制御可能なピッチ航海用プロペラのための制御方法および制御システム
操縦モードおよびクルーズモード、ならびにエンジンチェックモードとプロペラチェックモードとからなるチェックモード、からなる動作モードを含む制御可能なピッチ航海用プロペラのための制御方法およびシステム。クルーズモードはワイド開スロットル加速と動力停止をもたらす。スムーズ移行サブモードはクルーズモードと操縦モードとの間およびその逆間のスムーズな移行をもたらすように提供される。システムはレバー(28)により動作し、レバー(28)はピッチ制御ユニット(10)を制御し、ピッチ制御ユニット(10)は次にエンジン速度とプロペラ(14)のプロペラ翼(12)のピッチも制御する。したがって、操縦モードまたはクルーズモードのいずれかにおける制御レバー(28)の位置に基づいて、船を駆動するために、適切なエンジン速度とプロペラピッチが自動的に選択される。
【発明の詳細な説明】
【相互参照出願】
【0001】
この出願は2003年11月12日に出願された米国仮出願第60/519769号、および2003年10月28日に出願されたオーストラリア国仮特許出願第2003905952号からの優先権を主張する。
【発明の分野】
【0002】
本発明は制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法およびシステムと、このシステムを含む船に関する。
【先行技術の説明】
【0003】
制御可能なピッチ航海用プロペラが知られており、これはハブの回転軸に垂直に伸びる軸について動くように取り付けられた複数のプロペラ翼を有するプロペラハブを含む。プロペラハブはハブを回転させるエンジンにより駆動される。ピッチ制御メカニズムが使用されて、エンジンのさまざまな動作状態に適合するようにプロペラ翼のピッチが変更され、ボート性能を向上させ、また経済性を改善させる。
【0004】
我々のより早い国際出願PCT/AU99/00276号および国際出願PCT/AU2004/000970号はプロペラ翼のピッチを調整できるメカニズムを説明している。2つの先に言及した出願におけるメカニズムは異なっているが、これらは両方とも制御シャフトを動かして翼の位置を調整するように制御されるモータを含む。制御シャフトの動きは主駆動シャフトに対する制御シャフトの相対的な回転や、制御シャフトの縦の動きとすることができる。さらに、液圧システムのような他の制御システムを使用することもできる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船の前進の速度を変更できるようにエンジン速度とプロペラのピッチが調整され、エンジン速度が最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供するステップと、
最大エンジン速度よりも低い予め定められた制限内にエンジン速度を維持しながら、航海用プロペラのピッチが調整される操縦モードを提供するステップと、
駆動をプロペラに供給することなく、エンジンの回転速度を上げることができるエンジンチェックモードを提供するステップと、
プロペラを回転させることなく、プロペラのピッチを調整することができるピッチチェックモードを提供するステップとを含む方法を存することを言うことができる。
【0006】
本発明における1つの実施形態では、方法は、操縦モード、クルーズモード、エンジンチェックモードまたはピッチチェックモードを選択する1以上のセレクタと、操縦モードにおいて、エンジン速度を制限しながら、駆動アクチュエータの移動がプロペラのピッチを変化させ、クルーズモードにおいて、駆動アクチュエータの移動が、エンジン速度とプロペラのピッチを変化させるように、末端の位置間で移動する駆動アクチュエータとを提供することを含んでいる。
【0007】
本発明における1つの実施形態では、操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持している。
【0008】
本発明の他の実施形態では、操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することを含んでいる。
【0009】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%であることが好ましい。
【0010】
方法は、操縦モードとクルーズモードとの間でモードが変更される場合に、操縦モードとクルーズモードとの間の変更の時間における駆動アクチュエータの位置による船からの望ましくない応答を防ぐためにスムーズ移行が生じるように移行モードルーチンを提供することを含んでいることが好ましい。
【0011】
方法は、クルーズモードのときに、船の操作者により要求されるワイド開スロットル状態と、最高の燃料効率を達成するように、エンジン速度または船速度が駆動アクチュエータの位置にしたがって調整される通常クルーズ状態と、船の前進移動から船の停止状態までの移行中、または船が再度前進するように制御されるまで、利用可能なエンジン動力で、プロペラのピッチがフル後退位置に調整される動力停止状態を決定するサブルーチンとを提供することがさらに含んでいることが好ましい。
【0012】
本発明における1つの実施形態では、方法は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することを含んでいる。
【0013】
1つの実施形態では、方法は、動力停止ルーチン中のときに、船速度を監視することを含んでいる。
【0014】
この実施形態では、船速度は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似している。
【0015】
特定のピッチ量およびプロペラ速度に対して適切な速度値が提供されるように、船速度がルックアップテーブルにより提示できる。
【0016】
本発明は、船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
(a)船が巡航できるようにエンジン速度とプロペラのピッチが調整され、エンジン速度が最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供し、
(b)最大エンジン速度よりも低い予め定められた制限内にエンジン速度を維持しながら、航海用プロペラのピッチが調整される操縦モードを提供し、
(c)駆動をプロペラに供給することなく、エンジンの回転速度を上げることができるエンジンチェックモードを提供し、
(d)プロペラを回転させることなく、プロペラのピッチを調整することができるピッチチェックモードを提供する制御装置を具備するシステムが存することを言うことができる。
【0017】
本発明における1つの実施形態では、システムは、操縦モード、クルーズモード、エンジンチェックモードまたはピッチチェックモードを選択する1以上のセレクタと、操縦モードにおいて、エンジン速度をほぼ一定に維持しながら、駆動アクチュエータの移動が、プロペラのピッチを変化させ、クルーズモードにおいて、駆動アクチュエータの移動がエンジン速度とプロペラのピッチを変化させるように、末端の位置間で移動する駆動アクチュエータとを提供することが含まれている。
【0018】
制御装置は、操縦モードとクルーズモードとの間でモードが変更される場合に、操縦モードとクルーズモードとの間の変更の時間における駆動アクチュエータの位置によるボートからの望ましくない応答を防ぐためにスムーズ移行が生じるように移行モードルーチンを提供もすることが好ましい。
【0019】
制御装置は、クルーズモードのときに、船の操作者により要求されるワイド開スロットル状態と、船速度が制御レバーの位置にしたがって調整される通常クルーズ状態と、船の前進移動から船の停止状態までの移行中、または船が再度前進するように制御されるまで、利用可能なエンジン動力で、プロペラのピッチがフル後退位置に調整される動力停止状態とを決定するサブルーチンを提供もすることが好ましい。
【0020】
本発明における1つの実施形態では、制御装置は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持する。
【0021】
1つの実施形態では、システムは、動力停止ルーチン中のときに、船速度を監視する速度センサを具備している。
【0022】
他の実施形態では、船速度は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似されている。
【0023】
制御装置は予め定められた速度に到達するまで動力停止を維持し、特定のピッチ量およびプロペラ回転速度に対して、スリップに対して調整される適切な速度値が提供されるように、式がルックアップテーブルにより提示される。
【0024】
本発明は、エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
船の船操作者による手動移動のための駆動アクチュエータと、
エンジン動力と航海用プロペラのピッチを制御する制御装置と、
船に対するクルーズモードまたは操縦モードを選択するモードセレクタとを具備し、
制御装置は、モードセレクタからの制御信号と駆動アクチュエータからの制御信号を受け取りもし、船を操縦モードに置くようにモードセレクタが作動されるとき、制御装置は最大エンジン速度より低い予め定められた値内にエンジンrpm速度を制限し、船操作者による駆動アクチュエータの手動移動にしたがってプロペラ翼のピッチを制御して船速度を変更し、モードセレクタがクルーズモード中のとき、制御装置は船操作者による駆動アクチュエータの移動にしたがって最大エンジン速度までのエンジン動力とプロペラピッチとをセットして船速度を変更するシステムも提供する。
【0025】
本発明における1つの実施形態では、制御装置は操縦モード中のときに前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持することを含む。
【0026】
本発明の他の実施形態では、制御装置は操縦モード中のときにプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整している。
【0027】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%であることが好ましい。
【0028】
制御装置は、駆動アクチュエータの手動調整された位置に基づいて、ルックアップテーブルから、エンジンに供給する出力を選択することにより、エンジン動力を制御するピッチ制御ユニットと、ピッチ制御ユニットから出力を受け取ってプロペラのピッチを調整するピッチモータ制御装置とを備えることが好ましい。
【0029】
システムはプロペラのピッチを調整するピッチ制御モータを具備し、ピッチモータ制御装置は出力信号をピッチ制御モータに供給してピッチ制御モータを作動させ、プロペラを所望のピッチに調整することが好ましい。
【0030】
システムはプロペラ翼のピッチの測定値を提供するセンサを具備し、ピッチ制御ユニットにプロペラのピッチを示す信号が供給されるように、センサはピッチ制御ユニットに結合されていることが好ましい。
【0031】
船は、選択的にエンジンからプロペラへの動力を切断し、または動力をエンジンからプロペラに供給できるクラッチと、クラッチに接続されたクラッチアクチュエータとを含み、ピッチ制御ユニットは制御信号をアクチュエータに供給して、クラッチを開くまたは閉じることが好ましい。
【0032】
システムは、クラッチが開位置または閉位置かを示す信号を提供するクラッチ位置監視センサを具備し、センサはピッチ制御ユニットに接続されていることが好ましい。
【0033】
1つの実施形態では、エンジンはエンジン速度を感知するrpmセンサを備え、rpmセンサはピッチ制御ユニットに接続されている。
【0034】
1つの実施形態では、船の速度を示す信号をピッチ制御ユニットに供給する速度測定デバイスが設けられて、ピッチ制御ユニットに接続されている。
【0035】
他の実施形態では、速度ユニットはGPS速度測定システムである。
【0036】
好ましい実施形態では、地上に対する船速度は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似されている。
【0037】
特定のピッチ量およびrpmに対して、スリップに対して調整される適切な速度値が提供されるように、ルックアップテーブルにより式を提示できる。
【0038】
モードセレクタは、船を操縦モードまたはクルーズモードに選択的に置く少なくとも1つのスイッチを備えることが好ましい。
【0039】
船をピッチチェックモードまたはエンジンチェックモードに置くための第2のスイッチが設けられていることが好ましい。
【0040】
スイッチは、クルーズモードと操縦モードとの間、ピッチチェックモードとエンジンチェックモードとの間でモードをトグル切り替えすることにより、システムをクルーズモードまたは操縦モード、およびピッチチェックモードまたはエンジンチェックモードに置くための瞬間接触スイッチであることが好ましい。
【0041】
システムは、動力がエンジンからプロペラに伝えられるようにクラッチを閉位置に維持するために、クラッチを開こうとする場合にピッチ制御ユニットを無効にできるように、船操作者により作動されるクラッチ締結アクチュエータを具備することが好ましい。
【0042】
システムは、船操作者による作動でプロペラの緊急停止を実行するプロペラ停止エレメントを具備し、プロペラ停止エレメントの作動時に、ピッチ制御ユニットがエンジン速度を減少させ、エンジンからプロペラへの回転動力を遮断するためにクラッチを開き、プロペラの位置を中立位置に、プロペラ停止エレメントが調整するようにピッチ制御ユニットに接続されていることが好ましい。
【0043】
ピッチ制御ユニットは、ピッチチェック−エンジンチェックモードスイッチが作動されときに、駆動がエンジンからプロペラに供給されないようにクラッチを開かせ、ピッチ制御ユニットは、エンジンチェックモード位置では、信号をエンジンに出力し、船操作者により制御された駆動アクチュエータの位置にしたがってエンジンの回転速度を上げさせ、ピッチチェックモード位置では、信号をピッチモータ制御装置にそしてピッチモータに出力させて、駆動アクチュエータの移動に基づいてプロペラのピッチを調整することが好ましい。
【0044】
ピッチ制御ユニットは、駆動アクチュエータの位置に基づいてピッチモータ制御装置に出力する値のルックアップテーブルを備え、それにより、ピッチモータを制御してプロペラのピッチを駆動アクチュエータの位置に基づいた位置に調整するために、ピッチモータ制御装置に供給する適切な値が選択されることが好ましい。
【0045】
駆動アクチュエータはフル前進位置とフル後退位置との間で移動可能な制御レバーであることが好ましい。
【0046】
本発明は、エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
プロペラの回転により船を駆動するエンジン動力が増加または減少され、プロペラのピッチが調整されて要求された船速度を達成するように、エンジン動力とプロペラピッチ位置が駆動アクチュエータの手動操作により調整され、エンジン速度は最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供するステップと、
エンジン速度が最大エンジン速度よりも低く制限され、プロペラピッチが船操作者のよる駆動アクチュエータの手動制御により調整されて、船の速度を変化させるプロペラのピッチ制御によりボートが操縦できる操縦モードを提供するステップと、
モードがクルーズモードから操縦モードに、または操縦モードからクルーズモードに変更されるときに、手動制御される駆動アクチュエータの位置が船に望ましくない方法で応答させるような位置である場合に、モード間で変更されるときに、エンジン速度とプロペラピッチが望ましくない方法で変更されないように、移行モードを提供するステップとを含む方法が存することを言うことができる。
【0047】
クルーズモードのときに船速度を変更し、操縦モードのときにプロペラピッチを変更する単一駆動アクチュエータが提供されることが好ましい。
【0048】
移行モードは駆動アクチュエータ位置が予め定められた制限を超えるか否かを決定し、予め定められたエンジン速度をセットし、船速度に基づいてプロペラのピッチを調整することが好ましい。
【0049】
移行モードは、操縦モードで船が動作することを防ぐことをさらに含み、エンジン速度およびプロペラのピッチと合う位置に船操作者により駆動アクチュエータが手動で調整されたときに、その後の駆動アクチュエータの継続した移動は駆動アクチュエータの移動により船操作者が船をクルーズモードで駆動できるようにすることが好ましい。
【0050】
本発明における1つの実施形態では、操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持している。
【0051】
本発明における他の実施形態では、操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することを含んでいる。
【0052】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%であることが好ましい。
【0053】
本発明は、エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
(a)プロペラの回転により船を駆動するエンジン動力が最大および最小のエンジン速度間で増加または減少され、プロペラのピッチが調整されて要求された船速度を達成するように、エンジン動力とプロペラピッチが駆動アクチュエータの手動操作により調整される、クルーズモードを提供し、
(b)エンジン速度が最大エンジン速度よりも低い制限速度に制限され、プロペラピッチが船操作者のよる駆動エレメントの手動制御により調整されて、船の速度を変化させるプロペラのピッチ制御によりボートが操縦できる操縦モードを提供し、
(c)モードがクルーズモードから操縦モードに、または操縦モードからクルーズモードに変更されるときに、手動制御される駆動アクチュエータの位置がモードの変更時にボートが望ましくない方法で応答しないような位置である場合に、モード間で変更されるときに、エンジン速度とプロペラピッチが望ましくない方法で変更されないように、移行モードを提供する制御装置を具備するシステムが存することを言うことができる。
【0054】
本発明における1つの実施形態では、制御装置は操縦モード中のときに前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持している。
【0055】
本発明における他の実施形態では、制御装置は操縦モード中のときにプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整している。
【0056】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%であることが好ましい。
【0057】
クルーズモードのときに船速度を変更し、操縦モードのときにプロペラピッチを変更する単一駆動アクチュエータが設けられることが好ましい。
【0058】
移行モードは駆動アクチュエータ位置が予め定められた制限を超えるか否かを決定し、予め定められたエンジン速度をセットし、船速度に基づいてプロペラのピッチを調整することが好ましい。
【0059】
方法には、さらに、移行モード中のとき、エンジン速度およびプロペラのピッチと合う位置に船操作者が駆動アクチュエータを移動させるときまで、船がクルーズモードで動作することを防ぐことがさらに含まれていることが好ましい。
【0060】
方法には、さらに、船速度を監視し、操縦モードからクルーズモードに移行するときに、その船速度を維持するようにプロペラのピッチを制御しながら、エンジン速度の関数としてエンジン動力をセットもすることも含まれていることが好ましい。
【0061】
方法には、さらに、船速度を監視し、クルーズモードから操縦モードに移行するときに、エンジン速度を予め定められた速度にセットし、プロペラピッチを船速度に基づくピッチにセットすることを含まれていることが好ましい。
【0062】
本発明は、エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船が前進しているときに船の速度を急激に減少させる動力停止モードを提供するステップと、
船の前進移動から船の減少前進速度への移行中に利用可能なエンジン動力でフル後退位置にプロペラのピッチを調整するステップとを含む方法が依然としてさらに提供する。
【0063】
方法には、船が停止するまで、または船が船操作者により制御されるまで、利用可能な連続的なエンジン動力を維持することが含まれていることが好ましい。
【0064】
したがって、この観点によって、動力停止状態のもとで船が完全に停止することが可能になり、または停止の途中で、操作者が船を加速させることが望ましいと決定する場合に、ドライバ制御のもとでそのように駆動できる。 方法には、駆動アクチュエータの移動の速度を監視することにより動力停止要求を決定し、プロペラをフル後退ピッチ位置に置くことが含まれていることが好ましい。
【0065】
方法には、船速度を監視し、船が予め定められた速度に到達するまで、動力停止モード以外でボートを動作させるように作動デバイスを移動させることにより船が操作者により制御されるまで、船を動力停止モードに維持することが含まれていることが好ましい。
【0066】
本発明における1つの実施形態では、方法は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することが含んでいる。
【0067】
本発明における1つの実施形態では、操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持している。
【0068】
本発明における他の実施形態では、操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することが含まれている。
【0069】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%であることが好ましい。
【0070】
本発明は、エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
前進位置から後退位置に移動可能な駆動アクチュエータと、
プロペラのピッチを調整して、ピッチをフル後退位置に置く制御装置とを具備し、
制御装置は、アクチュエータの移動を監視することにより動力停止に対する要求を決定し、動力停止を決定したとき、船の前進移動から船の減少速度への移行中に利用可能なエンジン動力でフル後退位置にプロペラのピッチを調整するシステムも提供する。
【0071】
制御装置は、船が停止するまで、またはアクチュエータが船操作者により移動させるまで、連続的なエンジン動力を維持することが好ましい。
【0072】
制御装置は、フル後退位置へのアクチュエータの移動の速度を監視することにより動力停止に対する要求を決定することが好ましい。
【0073】
駆動アクチュエータは制御レバーを備えていることが好ましい。
【0074】
1つの実施形態では、システムは、船の速度を示す信号を提供する速度センサを具備し、制御装置は、予め定められた船速度に到達するまで、または動力停止モード以外で船を動作させるように駆動アクチュエータが操作者により作動されるまで、船を動力停止モードに維持する。
【0075】
1つの実施形態では、船速度は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似されている。
【0076】
特定のピッチ量およびrpm対して適切な速度値が提供されるように、船速度がルックアップテーブルにより提示できる。
【0077】
本発明は、エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船の速度の表示を提供することと、
以下のグループのパラメータ:プロペラピッチおよび船の動作モード、から選択された1以上の任意のパラメータに基づいてエンジン動力を制御するために船の速度を使用することとを含む方法も提供できる。
【0078】
1つの実施形態では、動作モードは、一定速度に船速度を維持することが望まれ、エンジン動力がその一定速度を維持するように調整されるセットクルーズ制御モードである。
【0079】
他の実施形態では、動作モードは、最低船速度が生じるまで、操作者制御により無効とされない限り、動力停止モードを継続するように、船速度が予め定められた最低速度に落ちるときを決定するのに船速度が使用される動力停止モードを含んでいる。
【0080】
この実施形態では、エンジン速度は、特定のエンジン動力が船の速度に基づいて選択されるように、動力停止の開始時にエンジン動力をセットするのにも使用される。
【0081】
動作モードは、クルーズモードと操縦モードとの間で船の動作モードが変更されるときに実行される移行モードを含み、エンジン動力は、クルーズモードと操縦モードとの間のスムーズな移行をもたらすように、クルーズモードと操縦モードとの間の移行中にボート速度に基づいて選択されることが好ましい。
【0082】
船速度は、クルーズモードから操縦モードへと操縦モードからクルーズモードへの両方の移行時に、スムーズな移行をもたらすように使用されることが好ましい。
【0083】
1つの実施形態では、船速度は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似されている。
【0084】
特定のピッチ量およびrpmに対して適切な速度値が提供されるように、ルックアップテーブルにより船速度を提示できる。
【0085】
本発明は、エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
船の速度を示す出力を提供する速度手段と、
以下のグループのパラメータ:プロペラピッチおよび船の動作モード、から選択された1以上の任意のパラメータに基づいてエンジン動力を制御するために出力を使用する制御装置とを具備するシステムも提供する。
【0086】
1つの実施形態では、動作モードは、制御装置が一定速度に船速度を維持し、エンジン動力がその一定速度を維持するように調整されるセットクルーズ制御モードである。
【0087】
他の実施形態では、動作モードは、最低船速度が生じるまで、操作者制御により無効とされない限り、動力停止モードを継続するように、船速度が予め定められた最低速度に落ちるときを決定するのに出力が使用される動力停止モードを含んでいる。
【0088】
本発明における1つの実施形態では、方法には、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することが含まれている。
【0089】
この実施形態では、エンジン速度は、特定のエンジン動力が船の速度を示す出力に基づいて選択されるように、動力停止の開始時にエンジン動力をセットするのにも使用されている。
【0090】
動作モードは、クルーズモードと操縦モードとの間で船の動作モードが変更されるときに実行される移行モードを含み、エンジン動力は、クルーズモードと操縦モードとの間のスムーズな移行をもたらすように、クルーズモードと操縦モードとの間の移行中に出力に基づいて選択されることが好ましい。
【0091】
出力は、クルーズモードから操縦モードへと操縦モードからクルーズモードへの両方の移行時に、スムーズな移行をもたらすように制御装置により使用されることが好ましい。
【0092】
本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照して、例を用いて説明する。
【詳細な説明】
【0093】
図1を参照すると、好ましい実施形態にしたがった制御システムの概略図と、ボートのための航海用駆動システムが示されている。航海用駆動システムは一般的に、クラッチ20を通してプロペラ14を駆動するエンジン18を具備する。プロペラ14はハブ16とプロペラ翼12を含む。可変ピッチ航海用プロペラでは、ハブ16の回転軸を横切る軸について翼12の位置を調整できるように翼12が取り付けられる。
【0094】
