説明

割り込み制御装置、情報処理装置、割り込み制御方法、及びプログラム

【課題】呼び出し側プログラムを修正することなく、必要な処理を追加することができる、割り込み制御装置、情報処理装置、割り込み制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】所定の処理の呼び出しがあった場合、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を呼び出すのかについて所定のパターンで記述された割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを制御し実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス呼び出し情報との外部定義パターンマッチングによる割り込みを制御する割り込み制御装置、情報処理装置、割り込み制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置において、既に稼働環境にあるプログラムのサービス(処理)呼び出しに、呼び出しの引数や呼び出し結果のログ出力を追加する場合、あるいは、テスト用にデータを取得する処理を追加する場合、プログラムの修正を必要とした。また、特定の条件の呼び出し処理のみにログを追加する場合などは、呼び出しの記述箇所から条件に当てはまるもののみを選び出して、ログ出力の記述等を追加したり、条件判定のプログラムをユーザが作成したりする必要があった。
従来技術例として、情報機器において、簡単に割り込み処理用のプログラム修正を行うことが可能な割り込み制御装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−169697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、呼び出し側プログラムを修正することなく、必要な処理を追加することができる、割り込み制御装置、情報処理装置、割り込み制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、所定の処理の呼び出しがあった場合、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を呼び出すのかについて所定のパターンで記述された割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを行うことを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、呼び出し対象処理の名前から関連付けられる呼び出し対象関連情報に基づいて、所定の割り込み設定情報の取得を要求する呼び出し情報分析手段と、呼び出し情報分析手段の取得要求を受け、所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断し、割り込み設定情報を呼び出し情報分析手段に渡す割り込み設定情報分析手段と、呼び出し情報分析手段から割り込み設定情報を取得し、取得した割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、呼び出し対象関連情報は、呼び出し対象処理のURLや呼び出し対象処理の型情報であることを特徴とする。
【0007】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、割り込み設定情報を予め保存する割り込み設定情報記憶手段と、所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断し、呼び出し対象処理の名前と関連付けて割り込み設定情報を割り込み設定情報記憶手段に保存する割り込み設定情報分析手段と、呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、呼び出し対象処理の名前に基づいて、割り込み設定情報記憶手段から割り込み設定情報を取得し、取得した割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、割り込み設定情報は、呼び出し対象処理の名前やURL、割り込み処理を行う時期、割り込み処理の具体的なメソッド、を示す情報であることを特徴とする。
【0009】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、割り込み設定情報は、割り込み処理を行う時期として、呼び出し対象処理の前及び呼び出し対象処理の後の少なくとも1つが設定されることを特徴とする。
【0010】
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の割り込み制御装置を搭載することを特徴とする。
【0011】
請求項8記載の発明は、情報処理装置で行われる割り込み制御方法であって、所定の処理の呼び出しがあった場合、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を呼び出すのかについて所定のパターンで記述された割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを行うことを特徴とする。
