前進式計量弁
本発明は、液体相を介する投与用の投与量計量式吸入器に関する。この吸入器は、加圧された容器からマウスピースへと計量された投与量を運ぶ回転式の計量要素を使用する。外気の侵入に対する効率的な保護があり、回転式の計量要素の逆向きの回転を防ぐことによって投与量の計数が改善される点において、計量が改善される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計量弁に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なタイプの吸入器
薬剤の吸入によって治療可能である喘息、COPD、糖尿病、全身性疼痛などの治療において、いくらかの医療用薬剤を有する吸入装置が広く用いられている。
【0003】
通常、1つには、乾燥した粉体の形状で薬剤を与え(乾燥粉体吸入器=DPI(dry powder inhaler))、また1つには、加圧された液体形状である適切な噴霧体の中へ薬剤が混合される(加圧定量投与式吸入器=pMDI(pressurized metered dose inhalers))という、2つの異なる医療用薬剤の調剤形態が用いられる。
【0004】
新規定の発行物は、DPIおよびpMDFの両者が、吸入器の中に残っている投与量の数を患者に知らせる、信頼性のある投与量表示器を備えるように求めている。
【0005】
医療用薬剤が肺を介して投与されることが目標とされる、特に糖尿病および鎮痛における医薬品の調剤の新開発は、投与量の計量の正確さ、および同じ吸入時間内において投与量を素早く複数回連続して放出するなど動的な投与量の調整に対する新しい必要条件を提示している。
【0006】
計量弁は、好ましくは、少ない部品を含み、自動組立および低い製造コストに適するものであるべきである。
【0007】
pMDI
pMDIでは、医療用薬剤が噴霧用液体の中に混合され、加圧下で容器の中に包含される。薬剤を均一な投与量で計量および放出するために、容器は、計量弁(すなわちMeshbergの特許文献1に開示されるようなもの)が取り付けられる。一般的な弁は、圧縮/放出タイプの弁である。ここから、より一般的な「押して吸う」という名称が、pMDIに与えられている(図1)。患者は、その患者のための吸入用薬剤を得るために、pMDI(11)のマウスピースを介して吸入する際に、図2の曲線によって示されるように、pMDI容器(12)を手で圧縮して離すことが想定されている。最初の位置(21)は、曲線の左にあり、そこでは容器は完全に拡張された状態にある。
【0008】
マウスピースを介して吸入する間、容器は、手で圧縮され(22)、予め計量された投与量の放出点(23)を過ぎ、完全に圧縮された状態(24)に達する。一定の遅延(25)の後、容器は離され(26)、次の投与量の計量点(27)を過ぎ、完全に拡張された状態(28)(リセット)に再び達する。
【0009】
現在のpMDI装置では、不適当な投与量の放出の原因となることのある、いくつかの問題が知られている。
【0010】
A.吸入時に、患者は、予め計量された投与量の薬剤(23)を放出させるために、30〜50Nの容器の圧縮力を克服できなければならない(容器の圧力は典型的に0.3〜0.6Mpa)。この力の大部分は、弁(28)を確実にリセットするのに十分な強さである内蔵の戻りばねを圧縮するために必要とされる。
【0011】
B.患者は、吸入の後の次の投与量の計量時(27)にpMDIを直立に保持しなければならず、そうしないと、次の使用時に薬剤の完全な投与量を得られない。この原理は、患者にとって理解が困難である。
【0012】
C.遅延(25)は、5〜10秒を越えてはならず、そうでない場合、次の投与量の計量(27)が不正確になり、患者が次の使用時に正確な投与量の薬剤を得られない。
【0013】
不正確な投与量を放出する主な原因は、以下の通り。
【0014】
1.不均一に溶解された溶液から計量。容器の内部の液体溶液に薬剤を均一に溶解するために、使用者は、吸入の前に吸入器を振るように指示される。振ってから次の投与量の計量まで長く時間が経ち過ぎた場合、溶液は、不均一に溶解された状態になり、次の使用のために計量された薬剤の投与量が、低すぎたり、または高すぎたりする原因となる。
【0015】
2.計量室の内部に大気中の空気が閉じ込められる。現在の投与量の供給の後に次の投与量の計量が遅れることによって、外側から計量弁の中へ空気が入る。空気は、計量弁の内部に閉じ込められて容積を取り、計量される投与量が少なくなりすぎる原因となる。
【0016】
さらに、容器の圧縮の間、計量弁の内部のガスケットにわずかな負荷が掛かっているため、遅延の間に容器から外部に薬剤が漏れる危険性がある。これは、使用者によって必要とされるときに、深刻な薬剤不足につながることがある。
【0017】
(A)の問題を克服するため、および吸入と投与量の供給との間の同調を改善するために、呼気起動式吸入器(BAI(breath actuated inhalers))が開発された。しかし、リセットは吸入後に患者によって手動で行われなければならないため(例えば、BAIのキャップを閉じること)、(B)および(C)の危険性が深刻さを増す。
【0018】
D.投与と投与との間の時間が長すぎる(例えば数日である)場合、計量された投与量の減損(主薬の損失)の危険性がある。患者は、最初の使用の前、およびpMDIが数日またはそれ以上用いられていなかった場合は使用の前の両方に、準備噴射を行うことが必要となる。
【0019】
E.pMDIまたはBAIに信頼性のある投与量表示器を加えることが新たな問題を引き起こす。容器の位置公差の大きさが、圧縮および放出の間の容器の往復運動距離に相当するため、投与量を絶対に多く計数しすぎず、投与量を絶対に少なく計数しすぎることのない充填量を保証する投与量表示器の構成方法は明らかになっていない。
【0020】
容器の充填の問題。F.一般に、容器に取り付けられる計量弁の構成は、容器に薬剤および噴霧体を充填する工場の産業上の慣行に従わなければならない。充填の前に計量弁が容器に取り付けられることが一般的な手順であり、したがって弁の構成は、容器を充填するために計量弁の出口に高圧が掛けられたとき、逆流ができるものでなければならない。
【0021】
【特許文献1】米国特許第3756465号明細書
【特許文献2】英国特許第2165159号明細書
【特許文献3】米国特許第6179583号明細書
【特許文献4】米国特許第6516796号明細書
【発明の開示】
【0022】
