説明

副鼻腔に通じる開口部を拡張かつ変更するシステム

【課題】副鼻腔に通じる開口部での作業を容易にすることができるシステムを提供する。
【解決手段】副鼻腔炎等を治療するシステムであって、開口SSO部内等に至る位置まで遠位端が前進できるように構成されているガイドカテーテル200と、拡張器を有し、その拡張器が拡張されていない構成で開口部内にある位置まで前進でき、その後開口部が拡張し、隣接する骨が破折される、拡張カテーテルと、を備えるシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、医療装置および方法に関するものであり、更に詳しくは、副鼻腔炎及びその他耳、鼻、および喉の疾患を治療する最小侵入性装置、システム、および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鼻は、吸気の加温、湿潤化、濾過および呼気の熱および水分の保存を司る。鼻は、主として、軟骨、硬骨、膜組織、皮膚で形成される。鼻の硬骨は、通路によって接続される副鼻腔と知られている一連の腔を含む。副鼻腔としては、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞、上顎洞がある。副鼻腔は、粘液を出す上皮組織で内側が覆われ、最後に、鼻腔に入る開口部がある。一般的に、上皮組織によって出される粘液は、腔口として知られている開口部を介して各洞の外に徐々に排出される。これらの通路の1つの上皮組織に何らかの理由で炎症が起きた場合、その通路を通る廃液が詰まることがある。この閉塞は、周期的(結果的に疼痛発作が発生)または慢性のものである可能性がある。
【0003】
このような粘液排出妨害(例えば、洞入口部閉塞)は、結果的に、副鼻腔内の粘膜鬱血を引き起こす可能性がある。慢性の副鼻洞粘膜鬱血は、副鼻洞内側を覆う上皮組織に損傷を与えて、その後に酸素分圧を減少させ、微生物生育(例えば、副鼻腔感染)が発生する可能性がある。
【0004】
副鼻腔炎
「副鼻腔炎」という用語は、一般的に、バクテリア、ウィルス、菌(かび)、アレルギーまたはその組み合わせによって引き起こされる副鼻腔の一切の炎症または感染を指す。慢性の副鼻腔炎(例えば、3ヵ月ほど継続)では、アメリカでは内科医受診回数が年間1800万回から2200万回となっている。
【0005】
副鼻腔炎に罹る患者は、一般的に、以下の症状の少なくとも幾つかを経験している。
● 頭痛または顔面痛
● 鼻づまりまたは後鼻漏
● 片方または両方の鼻孔からの呼吸困難
● 口臭
● 上歯の痛み
【0006】
したがって、副鼻腔炎を治療する方法の1つは、粘液流損失を回復することである。初期治療は、炎症を軽減するための抗炎症剤および感染を治療するための抗生物質を用いた薬物治療である。薬物治療に応じない患者は大勢いる。現在、薬物治療に応じない慢性副鼻腔炎を患った患者を対象とした最も基準となる方法は、機能的内視鏡副鼻腔手術という矯正外科手術である。
【0007】
現行および提案中の副鼻腔治療法
【0008】
機能的内視鏡下副鼻腔手術
FESSにおいては、内視鏡が鼻に挿入され、内視鏡を介した視覚化に基づいて、外科医は、病変組織または肥大組織を除去することができ、また、副鼻腔口を広げて副鼻腔の通常の粘液排出を回復することができる。各種FESS法は、一般的に、患者が全身麻酔された状態で行われる。
【0009】
FESSは、依然として深刻な副鼻腔疾患の外科的治療として最も基準となる療法であるが、FESSには幾つかの欠点がある。例えば、FESSは、重大な術後痛を引き起こすことがある。また、一部のFESS法は、重大な術後出血を伴い、その結果、しばしば鼻腔タンポンが、手術後しばらく患者の鼻に入れられる。このような鼻腔タンポンは、違和感を覚えることがあり、また、通常の呼吸、飲食などを妨げることがある。また、複数回のFESSによる手術後でさえも変ることなく症状が出ている患者もいる。更に、一部のFESS法は、医原性損傷、眼窩損傷、頭蓋内損傷および副鼻腔・鼻腔損傷の危険を伴う。FESSは、深刻な副鼻腔疾患を罹患している患者(CTスキャンで重大な異常が認められる患者)に限った選択肢であると考えている耳鼻咽喉科医が多い。したがって、疾患がそれほど重大ではない患者は、FESS候補患者と考えることはできないので、残る選択肢は、薬物治療しかない。FESSが出血および痛みを伴う可能性がある理由の1つは、真直で剛性のシャフトを有する計器類が使用されることに関係する。このような剛性計装を用いて深部の解剖区域を目標とするために、内科医は、計器類の直接的な通り道にあると考えられる一切の解剖学的構造が病理学の一部であるか否かに関係なく、当該の解剖学的構造を切除および除去、または他の方法で操作する必要がある。
【0010】
バルーン拡張に基づく副鼻腔治療
拡張用バルーンを用いた副鼻腔介入の方法および装置は、これまで、米国特許第2,525,183号(Robison)および米国特許公開第2004/0064150 A1(Becker)号で開示されている。例えば、米国特許第2,525,183号(Robison)では、副鼻腔手術後に挿入して副鼻腔内で膨張させることができる膨張式圧力装置が開示されている。この特許では、複雑な鼻の生体組織を柔軟に通り抜けて自然な副鼻腔口に出入りする装置設計および方法は開示されていない。また、バルーン材料を論じた内容は、骨質の副鼻腔口の拡張には不適当である可能性が最も高いゴムなどの軟質材料にかなり限定される。
【0011】
米国特許公開第2004/0064150 A1号(Becker)では、副鼻洞に押し込まれる剛性のハイポチューブで形成されたバルーンカテーテルが開示されている。バルーンカテーテルは、バルーンカテーテルが副鼻洞に押し込まれるのを可能にする予め設定された固定角度を有する剛性のハイポチューブを有する。バルーンカテーテルを副鼻腔口内に位置決めすることが望ましい少なくとも一部のFESS法においては、バルーンカテーテルを所望の副鼻腔口内に適切に位置決めするためにバルーンカテーテルを前進させて複雑なまたは曲がりくねった生体組織に通すことが必要である。また、人間の鼻腔内および鼻腔付近の生体組織にはある程度の個人差があるために、全ての個人における使用に向けて最適な形状である剛性シャフトバルーンカテーテルを設計することが困難になる。確かに、生体組織の個人差に対応するように、予め設定された角度を有するハイポチューブで形成された剛性カテーテルを内科医が異なる形状に合わせることは、簡単にできることではない。この点を考慮して、Beckerによる特許出願では、患者の生体組織に対して内科医が妥当なカテーテルを選択することができるように、各々が特定の固定角度を有する、一組のバルーンカテーテルを用意する必要性が説明されている。適合するかどうか複数の使い捨てカテーテルをテストするこの要件は、非常に経費が掛かると共に非実用的なものとなりそうである。更に、このようなカテーテルが使い捨て品目(例えば、殺菌可能かつ再利用可能ではなく)であれば、理想的な曲げ角度を有するカテーテルを見つけるまでに幾つかのカテーテルを試験して破棄するという必要性は、かなり経費がかかるものとなる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、従来技術では副鼻腔治療に向けた拡張用バルーンの使用は開示されているが、種々の副鼻腔開口部への直接的な出入りを妨げる非病理学的な解剖学的構造上の領域の重大な操作なしに複雑な生体組織を通り抜ける様々な手段は、開示されていない。更に、従来技術で開示されているのは、種々の副鼻腔開口部を拡張する、相対的に単純な形状または材料のバルーンにすぎない。更に、この従来技術は、副鼻腔生体組織内の当該の装置の位置を画像化または追跡する他の手段に基づく内視鏡検査ほど十分に精緻化されたものではない。
【0013】
したがって、解剖学的構造における個人差による複雑性が最小限であり、病理学的ではない解剖学的構造に対する精神的外傷またはその破壊が最小限のものである、鼻腔および副鼻腔の複雑な生体組織を容易に通り抜け、かつ、副鼻腔の疾患を治療する新しい装置および方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一般に、本発明は、副鼻腔炎、または耳、鼻または喉の他の状態を診断および治療もしくは診断または治療する方法、装置およびシステムを提供する。本発明によれば、本明細書で説明するような1つまたはそれ以上の軟質または剛性の細長い装置が、介入または外科的処置を行うために鼻、鼻咽頭、副鼻腔、中耳または関連の身体構造通路に挿入される方法を提供する。これらの軟質カテーテルまたは他の軟質の細長い装置を使用して行うことができる処置の例には、1つまたはそれ以上の副鼻腔からの粘液排出に影響を与える副鼻腔口または他の解剖学的構造の形状、サイズまたは構成の改造または変更、副鼻腔内または鼻の中の他の場所の骨組織または軟骨組織の切断、切除、減量、焼灼、加熱、凍結、レージング、骨切り部または穿孔部の形成またはその他の方法による変更、副鼻腔または鼻の中の他の場所からの膿または異常な排出物の除去、副鼻腔の内部を覆う細胞の擦過またはその他の方法での除去、造影剤の供給、治療的に有効な量の治療用物質の供給、ステント、組織改造装置、物質供給インプラントまたは他の治療装置の移植、鼻のポリープ、異常組織または肥大組織、普通ではない組織などの組織の切断、切除、減量、焼灼、加熱、凍結、レージング、拡張、または他の方法での組織の変更、細胞または組織の植皮または移植、骨折部の軽減、定着、螺入、接着剤塗布、付着、減圧またはその他の方法での治療、遺伝子または遺伝子治療準備の実施、腫瘍の全てまたは一部の除去、ポリープの除去、副鼻洞からの粘液排出の評価を可能にするために行う、ヒスタミン、アレルゲン、または副鼻腔内の組織による粘液分泌を引き起こす別の物質の供給、人工耳の移植、または補聴器または増幅装置の留置などが含まれるが、これらに限定されない。
【発明の効果】
【0015】
尚も更に、本発明によれば、本明細書で説明する処置の一部または全てを行う装置およびシステムを提供する。導入装置を使用して、副鼻腔および耳、鼻または喉の他の構造への作業装置(例えば、カテーテル、例えば、バルーンカテーテル、組織切断または改造装置、ガイドワイヤ、ステントなどの要素を移植する装置、電気外科装置、エネルギー放出装置、診断薬または治療薬を供給する装置、物質供給インプラント片、スコープなど)の挿入を容易にすることができる。
【0016】
更に尚も、本発明によれば、立体内視鏡局在、X線透視局在、超音波局在、高周波局在、電磁エネルギー、磁気エネルギー、他の放射エネルギーを基本とするモダリティーを含む、内視鏡を使用した副鼻腔内での介入装置のナビゲーションおよび画像化の装置および方法を提供する。また、これらの画像化およびナビゲーション技術は、直接的、間接的を問わず、医師が生体組織の妥当な領域内に装置を置く一助となる予め存在するまたは同時に作成される3Dまたは2Dデータセットをコンピュータによって参照とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】人間の患者に副鼻腔手術処置を行うために使用される本発明のカテーテルを基本とした最小侵入性副鼻腔手術用システムの概略図である。
【図1A】図1の部分「1A」の拡大図である。
【図2A】ガイドを使用して副鼻腔に接近して、その後に、入口部開口を拡張または副鼻腔に併せて変形する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2B】ガイドを使用して副鼻腔に接近して、その後に、入口部開口を拡張または副鼻腔に併せて変形する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2C】ガイドを使用して副鼻腔に接近して、その後に、入口部開口を拡張または副鼻腔に併せて変形する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2D】ガイドを使用して副鼻腔に接近して、その後に、入口部開口を拡張または副鼻腔に併せて変形する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2E】操縦可能なガイドを使用して副鼻腔に接近してかつその後の方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2F】操縦可能なガイドを使用して副鼻腔に接近してかつその後の方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2G】操縦可能なガイドを使用して副鼻腔に接近してかつその後の方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2H】操縦可能なガイドを使用して副鼻腔に接近してかつその後の方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2I】予め設定された形状を有するガイドワイヤの形である導入装置を使用して副鼻腔に接近する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2J】予め設定された形状を有するガイドワイヤの形である導入装置を使用して副鼻腔に接近する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2K】予め設定された形状を有するガイドワイヤの形である導入装置を使用して副鼻腔に接近する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2L】予め設定された形状を有するガイドワイヤの形である導入装置を使用して副鼻腔に接近する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2M】遠位端から突出するガイドを有するバルーンカテーテルを使用して副鼻腔に接近する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2N】遠位端から突出するガイドを有するバルーンカテーテルを使用して副鼻腔に接近する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2O】遠位端から突出するガイドを有するバルーンカテーテルを使用して副鼻腔に接近する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2P】篩骨洞の自然なまたは人工的に作られた開口部を介して篩骨洞に接近する方法の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2Q】篩骨洞の自然なまたは人工的に作られた開口部を介して篩骨洞に接近する方法の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2R】篩骨洞の自然なまたは人工的に作られた開口部を介して篩骨洞に接近する方法の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2S】篩骨洞の自然なまたは人工的に作られた開口部を介して篩骨洞に接近する方法の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2T】篩骨洞の自然なまたは人工的に作られた開口部を介して篩骨洞に接近する方法の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2U】篩骨洞の自然なまたは人工的に作られた開口部を介して篩骨洞に接近する方法の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2V】篩骨洞の自然なまたは人工的に作られた開口部を介して篩骨洞に接近する方法の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2W】篩骨洞の自然なまたは人工的に作られた開口部を介して篩骨洞に接近する方法の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2X】篩骨洞の自然なまたは人工的に作られた開口部を介して篩骨洞に接近する方法の工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。
