、スタッド溶接ガンによってワークピースに対して直接的に溶接されるとともに、支持孔44によって受けられて適当な留め具によって支持部30に取付けられるように構成されているスタッド58を有している。スタッド溶接ガンの例は、米国特許6,025,569号と6,476,339号とに開示されている。
【0020】
本発明の軌道アセンブリ14の各軌道部は、本発明の他の軌道部と互いに端と端を接して組立てられ、これによって、切断ツール用の単一移動経路を形成するように互いに隣接している軌道部の軌道部材が互いに横方向に並んで位置するように、構成されている。このために、各軌道部の軌道部材34は、各軌道部材34の対向端部に夫々配置される舌部と溝部の継手(tongue and groove joints)、スロットとタブの接続部、バイオネットコネクタ、またはねじ式コネクタのような接続部材を、隣接している軌道部の対応する接続部材と相互接続するために有し得る。
【0021】
図1に示されているように、軌道アセンブリ14は、軌道部材34上に取付け可能であって、ワークピース上に切断平面の中心線の位置を表すピンを備えている位置決めガイド128を有していてよい。
【0022】
好ましい実施形態に係われば、切削台駆動機構16は、駆動ピニオン40に接続されている高トルクモータ(図示されず)を収容するモータハウジング120を有している。高トルクモータは、電気エネルギー、流体エネルギー、空気エネルギー、または他の利用可能なエネルギーによって駆動される。切削台駆動機構16は、モータハウジング120内に支持されていて、入力回転駆動動作を駆動ピニオン40に伝える高トルクモータの使用を可能にするギア減速システム(図示されず)を有していてもよい。例えば、切削台駆動機構16は、Anchor Lamina Inc.,によって製造され、Boston Gear Co.,によって製造されている減速機part no.WA-718-200-Gに接続されている水圧モータpart no. A-125を有していてよい。このような切削駆動機構は、当分野で公知の部材を有していてよく、また、所定のアセンブリが、本発明の範囲を逸脱することなく使用可能であろう。
【0023】
好ましい実施形態では、前記切断ツールアセンブリ12は、ほぼ垂直の外形を有していて切削台アセンブリ18に支持されているアングルプレート48に取付けられている。このアングルプレート48は、切削台アセンブリ18に対して実質的に垂直な位置で切断ツールアセンブリ12を支持するように構成されている。しかし、アングルプレート48はほぼ直角の外形を有することに限定されず、切断ツールアセンブリ12を切削台アセンブリ18に対して位置決めするように所定の適当な外形を有してよいことが理解されるだろう。
【0024】
図4に示されているように、切削台アセンブリ18は、上面および底面と、側面から延びた一対の対向フランジ84,86とを備え、かつ平面を有している台部(platform)82が設けられたデッキ切削台80を有していると好ましい。これら対向フランジ84,86は、台部82と一体的に形成されていても、フランジ86を例とするような適当な留め具で台部82に接続されていてもよい。台部82の上面は、ツールアセンブリ12を切削台アセンブリ18と接続するように構成されたアングルプレート48を支持するようにされている。台部82の底面には、カム従動子構成物が設けられており、この台部の長さ方向にわたって形成された長手方向の溝88が備えられている。この溝88は、軌道アセンブリ14上で支持された時にラック部材38を受けるような構成および寸法にされている。デッキ切削台80は、少なくとも2つの調節可能な軸受けアセンブリ28を支持するように構成されている。これら軸受けアセンブリは、台部82のねじ穴130を通って延び、軌道アセンブリ14の軌道部材34にこの上面に沿ってこの上に乗るようにされている。
【0025】
図5の好ましい実施形態で示されているところによると、調節可能な軸受けアセンブリ28が、デッキ切削台80によって受けられ、支持されている。図5と図6両方において、軸受けアセンブリ28は、ヘッド部132とねじ先端部とを備えたピン部材72を有しており、ねじ先端部は、スリーブ部材70と、軸受け78と係合するための1つ以上の皿ばね74(例えば円錐状の圧縮ばね)とを通って延びている。ピン部材72のヘッド部132は、スリーブ部材70の内側肩部134上にて静止するように構成されている。スリーブ部材70は、ねじ穴130と係合する外側ねじ部を有している。このスリーブ部材70の外側ねじ部と係合するように構成されている保持ナット76が、デッキ台部82の上面に取付けられている。皿ばね74は、スリーブ部材70と軸受け78との間に位置されると僅かに変形する。保持ナット76がデッキ台部82に締め付けられると、軸受けアセンブリ28は、切削台アセンブリに対して所定位置に固定される。保持ナット76が緩められると、軸受けアセンブリ28が軌道部材34に対して緩められるか締め付けられるか選択できる。
【0026】
図4,5、および7に示されているように、切削台アセンブリ18は、カム構成物を備え、このカム構成物が、複数のカム従動子は、デッキ切削台80のフランジ84,86から垂直方向に突出した軸を有している複数のカム従動子を有し、軌道部材34にこの底面に沿ってこの上に乗るように構成されていると好ましい。カム構成物はまた、フランジ84、86の一方から平行に突出した軸を有する少なくとも1つのカム従動子64を有することができ、軌道部材34にこの側面に沿ってこの上に乗るように構成されている。
【0027】
少なくとも1つの調節可能なカム従動子68が組み込まれてもよい。この従動子は、フランジ84,86の一方に形成されたスロット140内に調節可能なように接続され、フランジ84,86にほぼ平行に延びた軸を有しているものである。この調節可能なカム従動子68は、軌道部材34に対して希望の位置に付けられたとき、位置決めねじによりフランジ84,86に対して所定位置にロックされ得る。この希望の位置とは、一般的に、調節可能なカム従動子68がデッキ切削台80を軌道部材34の側面に対して引き付けて、これによって、デッキ切削台80と軌道部材34との間のあそびをなくすような位置である。
【0028】
本明細書に開示されているような特定のカム構成物は、ツールアセンブリ12を備えた切削台アセンブリ18が移動経路100に沿って移動されるときにも切削台アセンブリ18が軌道部材34にしっかりと保持されるように軌道部材34に適当な力がかけられるという条件に沿えば、公知の原則に従って様々であってよい。
【0029】