本発明は、加圧された容器をベースとする噴霧体吸入器で使用される固定された計量用空洞部を備える封止された一方向回転式の計量弁に関する。本発明は、従来の加圧された噴霧体吸入器に固有の上記の問題のいくつかを解決する。
【0023】
計量弁が、予め負荷を掛けられた戻りばねを必要としないため、起動の力が最小限にされる。
【0024】
使用者が吸入器を口または鼻からの使用のための直立位置に置いた後、計量弁が充填され、計量された投与量が1回の起動の動きで放出される。したがって、完全な投与量が、確実かつ正確に計量され、以前に計量された投与量の長期における移動の問題が避けられる。
【0025】
容器の中の液体が計量用空洞部の中へ自由に流れるため、リセット時間の必要が回避される。
【0026】
計量弁の一方向の回転動作は、単純な計数機構に適するのが明白であるため、信頼性のある視覚式の投与量表示器が、容易に弁に取り付けられる。
【0027】
標準的な容器の充填手順が可能になる、弾性の弁封止部材の実施形態が開示される。前進式計量弁は薬剤容器の一部であるか、または薬剤容器に加えられた装置であってよい。
【0028】
本発明のさらなる態様は、弁の機械的動作が回転式、連続式、および一方向式であることができるため、前進式計量弁は複数の投与動作に非常に適するものであることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
回転式計量弁は、Auvinenの特許文献2などの乾燥粉体吸入器に関する従来技術からよく知られている。しかしながら、この弁は圧力および封止がなく、重力のみに依存している。
【0030】
液体のための回転式投与量計量装置は、すなわちガソリンポンプから知られており、医療分野内では、いくつかの例がWestonの特許文献3、Coxの特許文献4に開示されている。これらの弁は、噴霧体のない液体によって低い圧力で作動するように構成されており、製造するのが複雑かつ高価であり、典型的な容器の圧力0.3〜0.6Mpaで作動することが実証されていない。
【0031】
本発明で開示される前進式計量弁の可能な一実施形態が図3に示されている。
【0032】
図示の弁回転子(31)はボール形状である。形状が回転的に対称形であれば、例えば円筒形状など他の形状も可能である。弁回転子は、1つまたは複数の計量室(32)を含む。吸入の際に、回転子シャフト(33)が回され、1つの計量室を、加圧された薬剤コンテナ(34)からの入口から、ノズル(35)を介する出口まで回転させる。
【0033】
吸入時の弁のサイクルが図4に示されている。
【0034】
初期位置(41)から、弁回転子(31)が時計回りに計量位置(42)まで回転され、そこで計量室(32)が入口(34)から分離される。計量室が周囲から完全に閉鎖される中間位置(43)を過ぎた後、計量室が出口に向かって開いたとき、投与量の放出(44)が起こる。最後のサイクルは停止位置(45)であり、この位置は同時に、次の投与量のための初期位置でもある。示された実施形態は、1投与量を放出するのに約180度回転する(360度の回転毎に2つの投与量)。その他の任意選択例は、360度の回転毎に1、3、4、5、6つおよびそれ以上の投与量である。現在の投与量が供給の数秒前に計量されるため、(C)および(D)の問題は回避される。準備噴射の必要はなくなる。
【0035】
戻りばねがないため、計量弁を起動する力が、30〜50Nよりかなり低くなり、(A)の問題の影響がかなり少なくなる。
【0036】
現在の投与量の計量が吸入の間に行われるため、吸入の間、吸入器を直立に保つ必要がある。これは、吸入の後に吸入器を直立に保つよりも、患者にとって理解がはるかに容易であり、(B)の問題の影響が少なくなる。
【0037】
提案される弁の構成に伴う潜在的な問題は、空にされた計量室を入口位置に向かって回転させる際に、加圧された薬剤の容積の中へ外気および不純物を送る可能性である。これは、計量弁の出口に一方向弁を加え、空になった計量室に外気が入るのを防ぐことによって解決可能である。追加の一方向弁の1つの可能な実施形態が図5に示されている。通常、一方向弁は閉鎖位置(51)にあって、計量室に外気がまったく入らないようになっている。投与量の放出の際に、一方向弁が開き(52)、外部へのノズルを介して、薬剤が計量室から出ることができるようになる。
【0038】
容器と一体化された前進式計量弁の場合では、一方向弁は、取り付けられたノズル部材に中に配置されてもよく、その場合でも標準の容器充填手順が依然として可能である。
【0039】
投与量表示器を、提案される弁の構成に加えることは、単純な作業である。計量弁は一方向に動くようにのみ意図されており、投与量計数器が、弁と連続的に係合され、弁の動きと同時に動かされることができることで、位置公差の問題および問題(E)による充填の影響が排除される。投与量表示器の可能な一実施形態が図6に示されている。回転子の歯車(61)が表示器の歯車(62)と係合され、弁の回転数と視覚式投与量表示器(63)の位置との間の固定された関係が確実になる。視覚式投与量表示器(63)は、図示のようにパターン化または色付けされた領域によって、容器の中に残っている薬剤の高さを視覚化することができるか、または容器の中に残された、およその、または正確な投与数を指示する数字または符号を付けられることができる。
【0040】
提案される弁の構成を、提案される投与数表示器の構成と組み合わせることの潜在的な危険性は、弁を逆方向に動かし、投与量表示器を逆方向に回す間に投与量を放出する危険性である。これによって、投与量指示器の状態と、コンテナの中に残された薬剤の実際量とが一致しなくなることにつながり、それは薬剤投与量表示器の深刻な誤動作となる。逆方向ロックの1つの可能な実施形態が図7に示されている。
【0041】
回転子シャフト(33)に逆方向ロックつめ車(71)を加え、吸入器の台座に逆方向ロックばね(72)を加えると、弁を逆方向に動かすことが不可能になり、少なく計数しすぎる危険性を排除する。
【0042】
提案される弁の構成についての別の潜在的な危険性は、吸入毎に、必要とされるよりも多くの投与量を放出する危険性である。これを防ぐために、ステップロックが適用されてよい。吸入時に必要な数の投与量が放出された後、弁が確実に回転を止めるようになる。ステップロックは、様々な実施形態において実現可能である。1つの可能な任意選択例が図8に示されており、動作毎に1投与量を放出する。
【0043】