【0012】
請求項9記載の発明は、請求項8記載の発明において、呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、呼び出し対象処理の名前から関連付けられる呼び出し対象関連情報に基づいて、所定の割り込み設定情報の取得を要求する呼び出し情報分析ステップと、割り込み設定情報の取得要求を受け、所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断する割り込み設定情報分析ステップと、割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行ステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の発明において、呼び出し対象関連情報は、呼び出し対象処理のURLや呼び出し対象処理の型情報であることを特徴とする。
【0014】
請求項11記載の発明は、請求項8記載の発明において、所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断し、呼び出し対象処理の名前と関連付けて割り込み設定情報を割り込み設定情報記憶手段に保存する割り込み設定情報分析ステップと、呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、呼び出し対象処理の名前に基づいて、割り込み設定情報記憶手段から割り込み設定情報を取得し、取得した割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項12記載の発明は、請求項8から11のいずれか1項に記載の発明において、割り込み設定情報は、呼び出し対象処理の名前やURL、割り込み処理を行う時期、割り込み処理の具体的なメソッド、を示す情報であることを特徴とする。
【0016】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、割り込み設定情報は、割り込み処理を行う時期として、呼び出し対象処理の前及び呼び出し対象処理の後の少なくとも1つが設定されることを特徴とする。
【0017】
請求項14記載の発明は、情報処理装置に割り込み制御方法を実行させるためのプログラムであって、所定の処理の呼び出しがあった場合、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を呼び出すのかについて所定のパターンで記述された割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【0018】
請求項15記載の発明は、請求項14記載の発明において、呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、呼び出し対象処理の名前から関連付けられる呼び出し対象関連情報に基づいて、所定の割り込み設定情報の取得を要求する呼び出し情報分析手順と、割り込み設定情報の取得要求を受け、所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断する割り込み設定情報分析手順と、割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行手順と、を情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【0019】
請求項16記載の発明は、請求項15記載の発明において、呼び出し対象関連情報は、呼び出し対象処理のURLや呼び出し対象処理の型情報であることを特徴とする。
【0020】
請求項17記載の発明は、請求項14記載の発明において、所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断し、呼び出し対象処理の名前と関連付けて割り込み設定情報を割り込み設定情報記憶手段に保存する割り込み設定情報分析手順と、呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、呼び出し対象処理の名前に基づいて、割り込み設定情報記憶手段から割り込み設定情報を取得し、取得した割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行手順と、を情報処理装置に実行させることを特徴とする。
【0021】
請求項18記載の発明は、請求項14から17のいずれか1項に記載の発明において、割り込み設定情報は、呼び出し対象処理の名前やURL、割り込み処理を行う時期、割り込み処理の具体的なメソッド、を示す情報であることを特徴とする。
【0022】
請求項19記載の発明は、請求項18記載の発明において、割り込み設定情報は、割り込み処理を行う時期として、呼び出し対象処理の前及び呼び出し対象処理の後の少なくとも1つが設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、呼び出し側プログラムを修正することなく、必要な処理を追加することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
