説明

割込制御回路

【目的】 割込制御回路に於いて、優先度の低い割込みであっても、それが出力されてから一定時間以内には必ず処理されるようにする。
【構成】 割込信号6より優先度の低い割込信号7が第2のデバイス3から出力れることにより、タイマ4が起動される。割込信号7が発生してから所定時間が経過してもそれがCPU1によって受け付けられないと、タイマ4はタイムアウト信号8を出力する。タイムアウト信号8が出力されると、制御回路5は優先度の高い割込信号6を一時マスクする。これにより、優先度の低い割込信号7がCPU1に受け付けられ、割込信号7に対応した割込処理がCPU1で実行される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はCPUに対する割込みを制御する割込制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】CPUを用いるコンピュータ等の装置に於いては、一般に、CPUに於けるプログラム動作を一時的に停止,変更させる割込みが必要とされる。
【0003】図3は従来技術を説明するためのブロック図であり、割込みの優先度を持つCPU31と、CPU31に対して割込信号34を出力する第1のデバイス32と、CPU31に対して割込信号34より優先度の低い割込み信号35を出力する第2のデバイス33とから構成されている。
【0004】図4は図3の動作説明図である。
【0005】今、図4に示すように、時刻t41に於いて第2のデバイス33が割込信号35を出力したとする。この時、CPU31は第1のデバイス32から出力された優先度の高い割込信号34に対応した割込処理を実行しているので、割込信号35は受け付けられない。
【0006】この時刻t41に出力された割込信号35はCPU31が割込信号34対応の割込処理を終了した時点で第1のデバイス32からの次の割込信号34がない場合のみ、受け付けられる。図4は時刻t42で割込信号35が受け付けられ、割込信号35に対応した割込処理が実行されたことを示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術は、優先度の高い割込信号34と優先度の低い割込信号35とが同時に発生した場合、優先度の高い割込信号34に対応した割込処理を実行するため、優先度の高い割込信号34が頻繁に発生すると、優先度の低い割込信号35がいつまでも処理されないという問題がある。即ち、図4R>4に示すように、第1のデバイス32から割込信号34が頻繁に出力されている時刻t43に於いて第2のデバイス33から割込信号35が出力されたとしても、割込信号35が受け付けられず、割込信号35に対応した割込処理が実行されないという問題がある。
【0008】また、第2のデバイス33から出力される割込信号35対応の割込処理が定期的に実行されなければならないものである場合は、装置に誤動作が発生するという問題もある。
【0009】本発明の目的は優先度の高い割込みが頻繁に発生している場合でも優先度の低い割込みをそれが発生してから一定時間以内には必ず処理させることができる割込制御回路を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため、CPUに対して第1の割込みを発生する第1のデバイスと、前記CPUに対して前記第1の割込みよりも優先度の低い第2の割込みを発生する第2のデバイスとを備えた割込制御回路に於いて、前記第2のデバイスが前記第2の割込みを発生することにより起動され、一定時間経過することによりタイムアウト信号を出力するタイマと、該タイマから出力されるタイムアウト信号により前記第1のデバイスが発生する第1の割込みを一時マスクする制御回路とを設けたものである。
【0011】
【作用】優先度の低い割込みを発生する第2のデバイスが第2の割込みを発生すると、タイマが起動され、一定時間が経過すると、タイマからタイムアウト信号が出力される。タイムアウト信号が出力されると、制御回路は優先度の高い第1の割込みを一時マスクする。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】図1は本発明の実施例のブロック図であり、割込みの優先度を持つCPU1と、CPU1に対して割込信号6を出力する第1のデバイス2と、CPU1に対して割込信号6より優先度の低い割込信号7を出力する第2のデバイス3と、割込信号7が出力されることにより起動され、起動後、リセット信号9が加えられることなく、一定時間Tが経過することによりタイムアウト信号8を出力するタイマ4と、タイムアウト信号8が加えられてから解除信号10が加えられるまでの間、割込信号6をマスクする制御回路5とから構成されている。