弁起動装置(81)が、回転子シャフト(33)に自由に回転するように取り付けられている。バルブを起動し、1投与量を放出するためには、起動装置の逆転停止部(82)に対してもたれ掛かっている弁起動装置の直立位置から、起動装置の前進方向停止部(83)によって停止される弁起動装置の下方向の位置まで、弁起動装置が、時計回りに動かされなければならない。この間、ステップロックばね(84)がステップロックつめ車(85)を係合し、回転子シャフト(33)および弁回転子(31)を前進方向に回転させる。
【0044】
弁を次の投与量のために準備するために、弁起動装置(81)は、その直立位置まで戻されて、起動装置の逆転停止部(82)に対してもたれ掛かるようにしなければならない。この間、逆方向ロックばね(72)が、逆方向ロックつめ車(71)を係合し、弁回転子(31)が逆方向に回転しないことを確実にする。
【0045】
回転式の弁によって1投与量を供給するには、吸入の間に弁を起動するために、弁シャフトに対する回転的な入力を必要とする。
【0046】
基本的に、弁の回転は2つの異なる方法で起動されてよい。
【0047】
1.手動による起動
2.呼気による起動
【0048】
手動による起動は、弁の回転を手で起動することを使用者に要求することによって得られることができる。1つの可能な実施形態が図9に示されており、指車(91)が回転子シャフト(33)上に直接取り付けられ、弁回転子(31)を直接回転させて、それによって1投与量の薬剤を放出する。
【0049】
別の可能な実施形態が図10に示されており、この実施形態では、弁回転子(31)を回転させるために、機構が、線形の入力の動き(101)を行うことを使用者に要求する。使用者の入力の間に、ラック(102)が下に移動する。ピニオン(103)が、回転子シャフト(33)に取り付けられた回転子歯車(104)に係合して、弁回転子(31)を時計回りに回転させ、それによって1投与量の薬剤を放出する。吸入の後、弁回転子(31)を反時計回りに回転させることなく、つめ車として働くことによって、戻りばね(105)が、ラック(102)を初期位置に戻す。
【0050】
呼気による起動が、弁の回転を起こすために保存されたエネルギーを使用することによって得られることができる。保存されたエネルギーは、使用者の吸入器を介する吸入によって起こされる。エネルギーは、複数の方法で保存可能である。
【0051】
図11に可能な一実施形態が示されており、この実施形態では、負荷を掛けられたばね(111)に保存されたエネルギーが回転子シャフト(33)に掛けられ、弁回転子(31)を反時計回りに直接回転させ、それによって1投与量の薬剤を放出する。負荷を掛けられたばね(111)を使用者の吸入の流れ(112)によって起動するために、ヒンジ式のフラップ(113)が吸入器の空気流路に取り付けられて、フラップロック(114)に回転子ロック(115)を解放させる。これによって、負荷を掛けられたばね(111)が、弁回転子(31)を回転させることができ、それによって1投与量の薬剤を放出する。
【0052】
図12は、容器(123)と一体となったボール形状の前進式計量弁(112)の一実施形態を示す。2つの計量用空洞部を備えたこの実施形態では、1回の吸入手順が180度の弁の回転を起こす。前進式計量弁が容器と一体化している場合、弁は、加圧された液体が弁の出口(124)に働いたときはいつでも、弁を介する逆流を許すものでなくてはならない。一実施形態が図12aに示されており、この実施形態では、弾性の封止部材(121)が、容器(123)の中の加圧された液体が弁を介して漏れないように効果的に封止する。図12bの容器を充填している状態では、弁の出口(124)の圧力が、容器の内側の圧力よりも高い。この圧力の違いが、自転車の内側チューブの膨張弁と同じ方法で封止部材(125)を強制的に開き(125)、それによって、弁全体に平衡圧力が存在するようになるまで、加圧された液体が容器の中に流れることができる。こうして問題(F)が解決される。
【0053】
本発明のさらなる態様は、弁の機械的な動きが回転式、および一方向であるので、本明細書に開示された前進式計量弁が、複数回の投与操作に非常に向いていることである。計量用空洞部が、合理的な回転速度での回転の間に充填されたり、空にされたりすることができ、したがって、複数の計量された投与量が、一連の吸入の間に放出される。
【0054】
この態様は、薬剤の投与に関するいくつかの問題を解決する複数の適用例を明らかにする。
【0055】
インシュリンの肺への投与は、有望な新しい薬剤供給の治療法である。同じ投与量を毎回供給するほとんどの喘息用吸入器とは違い、インシュリン吸入器は、時刻、食事の摂取量、および運動レベルによって異なる投与量サイズを予め設定し、供給できなければならない。
【0056】
慢性疼痛を有する患者への鎮痛剤の肺への投与も、実際の痛みのレベルに対する投与量の調整が必要である。
【0057】
吸入器の研究は、図14に示すように吸入の連続の始めに大きく1回吹くよりも、図15に示すように吸入の連続の間に小さい投与量の部分を放出することが、最適な薬剤の付着にとって有利であることを示している。これは、計量空洞部の容積、弁の回転速度、および放出される投与量の数の間の適正な関係を選択することにより、前進式計量弁によって容易に達成可能である。
【0058】
本発明のさらなる態様は、前進式計量弁の一方向の回転が、図13に示されるような単純なモータに容易に接続され、そのモータによって駆動されることである。電池(131)動力式のモータ(132)は、タイミングのみによって制御されるか、または、より有利には、流れチャネルの中の実際の吸入の流れを測定することによって制御され、実際の吸入の流れの特性図16に対して投与量の放出パターンを適応させることができる。この流れセンサ(すなわち差動圧力タイプのもの)は、熱線風速計のタイプであるか、または機械的な変位タイプのセンサ(113)であってもよい。弁の放出制御のほかに、制御部(133)は、信頼性のある投与量の計数、および一連の良好な吸入が行われた後、投与量の放出を一定時間の間無効にすることによる、過剰な投与に対する保護など、安全上の問題も解決するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】従来のpMDI吸入器を示す図である。
【図2】従来の吸入器に関するタイミングを示す図である。
【図3】前進式計量弁の一実施形態を示す図である。
【図4】1回の吸入動作の間にかかわる、前進式計量弁の機能上のステップを示す図である。
【図5】任意選択の一方向弁の配置を示す図である。
