説明

制御装置及び被制御装置

【課題】簡便な手法によって製造業者の管理負担を軽減し得る制御装置及び被制御装置を提供する。
【解決手段】テレビ10は、DVDレコーダ20を制御する制御装置であって、DVDレコーダ20に装置IDの送信を要求するとともにDVDレコーダ20から装置IDを受信する装置ID獲得部102と、この装置IDが初期値であるか否かを判定する装置ID判定部103と、初期値であると判定された場合、新規な装置IDを生成する装置ID生成部104と、前記新規な装置IDへの更新をDVDレコーダ20に要求する装置ID更新部105と、前記新規な装置IDをDVDレコーダ20の装置IDとして保持する装置ID・属性情報保持部107と、装置ID・属性情報保持部107に保持されている装置IDを用いてDVDレコーダ20を制御する接続装置制御部109とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台の被制御装置を制御装置が制御する技術に関し、特に、複数台の被制御装置を制御装置が識別する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数台の被制御装置を制御装置が識別するためには、EUI-64などのユニークなIDを各被制御装置に付与するのが一般的である。EUI-64は、デバイスを一意に識別する64ビット長のIDであり、そのアドレス体系はIEEEによって標準化されている。すなわち、64ビット長の識別子のうち、上位24ビットはOUI(Organizationally Unique Identifier)またはcompany_idと呼ばれ、IEEEが製造業者に対して一意に割り当てた番号である。残りの下位40ビットはextension identifierと呼ばれ、IEEEはその割り当てには関知しない。OUIの割り当てを受けた製造業者によって、重複がないように番号を割り当てるという規則が守られれば、EUI-64識別子を持つデバイスはすべて一意な識別子を持つことになる。
【0003】
また、中央管理装置が画像形成装置に識別コードを動的に割り当てるシステムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。識別コードは、中央管理装置が外部管理装置に接続されているか否かによって切り替わるようになっている。
【特許文献1】特開2003−169059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、製造出荷時に一意な識別子を全てのデバイスに割り当てるのは、製造業者の管理負担が大きい。この問題は、装置の製造台数が増加するにつれて顕著となる。
【0005】
もっとも、特許文献1において提案されているシステムによると、画像形成装置が中央管理装置に接続する度に識別コードが端末装置に割り当てられるので、製造業者の管理負担が大きいという問題は解決される。しかしながら、画像形成装置が中央管理装置に接続する度に識別コードが端末装置に割り当てられると、中央管理装置と画像形成装置の双方で処理工数が増大するという別の問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、簡便な手法によって製造業者の管理負担を軽減し得る制御装置及び被制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係る制御装置は、被制御装置を制御する制御装置であって、前記被制御装置に装置IDの送信を要求するID要求手段と、前記被制御装置から装置IDを受信するID受信手段と、受信された前記装置IDが初期値であるか否かを判定する判定手段と、受信された前記装置IDが初期値であると判定された場合、新規な装置IDを生成する生成手段と、前記新規な装置IDへの更新を前記被制御装置に要求する更新要求手段と、前記新規な装置IDを前記被制御装置の装置IDとして保持する保持手段と、前記保持手段に保持されている装置IDを用いて前記被制御装置を制御する制御手段とを備える。また、本発明に係る被制御装置は、制御装置によって制御される被制御装置であって、初期値の装置IDを保持する保持手段と、前記制御装置から装置IDの送信要求を受信するID要求受信手段と、前記送信要求に応じて、前記保持手段に保持されている装置IDを前記制御装置に送信するID送信手段と、前記制御装置から装置IDの更新要求を受信する更新要求受信手段と、前記更新要求に応じて、前記保持手段に保持されている装置IDを変更する変更手段とを備える。これによって、共通の初期値を被制御装置に設定しておいても、この被制御装置が接続された制御装置によって一意な装置IDが生成される。すなわち、被制御装置の装置IDとしては初期値を設定しておけばよいので、製造業者の管理負担を軽減することができる。