制御システムはピッチ制御ユニット10を含む。ピッチ制御ユニット10はEDUモータ制御装置22に接続され、EDUモータ制御装置22は次にDCモータ24を制御し、DCモータ24はプロペラ翼12のピッチを調整する。メカニズムの機械的詳細に対して、先に言及した国際出願に関心を寄せることができ、その内容はこの参照によりこの明細書に組み込まれている。
【0095】
ピッチ制御ユニット10はライン11上に出力される制御信号によりエンジン18を制御する。基本的に、制御は、ボート速度を制御する制御レバー28の移動に応答してエンジンにより供給される動力を増加または減少させるためのエンジン18の燃料送出システムに対する制御である。ピッチ制御ユニット10はライン13によりクラッチアクチュエータ25にも接続されているので、信号をアクチュエータ25に出力して、アクチュエータにクラッチ20の開閉をさせることができる。明らかに、クラッチが開いているとき、エンジン18からプロペラ14に対する駆動は切断され、クラッチ20が閉じているとき、エンジン18はプロペラ14を駆動することができる。ピッチ制御ユニット10はライン15によりEDUモータ制御装置22にも接続されているので、信号を制御装置22に出力して、制御装置22にライン17上に信号を出力させ、DCモータ24を制御することができる。DCモータ24の回転はプロペラ翼12のピッチ位置を調整し、したがって、以下でさらに詳細に説明するように、ライン15および17上に提供される制御信号を使用してDCモータ24を作動させて、システムの動作状態に基づいて所望のピッチ位置にプロペラ翼12を位置付ける。制御レバー28はピッチ制御ユニット10に接続され、ボートを駆動するために末端位置間で船操作者により移動可能である。一般的に、レバー28の移動時に出力される信号は電子信号であり、ライン19を通してピッチ制御ユニット10に供給され、これらの信号はレバー28の位置を示す制御信号をピッチ制御ユニット10に提供するので、エンジン18はレバー28の位置に基づいて速度および/またはトルクが制御される。
【0096】
プロペラ翼ピッチ位置センサ30、クラッチ開閉センサ32、エンジンrpmセンサ34および対地速度の測定値を提供するGPSシステム35もピッチ制御ユニット10に接続されている。したがって、プロペラ翼12のピッチ位置、クラッチ20が開いているか閉じているか、エンジン18のエンジン速度、ボートの対地速度に関するデータがピッチ制御ユニット10に提供される。
【0097】
ピッチ位置センサ30は、DCモータ24からの出力シャフト21の動きを測定するように配置され、DCモータ24はプロペラ翼12の位置を制御する。センサ30はこの位置に配置される。その理由はハブ16中にセンサ30を設けようとする以外でモータの出力シャフト21を測定することによりプロペラのピッチの測定を容易にするためである。しかしながら、望ましい場合には、センサはハブ16中に設けることができる。
【0098】
センサ30はホール効果センサであることが好ましく、出力シャフト21により駆動されるウォーム駆動のウォームホイール23上に取り付けられるマグネット30aを具備する。センサ出力30bはセンサ30を完成し、よく知られているように、マグネット30aがセンサ出力30bに隣接する位置にウォームホイール23が回転するときに、出力信号が生成される。本発明の好ましい実施形態では、後退位置からフル前進位置にプロペラ14のピッチを駆動するために、モータ24の出力シャフト21は非常に多くの回数、例えば120回転、回転される。これらの120回転は、完全な1回転を超えない程度にウォームホイール23を回転させ、マグネット30aがセンサ出力30bと整列するときに、プロペラ翼12が予め定められたピッチ位置にあるように、完全な1回転であることが好ましい。したがって、特定の基準ピッチ位置に調整されるまで、プロペラ翼12を駆動するために、センサ出力30bから信号が受信されるまで、モータ21が回転される。その後、出力シャフト21の回転量を制御することによりピッチが制御され、その基準位置からのプロペラ翼12のピッチをさらに調整する。
【0099】
図1Aは本発明の好ましい実施形態にしたがった動作システムの全体図である。システムは特定の動作モードを決定することにより動作し、特定の動作モードは船操作者が制御パネルを通して選択することができ、制御パネルは図2を参照して説明する。モードは一般的に動作モード101aまたはチェックモード101bを備える。動作モード101aは操縦モード102またはクルーズモード103のいずれかである。チェックモード101bはエンジンチェックモード104またはプロペラチェックモード105である。
【0100】
操縦モード102は、図2を参照してさらに詳細に説明する制御レバー28が使用されてプロペラ翼12のピッチを変更しながら、エンジン速度が最大エンジン速度より下に制限されるモードである。このモードでは、制御レバー28の移動は制御ユニット10に影響を与え、プロペラ翼12のピッチを変更して、ボートを操縦できるようにしながら、ドックやこれと同様なものに到着し、または出発できる。制御ユニット10はエンジン動力を変化させて、エンジン速度を例えば高アイドルに維持する。
【0101】
クルーズモードでは、制御レバー28は信号をピッチ制御ユニット10に提供して、エンジン18をクルーズモードで制御し、制御レバー位置は操作者により要求された動力を制御ユニット10に信号送信する。したがって、制御レバー28は制御ユニット10に影響を与えて、エンジン動力(これは次にエンジン速度を変える)とプロペラピッチとをセットし、要求されたボート速度をもたらす。クルーズモード103はボートがワイド開スロットルモード106で移動することも可能にし、ワイド開スロットルモード106では、エンジンスロットルとプロペラ翼のピッチは最大動力向けに動作される。クルーズモードでは、ボートを動力停止モード107にも置くことができ、動力停止モード107ではプロペラ翼のピッチはフル後退位置に移動され、スロットルは50%からフル開スロットルの間のどこかに減少される。
【0102】
制御レバー28の制御下でのピッチの分解能はクルーズモードのものよりも操縦モードでは細かい。言い換えると、クルーズモードでは、制御レバー28の移動はピッチを中立から例えば12cmのピッチに変化させる一方で、操縦モードにおける制御レバー28の同じ移動量はかなり少ない量のピッチ、例えば100mm(4インチ)のピッチをもたらす。したがって、操縦モードにおける減少されたピッチ量のために、制御レバーのその移動はかなり低いボート速度となる。これは望ましいことである。その理由は、操縦モードでは、ドックなどに近づく、またはドックなどを出発する間、正確に移動するためにボートはゆっくりと移動することが明らかに要求されるからである。
【0103】
図2は制御パネルの図である。ボートを制御するために、特に、ボートのさまざまな動作モード中にプロペラ翼12のピッチを制御するために、ボートの船操作者が制御パネルを使用する。
【0104】
図2を参照すると、レバー28はよく知られているように、ボート操作者の制御の下、前進、中立および後退の位置間で移動可能である。前進位置では、ボートを前進に駆動できるように、レバー28は通常、エンジンの回転速度を上げるように要求する。プロペラ翼のピッチは、最良の可能性のある性能をもたらすために、ボートの動作状態に基づいて、ボート中の人々の数、海の状態およびこれらに類するものに基づいて、変更される。中立位置では、プロペラ翼のピッチは中立位置にセットされ、中立位置では、プロペラ14の回転はまったく駆動をもたらさない。後退位置では、プロペラ翼のピッチは後退位置にセットされるので、ボートを後方に駆動することができる。したがって、後退はプロペラ14の回転方向を変更するためにギアボックスを使用することなく可能である。制御パネルはピッチチェックおよびエンジンチェックモードスイッチ27、イグニッションスイッチ39、クルーズ/操縦モードスイッチ29、およびクラッチエンジンスイッチ32も含む。システムを、スイッチ27によりエンジンチェックモードとピッチチェックモードとの間で切り替え、スイッチ29によりクルーズモードと操縦モードとの間で切り替えできるように、スイッチ27および29は接触スイッチ(プッシュボタン)の形態であることが好ましい。しかしながら、ボート操作者がどのようにボートを制御しようとするかに基づいて、他のタイプのスイッチにより、または(示されていない)ディスプレイスクリーン上のスクロールダウンメニューの形態により、または制御ユニット10への適切な入力のためのこれに類するものにより、スイッチは置換することができる。パネルは緊急プロペラ停止ボタン43も含む。発光ダイオード45および47ならびに49および51が設けられているので、システムが操縦モード、クルーズモード、エンジンチェックモードまたはピッチチェックモードにあるかの表示をボート操作者が容易に認識できるように表示できる。イグニッションスイッチ39にも発光ダイオードまたは電球53が通常設けられ、イグニッションがオンであるとき、および(示されていない)発電機が充電している場合を示し、クラッチスイッチ32にも発光ダイオード55が設けられ、クラッチが締結されているときを示す。発光ダイオード55はクラッチが締結されているときにオフとなる。
【0105】
ボートの通常動作では、エンジンを始動するためにキーまたはこれに類するものの制御の下、イグニッションスイッチ39が切り替えられる。レバー28を中立から前進または後退に移動させることにより、よく知られているように、ハブ16が回転し、プロペラ14が水を介してボートを駆動するので、ボートが移動する。ピッチチェックおよびエンジンチェックモードスイッチ27は、エンジンの回転速度を上げることによりボート操作者がエンジン動作をチェックし、プロペラ翼12のピッチの移動もチェックして、ボート操作者がそのように望むのであれば、確実にすべてが正しく動作しているように見えるようにすることができる。操縦およびクルーズスイッチ29はボート操作者が制御システムを操縦モードおよびクルーズモードに置くことができるようにし、操縦モードではプロペラ翼12のピッチを変更することによりボートが操縦され、クルーズモードではプロペラ14を回転させるエンジン速度と適切なピッチとにより通常のスロットル状態の下で最も経済的な方法でボートが駆動される。
【0106】
図3は本発明の好ましい実施形態にしたがったシステムの初期始動を図示しているフローチャートである。初期始動時に、ステップ301において、イグニッションスイッチ39中のイグニッションキーを回すことにより、ピッチ制御ユニット10とEDUモータ制御装置22とを含む電子制御システムに動力が供給される。ステップ302において、図2を参照して説明した発光ダイオードが点灯する。ピッチ制御ユニットはライン13上でアクチュエータ25にすぐに信号を送信して、クラッチが既に開状態になっていない場合にクラッチ20を開かせる。システムは初期制御装置チェックにも向かう。初期制御装置チェックでは、プログラムのさまざまな予め定められたセッティングがセットされ、ピッチ制御ユニット10からライン15を通してモータ制御装置22へ、そしてライン17上でDCモータ24への出力によりプロペラ翼12のピッチが調整され、プロペラ翼が予め定められた基準位置に移動されるので、システムの初期始動においてピッチがセットされる場所をシステムには明確に分かる。これはピッチ制御ユニット10の制御の下、プロペラ翼12をフル後退位置とフル前進位置との間で移動させ、その後基準位置に移動させることにより行うことができる。ユニット10にはセンサ30から情報が供給され、センサ30は例えばプロペラ翼が正しく基準位置にあるときの表示を提供することができるので、制御ユニット10はDCモータ24の出力シャフト21を回転させて翼12のピッチを調整する、ライン17上でのDCモータ24への適切な出力により、DCモータを制御して、予め定められた位置に位置を調整することができる。
【0107】
ステップ303において、システムをピッチチェックモードに置くためにピッチチェックモードボタン27が押されたか否かの決定がなされる。プロペラ12のピッチを変更するピッチ制御メカニズムの動作をチェックできるので、ボートが乾ドックまたはこれに類するもの上にある場合に、このことは望ましい。これは、エンジンのスターターモータが締結してエンジンが始動する前にイグニッションキーをオン位置に単に回すことにより、エンジンを始動することなく行うことができる。したがって、ボート操作者がそのように望むのであれば、ボートを始動させるのではなく、イグニッションを単にオンに切り替えることができ、ピッチメカニズムをチェックすることができる。システムがボタン27によりピッチモードにトグル切り替えされた場合には、プログラムはステップ304に移る。ステップ304では、安全対策として、(エンジンが動作していないとしても)エンジンのエンジン速度がアイドルにセットされる。クラッチは開かれているので、少なくとも、駆動はエンジン18からプロペラ14に伝わらないが、エンジン速度をアイドルにセットすることは、エンジンが何らかの理由のために始動された場合に、エンジンの回転速度がアイドル速度より上に確実に上がらないようにする。ステップ304において、ピッチ制御ユニット10はライン15上でEDUモータ制御装置22に信号を供給し、EDUモータ制御装置22は次にライン17上でDCモータ24を制御する信号を出力して、プロペラ翼12のピッチを変更させる。プロペラ翼のピッチは制御レバー28の位置により選択される。制御レバー28の位置はライン19上で制御レバー28からピッチ制御ユニット10への出力電圧の変化となり、ルックアップテーブルが使用されて適切な値が選択され、ライン19上の信号に基づいて、この適切な値にプロペラ翼のピッチが調整される。したがって、フル前進位置とフル後退位置との間で制御レバー28を移動させることにより、それらの最大前進ピッチからそれらの最大後退ピッチへのプロペラ翼の全範囲の移動が生じるので、メカニズムが適切に動いているかを見るために視覚的な検査をすることができる。ステップ305において、プログラムはモードセッティングにおける変更を監視し、変更がない場合には、プログラムはステップ304に循環して戻るので、プロペラ翼のピッチはレバー28を移動させることにより連続的に調整することができる。変更がある場合には、プログラムはステップ303に戻り、どのモードボタンが押されたかの決定がなされる。
【0108】
ステップ301において、エンジンが始動するようにイグニッションキーが最初に完全にオンに回される場合、先に説明したのと同じ動作が生じ、ピッチチェックモードボタン27が押されていた場合には、ピッチモード動作を選択することができる。しかしながら、エンジン18を始動する(示されていない)スターターモータおよびDCモータ24がちょうど同時に動力を引き出していないように、エンジンの始動時に、プログラムはエンジンが完全に点火されるまでステップ304を遅延させることができる。エンジンが始動される場合、システムは、DCモータ24が動作される前に電力を供給する(示されていない)バッテリの通常電圧への戻りを監視することができる。これは単に、DCモータ24を動作させようとすることと同時にエンジン18が始動される場合に、バッテリ上での多すぎる流出を防ぎ、または多すぎる電流が流れようとするのを防ぐ。システムを操縦モードにトグル切り替えするために図2に示されているボタン27が押されていない場合には、ステップ303におけるプログラムはステップ306に移り、ステップ306はエンジンチェックモードサブルーチンをセットする。ステップ307において、エンジンが始動されているか、またはされていないかを決定するチェックがなされ、プログラムは本質的にステップ306に循環して戻り、エンジンが始動されるのを待つ。エンジンが始動されたとき、プログラムはステップ308に移るので、エンジンチェックモードを実施することができる。このステップは、モータを制御してプロペラ翼12を中立位置に置くための、ピッチ制御ユニット10からライン15上でEDU22への出力、そしてEDU22からライン17上でDCモータ24への出力により、プロペラ翼のピッチを中立位置に移動させる。
【0109】
エンジンチェックサブルーチンは後でさらに詳細に説明するが、基本的にこのサブルーチンは初期始動時に事実上ディフォルトモードであり、エンジンを暖め、または単にエンジンの音により、ボートが駆動されて離れる前に、エンジンが適切に動作しているかを確認するために、ボート操作者がエンジンの回転速度を上げながら、クラッチ20を解放させ、プロペラ翼12を中立位置にすることができる。
【0110】
ステップ309において、スイッチ27または29を動作させて、ボートをピッチチェックモード、操縦モード、またはクルーズモードのいずれかに戻すことにより、動作モードが変更されたか否かを決定する決定がなされる。
【0111】
スイッチ27またはスイッチ29をトグル切り替えすることにより、動作モードに対する変更があった場合には、プログラムはステップ310において位置Sに移り、これは図4に続く。動作モードに対する変更がない場合には、プログラムはステップ311に移り、エンジンrpmが800rpmよりも低いか否かを決定するためにエンジン速度が監視される。800の値は任意であり、要求される場合には異なる速度とすることができる。目的は、プログラムが終わったステップ311を移る前にエンジンを確実に低い速度で動作させることである。エンジン速度が800rpmよりも低い場合には、プログラムはステップ410に移り、自動的に船を操縦モードに置く。エンジン速度が800rpmよりも高い場合には、プログラムはステップ308に移って戻り、システムがステップ410において自動的に操縦モードに行くことができるように、エンジン速度が800rpmより下のレベルに落ちるまで待つか、あるいは、プログラムがステップ310に移るようにスイッチ27または29の1つがトグル切り替えされることによるモードの変更を待つ。
【0112】
図4はスイッチ27または29の1つがトグル切り替えされて、フローチャートのステップ401により識別される特定の動作モードが選択されるときに、システムがどのように動作するかを示すフローチャートである。
【0113】
図4を参照すると、ステップ401において、ボタン27または29を押すことによりどのモードが要求されたかを決定する決定がなされる。2つの可能性あるモードは、ボタン29を押すことによる操縦/クルーズモード、またはスイッチ27を押すことにより選択されるピッチ/エンジンチェックモードである。スイッチ27および29は瞬間接触スイッチであり、スイッチまたはボタン27のケースではピッチチェックモードまたはエンジンチェックモードのいずれかに、スイッチまたはボタン29のケースでは操縦モードまたはクルーズモードのいずれかに、有効にトグル切り替えする。スイッチの特定のモードは、発光ダイオード45、47、49および51の照明により容易に見ることができる。
【0114】
ボタン27が動作されると仮定すると、プログラムはステップ402に移り、ステップ402は図5で継続する。
【0115】
図5を参照すると、ステップ501において、エンジンチェックモードとピッチチェックモードとの間で変更するようにスイッチ27が押されたか否かを決定する決定がなされる。エンジンチェックモードの場合、プログラムはステップ502に移り、制御レバー28が中立位置にあるか否かについての決定がなされる。制御レバー28が中立位置にない場合、発光ダイオード47がステップ503で点滅され、レバーを中立位置に移動させなければならないことをボート操作者にアラート警告する。レバーが中立位置のとき、ステップ502は肯定で応答され、プログラムはステップ504に移り、クラッチが既に開位置にない場合にクラッチを開くようにライン13上でアクチュエータ25に出力される信号によりクラッチ20が開かれる。ステップ308によって、ピッチ制御ユニット10は信号をライン15上でEDU22に出力し、EDU22は次に信号をライン17上でDCモータ24に出力して、中立位置にプロペラ翼を置き、中立位置とフル前進位置との間での制御レバーの移動によりエンジン速度がセットされ、エンジンチェック発光ダイオード47が照光され、システムがエンジンチェックモードにあることを示す。したがって、ボート操作者はレバー28の後方および前方への移動により簡単にエンジンの回転速度を上げることができる。ライン11上の出力はルックアップテーブルから選択され、ルックアップテーブルはレバー28の位置とライン19上に供給される信号とに基づいて出力を選ぶ。したがって、レバーが後方および前方に移動されるとき、(示されていない)エンジンスロットルアセンブリが動作され、エンジンの回転速度を上げさせる。ステップ505において、ボタン27または29の1つを押すことにより、モード変更要求がなされたか否かについての決定がなされる。いいえの場合には、システムはエンジンチェックモードのままである。要求されたモードへの変更がある場合には、プログラムはステップ310に移り、先に説明したように、ステップ310はプログラムを図4に戻す。
【0116】
ボタン27がピッチモードチェック位置に置かれたことをステップ501におけるモードチェックが決定した場合、プログラムはステップ506に移り、制御レバーが中立位置にあるか否か再度決定する。制御レバー28が中立位置にない場合、発光ダイオード45がステップ507において点滅し、レバーを中立位置に戻すべきであることをボート操作者に示す。レバーが中立位置に移動されたとき、プログラムはステップ508に移り、先に説明したのと同じ方法でアクチュエータ25への信号によりクラッチ20が開かれる。エンジンが単にアイドル速度で動作するように、エンジン速度はライン11上の信号によりアイドルにセットされる。このモードにおける制御レバー位置28はエンジンの回転速度を上げず、エンジンはセットされたようにアイドル速度のままである。むしろ、レバー28の移動は、プロペラ翼のピッチが調整されながら、エンジンはアイドル速度であるように、プロペラ翼12を移動させる。再度説明すると、レバー28の位置はライン19上の電圧信号を変化させるので、その信号を使用して、ルックアップテーブルから適切な値を選択して、ライン15上で制御装置22に供給し、次にDCモータ24を制御して、プロペラ翼12のピッチを変更させる。
【0117】
ステップ509において、ボタン27または29の1つを押すことによりモード変更要求がなされたか否かについての決定がなされ、いいえの場合、プログラムはステップ508に戻り、ピッチチェックモードのままである。変更があった場合、プログラムはステップ310に移り、先に言及したように再度プログラムを図4に戻す。
【0118】
図4に戻ると、ボタン27ではなくボタン29が押されていた場合、プログラムはステップ401からステップ403に移り、ボタン29の押下がシステムを操縦モードまたはクルーズモードに置くか否かの決定がなされる。スイッチ29がクルーズモードに置かれていた場合、プログラムはステップ404に移り、システムが操縦モードからクルーズモードに移行しているか否かの決定がなされる。いいえの場合、システムはステップ408に移り、ステップ408は図6に継続し、図6は後に説明する。
【0119】
システムが操縦モードからクルーズモードに移行していたことをステップ404が決定した場合には、操縦モードにおいて、システムがすぐにクルーズモードに移ると、急激な加速、急激な減速またはこれらに類するもののような、ボートの特性に望ましくない変化をもたらす位置にスロットル28があった場合に、システムがそれらのモード間のスムーズな移行を実行するルーチンに向かう。
【0120】
ステップ404が肯定で応答された場合には、プログラムはステップ405に移り、ボートの現在の動作状態を考慮して、レバー28の位置が決定される。ボートが移動している仕方に急速な変化を生じさせる末端の位置にあった場合には、ステップ406において発光ダイオード51が点滅され、ボートがレバー28の位置に応答する前にレバー28の移動を要求する。ステップ405における質問に対する回答がはいの場合には、ステップ406において発光ダイオード51が点滅され、ボートがクルーズモードで応答する前に、操作者が制御レバー28を移動させる必要があること示す。したがって、ボートは操縦モードのままであり、エンジン速度およびプロペラのピッチは、操縦モードにおける場合と同じである。発光ダイオード51は操作者が制御レバー28を中立に向かう位置に戻すまで点滅を継続し、その位置では、エンジンとプロペラのピッチの適切な制御により、まるでクルーズモードであるかのように、ボート速度が合う。したがって、発光ダイオード51が点滅を停止するまで操作者はレバーを戻すように動かし続ける必要があり、点滅停止によりレバーが今正しい位置にあり、または、その位置の予め定められた制限内にあることを示す。予め定められた制限内となるようにレバー位置が移動された場合には、プログラムはステップ405からステップ407に移る。ステップ407では、ボート速度がシステム35から読み取られ、エンジン18はピッチ制御ユニット10からのライン11上の出力により制御され、そのボート速度に対して適切なエンジン速度またはトルクを提供し、プロペラ翼12のピッチは制御装置22へのライン15およびDCモータ24へのライン17上の出力により制御され、そのボート速度を維持する。操作者が制御レバー28を移動させ続けると、ボートをクルーズモードで駆動させることができる。したがって、これは操縦モードからクルーズモードへの移行において不満足な方法でボートが動作するのを防ぐ。例えば、最後の操縦のときに、レバーがワイド開スロットル位置の近くであり、ピッチがフル前進位置であるような位置に制御レバー28のピッチがある場合、モードがクルーズモードに直ちに変更されると、これはできる限り素早くボートを加速させる最大エンジン動力の要求であるとして解釈される。したがって、ボートがクルーズモードに応答する前に、スロットル位置がこれらの動作状態に実質上合うように、システムは確実に操作者がボートの動作状態を実質上拾いあげて制御レバー28を移動させる必要があるようにする。
【0121】
ステップ403において、スイッチ29がシステムを操縦モードにトグル切り替えしたことの決定がなされると、プログラムはステップ403からステップ409に移る。再度説明すると、このモードはクルーズモードから操縦モードへの移行となるのか否かのチェックが行われ、いいえの場合には、プログラムは410に移り、これは図7に続き、以後詳細に説明する。ステップ409において、モードがクルーズモードから操縦モードに切り替えられていることの決定がなされると、プログラムはステップ411に移る。再度説明すると、ステップ405に類似する決定がなされ、モードが直ちに変更された場合に、ボートから不満足な応答が生じる位置に制御レバー28があるか否かの決定がなされる。レバー位置が予め定められた制限の外側である場合には、ボート速度やこれに類するものなどのボート動作を考慮して、ステップ412において発光ダイオード49が点滅され、これをボート操作者に示し、操縦モードに変更したときに、ボートが不満足な方法で応答しない位置に、ボート操作者はレバー28を移動させる必要がある。したがって、システムが操縦モードで応答する前に、現在のボート動作状態に合う位置に、操作者はレバー28を移動させなければならない。したがって、クルーズモードから操縦モードへの変更時に、移行がすぐにボートを減速させるようなエンジン速度またはピッチプロペラ位置である場合に、これが防がれ、生じない。レバー位置28が予め設定された制限より大きくない、または操作者により移動された場合には、プログラムはステップ413に移る。ステップ413において、ライン11上の適切な信号により、約1500rpmの速度のような高アイドル速度にエンジン速度をセットすることによって、ボートは操縦モードに対する準備状態に置かれる。ピッチがボート速度とレバー位置の両方に合う位置にセットされるように、プロペラのピッチは、GPSシステム35から読み取られる速度に基づいてセットされるので、操縦モードからクルーズ速度への切り替えでは、ボート速度における突然の変化は起こらない。一般的に、クルーズモードから操縦モードへ移行するときのこの速度変化は、ボートの急速な減速となる。したがって、操縦モードのときにボートの動作状態と合う位置にレバーがなるまで操縦モードが実行されないようにピッチをセットしてレバーを監視することにより、突然の速度変化は起こらず、ドライバがレバー28の操作により新しいモードでボートを動作させるまでボートは動作を続ける。レバー28の移動は、ピッチ制御ユニット10がライン15上に信号を出力することによりレバー位置28の移動に応答するようにさせるので、プロペラ翼12のピッチはレバー28の移動に応答して調整される一方、エンジン速度18は変更されない。
