剪断強度を向上させる貨物拘束方法及びシステム
【課題】輸送コンテナ内の貨物を固定する積荷拘束方法およびシステムを提供する。
【解決手段】貨物固定システムは、コンテナ20の側壁部分に接着する接着セグメント34を用いて一対の対向する拘束ストリップ30ドラム缶38などの貨物36に巻きついて取り囲み、個別のオーバレイパッチセグメント40が接合部に適用されることにより、貨物の周りのコンテナの側壁と反対側の拘束ストリップ30とを結合させて貨物をコンテナ20の内壁面に固定する。
【解決手段】貨物固定システムは、コンテナ20の側壁部分に接着する接着セグメント34を用いて一対の対向する拘束ストリップ30ドラム缶38などの貨物36に巻きついて取り囲み、個別のオーバレイパッチセグメント40が接合部に適用されることにより、貨物の周りのコンテナの側壁と反対側の拘束ストリップ30とを結合させて貨物をコンテナ20の内壁面に固定する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2000年7月18日発行の米国特許第6,089,802号「輸送用コンテナのための貨物拘束システム」、2001年5月8日発行の米国特許第6,227,779号「輸送コンテナのための貨物拘束方法」、2003年8月19日発行の米国特許第6,607,337号「貨物拘束システム」、2005年5月24日発行の米国特許第6,896,459号、2005年8月2日発行の米国特許第6,923,609号、2006年3月28日発行の米国特許第7,018,151号、2006年6月27日発行の米国特許第7,066,698号、2007年11月6日発行の米国特許第7,290,969号、2008年2月12日発行の米国特許第7,329,074号に関連し、これらの発明者および譲渡人はすべて本出願と共通である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、輸送中の貨物を拘束するための改良された方法およびシステムに関する。より詳しくは、本発明は、インターモダルコンテナ、陸路輸送などにおけるパレットに載せられたまたは載せられていないドラム缶、ボックス、剛性および可撓性コンテナが不要に動かないよう固定または拘束する新しい方法およびシステムに関する。さらに、本発明は、輸送中の積荷の移動を抑制するための固定および貼付強度を高めた方法およびシステムに関する。
【0003】
米国および海外いずれにおいても、輸出用の積荷のほとんどはインターモダルコンテナに収容される。インターモダルコンテナは、多くの場合、ボックス、密閉された55ガロンドラム缶、スーパーサック、または、プラスチック強化バッグ、プラスチックの包み、ケース入りの貨物、金属コイル、特別な厚紙のロール、または、パレットに載置されたプラスチックまたは金属コンテナのような周囲を覆うもので包まれた貨物を積んでいる。それぞれの包みまたは束は、かなり重く、静止していてよさそうなものだが、船、鉄道車両、または、トラックでの移動の結果、大量の積荷には相当な運動量が生じる。
【0004】
インターモダルコンテナは、20または40フィートの標準化された寸法を有し、構造的に自立して非常に頑丈である鋼鉄製の波形の側壁によって形成されている。コンテナは、海上輸送のために船に積まれ、横揺れ、縦揺れ、うねり、振動、大波を含む波の力を受ける。これらの力はそれぞれインターモダルコンテナ内の中身に相当な力をかける可能性がある。この場合、コンテナが方向または速度を変えると、コンテナ内の貨物は、コンテナの内壁と接するまで既存の経路に沿って進む傾向にある。ある種の拘束および/または緩衝システムがなければ、貨物は、コンテナとは別に相当な運動量を生じることになる。運動量は、その速度で乗じた積荷量に等しい。貨物の積載量が多いと、速度または方向の変化が例え小さくても相当な力を生じかねない。
【0005】
陸路のインターモダルコンテナは、大抵、鉄道の平台型貨車および/または貨物トレーラでピギーバックされる。鉄道車両は、操車場内での連結または移動プロセスによって形成されてよい。複数の車両が連結されて1つの鉄道車両をなしている場合、衝撃によって車両の連結器の連結がロックする。この衝撃は、鉄道車両内の貨物に相当な力をかける。さらに、輸送中、鉄道車両は、制動力、ランイン、ランアウト、勾配における連結器への衝撃、レールの振動を受け、軌道におけるくぼみによって揺さぶられる。同様に、トラックも停止および始動力、非常ブレーキ、でこぼこな路床によるがたつきおよび揺れ、カーブの遠心力、振動などを受け、これらが積荷を移動させてしまいがちである。
【0006】
積荷がコンテナの内壁またはドアと接すると、その運動量をゼロにするのに必要な力は貨物および/またはコンテナによって吸収されるはずである。そのような力は、結果として貨物、コンテナの内壁またはドア、積荷のパッキングにもダメージを与えかねず、貨物が危険物であれば、漏れると事故につながる場合もある。したがって、輸送中、コンテナとは別に貨物がいかなる運動量も生み出すことができるのは望ましくない。これは、輸送中、貨物をコンテナ内で拘束することにより、積荷とコンテナとを基本的に一体化させ、1つの物体として機能させることにより防ぐことができる。
【0007】
輸送中の積荷を固定し、望ましくない移動およびダメージを最小限にすべく、積荷封じ込めエンクロージャは、多くの場合、特別に製造されたウッドフレーミング、フロアブロッキング、ラバーマット、スチールストラッピング、強力なエアバッグなどによって、インターモダルコンテナ、ボックスカー、または、トレーラの床、および/または、側部に固定される。これらの既知の固定用システムのそれぞれは、建設費にまつわる制限があり、ぎっしり詰まった積荷を固定するのに十分な強度も不足しているなどの問題がある。さらに、食料品、ティッシュまたは柔らかい紙製品、家具、器具のような非危険物を少なくとも部分的に固定することはトレーラの後ドアに頼ることができるが、危険物、および、他の多くのタイプの積荷については、コンテナの後ドアでは、積荷を部分的にすら固定する役目は果たせないかもしれない。実際、運輸省の規定およびアメリカ鉄道協会の基準を満たすには、危険物は、衝撃が与えられる間はコンテナの後ドアと接するかまたは「接触」することすら許されない。
【0008】
さらにいくつかの例では、積荷の一部のみを出荷する際にトレーラまたはボックスカーが用いられることがある。さらに、一部の積荷がトレーラの中心位置にくることがある。この場合、積荷を十分固定できる木製の荷敷を積荷の前後に形成するのは非実現的であろう。この場合、トレーラの前部は利用されない。また、いくつかの部分的な積荷は、パレット上に対称的には配置されず、したがって、固定することにより、積荷は非対称に収容されることになってしまう。
【0009】
過去においては、輸送中における積荷の望ましくない動きまたは移動をなくすべく、インターモダルコンテナ、鉄道車両、および/または、トレーラ内でさまざまな荷敷材料が用いられてきた。ボックス、ドラム缶、または、他のコンテナは、いくつかの異なる方法で拘束されてきた。主に、貨物は、積荷係止および木材の突っ張り方法によって安定した。このシステムは、積荷面とコンテナの後ドアとの間に木材を効果的に配置することを含む。しかしながら、これは、コストおよび時間がかかると共に、積荷を固定するのには概して非効率な手段である。この場合、ブロッキングプロセスには熟練の大工が必要であり、多くの場合、請負業者に外注する。さらに、木材バリアは、設置するのに時間がかかってしまう。さらには、木材の突っ張りは、いくぶん脆弱であり、突然の衝撃で壊れてしまうこともある。
【0010】
上記に加え、木材の突っ張りによる従来の積荷固定方法は、いくつかの役目を果たすことがどうしてもできない。例えば、インターモダルコンテナを満たす最も効率的な手段は、20t積コンテナ内に80個の55ガロンドラム缶を2段に積むことである。しかしながら、80樽を積んだ場合、積荷面とコンテナの後ドアとの間隔は約4インチしかない。80樽のドラム缶からなる積荷を適切に支えるに十分な木材を配置する空間として4インチでは不足である。したがって、木製の突っ張りが拘束システムとして利用される場合、荷主は、コンテナを荷で満タンにせずに出荷しなければならない。これによって輸送効率が低下し、輸送コストは上がる。さらに、針葉樹のようなある種の木は、特別な燻蒸消毒または熱処理をしなければ国境を越えることが許されていない。
【0011】
運輸省は、特定の拘束システムが危険な貨物を適切に固定できるかどうかを決定する基準を制定した。特定の例では、従来の積荷固定および木材の突っ張りは、危険な貨物を出荷する認可を受けるには構造上難があった。
【0012】
過去におけるロープ、金属またはプラスチックストラップ、または、スタンドなどの他の既知の拘束手段は、性能が良くない傾向にあり、穏やかな条件下にあってさえ積荷を拘束するにふさわしい機能を発揮できないことがよくある。したがって、機能的に有効であり、経済的で、労働効率が良く、運輸省およびアメリカ鉄道協会の基準に適応できる、インターモダルコンテナ、ボックスカー、トラック、貨物トレーラ内で積載を固定するための手段が必要とされる。また、さらに、強度特性が強化され、コンテナ内で積荷が移動することを制限する固定システムが必要とされる。
【0013】
上記制限のいくつかを克服する、貨物の移動を抑制する方法および装置の少なくとも1つが、本出願と共通の譲渡人を有する米国特許第4,264,251に開示されている。この特許で開示されている発明は、コンテナの対向する側壁に固着されたシールストリップと、ブレーシング材料の一体型ストリップと、ストリップの端部を束ねて積荷面に堅固にしっかりと拘束するために用いられる接続機構とを備える。
【0014】
上記'251特許では、壁紙を貼るのといくぶん同様の方法で可撓性固定ストリップが貼付されており、その場合、接着性が必要なトレーラ内の表面に接着材が施される。次に、接着材に保持ストリップが貼り付けられる。過去におけるシステムは、独立した接着材を用いるというこの条件に加え、接合部における弱さに関わる問題を抱えている。ストリップが集まる接合部において接続されたパネルがずれることがあった。さらに、インターモダルコンテナは、上述のような波形の壁を有する。この波形が原因で個別の接着材に拘束ストリップを平坦に貼り付けるのは実質的にかなり難しいかもしれない。
【0015】
米国特許第4,264,251号に開示された拘束システムの他に、動作特性が強化されて効果をもたらす他のシステムも開発されており、本願と共通の発明者を有する上述の米国特許第6,089,802、6,227,779、6,607,337、6,896,459、6,923,609、7,018,151、7,066,698、7,290,969、7,329,074に開示されている。これらの従来の特許開示内容は、詳細な説明として参照により本願に組み込まれる。
【0016】