図8に示されている好ましい実施形態に係われば、切断ツールアセンブリ12は、長手方向の軸X−Xの周りに回転可能であり、スピンドルハウジング54内に位置されているスピンドル56を有している。スピンドルハウジング54は、アングルプレート48に取付けられたスピンドル支持部52内に摺動可能に位置されている。スピンドル56は、エンドミルのような、適当なクランプ構成物または留め具でスピンドル56に取付けられる切断ツール24を受けるように構成されている。ツール駆動機構46が、適当な回転動作伝送装置、即ち、ギアアセンブリ26に接続されている。このギアアセンブリ26は、スピンドル56に接続されていて、長手方向の軸X−Xの周りの回転入力動作をスピンドル56に伝える。回転動作をするスピンドル56をスピンドルハウジング54内で支持し、スピンドルハウジング54に対する軸方向の動きを可能にするために、適当な軸受けが設けられている。このような切断ツールアセンブリが、当分野で公知であり、所定のこのようなアセンブリが、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得るだろう。
【0030】
ギアアセンブリ26は、このギアアセンブリを収容する静止ギアハウジング116を有しており、スピンドルハウジング54に対して支持され得る。このギア構成物は、ツール駆動機構46にこれによって回転するように動作可能に接続された駆動ギア122を有していてよい。この駆動ギア122は、移行(transfer)ギア124と係合するように構成され得る。伝達ギア124は、スピンドル56と共に回転するようにこのスピンドルの基端部の周りにこれと同軸に支持されている回転可能な構成部品、即ち、ギア126と係合していてよい。このようなギアアセンブリは、当分野で公知であり、所定のこのようなアセンブリが、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得るだろう。
【0031】
ツール駆動機構46は、電気的に、水圧により、または空気により、駆動され得る。
【0032】
図9を参照すれば、送り機構22は、ねじの基端部および先端部を備えていて、ギアボックスアセンブリハウジング116にしっかりと取付けられた上側プレート104と、アングルプレート48の肩部68にしっかりと取付けられた下側プレート106とを通って延びるように配置されている送りねじ102を有していることが好ましい。この送りねじ102は、上側プレート104の上方に配置されたフランジブッシュ114を通って延び、上側プレート104内に配置された歯止め装置108に接続するように構成されていてもよい。送りねじ102の基端部は、上側プレート102の上方に配置された送りレバー36に接続されている。送りねじ102の先端部は、下側プレート106内に取付けられたねじ送りナット112に接続されている。図示されているような適当な軸受け118が、送りねじ102を上側プレート104および下側プレート106内で支持している。
【0033】
送りレバー36が、送りねじ102を送りナット112のねじに沿って前進させて、これによって、アングルプレート48の肩部68に対してスピンドル56を動かすように配置されている。
【0034】
送り機構構成物は、ツールヘッドをワークピースに向かって進めるための公知の機械のツールの原則に従って様々であってよい。
【0035】
本発明の好ましい実施形態に係わる軌道支持ツールの様々の付属物を説明してきたが、この作業の特徴と利点とを説明する。
【0036】
図1では、軌道アセンブリ14が、管50の周面に支持されている。特に、軌道部材34とラック部材38とが、中心軸を備えた管50の周面の一部分で支持されてこれに合わせて湾曲されている。軌道アセンブリ14が、管上に溶接される支持プレート60を備え、軌道部材34に接続された支持部30を受けるようにされた取付け部材32によって、管50に接続される。示されているように、マウントスタッド58が、支持部30の支持孔44を通って延び、適当な留め具で固定される。駆動機構16が、ツールアセンブリ12を支持する切削台アセンブリ18に取付けられ、ピニオン40がラック部材38と噛合うように軌道アセンブリ14に位置される。
【0037】
スピンドル56は、送り機構22によって適当な位置に動かされるものであって、これによって切断ツール24が、ツール駆動機構46によって長軸X−Xの周りで回転可能に駆動されると説明されている。切断ツール24が、この回転軸に沿って管50の壁の厚さ方向にわたって径方向に送られ、管材料を取り除くように、切削台駆動機構16によって移動経路100上で軌道部材34に沿ってこの回転軸に対して横方向に駆動され、これによって、管50を切断する。
【0038】
図2に示されている好ましい実施形態では、切断ツール24は、最初に回転軸の周りで回転されて、管50の壁を通るように送られるエンドミルである。この後に、切断ツールアセンブリ12が、管50の一部分を切除するように移動経路に沿って動かされる。
【0039】
図10〜13を参照すれば、本発明は、ワークピース50に沿って互いに端と端を接して連続的に組立てられ得る複数の軌道部90,92を有していてよい。図10は、第1および第2の軌道領域94,96に位置されている第1および第2の軌道部90,92を示している。第1および第2の軌道部90,92は、これらの端部が横方向に並んで移動経路100を形成するように互いに端と端を接して組立てられている。図11は、第1の軌道領域94から第1の軌道部90を取り外しているのを示している。取付け部材32は、第3の軌道領域98内にワークピース50上で適当に支持されており、第1の軌道領域94からは取り外されている。図12は、第3の軌道領域98の上方に位置されている第1の軌道部90を示している。図13は、第3の軌道領域98内に位置されて取付け部材32上で支持され、第2の軌道部材92に対して移動経路100の長さにわたって延びている第1の軌道部材90を示している。上述した手順が、ワークピースの周面の長さまたは直径にわたって果たされ得る。
【0040】
本発明の好ましい実施形態に係われば、少なくとも1つの切断ツールアセンブリ12が、ワークピースの少なくとも一部の周りに所定の移動経路に沿って移動するように設けられている。図14および図15に示されているように、2つの切断ツールアセンブリ12は、管やチューブのような中空ワークピース50の中心軸の周りを周回している移動経路100に沿って移動するように回転可能に設けられ得る。
【0041】
各切断ツールアセンブリ12は、回転可能に支持され、ツールの長軸X−Xの周りで回転するように駆動され、この回転軸に対して横方向にワークピースの中心軸の周りで切断平面内を所定の移動経路100に沿って移動するように設けられているエンドミル24を有している。回転するように駆動されると、各切断ツールアセンブリのエンドミル24が、この回転軸に沿ってワークピース50の壁の厚さ方向にわたって径方向に送られ、切断ツールアセンブリ24が、移動経路100に沿って移動される。これに伴って、エンドミルの側部が、移動経路100に沿った単一通路でワークピースの壁方向にわたって切断を行なう。