【0122】
図6に移ると、システムがクルーズモードのために、ステップ404を通して直接的に、またはステップ404から移行ステップ405ないし407を通してステップ405に移るとき、ステップ600においてチェックが最初になされ、エンジン速度が800rpmよりも低いか否かが決定される。いいえの場合には、プログラムはこのステップで循環し、エンジン速度が800rpm以下に落ちるのを待つ。これは、最初非常に高いエンジン速度でクルーズモードが開始するのを防ぎ、非常に高いエンジン速度は予測されない、好ましくない急速な加速を生じさせる。エンジン速度が800rpmより低く落ちたとき、プログラムはステップ601に移る。ステップ601では、クラッチ20が締結される。ステップ602では、ワイド開スロットルの加速が要求されているか否かの決定がなされる。この決定はレバー28の位置、したがってライン19上の電圧信号に基づいてなされる。レバー28が完全に前進に移動され、フルスロットル動力が要求されていることを示す場合には、ステップ602は肯定で回答される。レバー28が素早く移動され、ボート操作者が急速な加速を要求していることを示す場合には、レバー28の新しい位置により要求されるものにボート速度が合うまで、システムはワイド開スロットル状態に置かれる。レバー28の移動の速度は、その最初の位置からその新しい位置へのレバー28の移動にかかる時間(すなわち、dx/dt)を単に測定することにより決定される。これが生じると、プログラムはステップ603に移り、ピッチ制御ユニット10はフルスロットル開位置のためにライン11上でエンジンに信号をすぐに出力するので、エンジンは最大トルクを伝える。プロペラ翼12のピッチはEDU22およびDCモータ24によりセットされ、最大動力となるエンジン速度を達成する。ステップ604では、ボタン43を押すことによりプロペラ停止が要求されているか否かの決定がなされる。ボートが浜に乗り上げる、ダイバーに近づいている、または他の危険なまたは危ない状況のような緊急な状況のときに、プロペラ14の回転をすぐに停止することが望ましい場合に、緊急な状況でボタン43を押すことができる。ステップ604が否定である場合には、プログラムはステップ602に戻り、単に継続する。プロペラ停止が要求された場合には、プログラムはステップ605に移り、ここでピッチ制御ユニット10からライン11上への出力はエンジンrpm速度をアイドルにセットして、ライン13上の信号によりクラッチ20を開く。同時に、ユニット10はEDU22に対する信号をライン15上に出力して、DCモータ24を制御して、プロペラ翼12を中立位置に置く。ステップ605では、システムはデフォルトで自動的にエンジンチェックモードになる。これは単に、ボートが依然として危険な状況にある間に、プロペラが誤って動作できないように、プロペラが再度動作する前に他のモードに手動でセットしなければならないシステムとなるだけである。ステップ605の後に、プログラムはステップ605aに移り、そこで、制御レバーが中立位置に移動されたか否かの決定がなされる。回答がはいの場合には、プログラムはステップ605bに移り、エンジンチェックモードが要求されたことを示し、クラッチ光55が点滅し、クラッチが解放されて、駆動がプロペラ14に供給されていないことをドライバに示す。ステップ605aにおいて制御レバーが中立でない場合には、プログラムはステップ605cに移り、ここでエンジンチェックLED47が点滅し、クラッチ光55も点滅する。クラッチ光はクラッチが開かれていることを示し、エンジンチェックLED47は何か別のことが生じる前に制御レバー28を移動させる必要があることをドライバに示す。ステップ605cはステップ605aに戻り、プログラムがステップ605bに移る前に制御レバーが実際に中立位置に移動されたことの表示を待つ。ステップ605bの後に、プログラムはステップ310に移り、特定のモード選択を待つ。
【0123】
ステップ604においてプロペラ停止が要求されなかった場合には、プログラムはステップ602に戻り、ここでワイド開スロットル状態が依然として存在しているか否かの決定が再度なされる。ワイド開スロットル状態が要求されていない場合には、プログラムはステップ606に移り、動力停止が要求されているか否かの決定がなされる。動力停止はボート操作者が制御レバー28を素早くフル後退位置に移動させるときに生じ、それによりプロペラ翼12のピッチが変更されてボートができる限り素早く減速するようにブレーキングを行うことを示す。再度説明すると、この決定はライン17上の電圧と、レバー28が完全に後退位置に移動される速度(dx/dt)とを単に監視することにより行うことができる。動力停止が要求されていない場合には、プログラムはステップ607に移り、ここでGPS速度システム35からのボート速度の決定がなされる。ステップ607では、ボート中の人数、海の状態およびこれらに類するものを含む、ボート上の負荷に基づいて、エンジン速度ピッチ位置に対するいくつかの動作曲線の内の適切なものを決定することができるので、負荷状態およびこれに類するものを考慮して最も望ましいと思われる動作曲線に基づいて特定の調整要因を選択することができる。
【0124】
図6Aおよび6Bは、ステップ607において適切な動作曲線がどのように選択されるかを示すグラフである。図6Aは特定の動力曲線P’に対する抵抗対ボート速度を示すグラフである。例えば、ボート速度Sが要求される位置に制御レバー28が移動された場合には、通常の適切な動力は動力曲線P’上のP0である。この動力曲線は、例えば、ボートが例えば2人で軽い負荷の場合に適用可能である。ボートがより重い負荷の場合には、特定の動力P0はボート速度Sを達成するためには十分ではなく、ボートが人によりさらに重い負荷がある事実を示す動力曲線P”のような別の曲線を考慮する必要がある。したがって、ボート速度Sに達するために必要な特定の動力はP1である。動作中の両経験に対する負荷または抵抗を考慮して、ボート速度Sを生み出すのにはどの適切な動力曲線が必要であるかをプログラムは学習することができる。例えば、ボートが動力P0で速度Sに達しない場合には、プログラムは、その速度に達するために、ボートへのより大きな抵抗または負荷に対して適用可能な他の動力曲線に移行する必要があることを決定する。
【0125】
適切な動力曲線が選択された後には、図6Bは、最も経済的な動作状態を提供して、要求された動力を生み出し、次に要求されたボート速度Sを生み出すために、特定のエンジントルクおよびエンジン速度をどのように選択するのかを示している。
【0126】
図6Bは分当たりの回転のエンジン速度に対するニュートンメートルでのトルクのグラフを示している。曲線Aはブレーキ特定燃料消費曲線であり、kWh当たりのグラムでの等しい燃料消費を与える。曲線BはkWでの等しい動力の曲線である。曲線Cはワイド開スロットルトルク曲線である。
【0127】
したがって、曲線Aに対して、各曲線のそれぞれにおける各点はkWh当たりの等しい燃料量を与える。最低の燃料消費は曲線A’(これは実質的に点である)であり、燃料消費は曲線A”、A’”で外側に向けて増加し、曲線A””は最高の消費である。したがって、曲線B’により与えられるような所望のエンジン動力に対して、T1N1、T2N2、T3N3およびT4N4により示されているような、多くの異なるトルクおよびエンジン速度が可能である。例えば動力B’に対して最高の燃料経済性を達成するために、最高の燃料消費のラインDと曲線B’との交点が選択されるべきである。したがって、これは最高の燃料経済性を与えるために要求されるエンジン速度を提供し、エンジン速度N4を維持するために、プロペラ14のピッチはルックアップテーブルから調整される。例えば、スロットルが移動されて、それにより、曲線B”によって与えられるような、より多くの動力が要求されていることを示す場合には、点A’では最低の燃料経済性を生み出すことはできない。その理由は、曲線B”は明らかにその点を通過しないからである。したがって、最も適切なエンジン速度とトルクは、トルクT5とエンジン速度N5により与えられるような、点A’に最も近いものである。再度説明すると、N5におけるエンジン速度を維持するために、ルックアップテーブルが適切なピッチセッティングを提供し、それにより、要求されている動力に対して最高の燃料経済性を与え、要求されたボート速度をもたらす。代わりに、プロペラ14のプロペラ翼12の適切なピッチは特定の動力要求に対する適切なルックアップテーブルから選択することができる。エンジンのスロットルを使用して最高の経済性に対して要求される速度、このケースではn5にエンジン速度を制御する。
【0128】
したがって、ステップ607はボートの抵抗または負荷を考慮して、要求されたボート速度に合うように、適切な動力曲線を選択できるようにする。動力曲線は特定の偏差係数により関連付けることができ、この特定の偏差係数を使用して、ボートの感知された負荷または抵抗に基づいて1つの動力曲線から他のもの変更される。これはただ1つの動力曲線を提供できるようにし、その動力曲線に対して、曲線B’、B”、B’”の1つにおいて図6Bの動力を選択するのに使用される負荷係数により、またはそれらの間の補間により調整をすることができる。
【0129】
ステップ608では、エンジン速度18はレバー28の位置、したがってライン19上の電圧を考慮して、上述したように適切な値を選択することによりセットされる。ピッチ位置はピッチ制御ユニット10中のルックアップテーブルから選択されて、そのエンジン速度を維持し、したがって要求されたエンジン動力を送出して要求されたボート速度をもたらす。先に着目したように、ステップ607では、ステップ607で選択された特定動作曲線に基づいて、特定の値を調整してもよい。したがって、制御レバーの移動はライン19上の電圧の変化となり、したがって、ライン11上での出力のためのルックアップテーブルからの適切な値の選択となり、レバー28の位置に基づいてエンジン速度18をセットすることになる。EDU22へのライン15上の出力と、DCモータ24へのライン17上の出力とにより、プロペラ12のピッチも調整されて、エンジン速度が維持され、翼12の位置が調整され、エンジン速度ができる限り低く維持される一方で、ボート操作者により要求されるボート速度が維持される。したがって、言い換えると、レバー28を移動させることにより、ボート操作者はボート速度およびエンジン速度を事実上セットし、プロペラのピッチは応答してその速度を提供する一方で、同時にステップ607で適切な動作曲線を選択することにより最大の経済性を提供する。
【0130】
ステップ609では、スイッチ27または29の1つの操作によりモード変更があったか否かについての決定がなされる。いいえの場合には、プログラムは610に移り、ここで制御レバー28が中立位置に移動されたか否かの決定がなされる。回答がいいえの場合には、プログラムはステップ608に戻り、レバー28の位置に基づいて、ステップ608において言及したエンジン速度パラメータが維持される。制御レバー28が中立位置に移動されていた場合には、図2のボタン32を押下することによりステップ611においてクラッチ無効コマンドが存在するか否かの決定をシステムは調べる。これはクラッチを閉状態にする一方で、例えば、ボタン32を押下されたままに保持するので、レバーは中立位置から出たり入ったり移動させることができて、ステップ608にプログラムが戻ることにより、クルーズモードにおいてボートを前進または後方にわずかに移動させることができる。これはボートが中立位置にあることを単に中止し、クラッチ20については解放し、それによりプロペラ14への駆動を完全に遮断し、ボートが再度動力のもとで移動できる前に再締結を必要とする。
【0131】
ステップ611において、クラッチボタン32の押下がない場合には、プログラムはステップ617に移り、クラッチ20を開き、その後ステップ310に移り、レバー28が中立位置に置かれた後にモード選択を待つ。
【0132】
ステップ609においてモード選択が変更された場合には、プログラムはステップ310に移り、新しいモードの選択を待つ。
【0133】
ステップ606において、動力停止状態が決定された場合には、プログラムはステップ612に移り、ここで、EDU22へのライン15上に信号を出力することにより、そしてEDU22からDCモータ24への信号を出力することにより、フル後退位置に位置を調整して、プロペラ翼12のピッチがフル後退位置にセットされ、ブレーキング効果をもたらす。同時に、動力停止が要求されるときに、ライン11上の出力は、GPS速度システム35により提供されるボート速度に基づいて適切な出力を達成するために、エンジン速度18を制御するようにセットされる。したがって、動力停止が要求され、ボートが非常に高速で移動している場合に、要求されるエンジン動力量は高く、エンジン速度は制御されて、例えば4000rpmの速度を提供して要求された動力を提供し、プロペラ14がフル後退ピッチにあるときに、ボート速度を減速する。しかしながら、ボートが例えばわずか15ノットで移動している場合には、要求されるエンジン動力の量はかなり少なく、エンジンは例えば2000rpmの速度に制御され、プロペラ14がフル後退ピッチであるとき、ボートの速度を減速する。したがって、選択されるエンジン動力は、GPSシステム35により提供される実際の対地ボート速度の関数である。
【0134】
さらに、エンジン速度は制御されて、レバーが前進位置から中立を通って後退位置に移動されるときに、プロペラ14のピッチが中立位置を通り過ぎる際に、確実に、エンジンが不必要に回転速度を上げすぎないようにする。エンジンがかなりの量の動力を作り出している場合には、回転が比較的低く、ボートが低速であっても、プロペラ14が中立ピッチ位置に移動するときに、エンジンは不必要に回転数を上げ、これはエンジンの回転数を不必要に上げすぎるだけでなく、ボートからの望ましくない応答も生じさせる。したがって、エンジンが回転数を上げすぎず、要求された動力量がエンジンにより送出されるように、ボート速度を考慮して、エンジン速度はボート速度の関数として制御されるので、エンジンが十分な出力を送出して、プロペラ14のピッチがフル後退位置にセットされるときに、動力停止モードのボートを急速に減速する。ステップ613では、緊急プロペラ停止ボタン43が押下されたか否かの決定がなされる。緊急プロペラ停止ボタン43の押下は、動力停止が要求されたことのみならず、ボート操作者が即座にプロペラ14を遮断しようとしていることを示す。はいの場合には、プログラムはステップ614に移り、ここでは、ステップ605a、605bおよび605cを参照して説明したのと同じステップが実行され、プロペラ14の回転を停止させる。プロペラ停止が要求されなかった場合には、プログラムはステップ615に移り、ここで、GPS速度システム35から供給されるボート速度が予め定められた最小値よりも低いか否か、または、制御レバー28が移動されたか否かについての表示が行われる。予め定められた最小値速度に達していた場合には、これは、ボート操作者により要求されたようにボートが減速されたことを示し、プログラムはステップ616を通してステップ602に戻る。ステップ616はレバー28による制御のための通常クルーズモードに戻し、ボート操作者の制御のもと、再度ボートを前進または後方に駆動させる。これはステップ602を通して、そして603ないし605に、あるいはステップ606ないし611に移るプログラムにより生じる。ボート速度が最小値に落ちておらず、レバー28がフル後方または後退位置から移動されている場合には、これはボート操作者が、最低速度に達する前に、再度前進方向にボートを加速したいことを示している。したがって、プログラムは再度ステップ616に移り、通常クルーズモードに戻し、そしてステップ602に移る。
【0135】
したがって、動力停止中に、ボートが予め定められた最低速度に達しておらず、そして何らかの理由のために、再度ボートを加速させることが好ましいことをボート操作者が決定した場合には、これは、ボートが予め定められた最低速度に達するのを最初に待つことなく、単にレバーを移動させることにより行うことができる。いったんレバーが移動されると、先に説明したように、ボートはクルーズモードで移動させることができる。ステップ615における回答がいいえの場合には、プログラムは単にステップ612に移り、動力停止状態が継続する。
【0136】
代替実施形態では、クルーズモードに戻る前にボート速度が最低速度に達することに基づくのではなく、システムが動力停止モードにある時間量が測定され、例えば、3秒の予め定められた時間制限後に、プログラムはステップ615からステップ616に移り、通常クルーズモードに戻す。したがって、クルーズモードに戻すために、ボート速度またはレバー位置を監視するのではなく、経過時間とレバー位置が監視され、予め定められた時間期間が経過した場合、または操作者がレバー位置を変更した場合には、システムはステップ616に移り、システムを通常クルーズモードに戻す。
【0137】
動力停止モード中、動力停止モードを起こさせるためにレバーが素早く引き戻されるとすぐに、いつでも連続的なエンジン動力が利用可能である。しかしながら、さらに好ましい実施形態では、動力停止モードが認識されるとすぐであり、これは先に説明したように、レバーの急速な移動により引き起こされる。プロペラ翼のピッチが反対または後退位置に調整されるような時間まで動力を遮断させることができ、その後動力が利用される。したがって、エンジン回転はアイドルに落ちるが、翼が後退または反対ピッチ位置になるとすぐに増加させることができる。したがって、これはわずかに早い停止をもたらす。その理由は、ピッチプロペラ翼が前進移動をもたらす位置から後退または反対位置に移行する間に、動力が即座に中断され、翼の反対または後退位置に達したときのみ動力が再度利用されるからである。
【0138】
図4において、システムがステップ410に移り、操縦モードが要求されていることを示した場合には、ボートは図7に示されているような操縦モード状態に移る。図7は、初期スタートアップ後にシステムが図3のステップ311からステップ410に移るとき、そしてエンジン速度が800rpmより下に落ちるときに、どの様に操縦モードが実現されるかも示している。
【0139】
図7を参照すると、ステップ700では、エンジン速度が分当たり800回転より低いか否かについての決定がなされる。いいえの場合には、プログラムは循環して戻って継続し、エンジン速度がこの速度まで落ちて、最初に高いrpm値のエンジン速度で操縦モードが生じることを防ぐまで、このチェックを行う。エンジン速度が分当たり800回転より落ちた場合には、プログラムはステップ701に移る。ステップ701では、既に締結されていなければクラッチ20が締結される。ステップ702では、ライン11上の信号により、エンジン速度が高いアイドル速度、例えば1500rpmにセットされる。これはエンジンが比較的低い動力をプロペラ14に送出できるようにする。ステップ703では、ボタン27またはボタン29を押下することにより、モードが変更されたか否かのチェックがなされる。モードが変更されている場合には、プログラムはステップ310に移って図4に戻り、選択された特定のモードのもとで制御する。モードの変更がない場合には、プログラムはステップ704に移り、プロペラ停止ボタン43が押下されたか否かの決定がなされる。プロペラ停止ボタン43が押下されている場合には、プログラムはステップ705に移り、これはステップ605および614を参照して説明したのと同じステップを再度実現する。その後、プログラムはステップ310に移り、モード選択を待つ。プロペラ停止が選択されない場合には、プログラムはステップ704から706に移り、制御レバーが中立位置にあるか否かの決定を行う。いいえの場合には、プログラムはステップ702に戻る。はいの場合には、プログラムはステップ707に移る。ステップ707では、制御レバーが10秒より長く中立位置にあるか否かの決定がなされる。制御レバーが10秒より長く中立位置になく、船を操縦するために制御レバーが移動された事実を示す場合には、プログラムはステップ706に戻り、レバーが10秒より長く中立位置のままであるような時間までこの循環は継続する。レバーが10秒より長く中立位置のままであるという事実は、2つの可能性を示す。第1の可能性は、ボートが事実上停泊しており、第2に、ボートは操縦モードである必要があるが、障害物が取り除かれるまでか、または操縦を続けるためにボートが障害のない経路を持つまで、動かないままである場合である。ステップ707における決定が肯定で回答された場合には、プログラムはステップ708に移り、ここでは、クラッチ光55を点滅させ、ビープ音のような可聴音を発生させて、ボートが依然として中立状態にある事実を操作者にアラート警告することができる。これは、操作者がレバーを中立にして誤ってボートを操縦モードのままにするが、プロペラが依然としてクラッチによりモータに接続されているケースにおいて、単に操作者にアラート警告する。レバーが中立のままであるという事実が故意の場合には、ドライバが次の動作コマンドを提供するまで、ビープ音鳴らすことまたはクラッチ光55を点滅させることが単に継続する。ステップ709では、クラッチ20を解放するためにクラッチ解放ボタン32が押下されたか否かの決定がなされる。回答がはいの場合には、プログラムはステップ701に移り、クラッチが解放され、エンジン速度がアイドルにセットされる。その後、プログラムはステップ310に移り、特定の動作モードを選択する入力を待つか、あるいは単にシステムを遮断できるのを待つ。クラッチボタン32が押下されない場合には、プログラムはステップ702に戻り、上述したように継続する。
【0140】
したがって、プロペラが締結されていて制御システムが中立モードのままであるので、これが誤ってなされている場合には、必要ならばクラッチ20を開くことができる事実が操作者にアラート警告される。遅延が単に、操縦を継続する前に障害のない経路を操作者が待つ必要があるためである場合には、クラッチは自動的に解放されない。これは、操作者が操縦モード中にクラッチを継続的に再締結させる必要がなく、ステップ702ないし707にしたがって、制御レバーが中立位置から移動されるとすぐに操縦モードが継続することを意味する。
【0141】
ステップ706において、制御レバーが中立でないとの回答の場合には、プログラムはステップ702に戻る。
【0142】
ステップ702では、クルーズモードのときに使用できる利用可能な最大エンジン速度よりも低くなるように、クルーズモードのとき利用可能なエンジン速度が制限される。エンジン速度の制限は、微妙な調整が要求され、エンジン速度の変化の可能性があるプロペラのピッチ調整の影響下で主に操縦が行われるとき、クルーズモードにおいてフルエンジン速度が確実に利用可能でないようにする。
【0143】
エンジン速度の制限は2つの方法で達成することができる。第1の実施形態では、エンジン速度は約1500rpmの高いアイドル速度のような、予め定められた速度に固定される。システムが2:1のトランスミッション比を使用していることを仮定すると、これは750rpmのプロペラシャフト速度およびプロペラ回転速度となる。第2の実施形態では、操縦モードにおいてエンジン速度の何らかの調整が利用可能であるが、エンジン速度の量は最大エンジン速度よりも低く制限され、一般的に最大エンジン速度の約30%のエンジン速度に制限され、これは通常のフル開スロットル動力の約30%を提供する。
【0144】
したがって、ステップ702では、制御レバー28を移動することにより、プロペラ翼12のピッチが調整されるが、エンジン速度は上述したように制限される。したがって、操縦モードでは、制御ユニット10にプロペラ翼12のピッチを変更させることにより、制御レバー28はボート速度を変化させるが、エンジン速度は一定に維持され、あるいは制御ユニット10により比較的少しの量だけ変化される。一方、クルーズモードでは、制御ユニット10にエンジン動力(これは最大エンジン速度により提供されるかもしれない)とプロペラ翼12のピッチとの組み合わせをセットさせることにより、レバー28の移動がボート速度を変化させる。したがって、クルーズモードでは単一のレバー28が使用されて、エンジン動力とプロペラピッチを変化させ、したがってボート速度を変化させる一方で、操縦モードでは、制御レバー28はプロペラ翼12のピッチを変化させるが、エンジン速度は制限される。
【0145】
操縦モードにおける制御レバー28の移動は、エンジン速度を変更できるようにすることが望まれている場合に、レバーのフル動作範囲を通して、フル開スロットルの最大で30%までだけが達成できることになる。さらに、操縦モードでは、ピッチ調整量もクルーズモードのときに利用可能であるものよりもわずかに少ない。したがって、再度説明すると、フルスロットル移動は、例えばクルーズモードのときに利用可能であるピッチ変化量の70%までのピッチ変化のみとなる。
【0146】
図8はエンジンを遮断することが望まれているときにエンジンを停止させることを示すフロー図である。ステップ801では、イグニッション39がオフに切り替えられたか否かの決定がなされる。ステップ802では、ピッチチェックモードを示す発光ダイオード45がオンに切り替えられる。プロペラ翼12のピッチがデフォルトピッチ位置に調整される。これは、ボートがオフに切り替えられていた間に何らかの理由で、プロペラのピッチの移動がないことを仮定すると、エンジンが次に始動されるとき基準ピッチ位置にプロペラ翼のピッチを位置付けるのを容易にする。ピッチの移動は整備が実行されたり、またはこれに類する場合に起こりうる。しかしながら、多くの例では、エンジンが停止した後にプロペラ翼の位置の変化はなく、したがって、プロペラ翼のピッチは基準ピッチ位置の近くにセットされ、エンジン始動時にピッチの初期較正および位置付けをかなり容易にし、調整ができない場合には前向きのピッチをもたらす。したがって、ボートが停止し、ボートが再度始動されるときに何らかの理由のためにピッチを変更することができない場合には、前向きのピッチである基準位置に移動されているプロペラは、少なくともボートをホームに戻すことができる駆動を提供することができる。ステップ804では、モータ制御装置22はオフに切り替えられ、ステップ805では、イグニッション39が実際にオフであるか否かを決定する別のチェックがなされる。イグニッションがオフである場合には、ルーチンはステップ804に循環して戻るだけであり、制御ユニット22をオフ状態のままにする。イグニッション(ディーゼルエンジンのケースでは燃料)がオフに切り替えられているので、エンジンも停止している。イグニッションが実際はオフにされておらず、初期オフ信号が、スパイクまたは他の短い期間の電力喪失のためであった場合には、ステップ806においてシステムは自らリセットする。
【0147】
(示されていない)本発明のさらに別の実施形態では、システムはセット速度クルーズ制御モードを含み、ボートはセット速度クルーズ制御に置くことができるので、ドライバにより無効にされるまで、クルーズ制御モードによりセットされた予め定められた対地速度でボートは移動し続ける。セット速度クルーズ制御モードでは、制御装置10により一定速度を維持するためにボートの速度はGPSシステム35により監視され、予め定められたピッチにプロペラのピッチを調整し、そしてエンジン動力を調整して、セットされた予め定められた速度に維持する。
【0148】
先に説明した実施形態では、実際の船の対地速度が必要なときは、これは、先に説明したようにGPSシステムからの、または他の何らかの適切な速度感知または測定デバイスからのデータを使用することにより得られる。しかしながら、代替実施形態では、船速度はルックアップテーブルから提供することができる。ルックアップテーブルは、所定のプロペラ回転速度およびピッチ量に対して多数の速度値を提供することができる。先に言及したように、プロペラ速度はエンジン速度の関数であり、通常2:1であるシステム中のトランスミッション比に依存する。したがって、プロペラ速度はこの例では単にエンジンrpmを半分にすることにより与えることができる。提供されるピッチ量も先に言及したホールデバイスセンサ30により測定される。したがって、ピッチ量とプロペラ回転速度を決定して、適切な速度値をルックアップテーブルから選択することができる。速度値は、多数の異なる方法で、所定のプロペラ速度とピッチ量に対して近似してもよい。1つの方法は以下の式を使用して、所定のピッチとプロペラ速度値に対してさまざまな速度の近似を提供することである。