【図2Y】前頭洞の粘液嚢胞を治療する方法の工程を示す人間の頭部の部分冠状断面図である。
【図2Z】前頭洞の粘液嚢胞を治療する方法の工程を示す人間の頭部の部分冠状断面図である。
【図2AA】前頭洞の粘液嚢胞を治療する方法の工程を示す人間の頭部の部分冠状断面図である。
【図2AB】前頭洞の粘液嚢胞を治療する方法の工程を示す人間の頭部の部分冠状断面図である。
【図2AC】前頭洞の粘液嚢胞を治療する方法の工程を示す人間の頭部の部分冠状断面図である。
【図3A】副鼻腔の人工的に作られた開口部を介して副鼻腔に接近する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分冠状断面図である。
【図3B】副鼻腔の人工的に作られた開口部を介して副鼻腔に接近する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分冠状断面図である。
【図3C】副鼻腔の人工的に作られた開口部を介して副鼻腔に接近する方法の種々の工程を示す人間の頭部の部分冠状断面図である。
【図4A】順次に使用可能な3つの漸進的に大きくなる拡張器を含む、洞口または他の鼻腔内の解剖学的構造を拡張するシステムの部分縦断面図である。
【図4B】加圧拡張可能なステントを有するバルーンカテーテルを含む作業装置を使用して鼻腔を拡張する方法の種々の工程を示す図である。
【図4C】加圧拡張可能なステントを有するバルーンカテーテルを含む作業装置を使用して鼻腔を拡張する方法の種々の工程を示す図である。
【図4D】加圧拡張可能なステントを有するバルーンカテーテルを含む作業装置を使用して鼻腔を拡張する方法の種々の工程を示す図である。
【図4E】加圧拡張可能なステントを有するバルーンカテーテルを含む作業装置を使用して鼻腔を拡張する方法の種々の工程を示す図である。
【図4F】横吸込みおよびサイドカッタもしくは横吸込みまたはサイドカッタを含む作業装置の部分斜視図である。
【図4G】組織を切り取る回転カッタを含む作業装置の部分斜視図である。
【図4H】機械式拡張器を使用して副鼻腔口または他の鼻の通路を拡張する方法の工程を示す図である。
【図4I】機械式拡張器を使用して副鼻腔口または他の鼻の通路を拡張する方法の工程を示す図である。
【図4J】ねじ機構を含む機械式拡張器の斜視図である。
【図4K】ねじ機構を含む機械式拡張器の斜視図である。
【図4L】押し可能な部材を含む機械式拡張器の断面図である。
【図4M】押し可能な部材を含む機械式拡張器の断面図である。
【図4N】引き可能な部材を含む機械式拡張器の断面図である。
【図4O】引き可能な部材を含む機械式拡張器の断面図である。
【図4P】ヒンジ式部材を含む機械式拡張器の断面図である。
【図4Q】ヒンジ式部材を含む機械式拡張器の断面図である。
【図4R】図4Hに示す種類の機械式拡張器の遠位部の他の構成の概略図である。
【図4S】図4Iに示す種類の機械式拡張器の遠位部の他の構成の概略図である。
【図4T】図4Jに示す種類の機械式拡張器の遠位部の他の構成の概略図である。
【図4U】図4Kに示す種類の機械式拡張器の遠位部の他の構成の概略図である。
【図4V】図4Lに示す種類の機械式拡張器の遠位部の他の構成の概略図である。
【図4W】図4Mに示す種類の機械式拡張器の遠位部の他の構成の概略図である。
【図5A】円錐近位部と、円錐遠位部と、円錐近位部と円錐遠位部との間の円筒部とを含むバルーンの斜視図である。
【図5B】円錐バルーンの斜視図である。
【図5C】球形バルーンの斜視図である。
【図5D】円錐/正方形長尺バルーンの斜視図である。
【図5E】長尺球形バルーンの斜視図である。
【図5F】双葉「ドッグ・ボーン」バルーンの斜視図である。
【図5G】オフセット・バルーンの斜視図である。
【図5H】正方形バルーンの斜視図である。
【図5I】円錐/正方形バルーンの斜視図である。
【図5J】円錐/正方形長尺バルーンの斜視図である。
【図5K】テーパ付きバルーンの実施形態の斜視図である。
【図5L】段付きバルーンの斜視図である。
【図5M】円錐/オフセット・バルーンの斜視図である。
【図5N】湾曲バルーンの斜視図である。
【図5O】診断物質または治療物質を供給するバルーンを含むバルーンカテーテル装置の部分斜視図である。
【図5P】1つまたはそれ以上の切刃を有するバルーンを含むバルーン/カッタカテーテル装置の部分斜視図である。
【図5Q】補強組み紐がバルーン外面に取り付けられたバルーンを含むバルーンカテーテル装置の斜視図である。
【図5R】膨張部がバルーン遠位端近傍に位置するバルーンカテーテルの部分斜視図である。
【図5S】単一ルーメンによって膨張される複数のバルーンを含むバルーンカテーテルの実施形態の部分斜視図である。
【図5T】複数のルーメンによって膨張される複数のバルーンを含むバルーンカテーテルの部分斜視図である。
【図5U】センサが上または中に取り付けられたバルーンカテーテルの実施形態の斜視断面図である。
【図5V】センサが上または中に取り付けられたバルーンカテーテルの実施形態の斜視断面図である。
【図5W】センサが上または中に取り付けられたバルーンカテーテルの実施形態の斜視断面図である。
【図5X】センサが上または中に取り付けられたバルーンカテーテルの実施形態の斜視断面図である。
【図5Y】センサが上または中に取り付けられたバルーンカテーテルの実施形態の斜視断面図である。
【図5Z】センサが上または中に取り付けられたバルーンカテーテルの実施形態の斜視断面図である。
【図5AA】センサが上または中に取り付けられたバルーンカテーテルの実施形態の斜視断面図である。
【図5AB】センサが上または中に取り付けられたバルーンカテーテルの実施形態の斜視断面図である。
【図6A】シャフトが外部スパイラルワイヤを含む、本明細書で開示する様々な装置内で使用可能なシャフトデザインの部分斜視図である。
【図6B】シャフトが強化ワイヤを含む、本明細書で開示する様々な装置のシャフトデザインの部分斜視図である。
【図6C】シャフトが強化リングを含む、本明細書で開示する様々な装置のシャフトデザインの実施形態の部分斜視図である。
【図6D】シャフトが制御可能な鋼化要素を含む、本明細書で開示する様々な装置のシャフトデザインの部分斜視図である。
【図6E】シャフトがハイポチューブを含む、本明細書で開示する様々な装置のシャフトデザインの部分斜視図である。
【図6F】シャフトが組み紐を含む、本明細書で開示する様々な装置のシャフトデザインの部分斜視切欠図である。
【図6G】塑性変形可能な領域を有するシャフトを含む装置の実施形態の部分斜視図である。
【図6H】弾性要素を有するシャフトを含む装置の部分斜視図である。
【図6I】可鍛性要素を含むシャフトの部分斜視図である。
【図6J】屈曲構成による図6Iのシャフトの部分斜視図である。
【図6K】図6Iの面6K−6Kの断面図である。
【図6L】制御可能に変形可能なシャフトの実施形態の部分断面図である。
【図6M】変形した状態の図6Lの制御可能に変形可能なシャフトの部分断面図である。
【図6N】剛性または半剛性の部材を含むバルーンカテーテルの斜視図である。
【図6O】挿入可能かつ脱着可能な要素を含むバルーンカテーテルの断面図である。
【図6P】挿入可能かつ脱着可能な要素を含むバルーンカテーテルの断面図である。
【図6Q】挿入可能かつ脱着可能な要素を含むバルーンカテーテルの断面図である。
【図7A】2つの円筒形ルーメンを含むバルーンカテーテルシャフトの横断面図である。
【図7B】内ルーメンと内ルーメン周りに配置された環状外ルーメンとを含むバルーンカテーテルシャフトの横断面図である。
【図7C】第1のルーメンを有する第1の管状要素と、第2のルーメンを有する第2の管状要素と、第1及び第2の管状要素と取り囲む被覆物とを含むバルーンカテーテルシャフトの横断面図である。
【図7D】3つのルーメンを含むバルーンカテーテルシャフトの横断面図である。
【図7E】円筒形要素と、ルーメンを有する管状要素と、円筒形要素と管状要素とを取り囲む被覆物とを含むバルーンカテーテルシャフトの横断面図である。
【図7F】埋設組み紐を含むバルーンカテーテルシャフトの横断面図である。
【図7G】ジッパールーメンの一部を貫設するガイドを有するジッパールーメンを含むカテーテルシャフトの部分斜視図である。
【図7H】図7Gの線7H−7Hの横断面図である。
【図7I】急速交換ルーメンを貫設するガイドを有する急速交換ルーメンを含むカテーテルシャフトの部分縦断面図である。
【図7J】図7Iのカテーテルシャフトの線7J−7Jの横断面図である。
【図7K】図7Iのカテーテルシャフトの線7K−7Kの横断面図である。
【図7L】貫通ルーメンとバルーン膨張ルーメンとをカテーテルシャフト内に含む、本発明のバルーンカテーテル装置の部分斜視図である。
【図7M】図7Lの線7M−7Mの横断面図である。
【図7N】図7Lの線7N−7Nの横断面図である。
【図7O】カテーテルシャフト内の貫通ルーメンと、カテーテルシャフトの隣に配置されかつ随意的にカテーテルシャフトに取り付けられるバルーン膨張チューブとを含む本発明の別のバルーンカテーテル装置の部分斜視図である。
【図7P】図7Oの線7P−7Pの横断面図である。
【図7Q】図7Oの線7Q−7Qの横断面図である。
【図8A】距離マーカーを含むカテーテルシャフトの部分斜視図である。
【図8B】1つの種類の放射線不透過性マーカーを含むカテーテルシャフトの部分斜視図である。
【図8C】別の種類の放射線不透過性マーカーを含むカテーテルシャフトの部分斜視図である。
【図8D】バルーン外面に配置された放射線不透過性マーカーのアレーを含むバルーンカテーテルの部分斜視図である。
【図8E】バルーン内面に配置された放射線不透過性マーカーのアレーを含むバルーンカテーテルの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の更なる態様、詳細、および実施形態は、本発明の以下の詳細な説明および添付図面を読むと、当業者によって理解されるであろう。以下の詳細な説明、添付図面、上述した簡単な図面の説明は、本発明の一部の例または実施形態の一部を説明することを目的とするが、必ずしもその全てではない。この詳細な説明の内容は、いかなる点においても本発明の範囲を限定するものではない。
【0019】
本特許出願の図面の一部は、耳、鼻、喉の解剖学的構造を示す。一般的に、これらの解剖学的構造には、以下の参照文字が記載されている。
鼻腔 NC
鼻咽頭 NP
前頭洞 FS
篩骨洞 ES
篩骨蜂巣 EAC
蝶形骨洞 SS
蝶形骨洞口 SSO
上顎洞 MS
粘液嚢胞 MC
【0020】
図1および図1Aは、第1の導入装置1002(例えば、ガイドカテーテルまたはガイドチューブ)、第2の導入装置1004(例えば、ガイドワイヤまたは細長い深針)、作業装置1006(例えば、バルーンカテーテル、他の拡張カテーテル、創面切除器、カッタなど)を可視化するために使用可能であるC−アーム蛍光透視鏡1000を含む本発明の最小侵入性外科手術システムの概略図を示す。図2Aから図8E’は、本発明に従って使用可能とすることができる導入装置1002(例えば、ガイドカテーテルまたはガイドチューブ)、導入装置1004(例えば、ガイド、ガイドワイヤ、細長い深針など)、作業装置1006(例えば、バルーンカテーテル、他の拡張カテーテル、創面切除器、カッターなど)の特定の非制限的例を示す。装置1002、1004、1006は、放射線不透過性とすることができ、および、C−アーム蛍光透視鏡1000を使用して処置中に装置1002、1004、1006の位置決めを画像化かつモニタすることができるように放射線不透過性マーカーを組み込むことができるか、もしくは、放射線不透過性とすることができ、または、C−アーム蛍光透視鏡1000を使用して処置中に装置1002、1004、1006の位置決めを画像化かつモニタすることができるように放射線不透過性マーカーを組み込むことができる。放射線画像化の使用に加えてまたは放射線画像化の代案として、装置1002、1004、1006は、FESS処置中に耳鼻咽喉科医によって使用される一般的な剛性または可撓性内視鏡または立体内視鏡など、1つまたはそれ以上の内視鏡装置を組み込むことができ、および、FESS処置中に耳鼻咽喉科医によって使用される一般的な剛性または可撓性内視鏡または立体内視鏡など、1つまたはそれ以上の内視鏡装置と共に使用することができ、もしくは、FESS処置中に耳鼻咽喉科医によって使用される一般的な剛性または可撓性内視鏡または立体内視鏡など、1つまたはそれ以上の内視鏡装置を組み込むことができ、または、FESS処置中に耳鼻咽喉科医によって使用される一般的な剛性または可撓性内視鏡または立体内視鏡など、1つまたはそれ以上の内視鏡装置と共に使用することができる。
【0021】
また、放射線画像化および内視鏡による可視化もしくは放射線画像化または内視鏡による可視化に加えて、または、放射線画像化および内視鏡による可視化もしくは放射線画像化または内視鏡による可視化の代案として、装置1002、1004、1006の一部の実施形態は、装置1002、1004、1006を画像案内式外科手術システムまたは他の電気解剖学的マッピング/ガイダンスシステムと共に使用することを可能にするセンサを組み込むことができ、画像案内式外科手術システムまたは他の電気解剖学的マッピング/ガイダンスシステムには、VectorVision(BrainLAB AG)、HipNav(CASurgica)、CBYON Suite(CBYON)、InstaTrak、FluoroTrak、ENTrak(GE Medical)、StealthStation Treon、iOn(Medtronic)、Medivision、Navitrack(Orthosoft)、OTS(Radionics)、VISLAN(シーメンス)、Strykerナビゲーション・システム(Stryker Leibinger)、Voyager、Z−Box(Z−Kat Inc.) NOGAとCARTOシステム(ジョンソン・アンド・ジョンソン)が含まれるが、これらに限定されない。市販の介入ナビゲーション・システムも、各種装置および方法と共に使用することができる。OrthoPilot(B Braun Aesculap)、PoleStar(Odinメディカル・テクノロジーズ、Medtronicによって販売)、SonoDoppler、SonoWand(MISON)、CT Guide、US Guide(UltraGuide)などを含むがこれらの限定されない更なる非蛍光透視鏡の介入画像化技術も各種装置および方法と共に使用することができる。カテーテルがシステムと妥当に相互作用するように変更された場合、磁気共鳴に基づくガイダンスも実現可能である。
【0022】
本発明の装置および方法は、耳、鼻、喉の洞口および他の通路への接近および拡張または変更に関係するものであることを理解されたい。これらの装置および方法は、単独で使用することができるか、または、他の外科または外科以外の治療と共に使用することができ、他の外科または外科以外の治療には、2004年8月4日出願の、「副鼻腔炎および他の疾患を治療するために薬剤および他の物質を供給する移植可能な装置および方法」と題した同時係属米国特許出願第10/912,578号で説明されているような装置および薬剤または他の物質の供給または移植が含まれるが、これらに限定されず、その開示内容全体は、引用により本明細書に明示的に組み入れられる。
【0023】