さらに、これら従来のインターモダルコンテナにおける積荷固定システムに対しては、既知の市販のシステムによって得られる利点も得ながら、危険物を含むより重く密度の高い積荷を固定することにさらなる関心が寄せられてきた。さらに、弾性およびまたは塑性伸びを減少させ、垂直の固定機能を高めることにより、効率および安全性を強化して危険物を輸送できるようにすることに関心が寄せられている。この点に関しては、従来のインターモダルコンテナ内の80個の55ガロンドラム缶の積荷を利用することは望ましい。この場合、4つのスチールドラム缶がインターモダルコンテナの後ドアに隣接して配置されることが要求される。過去において、衝撃を受けている間積荷がコンテナの後ドアと接してしまうほど移動しかねないという問題があった。上述のごとく、危険な積荷については、HazMatの規則によればコンテナの後ドアと接触することは認められない。
【0017】
上記に加え、過去においては他の拘束システムも知られており、それらは、収納するのが困難であり、設置が困難であり、適切に設置するには多くの場合、ある程度の熟練工を要した。ストラップ、釘、アンカー、または、ボルトを用いるシステムはすべて、使用しないときにもかなりの収納場所を要する。さらに、このようなシステムは、貨物を拘束する労働者の安全に対するリスクを高める。また、さらに、このようなシステムは、多くの場合、さまざまな国における取締り機関によって課せられる安全性および移動制限を満たすことができなかった。
【0018】
上記問題点に加えて、過去に用いられていたシステムおよび手順は、貨物コンテナ内に配置されている付属品に依存しており、一部の積荷を固定することができなかった。すなわち、例えば中央に配置された積荷がコンテナの前部または後部まで達しない場合、必要なアンカーは、それらが効果的に用いられうる領域内では利用できない可能性がある。
【0019】
過去におけるさらなる方法およびシステムは、拘束ストリップによる5フィートの長さの自己接着性コンタクトをコンテナの側壁に貼付させることを必要とする。貨物の拘束ストリップをコンテナの側壁へ有効に固着させながらも、この長さを短くできれば望ましい。
【0020】
先に示唆した制限が問題点のすべてだというつもりはなく、むしろ、それらの多くが過去において知られた貨物拘束システムの有効性を損なう可能性があるということを示す意図で記載した。他の注目すべき課題も存在するが、過去における貨物拘束システムには改良の余地があることを実証するには、上述の課題で十分なはずである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の他の目的および利点は、添付の図面を参照して採り上げられる以下の好適な実施形態の詳細な説明によって明らかになろう。
【0022】
【図1】ドックにおける概略的なコンテナ船の俯瞰図であり、海洋輸送船にインターモダルコンテナをクレーンで積み込んでいるところを示す。
【0023】
【図2】貨物トレーラの平台に固定されたインターモダルコンテナの内部を示す不等角投影図であり、積荷の一部がコンテナ内で固定されているところを示す。
【0024】
【図3】インターモダルコンテナ内の貨物を拘束するのに用いられる固定用拘束ストリップのロールから典型的な12フィートの長さを出しているところを描いた図である。
【0025】
【図4】貨物トレーラに配置されたインターモダルコンテナの内壁面に従来の拘束ストリップを貼っているところを見せるために一部切り取った不等角部分図である。
【0026】
【図5】コンテナの側壁に貼り付けられた拘束ストリップの従来の長さを示す、インターモダルコンテナ本体の詳細な部分断面図である。
【0027】
【図6】本発明の一実施形態に係る拘束ストリップの好適な形態を示す、図3と同様の図である。
【0028】
【図7】本発明の一実施形態に係る拘束ストリップのロールを示す部分的に切り取った不等角図である。
【0029】
【図8】図7を8−8の断面線で切断した断面詳細図であり、本発明に従い用いられる1つの好適な形態の拘束ストリップの内部の詳細を示す。
【0030】
【図9】図8と同様の部分断面図であり、本発明に従い用いられる他の好適な形態の拘束ストリップの内部の別な詳細を示す。
【0031】
【図10】図8と同様の部分断面図であり、本発明に従い用いられる他の好適な形態の拘束ストリップの内部の別な詳細を示す。
【0032】
【図11】図8と同様の部分断面図であり、本発明に従い用いられる他の好適な形態の拘束ストリップの内部の別な詳細を示す。
【0033】
【図12】本発明に係るインターモダルコンテナのコーナーの拡大詳細図であり、従来のボックス内に収容された貨物と、コンテナの側壁への増強接着とを示す。
【0034】
【図13】本発明に係るインターモダルコンテナのコーナーの拡大詳細図であり、従来のドラム缶の貨物と、コンテナの側壁への増強接着とを示す。
【0035】
【図14】コンテナの端面の拡大部分図であり、ボックス内の貨物およびボックスがパレット上に非対称に載置されており、コンテナの側壁に沿った非対称の貼付ポイントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[発明の内容]
図1を特に参照すると、本発明の一実施形態が示されている。この図では、港に停泊している船10が示され、当該船の上にはインターモダルコンテナ12が積まれている。特に、図1に示されているドック14に停泊している船10は、インターモダルコンテナ12がクレーン16によって積み込まれる海洋航行船10である。本発明は、船10に積まれるような鉄道車両、および、貨物トレーラなどにおけるインターモダルコンテナ内の貨物を固定するのに都合よく用いられてよい。
【0037】
図2は、本発明の他の実施形態を示す不等角図である。この図では、陸上輸送用のトラクタ24に牽引されるトレーラ22の上に載置されたインターモダルまたは貨物コンテナ20が示されている。このようなコンテナは、鉄道長物車に直接載置されるか、または、貨物トレーラ22に取り付けられてよい。
【0038】
図2の一部切り取られた部分は、インターモダル貨物コンテナ20の内壁面32に自動的に接着する貨物拘束ストリップ30を示す。図2に示す貨物固定システムは、コンテナの側壁の対向する部分に自動的に接着する接着セグメント34を用いてコンテナ20の対向する側壁に自動的に接着される一対の対向する拘束ストリップ30を備える。拘束ストリップ30は、例えば、55ガロンドラム缶38などの貨物36に巻きついて取り囲む。拘束ストリップ30は、積荷表面を覆い、折り曲げられ、トルクツールによって貨物と一緒にきつく引っ張られる。そして、個別のオーバレイパッチセグメント40が接合部に適用されることにより、貨物の周りのコンテナの側壁と反対側の拘束ストリップ30とを結合させて貨物をコンテナ20の内壁面に固定する。
【0039】
図3に進むと、上記関連特許に示されたような一般的な形態の拘束ストリップ30が示されている。拘束ストリップ30は、好ましくは、リールまたはロール44状に製造されて搬送される。ストリップ30のロール44は、エンドツーエンドの連続した約12フィートの長さに製造されてよく、反復強化構造を有する。
【0040】
まず、ストリップ30全体の約7フィートのセグメント46が基本的な構造で製造され、別の約5フィートのセグメント48は、自己接着性の接着部材を追加して含んでいる。一実施形態では、ストリップ30は、約12フィートおきに横にミシン目を入れられているので、切り離すことができる。または、ストリップの一方の側は12フィートにわたりマークが入れられており、現場で用いるための約12フィートの単一の拘束ストリップ30を形成するために簡単に切断することができる。好ましくは、拘束ストリップ30は、幅約15インチであるが、強度を高める必要性に応じて他の幅に変えてもよく、さらに幅の広いストリップを提供してもよい。
【0041】
図4および図5は、インターモダルコンテナ50、または、側壁面52などにストリップを貼り付ける本発明の技術に従い提供される単一の積荷拘束ストリップ30を示す図である。この場合、図4は、インターモダルコンテナ50の側壁52に貼り付けられている積荷拘束ストリップ30を示す。上記関連特許における教示のように、作業員は、インターモダルコンテナ50の波形表面にストリップ30を固着させるべく当該作業員を援助するよう設計されたローリングツール54または同様のデバイスを用いることができる。作業員が積荷拘束ストリップ30の自己接着性セグメント48から剥離紙56(図3に示す)を剥がし、インターモダルコンテナの側壁にストリップをなじませているところを示している。
【0042】
図5は、図4に示されたやり方でインターモダルコンテナの側壁部分に貼り付けられた積荷拘束ストリップ30を示す断面図である。インターモダルコンテナ50の側壁内面52は、平坦面56と谷58との連続パターンで形成されている。インターモダルコンテナ50は、適正に規格化されており、頻繁に使用されるコンテナ50では、図5に示すように、平坦部の寸法が7.0インチ、そこから傾斜する第1の傾斜面の寸法は6.8インチ、谷底の寸法が7.2インチ、そこから傾斜する第2の傾斜面の寸法は6.8インチである。積荷拘束ストリップ30の接着部分は、3つまたは4つの平坦面56と、2つまたは3つの谷58とを覆うように設計されている。
【0043】
接着材59は、高粘着性および高剪断強度特性を示し、金属への貼付性に優れたアクリルである。さらに、接着材は、インターモダルコンテナが常に正常な周囲動作条件で出荷されることができるよう、高温特性および低温特性のいずれにも優れていなければならない。最後に、接着材は、コンテナが荷を降ろすときに、積荷拘束ストリップ30がコンテナの側壁面から手で剥がすことによって容易に残留物を残すことなく除去できるよう、低剥離強度特性を有していなければならない。
[積荷拘束ストリップ]
【0044】
図6から8を参照すると、本発明に係る高強度積荷拘束ストリップ60の好適な一実施形態が示されている。
【0045】
図6に示すように、拘束ストリップ60は、10から11フィート長の連続したセグメントを有し、リールまたはロール62状に製造されて搬送される。拘束ストリップ60のそれぞれは、第1の端部66、第2の端部68、および、コンテナの側壁に積荷拘束ストリップ60を着脱可能に接着するための追加の自己接着性コーティング70を有する。自己接着性コーティングまたは部分70は、図に示すように、3から4インチの長さである。
【0046】
図7および8は、本発明の一実施形態に係る拘束ストリップ60を拡大して部分的に編集した図であり、拘束ストリップ60の構成要素の内部詳細および関連部分を示す。拘束ストリップ60は、可撓性のスパンボンドポリエステルストリップ70を含む。当該スパンボンドポリエステルストリップ70は、10から11フィートの拘束ストリップ60全長にわたり延びるように、第1または外側72および第2または内側74と、ストリップ60の端部に対応する第1の端部66および第2の端部68(図6を再び参照されたい)とを有する。
【0047】
接着材76の第1の層は、スパンボンドポリエステルストリップの第1の端部66から第2の端部68まで、当該スパンボンドポリエステルストリップ70の第2の側74に沿い同一の広がりをもって延びてコーティングする。接着材76の第1の層は、第1の側78および第2の側80を有する。図7および8に示されるように、接着材層76の第1の側78は、可撓性のスパンボンドポリエステルストリップ70の第2の側74全体にわたり自動的に接着している。
【0048】