【0042】
この方法に係われば、切断ツールアセンブリ12は、参照して本明細書に組み込まれた米国特許4,665,782号に説明されているような、回転可能なヘッドと中空のワークピースに取付けられる固定のツール本体とを備えた携帯用旋盤上で動くように設けられていてよい。あるいは、切断ツールアセンブリ12は、ワークピース上にクランプするための所定の適当な装置上で動くように設けられ、切断アセンブリ12をこの周りで動かすためのシステムを提供してもよい。
【0043】
本発明のいくつかの好ましい実施形態が上述されてきたが、請求項に規定されている本発明の範囲を逸脱することなく当業者によって様々の変形がこれらの実施形態に加えられ得ることと、様々の実施形態が他の実施形態と互換性をもって利用できることとを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ワークピース上に支持されている切断ツールを示している斜視図である。
【図2】本発明の切断ツールを示している正面図である。
【図3】軌道アセンブリの1実施形態の断面図である。
【図4】図2の線I−Iに沿った断面図である。
【図5】図4に係わる切削台アセンブリの調節可能な軸受けアセンブリの断面図である。
【図6】図5に係わる調節可能な軸受けアセンブリの分解斜視図である。
【図7】図2のII−II線の断面図である。
【図8】図2のIII−III線の断面図である。
【図9】図2の送り機構の断面図である。
【図10】1つの軌道部の、ワークピース上の他の軌道部に隣接する異なる位置への移動を示している概略的な斜視図である。
【図11】1つの軌道部の、ワークピース上の他の軌道部に隣接する異なる位置への移動を示している概略的な斜視図である。
【図12】1つの軌道部の、ワークピース上の他の軌道部に隣接する異なる位置への移動を示している概略的な斜視図である。
【図13】1つの軌道部の、ワークピース上の他の軌道部に隣接する異なる位置への移動を示している概略的な斜視図である。
【図14】本発明の好ましい方法に係わって切断作業を行なう工程を示している概略図である。
【図15】本発明の好ましい方法に係わって切断作業を行なう工程を示している概略図である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、平面形か弓形の表面を備えたワークピースを切削するために有用な方法、切断ツール、および軌道システムに関する。
【0002】
平面形および弓形の表面を備えたワークピースを切断する分野では多くの携帯用切断ツールが公知である。管の切断に関して、所定の機械加工ツールが適当でない、または使用不可能である分野では、典型的には携帯の管用切断ツールが使用されている。従来の管用切断ツールのタイプには、米国特許4,418,591号に説明されたような携帯用旋盤や、米国特許5,515,756号に説明されているもののような転がりカッタモジュールが含まれる。一般に、従来の携帯の管用切断ツールは、軸を中心として回転するように駆動され、作業時以外は留め具か心棒によって管に対して固定して支持される回転式または固定式の切断ツールを備えた回転ツールヘッドを有している。通常は、バイトが、管が切開されるまで、各通路から少量の材料を繰り返し取り除くように管の周りおよび管の中に送られる。このさい、壁が厚い場合は、相当な時間を消耗する場合がある。
【0003】
従来の管用切断ツールでは、軸受けが機械加工作業中に生じた切れ屑などのひどい汚染から免がれた状態を維持しながら、円滑で正確な機械加工作業が高いツール荷重で行なわれ得るように切断ツールを配置させ、これを支持することは難しい。ステンレススチールおよび他の硬質材料でできた壁の厚い管を高速で機械加工する間に、高いラジアル方向の荷重とスラスト方向の荷重とがかかる。このように機械加工によって高い荷重がかかるため、大きくて複雑なツール支持アセンブリを使用しなくてはならない。
【0004】
公知の管用切断ツールは、典型的には、管のサイズを所定の範囲内にあわせるように設計されている。更に、このようなツールは、使用が管の切断のみに限定されていることがあり、従って、平面形か弓形の表面に切断作業を行なう際の汎用性に欠けている。
【0005】
他の公知のワークピース(特に大きいピース)切断方法では、ワークピース表面に沿って切断ツールを誘導して与えるための駆動軌道部を備えた軌道誘導システムの使用を伴う。当分野で公知の従来の軌道システムには、米国特許4,297,061号に開示されているような、ワークピースを取り囲んでこのワークピースに固定して取付けられる大きな構造の軌道システムや、米国特許5,403,133号に開示されているような、ワークピース上に直接的には支持されずに構造部材に接続されるトラックシステムや、あるいはワークピースに磁石や吸着カップを用いて直接的に取付けられる米国特許4,570,542号および6,494,307号に開示されているような軽量の軌道システムなどがある。しかし、従来の切断ツールおよび軌道システムはいずれも、容易かつ迅速にワークピースに取付けまたは取外しができないこと、また、高速かつ高荷重での機械加工作業の厳しさに耐えるほど頑丈ではないことが分かっている。
【0006】
従って、金属の切断ツールと、機械加工の高荷重に耐える程度に十分に頑丈でありながら携帯性が高く、ワークピースに固定して取付けられるように構成されている軌道誘導システムを得られることが望ましい。また、弓形だけでなく平面形の表面を備えたワークピースに迅速かつ容易に取付けおよび取外しされ得る切断ツールおよび軌道誘導システムとを得られることが望ましい。更に、管形、平面形、または弓形などの多様なワークピースを収容でき、これを必要最低限の時間で適当に切断できる切断ツールおよび軌道誘導システムを得られることが望ましい。
【0007】
本発明は、弓形のものだけでなく平面形のワークピースも切断する切断ツールおよび軌道誘導システムを提供するものである。切断ツールおよび軌道システムは、高い機械加工荷重に耐えるくらいに十分に丈夫でありながら、ワークピースに対して迅速に取付けおよび取外し可能である。
【0008】
本発明の好ましい実施形態に係われば、切断ツールおよび軌道誘導システムは、ワークピース上に設けられるように構成された軌道アセンブリを有しており、また、複数の互いに接続された軌道部材から形成されたマルチセグメント軌道アセンブリを有している。各軌道部材は、少なくとも1つの軌道部材と、この軌道部材の長手方向の全長にわたって支持されているラック部材とを有している。切削台アセンブリが設けられており、このアセンブリは、軌道部に沿ってこの上に乗るように構成されており、軌道部に沿って切削台機構を動かすように切削台駆動機構に接続されている。切削台アセンブリはまた、回転する切断ツールを備えた切断ツールアセンブリを保持するように構成されている。ツール駆動システムは、切断ツールアセンブリに接続されており、切断ツールアセンブリに回転入力動作を伝えるように動作可能である。軌道部は、隣接し交合している軌道部に適当に接続され、マルチセグメント軌道アセンブリ全体を分解しなくとも迅速に軌道部から分離され得るように様々な構成に成形されるように設計されている。