【図6】投与量計数車を取り付けた一実施形態を示す図である。
【図7】逆方向ロック機構の一実施形態を示す図である。
【図8】ステップ式ロック機構の一実施形態を示す図である。
【図9】指車式の起動機構の一実施形態を示す図である。
【図10】押しボタン/つめ車機構の一実施形態を示す図である。
【図11】呼気起動式の投与量放出機構の一実施形態を示す図である。
【図12a】容器内に一体化した前進式計量弁の一実施形態を示す図である。
【図12b】前進式計量弁を介する容器の充填の一原理を示す図である。
【図13】前進式計量弁が、呼気起動式の機構および制御ユニットの制御下にある電池動力式のモータによって駆動される吸入器の構成を示す図である。
【図14】呼気起動式放出機構での1投与量の放出のタイミングを示す図である。
【図15】呼気起動式放出機構での複数の投与量の放出のタイミングを示す図である。
【図16】吸入の流れの連続的な測定によって制御される適応可能な複回の投与量の放出のタイミングを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は計量弁に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なタイプの吸入器
薬剤の吸入によって治療可能である喘息、COPD、糖尿病、全身性疼痛などの治療において、いくらかの医療用薬剤を有する吸入装置が広く用いられている。
【0003】
通常、1つには、乾燥した粉体の形状で薬剤を与え(乾燥粉体吸入器=DPI(dry powder inhaler))、また1つには、加圧された液体形状である適切な噴霧体の中へ薬剤が混合される(加圧定量投与式吸入器=pMDI(pressurized metered dose inhalers))という、2つの異なる医療用薬剤の調剤形態が用いられる。
【0004】
新規定の発行物は、DPIおよびpMDFの両者が、吸入器の中に残っている投与量の数を患者に知らせる、信頼性のある投与量表示器を備えるように求めている。
【0005】
医療用薬剤が肺を介して投与されることが目標とされる、特に糖尿病および鎮痛における医薬品の調剤の新開発は、投与量の計量の正確さ、および同じ吸入時間内において投与量を素早く複数回連続して放出するなど動的な投与量の調整に対する新しい必要条件を提示している。
【0006】
計量弁は、好ましくは、少ない部品を含み、自動組立および低い製造コストに適するものであるべきである。
【0007】
pMDI
pMDIでは、医療用薬剤が噴霧用液体の中に混合され、加圧下で容器の中に包含される。薬剤を均一な投与量で計量および放出するために、容器は、計量弁(すなわちMeshbergの特許文献1に開示されるようなもの)が取り付けられる。一般的な弁は、圧縮/放出タイプの弁である。ここから、より一般的な「押して吸う」という名称が、pMDIに与えられている(図1)。患者は、その患者のための吸入用薬剤を得るために、pMDI(11)のマウスピースを介して吸入する際に、図2の曲線によって示されるように、pMDI容器(12)を手で圧縮して離すことが想定されている。最初の位置(21)は、曲線の左にあり、そこでは容器は完全に拡張された状態にある。
【0008】
マウスピースを介して吸入する間、容器は、手で圧縮され(22)、予め計量された投与量の放出点(23)を過ぎ、完全に圧縮された状態(24)に達する。一定の遅延(25)の後、容器は離され(26)、次の投与量の計量点(27)を過ぎ、完全に拡張された状態(28)(リセット)に再び達する。
【0009】
現在のpMDI装置では、不適当な投与量の放出の原因となることのある、いくつかの問題が知られている。
【0010】
A.吸入時に、患者は、予め計量された投与量の薬剤(23)を放出させるために、30〜50Nの容器の圧縮力を克服できなければならない(容器の圧力は典型的に0.3〜0.6Mpa)。この力の大部分は、弁(28)を確実にリセットするのに十分な強さである内蔵の戻りばねを圧縮するために必要とされる。
【0011】
B.患者は、吸入の後の次の投与量の計量時(27)にpMDIを直立に保持しなければならず、そうしないと、次の使用時に薬剤の完全な投与量を得られない。この原理は、患者にとって理解が困難である。
【0012】
C.遅延(25)は、5〜10秒を越えてはならず、そうでない場合、次の投与量の計量(27)が不正確になり、患者が次の使用時に正確な投与量の薬剤を得られない。
【0013】
不正確な投与量を放出する主な原因は、以下の通り。
【0014】
1.不均一に溶解された溶液から計量。容器の内部の液体溶液に薬剤を均一に溶解するために、使用者は、吸入の前に吸入器を振るように指示される。振ってから次の投与量の計量まで長く時間が経ち過ぎた場合、溶液は、不均一に溶解された状態になり、次の使用のために計量された薬剤の投与量が、低すぎたり、または高すぎたりする原因となる。
【0015】
2.計量室の内部に大気中の空気が閉じ込められる。現在の投与量の供給の後に次の投与量の計量が遅れることによって、外側から計量弁の中へ空気が入る。空気は、計量弁の内部に閉じ込められて容積を取り、計量される投与量が少なくなりすぎる原因となる。
【0016】
さらに、容器の圧縮の間、計量弁の内部のガスケットにわずかな負荷が掛かっているため、遅延の間に容器から外部に薬剤が漏れる危険性がある。これは、使用者によって必要とされるときに、深刻な薬剤不足につながることがある。
【0017】
(A)の問題を克服するため、および吸入と投与量の供給との間の同調を改善するために、呼気起動式吸入器(BAI(breath actuated inhalers))が開発された。しかし、リセットは吸入後に患者によって手動で行われなければならないため(例えば、BAIのキャップを閉じること)、(B)および(C)の危険性が深刻さを増す。
【0018】
D.投与と投与との間の時間が長すぎる(例えば数日である)場合、計量された投与量の減損(主薬の損失)の危険性がある。患者は、最初の使用の前、およびpMDIが数日またはそれ以上用いられていなかった場合は使用の前の両方に、準備噴射を行うことが必要となる。
【0019】
E.pMDIまたはBAIに信頼性のある投与量表示器を加えることが新たな問題を引き起こす。容器の位置公差の大きさが、圧縮および放出の間の容器の往復運動距離に相当するため、投与量を絶対に多く計数しすぎず、投与量を絶対に少なく計数しすぎることのない充填量を保証する投与量表示器の構成方法は明らかになっていない。
【0020】