補強材料82の層は、第1の側84および第2の側86を有する。本発明のこの実施形態では、補強材料82は、拘束ストリップ60の全長にわたり延び、略並列である束90に集められる略平行な複数の長手方向のストランド88を含む。したがって、補強材料82の束90のそれぞれは、例えば、ポリエステル、ガラス繊維などの補強材料の複数の極細デニール繊維92からなる。
【0049】
接着材94の第2の層は、積荷拘束ストリップ60の第2の端部68から約4フィート以下の位置まで、補強材料82層の第2の側に沿って延びかつコーティングする(図6を再び参照されたい)。好適な実施形態では、接着材94の第2の層の長さは、約3フィートである。接着材の第2の層94は、補強材料82の第2の側86を覆いかつ接着する第1の側96と、コンテナの側壁に貼付する第2または外側98とを有する。
【0050】
第2の接着層94には基板は必要ないが、もし必要であれば、図8に示すように接着材94の第2の層に基板100が埋め込まれてよい。基板100は、複数の横孔を有するアクリルシートか、基板に多孔性を与える異なる孔を有するポリマーからなる樹脂、あるいは、スクリーンファウンデーションの形態で形成されうるVALERON(登録商標)により形成されてよい。DuPont、Hoeschst Celanese、および、その他の企業がこのような材料を製造している。あるいは、基板100は、多孔性でなくてもよく、接着材料の剪断強度が以下に説明する軸負荷を担持するのに十分であれば、マイラーシートで形成されていてもよい。
【0051】
剥離材料または紙102は、接着材94の第2の層の第2または最も外側98全体に延伸する。剥離材料102は、対象の積荷拘束ストリップ60の個別のセグメントが図6および7に示すようなリールまたは芯の上に作製されかつ蓄えられることを可能する。剥離紙102が個別の積荷拘束ストリップ60から現場で剥がされることにより、作業員は、接着材94の第2の層を用いて積荷拘束ストリップ60の第2の端部68を輸送コンテナの側壁、または、他の貼り付け面に貼り付けてよい。
【0052】
第1および第2の接着層76および94は、高剪断強度、寒空粘着性を含む広範な有効温度勾配、および、毛管作用によりコンテナの側壁から水分を移動させる1未満の比重を有する組成からなる。好適なタイプの接着材は、マサチューセッツ州、ロックランドのVenture Tape社から入手できる。
【0053】
上記説明および図8に示すように、補強(材料)82の束のそれぞれは、補強材料の複数の極細デニールストランド92からなる。補強ストランド92は、極細のポリエステル繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ガラス繊維、ケブラーを含むアラミド、炭素繊維などから構成されてよい。ケブラー(Kevlar)(登録商標)は、アミド基のすべてがパラフェニレン基によって分離されるポリアミドである。ケブラーは、デラウェア州ウィルミントンのデュポン社の登録商標である。補強(材料)82の個々のストランド束は、図8に示すように第1の接着層76の第2の表面80と直接当接して接着される。
【0054】
図9を参照すると、図8の積層積荷拘束ストリップ110の別の好適な実施形態と同様の部分断面図が示されている。拘束ストリップ110は、第1の表面114および第2の表面116を有する第1の可撓性でモノリシックな材料112のストリップを含む。拘束ストリップ110は、補強層118を有する。補強層118は、第1の表面122および第2の表面124を有する第2の可撓性でモノリシックな材料120のストリップを含む。本実施形態では、2つのモノリシックストリップ112および120は、厚みが異なり組成は同様になるよう選ばれる。別の実施形態では、2つのストリップの厚みは同じでよく、あるいは、ストリップ112は、ストリップ118より厚くてよい。
【0055】
第1および第2のストリップ112および120は、好ましくは、高強度のポリプロピレン、高密のポリエチレン、または、低密度のポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニールモノマー、または、交差積層ポリエチレンの不透明または透明組成により構成されてよい。これらの材料は、当業者には知られており、高強度特性のシートは、さまざまな高強度フィルム製造会社から入手可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)ポリマーシートは、高強度押し出しシートとしてテネシー州、キングスポートのEastman Chemical社から入手可能である。交差積層ポリエチレンは、テキサス州ヒューストンのValeron Strength FilmsからValeronとして知られるブランドの品が入手可能である。これらの高強度シート材料が目下のところ好ましいが、他の高強度のモノリシックな押し出しシート材料も本発明の範囲内である。さらに、これらの材料の2つ以上を組み合わせてモノリシックまたは層状化合物を生成してよい。
【0056】
好適な実施形態では、材料112および120のモノリシックなシートまたはストリップは、第1の側128および第2の側130を有する接着材126の中間または第1の層によって1作業単位として結合される。接着材の組成は、図7および8の実施形態に関連して上述したような多数の市販の材料から選ばれてよい。
【0057】
第1の接着層126は、製造プロセスの間、モノリシックシート112および120の内側および外側表面に直接貼り付けられるか、または、多孔性のスパンボンドポリエステルまたはマイラーであってよい中心基板(図示せず)によって担持されてよい。基板が用いられる場合、接着層126は、通常、ほぼ同じ厚さの2つの部分に分割される。
【0058】
接着材132の第2の層および剥離層134は、図9に示された積層積荷拘束ストリップ110の実施形態の第2の端部68に接着された、図8の実施形態の接着材94の第2の層および剥離層102と同様である。接着材132の第2の層および剥離層134の長さは、積荷拘束ストリップ60の第2の端部と同じかまたは約4フィート短い。好適な実施形態では、第2の接着層132、および、剥離層134の長さは、約3フィートである。接着材132の第2の層は、補強材料118の第2の側を覆いかつ接着する第1の側136と、コンテナの側壁に取り付けられる第2または外側138とを有する。接着材の第2の層は、図7および8に関連して先に説明したような基板層140を含んでも含まなくてもよい。
【0059】
図10は、本発明の他の好適な実施形態を示す。この実施形態では、図7および8の積層積荷拘束ストリップ60と同様であり、図9の拘束ストリップ110と同様でもある積層積荷拘束ストリップ140の部分断面図が示されている。この実施形態では、積荷拘束ストリップ140の一部分142は、図7および8に関連して開示されて説明された積荷拘束ストリップ60と同一であり、繰り返し詳細に説明すると、第1のスパンボンド可撓性層144と、第1の接着層146と、補強層148と、第2の短い接着層150と、当該第2の接着層150の短い3から4フィートの層と同一の広がりを有する剥離層152とを含む。
【0060】
図10の実施形態における構成要素142に加え、極細デニールの糸からなる平行な束を含む層148と構造的に同様の補強材料154の第2の層は、スパンボンド可撓性層144と同一の広がりをもって、第1の側160および第2の側162を有する第3の接着材層158と接着される。
【0061】
図11は、図8から10と同様の部分断面詳細図で示された積層積荷拘束ストリップ170のさらに別の実施形態である。この実施形態では、セグメント172は、第1の接着層174が接着層76および146と同様であり、補強層176が補強層82および148と同様であり、3から4フィートの第2の接着層178が図8および10の実施形態の第2の接着層94および150と同様であるという点で図8および10の実施形態と実質的に同じである。最終的に、材料180の剥離層は、接着材178の第2の層と同一の広がりを有し、図8から10の実施形態における剥離層102および152と同様になる。
【0062】
図11の実施形態の異なる点は、図7および8を参照して先に説明したような極細デニール繊維からなる長手方向に延びる束184および186を含む可撓性ストリップ182に加え、極細デニール繊維からなる束の可撓性交差織り生地190を形成する束184および186が交差織りされた交差ストランド束188を提供することである。マイラー192の外側被膜は、積層積荷拘束ストリップの第1のストリップ182を形成する交差織り生地層190の第1の外側に形成される。他のすべての点において、図11の実施形態は、図8、9、10の実施形態と同一または同様であり、完全性を期すべくそれらの図面を参照しながら説明する。
[積荷拘束ストリップの適用方法]
【0063】
図12を参照すると、四角いコンテナ202によって表された貨物を積んだ、図4で示されたような輸送コンテナ50のコーナーが示されている。コンテナ50の側壁204は、傾斜して角度のついた表面210によって接続される平坦部206と谷208とを有する。貨物コンテナ202は、パレット上に積まれ、貨物を積んだパレットは、図6から11に関連して採り上げて説明したタイプの積層積荷拘束ストリップ212を提供することによって、輸送コンテナ50内に固定される。
【0064】
輸送コンテナ50内で貨物202を固定するのに用いられる積荷拘束ストリップ212を貼付する方法は、積荷の表面222の少なくとも一部にわたり延びる第1の端部、および、積荷拘束ストリップ212の第2の端部224から始まる接着セグメント226を有する第2の端部224を有する第1の積荷拘束ストリップ212を提供する段階と、上述のごとく、ストリップ212に沿って貼付点232まで3から4フィート延伸する段階と、を有する。上述のごとく、自己接着性を有する接着セグメント226は、輸送コンテナ50の内部側壁面228に対して積荷拘束ストリップ212を着脱可能に貼付できる。
【0065】
積荷拘束ストリップ212の接着セグメント226の第2の端部をコンテナ50の側壁228に貼付するに先立ち、固定される積荷の外側接触端230と、当該積荷の接触端230に隣接する輸送コンテナ50の側壁面228との間の最短距離"A"が決定される。
【0066】
測定によって距離"A"の決定した後、第1の積荷拘束ストリップ212の自己接着部分70および226のそれぞれの、図6および12に示された前縁232が、延伸した積荷の接触ポイント230の後にある輸送コンテナの側壁面に設定される。側壁228に対する初期接点232は、接触端230の後の側壁面に沿う距離"B"から始まる。ここでは、B≦cotθ・Aであり、θ≦15°である。角度θが15度以下に維持される場合、コンテナの第1の側壁面228との積荷拘束ストリップ212の剪断接触は、強化され、拘束システムにおける積荷拘束の動作および調整特性を維持しつつ、ストリップ212の接触部分226の長さは、4フィート未満、好ましくは3フィートまで短くできる。
【0067】