【0009】
切削台アセンブリの1つの実施形態に係われば、切削台には、切削台アセンブリをこれが軌道アセンブリに沿って移動する形で支持するために、軌道アセンブリと協働するように配置された調節可能な軸受けアセンブリが設けられている。切削台アセンブリはまた、切削台アセンブリをこの長さ方向に沿って誘導するために軌道アセンブリと協働するように配置されたカム構成物を有している。
【0010】
軌道部の1つの実施形態に係われば、複数の支持部が設けられており、これら支持部は、ワークピースに設けられている時に各軌道部材を固定および支持する。各支持部は、ワークピース上に支持された取付け部材に取付けられるように構成されている。1つの実施形態に係われば、取付け部材は、ワークピース上に支持されたマウントプレートと、これから延びた複数のスタッドとを有している。支持部は、スタッドを受けるように構成されており、これらスタッドに取付けられる。他の実施形態では、取付け部材は、ワークピース上に直接的に設けられたスタッドであり、支持部は、これらスタッドを受けるように構成されており、これらに取付けられる。
【0011】
本発明の1つの実施形態に係われば、複数の軌道部が設けられており、これら軌道部は、ワークピースに沿って互いに端と端を接して組立てられて、切断作業のための連続的な移動経路を形成する。
【0012】
本発明は、平面形および弓形のワークピースを切断する方法を提供している。この方法では、少なくとも1つの切断ツールが、ワークピース上に支持されており、所定の移動経路に沿ってこのワークピースの一部分の周りで移動する。本発明の好ましい方法に係われば、切断ツールは、ワークピースに対してほぼ直交するように位置されたエンドミルを回転可能に支持している。エンドミルは、ワークピースの壁の厚さ方向にわたって径方向に送られ、その後に、移動経路に沿って送られて、移動経路に沿って単一の通路内でワークピースを切断する。この通路は、ツールが管の軸の周りで回転される場合に、切断平面を規定している。
【0013】
本発明の他の実施形態および詳細については、以下の詳細な説明を概観することによって明らかになるだろう。
【0014】
図1〜2は、本発明の好ましい実施形態に係わる切断ツールおよび軌道システム10を示している。切断ツールおよび軌道システム10は、切削台アセンブリ18を支持するように構成された複数の軌道部から形成されているマルチセグメント軌道アセンブリ14を有している。切削台アセンブリ18は、切断ツールアセンブリ12を保持し、この切削台アセンブリ18を軌道アセンブリ14に沿って移動させるために切削台駆動機構16に接続されている。
【0015】
図1および図2に示されている実施形態を参照すると、各軌道部は、湾曲面を備えたワークピースにほぼ適合するように十分に可撓性を有し得る軌道部材34を有している。この軌道部材34は、この部材がワークピースの幾何学に合うように直接的に曲げられ得る程度まで可撓性であると好ましい。軌道部材34は、上部、底部、および側面を有し、実質的に矩形形状であると好ましい。軌道部材34は、可撓性で高強度の炭素鋼から構成されていると好ましい。
【0016】
ラック部材38が、軌道部材34の上面に取付けられ、実質的に長手方向に沿って延びている。1つの実施形態では、ラック部材38は、軌道部材34の長手方向の長さにわたって互いの端と端を接して一様に組立てられている複数のラックセグメントを有していてもよい。あるいは、他の実施形態では、ラック部材38が、軌道部材34とほぼ同じ長さを有する単一の本体から構成されていてもよい。ラック部材38は、切削台駆動機構16の駆動ピニオン40と係合するように構成された複数の歯部を有している。ラック部材38は、軌道部材34に溶接されたり、適当な取付け部材によって取付けられたり、所定の適当な手段で取付けられていてよい。ラック部材38は、可撓性で高強度の炭素鋼で形成されていると好ましい。
【0017】
複数の支持孔44が開いた基部を備えた複数の支持部30が、軌道部材34の底部に取付けられている。支持部30は、溶接または適当な留め具による接続を含む従来の方法で基部部材34の底部に取付けられ得る。
【0018】
図1に示されている1つの実施形態に係われば、支持部30は、ワークピースに取付けられた固定部32上に位置されることによって、ワークピース上にしっかりと支持されるように構成されている。各固定部32は、ワークピースに対して溶接されるように構成されているとともに支持部30の底部を実質的に受けるような構成および寸法にされている支持プレート60を有していてよい。固定部32は、支持部30の支持孔44によって受けられて適当な留め具によってこの孔と共に留められるように構成されている複数のスタッド58を有していてよい。
【0019】
図3の他の実施形態では、固定部32は、スタッド溶接ガンによってワークピースに対して直接的に溶接されるとともに、支持孔44によって受けられて適当な留め具によって支持部30に取付けられるように構成されているスタッド58を有している。スタッド溶接ガンの例は、米国特許6,025,569号と6,476,339号とに開示されている。
【0020】
本発明の軌道アセンブリ14の各軌道部は、本発明の他の軌道部と互いに端と端を接して組立てられ、これによって、切断ツール用の単一移動経路を形成するように互いに隣接している軌道部の軌道部材が互いに横方向に並んで位置するように、構成されている。このために、各軌道部の軌道部材34は、各軌道部材34の対向端部に夫々配置される舌部と溝部の継手(tongue and groove joints)、スロットとタブの接続部、バイオネットコネクタ、またはねじ式コネクタのような接続部材を、隣接している軌道部の対応する接続部材と相互接続するために有し得る。
【0021】
図1に示されているように、軌道アセンブリ14は、軌道部材34上に取付け可能であって、ワークピース上に切断平面の中心線の位置を表すピンを備えている位置決めガイド128を有していてよい。
【0022】