【0149】
速度=ピッチ×プロペラ速度−スリップ
スリップは特定のプロペラ設計と一般的に関係している既知の量であり、使用されているプロペラに基づいて決定するまたは知ることができる。プロペラのスリップの一般的な量は速度値の25%のオーダであり、速度値は単にピッチ量にプロペラ速度を乗算することにより得られる。この値に対して、速度値は3/4により割られたプロペラ速度により乗算されたピッチ量に等しいと考えることができる。スリップに対する他の値が必要な場合には、プロペラ速度により乗算されたピッチがプロペラ14のスリップ量だけ単に減らされる。好ましい実施形態では、所望の動作特性はピッチ量を一定に維持し、エンジン速度を変化させて要求された動作特性を得ることである。エンジン速度の増加または減少により特性を得ることができない場合には、ピッチが変更され、エンジン速度がそれにしたがって調整され、船の要求された速度が提供される。
【0150】
特許請求の範囲および本発明の先の説明では、明確な言葉または必然的な含みのために状況が要求する場合を除いて、用語「具備する」、または「備える」、「含む」などのようなバリエーションは含む意味で使用されており、すなわち、述べられた特徴の存在を指定するが、本発明のさまざまな実施形態において他の特徴の存在または追加を排除するものではない。
【0151】
本発明の精神および範囲内の修正は当業者により容易になし得るものであり、この発明は上記に例により説明した特定の実施形態に制限されるものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】図1は航海用プロペラのピッチを制御する制御システムの概略図である。
【図1A】図1Aは図1で説明されているシステムの全体的な動作を図示する図である。
【図2】図2は制御パネルを図示している図であり、この制御パネルとともに本発明のシステムおよび方法が使用される。
【図3】図3は好ましい実施形態にしたがった制御システムおよび方法の開始動作を示しているフローチャートである。
【図4】図4は本発明の好ましい実施形態にしたがったシステム動作モード選択を示しているフローチャートである。
【図5】図5は本発明の好ましい実施形態にしたがったエンジンチェックおよびピッチチェックルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図6は本発明の好ましい実施形態にしたがったクルーズモードルーチンを示すフローチャートである。
【図6A】図6Aは図6のフローチャートにしたがったプロセスの一部の動作を示す図である。
【図6B】図6Bは図6のフローチャートにしたがったプロセスの一部の動作を示す図である。
【図7】図7は本発明の好ましい実施形態にしたがった操縦モードルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図8はエンジン遮断を示す図である。
【相互参照出願】
【0001】
この出願は2003年11月12日に出願された米国仮出願第60/519769号、および2003年10月28日に出願されたオーストラリア国仮特許出願第2003905952号からの優先権を主張する。
【発明の分野】
【0002】
本発明は制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法およびシステムと、このシステムを含む船に関する。
【先行技術の説明】
【0003】
制御可能なピッチ航海用プロペラが知られており、これはハブの回転軸に垂直に伸びる軸について動くように取り付けられた複数のプロペラ翼を有するプロペラハブを含む。プロペラハブはハブを回転させるエンジンにより駆動される。ピッチ制御メカニズムが使用されて、エンジンのさまざまな動作状態に適合するようにプロペラ翼のピッチが変更され、ボート性能を向上させ、また経済性を改善させる。
【0004】
我々のより早い国際出願PCT/AU99/00276号および国際出願PCT/AU2004/000970号はプロペラ翼のピッチを調整できるメカニズムを説明している。2つの先に言及した出願におけるメカニズムは異なっているが、これらは両方とも制御シャフトを動かして翼の位置を調整するように制御されるモータを含む。制御シャフトの動きは主駆動シャフトに対する制御シャフトの相対的な回転や、制御シャフトの縦の動きとすることができる。さらに、液圧システムのような他の制御システムを使用することもできる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船の前進の速度を変更できるようにエンジン速度とプロペラのピッチが調整され、エンジン速度が最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供するステップと、
最大エンジン速度よりも低い予め定められた制限内にエンジン速度を維持しながら、航海用プロペラのピッチが調整される操縦モードを提供するステップと、
駆動をプロペラに供給することなく、エンジンの回転速度を上げることができるエンジンチェックモードを提供するステップと、
プロペラを回転させることなく、プロペラのピッチを調整することができるピッチチェックモードを提供するステップとを含む方法を存することを言うことができる。
【0006】
本発明における1つの実施形態では、方法は、操縦モード、クルーズモード、エンジンチェックモードまたはピッチチェックモードを選択する1以上のセレクタと、操縦モードにおいて、エンジン速度を制限しながら、駆動アクチュエータの移動がプロペラのピッチを変化させ、クルーズモードにおいて、駆動アクチュエータの移動が、エンジン速度とプロペラのピッチを変化させるように、末端の位置間で移動する駆動アクチュエータとを提供することを含んでいる。
【0007】
本発明における1つの実施形態では、操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持している。
【0008】
本発明の他の実施形態では、操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することを含んでいる。
【0009】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%であることが好ましい。
【0010】
方法は、操縦モードとクルーズモードとの間でモードが変更される場合に、操縦モードとクルーズモードとの間の変更の時間における駆動アクチュエータの位置による船からの望ましくない応答を防ぐためにスムーズ移行が生じるように移行モードルーチンを提供することを含んでいることが好ましい。
【0011】
方法は、クルーズモードのときに、船の操作者により要求されるワイド開スロットル状態と、最高の燃料効率を達成するように、エンジン速度または船速度が駆動アクチュエータの位置にしたがって調整される通常クルーズ状態と、船の前進移動から船の停止状態までの移行中、または船が再度前進するように制御されるまで、利用可能なエンジン動力で、プロペラのピッチがフル後退位置に調整される動力停止状態を決定するサブルーチンとを提供することがさらに含んでいることが好ましい。
【0012】
本発明における1つの実施形態では、方法は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することを含んでいる。
【0013】
1つの実施形態では、方法は、動力停止ルーチン中のときに、船速度を監視することを含んでいる。
【0014】
この実施形態では、船速度は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似している。
【0015】
特定のピッチ量およびプロペラ速度に対して適切な速度値が提供されるように、船速度がルックアップテーブルにより提示できる。
【0016】
本発明は、船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
(a)船が巡航できるようにエンジン速度とプロペラのピッチが調整され、エンジン速度が最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供し、
(b)最大エンジン速度よりも低い予め定められた制限内にエンジン速度を維持しながら、航海用プロペラのピッチが調整される操縦モードを提供し、
(c)駆動をプロペラに供給することなく、エンジンの回転速度を上げることができるエンジンチェックモードを提供し、
(d)プロペラを回転させることなく、プロペラのピッチを調整することができるピッチチェックモードを提供する制御装置を具備するシステムが存することを言うことができる。
【0017】
本発明における1つの実施形態では、システムは、操縦モード、クルーズモード、エンジンチェックモードまたはピッチチェックモードを選択する1以上のセレクタと、操縦モードにおいて、エンジン速度をほぼ一定に維持しながら、駆動アクチュエータの移動が、プロペラのピッチを変化させ、クルーズモードにおいて、駆動アクチュエータの移動がエンジン速度とプロペラのピッチを変化させるように、末端の位置間で移動する駆動アクチュエータとを提供することが含まれている。
【0018】
制御装置は、操縦モードとクルーズモードとの間でモードが変更される場合に、操縦モードとクルーズモードとの間の変更の時間における駆動アクチュエータの位置によるボートからの望ましくない応答を防ぐためにスムーズ移行が生じるように移行モードルーチンを提供もすることが好ましい。
【0019】
制御装置は、クルーズモードのときに、船の操作者により要求されるワイド開スロットル状態と、船速度が制御レバーの位置にしたがって調整される通常クルーズ状態と、船の前進移動から船の停止状態までの移行中、または船が再度前進するように制御されるまで、利用可能なエンジン動力で、プロペラのピッチがフル後退位置に調整される動力停止状態とを決定するサブルーチンを提供もすることが好ましい。
【0020】
本発明における1つの実施形態では、制御装置は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持する。
【0021】
1つの実施形態では、システムは、動力停止ルーチン中のときに、船速度を監視する速度センサを具備している。
【0022】
他の実施形態では、船速度は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似されている。
【0023】
制御装置は予め定められた速度に到達するまで動力停止を維持し、特定のピッチ量およびプロペラ回転速度に対して、スリップに対して調整される適切な速度値が提供されるように、式がルックアップテーブルにより提示される。
【0024】
本発明は、エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
船の船操作者による手動移動のための駆動アクチュエータと、
エンジン動力と航海用プロペラのピッチを制御する制御装置と、
船に対するクルーズモードまたは操縦モードを選択するモードセレクタとを具備し、
制御装置は、モードセレクタからの制御信号と駆動アクチュエータからの制御信号を受け取りもし、船を操縦モードに置くようにモードセレクタが作動されるとき、制御装置は最大エンジン速度より低い予め定められた値内にエンジンrpm速度を制限し、船操作者による駆動アクチュエータの手動移動にしたがってプロペラ翼のピッチを制御して船速度を変更し、モードセレクタがクルーズモード中のとき、制御装置は船操作者による駆動アクチュエータの移動にしたがって最大エンジン速度までのエンジン動力とプロペラピッチとをセットして船速度を変更するシステムも提供する。
【0025】
本発明における1つの実施形態では、制御装置は操縦モード中のときに前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持することを含む。
【0026】
本発明の他の実施形態では、制御装置は操縦モード中のときにプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整している。
【0027】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%であることが好ましい。
【0028】
制御装置は、駆動アクチュエータの手動調整された位置に基づいて、ルックアップテーブルから、エンジンに供給する出力を選択することにより、エンジン動力を制御するピッチ制御ユニットと、ピッチ制御ユニットから出力を受け取ってプロペラのピッチを調整するピッチモータ制御装置とを備えることが好ましい。
【0029】
システムはプロペラのピッチを調整するピッチ制御モータを具備し、ピッチモータ制御装置は出力信号をピッチ制御モータに供給してピッチ制御モータを作動させ、プロペラを所望のピッチに調整することが好ましい。
【0030】
システムはプロペラ翼のピッチの測定値を提供するセンサを具備し、ピッチ制御ユニットにプロペラのピッチを示す信号が供給されるように、センサはピッチ制御ユニットに結合されていることが好ましい。
【0031】
船は、選択的にエンジンからプロペラへの動力を切断し、または動力をエンジンからプロペラに供給できるクラッチと、クラッチに接続されたクラッチアクチュエータとを含み、ピッチ制御ユニットは制御信号をアクチュエータに供給して、クラッチを開くまたは閉じることが好ましい。
【0032】
システムは、クラッチが開位置または閉位置かを示す信号を提供するクラッチ位置監視センサを具備し、センサはピッチ制御ユニットに接続されていることが好ましい。
【0033】
1つの実施形態では、エンジンはエンジン速度を感知するrpmセンサを備え、rpmセンサはピッチ制御ユニットに接続されている。
【0034】
1つの実施形態では、船の速度を示す信号をピッチ制御ユニットに供給する速度測定デバイスが設けられて、ピッチ制御ユニットに接続されている。
【0035】
他の実施形態では、速度ユニットはGPS速度測定システムである。
【0036】
好ましい実施形態では、地上に対する船速度は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似されている。
【0037】
特定のピッチ量およびrpmに対して、スリップに対して調整される適切な速度値が提供されるように、ルックアップテーブルにより式を提示できる。
【0038】
モードセレクタは、船を操縦モードまたはクルーズモードに選択的に置く少なくとも1つのスイッチを備えることが好ましい。
【0039】
船をピッチチェックモードまたはエンジンチェックモードに置くための第2のスイッチが設けられていることが好ましい。
【0040】
スイッチは、クルーズモードと操縦モードとの間、ピッチチェックモードとエンジンチェックモードとの間でモードをトグル切り替えすることにより、システムをクルーズモードまたは操縦モード、およびピッチチェックモードまたはエンジンチェックモードに置くための瞬間接触スイッチであることが好ましい。
【0041】
システムは、動力がエンジンからプロペラに伝えられるようにクラッチを閉位置に維持するために、クラッチを開こうとする場合にピッチ制御ユニットを無効にできるように、船操作者により作動されるクラッチ締結アクチュエータを具備することが好ましい。
【0042】
システムは、船操作者による作動でプロペラの緊急停止を実行するプロペラ停止エレメントを具備し、プロペラ停止エレメントの作動時に、ピッチ制御ユニットがエンジン速度を減少させ、エンジンからプロペラへの回転動力を遮断するためにクラッチを開き、プロペラの位置を中立位置に、プロペラ停止エレメントが調整するようにピッチ制御ユニットに接続されていることが好ましい。
【0043】
ピッチ制御ユニットは、ピッチチェック−エンジンチェックモードスイッチが作動されときに、駆動がエンジンからプロペラに供給されないようにクラッチを開かせ、ピッチ制御ユニットは、エンジンチェックモード位置では、信号をエンジンに出力し、船操作者により制御された駆動アクチュエータの位置にしたがってエンジンの回転速度を上げさせ、ピッチチェックモード位置では、信号をピッチモータ制御装置にそしてピッチモータに出力させて、駆動アクチュエータの移動に基づいてプロペラのピッチを調整することが好ましい。
【0044】
ピッチ制御ユニットは、駆動アクチュエータの位置に基づいてピッチモータ制御装置に出力する値のルックアップテーブルを備え、それにより、ピッチモータを制御してプロペラのピッチを駆動アクチュエータの位置に基づいた位置に調整するために、ピッチモータ制御装置に供給する適切な値が選択されることが好ましい。
【0045】
駆動アクチュエータはフル前進位置とフル後退位置との間で移動可能な制御レバーであることが好ましい。
【0046】
本発明は、エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
プロペラの回転により船を駆動するエンジン動力が増加または減少され、プロペラのピッチが調整されて要求された船速度を達成するように、エンジン動力とプロペラピッチ位置が駆動アクチュエータの手動操作により調整され、エンジン速度は最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供するステップと、
エンジン速度が最大エンジン速度よりも低く制限され、プロペラピッチが船操作者のよる駆動アクチュエータの手動制御により調整されて、船の速度を変化させるプロペラのピッチ制御によりボートが操縦できる操縦モードを提供するステップと、
モードがクルーズモードから操縦モードに、または操縦モードからクルーズモードに変更されるときに、手動制御される駆動アクチュエータの位置が船に望ましくない方法で応答させるような位置である場合に、モード間で変更されるときに、エンジン速度とプロペラピッチが望ましくない方法で変更されないように、移行モードを提供するステップとを含む方法が存することを言うことができる。
【0047】
クルーズモードのときに船速度を変更し、操縦モードのときにプロペラピッチを変更する単一駆動アクチュエータが提供されることが好ましい。
【0048】
移行モードは駆動アクチュエータ位置が予め定められた制限を超えるか否かを決定し、予め定められたエンジン速度をセットし、船速度に基づいてプロペラのピッチを調整することが好ましい。
【0049】
移行モードは、操縦モードで船が動作することを防ぐことをさらに含み、エンジン速度およびプロペラのピッチと合う位置に船操作者により駆動アクチュエータが手動で調整されたときに、その後の駆動アクチュエータの継続した移動は駆動アクチュエータの移動により船操作者が船をクルーズモードで駆動できるようにすることが好ましい。
【0050】
本発明における1つの実施形態では、操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持している。
【0051】
本発明における他の実施形態では、操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することを含んでいる。
【0052】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%であることが好ましい。
【0053】
本発明は、エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
(a)プロペラの回転により船を駆動するエンジン動力が最大および最小のエンジン速度間で増加または減少され、プロペラのピッチが調整されて要求された船速度を達成するように、エンジン動力とプロペラピッチが駆動アクチュエータの手動操作により調整される、クルーズモードを提供し、
(b)エンジン速度が最大エンジン速度よりも低い制限速度に制限され、プロペラピッチが船操作者のよる駆動エレメントの手動制御により調整されて、船の速度を変化させるプロペラのピッチ制御によりボートが操縦できる操縦モードを提供し、
(c)モードがクルーズモードから操縦モードに、または操縦モードからクルーズモードに変更されるときに、手動制御される駆動アクチュエータの位置がモードの変更時にボートが望ましくない方法で応答しないような位置である場合に、モード間で変更されるときに、エンジン速度とプロペラピッチが望ましくない方法で変更されないように、移行モードを提供する制御装置を具備するシステムが存することを言うことができる。
【0054】
本発明における1つの実施形態では、制御装置は操縦モード中のときに前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持している。
【0055】
本発明における他の実施形態では、制御装置は操縦モード中のときにプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整している。
【0056】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%であることが好ましい。
【0057】
クルーズモードのときに船速度を変更し、操縦モードのときにプロペラピッチを変更する単一駆動アクチュエータが設けられることが好ましい。
【0058】
移行モードは駆動アクチュエータ位置が予め定められた制限を超えるか否かを決定し、予め定められたエンジン速度をセットし、船速度に基づいてプロペラのピッチを調整することが好ましい。
【0059】
方法には、さらに、移行モード中のとき、エンジン速度およびプロペラのピッチと合う位置に船操作者が駆動アクチュエータを移動させるときまで、船がクルーズモードで動作することを防ぐことがさらに含まれていることが好ましい。
【0060】
方法には、さらに、船速度を監視し、操縦モードからクルーズモードに移行するときに、その船速度を維持するようにプロペラのピッチを制御しながら、エンジン速度の関数としてエンジン動力をセットもすることも含まれていることが好ましい。
【0061】
方法には、さらに、船速度を監視し、クルーズモードから操縦モードに移行するときに、エンジン速度を予め定められた速度にセットし、プロペラピッチを船速度に基づくピッチにセットすることを含まれていることが好ましい。
【0062】
本発明は、エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船が前進しているときに船の速度を急激に減少させる動力停止モードを提供するステップと、
船の前進移動から船の減少前進速度への移行中に利用可能なエンジン動力でフル後退位置にプロペラのピッチを調整するステップとを含む方法が依然としてさらに提供する。
【0063】
方法には、船が停止するまで、または船が船操作者により制御されるまで、利用可能な連続的なエンジン動力を維持することが含まれていることが好ましい。
【0064】
したがって、この観点によって、動力停止状態のもとで船が完全に停止することが可能になり、または停止の途中で、操作者が船を加速させることが望ましいと決定する場合に、ドライバ制御のもとでそのように駆動できる。 方法には、駆動アクチュエータの移動の速度を監視することにより動力停止要求を決定し、プロペラをフル後退ピッチ位置に置くことが含まれていることが好ましい。
【0065】
方法には、船速度を監視し、船が予め定められた速度に到達するまで、動力停止モード以外でボートを動作させるように作動デバイスを移動させることにより船が操作者により制御されるまで、船を動力停止モードに維持することが含まれていることが好ましい。
【0066】
本発明における1つの実施形態では、方法は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することが含んでいる。
【0067】
本発明における1つの実施形態では、操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持している。
【0068】
本発明における他の実施形態では、操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することが含まれている。
【0069】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%であることが好ましい。
【0070】
本発明は、エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
前進位置から後退位置に移動可能な駆動アクチュエータと、
プロペラのピッチを調整して、ピッチをフル後退位置に置く制御装置とを具備し、
制御装置は、アクチュエータの移動を監視することにより動力停止に対する要求を決定し、動力停止を決定したとき、船の前進移動から船の減少速度への移行中に利用可能なエンジン動力でフル後退位置にプロペラのピッチを調整するシステムも提供する。
【0071】
制御装置は、船が停止するまで、またはアクチュエータが船操作者により移動させるまで、連続的なエンジン動力を維持することが好ましい。
【0072】
制御装置は、フル後退位置へのアクチュエータの移動の速度を監視することにより動力停止に対する要求を決定することが好ましい。
【0073】
駆動アクチュエータは制御レバーを備えていることが好ましい。
【0074】
1つの実施形態では、システムは、船の速度を示す信号を提供する速度センサを具備し、制御装置は、予め定められた船速度に到達するまで、または動力停止モード以外で船を動作させるように駆動アクチュエータが操作者により作動されるまで、船を動力停止モードに維持する。
【0075】
1つの実施形態では、船速度は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似されている。
【0076】
特定のピッチ量およびrpm対して適切な速度値が提供されるように、船速度がルックアップテーブルにより提示できる。
【0077】
本発明は、エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船の速度の表示を提供することと、
以下のグループのパラメータ:プロペラピッチおよび船の動作モード、から選択された1以上の任意のパラメータに基づいてエンジン動力を制御するために船の速度を使用することとを含む方法も提供できる。
【0078】
1つの実施形態では、動作モードは、一定速度に船速度を維持することが望まれ、エンジン動力がその一定速度を維持するように調整されるセットクルーズ制御モードである。
【0079】
他の実施形態では、動作モードは、最低船速度が生じるまで、操作者制御により無効とされない限り、動力停止モードを継続するように、船速度が予め定められた最低速度に落ちるときを決定するのに船速度が使用される動力停止モードを含んでいる。
【0080】
この実施形態では、エンジン速度は、特定のエンジン動力が船の速度に基づいて選択されるように、動力停止の開始時にエンジン動力をセットするのにも使用される。
【0081】
動作モードは、クルーズモードと操縦モードとの間で船の動作モードが変更されるときに実行される移行モードを含み、エンジン動力は、クルーズモードと操縦モードとの間のスムーズな移行をもたらすように、クルーズモードと操縦モードとの間の移行中にボート速度に基づいて選択されることが好ましい。
【0082】
船速度は、クルーズモードから操縦モードへと操縦モードからクルーズモードへの両方の移行時に、スムーズな移行をもたらすように使用されることが好ましい。
【0083】
1つの実施形態では、船速度は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似されている。
【0084】
特定のピッチ量およびrpmに対して適切な速度値が提供されるように、ルックアップテーブルにより船速度を提示できる。
【0085】
本発明は、エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
船の速度を示す出力を提供する速度手段と、