容器の充填の問題。F.一般に、容器に取り付けられる計量弁の構成は、容器に薬剤および噴霧体を充填する工場の産業上の慣行に従わなければならない。充填の前に計量弁が容器に取り付けられることが一般的な手順であり、したがって弁の構成は、容器を充填するために計量弁の出口に高圧が掛けられたとき、逆流ができるものでなければならない。
【0021】
【特許文献1】米国特許第3756465号明細書
【特許文献2】英国特許第2165159号明細書
【特許文献3】米国特許第6179583号明細書
【特許文献4】米国特許第6516796号明細書
【発明の開示】
【0022】
本発明は、加圧された容器をベースとする噴霧体吸入器で使用される固定された計量用空洞部を備える封止された一方向回転式の計量弁に関する。本発明は、従来の加圧された噴霧体吸入器に固有の上記の問題のいくつかを解決する。
【0023】
計量弁が、予め負荷を掛けられた戻りばねを必要としないため、起動の力が最小限にされる。
【0024】
使用者が吸入器を口または鼻からの使用のための直立位置に置いた後、計量弁が充填され、計量された投与量が1回の起動の動きで放出される。したがって、完全な投与量が、確実かつ正確に計量され、以前に計量された投与量の長期における移動の問題が避けられる。
【0025】
容器の中の液体が計量用空洞部の中へ自由に流れるため、リセット時間の必要が回避される。
【0026】
計量弁の一方向の回転動作は、単純な計数機構に適するのが明白であるため、信頼性のある視覚式の投与量表示器が、容易に弁に取り付けられる。
【0027】
標準的な容器の充填手順が可能になる、弾性の弁封止部材の実施形態が開示される。前進式計量弁は薬剤容器の一部であるか、または薬剤容器に加えられた装置であってよい。
【0028】
本発明のさらなる態様は、弁の機械的動作が回転式、連続式、および一方向式であることができるため、前進式計量弁は複数の投与動作に非常に適するものであることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
回転式計量弁は、Auvinenの特許文献2などの乾燥粉体吸入器に関する従来技術からよく知られている。しかしながら、この弁は圧力および封止がなく、重力のみに依存している。
【0030】
液体のための回転式投与量計量装置は、すなわちガソリンポンプから知られており、医療分野内では、いくつかの例がWestonの特許文献3、Coxの特許文献4に開示されている。これらの弁は、噴霧体のない液体によって低い圧力で作動するように構成されており、製造するのが複雑かつ高価であり、典型的な容器の圧力0.3〜0.6Mpaで作動することが実証されていない。
【0031】
本発明で開示される前進式計量弁の可能な一実施形態が図3に示されている。
【0032】
図示の弁回転子(31)はボール形状である。形状が回転的に対称形であれば、例えば円筒形状など他の形状も可能である。弁回転子は、1つまたは複数の計量室(32)を含む。吸入の際に、回転子シャフト(33)が回され、1つの計量室を、加圧された薬剤コンテナ(34)からの入口から、ノズル(35)を介する出口まで回転させる。
【0033】
吸入時の弁のサイクルが図4に示されている。
【0034】
初期位置(41)から、弁回転子(31)が時計回りに計量位置(42)まで回転され、そこで計量室(32)が入口(34)から分離される。計量室が周囲から完全に閉鎖される中間位置(43)を過ぎた後、計量室が出口に向かって開いたとき、投与量の放出(44)が起こる。最後のサイクルは停止位置(45)であり、この位置は同時に、次の投与量のための初期位置でもある。示された実施形態は、1投与量を放出するのに約180度回転する(360度の回転毎に2つの投与量)。その他の任意選択例は、360度の回転毎に1、3、4、5、6つおよびそれ以上の投与量である。現在の投与量が供給の数秒前に計量されるため、(C)および(D)の問題は回避される。準備噴射の必要はなくなる。
【0035】
戻りばねがないため、計量弁を起動する力が、30〜50Nよりかなり低くなり、(A)の問題の影響がかなり少なくなる。
【0036】
現在の投与量の計量が吸入の間に行われるため、吸入の間、吸入器を直立に保つ必要がある。これは、吸入の後に吸入器を直立に保つよりも、患者にとって理解がはるかに容易であり、(B)の問題の影響が少なくなる。
【0037】
提案される弁の構成に伴う潜在的な問題は、空にされた計量室を入口位置に向かって回転させる際に、加圧された薬剤の容積の中へ外気および不純物を送る可能性である。これは、計量弁の出口に一方向弁を加え、空になった計量室に外気が入るのを防ぐことによって解決可能である。追加の一方向弁の1つの可能な実施形態が図5に示されている。通常、一方向弁は閉鎖位置(51)にあって、計量室に外気がまったく入らないようになっている。投与量の放出の際に、一方向弁が開き(52)、外部へのノズルを介して、薬剤が計量室から出ることができるようになる。
【0038】
容器と一体化された前進式計量弁の場合では、一方向弁は、取り付けられたノズル部材に中に配置されてもよく、その場合でも標準の容器充填手順が依然として可能である。
【0039】
投与量表示器を、提案される弁の構成に加えることは、単純な作業である。計量弁は一方向に動くようにのみ意図されており、投与量計数器が、弁と連続的に係合され、弁の動きと同時に動かされることができることで、位置公差の問題および問題(E)による充填の影響が排除される。投与量表示器の可能な一実施形態が図6に示されている。回転子の歯車(61)が表示器の歯車(62)と係合され、弁の回転数と視覚式投与量表示器(63)の位置との間の固定された関係が確実になる。視覚式投与量表示器(63)は、図示のようにパターン化または色付けされた領域によって、容器の中に残っている薬剤の高さを視覚化することができるか、または容器の中に残された、およその、または正確な投与数を指示する数字または符号を付けられることができる。
【0040】
提案される弁の構成を、提案される投与数表示器の構成と組み合わせることの潜在的な危険性は、弁を逆方向に動かし、投与量表示器を逆方向に回す間に投与量を放出する危険性である。これによって、投与量指示器の状態と、コンテナの中に残された薬剤の実際量とが一致しなくなることにつながり、それは薬剤投与量表示器の深刻な誤動作となる。逆方向ロックの1つの可能な実施形態が図7に示されている。
【0041】
回転子シャフト(33)に逆方向ロックつめ車(71)を加え、吸入器の台座に逆方向ロックばね(72)を加えると、弁を逆方向に動かすことが不可能になり、少なく計数しすぎる危険性を排除する。