好ましい実施形態に係われば、切削台駆動機構16は、駆動ピニオン40に接続されている高トルクモータ(図示されず)を収容するモータハウジング120を有している。高トルクモータは、電気エネルギー、流体エネルギー、空気エネルギー、または他の利用可能なエネルギーによって駆動される。切削台駆動機構16は、モータハウジング120内に支持されていて、入力回転駆動動作を駆動ピニオン40に伝える高トルクモータの使用を可能にするギア減速システム(図示されず)を有していてもよい。例えば、切削台駆動機構16は、Anchor Lamina Inc.,によって製造され、Boston Gear Co.,によって製造されている減速機part no.WA-718-200-Gに接続されている水圧モータpart no. A-125を有していてよい。このような切削駆動機構は、当分野で公知の部材を有していてよく、また、所定のアセンブリが、本発明の範囲を逸脱することなく使用可能であろう。
【0023】
好ましい実施形態では、前記切断ツールアセンブリ12は、ほぼ垂直の外形を有していて切削台アセンブリ18に支持されているアングルプレート48に取付けられている。このアングルプレート48は、切削台アセンブリ18に対して実質的に垂直な位置で切断ツールアセンブリ12を支持するように構成されている。しかし、アングルプレート48はほぼ直角の外形を有することに限定されず、切断ツールアセンブリ12を切削台アセンブリ18に対して位置決めするように所定の適当な外形を有してよいことが理解されるだろう。
【0024】
図4に示されているように、切削台アセンブリ18は、上面および底面と、側面から延びた一対の対向フランジ84,86とを備え、かつ平面を有している台部(platform)82が設けられたデッキ切削台80を有していると好ましい。これら対向フランジ84,86は、台部82と一体的に形成されていても、フランジ86を例とするような適当な留め具で台部82に接続されていてもよい。台部82の上面は、ツールアセンブリ12を切削台アセンブリ18と接続するように構成されたアングルプレート48を支持するようにされている。台部82の底面には、カム従動子構成物が設けられており、この台部の長さ方向にわたって形成された長手方向の溝88が備えられている。この溝88は、軌道アセンブリ14上で支持された時にラック部材38を受けるような構成および寸法にされている。デッキ切削台80は、少なくとも2つの調節可能な軸受けアセンブリ28を支持するように構成されている。これら軸受けアセンブリは、台部82のねじ穴130を通って延び、軌道アセンブリ14の軌道部材34にこの上面に沿ってこの上に乗るようにされている。
【0025】
図5の好ましい実施形態で示されているところによると、調節可能な軸受けアセンブリ28が、デッキ切削台80によって受けられ、支持されている。図5と図6両方において、軸受けアセンブリ28は、ヘッド部132とねじ先端部とを備えたピン部材72を有しており、ねじ先端部は、スリーブ部材70と、軸受け78と係合するための1つ以上の皿ばね74(例えば円錐状の圧縮ばね)とを通って延びている。ピン部材72のヘッド部132は、スリーブ部材70の内側肩部134上にて静止するように構成されている。スリーブ部材70は、ねじ穴130と係合する外側ねじ部を有している。このスリーブ部材70の外側ねじ部と係合するように構成されている保持ナット76が、デッキ台部82の上面に取付けられている。皿ばね74は、スリーブ部材70と軸受け78との間に位置されると僅かに変形する。保持ナット76がデッキ台部82に締め付けられると、軸受けアセンブリ28は、切削台アセンブリに対して所定位置に固定される。保持ナット76が緩められると、軸受けアセンブリ28が軌道部材34に対して緩められるか締め付けられるか選択できる。
【0026】
図4,5、および7に示されているように、切削台アセンブリ18は、カム構成物を備え、このカム構成物が、複数のカム従動子は、デッキ切削台80のフランジ84,86から垂直方向に突出した軸を有している複数のカム従動子を有し、軌道部材34にこの底面に沿ってこの上に乗るように構成されていると好ましい。カム構成物はまた、フランジ84、86の一方から平行に突出した軸を有する少なくとも1つのカム従動子64を有することができ、軌道部材34にこの側面に沿ってこの上に乗るように構成されている。
【0027】
少なくとも1つの調節可能なカム従動子68が組み込まれてもよい。この従動子は、フランジ84,86の一方に形成されたスロット140内に調節可能なように接続され、フランジ84,86にほぼ平行に延びた軸を有しているものである。この調節可能なカム従動子68は、軌道部材34に対して希望の位置に付けられたとき、位置決めねじによりフランジ84,86に対して所定位置にロックされ得る。この希望の位置とは、一般的に、調節可能なカム従動子68がデッキ切削台80を軌道部材34の側面に対して引き付けて、これによって、デッキ切削台80と軌道部材34との間のあそびをなくすような位置である。
【0028】
本明細書に開示されているような特定のカム構成物は、ツールアセンブリ12を備えた切削台アセンブリ18が移動経路100に沿って移動されるときにも切削台アセンブリ18が軌道部材34にしっかりと保持されるように軌道部材34に適当な力がかけられるという条件に沿えば、公知の原則に従って様々であってよい。
【0029】
図8に示されている好ましい実施形態に係われば、切断ツールアセンブリ12は、長手方向の軸X−Xの周りに回転可能であり、スピンドルハウジング54内に位置されているスピンドル56を有している。スピンドルハウジング54は、アングルプレート48に取付けられたスピンドル支持部52内に摺動可能に位置されている。スピンドル56は、エンドミルのような、適当なクランプ構成物または留め具でスピンドル56に取付けられる切断ツール24を受けるように構成されている。ツール駆動機構46が、適当な回転動作伝送装置、即ち、ギアアセンブリ26に接続されている。このギアアセンブリ26は、スピンドル56に接続されていて、長手方向の軸X−Xの周りの回転入力動作をスピンドル56に伝える。回転動作をするスピンドル56をスピンドルハウジング54内で支持し、スピンドルハウジング54に対する軸方向の動きを可能にするために、適当な軸受けが設けられている。このような切断ツールアセンブリが、当分野で公知であり、所定のこのようなアセンブリが、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得るだろう。
【0030】
ギアアセンブリ26は、このギアアセンブリを収容する静止ギアハウジング116を有しており、スピンドルハウジング54に対して支持され得る。このギア構成物は、ツール駆動機構46にこれによって回転するように動作可能に接続された駆動ギア122を有していてよい。この駆動ギア122は、移行(transfer)ギア124と係合するように構成され得る。伝達ギア124は、スピンドル56と共に回転するようにこのスピンドルの基端部の周りにこれと同軸に支持されている回転可能な構成部品、即ち、ギア126と係合していてよい。このようなギアアセンブリは、当分野で公知であり、所定のこのようなアセンブリが、本発明の範囲から逸脱することなく使用され得るだろう。