以下のグループのパラメータ:プロペラピッチおよび船の動作モード、から選択された1以上の任意のパラメータに基づいてエンジン動力を制御するために出力を使用する制御装置とを具備するシステムも提供する。
【0086】
1つの実施形態では、動作モードは、制御装置が一定速度に船速度を維持し、エンジン動力がその一定速度を維持するように調整されるセットクルーズ制御モードである。
【0087】
他の実施形態では、動作モードは、最低船速度が生じるまで、操作者制御により無効とされない限り、動力停止モードを継続するように、船速度が予め定められた最低速度に落ちるときを決定するのに出力が使用される動力停止モードを含んでいる。
【0088】
本発明における1つの実施形態では、方法には、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することが含まれている。
【0089】
この実施形態では、エンジン速度は、特定のエンジン動力が船の速度を示す出力に基づいて選択されるように、動力停止の開始時にエンジン動力をセットするのにも使用されている。
【0090】
動作モードは、クルーズモードと操縦モードとの間で船の動作モードが変更されるときに実行される移行モードを含み、エンジン動力は、クルーズモードと操縦モードとの間のスムーズな移行をもたらすように、クルーズモードと操縦モードとの間の移行中に出力に基づいて選択されることが好ましい。
【0091】
出力は、クルーズモードから操縦モードへと操縦モードからクルーズモードへの両方の移行時に、スムーズな移行をもたらすように制御装置により使用されることが好ましい。
【0092】
本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照して、例を用いて説明する。
【詳細な説明】
【0093】
図1を参照すると、好ましい実施形態にしたがった制御システムの概略図と、ボートのための航海用駆動システムが示されている。航海用駆動システムは一般的に、クラッチ20を通してプロペラ14を駆動するエンジン18を具備する。プロペラ14はハブ16とプロペラ翼12を含む。可変ピッチ航海用プロペラでは、ハブ16の回転軸を横切る軸について翼12の位置を調整できるように翼12が取り付けられる。
【0094】
制御システムはピッチ制御ユニット10を含む。ピッチ制御ユニット10はEDUモータ制御装置22に接続され、EDUモータ制御装置22は次にDCモータ24を制御し、DCモータ24はプロペラ翼12のピッチを調整する。メカニズムの機械的詳細に対して、先に言及した国際出願に関心を寄せることができ、その内容はこの参照によりこの明細書に組み込まれている。
【0095】
ピッチ制御ユニット10はライン11上に出力される制御信号によりエンジン18を制御する。基本的に、制御は、ボート速度を制御する制御レバー28の移動に応答してエンジンにより供給される動力を増加または減少させるためのエンジン18の燃料送出システムに対する制御である。ピッチ制御ユニット10はライン13によりクラッチアクチュエータ25にも接続されているので、信号をアクチュエータ25に出力して、アクチュエータにクラッチ20の開閉をさせることができる。明らかに、クラッチが開いているとき、エンジン18からプロペラ14に対する駆動は切断され、クラッチ20が閉じているとき、エンジン18はプロペラ14を駆動することができる。ピッチ制御ユニット10はライン15によりEDUモータ制御装置22にも接続されているので、信号を制御装置22に出力して、制御装置22にライン17上に信号を出力させ、DCモータ24を制御することができる。DCモータ24の回転はプロペラ翼12のピッチ位置を調整し、したがって、以下でさらに詳細に説明するように、ライン15および17上に提供される制御信号を使用してDCモータ24を作動させて、システムの動作状態に基づいて所望のピッチ位置にプロペラ翼12を位置付ける。制御レバー28はピッチ制御ユニット10に接続され、ボートを駆動するために末端位置間で船操作者により移動可能である。一般的に、レバー28の移動時に出力される信号は電子信号であり、ライン19を通してピッチ制御ユニット10に供給され、これらの信号はレバー28の位置を示す制御信号をピッチ制御ユニット10に提供するので、エンジン18はレバー28の位置に基づいて速度および/またはトルクが制御される。
【0096】
プロペラ翼ピッチ位置センサ30、クラッチ開閉センサ32、エンジンrpmセンサ34および対地速度の測定値を提供するGPSシステム35もピッチ制御ユニット10に接続されている。したがって、プロペラ翼12のピッチ位置、クラッチ20が開いているか閉じているか、エンジン18のエンジン速度、ボートの対地速度に関するデータがピッチ制御ユニット10に提供される。
【0097】
ピッチ位置センサ30は、DCモータ24からの出力シャフト21の動きを測定するように配置され、DCモータ24はプロペラ翼12の位置を制御する。センサ30はこの位置に配置される。その理由はハブ16中にセンサ30を設けようとする以外でモータの出力シャフト21を測定することによりプロペラのピッチの測定を容易にするためである。しかしながら、望ましい場合には、センサはハブ16中に設けることができる。
【0098】
センサ30はホール効果センサであることが好ましく、出力シャフト21により駆動されるウォーム駆動のウォームホイール23上に取り付けられるマグネット30aを具備する。センサ出力30bはセンサ30を完成し、よく知られているように、マグネット30aがセンサ出力30bに隣接する位置にウォームホイール23が回転するときに、出力信号が生成される。本発明の好ましい実施形態では、後退位置からフル前進位置にプロペラ14のピッチを駆動するために、モータ24の出力シャフト21は非常に多くの回数、例えば120回転、回転される。これらの120回転は、完全な1回転を超えない程度にウォームホイール23を回転させ、マグネット30aがセンサ出力30bと整列するときに、プロペラ翼12が予め定められたピッチ位置にあるように、完全な1回転であることが好ましい。したがって、特定の基準ピッチ位置に調整されるまで、プロペラ翼12を駆動するために、センサ出力30bから信号が受信されるまで、モータ21が回転される。その後、出力シャフト21の回転量を制御することによりピッチが制御され、その基準位置からのプロペラ翼12のピッチをさらに調整する。
【0099】
図1Aは本発明の好ましい実施形態にしたがった動作システムの全体図である。システムは特定の動作モードを決定することにより動作し、特定の動作モードは船操作者が制御パネルを通して選択することができ、制御パネルは図2を参照して説明する。モードは一般的に動作モード101aまたはチェックモード101bを備える。動作モード101aは操縦モード102またはクルーズモード103のいずれかである。チェックモード101bはエンジンチェックモード104またはプロペラチェックモード105である。
【0100】
操縦モード102は、図2を参照してさらに詳細に説明する制御レバー28が使用されてプロペラ翼12のピッチを変更しながら、エンジン速度が最大エンジン速度より下に制限されるモードである。このモードでは、制御レバー28の移動は制御ユニット10に影響を与え、プロペラ翼12のピッチを変更して、ボートを操縦できるようにしながら、ドックやこれと同様なものに到着し、または出発できる。制御ユニット10はエンジン動力を変化させて、エンジン速度を例えば高アイドルに維持する。
【0101】
クルーズモードでは、制御レバー28は信号をピッチ制御ユニット10に提供して、エンジン18をクルーズモードで制御し、制御レバー位置は操作者により要求された動力を制御ユニット10に信号送信する。したがって、制御レバー28は制御ユニット10に影響を与えて、エンジン動力(これは次にエンジン速度を変える)とプロペラピッチとをセットし、要求されたボート速度をもたらす。クルーズモード103はボートがワイド開スロットルモード106で移動することも可能にし、ワイド開スロットルモード106では、エンジンスロットルとプロペラ翼のピッチは最大動力向けに動作される。クルーズモードでは、ボートを動力停止モード107にも置くことができ、動力停止モード107ではプロペラ翼のピッチはフル後退位置に移動され、スロットルは50%からフル開スロットルの間のどこかに減少される。
【0102】
制御レバー28の制御下でのピッチの分解能はクルーズモードのものよりも操縦モードでは細かい。言い換えると、クルーズモードでは、制御レバー28の移動はピッチを中立から例えば12cmのピッチに変化させる一方で、操縦モードにおける制御レバー28の同じ移動量はかなり少ない量のピッチ、例えば100mm(4インチ)のピッチをもたらす。したがって、操縦モードにおける減少されたピッチ量のために、制御レバーのその移動はかなり低いボート速度となる。これは望ましいことである。その理由は、操縦モードでは、ドックなどに近づく、またはドックなどを出発する間、正確に移動するためにボートはゆっくりと移動することが明らかに要求されるからである。
【0103】
図2は制御パネルの図である。ボートを制御するために、特に、ボートのさまざまな動作モード中にプロペラ翼12のピッチを制御するために、ボートの船操作者が制御パネルを使用する。
【0104】
図2を参照すると、レバー28はよく知られているように、ボート操作者の制御の下、前進、中立および後退の位置間で移動可能である。前進位置では、ボートを前進に駆動できるように、レバー28は通常、エンジンの回転速度を上げるように要求する。プロペラ翼のピッチは、最良の可能性のある性能をもたらすために、ボートの動作状態に基づいて、ボート中の人々の数、海の状態およびこれらに類するものに基づいて、変更される。中立位置では、プロペラ翼のピッチは中立位置にセットされ、中立位置では、プロペラ14の回転はまったく駆動をもたらさない。後退位置では、プロペラ翼のピッチは後退位置にセットされるので、ボートを後方に駆動することができる。したがって、後退はプロペラ14の回転方向を変更するためにギアボックスを使用することなく可能である。制御パネルはピッチチェックおよびエンジンチェックモードスイッチ27、イグニッションスイッチ39、クルーズ/操縦モードスイッチ29、およびクラッチエンジンスイッチ32も含む。システムを、スイッチ27によりエンジンチェックモードとピッチチェックモードとの間で切り替え、スイッチ29によりクルーズモードと操縦モードとの間で切り替えできるように、スイッチ27および29は接触スイッチ(プッシュボタン)の形態であることが好ましい。しかしながら、ボート操作者がどのようにボートを制御しようとするかに基づいて、他のタイプのスイッチにより、または(示されていない)ディスプレイスクリーン上のスクロールダウンメニューの形態により、または制御ユニット10への適切な入力のためのこれに類するものにより、スイッチは置換することができる。パネルは緊急プロペラ停止ボタン43も含む。発光ダイオード45および47ならびに49および51が設けられているので、システムが操縦モード、クルーズモード、エンジンチェックモードまたはピッチチェックモードにあるかの表示をボート操作者が容易に認識できるように表示できる。イグニッションスイッチ39にも発光ダイオードまたは電球53が通常設けられ、イグニッションがオンであるとき、および(示されていない)発電機が充電している場合を示し、クラッチスイッチ32にも発光ダイオード55が設けられ、クラッチが締結されているときを示す。発光ダイオード55はクラッチが締結されているときにオフとなる。
【0105】
ボートの通常動作では、エンジンを始動するためにキーまたはこれに類するものの制御の下、イグニッションスイッチ39が切り替えられる。レバー28を中立から前進または後退に移動させることにより、よく知られているように、ハブ16が回転し、プロペラ14が水を介してボートを駆動するので、ボートが移動する。ピッチチェックおよびエンジンチェックモードスイッチ27は、エンジンの回転速度を上げることによりボート操作者がエンジン動作をチェックし、プロペラ翼12のピッチの移動もチェックして、ボート操作者がそのように望むのであれば、確実にすべてが正しく動作しているように見えるようにすることができる。操縦およびクルーズスイッチ29はボート操作者が制御システムを操縦モードおよびクルーズモードに置くことができるようにし、操縦モードではプロペラ翼12のピッチを変更することによりボートが操縦され、クルーズモードではプロペラ14を回転させるエンジン速度と適切なピッチとにより通常のスロットル状態の下で最も経済的な方法でボートが駆動される。
【0106】
図3は本発明の好ましい実施形態にしたがったシステムの初期始動を図示しているフローチャートである。初期始動時に、ステップ301において、イグニッションスイッチ39中のイグニッションキーを回すことにより、ピッチ制御ユニット10とEDUモータ制御装置22とを含む電子制御システムに動力が供給される。ステップ302において、図2を参照して説明した発光ダイオードが点灯する。ピッチ制御ユニットはライン13上でアクチュエータ25にすぐに信号を送信して、クラッチが既に開状態になっていない場合にクラッチ20を開かせる。システムは初期制御装置チェックにも向かう。初期制御装置チェックでは、プログラムのさまざまな予め定められたセッティングがセットされ、ピッチ制御ユニット10からライン15を通してモータ制御装置22へ、そしてライン17上でDCモータ24への出力によりプロペラ翼12のピッチが調整され、プロペラ翼が予め定められた基準位置に移動されるので、システムの初期始動においてピッチがセットされる場所をシステムには明確に分かる。これはピッチ制御ユニット10の制御の下、プロペラ翼12をフル後退位置とフル前進位置との間で移動させ、その後基準位置に移動させることにより行うことができる。ユニット10にはセンサ30から情報が供給され、センサ30は例えばプロペラ翼が正しく基準位置にあるときの表示を提供することができるので、制御ユニット10はDCモータ24の出力シャフト21を回転させて翼12のピッチを調整する、ライン17上でのDCモータ24への適切な出力により、DCモータを制御して、予め定められた位置に位置を調整することができる。
【0107】
ステップ303において、システムをピッチチェックモードに置くためにピッチチェックモードボタン27が押されたか否かの決定がなされる。プロペラ12のピッチを変更するピッチ制御メカニズムの動作をチェックできるので、ボートが乾ドックまたはこれに類するもの上にある場合に、このことは望ましい。これは、エンジンのスターターモータが締結してエンジンが始動する前にイグニッションキーをオン位置に単に回すことにより、エンジンを始動することなく行うことができる。したがって、ボート操作者がそのように望むのであれば、ボートを始動させるのではなく、イグニッションを単にオンに切り替えることができ、ピッチメカニズムをチェックすることができる。システムがボタン27によりピッチモードにトグル切り替えされた場合には、プログラムはステップ304に移る。ステップ304では、安全対策として、(エンジンが動作していないとしても)エンジンのエンジン速度がアイドルにセットされる。クラッチは開かれているので、少なくとも、駆動はエンジン18からプロペラ14に伝わらないが、エンジン速度をアイドルにセットすることは、エンジンが何らかの理由のために始動された場合に、エンジンの回転速度がアイドル速度より上に確実に上がらないようにする。ステップ304において、ピッチ制御ユニット10はライン15上でEDUモータ制御装置22に信号を供給し、EDUモータ制御装置22は次にライン17上でDCモータ24を制御する信号を出力して、プロペラ翼12のピッチを変更させる。プロペラ翼のピッチは制御レバー28の位置により選択される。制御レバー28の位置はライン19上で制御レバー28からピッチ制御ユニット10への出力電圧の変化となり、ルックアップテーブルが使用されて適切な値が選択され、ライン19上の信号に基づいて、この適切な値にプロペラ翼のピッチが調整される。したがって、フル前進位置とフル後退位置との間で制御レバー28を移動させることにより、それらの最大前進ピッチからそれらの最大後退ピッチへのプロペラ翼の全範囲の移動が生じるので、メカニズムが適切に動いているかを見るために視覚的な検査をすることができる。ステップ305において、プログラムはモードセッティングにおける変更を監視し、変更がない場合には、プログラムはステップ304に循環して戻るので、プロペラ翼のピッチはレバー28を移動させることにより連続的に調整することができる。変更がある場合には、プログラムはステップ303に戻り、どのモードボタンが押されたかの決定がなされる。
【0108】
ステップ301において、エンジンが始動するようにイグニッションキーが最初に完全にオンに回される場合、先に説明したのと同じ動作が生じ、ピッチチェックモードボタン27が押されていた場合には、ピッチモード動作を選択することができる。しかしながら、エンジン18を始動する(示されていない)スターターモータおよびDCモータ24がちょうど同時に動力を引き出していないように、エンジンの始動時に、プログラムはエンジンが完全に点火されるまでステップ304を遅延させることができる。エンジンが始動される場合、システムは、DCモータ24が動作される前に電力を供給する(示されていない)バッテリの通常電圧への戻りを監視することができる。これは単に、DCモータ24を動作させようとすることと同時にエンジン18が始動される場合に、バッテリ上での多すぎる流出を防ぎ、または多すぎる電流が流れようとするのを防ぐ。システムを操縦モードにトグル切り替えするために図2に示されているボタン27が押されていない場合には、ステップ303におけるプログラムはステップ306に移り、ステップ306はエンジンチェックモードサブルーチンをセットする。ステップ307において、エンジンが始動されているか、またはされていないかを決定するチェックがなされ、プログラムは本質的にステップ306に循環して戻り、エンジンが始動されるのを待つ。エンジンが始動されたとき、プログラムはステップ308に移るので、エンジンチェックモードを実施することができる。このステップは、モータを制御してプロペラ翼12を中立位置に置くための、ピッチ制御ユニット10からライン15上でEDU22への出力、そしてEDU22からライン17上でDCモータ24への出力により、プロペラ翼のピッチを中立位置に移動させる。
【0109】
エンジンチェックサブルーチンは後でさらに詳細に説明するが、基本的にこのサブルーチンは初期始動時に事実上ディフォルトモードであり、エンジンを暖め、または単にエンジンの音により、ボートが駆動されて離れる前に、エンジンが適切に動作しているかを確認するために、ボート操作者がエンジンの回転速度を上げながら、クラッチ20を解放させ、プロペラ翼12を中立位置にすることができる。
【0110】
ステップ309において、スイッチ27または29を動作させて、ボートをピッチチェックモード、操縦モード、またはクルーズモードのいずれかに戻すことにより、動作モードが変更されたか否かを決定する決定がなされる。
【0111】
スイッチ27またはスイッチ29をトグル切り替えすることにより、動作モードに対する変更があった場合には、プログラムはステップ310において位置Sに移り、これは図4に続く。動作モードに対する変更がない場合には、プログラムはステップ311に移り、エンジンrpmが800rpmよりも低いか否かを決定するためにエンジン速度が監視される。800の値は任意であり、要求される場合には異なる速度とすることができる。目的は、プログラムが終わったステップ311を移る前にエンジンを確実に低い速度で動作させることである。エンジン速度が800rpmよりも低い場合には、プログラムはステップ410に移り、自動的に船を操縦モードに置く。エンジン速度が800rpmよりも高い場合には、プログラムはステップ308に移って戻り、システムがステップ410において自動的に操縦モードに行くことができるように、エンジン速度が800rpmより下のレベルに落ちるまで待つか、あるいは、プログラムがステップ310に移るようにスイッチ27または29の1つがトグル切り替えされることによるモードの変更を待つ。
【0112】
図4はスイッチ27または29の1つがトグル切り替えされて、フローチャートのステップ401により識別される特定の動作モードが選択されるときに、システムがどのように動作するかを示すフローチャートである。
【0113】
図4を参照すると、ステップ401において、ボタン27または29を押すことによりどのモードが要求されたかを決定する決定がなされる。2つの可能性あるモードは、ボタン29を押すことによる操縦/クルーズモード、またはスイッチ27を押すことにより選択されるピッチ/エンジンチェックモードである。スイッチ27および29は瞬間接触スイッチであり、スイッチまたはボタン27のケースではピッチチェックモードまたはエンジンチェックモードのいずれかに、スイッチまたはボタン29のケースでは操縦モードまたはクルーズモードのいずれかに、有効にトグル切り替えする。スイッチの特定のモードは、発光ダイオード45、47、49および51の照明により容易に見ることができる。
【0114】
ボタン27が動作されると仮定すると、プログラムはステップ402に移り、ステップ402は図5で継続する。
【0115】
図5を参照すると、ステップ501において、エンジンチェックモードとピッチチェックモードとの間で変更するようにスイッチ27が押されたか否かを決定する決定がなされる。エンジンチェックモードの場合、プログラムはステップ502に移り、制御レバー28が中立位置にあるか否かについての決定がなされる。制御レバー28が中立位置にない場合、発光ダイオード47がステップ503で点滅され、レバーを中立位置に移動させなければならないことをボート操作者にアラート警告する。レバーが中立位置のとき、ステップ502は肯定で応答され、プログラムはステップ504に移り、クラッチが既に開位置にない場合にクラッチを開くようにライン13上でアクチュエータ25に出力される信号によりクラッチ20が開かれる。ステップ308によって、ピッチ制御ユニット10は信号をライン15上でEDU22に出力し、EDU22は次に信号をライン17上でDCモータ24に出力して、中立位置にプロペラ翼を置き、中立位置とフル前進位置との間での制御レバーの移動によりエンジン速度がセットされ、エンジンチェック発光ダイオード47が照光され、システムがエンジンチェックモードにあることを示す。したがって、ボート操作者はレバー28の後方および前方への移動により簡単にエンジンの回転速度を上げることができる。ライン11上の出力はルックアップテーブルから選択され、ルックアップテーブルはレバー28の位置とライン19上に供給される信号とに基づいて出力を選ぶ。したがって、レバーが後方および前方に移動されるとき、(示されていない)エンジンスロットルアセンブリが動作され、エンジンの回転速度を上げさせる。ステップ505において、ボタン27または29の1つを押すことにより、モード変更要求がなされたか否かについての決定がなされる。いいえの場合には、システムはエンジンチェックモードのままである。要求されたモードへの変更がある場合には、プログラムはステップ310に移り、先に説明したように、ステップ310はプログラムを図4に戻す。
【0116】
ボタン27がピッチモードチェック位置に置かれたことをステップ501におけるモードチェックが決定した場合、プログラムはステップ506に移り、制御レバーが中立位置にあるか否か再度決定する。制御レバー28が中立位置にない場合、発光ダイオード45がステップ507において点滅し、レバーを中立位置に戻すべきであることをボート操作者に示す。レバーが中立位置に移動されたとき、プログラムはステップ508に移り、先に説明したのと同じ方法でアクチュエータ25への信号によりクラッチ20が開かれる。エンジンが単にアイドル速度で動作するように、エンジン速度はライン11上の信号によりアイドルにセットされる。このモードにおける制御レバー位置28はエンジンの回転速度を上げず、エンジンはセットされたようにアイドル速度のままである。むしろ、レバー28の移動は、プロペラ翼のピッチが調整されながら、エンジンはアイドル速度であるように、プロペラ翼12を移動させる。再度説明すると、レバー28の位置はライン19上の電圧信号を変化させるので、その信号を使用して、ルックアップテーブルから適切な値を選択して、ライン15上で制御装置22に供給し、次にDCモータ24を制御して、プロペラ翼12のピッチを変更させる。
【0117】
ステップ509において、ボタン27または29の1つを押すことによりモード変更要求がなされたか否かについての決定がなされ、いいえの場合、プログラムはステップ508に戻り、ピッチチェックモードのままである。変更があった場合、プログラムはステップ310に移り、先に言及したように再度プログラムを図4に戻す。
【0118】
図4に戻ると、ボタン27ではなくボタン29が押されていた場合、プログラムはステップ401からステップ403に移り、ボタン29の押下がシステムを操縦モードまたはクルーズモードに置くか否かの決定がなされる。スイッチ29がクルーズモードに置かれていた場合、プログラムはステップ404に移り、システムが操縦モードからクルーズモードに移行しているか否かの決定がなされる。いいえの場合、システムはステップ408に移り、ステップ408は図6に継続し、図6は後に説明する。
【0119】
システムが操縦モードからクルーズモードに移行していたことをステップ404が決定した場合には、操縦モードにおいて、システムがすぐにクルーズモードに移ると、急激な加速、急激な減速またはこれらに類するもののような、ボートの特性に望ましくない変化をもたらす位置にスロットル28があった場合に、システムがそれらのモード間のスムーズな移行を実行するルーチンに向かう。
【0120】
ステップ404が肯定で応答された場合には、プログラムはステップ405に移り、ボートの現在の動作状態を考慮して、レバー28の位置が決定される。ボートが移動している仕方に急速な変化を生じさせる末端の位置にあった場合には、ステップ406において発光ダイオード51が点滅され、ボートがレバー28の位置に応答する前にレバー28の移動を要求する。ステップ405における質問に対する回答がはいの場合には、ステップ406において発光ダイオード51が点滅され、ボートがクルーズモードで応答する前に、操作者が制御レバー28を移動させる必要があること示す。したがって、ボートは操縦モードのままであり、エンジン速度およびプロペラのピッチは、操縦モードにおける場合と同じである。発光ダイオード51は操作者が制御レバー28を中立に向かう位置に戻すまで点滅を継続し、その位置では、エンジンとプロペラのピッチの適切な制御により、まるでクルーズモードであるかのように、ボート速度が合う。したがって、発光ダイオード51が点滅を停止するまで操作者はレバーを戻すように動かし続ける必要があり、点滅停止によりレバーが今正しい位置にあり、または、その位置の予め定められた制限内にあることを示す。予め定められた制限内となるようにレバー位置が移動された場合には、プログラムはステップ405からステップ407に移る。ステップ407では、ボート速度がシステム35から読み取られ、エンジン18はピッチ制御ユニット10からのライン11上の出力により制御され、そのボート速度に対して適切なエンジン速度またはトルクを提供し、プロペラ翼12のピッチは制御装置22へのライン15およびDCモータ24へのライン17上の出力により制御され、そのボート速度を維持する。操作者が制御レバー28を移動させ続けると、ボートをクルーズモードで駆動させることができる。したがって、これは操縦モードからクルーズモードへの移行において不満足な方法でボートが動作するのを防ぐ。例えば、最後の操縦のときに、レバーがワイド開スロットル位置の近くであり、ピッチがフル前進位置であるような位置に制御レバー28のピッチがある場合、モードがクルーズモードに直ちに変更されると、これはできる限り素早くボートを加速させる最大エンジン動力の要求であるとして解釈される。したがって、ボートがクルーズモードに応答する前に、スロットル位置がこれらの動作状態に実質上合うように、システムは確実に操作者がボートの動作状態を実質上拾いあげて制御レバー28を移動させる必要があるようにする。
【0121】