【0042】
提案される弁の構成についての別の潜在的な危険性は、吸入毎に、必要とされるよりも多くの投与量を放出する危険性である。これを防ぐために、ステップロックが適用されてよい。吸入時に必要な数の投与量が放出された後、弁が確実に回転を止めるようになる。ステップロックは、様々な実施形態において実現可能である。1つの可能な任意選択例が図8に示されており、動作毎に1投与量を放出する。
【0043】
弁起動装置(81)が、回転子シャフト(33)に自由に回転するように取り付けられている。バルブを起動し、1投与量を放出するためには、起動装置の逆転停止部(82)に対してもたれ掛かっている弁起動装置の直立位置から、起動装置の前進方向停止部(83)によって停止される弁起動装置の下方向の位置まで、弁起動装置が、時計回りに動かされなければならない。この間、ステップロックばね(84)がステップロックつめ車(85)を係合し、回転子シャフト(33)および弁回転子(31)を前進方向に回転させる。
【0044】
弁を次の投与量のために準備するために、弁起動装置(81)は、その直立位置まで戻されて、起動装置の逆転停止部(82)に対してもたれ掛かるようにしなければならない。この間、逆方向ロックばね(72)が、逆方向ロックつめ車(71)を係合し、弁回転子(31)が逆方向に回転しないことを確実にする。
【0045】
回転式の弁によって1投与量を供給するには、吸入の間に弁を起動するために、弁シャフトに対する回転的な入力を必要とする。
【0046】
基本的に、弁の回転は2つの異なる方法で起動されてよい。
【0047】
1.手動による起動
2.呼気による起動
【0048】
手動による起動は、弁の回転を手で起動することを使用者に要求することによって得られることができる。1つの可能な実施形態が図9に示されており、指車(91)が回転子シャフト(33)上に直接取り付けられ、弁回転子(31)を直接回転させて、それによって1投与量の薬剤を放出する。
【0049】
別の可能な実施形態が図10に示されており、この実施形態では、弁回転子(31)を回転させるために、機構が、線形の入力の動き(101)を行うことを使用者に要求する。使用者の入力の間に、ラック(102)が下に移動する。ピニオン(103)が、回転子シャフト(33)に取り付けられた回転子歯車(104)に係合して、弁回転子(31)を時計回りに回転させ、それによって1投与量の薬剤を放出する。吸入の後、弁回転子(31)を反時計回りに回転させることなく、つめ車として働くことによって、戻りばね(105)が、ラック(102)を初期位置に戻す。
【0050】
呼気による起動が、弁の回転を起こすために保存されたエネルギーを使用することによって得られることができる。保存されたエネルギーは、使用者の吸入器を介する吸入によって起こされる。エネルギーは、複数の方法で保存可能である。
【0051】
図11に可能な一実施形態が示されており、この実施形態では、負荷を掛けられたばね(111)に保存されたエネルギーが回転子シャフト(33)に掛けられ、弁回転子(31)を反時計回りに直接回転させ、それによって1投与量の薬剤を放出する。負荷を掛けられたばね(111)を使用者の吸入の流れ(112)によって起動するために、ヒンジ式のフラップ(113)が吸入器の空気流路に取り付けられて、フラップロック(114)に回転子ロック(115)を解放させる。これによって、負荷を掛けられたばね(111)が、弁回転子(31)を回転させることができ、それによって1投与量の薬剤を放出する。
【0052】
図12は、容器(123)と一体となったボール形状の前進式計量弁(112)の一実施形態を示す。2つの計量用空洞部を備えたこの実施形態では、1回の吸入手順が180度の弁の回転を起こす。前進式計量弁が容器と一体化している場合、弁は、加圧された液体が弁の出口(124)に働いたときはいつでも、弁を介する逆流を許すものでなくてはならない。一実施形態が図12aに示されており、この実施形態では、弾性の封止部材(121)が、容器(123)の中の加圧された液体が弁を介して漏れないように効果的に封止する。図12bの容器を充填している状態では、弁の出口(124)の圧力が、容器の内側の圧力よりも高い。この圧力の違いが、自転車の内側チューブの膨張弁と同じ方法で封止部材(125)を強制的に開き(125)、それによって、弁全体に平衡圧力が存在するようになるまで、加圧された液体が容器の中に流れることができる。こうして問題(F)が解決される。
【0053】
本発明のさらなる態様は、弁の機械的な動きが回転式、および一方向であるので、本明細書に開示された前進式計量弁が、複数回の投与操作に非常に向いていることである。計量用空洞部が、合理的な回転速度での回転の間に充填されたり、空にされたりすることができ、したがって、複数の計量された投与量が、一連の吸入の間に放出される。
【0054】
この態様は、薬剤の投与に関するいくつかの問題を解決する複数の適用例を明らかにする。
【0055】
インシュリンの肺への投与は、有望な新しい薬剤供給の治療法である。同じ投与量を毎回供給するほとんどの喘息用吸入器とは違い、インシュリン吸入器は、時刻、食事の摂取量、および運動レベルによって異なる投与量サイズを予め設定し、供給できなければならない。
【0056】
慢性疼痛を有する患者への鎮痛剤の肺への投与も、実際の痛みのレベルに対する投与量の調整が必要である。
【0057】
吸入器の研究は、図14に示すように吸入の連続の始めに大きく1回吹くよりも、図15に示すように吸入の連続の間に小さい投与量の部分を放出することが、最適な薬剤の付着にとって有利であることを示している。これは、計量空洞部の容積、弁の回転速度、および放出される投与量の数の間の適正な関係を選択することにより、前進式計量弁によって容易に達成可能である。
【0058】
本発明のさらなる態様は、前進式計量弁の一方向の回転が、図13に示されるような単純なモータに容易に接続され、そのモータによって駆動されることである。電池(131)動力式のモータ(132)は、タイミングのみによって制御されるか、または、より有利には、流れチャネルの中の実際の吸入の流れを測定することによって制御され、実際の吸入の流れの特性図16に対して投与量の放出パターンを適応させることができる。この流れセンサ(すなわち差動圧力タイプのもの)は、熱線風速計のタイプであるか、または機械的な変位タイプのセンサ(113)であってもよい。弁の放出制御のほかに、制御部(133)は、信頼性のある投与量の計数、および一連の良好な吸入が行われた後、投与量の放出を一定時間の間無効にすることによる、過剰な投与に対する保護など、安全上の問題も解決するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】従来のpMDI吸入器を示す図である。