図2Aから図2Dは、ガイドカテーテルを使用して副鼻腔に接近する方法の様々な工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。図2Aにおいては、ガイドカテーテル200の形である第1の導入装置を鼻孔を介しておよび鼻腔NCを介して蝶形骨洞SS口SSO近傍の場所に導入する。ガイドカテーテル200は、軟質のものとすることができる。軟質装置は、1インチの装置長にわたって約200ポンド力/インチ未満の曲げ剛性を有する装置と定義される。ガイドカテーテル200は、真直とすることができるかまたは1つまたはそれ以上の事前成形湾曲部または屈曲部を組み込むことができる。ガイドカテーテル200が湾曲または屈曲状態である実施形態においては、湾曲または屈曲の偏向角度は、最大135°までの範囲内とすることができる。ガイドカテーテル200の湾曲または屈曲領域によって形成される特定の偏向角度の例は、0°、30°、45°、60°、70°、90°、120°、135°である。ガイドカテーテル200は、Pebax、ポリイミド、編組ポリイミド、ポリウレタン、ナイロン、PVC、Hytrel、HDPE、PEEK、ステンレス鋼などの金属およびPTFE、PFA、FEP、EPTFEなどのフッ素重合体などの適切な要素で構成することができる。ガイドカテーテル200は、様々な表面皮膜、例えば、親水性の滑らかな皮膜、疎水性の滑らかな皮膜、耐摩耗性皮膜、耐破壊性皮膜、導電または熱伝導皮膜、放射線不透過性皮膜、エコー源性皮膜、血栓成形性減少皮膜、薬物放出皮膜を有することができる。図2Bにおいては、ガイドワイヤ202が洞口SSOを介して蝶形骨洞SSに入るように、ガイドワイヤ202を含む第2の導入装置が第1の導入装置(すなわち、ガイドカテーテル200)を介して導入する。ガイドワイヤ202は、心臓学の技術分野で一般的であるように構成かつ被覆処理することができる。図2Cにおいては、作業装置204、例えば、バルーンカテーテルを、ガイドワイヤ202を覆うようにして蝶形骨洞SSに導入する。その後、図2Dにおいては、作業装置204を使用して診断または治療処置を行う。この特定の例においては、処置は、図2Dから明らかであるように、蝶形骨洞口SSOの拡張である。しかしながら、また、本発明を使用して、鼻、副鼻腔、鼻咽頭または隣接する区域内の、任意の洞口または他の人工のまたは自然に発生する生体組織の開口部または通路を拡張または変更することができることが理解されるであろう。処置完了後に、ガイドカテーテル200、ガイドワイヤ202、作業装置204を引き抜いて除去する。上記の内容からも当業者によって理解できるように、この処置または本特許出願で説明する処置のいずれにおいても、オペレータは、更に、他の種類のカテーテルまたは本発明の他の種類のカテーテルを前進させることができ、ガイドワイヤ202は、操縦可能(例えば、トルク印加可能な有効に変形可能)または成形可能または可鍛性とすることができる。
【0024】
ガイドワイヤ202は、埋設内視鏡または他のナビゲーションまたは画像化モダリティーを含むことができ、他のナビゲーションまたは画像化モダリティーには、X線透視局在、X線透過局在、超音波局在、高周波局在、電磁エネルギー、磁気エネルギー、ロボットエネルギーおよび他の放射エネルギーを基本とするモダリティーが含まれるが、これらに限定されない。この点については、各種の図の一部では、随意的なスコープSCが点線で示されている。このような随意的なスコープSCは、任意の適切な種類の剛性または軟質内視鏡を含むことができ、このような随意的なスコープSCは、本発明の作業装置および導入装置もしくは作業装置または導入装置から分離したものかまたは本発明の作業装置および導入装置もしくは作業装置または導入装置に組み込むことができることを理解されたい。
【0025】
図2Eから図2Hは、操縦可能なカテーテルを使用して副鼻腔に接近する方法の様々な工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。図2Eにおいては、操縦可能なカテーテル206の形である導入装置を鼻孔に通す。副鼻腔におけるこの技術向けに市販の装置を設計したり、容易に使用可能であることは決してないが、ここで説明するものと類似の機能性を有する操縦可能な先端を有する装置の例には、カリフォルニア州フリーモントのCardima,Incによって製造されるNaviport(登録商標)、Medtronic製造のAttain PrevailおよびAttain Deflectable Cather(偏向可能カテーテル)、St.Jude Medical,Inc製造のLivewire Steerable Catheters(操縦可能カテーテル)、Boston Scientific製造のInquiry(登録商標)Steerable Diagnostic Catheters(操縦可能診断カテーテル)、EBI製造のTargetCath(登録商標)、Intraiuminal Theropeutics,Inc製造のSafe−Steer Catheter(カテーテル)、Catheter Research,Inc製造のCynosar、Cordis Corp.製造のTorque Control Ballon Catheter(トルク制御バルーンカテーテル)、イスラエルのA.M.I. Technologies Ltd,製造のDymicDeca Steerable Catheter(操縦可能カテーテル)およびDynamic XT Steerable Catheter(操縦可能カテーテル)が含まれるがこれらに限定されない。操縦可能なカテーテル206は、近位部、遠位部、近位部と遠位部の間の制御可能に変形可能な領域を含む。図2Fにおいては、操縦可能なカテーテル206の遠位部が蝶形骨洞SSの洞口SSO近傍にあるように操縦可能なカテーテル206を鼻の生体組織に通す。図2Gにおいては、洞口SSOを介して蝶形骨洞SSに入るようにバルーンカテーテル208の形である作業装置を操縦可能なカテーテル206に通す。その後、バルーンカテーテル208が洞口SSOに位置するようにバルーンカテーテルを調整する。図2Hにおいては、バルーンカテーテル208を使用して、洞口SSOを拡張する。処置完了後に、操縦可能なカテーテル206およびバルーンカテーテル208を鼻の生体組織から引き抜く。この例においては、操縦可能なカテーテル206の形である第1の導入装置のみを使用して、作業装置(この例においては、バルーンカテーテル208)の挿入および有効な位置決めを行う。しかしながら、一部の処置においては、第2の導入装置(例えば、細長いガイド部材、ガイドワイヤ、細長い深針など)を操縦可能なカテーテル206のルーメンに通すことができ、その後、バルーンカテーテル208を、このような第2の導入装置を覆うように所望の有効な場所に前進可能であることが理解されるであろう。
【0026】
図2Iから図2Lは、予め設定された形状を有するガイドワイヤの形である導入装置を使用して副鼻腔に接近する方法の様々な工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。図2Iにおいては、予め設定された形状を有するガイドワイヤ210の形である導入装置を鼻腔に導入する。ガイドワイヤ210は、近位部と遠位部を含み、鼻の生体組織を楽に通り抜けることができるような形状となっている。1つの実施形態においては、ガイドワイヤ210は、実質的に真直である。別の実施形態においては、ガイドワイヤ210は、近位部と遠位部との間に角度付き、湾曲または屈曲の領域を含む。角度付き、湾曲または屈曲の領域の偏向角度の例は、0°、30°、45°、60°、70°、90°、120°、135°である。図2Jにおいては、ガイドワイヤの遠位先端部が洞口SSOを介して蝶形骨洞SSに入るようにガイドワイヤ210を鼻の生体組織に通す。図2Kにおいては、バルーンカテーテル212の形である作業装置をガイドワイヤ210に沿って蝶形骨洞SS内に前進させる。一般的に、以下でより詳細に説明するように、作業装置は、介入医療の技術分野では十分に理解されている方法でガイドワイヤ212を覆うように行うガイドワイヤ212の前進を容易にするために、作業装置212の少なくとも一部を貫設するか作業装置212の少なくとも一部の中または上に形成されるガイドワイヤルーメンを有することになる。その後、バルーンカテーテル212のバルーンが洞口SSO内に位置するようにバルーンカテーテル212の位置を調整する。本出願の他の場所で説明するように、バルーンカテーテル212は、X線不透過性とすることができ、および、1つまたはそれ以上の可視のまたは画像化可能なマーカーまたはセンサを組み込むことができるか、もしくは、X線不透過性とすることができ、または、1つまたはそれ以上の可視のまたは画像化可能なマーカーまたはセンサを組み込むことができる。図2Lにおいては、バルーンカテーテル212を使用して洞口SSOを拡張する。処置完了後、ガイドワイヤ210とバルーンカテーテル212を鼻の生体組織から引き抜く。1つの実施形態においては、バルーンカテーテル212は、成形可能または可鍛性である。
【0027】
図2Mから図2Oは、操縦ワイヤを遠位端に含むバルーンカテーテルを使用して副鼻腔に接近する方法の様々な工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。図2Mにおいては、近位部と遠位部を含むバルーンカテーテル214を含む作業装置を鼻腔に導入する。バルーンカテーテル214は、操縦ワイヤ216を遠位端に含む。図2Nにおいては、バルーンカテーテル214を鼻の生体組織に通して、蝶形骨洞口SSOを介して蝶形骨洞SSに入れる。その後、バルーンカテーテル214のバルーンが洞口SSO内に位置するようにバルーンカテーテル214の位置を調整する。図2Oにおいては、バルーンカテーテル214を使用して洞口SSOを拡張する。処置完了後、バルーンカテーテル214を鼻の生体組織から引き抜く。1つの実施形態においては、操縦ワイヤ216をバルーンカテーテル214内に引っ込めたり、バルーンカテーテル214から前進させることができる。操縦ワイヤの引っ込めおよび前進の制御は、指動輪、スライド、電子モータに掛止されたボタン、トリガなどの幾つかの手段によって行なうことができる。別の実施形態においては、操縦ワイヤ216は、中空とすることができるか、または、装置または診断薬または治療薬を導入または除去することを可能にするために1つまたはそれ以上のルーメンを組み込むことができ、これらの例は、2004年8月4日出願の、「鼻腔炎および他の疾患を治療するために薬剤および他の物質を供給する移植可能な装置および方法」と題した同時係属米国特許出願第10/912,578号で説明されており、その開示内容全体は、引用により本明細書に明示的に組み入れられる。
【0028】
図2Pから図2Xは、篩骨洞の自然なまたは人工的に作られた開口部を介して篩骨洞に接近する方法の様々な工程を示す人間の頭部の部分矢状断面図である。図2Pにおいては、ガイドカテーテル218の形である導入装置を篩骨洞ESに導入する。篩骨洞ESは、複数の篩骨蜂巣EACを含む。図2Qにおいては、ガイドワイヤ220をガイドカテーテルに通して第1のEAC内に導入する。その後、図2Rにおいては、バルーンカテーテル222を、ガイドワイヤ220を覆うように第1のEAC内に導入する。図2Sにおいては、バルーンカテーテル222を膨張させてESの種々の構造を拡張する。図2Tにおいては、ガイドカテーテル218、ガイドワイヤ220、バルーンカテーテル222を引き抜くと、第1の新しい通路がES内にできる。ES内に新たに作られた通路のために、ESを介した粘液の排出が容易になる。あるいは、図2Uにおいては、バルーンカテーテル222のみを引き抜く。ガイドカテーテル218の位置を調整して、ガイドワイヤ220を第2のEAC内に導入する。図2Vにおいては、バルーンカテーテル222を、ガイドワイヤ220を覆うように第2のEAC内に導入する。図2Wにおいては、バルーンカテーテル222を膨張させてESの種々の構造を拡張する。図2Xにおいては、ガイドカテーテル218、ガイドワイヤ220、バルーンカテーテル222を引き抜くと、第2の新しい通路がES内にできる。ES内の第2の新しい通路のために、ESを介した粘液の排出が容易になる。ESの種々の構造を拡張するこの方法を繰り返して複数の新しい通路をES内に作ることができる。
【0029】
図2Yから図2ACは、前頭洞内の粘液嚢胞を治療する方法の様々な工程を示す人間の頭部の部分冠状断面図である。図2Yにおいては、ガイドカテーテル224の形である導入装置を、鼻腔NCを介して前頭洞FS内に導入する。前頭洞FSには治療すべき粘液嚢胞MCがある。図2Zにおいては、鋭利な先端228を含む貫通装置226が少なくとも部分的にMCを打ち抜くように貫通装置226をガイドカテーテル224に通す。図2AAにおいては、バルーンカテーテル230を貫通装置226を覆うようにMC内に導入する。その後、図2ABにおいては、バルーンカテーテル230を膨張させて、MCの内容物の排出を可能にするためにMCを破裂させる。図2ACにおいては、貫通装置226とバルーンカテーテル230を引き抜く。
【0030】
また、本明細書で開示する種々の方法は、灌注および吸引を含め(ただしこれらの限定されない)、鼻、副鼻腔、鼻咽頭または種々の近傍構造内の生体組織を洗浄または灌流する工程を含むことができる。目標生体組織を洗浄する工程は、診断または治療処置の前または後に行なうことができる。
【0031】
本発明の種々の方法は、鼻の組織の収縮を引き起こすために血管収縮剤(例えば、0.025%から0.5%のphenylephyrineまたは塩酸オキシメタゾリン(ネオシネフリンまたはアフリン)で、組織などを洗浄するために抗菌物質(例えば、ポビドンドンヨード(消毒薬)(Betadine)で噴霧処理または灌流処理するなど、処置に向けて鼻、副鼻腔、鼻咽頭または種々の近傍構造の準備をする1つまたはそれ以上の準備工程を含むこともできる。
【0032】
図3Aから図3Cは、副鼻腔の人工的に作られた開口部を介して副鼻腔に接近する方法の様々な工程を示す人間の頭部の部分冠状断面図である。図3Aにおいては、穿孔装置300を鼻孔に挿通して使用し、上顎洞に人工的な開口部を作る。針、屈曲シャフトを有する針、解剖器具、穴開け器、ドリル、芯抜き器、外科用メス、バー、はさみ、鉗子、カッタなどの当技術分野で周知の幾つかの穿孔装置がある。図3Bにおいては、穿孔装置300を引き抜いて、作業装置、例えば、バルーンカテーテル302を人工的な開口部に通して上顎洞内に導入する。図3Cにおいては、バルーンカテーテル302を使用して上顎洞内の人工的に作られた開口部を拡張する。この工程の後、バルーンカテーテル302を引き抜く。一部の実施形態においては、穿孔装置300は、ルーメンを有することができ、このルーメンを介して、導入装置(例えば、ガイドワイヤまたは他の細長い深針または部材)を上顎洞内に挿入することができ、その後、穿孔装置300を除去することができて、このような導入装置((例えば、ガイドワイヤまたは他の細長い深針または部材)が所定の位置に残されることが理解されるであろう。このような場合、作業装置(例えば、バルーンカテーテル302)は、作業装置(例えば、バルーンカテーテル300)を先に挿入された導入装置(例えば、ガイドワイヤまたは他の細長い深針または部材)を覆うように前進させることを可能にするルーメンまたは他の構造を組み込むことができる。
【0033】
これまで示した方法においては、本発明と共に使用することができる幾つかの他の作業装置を対象とした例としてのみバルーンカテーテルを使用したものである。図4Aは、3つの順次拡張器、つまり、第1の順次拡張器402、第2の順次拡張器404、第3の順次拡張器406から成る1組の順次拡張器を含む作業装置の例の断面図を示す。第3の順次拡張器406のDは、第2の順次拡張器404の直径Dより大きく、第2の順次拡張器404の直径Dは、第1の順次拡張器402の直径Dより大きい。順次拡張器は、1つまたはそれ以上の屈曲または角度付き領域を含むことができる。順次拡張器は、ステンレス鋼316などの様々な生体用材料で構成することができる。様々な他の金属、ポリマおよび材料を使用して順次拡張器を構成することもできる。
【0034】
図4Bから図4Eは、加圧拡張可能なステントを有するバルーンカテーテルを含む作業装置を使用して鼻腔を拡張する方法の様々な工程を示す。図4Bにおいては、導入装置、例えば、ガイドワイヤ416を鼻腔、例えば、洞口に導入する。図4Cにおいては、バルーンカテーテル418を、ガイドワイヤ416を覆うように鼻腔内に導入する。バルーンカテーテル418は、加圧拡張可能なステント420を含む。加圧拡張可能なステント420が実質的に配置されるべき目標生体組織内にステントが位置するようにバルーンカテーテル418の位置を調整する。図4Dにおいては、バルーンカテーテル418のバルーンを拡張して加圧拡張可能なステント420を配置する。図4Eにおいては、バルーンカテーテル418を引き抜くと、加圧拡張可能なステント420が鼻腔内に残る。幾つかの種類のステントデザインを使用して金属管デザイン、高分子管デザイン、連鎖デザイン、螺旋デザイン、圧延鋼板デザイン、単一ワイヤデザインなどのステント420を構成することができる。これらのデザインは、開放セルまたは閉鎖セルの構造を有することができる。ステント420の作製には、様々な作製方法を用いることができ、これらの方法には、金属またはポリマ要素の切断、金属要素の溶接などが含まれるが、これらに限定されない。ステント420の作製には様々な材料を使用することができ、これらの材料には、金属、ポリマ、泡式材料、塑性変形可能な材料、超塑性材料などが含まれるが、これらに限定されない。ステント作製に使用することができる材料の一部の非制限的な例は、シリコーン、例えば、Silastic、ポリウレタン、gelfilm、ポリエチレンである。様々な特長をステント420に追加することができ、それには、放射線不透過性皮膜、薬剤溶出機構などが含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