ステップ403において、スイッチ29がシステムを操縦モードにトグル切り替えしたことの決定がなされると、プログラムはステップ403からステップ409に移る。再度説明すると、このモードはクルーズモードから操縦モードへの移行となるのか否かのチェックが行われ、いいえの場合には、プログラムは410に移り、これは図7に続き、以後詳細に説明する。ステップ409において、モードがクルーズモードから操縦モードに切り替えられていることの決定がなされると、プログラムはステップ411に移る。再度説明すると、ステップ405に類似する決定がなされ、モードが直ちに変更された場合に、ボートから不満足な応答が生じる位置に制御レバー28があるか否かの決定がなされる。レバー位置が予め定められた制限の外側である場合には、ボート速度やこれに類するものなどのボート動作を考慮して、ステップ412において発光ダイオード49が点滅され、これをボート操作者に示し、操縦モードに変更したときに、ボートが不満足な方法で応答しない位置に、ボート操作者はレバー28を移動させる必要がある。したがって、システムが操縦モードで応答する前に、現在のボート動作状態に合う位置に、操作者はレバー28を移動させなければならない。したがって、クルーズモードから操縦モードへの変更時に、移行がすぐにボートを減速させるようなエンジン速度またはピッチプロペラ位置である場合に、これが防がれ、生じない。レバー位置28が予め設定された制限より大きくない、または操作者により移動された場合には、プログラムはステップ413に移る。ステップ413において、ライン11上の適切な信号により、約1500rpmの速度のような高アイドル速度にエンジン速度をセットすることによって、ボートは操縦モードに対する準備状態に置かれる。ピッチがボート速度とレバー位置の両方に合う位置にセットされるように、プロペラのピッチは、GPSシステム35から読み取られる速度に基づいてセットされるので、操縦モードからクルーズ速度への切り替えでは、ボート速度における突然の変化は起こらない。一般的に、クルーズモードから操縦モードへ移行するときのこの速度変化は、ボートの急速な減速となる。したがって、操縦モードのときにボートの動作状態と合う位置にレバーがなるまで操縦モードが実行されないようにピッチをセットしてレバーを監視することにより、突然の速度変化は起こらず、ドライバがレバー28の操作により新しいモードでボートを動作させるまでボートは動作を続ける。レバー28の移動は、ピッチ制御ユニット10がライン15上に信号を出力することによりレバー位置28の移動に応答するようにさせるので、プロペラ翼12のピッチはレバー28の移動に応答して調整される一方、エンジン速度18は変更されない。
【0122】
図6に移ると、システムがクルーズモードのために、ステップ404を通して直接的に、またはステップ404から移行ステップ405ないし407を通してステップ405に移るとき、ステップ600においてチェックが最初になされ、エンジン速度が800rpmよりも低いか否かが決定される。いいえの場合には、プログラムはこのステップで循環し、エンジン速度が800rpm以下に落ちるのを待つ。これは、最初非常に高いエンジン速度でクルーズモードが開始するのを防ぎ、非常に高いエンジン速度は予測されない、好ましくない急速な加速を生じさせる。エンジン速度が800rpmより低く落ちたとき、プログラムはステップ601に移る。ステップ601では、クラッチ20が締結される。ステップ602では、ワイド開スロットルの加速が要求されているか否かの決定がなされる。この決定はレバー28の位置、したがってライン19上の電圧信号に基づいてなされる。レバー28が完全に前進に移動され、フルスロットル動力が要求されていることを示す場合には、ステップ602は肯定で回答される。レバー28が素早く移動され、ボート操作者が急速な加速を要求していることを示す場合には、レバー28の新しい位置により要求されるものにボート速度が合うまで、システムはワイド開スロットル状態に置かれる。レバー28の移動の速度は、その最初の位置からその新しい位置へのレバー28の移動にかかる時間(すなわち、dx/dt)を単に測定することにより決定される。これが生じると、プログラムはステップ603に移り、ピッチ制御ユニット10はフルスロットル開位置のためにライン11上でエンジンに信号をすぐに出力するので、エンジンは最大トルクを伝える。プロペラ翼12のピッチはEDU22およびDCモータ24によりセットされ、最大動力となるエンジン速度を達成する。ステップ604では、ボタン43を押すことによりプロペラ停止が要求されているか否かの決定がなされる。ボートが浜に乗り上げる、ダイバーに近づいている、または他の危険なまたは危ない状況のような緊急な状況のときに、プロペラ14の回転をすぐに停止することが望ましい場合に、緊急な状況でボタン43を押すことができる。ステップ604が否定である場合には、プログラムはステップ602に戻り、単に継続する。プロペラ停止が要求された場合には、プログラムはステップ605に移り、ここでピッチ制御ユニット10からライン11上への出力はエンジンrpm速度をアイドルにセットして、ライン13上の信号によりクラッチ20を開く。同時に、ユニット10はEDU22に対する信号をライン15上に出力して、DCモータ24を制御して、プロペラ翼12を中立位置に置く。ステップ605では、システムはデフォルトで自動的にエンジンチェックモードになる。これは単に、ボートが依然として危険な状況にある間に、プロペラが誤って動作できないように、プロペラが再度動作する前に他のモードに手動でセットしなければならないシステムとなるだけである。ステップ605の後に、プログラムはステップ605aに移り、そこで、制御レバーが中立位置に移動されたか否かの決定がなされる。回答がはいの場合には、プログラムはステップ605bに移り、エンジンチェックモードが要求されたことを示し、クラッチ光55が点滅し、クラッチが解放されて、駆動がプロペラ14に供給されていないことをドライバに示す。ステップ605aにおいて制御レバーが中立でない場合には、プログラムはステップ605cに移り、ここでエンジンチェックLED47が点滅し、クラッチ光55も点滅する。クラッチ光はクラッチが開かれていることを示し、エンジンチェックLED47は何か別のことが生じる前に制御レバー28を移動させる必要があることをドライバに示す。ステップ605cはステップ605aに戻り、プログラムがステップ605bに移る前に制御レバーが実際に中立位置に移動されたことの表示を待つ。ステップ605bの後に、プログラムはステップ310に移り、特定のモード選択を待つ。
【0123】
ステップ604においてプロペラ停止が要求されなかった場合には、プログラムはステップ602に戻り、ここでワイド開スロットル状態が依然として存在しているか否かの決定が再度なされる。ワイド開スロットル状態が要求されていない場合には、プログラムはステップ606に移り、動力停止が要求されているか否かの決定がなされる。動力停止はボート操作者が制御レバー28を素早くフル後退位置に移動させるときに生じ、それによりプロペラ翼12のピッチが変更されてボートができる限り素早く減速するようにブレーキングを行うことを示す。再度説明すると、この決定はライン17上の電圧と、レバー28が完全に後退位置に移動される速度(dx/dt)とを単に監視することにより行うことができる。動力停止が要求されていない場合には、プログラムはステップ607に移り、ここでGPS速度システム35からのボート速度の決定がなされる。ステップ607では、ボート中の人数、海の状態およびこれらに類するものを含む、ボート上の負荷に基づいて、エンジン速度ピッチ位置に対するいくつかの動作曲線の内の適切なものを決定することができるので、負荷状態およびこれに類するものを考慮して最も望ましいと思われる動作曲線に基づいて特定の調整要因を選択することができる。
【0124】
図6Aおよび6Bは、ステップ607において適切な動作曲線がどのように選択されるかを示すグラフである。図6Aは特定の動力曲線P’に対する抵抗対ボート速度を示すグラフである。例えば、ボート速度Sが要求される位置に制御レバー28が移動された場合には、通常の適切な動力は動力曲線P’上のP0である。この動力曲線は、例えば、ボートが例えば2人で軽い負荷の場合に適用可能である。ボートがより重い負荷の場合には、特定の動力P0はボート速度Sを達成するためには十分ではなく、ボートが人によりさらに重い負荷がある事実を示す動力曲線P”のような別の曲線を考慮する必要がある。したがって、ボート速度Sに達するために必要な特定の動力はP1である。動作中の両経験に対する負荷または抵抗を考慮して、ボート速度Sを生み出すのにはどの適切な動力曲線が必要であるかをプログラムは学習することができる。例えば、ボートが動力P0で速度Sに達しない場合には、プログラムは、その速度に達するために、ボートへのより大きな抵抗または負荷に対して適用可能な他の動力曲線に移行する必要があることを決定する。
【0125】
適切な動力曲線が選択された後には、図6Bは、最も経済的な動作状態を提供して、要求された動力を生み出し、次に要求されたボート速度Sを生み出すために、特定のエンジントルクおよびエンジン速度をどのように選択するのかを示している。
【0126】
図6Bは分当たりの回転のエンジン速度に対するニュートンメートルでのトルクのグラフを示している。曲線Aはブレーキ特定燃料消費曲線であり、kWh当たりのグラムでの等しい燃料消費を与える。曲線BはkWでの等しい動力の曲線である。曲線Cはワイド開スロットルトルク曲線である。
【0127】
したがって、曲線Aに対して、各曲線のそれぞれにおける各点はkWh当たりの等しい燃料量を与える。最低の燃料消費は曲線A’(これは実質的に点である)であり、燃料消費は曲線A”、A’”で外側に向けて増加し、曲線A””は最高の消費である。したがって、曲線B’により与えられるような所望のエンジン動力に対して、T1N1、T2N2、T3N3およびT4N4により示されているような、多くの異なるトルクおよびエンジン速度が可能である。例えば動力B’に対して最高の燃料経済性を達成するために、最高の燃料消費のラインDと曲線B’との交点が選択されるべきである。したがって、これは最高の燃料経済性を与えるために要求されるエンジン速度を提供し、エンジン速度N4を維持するために、プロペラ14のピッチはルックアップテーブルから調整される。例えば、スロットルが移動されて、それにより、曲線B”によって与えられるような、より多くの動力が要求されていることを示す場合には、点A’では最低の燃料経済性を生み出すことはできない。その理由は、曲線B”は明らかにその点を通過しないからである。したがって、最も適切なエンジン速度とトルクは、トルクT5とエンジン速度N5により与えられるような、点A’に最も近いものである。再度説明すると、N5におけるエンジン速度を維持するために、ルックアップテーブルが適切なピッチセッティングを提供し、それにより、要求されている動力に対して最高の燃料経済性を与え、要求されたボート速度をもたらす。代わりに、プロペラ14のプロペラ翼12の適切なピッチは特定の動力要求に対する適切なルックアップテーブルから選択することができる。エンジンのスロットルを使用して最高の経済性に対して要求される速度、このケースではn5にエンジン速度を制御する。
【0128】
したがって、ステップ607はボートの抵抗または負荷を考慮して、要求されたボート速度に合うように、適切な動力曲線を選択できるようにする。動力曲線は特定の偏差係数により関連付けることができ、この特定の偏差係数を使用して、ボートの感知された負荷または抵抗に基づいて1つの動力曲線から他のもの変更される。これはただ1つの動力曲線を提供できるようにし、その動力曲線に対して、曲線B’、B”、B’”の1つにおいて図6Bの動力を選択するのに使用される負荷係数により、またはそれらの間の補間により調整をすることができる。
【0129】
ステップ608では、エンジン速度18はレバー28の位置、したがってライン19上の電圧を考慮して、上述したように適切な値を選択することによりセットされる。ピッチ位置はピッチ制御ユニット10中のルックアップテーブルから選択されて、そのエンジン速度を維持し、したがって要求されたエンジン動力を送出して要求されたボート速度をもたらす。先に着目したように、ステップ607では、ステップ607で選択された特定動作曲線に基づいて、特定の値を調整してもよい。したがって、制御レバーの移動はライン19上の電圧の変化となり、したがって、ライン11上での出力のためのルックアップテーブルからの適切な値の選択となり、レバー28の位置に基づいてエンジン速度18をセットすることになる。EDU22へのライン15上の出力と、DCモータ24へのライン17上の出力とにより、プロペラ12のピッチも調整されて、エンジン速度が維持され、翼12の位置が調整され、エンジン速度ができる限り低く維持される一方で、ボート操作者により要求されるボート速度が維持される。したがって、言い換えると、レバー28を移動させることにより、ボート操作者はボート速度およびエンジン速度を事実上セットし、プロペラのピッチは応答してその速度を提供する一方で、同時にステップ607で適切な動作曲線を選択することにより最大の経済性を提供する。
【0130】
ステップ609では、スイッチ27または29の1つの操作によりモード変更があったか否かについての決定がなされる。いいえの場合には、プログラムは610に移り、ここで制御レバー28が中立位置に移動されたか否かの決定がなされる。回答がいいえの場合には、プログラムはステップ608に戻り、レバー28の位置に基づいて、ステップ608において言及したエンジン速度パラメータが維持される。制御レバー28が中立位置に移動されていた場合には、図2のボタン32を押下することによりステップ611においてクラッチ無効コマンドが存在するか否かの決定をシステムは調べる。これはクラッチを閉状態にする一方で、例えば、ボタン32を押下されたままに保持するので、レバーは中立位置から出たり入ったり移動させることができて、ステップ608にプログラムが戻ることにより、クルーズモードにおいてボートを前進または後方にわずかに移動させることができる。これはボートが中立位置にあることを単に中止し、クラッチ20については解放し、それによりプロペラ14への駆動を完全に遮断し、ボートが再度動力のもとで移動できる前に再締結を必要とする。
【0131】
ステップ611において、クラッチボタン32の押下がない場合には、プログラムはステップ617に移り、クラッチ20を開き、その後ステップ310に移り、レバー28が中立位置に置かれた後にモード選択を待つ。
【0132】
ステップ609においてモード選択が変更された場合には、プログラムはステップ310に移り、新しいモードの選択を待つ。
【0133】
ステップ606において、動力停止状態が決定された場合には、プログラムはステップ612に移り、ここで、EDU22へのライン15上に信号を出力することにより、そしてEDU22からDCモータ24への信号を出力することにより、フル後退位置に位置を調整して、プロペラ翼12のピッチがフル後退位置にセットされ、ブレーキング効果をもたらす。同時に、動力停止が要求されるときに、ライン11上の出力は、GPS速度システム35により提供されるボート速度に基づいて適切な出力を達成するために、エンジン速度18を制御するようにセットされる。したがって、動力停止が要求され、ボートが非常に高速で移動している場合に、要求されるエンジン動力量は高く、エンジン速度は制御されて、例えば4000rpmの速度を提供して要求された動力を提供し、プロペラ14がフル後退ピッチにあるときに、ボート速度を減速する。しかしながら、ボートが例えばわずか15ノットで移動している場合には、要求されるエンジン動力の量はかなり少なく、エンジンは例えば2000rpmの速度に制御され、プロペラ14がフル後退ピッチであるとき、ボートの速度を減速する。したがって、選択されるエンジン動力は、GPSシステム35により提供される実際の対地ボート速度の関数である。
【0134】
さらに、エンジン速度は制御されて、レバーが前進位置から中立を通って後退位置に移動されるときに、プロペラ14のピッチが中立位置を通り過ぎる際に、確実に、エンジンが不必要に回転速度を上げすぎないようにする。エンジンがかなりの量の動力を作り出している場合には、回転が比較的低く、ボートが低速であっても、プロペラ14が中立ピッチ位置に移動するときに、エンジンは不必要に回転数を上げ、これはエンジンの回転数を不必要に上げすぎるだけでなく、ボートからの望ましくない応答も生じさせる。したがって、エンジンが回転数を上げすぎず、要求された動力量がエンジンにより送出されるように、ボート速度を考慮して、エンジン速度はボート速度の関数として制御されるので、エンジンが十分な出力を送出して、プロペラ14のピッチがフル後退位置にセットされるときに、動力停止モードのボートを急速に減速する。ステップ613では、緊急プロペラ停止ボタン43が押下されたか否かの決定がなされる。緊急プロペラ停止ボタン43の押下は、動力停止が要求されたことのみならず、ボート操作者が即座にプロペラ14を遮断しようとしていることを示す。はいの場合には、プログラムはステップ614に移り、ここでは、ステップ605a、605bおよび605cを参照して説明したのと同じステップが実行され、プロペラ14の回転を停止させる。プロペラ停止が要求されなかった場合には、プログラムはステップ615に移り、ここで、GPS速度システム35から供給されるボート速度が予め定められた最小値よりも低いか否か、または、制御レバー28が移動されたか否かについての表示が行われる。予め定められた最小値速度に達していた場合には、これは、ボート操作者により要求されたようにボートが減速されたことを示し、プログラムはステップ616を通してステップ602に戻る。ステップ616はレバー28による制御のための通常クルーズモードに戻し、ボート操作者の制御のもと、再度ボートを前進または後方に駆動させる。これはステップ602を通して、そして603ないし605に、あるいはステップ606ないし611に移るプログラムにより生じる。ボート速度が最小値に落ちておらず、レバー28がフル後方または後退位置から移動されている場合には、これはボート操作者が、最低速度に達する前に、再度前進方向にボートを加速したいことを示している。したがって、プログラムは再度ステップ616に移り、通常クルーズモードに戻し、そしてステップ602に移る。
【0135】
したがって、動力停止中に、ボートが予め定められた最低速度に達しておらず、そして何らかの理由のために、再度ボートを加速させることが好ましいことをボート操作者が決定した場合には、これは、ボートが予め定められた最低速度に達するのを最初に待つことなく、単にレバーを移動させることにより行うことができる。いったんレバーが移動されると、先に説明したように、ボートはクルーズモードで移動させることができる。ステップ615における回答がいいえの場合には、プログラムは単にステップ612に移り、動力停止状態が継続する。
【0136】
代替実施形態では、クルーズモードに戻る前にボート速度が最低速度に達することに基づくのではなく、システムが動力停止モードにある時間量が測定され、例えば、3秒の予め定められた時間制限後に、プログラムはステップ615からステップ616に移り、通常クルーズモードに戻す。したがって、クルーズモードに戻すために、ボート速度またはレバー位置を監視するのではなく、経過時間とレバー位置が監視され、予め定められた時間期間が経過した場合、または操作者がレバー位置を変更した場合には、システムはステップ616に移り、システムを通常クルーズモードに戻す。
【0137】
動力停止モード中、動力停止モードを起こさせるためにレバーが素早く引き戻されるとすぐに、いつでも連続的なエンジン動力が利用可能である。しかしながら、さらに好ましい実施形態では、動力停止モードが認識されるとすぐであり、これは先に説明したように、レバーの急速な移動により引き起こされる。プロペラ翼のピッチが反対または後退位置に調整されるような時間まで動力を遮断させることができ、その後動力が利用される。したがって、エンジン回転はアイドルに落ちるが、翼が後退または反対ピッチ位置になるとすぐに増加させることができる。したがって、これはわずかに早い停止をもたらす。その理由は、ピッチプロペラ翼が前進移動をもたらす位置から後退または反対位置に移行する間に、動力が即座に中断され、翼の反対または後退位置に達したときのみ動力が再度利用されるからである。
【0138】
図4において、システムがステップ410に移り、操縦モードが要求されていることを示した場合には、ボートは図7に示されているような操縦モード状態に移る。図7は、初期スタートアップ後にシステムが図3のステップ311からステップ410に移るとき、そしてエンジン速度が800rpmより下に落ちるときに、どの様に操縦モードが実現されるかも示している。
【0139】
図7を参照すると、ステップ700では、エンジン速度が分当たり800回転より低いか否かについての決定がなされる。いいえの場合には、プログラムは循環して戻って継続し、エンジン速度がこの速度まで落ちて、最初に高いrpm値のエンジン速度で操縦モードが生じることを防ぐまで、このチェックを行う。エンジン速度が分当たり800回転より落ちた場合には、プログラムはステップ701に移る。ステップ701では、既に締結されていなければクラッチ20が締結される。ステップ702では、ライン11上の信号により、エンジン速度が高いアイドル速度、例えば1500rpmにセットされる。これはエンジンが比較的低い動力をプロペラ14に送出できるようにする。ステップ703では、ボタン27またはボタン29を押下することにより、モードが変更されたか否かのチェックがなされる。モードが変更されている場合には、プログラムはステップ310に移って図4に戻り、選択された特定のモードのもとで制御する。モードの変更がない場合には、プログラムはステップ704に移り、プロペラ停止ボタン43が押下されたか否かの決定がなされる。プロペラ停止ボタン43が押下されている場合には、プログラムはステップ705に移り、これはステップ605および614を参照して説明したのと同じステップを再度実現する。その後、プログラムはステップ310に移り、モード選択を待つ。プロペラ停止が選択されない場合には、プログラムはステップ704から706に移り、制御レバーが中立位置にあるか否かの決定を行う。いいえの場合には、プログラムはステップ702に戻る。はいの場合には、プログラムはステップ707に移る。ステップ707では、制御レバーが10秒より長く中立位置にあるか否かの決定がなされる。制御レバーが10秒より長く中立位置になく、船を操縦するために制御レバーが移動された事実を示す場合には、プログラムはステップ706に戻り、レバーが10秒より長く中立位置のままであるような時間までこの循環は継続する。レバーが10秒より長く中立位置のままであるという事実は、2つの可能性を示す。第1の可能性は、ボートが事実上停泊しており、第2に、ボートは操縦モードである必要があるが、障害物が取り除かれるまでか、または操縦を続けるためにボートが障害のない経路を持つまで、動かないままである場合である。ステップ707における決定が肯定で回答された場合には、プログラムはステップ708に移り、ここでは、クラッチ光55を点滅させ、ビープ音のような可聴音を発生させて、ボートが依然として中立状態にある事実を操作者にアラート警告することができる。これは、操作者がレバーを中立にして誤ってボートを操縦モードのままにするが、プロペラが依然としてクラッチによりモータに接続されているケースにおいて、単に操作者にアラート警告する。レバーが中立のままであるという事実が故意の場合には、ドライバが次の動作コマンドを提供するまで、ビープ音鳴らすことまたはクラッチ光55を点滅させることが単に継続する。ステップ709では、クラッチ20を解放するためにクラッチ解放ボタン32が押下されたか否かの決定がなされる。回答がはいの場合には、プログラムはステップ701に移り、クラッチが解放され、エンジン速度がアイドルにセットされる。その後、プログラムはステップ310に移り、特定の動作モードを選択する入力を待つか、あるいは単にシステムを遮断できるのを待つ。クラッチボタン32が押下されない場合には、プログラムはステップ702に戻り、上述したように継続する。
【0140】
したがって、プロペラが締結されていて制御システムが中立モードのままであるので、これが誤ってなされている場合には、必要ならばクラッチ20を開くことができる事実が操作者にアラート警告される。遅延が単に、操縦を継続する前に障害のない経路を操作者が待つ必要があるためである場合には、クラッチは自動的に解放されない。これは、操作者が操縦モード中にクラッチを継続的に再締結させる必要がなく、ステップ702ないし707にしたがって、制御レバーが中立位置から移動されるとすぐに操縦モードが継続することを意味する。
【0141】
ステップ706において、制御レバーが中立でないとの回答の場合には、プログラムはステップ702に戻る。
【0142】
ステップ702では、クルーズモードのときに使用できる利用可能な最大エンジン速度よりも低くなるように、クルーズモードのとき利用可能なエンジン速度が制限される。エンジン速度の制限は、微妙な調整が要求され、エンジン速度の変化の可能性があるプロペラのピッチ調整の影響下で主に操縦が行われるとき、クルーズモードにおいてフルエンジン速度が確実に利用可能でないようにする。
【0143】
エンジン速度の制限は2つの方法で達成することができる。第1の実施形態では、エンジン速度は約1500rpmの高いアイドル速度のような、予め定められた速度に固定される。システムが2:1のトランスミッション比を使用していることを仮定すると、これは750rpmのプロペラシャフト速度およびプロペラ回転速度となる。第2の実施形態では、操縦モードにおいてエンジン速度の何らかの調整が利用可能であるが、エンジン速度の量は最大エンジン速度よりも低く制限され、一般的に最大エンジン速度の約30%のエンジン速度に制限され、これは通常のフル開スロットル動力の約30%を提供する。
【0144】
したがって、ステップ702では、制御レバー28を移動することにより、プロペラ翼12のピッチが調整されるが、エンジン速度は上述したように制限される。したがって、操縦モードでは、制御ユニット10にプロペラ翼12のピッチを変更させることにより、制御レバー28はボート速度を変化させるが、エンジン速度は一定に維持され、あるいは制御ユニット10により比較的少しの量だけ変化される。一方、クルーズモードでは、制御ユニット10にエンジン動力(これは最大エンジン速度により提供されるかもしれない)とプロペラ翼12のピッチとの組み合わせをセットさせることにより、レバー28の移動がボート速度を変化させる。したがって、クルーズモードでは単一のレバー28が使用されて、エンジン動力とプロペラピッチを変化させ、したがってボート速度を変化させる一方で、操縦モードでは、制御レバー28はプロペラ翼12のピッチを変化させるが、エンジン速度は制限される。
【0145】
操縦モードにおける制御レバー28の移動は、エンジン速度を変更できるようにすることが望まれている場合に、レバーのフル動作範囲を通して、フル開スロットルの最大で30%までだけが達成できることになる。さらに、操縦モードでは、ピッチ調整量もクルーズモードのときに利用可能であるものよりもわずかに少ない。したがって、再度説明すると、フルスロットル移動は、例えばクルーズモードのときに利用可能であるピッチ変化量の70%までのピッチ変化のみとなる。
【0146】
図8はエンジンを遮断することが望まれているときにエンジンを停止させることを示すフロー図である。ステップ801では、イグニッション39がオフに切り替えられたか否かの決定がなされる。ステップ802では、ピッチチェックモードを示す発光ダイオード45がオンに切り替えられる。プロペラ翼12のピッチがデフォルトピッチ位置に調整される。これは、ボートがオフに切り替えられていた間に何らかの理由で、プロペラのピッチの移動がないことを仮定すると、エンジンが次に始動されるとき基準ピッチ位置にプロペラ翼のピッチを位置付けるのを容易にする。ピッチの移動は整備が実行されたり、またはこれに類する場合に起こりうる。しかしながら、多くの例では、エンジンが停止した後にプロペラ翼の位置の変化はなく、したがって、プロペラ翼のピッチは基準ピッチ位置の近くにセットされ、エンジン始動時にピッチの初期較正および位置付けをかなり容易にし、調整ができない場合には前向きのピッチをもたらす。したがって、ボートが停止し、ボートが再度始動されるときに何らかの理由のためにピッチを変更することができない場合には、前向きのピッチである基準位置に移動されているプロペラは、少なくともボートをホームに戻すことができる駆動を提供することができる。ステップ804では、モータ制御装置22はオフに切り替えられ、ステップ805では、イグニッション39が実際にオフであるか否かを決定する別のチェックがなされる。イグニッションがオフである場合には、ルーチンはステップ804に循環して戻るだけであり、制御ユニット22をオフ状態のままにする。イグニッション(ディーゼルエンジンのケースでは燃料)がオフに切り替えられているので、エンジンも停止している。イグニッションが実際はオフにされておらず、初期オフ信号が、スパイクまたは他の短い期間の電力喪失のためであった場合には、ステップ806においてシステムは自らリセットする。