図13を参照すると、平坦部242および谷244セクションを有する波形側壁240をもつコンテナの1コーナーの他の部分断面図が示されている。この図では、拘束される積荷は、55ガロンドラム缶246のパレットであり、パレット上に一体となって保持されるよう、それらの周囲には透明プラスチック248のシートが被せられていてもいなくてもよい。
【0068】
上記タイプの積荷拘束ストリップ250は、コンテナ50の側壁240に接着され、輸送中にドラム缶を拘束すべく、ドラム缶の表面全体に配置される。側壁240に拘束ストリップ250を適切に貼付させるべく、コンテナ壁240の内部表面に対して垂直なドラム缶のパレットの端とストリップ250との接点252に基づき測定される。上述のごとく、側壁とストリップ250の接着部分256との第1の接点254の距離"B"は、式B≦cotθ・A、θ≦15°により決定される。図12の説明に関連付けて強調したように、角度θを15度以下に維持することにより、好適に規定された貼付規格を保ちつつ、ストリップ250の接着部分256の先端258から後端260までの接着部分256の長さを、4フィート以下、好ましくは3フィートにできる。
【0069】
図14を参照すると、コンテナ272内のボックスとドラム缶270との積荷の末端を示す断面図が示されており、コンテナ内での積荷の表面は対称でない。この状況では、作業員が後から積荷に向かったとき、接点274における積荷の左側の距離"A"は、第1の接点276における積荷の右側の距離"A'"とは異なってよい。この場合、式B≦cotθ・A、θ≦15°に従い同じ計算が行われるが、接着部分278および280の最初の接点の距離"B"または"B'"は、積荷の非対称性が原因で異なるであろう。しかしながら、各距離において、角度θは上述のごとく15度以下になるであろう。
【0070】
本出願明細書および請求項において、「輸送コンテナ」という用語が用いられているが、これは、貨物を運ぶことができる輸送ユニットのすべての形態に対する総称として用いられている。輸送コンテナユニットは、インターモダルコンテナ、ボックスカー、貨物トレーラなどの軌道用自動車、および、波形または滑らかな側壁面を有するものを含むがこれらに限定されない。
【0071】
これまで好適な実施形態を参照して本発明を説明してきた。しかしながら、当業者および本発明の開示内容に精通している者であれば、以下の請求項で定義される本発明の範囲内に収まりうる追加、削除、置き換え、修正、および/または、他の変更がなされうることが理解できよう。
【関連出願】
【0001】
本出願は、2000年7月18日発行の米国特許第6,089,802号「輸送用コンテナのための貨物拘束システム」、2001年5月8日発行の米国特許第6,227,779号「輸送コンテナのための貨物拘束方法」、2003年8月19日発行の米国特許第6,607,337号「貨物拘束システム」、2005年5月24日発行の米国特許第6,896,459号、2005年8月2日発行の米国特許第6,923,609号、2006年3月28日発行の米国特許第7,018,151号、2006年6月27日発行の米国特許第7,066,698号、2007年11月6日発行の米国特許第7,290,969号、2008年2月12日発行の米国特許第7,329,074号に関連し、これらの発明者および譲渡人はすべて本出願と共通である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、輸送中の貨物を拘束するための改良された方法およびシステムに関する。より詳しくは、本発明は、インターモダルコンテナ、陸路輸送などにおけるパレットに載せられたまたは載せられていないドラム缶、ボックス、剛性および可撓性コンテナが不要に動かないよう固定または拘束する新しい方法およびシステムに関する。さらに、本発明は、輸送中の積荷の移動を抑制するための固定および貼付強度を高めた方法およびシステムに関する。
【0003】
米国および海外いずれにおいても、輸出用の積荷のほとんどはインターモダルコンテナに収容される。インターモダルコンテナは、多くの場合、ボックス、密閉された55ガロンドラム缶、スーパーサック、または、プラスチック強化バッグ、プラスチックの包み、ケース入りの貨物、金属コイル、特別な厚紙のロール、または、パレットに載置されたプラスチックまたは金属コンテナのような周囲を覆うもので包まれた貨物を積んでいる。それぞれの包みまたは束は、かなり重く、静止していてよさそうなものだが、船、鉄道車両、または、トラックでの移動の結果、大量の積荷には相当な運動量が生じる。
【0004】
インターモダルコンテナは、20または40フィートの標準化された寸法を有し、構造的に自立して非常に頑丈である鋼鉄製の波形の側壁によって形成されている。コンテナは、海上輸送のために船に積まれ、横揺れ、縦揺れ、うねり、振動、大波を含む波の力を受ける。これらの力はそれぞれインターモダルコンテナ内の中身に相当な力をかける可能性がある。この場合、コンテナが方向または速度を変えると、コンテナ内の貨物は、コンテナの内壁と接するまで既存の経路に沿って進む傾向にある。ある種の拘束および/または緩衝システムがなければ、貨物は、コンテナとは別に相当な運動量を生じることになる。運動量は、その速度で乗じた積荷量に等しい。貨物の積載量が多いと、速度または方向の変化が例え小さくても相当な力を生じかねない。
【0005】
陸路のインターモダルコンテナは、大抵、鉄道の平台型貨車および/または貨物トレーラでピギーバックされる。鉄道車両は、操車場内での連結または移動プロセスによって形成されてよい。複数の車両が連結されて1つの鉄道車両をなしている場合、衝撃によって車両の連結器の連結がロックする。この衝撃は、鉄道車両内の貨物に相当な力をかける。さらに、輸送中、鉄道車両は、制動力、ランイン、ランアウト、勾配における連結器への衝撃、レールの振動を受け、軌道におけるくぼみによって揺さぶられる。同様に、トラックも停止および始動力、非常ブレーキ、でこぼこな路床によるがたつきおよび揺れ、カーブの遠心力、振動などを受け、これらが積荷を移動させてしまいがちである。
【0006】
積荷がコンテナの内壁またはドアと接すると、その運動量をゼロにするのに必要な力は貨物および/またはコンテナによって吸収されるはずである。そのような力は、結果として貨物、コンテナの内壁またはドア、積荷のパッキングにもダメージを与えかねず、貨物が危険物であれば、漏れると事故につながる場合もある。したがって、輸送中、コンテナとは別に貨物がいかなる運動量も生み出すことができるのは望ましくない。これは、輸送中、貨物をコンテナ内で拘束することにより、積荷とコンテナとを基本的に一体化させ、1つの物体として機能させることにより防ぐことができる。
【0007】
輸送中の積荷を固定し、望ましくない移動およびダメージを最小限にすべく、積荷封じ込めエンクロージャは、多くの場合、特別に製造されたウッドフレーミング、フロアブロッキング、ラバーマット、スチールストラッピング、強力なエアバッグなどによって、インターモダルコンテナ、ボックスカー、または、トレーラの床、および/または、側部に固定される。これらの既知の固定用システムのそれぞれは、建設費にまつわる制限があり、ぎっしり詰まった積荷を固定するのに十分な強度も不足しているなどの問題がある。さらに、食料品、ティッシュまたは柔らかい紙製品、家具、器具のような非危険物を少なくとも部分的に固定することはトレーラの後ドアに頼ることができるが、危険物、および、他の多くのタイプの積荷については、コンテナの後ドアでは、積荷を部分的にすら固定する役目は果たせないかもしれない。実際、運輸省の規定およびアメリカ鉄道協会の基準を満たすには、危険物は、衝撃が与えられる間はコンテナの後ドアと接するかまたは「接触」することすら許されない。
【0008】
さらにいくつかの例では、積荷の一部のみを出荷する際にトレーラまたはボックスカーが用いられることがある。さらに、一部の積荷がトレーラの中心位置にくることがある。この場合、積荷を十分固定できる木製の荷敷を積荷の前後に形成するのは非実現的であろう。この場合、トレーラの前部は利用されない。また、いくつかの部分的な積荷は、パレット上に対称的には配置されず、したがって、固定することにより、積荷は非対称に収容されることになってしまう。
【0009】
過去においては、輸送中における積荷の望ましくない動きまたは移動をなくすべく、インターモダルコンテナ、鉄道車両、および/または、トレーラ内でさまざまな荷敷材料が用いられてきた。ボックス、ドラム缶、または、他のコンテナは、いくつかの異なる方法で拘束されてきた。主に、貨物は、積荷係止および木材の突っ張り方法によって安定した。このシステムは、積荷面とコンテナの後ドアとの間に木材を効果的に配置することを含む。しかしながら、これは、コストおよび時間がかかると共に、積荷を固定するのには概して非効率な手段である。この場合、ブロッキングプロセスには熟練の大工が必要であり、多くの場合、請負業者に外注する。さらに、木材バリアは、設置するのに時間がかかってしまう。さらには、木材の突っ張りは、いくぶん脆弱であり、突然の衝撃で壊れてしまうこともある。
【0010】
上記に加え、木材の突っ張りによる従来の積荷固定方法は、いくつかの役目を果たすことがどうしてもできない。例えば、インターモダルコンテナを満たす最も効率的な手段は、20t積コンテナ内に80個の55ガロンドラム缶を2段に積むことである。しかしながら、80樽を積んだ場合、積荷面とコンテナの後ドアとの間隔は約4インチしかない。80樽のドラム缶からなる積荷を適切に支えるに十分な木材を配置する空間として4インチでは不足である。したがって、木製の突っ張りが拘束システムとして利用される場合、荷主は、コンテナを荷で満タンにせずに出荷しなければならない。これによって輸送効率が低下し、輸送コストは上がる。さらに、針葉樹のようなある種の木は、特別な燻蒸消毒または熱処理をしなければ国境を越えることが許されていない。
【0011】
運輸省は、特定の拘束システムが危険な貨物を適切に固定できるかどうかを決定する基準を制定した。特定の例では、従来の積荷固定および木材の突っ張りは、危険な貨物を出荷する認可を受けるには構造上難があった。
【0012】
過去におけるロープ、金属またはプラスチックストラップ、または、スタンドなどの他の既知の拘束手段は、性能が良くない傾向にあり、穏やかな条件下にあってさえ積荷を拘束するにふさわしい機能を発揮できないことがよくある。したがって、機能的に有効であり、経済的で、労働効率が良く、運輸省およびアメリカ鉄道協会の基準に適応できる、インターモダルコンテナ、ボックスカー、トラック、貨物トレーラ内で積載を固定するための手段が必要とされる。また、さらに、強度特性が強化され、コンテナ内で積荷が移動することを制限する固定システムが必要とされる。
【0013】
上記制限のいくつかを克服する、貨物の移動を抑制する方法および装置の少なくとも1つが、本出願と共通の譲渡人を有する米国特許第4,264,251に開示されている。この特許で開示されている発明は、コンテナの対向する側壁に固着されたシールストリップと、ブレーシング材料の一体型ストリップと、ストリップの端部を束ねて積荷面に堅固にしっかりと拘束するために用いられる接続機構とを備える。
【0014】