【図2】従来の吸入器に関するタイミングを示す図である。
【図3】前進式計量弁の一実施形態を示す図である。
【図4】1回の吸入動作の間にかかわる、前進式計量弁の機能上のステップを示す図である。
【図5】任意選択の一方向弁の配置を示す図である。
【図6】投与量計数車を取り付けた一実施形態を示す図である。
【図7】逆方向ロック機構の一実施形態を示す図である。
【図8】ステップ式ロック機構の一実施形態を示す図である。
【図9】指車式の起動機構の一実施形態を示す図である。
【図10】押しボタン/つめ車機構の一実施形態を示す図である。
【図11】呼気起動式の投与量放出機構の一実施形態を示す図である。
【図12a】容器内に一体化した前進式計量弁の一実施形態を示す図である。
【図12b】前進式計量弁を介する容器の充填の一原理を示す図である。
【図13】前進式計量弁が、呼気起動式の機構および制御ユニットの制御下にある電池動力式のモータによって駆動される吸入器の構成を示す図である。
【図14】呼気起動式放出機構での1投与量の放出のタイミングを示す図である。
【図15】呼気起動式放出機構での複数の投与量の放出のタイミングを示す図である。
【図16】吸入の流れの連続的な測定によって制御される適応可能な複回の投与量の放出のタイミングを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧式容器の噴霧体吸入装置に特に使用される計量弁であって、前記計量弁は入口と出口とを備え、前記計量弁は弁回転子を備え、前記弁回転子は少なくとも1つの計量空洞部を備え、前記弁回転子は回転子シャフトの一部をなし、前記弁回転子は一方向のみに回転可能であり、前記回転子シャフトは、回転子シャフトを回転させる起動手段に連結され、前記計量弁の空洞部が投与量で満たされて、前記投与量が同じ動作の間に続けて放出され、前記回転子シャフトは投与量表示機構に直接連結されることを特徴とする計量弁。
【請求項2】
前記計量弁の入口は、容器への封止された連結部を有し、前記容器は加圧された媒体を含み、前記弁回転子は、前記計量室が、前記容器の内側の前記媒体と連通する位置から、前記計量室が前記出口と連通する位置まで回転されることができるように、前記容器と前記出口との間に回転式に連結されることを特徴とする請求項1に記載の計量弁。
【請求項3】
前記弁回転子は、前記容器の構造の中に内蔵されることを特徴とする請求項1に記載の計量弁。
【請求項4】
前記弁は剛性の弁回転子要素と弾性のガスケット部材とを備える計量弁であって、前記弁は3つの作動モードを有し、
第1モードは、流体が前記容器の内側よりも大きい圧力の下にあるとき、前記流体が前記出口から前記容器の中へ入ることのできる、前記弁回転子の前記ガスケット部材の中での線形の動きであり、
第2モードは、前記容器の内側の圧力が周囲よりも大きいとき、静止している弁回転子が、前記ガスケット部材の手段によって前記容器の内容物を外側から封止することであり、第3モードは、前記回転子が前記ガスケットの中で回転され、投与量を前記入口から前記出口まで運ぶ計量の動作であることを特徴とする請求項3に記載の計量弁。
【請求項5】
前記第1作動モードにおいて、流体の進入が容易になるようなやり方で、前記ガスケット部材が前記流体および前記弁回転子によって偏向されることを特徴とする請求項4に記載の計量弁。
【請求項6】
前記弁回転子は、例えば球または円筒など回転的に対称形状であることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項7】
前記弁回転子と前記出口との間にさらなる一方向弁が配置され、前記一方向弁が、大気中の空気などの媒体が前記出口を介して前記計量室の中へ流れるのを防ぐことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項8】
前記弁回転子のシャフトは、視覚式投与量表示器に連結され、前記視覚式投与量表示器は、前記容器の中に残された投与量の概数を表示することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項9】
前記弁回転子はロック手段に連結され、前記ロック手段はロックばねを備え、前記ロックばねは、前記弁回転子の一方向の回転を確実にするために、逆方向ロックつめ車と相互作用することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項10】
前記弁回転子は機械的伝達手段に連結され、前記機械的伝達手段は、起動手段が起動されたとき、前記弁回転子の回転の動きを起こすように、前記起動手段に連結されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項11】
前記計量弁は、ボタンなどのような起動手段を備え、前記起動手段は作動手段に連結されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項12】
前記起動手段は、呼気起動式の部材を備え、前記部材は、前記作動手段を制御する始動手段に連結されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項13】
前記計量弁は、吸入毎の投与量または副投与量の数を制御する手段を備え、前記制御する手段は、所定の数の投与量または副投与量の後、前記弁回転子が回転を停止するのを確実にすることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項14】
計量弁を作動させる手順であって、
計量室が、加圧された媒体を含む容積に連結される第1ステップと、
前記弁回転子が、前記計量室を閉じるように回転される第2ステップと、
前記計量室が前記出口に連結されるように、前記弁回転子がさらに回転される第3ステップとの作動ステップを含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の手順。
【請求項15】
前進式計量弁を作動させる手順であって、