【0147】
(示されていない)本発明のさらに別の実施形態では、システムはセット速度クルーズ制御モードを含み、ボートはセット速度クルーズ制御に置くことができるので、ドライバにより無効にされるまで、クルーズ制御モードによりセットされた予め定められた対地速度でボートは移動し続ける。セット速度クルーズ制御モードでは、制御装置10により一定速度を維持するためにボートの速度はGPSシステム35により監視され、予め定められたピッチにプロペラのピッチを調整し、そしてエンジン動力を調整して、セットされた予め定められた速度に維持する。
【0148】
先に説明した実施形態では、実際の船の対地速度が必要なときは、これは、先に説明したようにGPSシステムからの、または他の何らかの適切な速度感知または測定デバイスからのデータを使用することにより得られる。しかしながら、代替実施形態では、船速度はルックアップテーブルから提供することができる。ルックアップテーブルは、所定のプロペラ回転速度およびピッチ量に対して多数の速度値を提供することができる。先に言及したように、プロペラ速度はエンジン速度の関数であり、通常2:1であるシステム中のトランスミッション比に依存する。したがって、プロペラ速度はこの例では単にエンジンrpmを半分にすることにより与えることができる。提供されるピッチ量も先に言及したホールデバイスセンサ30により測定される。したがって、ピッチ量とプロペラ回転速度を決定して、適切な速度値をルックアップテーブルから選択することができる。速度値は、多数の異なる方法で、所定のプロペラ速度とピッチ量に対して近似してもよい。1つの方法は以下の式を使用して、所定のピッチとプロペラ速度値に対してさまざまな速度の近似を提供することである。
【0149】
速度=ピッチ×プロペラ速度−スリップ
スリップは特定のプロペラ設計と一般的に関係している既知の量であり、使用されているプロペラに基づいて決定するまたは知ることができる。プロペラのスリップの一般的な量は速度値の25%のオーダであり、速度値は単にピッチ量にプロペラ速度を乗算することにより得られる。この値に対して、速度値は3/4により割られたプロペラ速度により乗算されたピッチ量に等しいと考えることができる。スリップに対する他の値が必要な場合には、プロペラ速度により乗算されたピッチがプロペラ14のスリップ量だけ単に減らされる。好ましい実施形態では、所望の動作特性はピッチ量を一定に維持し、エンジン速度を変化させて要求された動作特性を得ることである。エンジン速度の増加または減少により特性を得ることができない場合には、ピッチが変更され、エンジン速度がそれにしたがって調整され、船の要求された速度が提供される。
【0150】
特許請求の範囲および本発明の先の説明では、明確な言葉または必然的な含みのために状況が要求する場合を除いて、用語「具備する」、または「備える」、「含む」などのようなバリエーションは含む意味で使用されており、すなわち、述べられた特徴の存在を指定するが、本発明のさまざまな実施形態において他の特徴の存在または追加を排除するものではない。
【0151】
本発明の精神および範囲内の修正は当業者により容易になし得るものであり、この発明は上記に例により説明した特定の実施形態に制限されるものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】図1は航海用プロペラのピッチを制御する制御システムの概略図である。
【図1A】図1Aは図1で説明されているシステムの全体的な動作を図示する図である。
【図2】図2は制御パネルを図示している図であり、この制御パネルとともに本発明のシステムおよび方法が使用される。
【図3】図3は好ましい実施形態にしたがった制御システムおよび方法の開始動作を示しているフローチャートである。
【図4】図4は本発明の好ましい実施形態にしたがったシステム動作モード選択を示しているフローチャートである。
【図5】図5は本発明の好ましい実施形態にしたがったエンジンチェックおよびピッチチェックルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図6は本発明の好ましい実施形態にしたがったクルーズモードルーチンを示すフローチャートである。
【図6A】図6Aは図6のフローチャートにしたがったプロセスの一部の動作を示す図である。
【図6B】図6Bは図6のフローチャートにしたがったプロセスの一部の動作を示す図である。
【図7】図7は本発明の好ましい実施形態にしたがった操縦モードルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図8はエンジン遮断を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船の前進の速度を変更できるようにエンジン速度とプロペラのピッチが調整され、エンジン速度が最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供するステップと、
最大エンジン速度よりも低い予め定められた制限内にエンジン速度を維持しながら、航海用プロペラのピッチが調整される操縦モードを提供するステップと、
駆動をプロペラに供給することなく、エンジンの回転速度を上げることができるエンジンチェックモードを提供するステップと、
プロペラを回転させることなく、プロペラのピッチを調整することができるピッチチェックモードを提供するステップとを含む方法。
【請求項2】
方法は、操縦モード、クルーズモード、エンジンチェックモードまたはピッチチェックモードを選択する1以上のセレクタと、操縦モードにおいて、エンジン速度を制限しながら、駆動アクチュエータの移動がプロペラのピッチを変化させ、クルーズモードにおいて、駆動アクチュエータの移動がエンジン速度とプロペラのピッチを変化させるように、末端の位置間で移動する駆動アクチュエータとを提供することを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持する請求項1記載の方法。
【請求項4】
操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することを含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%である請求項1記載の方法。
【請求項6】
方法は、操縦モードとクルーズモードとの間でモードが変更される場合に、操縦モードとクルーズモードとの間の変更の時間における駆動アクチュエータの位置による船からの望ましくない応答を防ぐためにスムーズ移行が生じるように移行モードルーチンを提供することを含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
方法は、クルーズモードのときに、船の操作者により要求されるワイド開スロットル状態と、最高の燃料効率を達成するように、エンジン速度または船速度が駆動アクチュエータの位置にしたがって調整される通常クルーズ状態と、船の前進移動から船の停止状態までの移行中、または船が再度前進するように制御されるまで、利用可能なエンジン動力で、プロペラのピッチがフル後退位置に調整される動力停止状態とを決定するサブルーチンを提供することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
方法は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することを含む請求項7記載の方法。
【請求項9】
方法は、動力停止ルーチン中のときに、船速度を監視することを含む請求項1記載の方法。
【請求項10】
特定のピッチ量およびプロペラ速度に対して適切な速度値が提供されるように、速度がルックアップテーブルにより提示される請求項9記載の方法。
【請求項11】
船速度値は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似される請求項10記載の方法。
【請求項12】
船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
(a)船が巡航できるようにエンジン速度とプロペラのピッチが調整され、エンジン速度が最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供し、
(b)最大エンジン速度よりも低い予め定められた制限内にエンジン速度を維持しながら、航海用プロペラのピッチが調整される操縦モードを提供し、
(c)駆動をプロペラに供給することなく、エンジンの回転速度を上げることができるエンジンチェックモードを提供し、
(d)プロペラを回転させることなく、プロペラのピッチを調整することができるピッチチェックモードを提供する制御装置を具備するシステム。
【請求項13】
システムは、操縦モード、クルーズモード、エンジンチェックモードまたはピッチチェックモードを選択する1以上のセレクタと、操縦モードにおいて、エンジン速度をほぼ一定に維持しながら、駆動アクチュエータの移動がプロペラのピッチを変化させ、クルーズモードにおいて、駆動アクチュエータの移動がエンジン速度とプロペラのピッチを変化させるように、末端の位置間で移動する駆動アクチュエータとを提供することを含む請求項11記載のシステム。
【請求項14】
制御装置は、操縦モードとクルーズモードとの間でモードが変更される場合に、操縦モードとクルーズモードとの間の変更の時間における駆動アクチュエータの位置によるボートからの望ましくない応答を防ぐためにスムーズ移行が生じるように移行モードルーチンを提供もする請求項12または13記載のシステム。
【請求項15】
制御装置は、クルーズモードのときに、船の操作者により要求されるワイド開スロットル状態と、船速度が制御レバーの位置にしたがって調整される通常クルーズ状態と、船の前進移動から船の停止状態までの移行中、または船が再度前進するように制御されるまで、利用可能なエンジン動力で、プロペラのピッチがフル後退位置に調整される動力停止状態とを決定するサブルーチンを提供もする請求項12記載のシステム。
【請求項16】
制御装置は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持する請求項15記載のシステム。
【請求項17】
システムは、動力停止ルーチン中のときに、船速度を監視する速度センサを具備し、制御装置は予め定められた速度に到達するまで動力停止を維持する請求項12記載のシステム。
【請求項18】
制御装置は予め定められた速度に到達するまで動力停止を維持し、特定のピッチ量およびプロペラ速度に対して適切な速度値が提供されるように、速度がルックアップテーブルにより提示される請求項17記載のシステム。
【請求項19】
船速度値は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似される請求項18記載のシステム。
【請求項20】
エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
船の船操作者による手動移動のための駆動アクチュエータと、
エンジン動力と航海用プロペラのピッチを制御する制御装置と、
船に対するクルーズモードまたは操縦モードを選択するモードセレクタとを具備し、
制御装置は、モードセレクタからの制御信号と駆動アクチュエータからの制御信号を受け取りもし、船を操縦モードに置くようにモードセレクタが作動されるとき、制御装置は最大エンジン速度より低い予め定められた値内にエンジンrpm速度を制限し、船操作者による駆動アクチュエータの手動移動にしたがってプロペラ翼のピッチを制御して船速度を変更し、モードセレクタがクルーズモード中のとき、制御装置は船操作者による駆動アクチュエータの移動にしたがって最大エンジン速度までのエンジン動力とプロペラピッチとをセットして船速度を変更するシステム。
【請求項21】
制御装置は操縦モード中のときに前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持する請求項20記載のシステム。
【請求項22】
制御装置は操縦モード中のときにプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整する請求項20記載のシステム。
【請求項23】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%である請求項20記載のシステム。
【請求項24】
制御装置は、駆動アクチュエータの手動調整された位置に基づいて、ルックアップテーブルから、エンジンに供給する出力を選択することにより、エンジン動力を制御するピッチ制御ユニットと、ピッチ制御ユニットから出力を受け取ってプロペラのピッチを調整するピッチモータ制御装置とを備える請求項20記載のシステム。
【請求項25】
システムはプロペラのピッチを調整するピッチ制御モータを具備し、ピッチモータ制御装置は出力信号をピッチ制御モータに供給してピッチ制御モータを作動させ、プロペラを所望のピッチに調整する請求項20記載のシステム。
【請求項26】
システムはプロペラ翼のピッチの測定値を提供するセンサを具備し、ピッチ制御ユニットにプロペラのピッチを示す信号が供給されるように、センサはピッチ制御ユニットに結合されている請求項21記載のシステム。
【請求項27】
船は、選択的にエンジンからプロペラへの動力を切断し、または動力をエンジンからプロペラに供給できるようにするクラッチと、クラッチに接続されたクラッチアクチュエータとを含み、ピッチ制御ユニットは制御信号をアクチュエータに供給して、クラッチを開くまたは閉じる請求項20記載のシステム。
【請求項28】
システムは、クラッチが開位置または閉位置かを示す信号を提供するクラッチ位置監視センサを具備し、センサはピッチ制御ユニットに接続されている請求項27記載のシステム。
【請求項29】
エンジンはエンジン速度を感知するrpmセンサを備え、rpmセンサはピッチ制御ユニットに接続されている請求項25記載のシステム。
【請求項30】
船の速度を示す信号をピッチ制御ユニットに供給する速度測定デバイスが設けられて、ピッチ制御ユニットに接続されている請求項29記載のシステム。
【請求項31】
制御装置は、特定のピッチ量およびプロペラ回転速度に対して適切な速度値が提供されるように、ルックアップテーブルから船速度を決定する請求項20記載のシステム。
【請求項32】
船速度値は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似される請求項31記載のシステム。
【請求項33】
速度測定デバイスはGPS速度測定システムである請求項30記載のシステム。
【請求項34】
モードセレクタは、船を操縦モードまたはクルーズモードに選択的に置く少なくとも1つのスイッチを備える請求項20記載のシステム。
【請求項35】
船をピッチチェックモードまたはエンジンチェックモードに置くための第2のスイッチが設けられている請求項34記載のシステム。
【請求項36】
スイッチは、クルーズモードと操縦モードとの間、ピッチチェックモードとエンジンチェックモードとの間でモードをトグル切り替えすることにより、システムをクルーズモードまたは操縦モード、およびピッチチェックモードまたはエンジンチェックモードに置くための瞬間接触スイッチである請求項35記載のシステム。
【請求項37】
システムは、動力がエンジンからプロペラに伝えられるようにクラッチを閉位置に維持するために、クラッチを開こうとする場合にピッチ制御ユニットを無効にできるように、船操作者により作動されるクラッチ締結アクチュエータを具備する請求項20記載のシステム。
【請求項38】
システムは、船操作者による作動でプロペラの緊急停止を実行するプロペラ停止エレメントを具備し、プロペラ停止エレメントの作動時に、ピッチ制御ユニットが、エンジン速度を減少させ、エンジンからプロペラへの回転動力を遮断するためにクラッチを開き、プロペラの位置を中立位置に調整するように、プロペラ停止エレメントがピッチ制御ユニットに接続されている請求項20記載のシステム。
【請求項39】
ピッチ制御ユニットは、ピッチチェック−エンジンチェックモードスイッチが作動されときに、駆動がエンジンからプロペラに供給されないようにクラッチを開かせ、ピッチ制御ユニットは、エンジンチェックモード位置では、信号をエンジンに出力し、船操作者により制御された駆動アクチュエータの位置にしたがってエンジンの回転速度を上げさせ、ピッチチェックモード位置では、信号をピッチモータ制御装置にそしてピッチモータに出力させて、駆動アクチュエータの移動に基づいてプロペラのピッチを調整する請求項21記載のシステム。
【請求項40】
ピッチ制御ユニットは、駆動アクチュエータの位置に基づいてピッチモータ制御装置に出力する値のルックアップテーブルを備え、それにより、ピッチモータを制御してプロペラのピッチを駆動アクチュエータの位置に基づいた位置に調整するために、ピッチモータ制御装置に供給する適切な値が選択される請求項39記載のシステム。
【請求項41】
駆動アクチュエータはフル前進位置とフル後退位置との間で移動可能な制御レバーである請求項20記載のシステム。
【請求項42】
エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
プロペラの回転により船を駆動するエンジン動力が増加または減少され、プロペラのピッチが調整されて要求された船速度を達成するように、エンジン動力とプロペラピッチ位置が駆動アクチュエータの手動操作により調整され、エンジン速度は最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供するステップと、
エンジン速度が最大エンジン速度よりも低く制限され、プロペラピッチが船操作者のよる駆動アクチュエータの手動制御により調整されて、船の速度を変化させるプロペラのピッチ制御によりボートが操縦できる操縦モードを提供するステップと、
モードがクルーズモードから操縦モードに、または操縦モードからクルーズモードに変更されるときに、手動制御される駆動アクチュエータの位置が船に望ましくない方法で応答させるような位置である場合に、モード間で変更されるときに、エンジン速度とプロペラピッチが望ましくない方法で変更されないように、移行モードを提供するステップとを含む方法。
【請求項43】
クルーズモードのときに船速度を変更し、操縦モードのときにプロペラピッチを変更する単一駆動アクチュエータが提供される請求項42記載の方法。
【請求項44】
移行モードは駆動アクチュエータ位置が予め定められた制限を超えるか否かを決定し、予め定められたエンジン速度をセットし、船速度に基づいてプロペラのピッチを調整する請求項42記載の方法。
【請求項45】
移行モードは、操縦モードで船が動作することを防ぐことをさらに含み、エンジン速度およびプロペラのピッチと合う位置に船操作者により駆動アクチュエータが手動で調整されたときに、その後の駆動アクチュエータの継続した移動は駆動アクチュエータの移動により船操作者が船をクルーズモードで駆動できるようにする請求項42記載の方法。
【請求項46】
操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持する請求項42記載の方法。
【請求項47】
操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することを含む請求項42記載の方法。
【請求項48】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%である請求項42記載の方法。
【請求項49】
エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
(a)プロペラの回転により船を駆動するエンジン動力が最大および最小のエンジン速度間で増加または減少され、プロペラのピッチが調整されて要求された船速度を達成するように、エンジン動力とプロペラピッチが駆動アクチュエータの手動操作により調整されるクルーズモードを提供し、
(b)エンジン速度が最大エンジン速度よりも低い制限速度に制限され、プロペラピッチが船操作者のよる駆動エレメントの手動制御により調整されて、船の速度を変化させるプロペラのピッチ制御によりボートが操縦できる操縦モードを提供し、
(c)モードがクルーズモードから操縦モードに、または操縦モードからクルーズモードに変更されるときに、手動制御される駆動アクチュエータの位置がモードの変更時にボートが望ましくない方法で応答しないような位置である場合に、モード間で変更されるときに、エンジン速度とプロペラピッチが望ましくない方法で変更されないように、移行モードを提供する制御装置を具備するシステム。
【請求項50】
制御装置は操縦モード中のときに前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持する請求項49記載のシステム。
【請求項51】
制御装置は操縦モード中のときにプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整する請求項49記載のシステム。
【請求項52】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%である請求項49記載のシステム。
【請求項53】
クルーズモードのときに船速度を変更し、操縦モードのときにプロペラピッチを変更する単一駆動アクチュエータが設けられる請求項49記載のシステム。
【請求項54】
移行モードは駆動アクチュエータ位置が予め定められた制限を超えるか否かを決定し、予め定められたエンジン速度をセットし、船速度に基づいてプロペラのピッチを調整する請求項49記載のシステム。
【請求項55】
制御装置は、さらに、移行モード中のとき、エンジン速度およびプロペラのピッチと合う位置に船操作者が駆動アクチュエータを移動させるときまで、船がクルーズモードで動作することを防ぐ請求項49記載のシステム。
【請求項56】
制御装置は、さらに、船速度を監視し、操縦モードからクルーズモードに移行するときに、その船速度を維持するようにプロペラのピッチを制御しながら、エンジン速度の関数としてエンジン動力をセットする請求項49記載のシステム。
【請求項57】
制御装置は、さらに、船速度を監視し、クルーズモードから操縦モードに移行するときに、エンジン速度を予め定められた速度にセットし、プロペラピッチを船速度に基づくピッチにセットする請求項54記載のシステム。
【請求項58】
エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船が前進しているときに船の速度を急激に減少させる動力停止モードを提供するステップと、
船の前進移動から船の減少前進速度への移行中に利用可能なエンジン動力でフル後退位置にプロペラのピッチを調整するステップとを含む方法。
【請求項59】
方法は、船が停止するまで、または船が船操作者により制御されるまで、利用可能な連続的なエンジン動力を維持することを含む請求項58記載の方法。
【請求項60】
方法は、駆動アクチュエータの移動の速度を監視することにより動力停止要求を決定し、プロペラをフル後退ピッチ位置に置くことを含む請求項58記載の方法。
【請求項61】
方法は、船速度を監視し、船が予め定められた速度に到達するまで、動力停止モード以外でボートを動作させるように作動デバイスを移動させることにより船が操作者により制御されるまで、船を動力停止モードに維持することを含む請求項58記載の方法。
【請求項62】
方法は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することを含む請求項58記載の方法。
【請求項63】
操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持する請求項58記載の方法。
【請求項64】
操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することを含む請求項58記載の方法。
【請求項65】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%である請求項58記載の方法。
【請求項66】
エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
前進位置から後退位置に移動可能な駆動アクチュエータと、
プロペラのピッチを調整して、ピッチをフル後退位置に置く制御装置とを具備し、
制御装置は、アクチュエータの移動を監視することにより動力停止に対する要求を決定し、動力停止を決定したとき、船の前進移動から船の減少速度への移行中に利用可能なエンジン動力でフル後退位置にプロペラのピッチを調整するシステム。
【請求項67】
制御装置は、船が停止するまで、またはアクチュエータが船操作者により移動させるまで、連続的なエンジン動力を維持する請求項66記載のシステム。
【請求項68】
制御装置は、フル後退位置へのアクチュエータの移動の速度を監視することにより動力停止に対する要求を決定する請求項66記載のシステム。
【請求項69】
駆動アクチュエータは制御レバーを備えている請求項66記載のシステム。
【請求項70】
システムは、船の速度を示す信号を提供する速度センサを具備し、制御装置は、予め定められた船速度に到達するまで、または動力停止モード以外で船を動作させるように駆動アクチュエータが操作者により作動されるまで、船を動力停止モードに維持する請求項66記載のシステム。
【請求項71】
動力停止モードは船が予め定められた速度に到達するまで維持され、特定のピッチ量およびプロペラ回転速度に対して適切な速度値が提供されるように、船速度がルックアップテーブルにより提示される請求項70記載のシステム。
【請求項72】
船速度値は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似される請求項71記載のシステム。
【請求項73】
エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船の速度の表示を提供することと、
以下のグループのパラメータ:プロペラピッチおよび船の動作モード、から選択された1以上の任意のパラメータに基づいてエンジン動力を制御するために船の速度を使用することとを含む方法。
【請求項74】
動作モードは、一定速度に船速度を維持することが望まれ、エンジン動力がその一定速度を維持するように調整されるセットクルーズ制御モードである請求項73記載の方法。
【請求項75】
動作モードは、最低船速度が生じるまで、操作者制御により無効とされない限り、動力停止モードを継続するように、船速度が予め定められた最低速度に落ちるときを決定するのに船速度が使用される動力停止モードを含む請求項73記載の方法。
【請求項76】
エンジン速度は、特定のエンジン動力が船の速度に基づいて選択されるように、動力停止の開始時にエンジン動力をセットするのにも使用される請求項75記載の方法。
【請求項77】
動作モードは、クルーズモードと操縦モードとの間で船の動作モードが変更されるときに実行される移行モードを含み、エンジン動力は、クルーズモードと操縦モードとの間のスムーズな移行をもたらすように、クルーズモードと操縦モードとの間の移行中にボート速度に基づいて選択される請求項73記載の方法。
【請求項78】
船速度は、クルーズモードから操縦モードへと操縦モードからクルーズモードへの両方の移行時に、スムーズな移行をもたらすように使用される請求項73記載の方法。