上記'251特許では、壁紙を貼るのといくぶん同様の方法で可撓性固定ストリップが貼付されており、その場合、接着性が必要なトレーラ内の表面に接着材が施される。次に、接着材に保持ストリップが貼り付けられる。過去におけるシステムは、独立した接着材を用いるというこの条件に加え、接合部における弱さに関わる問題を抱えている。ストリップが集まる接合部において接続されたパネルがずれることがあった。さらに、インターモダルコンテナは、上述のような波形の壁を有する。この波形が原因で個別の接着材に拘束ストリップを平坦に貼り付けるのは実質的にかなり難しいかもしれない。
【0015】
米国特許第4,264,251号に開示された拘束システムの他に、動作特性が強化されて効果をもたらす他のシステムも開発されており、本願と共通の発明者を有する上述の米国特許第6,089,802、6,227,779、6,607,337、6,896,459、6,923,609、7,018,151、7,066,698、7,290,969、7,329,074に開示されている。これらの従来の特許開示内容は、詳細な説明として参照により本願に組み込まれる。
【0016】
さらに、これら従来のインターモダルコンテナにおける積荷固定システムに対しては、既知の市販のシステムによって得られる利点も得ながら、危険物を含むより重く密度の高い積荷を固定することにさらなる関心が寄せられてきた。さらに、弾性およびまたは塑性伸びを減少させ、垂直の固定機能を高めることにより、効率および安全性を強化して危険物を輸送できるようにすることに関心が寄せられている。この点に関しては、従来のインターモダルコンテナ内の80個の55ガロンドラム缶の積荷を利用することは望ましい。この場合、4つのスチールドラム缶がインターモダルコンテナの後ドアに隣接して配置されることが要求される。過去において、衝撃を受けている間積荷がコンテナの後ドアと接してしまうほど移動しかねないという問題があった。上述のごとく、危険な積荷については、HazMatの規則によればコンテナの後ドアと接触することは認められない。
【0017】
上記に加え、過去においては他の拘束システムも知られており、それらは、収納するのが困難であり、設置が困難であり、適切に設置するには多くの場合、ある程度の熟練工を要した。ストラップ、釘、アンカー、または、ボルトを用いるシステムはすべて、使用しないときにもかなりの収納場所を要する。さらに、このようなシステムは、貨物を拘束する労働者の安全に対するリスクを高める。また、さらに、このようなシステムは、多くの場合、さまざまな国における取締り機関によって課せられる安全性および移動制限を満たすことができなかった。
【0018】
上記問題点に加えて、過去に用いられていたシステムおよび手順は、貨物コンテナ内に配置されている付属品に依存しており、一部の積荷を固定することができなかった。すなわち、例えば中央に配置された積荷がコンテナの前部または後部まで達しない場合、必要なアンカーは、それらが効果的に用いられうる領域内では利用できない可能性がある。
【0019】
過去におけるさらなる方法およびシステムは、拘束ストリップによる5フィートの長さの自己接着性コンタクトをコンテナの側壁に貼付させることを必要とする。貨物の拘束ストリップをコンテナの側壁へ有効に固着させながらも、この長さを短くできれば望ましい。
【0020】
先に示唆した制限が問題点のすべてだというつもりはなく、むしろ、それらの多くが過去において知られた貨物拘束システムの有効性を損なう可能性があるということを示す意図で記載した。他の注目すべき課題も存在するが、過去における貨物拘束システムには改良の余地があることを実証するには、上述の課題で十分なはずである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の他の目的および利点は、添付の図面を参照して採り上げられる以下の好適な実施形態の詳細な説明によって明らかになろう。
【0022】
【図1】ドックにおける概略的なコンテナ船の俯瞰図であり、海洋輸送船にインターモダルコンテナをクレーンで積み込んでいるところを示す。
【0023】
【図2】貨物トレーラの平台に固定されたインターモダルコンテナの内部を示す不等角投影図であり、積荷の一部がコンテナ内で固定されているところを示す。
【0024】
【図3】インターモダルコンテナ内の貨物を拘束するのに用いられる固定用拘束ストリップのロールから典型的な12フィートの長さを出しているところを描いた図である。
【0025】
【図4】貨物トレーラに配置されたインターモダルコンテナの内壁面に従来の拘束ストリップを貼っているところを見せるために一部切り取った不等角部分図である。
【0026】
【図5】コンテナの側壁に貼り付けられた拘束ストリップの従来の長さを示す、インターモダルコンテナ本体の詳細な部分断面図である。
【0027】
【図6】本発明の一実施形態に係る拘束ストリップの好適な形態を示す、図3と同様の図である。
【0028】
【図7】本発明の一実施形態に係る拘束ストリップのロールを示す部分的に切り取った不等角図である。
【0029】
【図8】図7を8−8の断面線で切断した断面詳細図であり、本発明に従い用いられる1つの好適な形態の拘束ストリップの内部の詳細を示す。
【0030】
【図9】図8と同様の部分断面図であり、本発明に従い用いられる他の好適な形態の拘束ストリップの内部の別な詳細を示す。
【0031】
【図10】図8と同様の部分断面図であり、本発明に従い用いられる他の好適な形態の拘束ストリップの内部の別な詳細を示す。
【0032】
【図11】図8と同様の部分断面図であり、本発明に従い用いられる他の好適な形態の拘束ストリップの内部の別な詳細を示す。
【0033】
【図12】本発明に係るインターモダルコンテナのコーナーの拡大詳細図であり、従来のボックス内に収容された貨物と、コンテナの側壁への増強接着とを示す。
【0034】
【図13】本発明に係るインターモダルコンテナのコーナーの拡大詳細図であり、従来のドラム缶の貨物と、コンテナの側壁への増強接着とを示す。
【0035】
【図14】コンテナの端面の拡大部分図であり、ボックス内の貨物およびボックスがパレット上に非対称に載置されており、コンテナの側壁に沿った非対称の貼付ポイントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
[発明の内容]
図1を特に参照すると、本発明の一実施形態が示されている。この図では、港に停泊している船10が示され、当該船の上にはインターモダルコンテナ12が積まれている。特に、図1に示されているドック14に停泊している船10は、インターモダルコンテナ12がクレーン16によって積み込まれる海洋航行船10である。本発明は、船10に積まれるような鉄道車両、および、貨物トレーラなどにおけるインターモダルコンテナ内の貨物を固定するのに都合よく用いられてよい。
【0037】
図2は、本発明の他の実施形態を示す不等角図である。この図では、陸上輸送用のトラクタ24に牽引されるトレーラ22の上に載置されたインターモダルまたは貨物コンテナ20が示されている。このようなコンテナは、鉄道長物車に直接載置されるか、または、貨物トレーラ22に取り付けられてよい。
【0038】
図2の一部切り取られた部分は、インターモダル貨物コンテナ20の内壁面32に自動的に接着する貨物拘束ストリップ30を示す。図2に示す貨物固定システムは、コンテナの側壁の対向する部分に自動的に接着する接着セグメント34を用いてコンテナ20の対向する側壁に自動的に接着される一対の対向する拘束ストリップ30を備える。拘束ストリップ30は、例えば、55ガロンドラム缶38などの貨物36に巻きついて取り囲む。拘束ストリップ30は、積荷表面を覆い、折り曲げられ、トルクツールによって貨物と一緒にきつく引っ張られる。そして、個別のオーバレイパッチセグメント40が接合部に適用されることにより、貨物の周りのコンテナの側壁と反対側の拘束ストリップ30とを結合させて貨物をコンテナ20の内壁面に固定する。
【0039】
図3に進むと、上記関連特許に示されたような一般的な形態の拘束ストリップ30が示されている。拘束ストリップ30は、好ましくは、リールまたはロール44状に製造されて搬送される。ストリップ30のロール44は、エンドツーエンドの連続した約12フィートの長さに製造されてよく、反復強化構造を有する。
【0040】
まず、ストリップ30全体の約7フィートのセグメント46が基本的な構造で製造され、別の約5フィートのセグメント48は、自己接着性の接着部材を追加して含んでいる。一実施形態では、ストリップ30は、約12フィートおきに横にミシン目を入れられているので、切り離すことができる。または、ストリップの一方の側は12フィートにわたりマークが入れられており、現場で用いるための約12フィートの単一の拘束ストリップ30を形成するために簡単に切断することができる。好ましくは、拘束ストリップ30は、幅約15インチであるが、強度を高める必要性に応じて他の幅に変えてもよく、さらに幅の広いストリップを提供してもよい。
【0041】
図4および図5は、インターモダルコンテナ50、または、側壁面52などにストリップを貼り付ける本発明の技術に従い提供される単一の積荷拘束ストリップ30を示す図である。この場合、図4は、インターモダルコンテナ50の側壁52に貼り付けられている積荷拘束ストリップ30を示す。上記関連特許における教示のように、作業員は、インターモダルコンテナ50の波形表面にストリップ30を固着させるべく当該作業員を援助するよう設計されたローリングツール54または同様のデバイスを用いることができる。作業員が積荷拘束ストリップ30の自己接着性セグメント48から剥離紙56(図3に示す)を剥がし、インターモダルコンテナの側壁にストリップをなじませているところを示している。
【0042】
図5は、図4に示されたやり方でインターモダルコンテナの側壁部分に貼り付けられた積荷拘束ストリップ30を示す断面図である。インターモダルコンテナ50の側壁内面52は、平坦面56と谷58との連続パターンで形成されている。インターモダルコンテナ50は、適正に規格化されており、頻繁に使用されるコンテナ50では、図5に示すように、平坦部の寸法が7.0インチ、そこから傾斜する第1の傾斜面の寸法は6.8インチ、谷底の寸法が7.2インチ、そこから傾斜する第2の傾斜面の寸法は6.8インチである。積荷拘束ストリップ30の接着部分は、3つまたは4つの平坦面56と、2つまたは3つの谷58とを覆うように設計されている。
【0043】
接着材59は、高粘着性および高剪断強度特性を示し、金属への貼付性に優れたアクリルである。さらに、接着材は、インターモダルコンテナが常に正常な周囲動作条件で出荷されることができるよう、高温特性および低温特性のいずれにも優れていなければならない。最後に、接着材は、コンテナが荷を降ろすときに、積荷拘束ストリップ30がコンテナの側壁面から手で剥がすことによって容易に残留物を残すことなく除去できるよう、低剥離強度特性を有していなければならない。
[積荷拘束ストリップ]
【0044】
図6から8を参照すると、本発明に係る高強度積荷拘束ストリップ60の好適な一実施形態が示されている。
【0045】