図4Fは、側面開口部426を含む装置本体424を含む横吸込みおよび切断装置422もしくは横吸込みまたは切断装置442を含む作業装置の実施形態の部分斜視図を示す。鼻孔、鼻腔、鼻道、腔口、洞内部などの通路内に前進させて、側面開口部426が除去対象物(例えば、ポリープ、病変部、異物片、組織、血栓など)の近傍にあるように切断装置422を位置決めする。切断装置422を回転させて、側面開口部426内に位置決めされた組織を切断する。切断装置422は、強制的に側面開口部426を当該の組織に押し当てることができる偏向可能先端または湾曲遠位端を組み込むことができる。更に、この切断装置422は、当該の組織に切断装置422を押し当たる切断装置422の1つの側面上に組み込まれた随意的な安定化バルーンを有することができ、また、超音波光学品、繊維光学品またはデジタル光学品、OCT、RTまたは電磁気センサまたはエミッタなどの1つまたはそれ以上の搭載型画像化モダリティーを含むことができる。
【0036】
図4Gは、組織を切り取る回転切断装置を含む作業装置の実施形態の部分斜視図を示す。回転切断装置428は、導入装置432内に密閉された回転部材430を含む。回転部材430は、回転部材430の遠位領域近傍に位置する回転刃434を含む。回転刃434は、回転部材430内に引っ込み可能とすることができる。回転切断装置428を鼻孔、鼻腔、鼻道、腔口、洞内部などの通路436に挿入して、回転刃434が除去対象物(例えば、ポリープ、病変部、異物片、組織、血栓など)近傍にあるように位置決めする。その後、回転部材430を回転させて回転刃434に組織を除去させる。1つの実施形態においては、回転部材430を導入装置432に引っ込めることができる。別の実施形態においては、回転切断装置428は、回転切断装置428遠位端近傍での吸込みまたは灌注の機構を含むことができる。
【0037】
図4Hおよび図4Iは、機械式拡張器408を含む作業装置を使用して鼻腔を拡張する方法の様々な工程を示す。機械式拡張器408は、外部材410、内部材412、1つまたはそれ以上の細長い曲げ可能な部材414を含む。内部材412は、外部材410内で摺動することができる。曲げ可能な部材414の近位端は、外部材410の遠位端に取り付けられ、曲げ可能な部材414の遠位端は、内部材412の遠位端に取り付けられる。図4Hにおいては、機械式拡張器408を鼻の生体組織内の開口部、例えば、洞口に挿入する。曲げ可能な部材414が鼻の生体組織内の開口部内にあるように機械式拡張器408を位置決めする。図4Iにおいては、外部材410と内部材412の相対運動によって、外部材410の遠位端を内部材412の遠位端に近づけることが出来る。これによって、曲げ可能な部材414は、機械式拡張器408の遠位領域の直径が大きくなるように曲がる。これによって、曲げ可能な部材414は、鼻の生体組織内の開口部に接触して、外方の圧力を掛けて開口部を拡張する。外部材410、内部材412、曲げ可能な部材414などの機械式拡張器408の様々な構成品は、ステンレス鋼316などの適切な生体用材料で構成することができる。様々な他の金属、ポリマ、材料を使用して機械式拡張器408の様々な構成品を構成することもできる。1つの実施形態においては、外部材410は質的に剛性であり、内部材412は軟質である。外部材410は、実質的に真直とすることができるか、または、1つまたはそれ以上の屈曲または角度付きの領域を含むことができる。内部材412は、1つまたはそれ以上のルーメンを含むことができる。
【0038】
図4Jおよび図4Kは、ねじ機構を含む機械式拡張器のデザインの斜視図を示す。図4Jは、外部材438および内ねじ部材440を含む機械式拡張器を示す。内ねじ部材440は、外部材438の遠位端に位置する第1の枢軸442を介して外部材438に連結される。内ねじ部材440の遠位端は、第2の枢軸444に連結される。機械式拡張器は、更に、1つまたはそれ以上の曲げ可能な部材446を含む。曲げ可能な部材446の遠位端は、第2の枢軸444に取り付けられ、曲げ可能な部材446の近位端は、こぶし形の枢軸442に取り付けられる。図4Kにおいては、内ねじ部材440を1つの方向に回転させる。これによって、第2の枢軸444が第1の枢軸442に近づく。これによって、曲げ可能な部材446が半径方向に曲って、外方の半径方向の力が掛かる。この力を使用して、生体組織の種々の部分を拡張または移動することができる。外部材438は、実質的に真直とすることができるか、または、1つまたはそれ以上の屈曲または角度付きの領域を含むことができる。内ねじ部材440は、1つまたはそれ以上のルーメンを含むことができる。
【0039】
図4Lおよび図4Mは、押し可能部材を含む機械式拡張器のデザインの断面図を示す。図4Lは、外部材448の遠位端上に1つまたはそれ以上の曲げ可能な領域449を含む外部材448を含む機械式拡張器を示す。機械式拡張器は、更に、内押し可能部材450の遠位端上に拡大領域452を含む内押し可能部材450を含む。図4Mにおいては、内押し可能部材450を遠位方向に押す。これによって、外方の力が曲げ可能な領域449に掛かって、曲げ可能な領域449が、半径方向に曲がって、外方の力が掛かる。この力を使用して、生体組織の種々の部分を拡張または移動することができる。外部材448は、実質的に真直とすることができるか、または、1つまたはそれ以上の屈曲または角度付きの領域を含むことができる。内押し可能部材450は、1つまたはそれ以上のルーメンを含むことができる。
【0040】
図4Nおよび図4Oは、引き可能部材を含む機械式拡張器のデザインの断面図を示す。図4Nは、外部材454の遠位端上に1つまたはそれ以上の曲げ可能な領域456を含む外部材454を含む機械式拡張器を示す。機械式拡張器は、更に、内引き可能部材458の遠位端上に拡大領域460を含む内引き可能部材458を含む。図4Oにおいては、内引き可能部材458を近位方向に引く。これによって、外方の力が曲げ可能な領域456に掛かって、曲げ可能な領域456が半径方向に曲がって、外方の力が掛かる。この力を使用して、生体組織の種々の部分を拡張または移動することができる。外部材454は、実質的に真直とすることができるか、または、1つまたはそれ以上の屈曲または角度付きの領域を含むことができる。内引き可能部材458は、1つまたはそれ以上のルーメンを含むことができる。
【0041】
図4Pおよび図4Qは、蝶番部材を含む機械式拡張器のデザインの断面図を示す。図4Pは、外部材462の遠位端上に位置する1つまたはそれ以上の曲げ可能な領域464を含む外部材462を含む機械式拡張器を示す。機械式拡張器は、外部材462内に位置する内部材466も含むこともできる。1つの実施形態においては、内部材466は、管状である。内部材466の遠位端は、1つまたはそれ以上の第1のヒンジ468を含む。第1のヒンジ468は、1つまたはそれ以上の移動要素470の近位端に掛止される。移動要素470の遠位端は、外部材462の内面上に位置する1つまたはそれ以上の第2のヒンジ472に掛止される。図4Qにおいては、内部材466を遠位方向に押す。これによって、移動要素470が、外方の半径方向の力を曲げ可能な領域464に掛けて、曲げ可能な領域464が外方の力で外方の半径方向に曲がる。この外方の力を使用して、生体組織の種々の部分を拡張または移動することができる。外部材462は、実質的に真直とすることができるか、または、1つまたはそれ以上の屈曲または角度付きの領域を含むことができる。内部材466は、1つまたはそれ以上のルーメンを含むことができる。
【0042】
図4Rから図4Wは、図4Hから図4Qの機械式拡張器の構成の種々の例を示す。図4Rは、内部材474、外方の定置部材476、外方の曲げ可能な部材478を含む機械式拡張器の断面図を示す。図4Sにおいては、内部材474の移動によって、外方の曲げ可能な部材478に力が働いて半径方向に移動する。この力を使用して、生体組織の種々の部分を拡張または移動することができる。この構成は、力を特定の半径方向に掛けるのに有用である。図4S’は、図4Rの外方の定置部材476の部分斜視図を示す。図4Tは、内部材480、第1の外方の半管状部材482、第2の外方の半管状部材484を含む機械式拡張器の断面図を示す。図4Uにおいては、内部材480の移動によって、第1の外方の半管状部材482および第2の外方の半管状部材484に力が働いて半径方向に移動する。この力を使用して、生体組織の種々の部分を拡張または移動することができる。この構成は、力を2つの直径の反対側の領域に掛けるのに有用である。図4U’は、図4Tの第1の外方の半管状部材482および第2の外方の半管状部材484の部分斜視図を示す。図4Vは、内部材486、第1の外方の湾曲部材488、第2の外方の湾曲部材490を含む機械式拡張器の断面図を示す。図4Wにおいては、内部材486の移動によって、第1の外方の湾曲部材488および第2の外方の湾曲部材490に力が働いて半径方向に移動する。この力を使用して、生体組織の種々の部分を拡張または移動することができる。この構成は、2つの直径の反対側の領域で小さな区域を覆うように力を掛けるのに有用である。図4W’は、図4Vの第1の外方の湾曲部材488および第2の外方の湾曲部材490の部分斜視図を示す。3つまたはそれ以上の移動可能な部材を使用して図4Hから図4Qの機械式拡張器の類似のデザインが可能である。本明細書で開示する機械式拡張器内の内部材の代わりに、外部材を移動して外方の半径方向の力を掛けるバルーンを使用することができる。
【0043】
作業装置の幾つかの他のデザインも使用することができ、それには、カッター、歯、回転ドリル、回転刃、テーパ付き拡張器、穴開け器、解剖器具、バー、非膨張式の機械式に拡張可能な部材、高周波機械式加振機、高周波切除装置、マイクロ波切除装置、レーザ装置(例えば、CO2、アルゴン、チタン燐酸カリウム、ホルミウム、YAGおよびNd:YAGレーザ装置)、係蹄、生検ツール、スコープ、および診断薬または治療薬を導入する装置が含まれるが、これらに限定されない。図5Aは、円錐近位部、円錐遠位部、円錐近位部と円錐遠位部との間の円筒部とを含むバルーンの斜視図を示す。図5Bから図5Nは、バルーンの幾つかの代替実施形態の斜視図を示す。図5Bは、円錐バルーンを示し、図5Cは、球形バルーンを示し、図5Dは、円錐/正方形長尺バルーンを示し、図5Eは、長尺球形バルーンを示し、図5Fは、ドッグ・ボーン・バルーンを示し、図5Gは、オフセット・バルーンを示し、図5Hは、正方形バルーンを示し、図5Iは、円錐/正方形バルーンを示し、図5Jは、円錐/正方形長尺バルーンを示し、図5Kは、テーパ付きバルーンを示し、図5Lは、段付きバルーンを示し、図5Mは、円錐/オフセット・バルーンを示し、図5Nは、湾曲バルーンを示す。本明細書で開示する種々のバルーンは、種々の生体用材料で作製することができ、種々の生体用材料には、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニール、架橋ポリエチレン、ポリオレフィン、HPTFE、HPE、HDPE、LDPE、EPTFE、ブロック共重合体、ラテックス、シリコーンが含まれるが、これらに限定されない。本明細書で開示する種々のバルーンは、種々の作製方法によって作製することができ、種々の作製方法には、成形、吹込み成形、ディッピング法、押し出し加工などが含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書で開示する種々のバルーンは、様々な膨張媒体で膨張させることができ、様々な膨張媒体には、塩水、水、空気、放射線造影材、診断または治療物質、超音波エコー反射材、熱、寒気、または電気を伝達する流体が含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
本発明の種々のバルーンは、診断物質または治療物質を目標生体組織に供給するように変更することもできる。例えば、図5Oは、診断物質または治療物質を供給するバルーンを含むバルーンカテーテル装置500の実施形態の部分斜視図を示す。バルーンカテーテル装置500は、上にバルーン504を有する軟質カテーテル502を含む。バルーン504が収縮状態で、鼻孔、鼻腔、鼻道、腔口、洞内部などの通路にバルーンカテーテル装置500を前進させて、収縮状態のバルーン504が腔口、通路内に、または、拡張、膨張または圧縮対象組織または物近傍にある状態で(例えば、止血などのために圧力を印加するために)位置決めする。その後、バルーン504を膨張させて、腔口、通路、組織または物質を拡張、膨張または圧縮することができる。その後、バルーン504を収縮させることができるので、装置500を除去することができる。バルーンから隣接組織に溶出するような薬剤または物質をこのバルーン504に被覆処理、含浸処理するか、またはその他の方法で備える(例えば、隣接組織を薬剤で湿潤化する(?)または組織に熱エネルギーまたは他のエネルギーを照射してバルーン504に接触している組織を収縮させる)。あるいは、一部の実施形態においては、バルーンは、時には加圧にて物質を供給して物質をバルーンに隣接する組織に進入させるかまたは広げることができる複数のアパーチャまたは開口部を有することができる。あるいは、一部の実施形態においては、隣接組織を露出させたり、所望の診断または治療効果(例えば、組織の収縮など)を達成するために、放射線シード、ねじ、リボン、気体または液体などをカテーテルシャフト502またはバルーン504または完全に離れたカテーテル本体の中にしばらく前進させることができる。
【0046】
本発明の種々のバルーンは、処置の診断効果または治療効果を高めるために様々な表面特長部を有することができる。例えば、図5Pは、1つまたはそれ以上の切刃512が上に形成されたバルーン510を有する軟質カテーテル508を含むバルーン/カッターカテーテル装置506の実施形態の部分斜視図を示す。バルーン510が収縮状態で、装置506を鼻孔、鼻腔、鼻道、腔口、洞内部などの通路内に前進させて、収縮状態のバルーン510が腔口、通路内に、または、拡張、膨張または圧縮対象組織または対象物質近傍にある状態で位置決めし、ここでは、1つまたはそれ以上の切れ目または刻み目を作る(例えば、膨張中に組織分割を制御して組織外傷を最小限に抑えるために)ことが望ましい。その後、バルーン510を膨張させて腔口、通路、組織または対象物質を拡張、膨張または圧縮すると、切刃512が隣接組織または物質に切れ目を作る。その後、バルーン510を収縮させて装置506を除去する。組織を切り込むと同時に止血も引き起こすように、および、膠原繊維または他の結合組織蛋白質の熱収縮、軟骨の改造または軟化などを引き起こすために、もしくは、組織を切り込むと同時に止血も引き起こすように、または、膠原繊維または他の結合組織蛋白質の熱収縮、軟骨の改造または軟化などを引き起こすために、切刃に単極性または双極性RFエネルギーを供給するかまたは他の方法で切刃を加熱することができる。
【0047】