【0031】
ツール駆動機構46は、電気的に、水圧により、または空気により、駆動され得る。
【0032】
図9を参照すれば、送り機構22は、ねじの基端部および先端部を備えていて、ギアボックスアセンブリハウジング116にしっかりと取付けられた上側プレート104と、アングルプレート48の肩部68にしっかりと取付けられた下側プレート106とを通って延びるように配置されている送りねじ102を有していることが好ましい。この送りねじ102は、上側プレート104の上方に配置されたフランジブッシュ114を通って延び、上側プレート104内に配置された歯止め装置108に接続するように構成されていてもよい。送りねじ102の基端部は、上側プレート102の上方に配置された送りレバー36に接続されている。送りねじ102の先端部は、下側プレート106内に取付けられたねじ送りナット112に接続されている。図示されているような適当な軸受け118が、送りねじ102を上側プレート104および下側プレート106内で支持している。
【0033】
送りレバー36が、送りねじ102を送りナット112のねじに沿って前進させて、これによって、アングルプレート48の肩部68に対してスピンドル56を動かすように配置されている。
【0034】
送り機構構成物は、ツールヘッドをワークピースに向かって進めるための公知の機械のツールの原則に従って様々であってよい。
【0035】
本発明の好ましい実施形態に係わる軌道支持ツールの様々の付属物を説明してきたが、この作業の特徴と利点とを説明する。
【0036】
図1では、軌道アセンブリ14が、管50の周面に支持されている。特に、軌道部材34とラック部材38とが、中心軸を備えた管50の周面の一部分で支持されてこれに合わせて湾曲されている。軌道アセンブリ14が、管上に溶接される支持プレート60を備え、軌道部材34に接続された支持部30を受けるようにされた取付け部材32によって、管50に接続される。示されているように、マウントスタッド58が、支持部30の支持孔44を通って延び、適当な留め具で固定される。駆動機構16が、ツールアセンブリ12を支持する切削台アセンブリ18に取付けられ、ピニオン40がラック部材38と噛合うように軌道アセンブリ14に位置される。
【0037】
スピンドル56は、送り機構22によって適当な位置に動かされるものであって、これによって切断ツール24が、ツール駆動機構46によって長軸X−Xの周りで回転可能に駆動されると説明されている。切断ツール24が、この回転軸に沿って管50の壁の厚さ方向にわたって径方向に送られ、管材料を取り除くように、切削台駆動機構16によって移動経路100上で軌道部材34に沿ってこの回転軸に対して横方向に駆動され、これによって、管50を切断する。
【0038】
図2に示されている好ましい実施形態では、切断ツール24は、最初に回転軸の周りで回転されて、管50の壁を通るように送られるエンドミルである。この後に、切断ツールアセンブリ12が、管50の一部分を切除するように移動経路に沿って動かされる。
【0039】
図10〜13を参照すれば、本発明は、ワークピース50に沿って互いに端と端を接して連続的に組立てられ得る複数の軌道部90,92を有していてよい。図10は、第1および第2の軌道領域94,96に位置されている第1および第2の軌道部90,92を示している。第1および第2の軌道部90,92は、これらの端部が横方向に並んで移動経路100を形成するように互いに端と端を接して組立てられている。図11は、第1の軌道領域94から第1の軌道部90を取り外しているのを示している。取付け部材32は、第3の軌道領域98内にワークピース50上で適当に支持されており、第1の軌道領域94からは取り外されている。図12は、第3の軌道領域98の上方に位置されている第1の軌道部90を示している。図13は、第3の軌道領域98内に位置されて取付け部材32上で支持され、第2の軌道部材92に対して移動経路100の長さにわたって延びている第1の軌道部材90を示している。上述した手順が、ワークピースの周面の長さまたは直径にわたって果たされ得る。
【0040】
本発明の好ましい実施形態に係われば、少なくとも1つの切断ツールアセンブリ12が、ワークピースの少なくとも一部の周りに所定の移動経路に沿って移動するように設けられている。図14および図15に示されているように、2つの切断ツールアセンブリ12は、管やチューブのような中空ワークピース50の中心軸の周りを周回している移動経路100に沿って移動するように回転可能に設けられ得る。
【0041】
各切断ツールアセンブリ12は、回転可能に支持され、ツールの長軸X−Xの周りで回転するように駆動され、この回転軸に対して横方向にワークピースの中心軸の周りで切断平面内を所定の移動経路100に沿って移動するように設けられているエンドミル24を有している。回転するように駆動されると、各切断ツールアセンブリのエンドミル24が、この回転軸に沿ってワークピース50の壁の厚さ方向にわたって径方向に送られ、切断ツールアセンブリ24が、移動経路100に沿って移動される。これに伴って、エンドミルの側部が、移動経路100に沿った単一通路でワークピースの壁方向にわたって切断を行なう。
【0042】
この方法に係われば、切断ツールアセンブリ12は、参照して本明細書に組み込まれた米国特許4,665,782号に説明されているような、回転可能なヘッドと中空のワークピースに取付けられる固定のツール本体とを備えた携帯用旋盤上で動くように設けられていてよい。あるいは、切断ツールアセンブリ12は、ワークピース上にクランプするための所定の適当な装置上で動くように設けられ、切断アセンブリ12をこの周りで動かすためのシステムを提供してもよい。
【0043】
本発明のいくつかの好ましい実施形態が上述されてきたが、請求項に規定されている本発明の範囲を逸脱することなく当業者によって様々の変形がこれらの実施形態に加えられ得ることと、様々の実施形態が他の実施形態と互換性をもって利用できることとを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】ワークピース上に支持されている切断ツールを示している斜視図である。
【図2】本発明の切断ツールを示している正面図である。
【図3】軌道アセンブリの1実施形態の断面図である。
【図4】図2の線I−Iに沿った断面図である。
【図5】図4に係わる切削台アセンブリの調節可能な軸受けアセンブリの断面図である。
【図6】図5に係わる調節可能な軸受けアセンブリの分解斜視図である。
【図7】図2のII−II線の断面図である。
【図8】図2のIII−III線の断面図である。