図6に示すように、拘束ストリップ60は、10から11フィート長の連続したセグメントを有し、リールまたはロール62状に製造されて搬送される。拘束ストリップ60のそれぞれは、第1の端部66、第2の端部68、および、コンテナの側壁に積荷拘束ストリップ60を着脱可能に接着するための追加の自己接着性コーティング70を有する。自己接着性コーティングまたは部分70は、図に示すように、3から4インチの長さである。
【0046】
図7および8は、本発明の一実施形態に係る拘束ストリップ60を拡大して部分的に編集した図であり、拘束ストリップ60の構成要素の内部詳細および関連部分を示す。拘束ストリップ60は、可撓性のスパンボンドポリエステルストリップ70を含む。当該スパンボンドポリエステルストリップ70は、10から11フィートの拘束ストリップ60全長にわたり延びるように、第1または外側72および第2または内側74と、ストリップ60の端部に対応する第1の端部66および第2の端部68(図6を再び参照されたい)とを有する。
【0047】
接着材76の第1の層は、スパンボンドポリエステルストリップの第1の端部66から第2の端部68まで、当該スパンボンドポリエステルストリップ70の第2の側74に沿い同一の広がりをもって延びてコーティングする。接着材76の第1の層は、第1の側78および第2の側80を有する。図7および8に示されるように、接着材層76の第1の側78は、可撓性のスパンボンドポリエステルストリップ70の第2の側74全体にわたり自動的に接着している。
【0048】
補強材料82の層は、第1の側84および第2の側86を有する。本発明のこの実施形態では、補強材料82は、拘束ストリップ60の全長にわたり延び、略並列である束90に集められる略平行な複数の長手方向のストランド88を含む。したがって、補強材料82の束90のそれぞれは、例えば、ポリエステル、ガラス繊維などの補強材料の複数の極細デニール繊維92からなる。
【0049】
接着材94の第2の層は、積荷拘束ストリップ60の第2の端部68から約4フィート以下の位置まで、補強材料82層の第2の側に沿って延びかつコーティングする(図6を再び参照されたい)。好適な実施形態では、接着材94の第2の層の長さは、約3フィートである。接着材の第2の層94は、補強材料82の第2の側86を覆いかつ接着する第1の側96と、コンテナの側壁に貼付する第2または外側98とを有する。
【0050】
第2の接着層94には基板は必要ないが、もし必要であれば、図8に示すように接着材94の第2の層に基板100が埋め込まれてよい。基板100は、複数の横孔を有するアクリルシートか、基板に多孔性を与える異なる孔を有するポリマーからなる樹脂、あるいは、スクリーンファウンデーションの形態で形成されうるVALERON(登録商標)により形成されてよい。DuPont、Hoeschst Celanese、および、その他の企業がこのような材料を製造している。あるいは、基板100は、多孔性でなくてもよく、接着材料の剪断強度が以下に説明する軸負荷を担持するのに十分であれば、マイラーシートで形成されていてもよい。
【0051】
剥離材料または紙102は、接着材94の第2の層の第2または最も外側98全体に延伸する。剥離材料102は、対象の積荷拘束ストリップ60の個別のセグメントが図6および7に示すようなリールまたは芯の上に作製されかつ蓄えられることを可能する。剥離紙102が個別の積荷拘束ストリップ60から現場で剥がされることにより、作業員は、接着材94の第2の層を用いて積荷拘束ストリップ60の第2の端部68を輸送コンテナの側壁、または、他の貼り付け面に貼り付けてよい。
【0052】
第1および第2の接着層76および94は、高剪断強度、寒空粘着性を含む広範な有効温度勾配、および、毛管作用によりコンテナの側壁から水分を移動させる1未満の比重を有する組成からなる。好適なタイプの接着材は、マサチューセッツ州、ロックランドのVenture Tape社から入手できる。
【0053】
上記説明および図8に示すように、補強(材料)82の束のそれぞれは、補強材料の複数の極細デニールストランド92からなる。補強ストランド92は、極細のポリエステル繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ガラス繊維、ケブラーを含むアラミド、炭素繊維などから構成されてよい。ケブラー(Kevlar)(登録商標)は、アミド基のすべてがパラフェニレン基によって分離されるポリアミドである。ケブラーは、デラウェア州ウィルミントンのデュポン社の登録商標である。補強(材料)82の個々のストランド束は、図8に示すように第1の接着層76の第2の表面80と直接当接して接着される。
【0054】
図9を参照すると、図8の積層積荷拘束ストリップ110の別の好適な実施形態と同様の部分断面図が示されている。拘束ストリップ110は、第1の表面114および第2の表面116を有する第1の可撓性でモノリシックな材料112のストリップを含む。拘束ストリップ110は、補強層118を有する。補強層118は、第1の表面122および第2の表面124を有する第2の可撓性でモノリシックな材料120のストリップを含む。本実施形態では、2つのモノリシックストリップ112および120は、厚みが異なり組成は同様になるよう選ばれる。別の実施形態では、2つのストリップの厚みは同じでよく、あるいは、ストリップ112は、ストリップ118より厚くてよい。
【0055】
第1および第2のストリップ112および120は、好ましくは、高強度のポリプロピレン、高密のポリエチレン、または、低密度のポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートグリコール、ポリ塩化ビニル、塩化ビニールモノマー、または、交差積層ポリエチレンの不透明または透明組成により構成されてよい。これらの材料は、当業者には知られており、高強度特性のシートは、さまざまな高強度フィルム製造会社から入手可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)ポリマーシートは、高強度押し出しシートとしてテネシー州、キングスポートのEastman Chemical社から入手可能である。交差積層ポリエチレンは、テキサス州ヒューストンのValeron Strength FilmsからValeronとして知られるブランドの品が入手可能である。これらの高強度シート材料が目下のところ好ましいが、他の高強度のモノリシックな押し出しシート材料も本発明の範囲内である。さらに、これらの材料の2つ以上を組み合わせてモノリシックまたは層状化合物を生成してよい。
【0056】
好適な実施形態では、材料112および120のモノリシックなシートまたはストリップは、第1の側128および第2の側130を有する接着材126の中間または第1の層によって1作業単位として結合される。接着材の組成は、図7および8の実施形態に関連して上述したような多数の市販の材料から選ばれてよい。
【0057】
第1の接着層126は、製造プロセスの間、モノリシックシート112および120の内側および外側表面に直接貼り付けられるか、または、多孔性のスパンボンドポリエステルまたはマイラーであってよい中心基板(図示せず)によって担持されてよい。基板が用いられる場合、接着層126は、通常、ほぼ同じ厚さの2つの部分に分割される。
【0058】
接着材132の第2の層および剥離層134は、図9に示された積層積荷拘束ストリップ110の実施形態の第2の端部68に接着された、図8の実施形態の接着材94の第2の層および剥離層102と同様である。接着材132の第2の層および剥離層134の長さは、積荷拘束ストリップ60の第2の端部と同じかまたは約4フィート短い。好適な実施形態では、第2の接着層132、および、剥離層134の長さは、約3フィートである。接着材132の第2の層は、補強材料118の第2の側を覆いかつ接着する第1の側136と、コンテナの側壁に取り付けられる第2または外側138とを有する。接着材の第2の層は、図7および8に関連して先に説明したような基板層140を含んでも含まなくてもよい。
【0059】
図10は、本発明の他の好適な実施形態を示す。この実施形態では、図7および8の積層積荷拘束ストリップ60と同様であり、図9の拘束ストリップ110と同様でもある積層積荷拘束ストリップ140の部分断面図が示されている。この実施形態では、積荷拘束ストリップ140の一部分142は、図7および8に関連して開示されて説明された積荷拘束ストリップ60と同一であり、繰り返し詳細に説明すると、第1のスパンボンド可撓性層144と、第1の接着層146と、補強層148と、第2の短い接着層150と、当該第2の接着層150の短い3から4フィートの層と同一の広がりを有する剥離層152とを含む。
【0060】
図10の実施形態における構成要素142に加え、極細デニールの糸からなる平行な束を含む層148と構造的に同様の補強材料154の第2の層は、スパンボンド可撓性層144と同一の広がりをもって、第1の側160および第2の側162を有する第3の接着材層158と接着される。
【0061】
図11は、図8から10と同様の部分断面詳細図で示された積層積荷拘束ストリップ170のさらに別の実施形態である。この実施形態では、セグメント172は、第1の接着層174が接着層76および146と同様であり、補強層176が補強層82および148と同様であり、3から4フィートの第2の接着層178が図8および10の実施形態の第2の接着層94および150と同様であるという点で図8および10の実施形態と実質的に同じである。最終的に、材料180の剥離層は、接着材178の第2の層と同一の広がりを有し、図8から10の実施形態における剥離層102および152と同様になる。
【0062】
図11の実施形態の異なる点は、図7および8を参照して先に説明したような極細デニール繊維からなる長手方向に延びる束184および186を含む可撓性ストリップ182に加え、極細デニール繊維からなる束の可撓性交差織り生地190を形成する束184および186が交差織りされた交差ストランド束188を提供することである。マイラー192の外側被膜は、積層積荷拘束ストリップの第1のストリップ182を形成する交差織り生地層190の第1の外側に形成される。他のすべての点において、図11の実施形態は、図8、9、10の実施形態と同一または同様であり、完全性を期すべくそれらの図面を参照しながら説明する。
[積荷拘束ストリップの適用方法]
【0063】
図12を参照すると、四角いコンテナ202によって表された貨物を積んだ、図4で示されたような輸送コンテナ50のコーナーが示されている。コンテナ50の側壁204は、傾斜して角度のついた表面210によって接続される平坦部206と谷208とを有する。貨物コンテナ202は、パレット上に積まれ、貨物を積んだパレットは、図6から11に関連して採り上げて説明したタイプの積層積荷拘束ストリップ212を提供することによって、輸送コンテナ50内に固定される。
【0064】
輸送コンテナ50内で貨物202を固定するのに用いられる積荷拘束ストリップ212を貼付する方法は、積荷の表面222の少なくとも一部にわたり延びる第1の端部、および、積荷拘束ストリップ212の第2の端部224から始まる接着セグメント226を有する第2の端部224を有する第1の積荷拘束ストリップ212を提供する段階と、上述のごとく、ストリップ212に沿って貼付点232まで3から4フィート延伸する段階と、を有する。上述のごとく、自己接着性を有する接着セグメント226は、輸送コンテナ50の内部側壁面228に対して積荷拘束ストリップ212を着脱可能に貼付できる。