【0008】
ここで、前記判定手段は、前記装置IDが初期値でない場合、さらに前記保持手段に保持されている装置IDと重複するか否かを判定し、前記生成手段は、前記保持手段に保持されている装置IDと重複すると判定された場合、初期値でなく且つ前記保持手段に保持されていない装置IDを新規に生成してもよい。これによって、接続形態を変更した場合でも、装置IDの一意性を確保することができる。
【0009】
また、前記制御装置はさらに、前記被制御装置に属性情報の送信を要求する属性要求手段と、前記被制御装置から属性情報を受信する属性受信手段とを備え、前記保持手段は、受信された前記属性情報を装置IDと対応付けて保持し、前記制御手段は、保持されている前記属性情報に基づいて前記被制御装置を制御してもよい。前記被制御装置はさらに、前記被制御装置の属性情報を保持する保持手段と、前記制御装置から属性情報の送信要求を受信する属性要求受信手段と、前記送信要求に応じて、前記保持手段に保持されている属性情報を前記制御装置に送信する属性送信手段を備えてもよい。これによって、被制御装置から制御装置に属性情報が送信されるので、制御装置は属性情報に基づいて被制御装置を制御することができる。
【0010】
なお、本発明は、このような制御装置または被制御装置として実現することができるだけでなく、これら装置が備える特徴的な手段をステップとすることによって、被制御装置を制御装置が制御する方法として実現することもできる。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、共通の初期値を被制御装置に設定しておいても、この被制御装置が接続された制御装置によって一意な装置IDが生成される。すなわち、被制御装置の装置IDとしては初期値を設定しておけばよいので、製造業者の管理負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の概要を示す図である。ここでは、テレビ10とDVDレコーダ20とがネットワークを介して接続されている状態を示している。テレビ10は、DVDレコーダ20を制御する制御装置の一例であって、コンテンツを出力する。DVDレコーダ20は、テレビ10によって制御される被制御装置の一例であって、コンテンツを蓄積・配信する。テレビ10には、複数台の被制御装置を接続することも可能である。
【0013】
図2は、テレビ10の構成を示す図である。このテレビ10は、機能的には、登録要求受付部101、装置ID獲得部102、装置ID判定部103、装置ID生成部104、装置ID更新部105、属性情報獲得部106、装置ID・属性情報保持部107、装置ID・属性情報変更部108、接続装置制御部109、通信部110を備える。
【0014】
通信部110は、有線または無線を介して、DVDレコーダ20との間で双方向通信を行う。通信インターフェースは、通信方式に応じたものであればよい。
【0015】
装置ID・属性情報保持部107は、DVDレコーダ20の装置IDと、DVDレコーダ20の属性情報とを保持する。
【0016】
登録要求受付部101は、DVDレコーダ20から登録要求を受け付ける。
装置ID獲得部102は、DVDレコーダ20から装置IDを獲得する。この装置ID獲得部102には、DVDレコーダ20に装置IDの送信を要求するID要求部と、DVDレコーダ20から装置IDを受信するID受信部とが含まれる。
【0017】
装置ID判定部103は、装置ID獲得部102によって獲得された装置IDの値を判定する。具体的には、装置ID獲得部102によって獲得された装置IDが例えば0などの初期値であるか否かを判定し、初期値でない場合は、さらに装置ID・属性情報保持部107に保持されている装置IDと重複するか否かを判定する。
【0018】
装置ID生成部104は、装置ID獲得部102によって獲得された装置IDが初期値である場合、または装置ID・属性情報保持部107に保持されている装置IDと重複する場合は、装置ID・属性情報保持部107に保持されていない新規な装置IDを生成する。
【0019】