【請求項79】
特定のピッチ量およびプロペラ回転速度に対して適切な速度値が提供されるように、船速度がルックアップテーブルにより提示される請求項78記載の方法。
【請求項80】
船速度値は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似される請求項79記載の方法。
【請求項81】
エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
船の速度を示す出力を提供する速度手段と、
以下のグループのパラメータ:プロペラピッチおよび船の動作モード、から選択された1以上の任意のパラメータに基づいてエンジン動力を制御するために出力を使用する制御装置とを具備するシステム。
【請求項82】
動作モードは、制御装置が一定速度に船速度を維持し、エンジン動力がその一定速度を維持するように調整されるセットクルーズ制御モードである請求項81記載のシステム。
【請求項83】
動作モードは、最低船速度が生じるまで、操作者制御により無効とされない限り、動力停止モードを継続するように、船速度が予め定められた最低速度に落ちるときを決定するのに出力が使用される動力停止モードを含む請求項81記載のシステム。
【請求項84】
システムは、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することを含む請求項81記載のシステム。
【請求項85】
エンジン速度は、特定のエンジン動力が船の速度を示す出力に基づいて選択されるように、動力停止の開始時にエンジン動力をセットするのにも使用される請求項83記載の方法。
【請求項86】
動作モードは、クルーズモードと操縦モードとの間で船の動作モードが変更されるときに実行される移行モードを含み、エンジン動力は、クルーズモードと操縦モードとの間のスムーズな移行をもたらすように、クルーズモードと操縦モードとの間の移行中に出力に基づいて選択される請求項81記載の方法。
【請求項87】
出力は、クルーズモードから操縦モードへと操縦モードからクルーズモードへの両方の移行時に、スムーズな移行をもたらすように制御装置により使用される請求項86記載の方法。
【請求項1】
船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船の前進の速度を変更できるようにエンジン速度とプロペラのピッチが調整され、エンジン速度が最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供するステップと、
最大エンジン速度よりも低い予め定められた制限内にエンジン速度を維持しながら、航海用プロペラのピッチが調整される操縦モードを提供するステップと、
駆動をプロペラに供給することなく、エンジンの回転速度を上げることができるエンジンチェックモードを提供するステップと、
プロペラを回転させることなく、プロペラのピッチを調整することができるピッチチェックモードを提供するステップとを含む方法。
【請求項2】
方法は、操縦モード、クルーズモード、エンジンチェックモードまたはピッチチェックモードを選択する1以上のセレクタと、操縦モードにおいて、エンジン速度を制限しながら、駆動アクチュエータの移動がプロペラのピッチを変化させ、クルーズモードにおいて、駆動アクチュエータの移動がエンジン速度とプロペラのピッチを変化させるように、末端の位置間で移動する駆動アクチュエータとを提供することを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持する請求項1記載の方法。
【請求項4】
操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することを含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%である請求項1記載の方法。
【請求項6】
方法は、操縦モードとクルーズモードとの間でモードが変更される場合に、操縦モードとクルーズモードとの間の変更の時間における駆動アクチュエータの位置による船からの望ましくない応答を防ぐためにスムーズ移行が生じるように移行モードルーチンを提供することを含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
方法は、クルーズモードのときに、船の操作者により要求されるワイド開スロットル状態と、最高の燃料効率を達成するように、エンジン速度または船速度が駆動アクチュエータの位置にしたがって調整される通常クルーズ状態と、船の前進移動から船の停止状態までの移行中、または船が再度前進するように制御されるまで、利用可能なエンジン動力で、プロペラのピッチがフル後退位置に調整される動力停止状態とを決定するサブルーチンを提供することをさらに含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
方法は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することを含む請求項7記載の方法。
【請求項9】
方法は、動力停止ルーチン中のときに、船速度を監視することを含む請求項1記載の方法。
【請求項10】
特定のピッチ量およびプロペラ速度に対して適切な速度値が提供されるように、速度がルックアップテーブルにより提示される請求項9記載の方法。
【請求項11】
船速度値は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似される請求項10記載の方法。
【請求項12】
船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
(a)船が巡航できるようにエンジン速度とプロペラのピッチが調整され、エンジン速度が最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供し、
(b)最大エンジン速度よりも低い予め定められた制限内にエンジン速度を維持しながら、航海用プロペラのピッチが調整される操縦モードを提供し、
(c)駆動をプロペラに供給することなく、エンジンの回転速度を上げることができるエンジンチェックモードを提供し、
(d)プロペラを回転させることなく、プロペラのピッチを調整することができるピッチチェックモードを提供する制御装置を具備するシステム。
【請求項13】
システムは、操縦モード、クルーズモード、エンジンチェックモードまたはピッチチェックモードを選択する1以上のセレクタと、操縦モードにおいて、エンジン速度をほぼ一定に維持しながら、駆動アクチュエータの移動がプロペラのピッチを変化させ、クルーズモードにおいて、駆動アクチュエータの移動がエンジン速度とプロペラのピッチを変化させるように、末端の位置間で移動する駆動アクチュエータとを提供することを含む請求項11記載のシステム。
【請求項14】
制御装置は、操縦モードとクルーズモードとの間でモードが変更される場合に、操縦モードとクルーズモードとの間の変更の時間における駆動アクチュエータの位置によるボートからの望ましくない応答を防ぐためにスムーズ移行が生じるように移行モードルーチンを提供もする請求項12または13記載のシステム。
【請求項15】
制御装置は、クルーズモードのときに、船の操作者により要求されるワイド開スロットル状態と、船速度が制御レバーの位置にしたがって調整される通常クルーズ状態と、船の前進移動から船の停止状態までの移行中、または船が再度前進するように制御されるまで、利用可能なエンジン動力で、プロペラのピッチがフル後退位置に調整される動力停止状態とを決定するサブルーチンを提供もする請求項12記載のシステム。
【請求項16】
制御装置は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持する請求項15記載のシステム。
【請求項17】
システムは、動力停止ルーチン中のときに、船速度を監視する速度センサを具備し、制御装置は予め定められた速度に到達するまで動力停止を維持する請求項12記載のシステム。
【請求項18】
制御装置は予め定められた速度に到達するまで動力停止を維持し、特定のピッチ量およびプロペラ速度に対して適切な速度値が提供されるように、速度がルックアップテーブルにより提示される請求項17記載のシステム。
【請求項19】
船速度値は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似される請求項18記載のシステム。
【請求項20】
エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
船の船操作者による手動移動のための駆動アクチュエータと、
エンジン動力と航海用プロペラのピッチを制御する制御装置と、
船に対するクルーズモードまたは操縦モードを選択するモードセレクタとを具備し、
制御装置は、モードセレクタからの制御信号と駆動アクチュエータからの制御信号を受け取りもし、船を操縦モードに置くようにモードセレクタが作動されるとき、制御装置は最大エンジン速度より低い予め定められた値内にエンジンrpm速度を制限し、船操作者による駆動アクチュエータの手動移動にしたがってプロペラ翼のピッチを制御して船速度を変更し、モードセレクタがクルーズモード中のとき、制御装置は船操作者による駆動アクチュエータの移動にしたがって最大エンジン速度までのエンジン動力とプロペラピッチとをセットして船速度を変更するシステム。
【請求項21】
制御装置は操縦モード中のときに前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持する請求項20記載のシステム。
【請求項22】
制御装置は操縦モード中のときにプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整する請求項20記載のシステム。
【請求項23】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%である請求項20記載のシステム。
【請求項24】
制御装置は、駆動アクチュエータの手動調整された位置に基づいて、ルックアップテーブルから、エンジンに供給する出力を選択することにより、エンジン動力を制御するピッチ制御ユニットと、ピッチ制御ユニットから出力を受け取ってプロペラのピッチを調整するピッチモータ制御装置とを備える請求項20記載のシステム。
【請求項25】
システムはプロペラのピッチを調整するピッチ制御モータを具備し、ピッチモータ制御装置は出力信号をピッチ制御モータに供給してピッチ制御モータを作動させ、プロペラを所望のピッチに調整する請求項20記載のシステム。
【請求項26】
システムはプロペラ翼のピッチの測定値を提供するセンサを具備し、ピッチ制御ユニットにプロペラのピッチを示す信号が供給されるように、センサはピッチ制御ユニットに結合されている請求項21記載のシステム。
【請求項27】
船は、選択的にエンジンからプロペラへの動力を切断し、または動力をエンジンからプロペラに供給できるようにするクラッチと、クラッチに接続されたクラッチアクチュエータとを含み、ピッチ制御ユニットは制御信号をアクチュエータに供給して、クラッチを開くまたは閉じる請求項20記載のシステム。
【請求項28】
システムは、クラッチが開位置または閉位置かを示す信号を提供するクラッチ位置監視センサを具備し、センサはピッチ制御ユニットに接続されている請求項27記載のシステム。
【請求項29】
エンジンはエンジン速度を感知するrpmセンサを備え、rpmセンサはピッチ制御ユニットに接続されている請求項25記載のシステム。
【請求項30】
船の速度を示す信号をピッチ制御ユニットに供給する速度測定デバイスが設けられて、ピッチ制御ユニットに接続されている請求項29記載のシステム。
【請求項31】
制御装置は、特定のピッチ量およびプロペラ回転速度に対して適切な速度値が提供されるように、ルックアップテーブルから船速度を決定する請求項20記載のシステム。
【請求項32】
船速度値は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似される請求項31記載のシステム。
【請求項33】
速度測定デバイスはGPS速度測定システムである請求項30記載のシステム。
【請求項34】
モードセレクタは、船を操縦モードまたはクルーズモードに選択的に置く少なくとも1つのスイッチを備える請求項20記載のシステム。
【請求項35】
船をピッチチェックモードまたはエンジンチェックモードに置くための第2のスイッチが設けられている請求項34記載のシステム。
【請求項36】
スイッチは、クルーズモードと操縦モードとの間、ピッチチェックモードとエンジンチェックモードとの間でモードをトグル切り替えすることにより、システムをクルーズモードまたは操縦モード、およびピッチチェックモードまたはエンジンチェックモードに置くための瞬間接触スイッチである請求項35記載のシステム。
【請求項37】
システムは、動力がエンジンからプロペラに伝えられるようにクラッチを閉位置に維持するために、クラッチを開こうとする場合にピッチ制御ユニットを無効にできるように、船操作者により作動されるクラッチ締結アクチュエータを具備する請求項20記載のシステム。
【請求項38】
システムは、船操作者による作動でプロペラの緊急停止を実行するプロペラ停止エレメントを具備し、プロペラ停止エレメントの作動時に、ピッチ制御ユニットが、エンジン速度を減少させ、エンジンからプロペラへの回転動力を遮断するためにクラッチを開き、プロペラの位置を中立位置に調整するように、プロペラ停止エレメントがピッチ制御ユニットに接続されている請求項20記載のシステム。
【請求項39】
ピッチ制御ユニットは、ピッチチェック−エンジンチェックモードスイッチが作動されときに、駆動がエンジンからプロペラに供給されないようにクラッチを開かせ、ピッチ制御ユニットは、エンジンチェックモード位置では、信号をエンジンに出力し、船操作者により制御された駆動アクチュエータの位置にしたがってエンジンの回転速度を上げさせ、ピッチチェックモード位置では、信号をピッチモータ制御装置にそしてピッチモータに出力させて、駆動アクチュエータの移動に基づいてプロペラのピッチを調整する請求項21記載のシステム。
【請求項40】
ピッチ制御ユニットは、駆動アクチュエータの位置に基づいてピッチモータ制御装置に出力する値のルックアップテーブルを備え、それにより、ピッチモータを制御してプロペラのピッチを駆動アクチュエータの位置に基づいた位置に調整するために、ピッチモータ制御装置に供給する適切な値が選択される請求項39記載のシステム。
【請求項41】
駆動アクチュエータはフル前進位置とフル後退位置との間で移動可能な制御レバーである請求項20記載のシステム。
【請求項42】
エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
プロペラの回転により船を駆動するエンジン動力が増加または減少され、プロペラのピッチが調整されて要求された船速度を達成するように、エンジン動力とプロペラピッチ位置が駆動アクチュエータの手動操作により調整され、エンジン速度は最大エンジン速度まで調整可能であるクルーズモードを提供するステップと、
エンジン速度が最大エンジン速度よりも低く制限され、プロペラピッチが船操作者のよる駆動アクチュエータの手動制御により調整されて、船の速度を変化させるプロペラのピッチ制御によりボートが操縦できる操縦モードを提供するステップと、
モードがクルーズモードから操縦モードに、または操縦モードからクルーズモードに変更されるときに、手動制御される駆動アクチュエータの位置が船に望ましくない方法で応答させるような位置である場合に、モード間で変更されるときに、エンジン速度とプロペラピッチが望ましくない方法で変更されないように、移行モードを提供するステップとを含む方法。
【請求項43】
クルーズモードのときに船速度を変更し、操縦モードのときにプロペラピッチを変更する単一駆動アクチュエータが提供される請求項42記載の方法。
【請求項44】
移行モードは駆動アクチュエータ位置が予め定められた制限を超えるか否かを決定し、予め定められたエンジン速度をセットし、船速度に基づいてプロペラのピッチを調整する請求項42記載の方法。
【請求項45】
移行モードは、操縦モードで船が動作することを防ぐことをさらに含み、エンジン速度およびプロペラのピッチと合う位置に船操作者により駆動アクチュエータが手動で調整されたときに、その後の駆動アクチュエータの継続した移動は駆動アクチュエータの移動により船操作者が船をクルーズモードで駆動できるようにする請求項42記載の方法。
【請求項46】
操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持する請求項42記載の方法。
【請求項47】
操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することを含む請求項42記載の方法。
【請求項48】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%である請求項42記載の方法。
【請求項49】
エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
(a)プロペラの回転により船を駆動するエンジン動力が最大および最小のエンジン速度間で増加または減少され、プロペラのピッチが調整されて要求された船速度を達成するように、エンジン動力とプロペラピッチが駆動アクチュエータの手動操作により調整されるクルーズモードを提供し、
(b)エンジン速度が最大エンジン速度よりも低い制限速度に制限され、プロペラピッチが船操作者のよる駆動エレメントの手動制御により調整されて、船の速度を変化させるプロペラのピッチ制御によりボートが操縦できる操縦モードを提供し、
(c)モードがクルーズモードから操縦モードに、または操縦モードからクルーズモードに変更されるときに、手動制御される駆動アクチュエータの位置がモードの変更時にボートが望ましくない方法で応答しないような位置である場合に、モード間で変更されるときに、エンジン速度とプロペラピッチが望ましくない方法で変更されないように、移行モードを提供する制御装置を具備するシステム。
【請求項50】
制御装置は操縦モード中のときに前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持する請求項49記載のシステム。
【請求項51】
制御装置は操縦モード中のときにプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整する請求項49記載のシステム。
【請求項52】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%である請求項49記載のシステム。
【請求項53】
クルーズモードのときに船速度を変更し、操縦モードのときにプロペラピッチを変更する単一駆動アクチュエータが設けられる請求項49記載のシステム。
【請求項54】
移行モードは駆動アクチュエータ位置が予め定められた制限を超えるか否かを決定し、予め定められたエンジン速度をセットし、船速度に基づいてプロペラのピッチを調整する請求項49記載のシステム。
【請求項55】
制御装置は、さらに、移行モード中のとき、エンジン速度およびプロペラのピッチと合う位置に船操作者が駆動アクチュエータを移動させるときまで、船がクルーズモードで動作することを防ぐ請求項49記載のシステム。
【請求項56】
制御装置は、さらに、船速度を監視し、操縦モードからクルーズモードに移行するときに、その船速度を維持するようにプロペラのピッチを制御しながら、エンジン速度の関数としてエンジン動力をセットする請求項49記載のシステム。
【請求項57】
制御装置は、さらに、船速度を監視し、クルーズモードから操縦モードに移行するときに、エンジン速度を予め定められた速度にセットし、プロペラピッチを船速度に基づくピッチにセットする請求項54記載のシステム。
【請求項58】
エンジンを有する船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船が前進しているときに船の速度を急激に減少させる動力停止モードを提供するステップと、
船の前進移動から船の減少前進速度への移行中に利用可能なエンジン動力でフル後退位置にプロペラのピッチを調整するステップとを含む方法。
【請求項59】
方法は、船が停止するまで、または船が船操作者により制御されるまで、利用可能な連続的なエンジン動力を維持することを含む請求項58記載の方法。
【請求項60】
方法は、駆動アクチュエータの移動の速度を監視することにより動力停止要求を決定し、プロペラをフル後退ピッチ位置に置くことを含む請求項58記載の方法。
【請求項61】
方法は、船速度を監視し、船が予め定められた速度に到達するまで、動力停止モード以外でボートを動作させるように作動デバイスを移動させることにより船が操作者により制御されるまで、船を動力停止モードに維持することを含む請求項58記載の方法。
【請求項62】
方法は、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することを含む請求項58記載の方法。
【請求項63】
操縦モードを提供するステップは前記予め定められた制限以下の速度でエンジン速度をほぼ一定に維持する請求項58記載の方法。
【請求項64】
操縦モードを提供するステップはプロペラのピッチも調整しながら、エンジン速度を調整することを含む請求項58記載の方法。
【請求項65】
予め定められた制限は最大エンジン速度の約30%である請求項58記載の方法。
【請求項66】
エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
前進位置から後退位置に移動可能な駆動アクチュエータと、
プロペラのピッチを調整して、ピッチをフル後退位置に置く制御装置とを具備し、
制御装置は、アクチュエータの移動を監視することにより動力停止に対する要求を決定し、動力停止を決定したとき、船の前進移動から船の減少速度への移行中に利用可能なエンジン動力でフル後退位置にプロペラのピッチを調整するシステム。
【請求項67】
制御装置は、船が停止するまで、またはアクチュエータが船操作者により移動させるまで、連続的なエンジン動力を維持する請求項66記載のシステム。
【請求項68】
制御装置は、フル後退位置へのアクチュエータの移動の速度を監視することにより動力停止に対する要求を決定する請求項66記載のシステム。
【請求項69】
駆動アクチュエータは制御レバーを備えている請求項66記載のシステム。
【請求項70】
システムは、船の速度を示す信号を提供する速度センサを具備し、制御装置は、予め定められた船速度に到達するまで、または動力停止モード以外で船を動作させるように駆動アクチュエータが操作者により作動されるまで、船を動力停止モードに維持する請求項66記載のシステム。
【請求項71】
動力停止モードは船が予め定められた速度に到達するまで維持され、特定のピッチ量およびプロペラ回転速度に対して適切な速度値が提供されるように、船速度がルックアップテーブルにより提示される請求項70記載のシステム。
【請求項72】
船速度値は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似される請求項71記載のシステム。
【請求項73】
エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御する方法において、
船の速度の表示を提供することと、
以下のグループのパラメータ:プロペラピッチおよび船の動作モード、から選択された1以上の任意のパラメータに基づいてエンジン動力を制御するために船の速度を使用することとを含む方法。
【請求項74】
動作モードは、一定速度に船速度を維持することが望まれ、エンジン動力がその一定速度を維持するように調整されるセットクルーズ制御モードである請求項73記載の方法。
【請求項75】
動作モードは、最低船速度が生じるまで、操作者制御により無効とされない限り、動力停止モードを継続するように、船速度が予め定められた最低速度に落ちるときを決定するのに船速度が使用される動力停止モードを含む請求項73記載の方法。
【請求項76】
エンジン速度は、特定のエンジン動力が船の速度に基づいて選択されるように、動力停止の開始時にエンジン動力をセットするのにも使用される請求項75記載の方法。
【請求項77】
動作モードは、クルーズモードと操縦モードとの間で船の動作モードが変更されるときに実行される移行モードを含み、エンジン動力は、クルーズモードと操縦モードとの間のスムーズな移行をもたらすように、クルーズモードと操縦モードとの間の移行中にボート速度に基づいて選択される請求項73記載の方法。
【請求項78】
船速度は、クルーズモードから操縦モードへと操縦モードからクルーズモードへの両方の移行時に、スムーズな移行をもたらすように使用される請求項73記載の方法。
【請求項79】
特定のピッチ量およびプロペラ回転速度に対して適切な速度値が提供されるように、船速度がルックアップテーブルにより提示される請求項78記載の方法。
【請求項80】
船速度値は式:速度=ピッチ量×プロペラ回転速度−スリップから近似される請求項79記載の方法。
【請求項81】
エンジンを含む船の制御可能なピッチ航海用プロペラのピッチを制御するシステムにおいて、
船の速度を示す出力を提供する速度手段と、
以下のグループのパラメータ:プロペラピッチおよび船の動作モード、から選択された1以上の任意のパラメータに基づいてエンジン動力を制御するために出力を使用する制御装置とを具備するシステム。
【請求項82】
動作モードは、制御装置が一定速度に船速度を維持し、エンジン動力がその一定速度を維持するように調整されるセットクルーズ制御モードである請求項81記載のシステム。
【請求項83】
動作モードは、最低船速度が生じるまで、操作者制御により無効とされない限り、動力停止モードを継続するように、船速度が予め定められた最低速度に落ちるときを決定するのに出力が使用される動力停止モードを含む請求項81記載のシステム。
【請求項84】
システムは、予め定められた時間期間の間、または船が再度前進するように制御されるまで、動力停止状態を維持することを含む請求項81記載のシステム。
【請求項85】
エンジン速度は、特定のエンジン動力が船の速度を示す出力に基づいて選択されるように、動力停止の開始時にエンジン動力をセットするのにも使用される請求項83記載の方法。
【請求項86】
動作モードは、クルーズモードと操縦モードとの間で船の動作モードが変更されるときに実行される移行モードを含み、エンジン動力は、クルーズモードと操縦モードとの間のスムーズな移行をもたらすように、クルーズモードと操縦モードとの間の移行中に出力に基づいて選択される請求項81記載の方法。
【請求項87】
出力は、クルーズモードから操縦モードへと操縦モードからクルーズモードへの両方の移行時に、スムーズな移行をもたらすように制御装置により使用される請求項86記載の方法。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2007−509792(P2007−509792A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536997(P2006−536997)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001204
【国際公開番号】WO2005/044659
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(500014323)エイムブリッジ・ピーティーワイ・リミテッド (3)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001204
【国際公開番号】WO2005/044659
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(500014323)エイムブリッジ・ピーティーワイ・リミテッド (3)
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