【0065】
積荷拘束ストリップ212の接着セグメント226の第2の端部をコンテナ50の側壁228に貼付するに先立ち、固定される積荷の外側接触端230と、当該積荷の接触端230に隣接する輸送コンテナ50の側壁面228との間の最短距離"A"が決定される。
【0066】
測定によって距離"A"の決定した後、第1の積荷拘束ストリップ212の自己接着部分70および226のそれぞれの、図6および12に示された前縁232が、延伸した積荷の接触ポイント230の後にある輸送コンテナの側壁面に設定される。側壁228に対する初期接点232は、接触端230の後の側壁面に沿う距離"B"から始まる。ここでは、B≦cotθ・Aであり、θ≦15°である。角度θが15度以下に維持される場合、コンテナの第1の側壁面228との積荷拘束ストリップ212の剪断接触は、強化され、拘束システムにおける積荷拘束の動作および調整特性を維持しつつ、ストリップ212の接触部分226の長さは、4フィート未満、好ましくは3フィートまで短くできる。
【0067】
図13を参照すると、平坦部242および谷244セクションを有する波形側壁240をもつコンテナの1コーナーの他の部分断面図が示されている。この図では、拘束される積荷は、55ガロンドラム缶246のパレットであり、パレット上に一体となって保持されるよう、それらの周囲には透明プラスチック248のシートが被せられていてもいなくてもよい。
【0068】
上記タイプの積荷拘束ストリップ250は、コンテナ50の側壁240に接着され、輸送中にドラム缶を拘束すべく、ドラム缶の表面全体に配置される。側壁240に拘束ストリップ250を適切に貼付させるべく、コンテナ壁240の内部表面に対して垂直なドラム缶のパレットの端とストリップ250との接点252に基づき測定される。上述のごとく、側壁とストリップ250の接着部分256との第1の接点254の距離"B"は、式B≦cotθ・A、θ≦15°により決定される。図12の説明に関連付けて強調したように、角度θを15度以下に維持することにより、好適に規定された貼付規格を保ちつつ、ストリップ250の接着部分256の先端258から後端260までの接着部分256の長さを、4フィート以下、好ましくは3フィートにできる。
【0069】
図14を参照すると、コンテナ272内のボックスとドラム缶270との積荷の末端を示す断面図が示されており、コンテナ内での積荷の表面は対称でない。この状況では、作業員が後から積荷に向かったとき、接点274における積荷の左側の距離"A"は、第1の接点276における積荷の右側の距離"A'"とは異なってよい。この場合、式B≦cotθ・A、θ≦15°に従い同じ計算が行われるが、接着部分278および280の最初の接点の距離"B"または"B'"は、積荷の非対称性が原因で異なるであろう。しかしながら、各距離において、角度θは上述のごとく15度以下になるであろう。
【0070】
本出願明細書および請求項において、「輸送コンテナ」という用語が用いられているが、これは、貨物を運ぶことができる輸送ユニットのすべての形態に対する総称として用いられている。輸送コンテナユニットは、インターモダルコンテナ、ボックスカー、貨物トレーラなどの軌道用自動車、および、波形または滑らかな側壁面を有するものを含むがこれらに限定されない。
【0071】
これまで好適な実施形態を参照して本発明を説明してきた。しかしながら、当業者および本発明の開示内容に精通している者であれば、以下の請求項で定義される本発明の範囲内に収まりうる追加、削除、置き換え、修正、および/または、他の変更がなされうることが理解できよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送中に動いてしまいがちな輸送コンテナ内の貨物を固定するのに用いられる積荷拘束システムを適用する方法であって、
第1の積荷拘束ストリップを提供する段階であって、前記第1の積荷拘束ストリップは、第1の端部および第2の端部を有し、前記第2の端部には、前記第1の積荷拘束ストリップを輸送コンテナの第1の側壁面に着脱可能に貼付する自己接着性コーティングを有するセグメントが設けられる段階と、
固定されるべき積荷の外側接触端と、前記積荷に隣接する前記輸送コンテナの第1の側壁面との間の最短距離"A"を決定する段階と、
前記第1の積荷拘束ストリップと前記コンテナの前記第1の側壁面との剪断接触を向上させるために、長さ4フィート以下であり、前記積荷の接触端の後から前記第1の側壁面に沿って、B≦cotθ・A、θ≦15°である距離"B"の位置を起点として配置される前記第1の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分を前記輸送コンテナの前記第1の側壁面に配置する段階と、
第2の積荷拘束ストリップを提供する段階であって、前記第2の積荷拘束ストリップは、第1の端部および第2の端部を有し、前記第2の端部には、前記第2の積荷拘束ストリップを前記輸送コンテナの前記第1の側壁面と略対向する前記輸送コンテナの第2の側壁面に着脱可能に貼付する自己接着性コーティングを有するセグメントが設けられる段階と、
固定されるべき積荷の外側接触端と、前記積荷に隣接する前記輸送コンテナの前記第2の側壁面との間の最短距離"A"を決定する段階と、
前記第2の積荷拘束ストリップと前記コンテナの前記第1の側壁面との剪断接触を向上させるために、長さ4フィート以下であり、前記積荷の接触端の後から前記第2の側壁面に沿って、B'≦cotθ・A'、θ≦15°である距離"B"の位置を起点として配置される前記第2の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分を前記輸送コンテナの前記第2の側壁面に配置する段階と、
前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記第1の端部を、前記コンテナ内に収容される積荷の前記表面の少なくとも一部にわたり延伸させる段階と、
前記積荷全体にわたる前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記第1の端部を固定して前記コンテナ内の積荷を拘束する段階と、
を備える方法。
【請求項2】
前記距離"A"は、実質的に"A'"に等しく、前記距離"B"は、実質的に前記距離"B'"に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記距離"A"は、前記距離"A'"より大きく、前記距離"B"は、前記距離"B'"より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の積荷拘束ストリップと前記コンテナ内で拘束される積荷の前記表面との接点"A"は、前記第2の積荷拘束ストリップと前記コンテナ内で拘束される前記積荷の前記表面との接点"A'"に対して前記コンテナ内で長手方向にオフセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分は、長さ約4フィートである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分は、長さ約3フィートである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分の長さは等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分の長さは等しくない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
輸送中に動いてしまいがちな輸送コンテナ内の貨物を固定するのに用いられる積層積荷拘束ストリップであって、
第1の側および第2の側と、第1の端部および第2の端部とを有し、長さ約10から11フィートである可撓性ストリップと、
第1の接着層の前記第1の端部から前記第2の端部まで、前記可撓性スパンボンドポリエステルストリップの前記第2の側に沿って同一の広がりをもって延び且つコーティングし、前記可撓性スパンボンドポリエステルストリップの前記第2の側と接触している第1の側を有する第1の接着層と、
第1の側および第2の側を有し、前記第1の接着層によって前記可撓性スパンボンドポリエステルストリップと結合する補強層であって、前記第1の接着層の前記第2の側と接着する第1の側を有する補強層と、
前記積荷拘束ストリップの前記第2の端部から約4フィート以下の位置まで前記補強層の前記第2の側に沿って延び且つコーティングし、前記補強層の前記第2の側と自動的に接着する第1の側を有する第2の接着層と、
前記補強層の前記第2の側に貼付された前記第2の接着層の前記第2の側と同一の広がりをもって延び且つ着脱可能に接着する剥離材料と、
を備え、
前記剥離紙は、現場で前記第2の接着層から除去され、前記積荷拘束ストリップは、輸送コンテナ内の貨物を固定する可撓性固定部材として用いられるよう、貨物輸送コンテナの側壁面に着脱可能に貼り付けられる、
積層積荷拘束ストリップ。
【請求項10】
前記補強層は、
前記第2の接着層と略並列に結合された複数の補強ストランド束を有する、請求項9に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項11】
前記補強層の前記複数の補強ストランド束のそれぞれは、ポリエステル補強材料からなる複数の極細デニール繊維を有する、請求項10に記載の積層積荷ストリップ。
【請求項12】
前記補強層は、プラスチックの補強材料からなるモノリシックストリップを有する、請求項9に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項13】
輸送中に動いてしまいがちな輸送コンテナ内の貨物を固定するのに用いられる積層積荷拘束ストリップであって、
第1の側および第2の側と、第1の端部および第2の端部とを有し、長さ約10から11フィートである第1の可撓性ストリップと、
前記第1の端部から前記第2の端部まで、前記第1の可撓性ストリップの前記第2の側に沿って同一の広がりをもって延び且つコーティングし、前記可撓性ストリップの前記第2の側と接触する第1の側を有する第1の接着層と、
前記第1の接着層によって前記第1の可撓性ストリップと結合する補強層であって、前記第1の接着層の前記第2の側と接着する第1の側を有する補強層と、
前記積荷拘束ストリップの前記第2の端部から約4フィート以下の位置まで前記補強層の第2の側に沿って延び且つコーティングする第2の接着層と、
前記補強層の前記第2の側に貼付された前記第2の接着層と同一の広がりをもって延び且つ着脱可能に接着する剥離紙と、
を備え、
前記剥離紙は、現場で前記第2の接着層から除去され、前記積荷拘束ストリップは、輸送コンテナ内の貨物を固定する可撓性固定部材として用いられるよう、貨物輸送コンテナの側壁面に着脱可能に貼り付けられる、
積層積荷拘束ストリップ。
【請求項14】