本発明の種々のバルーンは、バルーン特性を高めるために様々な補強手段を有することができる。例えば、図5Qおよび図5Q’は、1つまたはそれ以上の補強手段520が上にあるバルーン518を有する軟質カテーテル516を含むバルーンカテーテル装置514の実施形態の斜視図を示す。この例においては、補強手段520は、バルーン518の外面上に取り付けられた組み紐である。補強組み紐は、ポリマフィラメント(例えば、PETまたはケブラーフィラメント)、金属フィラメント(例えば、SS316またはニチノールフィラメント)、金属または非金属メッシュまたはシートなどの適切な材料で構成することができる。様々な他の補強手段を使用することができ、他の補強手段には、補強皮膜、外部または内部補強コイル、補強繊維、補強メッシュおよび補強ワイヤ、補強リング、バルーン材料内に埋設されたフィラメントなどが含まれるが、これらに限定されない。図5Q狽ヘ、図5Qおよび図5Q’のバルーンカテーテル装置と共に使用することができる補強組み紐の斜視図を示す。
【0048】
本発明の種々のバルーンは、バルーン特性を高めるために様々な膨張手段を有することができる。図5Rは、シャフト524およびバルーン526を含むバルーンカテーテル522の実施形態の部分断面図を示す。シャフト524は、バルーン膨張ルーメンを含む。バルーン膨張ルーメンの遠位部は、バルーン526の遠位端近傍に位置する膨張ポート528で終端する。したがって、バルーンカテーテル522をオリフィスに挿入してバルーン526を膨張させたとき、バルーン526の遠位部がバルーン526の近位部よりも早く膨張する。これによって、バルーン526がオリフィスから滑り抜けるのを防止する。
【0049】
図5Sおよび図5Tは、複数のバルーンを含むバルーンカテーテルの種々のデザインを示す。図5Sは、ルーメン533を有するシャフト532を含むバルーンカテーテル530の実施形態の部分断面図を示す。ルーメン533は、シャフト532上に位置する3つのオリフィス、すなわち、第1のオリフィス534、第2のオリフィス536、第3のオリフィス538という開口部を有する。3つのオリフィスを使用して3つのバルーンを膨張させる。第1のオリフィス534は第1のバルーン540を膨張させ、第2のオリフィス536は第2のバルーン542を膨張させ、第3のオリフィス538は第3のバルーン544を膨張させる。1つの実施形態においては、第1のバルーン540および第3のバルーン544を単一のルーメンで膨張させ、第2のバルーン542を異なるルーメンで膨張させる。別の実施形態においては、第1のバルーン540、第2のバルーン542、第3のバルーン544は、相互に連結されているので単一のルーメンで膨張させる。弁機構によって、第1のバルーンおよび第2のバルーンは、第2のバルーンを膨張させる前に膨張させることができる。
【0050】
あるいは、種々のバルーンを別個のルーメンによって膨張させることができる。図5Tは、第1の膨張ルーメン550、第2の膨張ルーメン552、第3の膨張ルーメン554を含むシャフト548を含むバルーンカテーテル546の実施形態の部分断面図を示す。3つの膨張ルーメンを使用して3つの非連結バルーンを膨張させる。第1の膨張ルーメン550は第1のバルーン556を膨張させ、第2の膨張ルーメン552は第2のバルーン558を膨張させ、第3の膨張ルーメン554は第3のバルーン560を膨張させる。
【0051】
本明細書で開示する種々の装置は、1つまたはそれ以上のナビゲーションまたは可視化モダリティーを含んでも良い。図5Uから図5ABは、センサを含むバルーンカテーテルの様々な実施形態の斜視図および断面図を示す。図5Uは、外部材562、内部材564、外部材562の遠位領域と内部材564の遠位領域とに取り付けられたバルーン566を含むバルーンカテーテルの部分斜視図を示す。バルーンカテーテルは、更に、外部材562の遠位領域上に位置する第1のセンサ568、内部材564の遠位領域上に位置する第2のセンサ570を含む。図5Vは、図5Uの面5V−5Vの横断面を示す。外部材562は、第1のセンサ568からのリード線を受け取るために第1のセンサルーメン572を含む。内部材564は、第2のセンサ570からのリード線を受け取るために第2のセンサルーメン574を含む。内部材564は、更に、円形ルーメン576を含む。外部材562および内部材564は、環状ルーメン578を密閉する。1つの実施形態においては、環状ルーメン578は、バルーン膨張ルーメンである。
【0052】
図5Wは、外部材580、内部材582、外部材580の遠位領域と内部材582の遠位領域とに取り付けられたバルーン584を含むバルーンカテーテルの部分斜視図を示す。バルーンカテーテルは、更に、内部材582の遠位領域上に位置する第1のセンサ586、第1のセンサ586まで内部材582の遠位領域上に位置する第2のセンサ588を含む。図5Xは、図5Wの面5X−5Xの横断面を示す。内部材582は、第1のセンサ586からのリード線を受け取るために第1のセンサルーメン590、第2のセンサ588からのリード線を受け取るために第2のセンサルーメン592を含む。内部材582は、更に、円形ルーメン594を含む。外部材580および内部材582は、環状ルーメン596を密閉する。1つの実施形態においては、環状ルーメン596は、バルーン膨張ルーメンである。
【0053】
図5Yは、外部材598、内部材600、外部材598の遠位領域と内部材600の遠位領域とに取り付けられたバルーン602を含むバルーンカテーテルの部分斜視図を示す。バルーンカテーテルは、更に、外部材598の遠位領域上に位置する第1のセンサ604、第1のセンサ604まで外部材598の遠位領域上に位置する第2のセンサ606を含む。図5Zは、図5Yの面5Z−5Zの横断面を示す。外部材598は、第1のセンサ604からのリード線を受け取るために第1のセンサルーメン608、第2のセンサ606からのリード線を受け取るために第2のセンサルーメン610を含む。内部材600は、円形ルーメン612を含む。外部材598および内部材600は、環状ルーメン614を密閉する。1つの実施形態においては、環状ルーメン614は、バルーン膨張ルーメンである。
【0054】
センサからのリード線は、ルーメン内に密閉せずに、バルーンカテーテルの要素の表面上に取り付けることができる。図5AAは、外部材616、内部材618、外部材616の遠位領域と内部材618の遠位領域とに取り付けられたバルーン620を含むバルーンカテーテルの部分斜視図を示す。バルーンカテーテルは、更に、外部材616の遠位領域上に位置する第1のセンサ624、内部材618の遠位領域上に位置する第2のセンサ626を含む。第2のセンサ626は、リード線628を含む。図5ABは、図5AAの面5AB−5ABの横断面を示す。外部材616は、第1のセンサ624からのリード線を受け取るために第1のセンサルーメン630を含む。内部材618は、円形ルーメン632を含む。第2のセンサ626からのリード線628は、内部材618の外面上に取り付けられ、内部材618と平行に配向される。外部材616および内部材618は、環状ルーメン634を密閉する。1つの実施形態においては、環状ルーメン634は、バルーン膨張ルーメンである。図5Uから図5ABで言及した種々のセンサは、電磁センサまたは種々のセンサであってもよく、種々のセンサには、位置センサ、磁気センサ、電磁コイル、RF送信器、ミニトランスポンダー、超音波感応または放出クリスタル、ワイヤマトリクス、マイクロシリコンチップ、光ファイバセンサなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
図6Aから図6Gは、本明細書で開示する様々な装置を対象としたシャフトデザインの幾つかの実施形態の部分斜視図を示す。これらのシャフトデザインは、高トルクまたは高破壊圧力に遭遇するかまたは高度の押し可能性、操縦性およびキンク耐性を必要とする装置に特に有用である。図6Aは、シャフトに巻かれた螺旋要素604を含むシャフト602の実施形態の部分斜視図を示す。螺旋要素604は、金属(例えば、SS316L、SS304)およびポリマなどの適切な材料で作ることができる。1つの実施形態においては、螺旋要素604は、0.04mmと0.25mmとの間の直径を有する丸線の形である。別の実施形態においては、螺旋要素は、0.03mmx0.08mmから0.08mmx0.25mmの範囲の横断面寸法の平線の形である。図6Bは、補強フィラメント608を含むシャフト606の実施形態の部分斜視図を示す。補強フィラメント608は、シャフト606の軸線に実質的に平行である。補強フィラメント608を有するシャフト606は、外被層で覆うことができる。補強フィラメント608は、金属、ポリマ、グラスファイバなどの適切な材料で作ることができる。また、補強フィラメント608は、形状記憶特性を有することができる。1つの実施形態においては、補強フィラメント608は、シャフト606内に埋設される。別の実施形態においては、補強フィラメントは、シャフト606内のルーメン内に通される。シャフト606は、2つ以上の補強フィラメント608を含むことができる。図6Cは、シャフト610の長手方向に沿って一つまたは複数の強化リングを含むシャフト610の実施形態の部分斜視図を示す。図6Dは、シャフトの長手方向に一連の制御可能強化要素616を含むシャフト614の実施形態の部分斜視図を示す。シャフト614は、更に、制御可能強化要素616を通りかつ最も遠位の鋼化要素に取り付けられるテンションワイヤ618を含む。テンションワイヤ618の張力によって、制御可能強化要素616が、力が働いて互いに接触する。制御可能強化要素616同士の摩擦によって、シャフト614が特定の剛性を有する。テンションワイヤ618の張力を大きくすると、制御可能強化要素616同士を互いに接触するときの力が大きくなる。これによって、制御可能強化要素616同士の摩擦が大きくなって、シャフト614の剛性が大きくなる。同様に、テンションワイヤ618の張力を小さくすると、シャフト614の剛性が小さくなる。制御可能強化要素616は、金属、ポリマ、複合材料などの適切な材料で作ることができる。1つの実施形態においては、制御可能強化要素616は、1つまたはそれ以上のばねによって互いに分離される。テンションワイヤ618は、SS316などの金属で作ることができる。また、テンションワイヤ618を使用すると、張力に応答して装置を積極的に曲がるかまたは短縮させることができる。図6Eは、ハイポチューブ622を含むシャフト620の実施形態の部分斜視図を示す。1つの実施形態においては、ハイポチューブ622は、シャフト620の外面上に位置する。別の実施形態においては、ハイポチューブ622は、シャフト620内に埋設される。ハイポチューブ622は、ステンレス鋼316などの金属または適切なポリマで作ることができる。図6Fおよび図6F’は、シャフト624の外面上に位置する補強組み紐またはメッシュの形である補強要素626を含むシャフト624の実施形態の部分斜視図を示す。補強要素626は、ポリマフィラメント(例えば、PETまたはケブラーフィラメント)、金属線、例えば、SS316ワイヤなどの適切な材料で作ることができる。組み紐パターンは、規則的な組み紐パターン、ダイヤモンド組み紐パターン、半負荷を有するダイヤモンド組み紐パターンなどとすることができる。1つの実施形態においては、補強要素626の外面は、外被層で覆われる。
【0056】
本明細書で開示する様々な装置のシャフトは、長手方向に沿って非均質なものとしてもよい。このようなシャフトの例を図6Gから図6Hに示す。図6Gは、近位部630、遠位部632、作用要素634、近位部630と遠位部632との間に位置する塑性変形可能な領域636を含むシャフト628を含む装置の実施形態の部分斜視図を示す。塑性変形可能な領域636は、近位部630と遠位部632との間の角度を調整するために内科医が変形させることができる。これによって、同じ患者の幾つかの異なる生体組織領域に装置を使用することができる。また、患者の生体組織内での随意的なナビゲーションに向けてこのような装置を調整することができる。1つの実施形態においては、シャフト628は、複数の塑性変形可能な領域を含む。別の実施形態においては、塑性変形可能な領域636は、作用要素634内に位置する。1つまたはそれ以上の塑性変形可能な領域を含むこのようなデザインは、作用要素を有するカテーテル、ガイドカテーテル、予め設定された形状を有するガイドカテーテル、操縦可能なガイドカテーテル、操縦可能なカテーテル、ガイドワイヤ、予め設定された形状を有するガイドワイヤ、操縦可能なガイドワイヤ、ポート、導入材、シースなどの本明細書で言及する装置のいずれにも使用することができる。
【0057】
図6Hは、弾性要素を有するシャフトを含む装置の実施形態の部分斜視図を示す。このデザインを、近位部640、遠位部642、作用要素644(例えば、バルーン)を含むシャフト638として示す。シャフト638は、更に、近位部640と遠位部642との間に位置する弾性要素646を含む。このデザインによって、近位部640は、遠位部642に対して曲がることができて、複雑な生体組織を通り抜けて作用要素644を所望の場所に供給することが容易になる。1つの実施形態においては、シャフト638は、複数の弾性要素を含む。別の実施形態においては、弾性要素646は、作用要素644内に位置する。1つまたはそれ以上の弾性要素を含むこのようなデザインは、作用要素を有するカテーテル、ガイドカテーテル、予め設定された形状を有するガイドカテーテル、操縦可能なガイドカテーテル、操縦可能なカテーテル、ガイドワイヤ、予め設定された形状を有するガイドワイヤ、操縦可能なガイドワイヤ、ポート、導入材、シースなどの本明細書で言及する装置のいずれにも使用することができる。
【0058】
図6Iから図6Kは、可鍛性要素を含むシャフトの例を示す。図6Iは、可鍛性要素650、ルーメン652を含む、実質的に真直な構成であるシャフト648の実施形態の部分斜視図を示す。可鍛性要素650は、可鍛性要素650の軸線がシャフト648の軸線と実質的に平行であるようにシャフト648内に埋設される。図6Jは、屈曲構成である図6Iの実施形態の部分斜視図を示す。図6Kは、可鍛性要素650およびルーメン652を含むシャフト648を示す、図6Iの面6K−6K横断面図を示す。1つの実施形態においては、シャフト648は、2つ以上の可鍛性要素を含む。
【0059】
図6Lから図6Mは、制御可能に変形可能なシャフトの実施形態を示す。図6Lは、シャフト654の遠位端近傍に位置する引張りワイヤターミネータ658に取り付けられた引張りワイヤ656を含む制御可能に変形可能なシャフト654の実施形態の部分断面図を示す。図6Mは、引張りワイヤ656が近位方向に引っ張られたときの屈曲配向である、図6Lの制御可能に変形可能なシャフト654の部分断面図を示す。引張りワイヤターミネータ658の位置およびシャフト658の様々な区間の剛性を変えることによって変形を変えることができる。シャフト658の区間の剛性は、補強皮膜、外部または内部補強コイル、補強繊維、補強メッシュと補強ワイヤ、ヒンジ式要素、埋設フィラメント、補強リングなどを追設することによって変えることができる。
【0060】
図6Nは、剛性または半剛性部材を含むバルーンカテーテルの斜視図を示す。バルーンカテーテルは、剛性または半剛性部材660、剛性または半剛性部材660の遠位領域上に位置するバルーン662を含む。剛性または半剛性部材660は、1つまたはそれ以上のルーメンを含むことができる。剛性または半剛性部材660は、1つまたはそれ以上の屈曲、湾曲または角度付きの領域を含むことができる。バルーン662は、バルーン膨張チューブ664の近位端にハブ666を含むバルーン膨張チューブ664によって膨張される。1つの実施形態においては、バルーン膨張チューブ664は、長手方向に剛性または半剛性部材660に完全に取り付けられる。別の実施形態においては、バルーン膨張チューブ664は、長手方向に剛性または半剛性部材660に部分的に取り付けられる。
【0061】
図6Oから図6Qは、挿入可能および着脱可能な要素を含むバルーンカテーテルの断面図を示す。図6Oは、バルーン670、平坦ルーメン672、膨張ポート676を介してバルーン670内に開口するバルーン膨張ルーメン674を含むバルーンカテーテル668を示す。図6Pは、近位端680、遠位端682を有する挿入可能な要素678を示す。1つの実施形態においては、遠位端682は、組織を貫通する鋭利な先端部で終わる。1つの実施形態においては、挿入可能な要素678は、1つまたはそれ以上の屈曲、角度付き、または湾曲の領域684を含む。挿入可能な要素678は、種々の特性を得るために様々な材料から作製することができ、種々の特性には、剛性、形状記憶、弾性、塑性変形する能力などが含まれるが、これらに限定されない。図6Qにおいては、挿入可能な要素678は、第1のルーメン672を介してバルーンカテーテル668に挿入される。この組み合わせを使用して診断または治療処置を行うことができる。挿入可能な要素678は、処置の前後に除去することができる。