装置ID更新部105は、装置ID生成部104によって新規な装置IDが生成された場合、DVDレコーダ20の装置IDを更新する。具体的には、新規な装置IDを含む更新要求をDVDレコーダ20に送信し、その応答をDVDレコーダ20から受信する。そして、この応答に含まれる装置IDを装置ID・属性情報変更部108に通知する。
【0020】
属性情報獲得部106は、DVDレコーダ20から属性情報を獲得する。この属性情報獲得部106には、DVDレコーダ20に属性情報の送信を要求する属性要求部と、DVDレコーダ20から属性情報を受信する属性受信部とが含まれる。
【0021】
装置ID・属性情報変更部108は、装置ID・属性情報保持部107に保持されている装置IDと属性情報とを変更する。具体的には、装置ID更新部105によって受信された装置IDと、属性情報獲得部106によって獲得された属性情報とを装置ID・属性情報保持部107に保持させる。
【0022】
接続装置制御部109は、テレビ10に接続されている装置を制御する。具体的には、DVDレコーダ20に対して設定変更や動作指示といった制御要求を送信する。制御要求は、例えば、テレビ10に対するユーザの指示によって発生する。すなわち、テレビ10には、制御要求の送信を指示するための操作画面が表示される。この操作画面は、装置ID・属性情報保持部107に保持されている属性情報に基づいて生成される。従って、制御対象となる装置が実行可能な動作指示のみを操作画面に表示することができるため(または、実行可能な動作指示のみが制御対象となる装置に発行されるため)、無駄を低減した使い勝手のよい制御機能が提供されることとなる。
【0023】
図3は、装置ID・属性情報保持部107の内部構成例を示す図である。この図に示されるように、装置ID・属性情報保持部107は、装置IDと属性情報とを対応付けて保持している。属性情報は、DVDレコーダ20が持つチューナの種類・録画モード・起動に要する時間など、DVDレコーダ20が備える機能や設定に関する情報である。テレビ10が属性情報を保持することによって、テレビ10がDVDレコーダ20を効率的に制御することが可能となる。なお、ユーザがテレビ10を購入した際、装置ID・属性情報保持部107は装置IDも属性情報も保持していない。後述するように、テレビ10にDVDレコーダ20が接続されると、その装置IDや属性情報を保持することになる。
【0024】
図4は、DVDレコーダ20の構成を示す図である。
DVDレコーダ20は、登録要求部201、装置ID送信部202、装置ID更新部203、属性情報送信部204、装置ID保持部205、属性情報保持部206、装置ID変更部207、装置制御部208、通信部209を備える。
【0025】
通信部209は、有線または無線を介して、テレビ10との間で双方向通信を行う。通信インターフェースは、通信方式に応じたものであればよい。
【0026】
装置ID保持部205は、DVDレコーダ20の装置IDを保持する。ユーザがDVDレコーダ20を購入した際の装置IDは初期値である。初期値としてどのような値を採用するかは限定されるものではないが、ここでは「0」を例示して説明する。
【0027】
属性情報保持部206は、DVDレコーダ20の属性情報を保持している。
登録要求部201は、登録要求をテレビ10に送信する。登録要求をテレビ10に送信するのは、DVDレコーダ20をテレビ10の管理下におくためである。登録要求は、DVDレコーダ20がテレビ10に接続される度に送信する必要はなく、例えば接続形態が変わったことを検出した時など、所定の条件を満たした時のみ送信すればよい。
【0028】
装置ID送信部202は、DVDレコーダ20の装置IDをテレビ10に送信する。具体的には、装置IDの送信要求をテレビ10から受信したとき、装置ID保持部205に保持されている装置IDをテレビ10に送信する。
【0029】
装置ID更新部203は、DVDレコーダ20の装置IDを更新する。具体的には、新規な装置IDを含む装置ID更新要求をテレビ10から受信したとき、新規な装置IDを含む応答をテレビ10に送信するとともに、新規な装置IDを装置ID変更部207に通知する。
【0030】
装置ID変更部207は、装置ID更新部203によって受信された装置IDを装置ID保持部205に保持させる。
【0031】
属性情報送信部204は、属性情報の送信要求をテレビ10から受信したとき、属性情報保持部206に保持されている属性情報をテレビ10に送信する。
【0032】
装置制御部208は、設定変更要求や動作指示要求をテレビ10から受信すると、その要求に応じた処理を実行する。
【0033】