【図9】図2の送り機構の断面図である。
【図10】1つの軌道部の、ワークピース上の他の軌道部に隣接する異なる位置への移動を示している概略的な斜視図である。
【図11】1つの軌道部の、ワークピース上の他の軌道部に隣接する異なる位置への移動を示している概略的な斜視図である。
【図12】1つの軌道部の、ワークピース上の他の軌道部に隣接する異なる位置への移動を示している概略的な斜視図である。
【図13】1つの軌道部の、ワークピース上の他の軌道部に隣接する異なる位置への移動を示している概略的な斜視図である。
【図14】本発明の好ましい方法に係わって切断作業を行なう工程を示している概略図である。
【図15】本発明の好ましい方法に係わって切断作業を行なう工程を示している概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースの表面に取付けられるように構成され、軌道部材と、この軌道部材の長手方向に沿って支持されたラック部材とを備え、移動経路を規定している少なくとも1つの軌道部と、
この軌道部に沿って乗り、この軌道部によって誘導および支持されるように構成されている切削台アセンブリと、
前記切削台アセンブリと駆動可能に係合して、この切削台アセンブリを前記軌道部に沿って駆動する切削台駆動機構と、
長軸の周りで回転され、ワークピースをその壁の厚さ方向にわたって切断するために、この回転軸に沿っても回転軸に対して横方向にも送られるようにされている切断ツールを備え、前記切削台アセンブリに保持されている切断ツールアセンブリと、
前記切断ツールに接続されて、この切断ツールに回転入力動作を伝えるようにされているツール駆動システムとを具備している切断ツールおよび軌道システム。
【請求項2】
前記軌道部は、
前記軌道部材の底面に接続されていて、ワークピースに取付けられるように構成されている少なくとも2つの支持部を有し、
これら2つの支持部の各々は、ワークピース上に支持される取付け部材に取付けられるように構成されている、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項3】
前記取付け部材の各々は、ワークピース上に支持されるマウントプレートと、このマウントプレートから延びている複数のスタッドとを有しており、前記支持部は、取付け部材のこれらスタッドを受けてスタッドに固定させるように構成および配置されている、請求項2の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項4】
前記取付け部材は、ワークピース上に支持されるスタッドであり、前記支持部は、これらスタッドを受けてスタッドに固定させるように構成および配置されている、請求項2の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項5】
前記切削台アセンブリは、
前記切断ツールアセンブリを保持するように構成され、少なくとも2つのねじ穴が穿孔されている切削台デッキと、
この切削台デッキのねじ穴によって受けられ保持される少なくとも2つの調節可能な軸受けアセンブリとを有しており、
この支持アセンブリの各々は、ねじ穴の一方と動作可能に係合するように位置されたねじ付きスリーブ部材を通って延びている1つのピン部材と、複数の円錐状圧縮ばねとを備え、前記ピン部材の先端部が、軸受けと係合し、この軸受けアセンブリは、前記スリーブ部材と係合する保持ナットを有し、切削台に対して位置付け可能にされている、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項6】
前記切削台アセンブリは、カム構成物を更に有しており、このカム構成物は、
前記切削台デッキに固定され、前記軌道部材に沿ってこの上に乗るように構成されている複数のカム従動子と、
前記切削台デッキに調節可能に取付けられ、前記軌道部材に対して位置決めされるように構成されている少なくとも2つの調節可能なカム従動子とを有している、請求項4の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項7】
互いに直交するように向けられた第1および第2のプレート部を備えたアングルプレートを更に具備し、このアングルプレートは、第1のプレート部に沿って切断ツールアセンブリを支持し、第2のプレート部で前記切削台アセンブリに支持されるように構成されている、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項8】
送りアセンブリを更に具備し、この送りアセンブリは、
上側孔を有し、前記切断ツールアセンブリに接続するように構成されており、前記上側孔内にラチェットアセンブリが位置されている、上側プレートと、
下側孔を有し、前記アングルプレートの第1のプレート部に接続するように構成されており、前記下側孔内に送りナットが位置されている、下側プレートと、
前記ラチェットアセンブリと係合している上側孔を通って延び、下側孔の送りナットと係合している送りねじと、
この送りねじに取付けられており、送りねじを回転させて、アングルプレートに対して前記切断ツールアセンブリのスピンドルを線形に変位させるように操作可能であるレバーとを有している、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項9】
前記軌道部は、少なくとも2つ設けられ、ワークピース上に互いに端と端を接するように組立てられて連続的な移動経路を形成するように構成されている、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項10】
前記切断ツールは、エンドミルである、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項11】
ツールの長軸の周りで回転するように駆動されるエンドミルを回転可能に支持し、所定の移動経路に沿ってこの回転軸に対して横方向にワークピースの中心軸の周りでその切断平面内を動かすために設けられている少なくとも1つの切断ツールアセンブリを使用して中空のワークピースを切断する方法であり、
前記エンドミルを回転させ、このエンドミルをこの回転軸に沿ってワークピースの壁の厚さ方向の少なくとも一部にわたって送ることと、
切断ツールアセンブリを移動経路に沿って移動させて、ワークピースを切断することとを具備している方法。
【請求項12】
最初に、前記エンドミルが、ワークピースの壁の厚さ全体にわたって壁の厚さ全体を切断するように駆動され、次に、前記切断ツールアセンブリが、移動経路に沿って動かされる、請求項11の方法。
【請求項1】
ワークピースの表面に取付けられるように構成され、軌道部材と、この軌道部材の長手方向に沿って支持されたラック部材とを備え、移動経路を規定している少なくとも1つの軌道部と、