【0062】
図7Aから図7Kは、本明細書で開示する種々の装置のルーメン配向の幾つかの実施形態の横断面図を示す。図7Aは、第1のルーメン704、第2のルーメン706を含むシャフト702の実施形態の横断面図を示す。1つの実施形態においては、第1のルーメン704はガイドワイヤルーメンであり、第2のルーメン706は膨張ルーメンである。図7Bは、第2の環状ルーメン712が第1のルーメン710と実質的に同軸であるように第1のルーメン710、環状の第2のルーメン712を含むシャフト708の実施形態の横断面図を示す。1つの実施形態においては、第1のルーメン710はガイドワイヤルーメンであり、環状の第2のルーメン712は膨張ルーメンである。図7Cは、第1のルーメン718を含む第1の環状要素716と、第2のルーメン722を含む第2の環状要素720と、第1の環状要素716および第2の環状要素720を取り囲む被覆物724とを含むシャフト714の実施形態の横断面図を示す。1つの実施形態においては、第1のルーメン718はガイドワイヤルーメンであり、第2のルーメン722は膨張ルーメンである。図7Dは、第1のルーメン728、第2のルーメン730、第3のルーメン732を含むシャフト726の実施形態の横断面図を示す。1つの実施形態においては、第1のルーメン728はガイドワイヤルーメンであり、第2のルーメン730は灌注/吸引ルーメンであり、第3のルーメン732は膨張ルーメンである。図7Eは、円形要素736と、ルーメン740を含む環状要素738と、円形要素736および環状要素738を取り囲む被覆物742とを含むシャフト734の実施形態の横断面図を示す。図7Fは、第1のルーメン748および第2のルーメン750を含む環状部材746と、環状部材746の外面上に位置する第1の皮膜752と、第1の皮膜752の外面に位置する組み紐754と、組み紐754を取り囲む第2の皮膜756とを含むシャフト744の実施形態の横断面図を示す。第1のルーメン748は、親水性の滑らかな皮膜、疎水性の滑らかな皮膜、耐摩耗性皮膜などの適切な皮膜で内側が覆われる。1つの実施形態においては、第1のルーメン748はガイドワイヤルーメンであり、第2のルーメン750は膨張ルーメンである。本明細書で開示する種々のルーメンは、親水性の滑らかな皮膜、疎水性の滑らかな皮膜、耐摩耗性皮膜、放射線不透過性皮膜、エコー源性皮膜などの適切な皮膜で内側を覆うことができる。
【0063】
図7Gは、第1のルーメン756、ジッパールーメン758を含むシャフト754の実施形態の部分斜視図を示す。ジッパールーメン758によって、ガイドワイヤ760などの装置を容易にシャフト754内に導入したり、または、シャフト754から取り除くことができる。図7Hは、第1のルーメン756およびジッパールーメン758の配向を示す、図7Gの面7H−7Hの横断面図を示す。
【0064】
図7Iは、第1のルーメン764、急速交換ルーメン766を含むシャフト762の実施形態の横断面図を示す。急速交換ルーメン766は、シャフト762の遠位端から近位領域まで延びる。急速交換ルーメン766によって、シャフト762をガイドワイヤ768などの交換装置を容易にかつ素早く導入したり、取り除くことができる。図7Jは、第1のルーメン764、急速交換ルーメン766を示す、図7Iの面7J−7Jの横断面図を示す。図7Kは、第1のルーメン764を示す、図7Iの面7K−7Kの横断面図を示
す。
【0065】
図7Lから図7Qは、装置の全長にわたって存在しない、本明細書で開示する装置を対象としたルーメンの斜視図および断面図を示す。図7Lは、シャフト770と、バルーン772と、シャフト770を通して存在するルーメン774とを含むバルーンカテーテルの斜視図を示す。バルーンカテーテルは、更に、バルーン772内に開口するバルーン膨張ルーメン776を含む。バルーン膨張ルーメン776の遠位端は、プラグ778で差込接続される。図7Mは、ルーメン774、バルーン膨張ルーメン776を含むシャフト770を示す、図7Lの面7M−7Mの横断面を示す。図7Nは、ルーメン774、プラグ778を含むシャフト770を示す、図7Lの面7N−7Nの横断面を示す。図7Oは、シャフト780と、バルーン782と、シャフト780を通して存在するルーメン786とを含むバルーンカテーテルの斜視図を示す。バルーンカテーテルは、更に、バルーン膨張ルーメン784を含む。バルーン膨張ルーメン784の遠位端は、バルーン782内に開口する。図7Pは、ルーメン786、バルーン膨張ルーメン784を含むシャフト780を示す、図7Oの面7P−7Pの横断面を示す。図7Qは、ルーメン786を含むシャフト780を示す図7Oの面7Q−7Qの横断面を示す。
【0066】
図8Aから図8Eは、本明細書で言及する種々の装置の要素上に存在することができる種々のマーカーの幾つかの実施形態の部分斜視図を示す。図8Aは、シャフト800に沿って位置する複数の距離マーカー802を含むシャフト800の実施形態の部分斜視図を示す。図8Bは、シャフト804に沿って位置する複数の放射線マーカー806を含むシャフト804の実施形態の部分斜視図を示す。図8Cは、シャフト808に沿って位置する複数のリング状の放射線マーカー810を含むシャフト808の実施形態の部分斜視図を示す。図8Dは、シャフト814、バルーン816を含むバルーンカテーテル812の実施形態の部分斜視図を示す。バルーン816は、バルーン816のに沿って位置する複数の放射線マーカー818を含む。このようなマーカー818は、線形配置、非線形配置、または、所望のマーキング機能(例えば、バルーンの長さおよび直径もしくは長さまたは直径を示す、バルーンの近位端および遠位端もしくは近位端または遠位端をマーキングする、など)を行なう任意の他の構成とすることができる。図8Eおよび図8E’は、シャフト822、バルーン824を含むバルーンカテーテル820の実施形態の部分斜視図および縦断面図を示す。バルーン824は、バルーン824の内面上に位置する複数の放射線マーカー826を含む。このようなマーカー826は、線形配置、非線形配置、所望のマーキング機能(例えば、バルーンの長さおよび直径もしくは長さまたは直径を示す、バルーンの近位端および遠位端もしくは近位端または遠位端をマーキングする、など)を行なう任意の他の構成とすることができる。本明細書で開示する種々の装置は、超音波マーカー、高周波マーカー、磁気マーカーなどの幾つかの他の種類のマーカーも含むことができる。同様に、本明細書で開示する種々の装置は、電磁センサ、電気センサ、磁気センサ、光センサ、超音波センサなどの1つまたはそれ以上のセンサも含むことができる。
【0067】
本明細書で使用される「診断物質または治療物質」という用語は、実現可能な薬剤、プロドラッグ、蛋白質、遺伝子治療製剤、セル、診断薬、造影剤、生物製剤を含むと広義に解釈されたい。このような物質は、結合形式または自由形式、液体または固体、コロイドまたは他の懸濁溶液とすることができるか、または、気体または他の流体またはナノ流体とすることができる。例えば、微生物感染を治療または予防することが求められる一部の用途においては、供給される物質は、薬剤学上問題のない塩または投薬形式の抗菌剤(例えば、抗生物質、抗ウィルス剤、抗寄生虫剤、抗真菌薬など)、コルチコステロイドまたは他の抗炎症薬(例えば、NSAID)、充血除去剤(例えば、血管収縮)、粘液菲薄化剤(例えば、去痰薬または粘液溶解薬)、アレルギー反応を抑える薬剤(例えば、抗ヒスタミン剤、サイトカイン阻害薬、ロイコトリエン阻害薬、IgE阻害薬、免疫調整剤)などを含むことができる。本発明で使用可能な診断物質または治療物質の他の非制限的な例は、2004年8月4日出願の、「副鼻腔炎および他の疾患を治療するために薬剤および他の物質を供給する移植可能な装置および方法」と題した同時係属米国特許出願第10/912,578号に説明されており、その開示内容全体は、引用により本明細書に明示的に組み入れられている。
【0068】
本明細書で使用される「鼻腔」という用語は、鼻孔および副鼻腔を含む鼻の領域の解剖学的構造内に存在する一切の腔を含むと広義に解釈されたい。「鼻経由」という用語は、鼻を介してを意味する。
【0069】
本明細書で開示する種々の方法および装置を特定の副鼻腔に関連して示しているが、これらの方法および装置は、他の副鼻腔並びに耳、鼻または喉の解剖学的構造内の通路においても使用可能であることを理解されたい。
【0070】
随意的に、本明細書で説明する作業装置およびガイドカテーテルのいずれも、実際に行った場合には装置が本来の目的に作動不可能とならない限り、ガイドワイヤまたは他のガイド部材(例えば、細長い深針、縫合糸材料、他の細長い部材)を受け取るかまたは前進させるように構成または装備しても良い。本明細書に記載の特定の例の一部はガイドワイヤを含むが、ガイドワイヤの使用およびガイドワイヤルーメンの組み込みは、ガイドワイヤまたはガイドワイヤルーメンを示す特定の例のみに限定されるものではないことを理解されたい。本発明で使用されるガイドワイヤは、心臓学の技術分野で一般的にあるように構成および被覆処理することができる。これには、コイル、テーパ付きまたはテーパなし心線、放射線不透過性先端部および全長部もしくは放射線不透過性先端部または全長部、成形リボン、剛性を有する変形部、PTFE、シリコーン、親水性皮膜、ポリマ皮膜などの使用を挙げることができる。本発明の運用上、これらのワイヤは、5cmと75cmの間の長さおよび.005インチと.050インチの間の外径という寸法をを有することができる。
【0071】
生体組織内での種々の装置のナビゲーションおよび画像化に向けて、幾つかのモダリティーを本明細書で開示する種々の装置および方法と共に使用することができる。例えば、本明細書で開示する種々の装置は、目標生体組織の可視化に向けて内視鏡を含むことができる。本明細書で開示する種々の装置は、生体組織の通路および他の解剖学的構造を画像化するために超音波画像化モダリティーを含むこともできる。本明細書で開示する種々の装置は、装置の特に遠位端上に1つまたはそれ以上の磁気要素を含むことができる。このような磁気要素を使用すると、外部磁場を使用して生体組織を通り抜けることができる。このようなナビゲーションは、コンピュータインタフェースを使用してデジタル制御することができる。本明細書で開示する種々の装置は、1つまたはそれ以上のマーカー(例えば、赤外線マーカー)も含むことができる。マーカーを使用すると、各種の画像ガイダンス技術を用いて装置の正確な位置および配向を追跡することができる。また、X線透視局在、高周波局在、電磁エネルギー、磁気エネルギーおよび他の放射エネルギーを基本とするモダリティーを含むがこれらの限定されない幾つかの他の画像化またはナビゲーションモダリティーを本明細書で開示する種々の方法および装置と共に使用することができる。また、これらの画像化技術およびナビゲーション技術は、直接的、間接的を問わず、医師が生体組織の妥当な領域内に装置を置く一助となる予め存在するまたは同時に作成される3Dまたは2Dデータセットをコンピュータによって参照することができる。
【0072】
本明細書で言及した種々の装置の遠位先端部は、弾性先端部または柔らかい非外傷性の先端部を含むことができる。また、このような装置のシャフトは、トルク印加性が高められるように設計することができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本明細書の各種の実施形態は、主として、最小侵入性処置に関連して説明したが、既存の観血療法または腹腔鏡下手術手法と共に有利に使用することもできる。
以上、本発明の特定の例または実施形態に関連して本発明を説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の特定の例または実施形態に対して、様々な追加、削除、変更および改変を行なうことができる。例えば、実際に行った場合にその実施形態または実施例が本来の目的に不適切な物にならない限り、1つの実施形態または実施例の任意の要素または属性を別の実施形態または実施例に組み込んだり、別の実施形態または実施例と共に使用することができる。妥当な追加、削除、改変および変更は、全て、説明した種々の例および実施形態の等価物であるとみなすべきであり、特許請求項の範囲内に含まれると解釈される。
【0074】
なお、本発明の好ましい実施態様は以下の通りである。
(1) 鼻、副鼻腔、または耳、鼻または喉の他の解剖学的構造に影響を与える副鼻腔炎または別の疾患を診断および治療もしくは診断または治療するシステムであって、
鼻腔に挿入される近位端および遠位端を含む導入部材と、
前記導入部材に沿って前進させることができる作業装置と
を含むシステム。
(2) 前記導入部材が、カテーテルと、ガイドカテーテルと、予め設定された形状を有するガイドカテーテルと、操縦可能なガイドカテーテルと、操縦可能なカテーテルと、ガイドワイヤと、予め設定された形状を有するガイドワイヤと、操縦可能なガイドワイヤと、ポートと、導入材と、シースとから成る一群から選択される実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記導入部材が、近位端および遠位端と、前記近位端から前記遠位端まで延びるルーメンとを含むガイドカテーテルであり、前記システムが、前記ガイドカテーテルの前記ルーメンに挿通することができるガイドワイヤを更に含む実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記鼻腔が、副鼻腔の自然腔口である実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記鼻腔が、副鼻腔の人工的に作られた開口部である実施態様1に記載のシステム。
(6) 前記副鼻腔の前記人工開口部が、針と、解剖器具と、穴開け器と、ドリルと、芯抜き器と、外科用メスと、バーと、はさみと、鉗子と、カッタとから成る一群から選択された装置を使用して作られる実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記方法が、内視鏡検査ガイダンスと、透視検査ガイダンスと、蛍光X線検査ガイダンスと、超音波検査ガイダンスと、ロボット利用ガイダンスと、無線周波数透視ガイダンスと、3Dガイダンスとから成る一群から選択されたガイダンス方法を用いて実行される実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記作業装置が、
画像化可能または追跡可能な物質を供給する工程と、
治療的に有効な量の治療用物質を供給する工程と、
ステント、組織改造装置、物質供給インプラントまたは他の治療装置を埋め込む工程と、
組織を切断、切除、減量、焼灼、加熱、レージング、拡張またはその他の方法で変更する工程と、
細胞または組織を植皮または移植する工程と、
骨折部を軽減、定着、螺入、接着剤塗布、付着、減圧またはその他の方法で治療する工程と、
遺伝子または遺伝子治療準備を行う工程と、
副鼻腔内または鼻の中の他の場所の骨組織または軟骨組織を切断、切除、減量、焼灼、加熱、レージング、骨切り部形成またはその他の方法で変更する工程と、
1つまたはそれ以上の副鼻腔からの粘液排出に影響を与える洞口または導管、または他の解剖学的構造の形状、サイズまたは外形を変形するかまたは変える工程と、
鼻または鼻咽頭内の副鼻腔以外の通路の形状、サイズまたは外形を変形するかまたは変える工程と、
副鼻腔の洞フィステル形成を行う工程と、
上顎道の洞フィステル形成を行う工程と、
副鼻腔のシュレンム管切開を行う工程と、
篩骨切除を行う工程と、
膿または異常な排出物を前記副鼻腔または鼻の他の場所から除去する工程と、
副鼻腔の内部を覆う細胞を擦過またはその他の方法で除去する工程と、
腫瘍の全てまたは一部を除去する工程と、
ポリープを除去する工程と、
前記副鼻腔からの粘液排出の評価を可能にするために、ヒスタミン、アレルゲン、または副鼻腔内の組織による粘液分泌を引き起こす別の物質を供給する工程と、