(初期接続例)
図5は、テレビ10とDVDレコーダ20の動作を示す図であり、図6は、テレビ10とDVDレコーダ20との接続形態を示す図である。ここでは、図6(A)に示されるように、リビングルームにテレビ10が置かれていると仮定する。そして、図6(B)に示されるように、このテレビ10にDVDレコーダ20が接続された場合の動作について説明する。なお、テレビ10及びDVDレコーダ20は、ユーザに購入されたばかりであると仮定する。
【0034】
まず、テレビ10の動作について説明する。
登録要求受付部101は、登録要求をDVDレコーダ20から受信すると(S101)、その旨を装置ID獲得部102に通知する。
【0035】
装置ID獲得部102は、装置ID送信要求をDVDレコーダ20に送信する(S102)。その後、装置IDをDVDレコーダ20から受信すると(S103)、この装置IDを装置ID判定部103に通知する。
【0036】
装置ID判定部103は、装置ID獲得部102によって獲得された装置IDが初期値であるか否かを判定する(S104)。ここでは、装置ID獲得部102によって獲得された装置IDは0であり、初期値であるので、その旨を装置ID生成部104に通知することになる。
【0037】
装置ID生成部104は、初期値でなく且つ装置ID・属性情報保持部107に保持されていない新規な装置IDを生成し(S105)、この新規な装置IDを装置ID更新部105に通知する。ここでは、装置ID・属性情報保持部107は装置IDを保持していないので、新規な装置ID「1」が通知されることになる。
【0038】
装置ID更新部105は、新規な装置ID「1」を含む装置ID更新要求をDVDレコーダ20に送信する(S106)。その後、装置ID「1」を含む装置ID更新要求の応答をDVDレコーダ20から受信すると(S107)、この応答に含まれる装置ID「1」を装置ID・属性情報変更部108に通知する。
【0039】
装置ID・属性情報変更部108は、装置ID「1」を装置ID・属性情報保持部107に保持させる(S108)。また、属性情報を獲得するように属性情報獲得部106に指示する。
【0040】
属性情報獲得部106は、属性情報送信要求をDVDレコーダ20に送信する(S109)。その後、属性情報をDVDレコーダ20から受信すると(S110)、この属性情報を装置ID・属性情報変更部108に通知する。
【0041】
装置ID・属性情報変更部108は、通知された属性情報を装置ID・属性情報保持部107に保持させる。これによって、DVDレコーダ20の装置ID「1」と属性情報とが対応付けされて装置ID・属性情報保持部107に保持されることになる。
【0042】
以降、接続装置制御部109によってDVDレコーダ20が制御される。
次に、DVDレコーダ20の動作について説明する。
【0043】
登録要求部101は、登録要求をテレビ10に送信する(S201)。
装置ID送信部202は、装置ID送信要求をテレビ10から受信すると(S202)、装置ID保持部205に保持されている装置IDをテレビ10に送信する(S203)。ここでは、DVDレコーダ20は、ユーザに購入されたばかりであるため、初期値である装置ID「0」がテレビ10に送信されることになる。
【0044】
装置ID更新部203は、新規な装置IDを含む装置ID更新要求をテレビ10から受信すると(S204)、この装置ID更新要求に含まれる新規な装置IDを装置ID変更部207に通知する。
【0045】
装置ID変更部207は、新規な装置IDを装置ID保持部205に保持させると(S205)、その旨を装置ID更新部203に通知する。
【0046】
装置ID更新部203は、装置ID保持部205に保持されている装置IDをテレビ10に送信する(S206)。ここでは、新規な装置IDは「1」であるため、装置ID保持部205に保持されている装置ID「0」が「1」に更新され、この装置ID「1」がテレビ10に送信されることになる。
【0047】
属性情報送信部204は、属性情報送信要求をテレビ10から受信すると(S207)、属性情報保持部206に保持されている属性情報をテレビ10に送信する(S208)。
【0048】
このように、ユーザに購入されたばかりのDVDレコーダ20には、製造業者によって、初期値の装置ID「0」が設定されている。このDVDレコーダ20をリビングルームに置かれたテレビ10に接続すると、初期値とは異なる新規な装置ID「1」がテレビ10によって生成され、DVDレコーダ20の装置IDが新規な装置ID「1」に更新される。また、DVDレコーダ20の属性情報が新規な装置ID「1」と対応付けされてテレビ10に保持される。