本発明の特徴は、割り込み設定情報をパターンとして外部で定義する。これにより、プログラムの変更等を行わずに、割り込み設定情報の条件を変更するだけで必要な処理を追加することを可能とする。また、割り込み設定情報の条件について、パターンによる指定(サービスの名前に関する前方・後方一致や部分一致など)を行うことで、特定の条件に合致する呼び出しのみに処理を追加することを可能とする。
【0026】
より具体的に説明すると、本発明は、図1において、呼び出し情報分析手段21は、呼び出し情報1を受け取り、その呼び出し情報1を元に、割り込み設定情報分析手段22に対して、対象の呼び出し処理が割り込み処理を必要とするか、また、必要な場合はどのタイミングでどの割り込み処理が必要かを示す割り込み設定情報3を要求する。割り込み設定情報分析手段22は、割り込み設定情報3を読み込み、どのような条件の呼び出しに対して、どの時点でどの割り込み処理が必要かを分析するとともに、割り込み設定情報3を呼び出し情報分析手段21に渡す。呼び出し実行手段23は、呼び出し情報分析手段21から割り込み設定情報3を受け取り、その割り込み設定情報3に基づいて、必要な割り込み処理4に対して割り込みの呼び出しを行いながら、通常の動作である呼び出し処理5を呼び出す。割り込み設定情報3には、パターンによる条件指定で、どの呼び出しに対して、どの時点でどの割り込み処理を呼び出すかの設定が記述されている。呼び出し実行手段23は、割り込み処理4に対して、呼び出し情報1、呼び出しの引数、呼び出しの結果等の情報を引き渡す。割り込み処理4は、ログ出力等の必要な処理を実行する。
【0027】
このようにして、本発明は、割り込み設定情報3を変更することにより、割り込み処理4を変更することができるので、呼び出し処理5側のプログラムを修正することなく、割り込み処理を追加、変更、削除等することができる。
【実施例1】
【0028】
次に、本発明の実施例である割り込み制御装置の構成について図面を参照して詳細に説明する。本実施例の割り込み制御装置は、情報処理端末装置に搭載され、プログラム制御により、割り込み制御方法を実行する。
【0029】
図1に示すように、本実施例の呼び出し制御機能(割り込み制御装置)2は、情報処理装置に搭載され、呼び出し情報分析手段21と、割り込み設定情報分析手段22と、呼び出し実行手段23と、を有する。この呼び出し制御機能2は、呼び出し情報1と、割り込み設定情報3とを扱い、また、割り込み処理4と、呼び出し処理5と、を実行・制御する。
【0030】
呼び出し情報1は、呼び出しを実行するプログラムから渡される情報であり、呼び出し対象の名前(サービス名やメソッド名等)と、呼び出しの引数と、を含む。
【0031】
呼び出し情報分析手段21は、呼び出し情報1を分析して呼び出し対象の名前を抽出し、抽出した呼び出し対象の名前から関連付けられる呼び出し対象関連情報(呼び出し対象サービスのURL、呼び出し対象の型情報等)に基づいて、割り込み設定情報分析手段22に対して、割り込み処理に関する情報である割り込み設定情報の取得要求を行い、割り込み設定情報を取得する。そして、取得した割り込み設定情報を呼び出し実行手段23に渡す。
【0032】
割り込み設定情報分析手段22は、呼び出し情報分析手段21からの割り込み設定情報の取得要求を受け、所定の割り込み設定情報3を読み込み、その割り込み設定情報3に基づいて、どのような呼び出し(呼び出し対象の名称、サービスのURL等)に対して、どの時点(呼び出しの前、呼び出しの後等)でどの割り込み処理(ログ出力、ファイルへの引数保存などの、具体的な処理メソッド)を実行する必要があるかを判断し、その割り込み設定情報を、呼び出し情報分析手段21を介して呼び出し実行手段23に渡す。
【0033】
呼び出し実行手段23は、割り込み設定情報分析手段22から取得した割り込み設定情報を使用して、設定された割り込み処理の呼び出しと、通常の処理(呼び出し対象)の呼び出しを実行する。割り込み処理と通常の呼び出し処理は、設定された割り込みのタイミング(呼び出し前、呼び出し後、等)により、必要な順番に従って実行する。割り込み処理には、呼び出しに使用された引数、呼び出し結果等の情報を引き渡す。
【0034】
割り込み設定情報3は、外部のXMLファイル等に記述される情報であり、どのような呼び出し(呼び出し対象の名称、サービスのURL等)に対して、どの時点(呼び出しの前、呼び出しの後等)で、どの割り込み処理(ログ出力、ファイルへの引数保存などの、具体的な処理メソッド)を実行する必要があるかが、条件として設定される。これらの条件については、所定のパターンを用いて指定する方式(例えば、呼び出し対象名が特定の文字列で始まる、呼び出し対象名が特定の文字列で終了する、呼び出し対象名が特定の文字列を含む、呼び出し対象サービスのURLが特定の文字列で始まる、等)を可能とする。この割り込み設定情報は、ある条件に当てはまる呼び出しに対して、どの処理メソッドを、どのタイミングで呼び出すかという設定の羅列となる。このように、本実施例では、同じ呼び出し条件に対して異なる割り込み処理を設定することにより、複数の割り込み処理を同時に設定することを可能とする。
【0035】
割り込み処理4は、呼び出し処理実行手段23から渡された引数情報等を元に、ログファイルへの呼び出し実行情報の記録、テスト用の情報保存などを行う。割り込み設定情報3に複数の割り込み設定が行われている場合、割り込み処理は設定に応じて複数実行される。