【0014】図2は図1の動作説明図であり、以下各図を参照して本実施例の動作を説明する。
【0015】今、図2に示すように、時刻t1に於いて第2のデバイス3が割込信号7を出力したとする。この時、CPU1は第1のデバイス2から出力された優先度の高い割込信号6に対応した割込処理を実行しているので、割込信号7は受け付けられない。また、時刻t1に於いて第2のデバイス3から割込信号7が出力されることにより、タイマ4が起動される。
【0016】この時刻t1に出力された割込信号7はCPU1が割込信号6対応の割込処理を終了した時点で第1のデバイス2からの次の割込信号6がない場合にはタイマ4がタイムアウトする前に受け付けられる。即ち、図2は時刻t1から時間Tが経過する前の時刻t2で割込信号7が受け付けられ、割込信号7に対応した割込処理が実行されたことを示している。
【0017】CPU1は時刻t2で割込信号7を受け付けると、タイマ4にリセット信号9を加え、タイマ4をリセットさせる。従って、この場合、タイマ4からタイムアウト信号8が出力され、割込信号6がマスクされることはない。
【0018】その後、第1のデバイス2が割込信号6を頻繁に出力している時刻t3に於いて、第2のデバイス3から再び割込信号7が出力されたとする。
【0019】タイマ4は時刻t3に於いて割込信号7が出力されることにより、起動される。そして、時刻t3から一定時間Tが経過しても割込信号7がCPU1に受け付けられないと、タイマ4は時刻t4に於いてタイムアウト信号8を出力する。
【0020】タイマ4から時刻t4に於いてタイムアウト信号8が出力されることにより、制御回路5は第1のデバイス2からの割込信号6を一時マスクする。これにより、第2のデバイス3から出力された割込信号7がCPU1に受け付けられ、割込信号7対応の割込処理がCPU1で実行される。即ち、優先度の低い割込信号7であっても、それが出力されてから一定時間T以内には必ずそれに対応した割込処理が実行されることになる。
【0021】CPU1は割込信号7対応の割込処理が終了すると、制御回路5に解除信号10を出力する。これにより、制御回路5は割込信号6に対するマスクを解除する。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、割込みの優先度を持つCPUに対して優先度の低い第2のデバイスから割込みが発生すると、タイマを起動させ、タイマがタイムアウトしたら、第2のデバイスより優先度の高い第1のデバイスの割込みを制御回路により一時マスクするものであるので、優先度の高い第1のデバイスが割込みを頻繁に発生している場合でも、優先度の低い割込みをそれが発生してから一定時間以内には必ず処理させることができる効果がある。
【0023】更に、第2のデバイスの割込みが定期的に処理されなければならないものである場合は、必ず第2のデバイスが割込みを発生してから一定時間以内に処理されるものであるので、従来例のように、誤動作が発生することがないという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のブロック図である。
【図2】図1の動作説明図である。
【図3】従来例のブロック図である。
【図4】図3の動作説明図である。
【符号の説明】
1,31…CPU
2,32…第1のデバイス
3,33…第2のデバイス
4…タイマ
5…制御回路
6,7,34,35…割込信号
8…タイムアウト信号
9…リセット信号
10…解除信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】 CPUに対して第1の割込みを発生する第1のデバイスと、前記CPUに対して前記第1の割込みよりも優先度の低い第2の割込みを発生する第2のデバイスとを備えた割込制御回路に於いて、前記第2のデバイスが前記第2の割込みを発生することにより起動され、一定時間経過することによりタイムアウト信号を出力するタイマと、該タイマから出力されるタイムアウト信号により前記第1のデバイスが発生する第1の割込みを一時マスクする制御回路とを備えたことを特徴とする割込制御回路。
【請求項2】 前記制御回路は前記第2の割込みに対応した割込処理が終了することにより、マスクを解除することを特徴とする請求項1記載の割込制御回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開平5−35503
【公開日】平成5年(1993)2月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−208515
【出願日】平成3年(1991)7月25日
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)