この軌道部に沿って乗り、この軌道部によって誘導および支持されるように構成されている切削台アセンブリと、
前記切削台アセンブリと駆動可能に係合して、この切削台アセンブリを前記軌道部に沿って駆動する切削台駆動機構と、
長軸の周りで回転され、ワークピースをその壁の厚さ方向にわたって切断するために、この回転軸に沿っても回転軸に対して横方向にも送られるようにされている切断ツールを備え、前記切削台アセンブリに保持されている切断ツールアセンブリと、
前記切断ツールに接続されて、この切断ツールに回転入力動作を伝えるようにされているツール駆動システムとを具備している切断ツールおよび軌道システム。
【請求項2】
前記軌道部は、
前記軌道部材の底面に接続されていて、ワークピースに取付けられるように構成されている少なくとも2つの支持部を有し、
これら2つの支持部の各々は、ワークピース上に支持される取付け部材に取付けられるように構成されている、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項3】
前記取付け部材の各々は、ワークピース上に支持されるマウントプレートと、このマウントプレートから延びている複数のスタッドとを有しており、前記支持部は、取付け部材のこれらスタッドを受けてスタッドに固定させるように構成および配置されている、請求項2の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項4】
前記取付け部材は、ワークピース上に支持されるスタッドであり、前記支持部は、これらスタッドを受けてスタッドに固定させるように構成および配置されている、請求項2の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項5】
前記切削台アセンブリは、
前記切断ツールアセンブリを保持するように構成され、少なくとも2つのねじ穴が穿孔されている切削台デッキと、
この切削台デッキのねじ穴によって受けられ保持される少なくとも2つの調節可能な軸受けアセンブリとを有しており、
この支持アセンブリの各々は、ねじ穴の一方と動作可能に係合するように位置されたねじ付きスリーブ部材を通って延びている1つのピン部材と、複数の円錐状圧縮ばねとを備え、前記ピン部材の先端部が、軸受けと係合し、この軸受けアセンブリは、前記スリーブ部材と係合する保持ナットを有し、切削台に対して位置付け可能にされている、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項6】
前記切削台アセンブリは、カム構成物を更に有しており、このカム構成物は、
前記切削台デッキに固定され、前記軌道部材に沿ってこの上に乗るように構成されている複数のカム従動子と、
前記切削台デッキに調節可能に取付けられ、前記軌道部材に対して位置決めされるように構成されている少なくとも2つの調節可能なカム従動子とを有している、請求項4の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項7】
互いに直交するように向けられた第1および第2のプレート部を備えたアングルプレートを更に具備し、このアングルプレートは、第1のプレート部に沿って切断ツールアセンブリを支持し、第2のプレート部で前記切削台アセンブリに支持されるように構成されている、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項8】
送りアセンブリを更に具備し、この送りアセンブリは、
上側孔を有し、前記切断ツールアセンブリに接続するように構成されており、前記上側孔内にラチェットアセンブリが位置されている、上側プレートと、
下側孔を有し、前記アングルプレートの第1のプレート部に接続するように構成されており、前記下側孔内に送りナットが位置されている、下側プレートと、
前記ラチェットアセンブリと係合している上側孔を通って延び、下側孔の送りナットと係合している送りねじと、
この送りねじに取付けられており、送りねじを回転させて、アングルプレートに対して前記切断ツールアセンブリのスピンドルを線形に変位させるように操作可能であるレバーとを有している、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項9】
前記軌道部は、少なくとも2つ設けられ、ワークピース上に互いに端と端を接するように組立てられて連続的な移動経路を形成するように構成されている、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項10】
前記切断ツールは、エンドミルである、請求項1の切断ツールおよび軌道システム。
【請求項11】
ツールの長軸の周りで回転するように駆動されるエンドミルを回転可能に支持し、所定の移動経路に沿ってこの回転軸に対して横方向にワークピースの中心軸の周りでその切断平面内を動かすために設けられている少なくとも1つの切断ツールアセンブリを使用して中空のワークピースを切断する方法であり、
前記エンドミルを回転させ、このエンドミルをこの回転軸に沿ってワークピースの壁の厚さ方向の少なくとも一部にわたって送ることと、
切断ツールアセンブリを移動経路に沿って移動させて、ワークピースを切断することとを具備している方法。
【請求項12】
最初に、前記エンドミルが、ワークピースの壁の厚さ全体にわたって壁の厚さ全体を切断するように駆動され、次に、前記切断ツールアセンブリが、移動経路に沿って動かされる、請求項11の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2006−519119(P2006−519119A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508624(P2006−508624)
【出願日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/002017
【国際公開番号】WO2004/078429
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(399020784)ティーアールアイ・トゥール・インコーポレーテッド (7)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/002017
【国際公開番号】WO2004/078429
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(399020784)ティーアールアイ・トゥール・インコーポレーテッド (7)
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