【0036】
呼び出し処理5は、本来呼び出されるべき通常の処理である。
【0037】
次に、図1及び図2のフローチャートを参照して本発明の実施例1の動作について詳細に説明する。
【0038】
まず、呼び出し対象の名前及び呼び出しの引数を含む呼び出し情報1をプログラムから渡されたとき(図2のステップA1)、呼び出し情報分析手段21は、呼び出し情報1を分析して呼び出し対象の名前を抽出し、その呼び出し対象の名前から関連付けられる呼び出し対象関連情報(呼び出し対象サービスのURL、呼び出し対象の型情報等)に基づいて、割り込み設定情報分析手段22に対して割り込み設定情報の取得要求を行う(ステップA2)。
【0039】
一方、割り込み設定情報分析手段22は、呼び出し情報分析手段21から割り込み設定情報の取得要求を受け、所定の割り込み設定情報3を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報3に基づいて、どのような呼び出し(呼び出し対象の名称、サービスのURL等)に対して、どの時点(呼び出しの前、呼び出しの後等)で、どの割り込み処理(ログ出力、ファイルへの引数保存などの、具体的な処理メソッド)を実行する必要があるかを判断するとともに、その割り込み設定情報を呼び出し情報分析手段21に渡し(ステップB1)、呼び出し情報分析手段21は、その割り込み設定情報を呼び出し実行手段23に渡す。
【0040】
次に、呼び出し実行手段23は、取得した割り込み設定情報から、呼び出し前割り込みとして設定された割り込み処理の一覧(実行するべき割り込み処理メソッドの一覧)を準備し(ステップA3)、必要分の呼び出し前割り込み処理を実行する(ステップA4)。この際、呼び出し情報1を実行する割り込み処理に渡す。
【0041】
次に、割り込み処理4は、渡された呼び出し情報1を元に、自身の処理(ログ出力、ファイルへの引数保存などの、具体的な割り込み処理)を実行する(ステップC1)。
【0042】
次に、呼び出し実行手段23は、通常の呼び出し処理を実行する(ステップA5)。次に、呼び出し処理5は、自身の処理(本来の目的であるサービスや処理)を実行する(ステップD1)。
【0043】
次に、呼び出し実行手段23は、取得した割り込み設定情報から、呼び出し後割り込みとして設定された割り込み処理の一覧(実行するべき割り込み処理メソッドの一覧)を準備し(ステップA6)、必要分の呼び出し後割り込み処理を実行する(ステップA7)。この際、呼び出し情報1および呼び出し処理5の実行結果情報を、実行する割り込み処理に渡す。
【0044】
最後に、割り込み処理7は、渡された呼び出し情報1や呼び出し処理5の実行結果情報を元に、自身の処理(ログ出力、ファイルへの実行結果保存などの、具体的な割り込み処理)を実行する(ステップC2)。
【0045】
本発明の実施例1の効果について説明する。
本実施例では、呼び出し処理の前後に割り込み処理が動作するように構成されているため、呼び出し処理実行時のトレース情報の出力等に利用できる。
また、本実施例では、さらに、呼び出しの実行時に設定情報が読み出されるように構成されているため、プログラム稼動中に、動的に割り込み動作を変更できる。
【実施例2】
【0046】
次に、本発明の実施例2の構成について図面を参照して詳細に説明する。本実施例の割り込み制御装置は、情報処理端末装置に搭載され、プログラム制御により、割り込み制御方法を実行する。
【0047】
図3に示すように、本発明の実施例2の呼び出し制御機能(割り込み制御装置)2は、情報処理装置に搭載され、呼び出し実行手段23と、割り込み設定情報分析手段22と、割り込み設定情報記憶装置24と、を有する。この呼び出し制御機能2は、呼び出し情報1と、割り込み設定情報3とを扱い、また、割り込み処理4と、呼び出し処理5と、を実行・制御する。
【0048】
呼び出し情報1は、実施例1と同様に、呼び出し対象の名前(サービス名やメソッド名等)と、呼び出しの引数とを含み、呼び出しを実行するプログラムから渡される。
【0049】
呼び出し実行手段23は、呼び出し対象の名前を元に、割り込み設定情報記憶装置24から割り込み設定情報を取得し、設定された割り込み処理の呼び出しと、通常の処理呼び出しを実行する。割り込み処理と通常の呼び出し処理は、設定された割り込みのタイミング(呼び出し前、呼び出し後、等)により、必要な順番に従って実行する。割り込み処理には、呼び出しに使用された引数、呼び出し結果等の情報を引き渡す。
【0050】
割り込み設定情報分析手段22は、割り込み設定情報3を読み込み、どのような呼び出し(呼び出し対象の名称、サービスのURL等)に対して、どの時点(呼び出しの前、呼び出しの後等)で、どの割り込み処理(ログ出力、ファイルへの引数保存などの、具体的な処理メソッド)を実行する必要があるかを判断し、割り込み設定情報記憶装置24に、呼び出し対象名と関連付けて保持する。
【0051】