【0049】
図7は、テレビ11とDVDレコーダ21との接続形態を示す図である。ここでは、図7(A)に示されるように、購入されたばかりの別のテレビ11が子供部屋に置かれていると仮定する。そして、図7(B)に示されるように、このテレビ11に、購入されたばかりのDVDレコーダ21が接続されたと仮定する。
【0050】
既に説明したように、購入されたばかりのDVDレコーダ21には、製造業者によって、初期値の装置ID「0」が設定されている。このDVDレコーダ21を子供部屋に置かれたテレビ11に接続すると、初期値とは異なる新規な装置ID「1」がテレビ11によって生成され、DVDレコーダ21の装置IDが新規な装置ID「1」に更新される。また、DVDレコーダ21の属性情報が新規な装置ID「1」と対応付けされてテレビ11に保持される。テレビ11とDVDレコーダ21の動作は、前記したテレビ10とDVDレコーダ20の動作と同様であるため、ここでは詳しい説明を省略する。
【0051】
(接続形態変更例)
図8は、テレビとDVDレコーダとの接続形態を変更する場面を示す図である。ここでは、図8(A)に示されるように、子供部屋のテレビ11に接続されていたDVDレコーダ21を、図8(B)に示されるように、リビングルームのテレビ10に接続する。
【0052】
リビングルームに置かれているテレビ10の装置ID・属性情報保持部107は、既に接続されているDVDレコーダ20の装置ID「1」とその属性情報を保持している。他方、子供部屋からリビングルームに移されるDVDレコーダ21の装置ID保持部205は、テレビ11によって生成された新規な装置ID「1」を保持している。以下、図8及び図5を用いて、テレビ10とDVDレコーダ21の動作について説明する。
【0053】
まず、テレビ10の動作について説明する。
登録要求受付部101は、登録要求をDVDレコーダ21から受信すると(S101)、その旨を装置ID獲得部102に通知する。
【0054】
装置ID獲得部102は、装置ID送信要求をDVDレコーダ21に送信する(S102)。その後、装置IDをDVDレコーダ21から受信すると(S103)、この装置IDを装置ID判定部103に通知する。
【0055】
装置ID判定部103は、装置ID獲得部102によって獲得された装置IDが初期値「0」であるか否かを判定する(S104)。ここで、装置ID獲得部102によって獲得された装置IDは、テレビ11によって生成された新規な装置ID「1」であり、初期値「0」でない。そこで、装置ID判定部103は、この装置ID「1」が装置ID・属性情報保持部107に保持されている装置IDと重複するか否かを判定する(S111)。
【0056】
ここで、装置ID・属性情報保持部107には、DVDレコーダ20の装置ID「1」が保持されている。そこで、装置ID判定部103は、装置ID獲得部102によって獲得された装置ID「1」が装置ID・属性情報保持部107に保持されている装置ID「1」と重複する旨を装置ID生成部104に通知することになる。
【0057】
装置ID生成部104は、初期値でなく且つ装置ID・属性情報保持部107に保持されていない新規な装置IDを生成し(S105)、この新規な装置IDを装置ID更新部105に通知する。ここでは、装置ID・属性情報保持部107は装置ID「1」を保持しているので、新規な装置ID「2」が通知されることになる。
【0058】
装置ID更新部105は、新規な装置ID「2」を含む装置ID更新要求をDVDレコーダ21に送信する(S106)。その後、装置ID「2」を含む装置ID更新要求の応答をDVDレコーダ21から受信すると(S107)、この応答に含まれる装置ID「2」を装置ID・属性情報変更部108に通知する。
【0059】
装置ID・属性情報変更部108は、装置ID「2」を装置ID・属性情報保持部107に保持させる(S108)。また、属性情報を獲得するように属性情報獲得部106に指示する。
【0060】
属性情報獲得部106は、属性情報送信要求をDVDレコーダ21に送信する(S109)。その後、属性情報をDVDレコーダ21から受信すると(S110)、この属性情報を装置ID・属性情報変更部108に通知する。
【0061】
装置ID・属性情報変更部108は、通知された属性情報を装置ID・属性情報保持部107に保持させる。これによって、DVDレコーダ20の装置ID「1」とその属性情報に加え、DVDレコーダ21の装置ID「2」とその属性情報が装置ID・属性情報保持部107に保持されることになる。