流動可能な造影剤を副鼻腔に供給し、その後に、前記流動可能な造影剤を画像化して前記流動可能な造影剤が前記副鼻腔から排出される様子を評価する工程と
から成る一群から選択された処置を行うために使用される実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記流動可能な造影剤が、粘液粘度と類似の粘度を有する実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記作業装置が、バルーンカテーテルと、回転カッタと、回転ブラシと、回転ドリルと、高周波数機械式加振機と、順次拡張器と、テーパ付き拡張器と、拡張可能な拡張器と、穴開け器と、高周波切除装置と、マイクロ波切除装置と、カッタと、機械式に拡張可能な部材と、拡張ステントと、診断薬または治療薬を導入する装置から成る一群から選択された装置を使用して、鼻または鼻咽頭内の自然なまたは人工的に作られた通路の形状、サイズまたは外形を変形するかまたは変えるために使用される実施態様1に記載のシステム。
(11) 前記作業装置が、鼻および副鼻腔もしくは鼻または副鼻腔内の構造を可視化するために鼻または副鼻腔に挿入されるスコープを含む実施態様1に記載のシステム。
(12) 前記スコープが、別の作業装置の位置決めを案内するか、容易にするかまたは確認するために使用される実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記作業装置が、バルーンカテーテルを含む実施態様1に記載のシステム。
(14) 前記バルーンカテーテルが、前記バルーンの直径が20mmの最大バルーン直径まで0.5mm段階で大きくなるように段階的に膨張させることができる実施態様13に記載のシステム。
(15) 前記バルーンカテーテルの長さが、4インチから10インチである実施態様13に記載のシステム。
(16) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、非対称形の横断面を有する実施態様13に記載のシステム。
(17) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、水と、塩水と、放射線造影材と、治療物質と、超音波エコー反射材と、熱伝導流体と、電導流体とから成る一群から選択された膨張媒体によって膨張される実施態様13に記載のシステム。
(18) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、油圧膨張手段と、
複数のバルーン膨張ポートを介した順次膨張手段と
から成る一群から選択された膨張手段によって膨張される実施態様13に記載のシステム。
(19) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、真直バルーンと、球形バルーンと、円錐バルーンと、円錐/正方形長尺バルーンと、長尺球形バルーンと、円筒形バルーンと、湾曲バルーンと、オフセット・バルーンと、円錐/オフセット・バルーンと、正方形バルーンと、円錐/正方形バルーンと、円錐/球形長尺バルーンと、テーパ付きバルーンと、段付きバル
ーンと、ドッグ・ボーン・バルーンとから成る一群から選択される実施態様13に記載のシステム。
(20) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、ポリエチレンテレフタレートと、テレフタル酸塩と、ナイロンと、ポリウレタンと、ポリ塩化ビニールと、架橋ポリエチレンと、ポリオレフィンと、HPTFEと、HPEと、HDPEと、LDPEと、EPTFEと、ブロック共重合体と、ラテックスと、シリコーンとから成る一群から選択された材料で製造される実施態様13に記載のシステム。
(21) 前記バルーンカテーテルが、放射線マーカーと、視覚マーカーと、超音波マーカーと、高周波マーカーと、磁気マーカーとから成る一群から選択されたマーカーを含む実施態様13に記載のシステム。
(22) 前記バルーンカテーテルが、電磁センサと、電気センサと、磁気センサと、光センサと、超音波センサとから成る一群から選択されたセンサを含む実施態様13に記載のシステム。
(23) 前記バルーンカテーテルが、ワイヤによる方法と、急速交換方法と、ワイヤなし方法とから成る一群から選択された導入方法によって目標生体組織に導入される実施態様13に記載のシステム。
(24) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、折り畳まれて前記折り畳まれたバルーン表面が、
ひだなし構成と、
ひだが同じ接線方向に沿って配向される多重ひだ構成と、
少なくとも2つのひだが、反対の接線方向に沿って配向される多重ひだ構成と
から成る一群から選択された構成を有するようになっている実施態様13に記載のシステム。
(25) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、曲げ剛性が密閉長部1インチに対して200ポンド力/インチ未満である前記作業装置の密閉長部を密閉する実施態様13に記載のシステム。
(26) 前記バルーンカテーテルが、前記生体組織を通り抜けることができるように前記バルーンカテーテルの先端にワイヤを含む実施態様13に記載のシステム。
(27) 前記バルーンカテーテルの前記バルーンの表面が、親水性の滑らかな皮膜と、疎水性の滑らかな皮膜と、耐摩耗性皮膜と、耐破壊性皮膜と、導電皮膜と、放射線不透過性皮膜と、エコー源性皮膜と、血栓成形性減少皮膜と、薬物放出皮皮膜とから成る一群から選択された皮膜で被覆処理される実施態様13に記載のシステム。
(28) 前記バルーン上の前記皮膜が、浸漬塗布と、接着と、含浸と、蒸着と、超音波硬化とから成る一群から選択された方法によって塗布される実施態様27に記載のシステム。
(29) 前記バルーンカテーテルのバルーンの材料が、0.0001インチから0.01インチの厚みを有する実施態様13に記載のシステム。
(30) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、14気圧を上回る破裂圧力を有する実施態様13に記載のシステム。
(31) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、前記バルーンが破裂圧力まで膨張されたとき、前記バルーンが、優先的に前記バルーンの近位領域と前記バルーンカテーテルとの結合部で
破裂するように設計される実施態様13に記載のシステム。
(32) 前記バルーンカテーテルが、拡張プロセス前または後に前記生体組織に供給されるステントを含む実施態様13に記載のシステム。
(33) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、切刃と切縁とから成る一群から選択された外面上に特長部を含む実施態様13に記載のシステム。
(34) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、エネルギー伝達手段を含む実施態様13に記載のシステム。
(35) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、高周波エネルギーと、熱エネルギーと、電気エネルギーとから成る一群から選択されたエネルギーを伝達するために使用される実施態様34に記載のシステム。
(36) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、補強メッシュと、補強皮膜と、補強組み紐と、補強ワイヤと、埋設補強フィラメントと、補強リングと、補強繊維と、外部または内部補強コイルなどとから成る一群から選択された補強手段を含む実施態様13に記載のシステム。
(37) 前記バルーンカテーテルのバルーンが、薬剤を供給する微小空洞を表面上に含む実施態様13に記載のシステム。
(38) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、実質的に剛性である実施態様13に記載のシステム。
(39) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、少なくとも1つの塑性変形可能な要素を含む実施態様13に記載のシステム。
(40) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、少なくとも1つの操作可能なまたは偏向可能な要素を含む実施態様13に記載のシステム。
(41) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、PeBaxと、ポリイミドと、編組ポリイミドと、ポリウレタンと、ナイロンと、PVCと、Hytrel 8238と、Teco 60Dと、ステンレス鋼線材などの金属ワイヤと、PTFE、PFA、FEPおよびETFEのようなフッ素重合体とから成る一群から選択された材料を含む実施態様13に記載のシステム。
(42) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、少なくとも1つの制御可能に剛化する要素を含む実施態様13に記載のシステム。
(43) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、端部相互間のルーメンと、ジッパールーメンと、急速交換ルーメンと、被覆物で取り囲まれた平行ルーメンと、同軸ルーメンとから成る一群から選択されたルーメンを含む実施態様13に記載のシステム。
(44) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、複合組み紐を含む実施態様13に記載のシステム。
(45) 前記複合組み紐が、ステンレス鋼と、ケブラーと、ニチノールと、ポリイミドと、ダクロンと、ナイロンと、EPTFEとから成る一群から選択された材料を含む実施態様44に記載のシステム。
(46) 前記複合組み紐が、メッシュと、繊維と、組み紐と、コイルと、平行部材と、リングとから成る一群から選択された形態である実施態様44に記載のシステム。
(47) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、応力緩和部を含む実施態様13に記載のシステム。
(48) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、前記シャフトの長さに沿って変動剛性を有する実施態様13に記載のシステム。
(49) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、実質的に非円形の横断面の少なくとも1つのルーメンを含む実施態様13に記載のシステム。
(50) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、視覚マーカーと、放射線マーカーと、超音波マーカーと、高周波マーカーと、磁気マーカーとから成る一群から選択されたマーカーを含む実施態様13に記載のシステム。
(51) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、親水性の滑らかな皮膜と、疎水性の滑らかな皮膜と、耐摩耗性皮膜と、耐破壊性皮膜と、導電皮膜と、放射線不透過性皮膜と、エコー源性皮膜と、血栓成形性減少皮膜と、薬物放出皮皮膜とから成る一群から選択された皮膜から成る一群から選択された皮膜を外面に含む実施態様13に記載のシステム。
(52) 前記皮膜が、浸漬塗布と、接着と、含浸と、蒸着と、超音波硬化から成る一群から選択された方法によって塗布される実施態様51に記載のシステム。
(53) 前記バルーンカテーテルのシャフトが、角度、屈曲または曲げを有する領域を含む実施態様13に記載のシステム。
(54) 前記角度、屈曲または曲げを、調整することができる実施態様53に記載のシステム。
(55) 前記バルーンカテーテルが、複数のポートを有するハブを含む実施態様13に記載のシステム。
(56) 前記バルーンカテーテルが、ガイドワイヤポートと、膨張ポートと、真空ポートと、洗浄ポートと、電気接続ポートとから成る一群から選択されたポートを有するハブを含む実施態様13に記載のシステム。
(57) 前記バルーンカテーテルが、位置確認マーカーを有するハブを含む実施態様13に記載のシステム。
(58) 前記バルーンカテーテルが、取っ手を有するハブを含む実施態様13に記載のシステム。
(59) 前記バルーンカテーテルが、弁を有するハブを含む実施態様13に記載のシステム。
(60) 前記バルーンカテーテルが、1つまたはそれ以上の延長チューブを有するハブを含む実施態様13に記載のシステム。
(61) 鼻、副鼻腔、または耳、鼻または喉の他の解剖学的構造に影響を与える副鼻腔炎または別の疾患を診断および治療もしくは診断または治療するシステムであって、
鼻腔への挿入に向けた近位端および遠位端を含む導入部材と、
前記導入部材に沿って前進させることができる腔口拡張装置と
を含むシステム。
(62) 鼻、副鼻腔、または耳、鼻または喉の他の解剖学的構造に影響を与える副鼻腔炎または別の疾患を診断および治療もしくは診断または治療するシステムであって、
鼻腔への挿入に向けた近位端および遠位端を含む導入部材と、
前記導入部材に沿って前進させることができる作業装置と
を含み、
前記作業装置が、1インチのシャフト長にわたって200ポンド力/インチ未満の剛性のシャフトを含むシステム。
(63) 鼻、副鼻腔、または耳、鼻または喉の他の解剖学的構造に影響を与える副鼻腔炎または別の疾患を診断および治療もしくは診断または治療するシステムであって、
鼻腔への挿入に向けた近位端および遠位端を含む導入部材と、
前記導入部材に沿って前進させることができる作業装置と
を含み、
前記導入部材と前記作業装置との接触面が少なくとも1つの滑らかな面を含むシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する骨と粘膜組織によって画定される自然の開口部または人工的に作られた開口部を持つ副鼻腔に影響を与える副鼻腔炎または別の疾患を治療するシステムであって、
近位端と遠位端とそれらを通って延在する内腔とを持つ、少なくとも一つのガイドカテーテルであって、患者の鼻の鼻孔を通って前記ガイドカテーテルを挿入でき、かつ、前記遠位端が、副鼻腔に通じる自然の開口部または人工的に作られた開口部内にあるか、または、前記遠位端が、その自然の開口部または人工的に作られた開口部に整列するようになる位置まで、前記ガイドカテーテルが前進できるように構成されているガイドカテーテル、および、
カテーテルシャフトと拡張可能な拡張器とを有する拡張カテーテルであって、その拡張器が拡張されていない構成で、前記拡張器の少なくとも一部が前記自然の開口部または人工的に作られた開口部内にある位置まで、前記拡張カテーテルが前記ガイドカテーテルの前記内腔を通って前進でき、前記拡張器が、その後、拡張された構成に変化でき、その結果、前記自然の開口部または人工的に作られた開口部が拡張し、前記自然の開口部または人工的に作られた開口部に隣接する骨が破折される、拡張カテーテル
を備えるシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記鼻および/または副鼻腔内の構造を視覚化するために使用し得る検査鏡を更に備える、システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシステムにおいて、前記拡張器が、前記自然の開口部または人工的に作られた開口部に隣接する骨の前記破折を生ぜしめるに充分な力を有するバルーンを備える、システム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムにおいて、各段階において、前記バルーンの直径が、0.5mmずつ増加するように、前記バルーンを段階的に膨張させるように使用できる膨張器を、さらに備える、システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載のシステムにおいて、前記バルーンが、20mmの直径に膨張し得る、システム。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記バルーンが、非対称の横断面を有する、システム。