割り込み設定情報3は、外部のXMLファイル等に記述され、どのような呼び出し(呼び出し対象の名称、サービスのURL等)に対して、どの時点(呼び出しの前、呼び出しの後等)で、どの割り込み処理(ログ出力、ファイルへの引数保存などの、具体的な処理メソッド)を実行する必要があるかが条件として設定される。どのような呼び出しに対する割り込み設定であるかの条件には、パターンによる指定(呼び出し対象名が特定の文字列で始まる、呼び出し対象名が特定の文字列で終了する、呼び出し対象名が特定の文字列を含む、呼び出し対象サービスのURLが特定の文字列で始まる、等)を可能とする。割り込み設定情報は、ある条件に当てはまる呼び出しに対して、どの処理メソッドを、どのタイミングで呼び出すかという設定の羅列となる。よって、同じ呼び出し条件に対して異なる割り込み処理を設定することにより、複数の割り込み処理を同時に設定することを可能とする。
【0052】
割り込み処理4は、呼び出し処理実行手段23から渡された引数情報等を元に、ログファイルへの呼び出し実行情報の記録、テスト用の情報保存などを行う。割り込み設定情報3に複数の割り込み設定が行われている場合、割り込み処理は設定に応じて複数実行される。
【0053】
呼び出し処理5は、本来呼び出されるべき通常の処理である。
【0054】
次に、図3及び図4のフローチャートを参照して本発明の実施例2の動作について詳細に説明する。
【0055】
まず、割り込み設定情報分析手段22は、事前準備として、割り込み設定情報3を読み込み、どのような呼び出し(呼び出し対象の名称、サービスのURL等)に対して、どの時点(呼び出しの前、呼び出しの後等)でどの割り込み処理(ログ出力、ファイルへの引数保存などの、具体的な処理メソッド)を実行する必要があるかを判断し、呼び出し対象名と関連付けて、割り込み設定情報記憶装置24(図4のE1)に保存する(図4のステップB1)。
【0056】
次に、呼び出し情報1がプログラムから渡されたとき(ステップA1)、呼び出し実行手段21は、割り込み設定情報記憶装置24から、呼び出し前割り込みとして設定された割り込み処理の一覧(実行するべき割り込み処理メソッドの一覧)を準備し(ステップA2)、必要分の呼び出し前割り込み処理を実行する(ステップA3)。この際、呼び出し情報1を実行する割り込み処理に渡す。
【0057】
割り込み処理4は、渡された呼び出し情報1を元に、自身の処理(ログ出力、ファイルへの引数保存などの、具体的な割り込み処理)を実行する(ステップC1)。
【0058】
次に、呼び出し実行手段21は、通常の呼び出し処理を実行する(ステップA4)。
【0059】
次に、呼び出し処理5は、自身の処理(本来の目的であるサービスや処理)を実行する(ステップD1)。
【0060】
次に、呼び出し実行手段21は、割り込み設定情報記憶装置24(E1)から、呼び出し後割り込みとして設定された割り込み処理の一覧(実行するべき割り込み処理メソッドの一覧)を準備し(ステップA5)、必要分の呼び出し後割り込み処理を実行する(ステップA6)。この際、呼び出し情報1および呼び出し処理5の実行結果情報を、実行する割り込み処理に渡す。
【0061】
次に、割り込み処理7は、渡された呼び出し情報1や呼び出し処理5の実行結果情報を元に、自身の処理(ログ出力、ファイルへの実行結果保存などの、具体的な割り込み処理)を実行する(ステップC2)。
【0062】
本発明の実施例2の効果について説明する。
本発明の実施例2では、事前準備として、割り込み設定情報を割り込み設定情報記憶装置に保持するように構成されているため、呼び出し処理実行時に割り込み設定情報の分析が不要であり、実行時のパフォーマンスに対する影響を少なくできる。
【0063】
以上、本発明の実施例1及び2について説明したが、上記実施例の記載に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0064】
以上説明したように、本発明の実施例1及び2によれば、以下の効果を奏する。
第1の効果は、呼び出し側プログラムを修正することなく、必要な処理を追加できることにある。その理由は、割り込み処理の実行を呼び出し側プログラムに直接記述するのではなく、割り込み設定情報を外部ファイル等として定義できるためである。
【0065】
第2の効果は、呼び出し側プログラムの開発時に、ログの出力や実行結果の保存など、後に必要となる処理を確定することなく開発を行う事ができることにある。その理由は、割り込み処理の実行を呼び出し側プログラムに直接記述するのではなく、割り込み設定情報を外部ファイル等として定義できるためである。
【0066】
第3の効果は、テストや不具合の検証など、特定の状況においてだけ追加したい処理を、特定の時点においてだけ有効にできることにある。その理由は、割り込み設定情報を外部ファイルとして定義することで、必要な時点で必要な処理だけを追加したり削除したり出来るためである。
【0067】
第4の効果は、ログ出力、呼び出し処理結果の保存などの目的の異なる割り込み処理を、独立したプログラムとしてそれぞれ作成することが出来ることにある。その理由は、割り込み設定情報として、複数の、割り込み条件と割り込み処理のペアを、設定できるためである。
【0068】