【0062】
以降、接続装置制御部109によってDVDレコーダ20及び21が制御される。
次に、DVDレコーダ21の動作について説明する。
【0063】
登録要求部101は、登録要求をテレビ10に送信する(S201)。
装置ID送信部202は、装置ID送信要求をテレビ10から受信すると(S202)、装置ID保持部205に保持されている装置IDをテレビ10に送信する(S203)。ここで、装置ID保持部205には、テレビ11によって生成された新規な装置ID「1」が保持されているので、この装置ID「1」がテレビ10に送信されることになる。
【0064】
装置ID更新部203は、新規な装置IDを含む装置ID更新要求をテレビ10から受信すると(S204)、この装置ID更新要求に含まれる新規な装置IDを装置ID変更部207に通知する。
【0065】
装置ID変更部207は、新規な装置IDを装置ID保持部205に保持させると(S205)、その旨を装置ID更新部203に通知する。
【0066】
装置ID更新部203は、装置ID保持部205に保持されている装置IDをテレビ10に送信する(S206)。ここでは、新規な装置IDは「2」であるため、装置ID保持部205に保持されている装置ID「1」が「2」に更新され、この装置ID「2」がテレビ10に送信されることになる。
【0067】
属性情報送信部204は、属性情報送信要求をテレビ10から受信すると(S207)、属性情報保持部206に保持されている属性情報をテレビ10に送信する(S208)。
【0068】
このように、子供部屋からリビングルームに移されるDVDレコーダ21には、テレビ11によって生成された新規な装置ID「1」が設定されている。このDVDレコーダ21をリビングルームに置かれたテレビ10に接続すると、初期値でなく且つ他のDVDレコーダと重複しない新規な装置ID「2」がテレビ10によって生成され、DVDレコーダ21の装置IDが新規な装置ID「2」に更新される。また、DVDレコーダ21の属性情報が新規な装置ID「2」と対応付けされてテレビ10に保持される。
【0069】
(別の接続形態変更例)
図9は、テレビとDVDレコーダとの接続形態を変更する別の場面を示す図である。ここでは、図9(A)に示されるように、子供部屋からリビングルームに移されたDVDレコーダ21を、図9(B)に示されるように、子供部屋に戻してテレビ11に再接続する。ただし、このとき、テレビ11には別のDVDレコーダ22が既に接続されていると仮定する。
【0070】
子供部屋に置かれているテレビ11の装置ID・属性情報保持部107は、既に接続されているDVDレコーダ22の装置ID「1」とその属性情報を保持している。他方、リビングルームから子供部屋に戻されるDVDレコーダ21の装置ID保持部205は、テレビ10によって生成された新規な装置ID「2」を保持している。以下、図9及び図5を用いて、テレビ11とDVDレコーダ21の動作について説明する。
【0071】
まず、テレビ11の動作について説明する。
登録要求受付部101は、登録要求をDVDレコーダ21から受信すると(S101)、その旨を装置ID獲得部102に通知する。
【0072】
装置ID獲得部102は、装置ID送信要求をDVDレコーダ21に送信する(S102)。その後、装置IDをDVDレコーダ21から受信すると(S103)、この装置IDを装置ID判定部103に通知する。
【0073】
装置ID判定部103は、装置ID獲得部102によって獲得された装置IDが初期値「0」であるか否かを判定する(S104)。ここで、装置ID獲得部102によって獲得された装置IDは、テレビ11によって生成された新規な装置ID「2」であり、初期値「0」でない。そこで、装置ID判定部103は、この装置ID「2」が装置ID・属性情報保持部107に保持されている装置IDと重複するか否かを判定する(S111)。
【0074】
ここで、装置ID・属性情報保持部107には、DVDレコーダ22の装置ID「1」が保持されているが、この装置ID「1」は、装置ID獲得部102によって獲得された装置ID「2」と重複しない。そこで、装置ID判定部103は、属性情報を獲得するように属性情報獲得部106に指示する。
【0075】
属性情報獲得部106は、属性情報送信要求をDVDレコーダ21に送信する(S109)。その後、属性情報をDVDレコーダ21から受信すると(S110)、この属性情報を装置ID・属性情報変更部108に通知する。