前記補強層は、プラスチック材料からなるモノリシックストリップを有する、請求項13に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項15】
前記第1の可撓性ストリップは、プラスチック材料からなるモノリシックストリップを含む、請求項14に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項16】
前記第1の可撓性ストリップは、前記第1の接着層に結合された複数の補強ストランドを有する、請求項13に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項17】
前記第1の可撓性ストリップは、補強材料の交差織り層を有し、前記交差織り層は、前記積荷拘束ストリップの長さに沿って延びる略平行な長手方向のストランドと、前記略平行な長手方向のストランドと交差するストランドとが織り合わされて形成される、請求項13に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項18】
前記交差織り層の外側表面に施される柔軟なコーティングをさらに備える、請求項17に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項19】
前記柔軟なコーティングは、ポリエステルフィルム層を有する、請求項18に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項1】
輸送中に動いてしまいがちな輸送コンテナ内の貨物を固定するのに用いられる積荷拘束システムを適用する方法であって、
第1の積荷拘束ストリップを提供する段階であって、前記第1の積荷拘束ストリップは、第1の端部および第2の端部を有し、前記第2の端部には、前記第1の積荷拘束ストリップを輸送コンテナの第1の側壁面に着脱可能に貼付する自己接着性コーティングを有するセグメントが設けられる段階と、
固定されるべき積荷の外側接触端と、前記積荷に隣接する前記輸送コンテナの第1の側壁面との間の最短距離"A"を決定する段階と、
前記第1の積荷拘束ストリップと前記コンテナの前記第1の側壁面との剪断接触を向上させるために、長さ4フィート以下であり、前記積荷の接触端の後から前記第1の側壁面に沿って、B≦cotθ・A、θ≦15°である距離"B"の位置を起点として配置される前記第1の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分を前記輸送コンテナの前記第1の側壁面に配置する段階と、
第2の積荷拘束ストリップを提供する段階であって、前記第2の積荷拘束ストリップは、第1の端部および第2の端部を有し、前記第2の端部には、前記第2の積荷拘束ストリップを前記輸送コンテナの前記第1の側壁面と略対向する前記輸送コンテナの第2の側壁面に着脱可能に貼付する自己接着性コーティングを有するセグメントが設けられる段階と、
固定されるべき積荷の外側接触端と、前記積荷に隣接する前記輸送コンテナの前記第2の側壁面との間の最短距離"A"を決定する段階と、
前記第2の積荷拘束ストリップと前記コンテナの前記第1の側壁面との剪断接触を向上させるために、長さ4フィート以下であり、前記積荷の接触端の後から前記第2の側壁面に沿って、B'≦cotθ・A'、θ≦15°である距離"B"の位置を起点として配置される前記第2の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分を前記輸送コンテナの前記第2の側壁面に配置する段階と、
前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記第1の端部を、前記コンテナ内に収容される積荷の前記表面の少なくとも一部にわたり延伸させる段階と、
前記積荷全体にわたる前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記第1の端部を固定して前記コンテナ内の積荷を拘束する段階と、
を備える方法。
【請求項2】
前記距離"A"は、実質的に"A'"に等しく、前記距離"B"は、実質的に前記距離"B'"に等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記距離"A"は、前記距離"A'"より大きく、前記距離"B"は、前記距離"B'"より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の積荷拘束ストリップと前記コンテナ内で拘束される積荷の前記表面との接点"A"は、前記第2の積荷拘束ストリップと前記コンテナ内で拘束される前記積荷の前記表面との接点"A'"に対して前記コンテナ内で長手方向にオフセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分は、長さ約4フィートである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分は、長さ約3フィートである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分の長さは等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2の積荷拘束ストリップの前記自己接着性部分の長さは等しくない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
輸送中に動いてしまいがちな輸送コンテナ内の貨物を固定するのに用いられる積層積荷拘束ストリップであって、
第1の側および第2の側と、第1の端部および第2の端部とを有し、長さ約10から11フィートである可撓性ストリップと、
第1の接着層の前記第1の端部から前記第2の端部まで、前記可撓性スパンボンドポリエステルストリップの前記第2の側に沿って同一の広がりをもって延び且つコーティングし、前記可撓性スパンボンドポリエステルストリップの前記第2の側と接触している第1の側を有する第1の接着層と、
第1の側および第2の側を有し、前記第1の接着層によって前記可撓性スパンボンドポリエステルストリップと結合する補強層であって、前記第1の接着層の前記第2の側と接着する第1の側を有する補強層と、
前記積荷拘束ストリップの前記第2の端部から約4フィート以下の位置まで前記補強層の前記第2の側に沿って延び且つコーティングし、前記補強層の前記第2の側と自動的に接着する第1の側を有する第2の接着層と、
前記補強層の前記第2の側に貼付された前記第2の接着層の前記第2の側と同一の広がりをもって延び且つ着脱可能に接着する剥離材料と、
を備え、
前記剥離紙は、現場で前記第2の接着層から除去され、前記積荷拘束ストリップは、輸送コンテナ内の貨物を固定する可撓性固定部材として用いられるよう、貨物輸送コンテナの側壁面に着脱可能に貼り付けられる、
積層積荷拘束ストリップ。
【請求項10】
前記補強層は、
前記第2の接着層と略並列に結合された複数の補強ストランド束を有する、請求項9に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項11】
前記補強層の前記複数の補強ストランド束のそれぞれは、ポリエステル補強材料からなる複数の極細デニール繊維を有する、請求項10に記載の積層積荷ストリップ。
【請求項12】
前記補強層は、プラスチックの補強材料からなるモノリシックストリップを有する、請求項9に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項13】
輸送中に動いてしまいがちな輸送コンテナ内の貨物を固定するのに用いられる積層積荷拘束ストリップであって、
第1の側および第2の側と、第1の端部および第2の端部とを有し、長さ約10から11フィートである第1の可撓性ストリップと、
前記第1の端部から前記第2の端部まで、前記第1の可撓性ストリップの前記第2の側に沿って同一の広がりをもって延び且つコーティングし、前記可撓性ストリップの前記第2の側と接触する第1の側を有する第1の接着層と、
前記第1の接着層によって前記第1の可撓性ストリップと結合する補強層であって、前記第1の接着層の前記第2の側と接着する第1の側を有する補強層と、
前記積荷拘束ストリップの前記第2の端部から約4フィート以下の位置まで前記補強層の第2の側に沿って延び且つコーティングする第2の接着層と、
前記補強層の前記第2の側に貼付された前記第2の接着層と同一の広がりをもって延び且つ着脱可能に接着する剥離紙と、
を備え、
前記剥離紙は、現場で前記第2の接着層から除去され、前記積荷拘束ストリップは、輸送コンテナ内の貨物を固定する可撓性固定部材として用いられるよう、貨物輸送コンテナの側壁面に着脱可能に貼り付けられる、
積層積荷拘束ストリップ。
【請求項14】
前記補強層は、プラスチック材料からなるモノリシックストリップを有する、請求項13に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項15】
前記第1の可撓性ストリップは、プラスチック材料からなるモノリシックストリップを含む、請求項14に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項16】
前記第1の可撓性ストリップは、前記第1の接着層に結合された複数の補強ストランドを有する、請求項13に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項17】
前記第1の可撓性ストリップは、補強材料の交差織り層を有し、前記交差織り層は、前記積荷拘束ストリップの長さに沿って延びる略平行な長手方向のストランドと、前記略平行な長手方向のストランドと交差するストランドとが織り合わされて形成される、請求項13に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項18】
前記交差織り層の外側表面に施される柔軟なコーティングをさらに備える、請求項17に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【請求項19】
前記柔軟なコーティングは、ポリエステルフィルム層を有する、請求項18に記載の積層積荷拘束ストリップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−285210(P2010−285210A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−144565(P2009−144565)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(509170730)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144565(P2009−144565)
【出願日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(509170730)
【Fターム(参考)】
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