第5の効果は、割り込み処理が必要となる呼び出しに関して、一つの設定情報の記述だけで、複数の呼び出し処理に対する割り込み処理を実行できることにある。その理由は、割り込み条件の設定情報として、前方一致や、後方一致や、部分一致や、全ての処理等、正規表現などを用いたパターンによる条件を指定できるためである。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、プログラムテスト時に、処理呼び出し引数と結果情報の保存といった用途に適用できる。また、処理呼び出しの監査ログの出力といった用途にも適用可能である。また、不具合発生時の、処理呼び出し引数と結果情報の収集といった用途にも適用可能である。また、処理呼び出しの権限、認証チェック等の、様々な処理の前処理、後処理の登録といった用途にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施例1の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例2の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例2に係る動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
1 呼び出し情報
2 呼び出し制御機能(割り込み制御装置)
3 割り込み設定情報
4 割り込み処理
5 呼び出し処理
21 呼び出し情報分析手段
22 割り込み設定情報分析手段
23 呼び出し実行手段
24 割り込み設定情報記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の処理の呼び出しがあった場合、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を呼び出すのかについて所定のパターンで記述された割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを行うことを特徴とする割り込み制御装置。
【請求項2】
前記呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、前記呼び出し対象処理の名前から関連付けられる呼び出し対象関連情報に基づいて、所定の割り込み設定情報の取得を要求する呼び出し情報分析手段と、
前記呼び出し情報分析手段の取得要求を受け、所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断し、前記割り込み設定情報を前記呼び出し情報分析手段に渡す割り込み設定情報分析手段と、
前記呼び出し情報分析手段から前記割り込み設定情報を取得し、取得した割り込み設定情報に基づいて、前記所定の割り込み処理の呼び出しと、前記呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の割り込み制御装置。
【請求項3】
前記呼び出し対象関連情報は、前記呼び出し対象処理のURLや前記呼び出し対象処理の型情報であることを特徴とする請求項2記載の割り込み制御装置。
【請求項4】
前記割り込み設定情報を予め保存する割り込み設定情報記憶手段と、
所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断し、前記呼び出し対象処理の名前と関連付けて前記割り込み設定情報を前記割り込み設定情報記憶手段に保存する割り込み設定情報分析手段と、
前記呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、前記呼び出し対象処理の名前に基づいて、前記割り込み設定情報記憶手段から前記割り込み設定情報を取得し、取得した割り込み設定情報に基づいて、前記所定の割り込み処理の呼び出しと、前記呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の割り込み制御装置。
【請求項5】
前記割り込み設定情報は、前記呼び出し対象処理の名前やURL、前記割り込み処理を行う時期、前記割り込み処理の具体的なメソッド、を示す情報であることを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の割り込み制御装置。
【請求項6】
前記割り込み設定情報は、前記割り込み処理を行う時期として、前記呼び出し対象処理の前及び前記呼び出し対象処理の後の少なくとも1つが設定されることを特徴とする請求項5記載の割り込み制御装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の割り込み制御装置を搭載することを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置で行われる割り込み制御方法であって、
所定の処理の呼び出しがあった場合、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を呼び出すのかについて所定のパターンで記述された割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを行うことを特徴とする割り込み制御方法。
【請求項9】
前記呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、前記呼び出し対象処理の名前から関連付けられる呼び出し対象関連情報に基づいて、所定の割り込み設定情報の取得を要求する呼び出し情報分析ステップと、