【0076】
装置ID・属性情報変更部108は、通知された属性情報を装置ID・属性情報保持部107に保持させる。これによって、DVDレコーダ22の装置ID「1」とその属性情報に加え、DVDレコーダ21の装置ID「2」とその属性情報が装置ID・属性情報保持部107に保持されることになる。
【0077】
以降、接続装置制御部109によってDVDレコーダ21及び22が制御される。
次に、DVDレコーダ21の動作について説明する。
【0078】
登録要求部101は、登録要求をテレビ11に送信する(S201)。
装置ID送信部202は、装置ID送信要求をテレビ11から受信すると(S202)、装置ID保持部205に保持されている装置IDをテレビ11に送信する(S203)。ここで、装置ID保持部205には、テレビ10によって生成された装置ID「2」が保持されているので、この装置ID「2」がテレビ11に送信されることになる。
【0079】
属性情報送信部204は、属性情報送信要求をテレビ11から受信すると(S207)、属性情報保持部206に保持されている属性情報をテレビ11に送信する(S208)。
【0080】
このように、リビングルームから子供部屋から戻されるDVDレコーダ21には、テレビ10によって生成された新規な装置ID「2」が設定されている。このDVDレコーダ21を子供部屋に置かれたテレビ10に再接続すると、装置ID「2」を変更することなく、DVDレコーダ21の装置ID「2」とその属性情報がテレビ11に保持される。
【0081】
以上のように、本実施の形態によれば、共通の初期値「0」をDVDレコーダに設定しておいても、このDVDレコーダが接続されたテレビによって一意な装置IDが生成される。すなわち、DVDレコーダの装置IDとしては初期値「0」を設定しておけばよいので、製造業者の管理負担を軽減することができる。
【0082】
また、本実施の形態に係るDVDレコーダがテレビに登録要求を送信するタイミングは、前記した通り、所定の条件を満たした時のみでよい。すなわち、DVDレコーダは、テレビに接続される度に登録要求を送信する必要がなく、テレビは、DVDレコーダが接続される度に属性情報を獲得する必要がない。これによって、テレビとDVDレコーダの双方で処理工数が増大するという問題が回避され、またネットワーク上の負荷が軽減される。もちろん、所定の条件を満たした時には、DVDレコーダからテレビに登録要求が送信され、新規な装置IDが生成されるので、テレビに接続された各DVDレコーダの装置IDの一意性を保つことが可能である。
【0083】
なお、前記の説明では、DVDレコーダから獲得した装置IDが初期値であるか、またはテレビ内に保持されている装置IDと重複する場合、テレビが新規な装置IDを生成することとしているが、新規な装置IDを生成する条件はこれに限定されるものではない。すなわち、DVDレコーダから獲得した装置IDが初期値であるか、またはその時点においてテレビに接続されているその他のDVDレコーダの装置IDと重複する場合、テレビが新規な装置IDを生成することにしてもよい。
【0084】
また、前記の説明では、制御装置としてテレビを、被制御装置としてDVDレコーダを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、パーソナル・コンピュータを制御装置として採用することもできるし、種々の家電機器を被制御装置として採用することもできる。すなわち、制御装置は、被制御装置を制御する装置であり、被制御装置は、制御装置によって制御される装置であるという条件を満たす以上、本発明の適用対象となり得る。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、簡便な手法によって製造業者の管理負担を軽減することが必要なテレビやDVDレコーダ等の用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本実施の形態の概要を示す図
【図2】テレビの構成を示す図
【図3】装置ID・属性情報保持部の内部構成例を示す図
【図4】DVDレコーダの構成を示す図
【図5】テレビとDVDレコーダの動作を示す図
【図6】テレビとDVDレコーダとの接続形態を示す図
【図7】テレビとDVDレコーダとの接続形態を示す図
【図8】テレビとDVDレコーダとの接続形態を変更する場面を示す図
【図9】テレビとDVDレコーダとの接続形態を変更する別の場面を示す図