使用者/患者によって開始される起動ステップと、所定の投与量の薬剤を前記使用者/患者に供給するために、少なくとも1つの計量室が所定の回数だけ空にされるように、前記使用者/患者が吸入し、前記弁回転子が所定の回転数だけ回転される吸入ステップとをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の手順。
【請求項1】
加圧式容器の噴霧体吸入装置に特に使用される計量弁であって、前記計量弁は入口と出口とを備え、前記計量弁は弁回転子を備え、前記弁回転子は少なくとも1つの計量空洞部を備え、前記弁回転子は回転子シャフトの一部をなし、前記弁回転子は一方向のみに回転可能であり、前記回転子シャフトは、回転子シャフトを回転させる起動手段に連結され、前記計量弁の空洞部が投与量で満たされて、前記投与量が同じ動作の間に続けて放出され、前記回転子シャフトは投与量表示機構に直接連結されることを特徴とする計量弁。
【請求項2】
前記計量弁の入口は、容器への封止された連結部を有し、前記容器は加圧された媒体を含み、前記弁回転子は、前記計量室が、前記容器の内側の前記媒体と連通する位置から、前記計量室が前記出口と連通する位置まで回転されることができるように、前記容器と前記出口との間に回転式に連結されることを特徴とする請求項1に記載の計量弁。
【請求項3】
前記弁回転子は、前記容器の構造の中に内蔵されることを特徴とする請求項1に記載の計量弁。
【請求項4】
前記弁は剛性の弁回転子要素と弾性のガスケット部材とを備える計量弁であって、前記弁は3つの作動モードを有し、
第1モードは、流体が前記容器の内側よりも大きい圧力の下にあるとき、前記流体が前記出口から前記容器の中へ入ることのできる、前記弁回転子の前記ガスケット部材の中での線形の動きであり、
第2モードは、前記容器の内側の圧力が周囲よりも大きいとき、静止している弁回転子が、前記ガスケット部材の手段によって前記容器の内容物を外側から封止することであり、第3モードは、前記回転子が前記ガスケットの中で回転され、投与量を前記入口から前記出口まで運ぶ計量の動作であることを特徴とする請求項3に記載の計量弁。
【請求項5】
前記第1作動モードにおいて、流体の進入が容易になるようなやり方で、前記ガスケット部材が前記流体および前記弁回転子によって偏向されることを特徴とする請求項4に記載の計量弁。
【請求項6】
前記弁回転子は、例えば球または円筒など回転的に対称形状であることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項7】
前記弁回転子と前記出口との間にさらなる一方向弁が配置され、前記一方向弁が、大気中の空気などの媒体が前記出口を介して前記計量室の中へ流れるのを防ぐことを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項8】
前記弁回転子のシャフトは、視覚式投与量表示器に連結され、前記視覚式投与量表示器は、前記容器の中に残された投与量の概数を表示することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項9】
前記弁回転子はロック手段に連結され、前記ロック手段はロックばねを備え、前記ロックばねは、前記弁回転子の一方向の回転を確実にするために、逆方向ロックつめ車と相互作用することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項10】
前記弁回転子は機械的伝達手段に連結され、前記機械的伝達手段は、起動手段が起動されたとき、前記弁回転子の回転の動きを起こすように、前記起動手段に連結されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項11】
前記計量弁は、ボタンなどのような起動手段を備え、前記起動手段は作動手段に連結されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項12】
前記起動手段は、呼気起動式の部材を備え、前記部材は、前記作動手段を制御する始動手段に連結されることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項13】
前記計量弁は、吸入毎の投与量または副投与量の数を制御する手段を備え、前記制御する手段は、所定の数の投与量または副投与量の後、前記弁回転子が回転を停止するのを確実にすることを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載の計量弁。
【請求項14】
計量弁を作動させる手順であって、
計量室が、加圧された媒体を含む容積に連結される第1ステップと、
前記弁回転子が、前記計量室を閉じるように回転される第2ステップと、
前記計量室が前記出口に連結されるように、前記弁回転子がさらに回転される第3ステップとの作動ステップを含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の手順。
【請求項15】
前進式計量弁を作動させる手順であって、
使用者/患者によって開始される起動ステップと、所定の投与量の薬剤を前記使用者/患者に供給するために、少なくとも1つの計量室が所定の回数だけ空にされるように、前記使用者/患者が吸入し、前記弁回転子が所定の回転数だけ回転される吸入ステップとをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の手順。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2008−539912(P2008−539912A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510409(P2008−510409)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000245
【国際公開番号】WO2006/119766
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(504282706)バング アンド オルフセン メディコム アーエス (2)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000245
【国際公開番号】WO2006/119766
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(504282706)バング アンド オルフセン メディコム アーエス (2)
[ Back to top ]