【請求項7】
請求項3〜5のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記バルーンが、真直バルーンと、球形バルーンと、円錐バルーンと、円錐/正方形長尺バルーンと、長尺球形バルーンと、円筒形バルーンと、湾曲バルーンと、オフセット・バルーンと、円錐/オフセット・バルーンと、正方形バルーンと、円錐/正方形バルーンと、円錐/球形長尺バルーンと、テーパ付きバルーンと、段付きバルーンと、ドッグ・ボーン・バルーンとから成る一群から選択される、システム。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記バルーンが、ポリエチレンテレフタレートと、ナイロンと、ポリウレタンと、ポリ塩化ビニールと、架橋ポリエチレンと、ポリオレフィンと、HPTFEと、HPEと、HDPEと、LDPEと、EPTFEと、ブロック共重合体と、ラテックスと、シリコーンとから成る一群から選択された材料を含む、システム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記拡張カテーテルが、10cm(4インチ)〜25cm(10インチ)の範囲の長さを有する、システム。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記拡張カテーテルが、放射線マーカーと、視覚マーカーと、超音波マーカーと、高周波マーカーと、磁気マーカーとから成る一群から選択された、少なくとも1つのマーカーを含む、システム。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記拡張カテーテルが、電磁センサと、電気センサと、磁気センサと、光センサと、超音波センサとから成る一群から選択された1以上のセンサを備える、システム。
【請求項12】
請求項3〜8のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記バルーンが、当初は、その拡張されていない構成で折り畳まれており、前記バルーンの折り畳みは、ひだなし構成と、ひだが同じ接線方向に沿って配向される多重ひだ構成と、少なくとも2つのひだが、反対の接線方向に沿って配向される多重ひだ構成とから成る一群から選択された構成を有するようになっている、システム。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記拡張器が、親水性の滑らかな皮膜と、疎水性の滑らかな皮膜と、耐摩耗性皮膜と、耐破壊性皮膜と、導電皮膜と、放射線不透過性皮膜と、エコー源性皮膜と、血栓成形性減少皮膜と、薬物放出皮皮膜とから成る一群から選択された皮膜で被覆処理されている、システム。
【請求項14】
請求項3〜8および12のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記バルーンが、2.54×10−6〜254×10−6m(0.0001〜0.01インチ)の範囲の壁厚を有する、システム。
【請求項15】
請求項3〜8,12および14のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記バルーンが、1.42MPa(14気圧)を上回る破裂圧力を有する、システム。
【請求項16】
請求項1〜12,14および15のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記バルーンの破裂圧力を超える圧力がかかった場合、前記バルーンが、前記バルーンの近位領域と前記拡張カテーテルシャフトとの結合部で優先的に破裂するように設計されている、システム。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記自然の開口部または人工的に作られた開口部が拡張された後に、前記自然の開口部または人工的に作られた開口部をステント支持するためのステントを、さらに備える、システム。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記拡張器が、拡張する際に組織を切るための切刃を備える、システム。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載のシステムにおいて、高周波エネルギーと、熱エネルギーと、電気エネルギーとから成る一群から選択されたエネルギーを前記患者の身体に伝達するための手段を、さらに備える、システム。
【請求項20】
請求項3〜8,12,14〜16のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記バルーンが、補強メッシュと、補強皮膜と、補強組み紐と、補強ワイヤと、埋設補強フィラメントと、補強リングと、補強繊維と、外部または内部補強コイルなどとから成る一群から選択された補強手段によって補強されている、システム。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記拡張カテーテルが取っ手を有する、システム。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記ガイドカテーテルが、1以上の屈曲または曲げを組み入れる、システム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムにおいて、相異なる屈曲または曲げを持つ複数のガイドカテーテルを備える、システム。
【請求項24】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記ガイドカテーテルが、135°までの偏向角度を形成する屈曲または曲げを有する、システム。
【請求項25】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記ガイドカテーテルが、30°、45°、60°、70°、90°、120°および135°から選択される偏向角度を形成する、屈曲または曲げを有する、システム。
【請求項26】
請求項22に記載のシステムにおいて、前記複数のガイドカテーテルが、30°、45°、60°、70°、90°、120°および135°から選択される偏向角度を形成する、屈曲または曲げを有する、システム。
【請求項27】
請求項1〜21のいずれか1項に記載のシステムにおいて、前記ガイドカテーテルに所望の屈曲または曲げが形成し得るように、前記ガイドカテーテルが、少なくとも1つの塑性変形可能な領域を有する、システム。

【図1】
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【図1A】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図2K】
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【図2L】
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【図2M】
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【図2N】
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【図2O】
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【図2P】
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【図2Q】
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【図2R】
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【図2S】
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【図2T】
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【図2U】
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【図2V】
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【図2W】
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【図2X】
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【図2Y】
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【図2Z】
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【図2AA】
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【図2AB】
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【図2AC】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図4K】
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【図4L】
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【図4M】
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【図4N】
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【図4O】
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【図4P】
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【図4Q】
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【図4R】
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【図4S】
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【図4T】
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【図4U】
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【図4V】
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【図4W】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【図5K】
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【図5L】
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【図5M】
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【図5N】
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【図5O】
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【図5P】
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【図5Q】
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【図5R】
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【図5S】
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【図5T】
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【図5U】
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【図5V】
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【図5W】
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【図5X】
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【図5Y】
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【図5Z】
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【図5AA】
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【図5AB】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図6J】
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【図6K】
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【図6L】
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【図6M】
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【図6N】
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【図6O】
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【図6P】
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【図6Q】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図7J】
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【図7K】
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【図7L】
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【図7M】
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【図7N】
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【図7O】
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【図7P】
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【図7Q】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【公開番号】特開2013−78595(P2013−78595A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−266049(P2012−266049)
【出願日】平成24年12月5日(2012.12.5)
【分割の表示】特願2007−532485(P2007−532485)の分割
【原出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(506353574)アクラレント インコーポレイテッド (22)
【Fターム(参考)】