前記取得要求を受け、所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断する割り込み設定情報分析ステップと、
前記割り込み設定情報に基づいて、前記所定の割り込み処理の呼び出しと、前記呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行ステップと、
を有することを特徴とする請求項8記載の割り込み制御方法。
【請求項10】
前記呼び出し対象関連情報は、前記呼び出し対象処理のURLや前記呼び出し対象処理の型情報であることを特徴とする請求項9記載の割り込み制御方法。
【請求項11】
所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断し、前記呼び出し対象処理の名前と関連付けて前記割り込み設定情報を前記割り込み設定情報記憶手段に保存する割り込み設定情報分析ステップと、
前記呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、前記呼び出し対象処理の名前に基づいて、前記割り込み設定情報記憶手段から前記割り込み設定情報を取得し、取得した割り込み設定情報に基づいて、前記所定の割り込み処理の呼び出しと、前記呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行ステップと、
を有することを特徴とする請求項8記載の割り込み制御方法。
【請求項12】
前記割り込み設定情報は、前記呼び出し対象処理の名前やURL、前記割り込み処理を行う時期、前記割り込み処理の具体的なメソッド、を示す情報であることを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の割り込み制御方法。
【請求項13】
前記割り込み設定情報は、前記割り込み処理を行う時期として、前記呼び出し対象処理の前及び前記呼び出し対象処理の後の少なくとも1つが設定されることを特徴とする請求項12記載の割り込み制御方法。
【請求項14】
情報処理装置に割り込み制御方法を実行させるためのプログラムであって、
所定の処理の呼び出しがあった場合、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を呼び出すのかについて所定のパターンで記述された割り込み設定情報に基づいて、所定の割り込み処理の呼び出しと、呼び出し対象処理の呼び出しとを情報処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
前記呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、前記呼び出し対象処理の名前から関連付けられる呼び出し対象関連情報に基づいて、所定の割り込み設定情報の取得を要求する呼び出し情報分析手順と、
前記取得要求を受け、所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断する割り込み設定情報分析手順と、
前記割り込み設定情報に基づいて、前記所定の割り込み処理の呼び出しと、前記呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行手順と、
を情報処理装置に実行させることを特徴とする請求項14記載のプログラム。
【請求項16】
前記呼び出し対象関連情報は、前記呼び出し対象処理のURLや前記呼び出し対象処理の型情報であることを特徴とする請求項15記載のプログラム。
【請求項17】
所定の割り込み設定情報を読み込み、読み込んだ割り込み設定情報に基づいて、どのような呼び出しに対してどの時点でどの割り込み処理を実行する必要があるかを判断し、前記呼び出し対象処理の名前と関連付けて前記割り込み設定情報を前記割り込み設定情報記憶手段に保存する割り込み設定情報分析手順と、
前記呼び出し対象処理の名前及び引数を含む呼び出し情報を受け取り、前記呼び出し対象処理の名前に基づいて、前記割り込み設定情報記憶手段から前記割り込み設定情報を取得し、取得した割り込み設定情報に基づいて、前記所定の割り込み処理の呼び出しと、前記呼び出し対象処理の呼び出しとを行う呼び出し実行手順と、
を情報処理装置に実行させることを特徴とする請求項14記載のプログラム。
【請求項18】
前記割り込み設定情報は、前記呼び出し対象処理の名前やURL、前記割り込み処理を行う時期、前記割り込み処理の具体的なメソッド、を示す情報であることを特徴とする請求項14から17のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項19】
前記割り込み設定情報は、前記割り込み処理を行う時期として、前記呼び出し対象処理の前及び前記呼び出し対象処理の後の少なくとも1つが設定されることを特徴とする請求項18記載のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−164440(P2007−164440A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359361(P2005−359361)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)