【符号の説明】
【0087】
10 テレビ
11 テレビ
20 DVDレコーダ
21 DVDレコーダ
101 登録要求受付部
102 装置ID獲得部
103 装置ID判定部
104 装置ID生成部
105 装置ID更新部
106 属性情報獲得部
107 装置ID・属性情報保持部
108 装置ID・属性情報変更部
109 接続装置制御部
110 通信部
201 登録要求部
202 装置ID送信部
203 装置ID更新部
204 属性情報送信部
205 装置ID保持部
206 属性情報保持部
207 装置ID変更部
208 装置制御部
209 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被制御装置を制御する制御装置であって、
前記被制御装置に装置IDの送信を要求するID要求手段と、
前記被制御装置から装置IDを受信するID受信手段と、
受信された前記装置IDが初期値であるか否かを判定する判定手段と、
受信された前記装置IDが初期値であると判定された場合、新規な装置IDを生成する生成手段と、
前記新規な装置IDへの更新を前記被制御装置に要求する更新要求手段と、
前記新規な装置IDを前記被制御装置の装置IDとして保持する保持手段と、
前記保持手段に保持されている装置IDを用いて前記被制御装置を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記装置IDが初期値でない場合、さらに前記保持手段に保持されている装置IDと重複するか否かを判定し、
前記生成手段は、前記保持手段に保持されている装置IDと重複すると判定された場合、初期値でなく且つ前記保持手段に保持されていない装置IDを新規に生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御装置はさらに、
前記被制御装置に属性情報の送信を要求する属性要求手段と、
前記被制御装置から属性情報を受信する属性受信手段とを備え、
前記保持手段は、受信された前記属性情報を装置IDと対応付けて保持し、
前記制御手段は、保持されている前記属性情報に基づいて前記被制御装置を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
制御装置によって制御される被制御装置であって、
初期値の装置IDを保持する保持手段と、
前記制御装置から装置IDの送信要求を受信するID要求受信手段と、
前記送信要求に応じて、前記保持手段に保持されている装置IDを前記制御装置に送信するID送信手段と、
前記制御装置から装置IDの更新要求を受信する更新要求受信手段と、
前記更新要求に応じて、前記保持手段に保持されている装置IDを変更する変更手段と
を備えることを特徴とする被制御装置。
【請求項5】
前記被制御装置はさらに、
前記被制御装置の属性情報を保持する保持手段と、
前記制御装置から属性情報の送信要求を受信する属性要求受信手段と、
前記送信要求に応じて、前記保持手段に保持されている属性情報を前記制御装置に送信する属性送信手段と
を備えることを特徴とする請求項4に記載の被制御装置。
【請求項6】
被制御装置を制御装置が制御する方法であって、
前記制御装置は、装置IDの送信を前記被制御装置に要求し、
前記被制御装置は、装置IDの送信要求を前記制御装置から受信し、
前記被制御装置は、保持している装置IDを前記制御装置に送信し、
前記制御装置は、装置IDを前記被制御装置から受信し、
前記制御装置は、受信した装置IDが初期値であるか否かを判定し、
前記制御装置は、初期値であると判定した場合、新規な装置IDを生成し、
前記制御装置は、前記新規な装置IDへの更新を前記被制御装置に要求し、
前記被制御装置は、装置IDの更新要求を前記制御装置から受信し、
前記被制御装置は、保持している装置IDを前記新規な装置IDに変更し、
前記制御装置は、前記新規な装置IDを前記被制御装置の装置IDとして保持し、
前記制御装置は、保持している装置IDを用いて前記被制御装置を制御する
ことを特徴とする制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−104341(P2007−104341A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291755(P2005−291755)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】