説明

力伝達装置

【課題】ロックアップクラッチの形のクラッチアッセンブリが、自由に選択可能な圧力で負荷可能であり、システム全体が、簡単な構造および少ない部品数により特徴付けられているようにする。
【解決手段】操作装置が、第1の摩擦面アッセンブリの摩擦面支持エレメントと共に1つの構造上のユニットを形成し、相対回動不能に、軸方向では移動可能に力伝達装置の入力部か、または力伝達装置の入力部とポンプホイールとの間の結合部に結合されており、かつ出力部に対する相対回動不能な結合からは自由であり、操作装置を圧力媒体で負荷可能な圧力室を流体力学的なコンポーネントに対してシールするためのシール装置が設けられており、第1のシール装置が、操作装置と、力伝達装置の入力部とポンプホイールとの間の結合部との間に配置され、第2のシール装置が、操作装置と、力伝達装置の出力部との間に配置されているようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの入力部と少なくとも1つの出力部とを備えた、特に自動車で使用するための力伝達装置であって、運転媒体で充填可能な少なくとも1つの作業室を互いに形成する少なくとも1つのポンプホイールと1つのタービンホイールとを有する流体力学的なコンポーネントと、該流体力学的なコンポーネントを介した出力伝達経路を少なくとも部分的に迂回するために流体力学的なコンポーネントに対応配置されたロックアップクラッチとが設けられており、該ロックアップクラッチが、少なくとも1つの摩擦面支持エレメントを有し前記入力部に少なくとも間接的に連結された第1の摩擦面アッセンブリと、少なくとも1つの摩擦面支持エレメントを有し前記出力部に連結された第2の摩擦面アッセンブリとを有しており、両摩擦面アッセンブリが、圧力媒体で負荷可能なピストンエレメントを有する操作装置により互いに作用結合可能である形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
伝動装置構成ユニットのための力伝達ユニットは、多数の構成で背景技術から公知である。力伝達ユニットは一般に、1つの入力部と1つの出力部とを有しており、入力部と出力部との間には、運転媒体で充填可能なまたは充填された作業室を互いに形成する少なくとも1つのポンプホイールもしくはポンプインペラおよび1つのタービンホイールもしくはタービンランナを備え、トルク変換器、要するにトルクコンバータとして構成されている場合にはさらに1つのガイドホイールもしくはステータを備えた、流体力学的な出力伝達のための流体力学的なコンポーネントと、この流体力学的な出力分岐を迂回するためのロックアップクラッチの形の装置とが配置されている。ロックアップクラッチはこのために少なくとも、少なくとも1つの摩擦面支持エレメントを有する1つの第1の摩擦面アッセンブリと、少なくとも1つの摩擦面支持エレメントを有する1つの第2の摩擦面アッセンブリとを有している。両摩擦面アッセンブリは操作装置により互いに作用結合可能である。ロックアップクラッチはその際、入力部またはこの入力部とポンプホイールとの間の結合部と、タービンホイールとの間の連結のために役立つ。操作装置は最も簡単な事例では、個々の摩擦面アッセンブリを互いに押し付ける軸方向で摺動可能なピストンを有している。ロックアップクラッチの操作原理次第で、力伝達装置はツーチャンネルシステムまたはスリーチャンネルシステムとして構成されている。その際、流体力学的なコンポーネントは遠心的または求心的に通流されることができる。この場合、流動方向は運転形式次第で変更することもできる。流体力学的なトルク変換器の場合、運転媒体はロックアップ中も変換器内にとどまる。変換器および操作装置とケーシングとの間の中間室に設けられた接続部を介して、冷却媒体回路が外的な変換器回路として形成される。その際、クラッチアッセンブリ内に統合された通路を介した案内、特に互いに作用結合可能な摩擦エレメント間の案内は、回転軸線から見て半径方向外側に外周面に向かい、その後半径方向内側に向かって流体力学的なコンポーネントに向かって行われるか、またはこれとは逆向きに行われる。後者の場合、ロックアップクラッチはその際、流体力学的なコンポーネント内の圧力により操作される。すなわち、流体力学的な回転数/トルク変換器または流体力学的なクラッチの外にかかっている圧力は、ピストンエレメントの操作のために使用される。この種の構成は例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第19920542号明細書に記載されている。この特許文献は、液体クラッチまたは流体力学的な回転数/トルク変換器と、統合された減衰システムとを備えた力伝達装置を開示している。この構成では、操作装置は、ポンプホイールと力伝達装置の入力部との間の結合部に軸方向で移動可能に支承されており、力伝達ユニットの入力部とポンプホイールとの間の結合部に対してそれぞれシールされた状態で案内されている。その際、力伝達ユニットの入力部とポンプホイールとの間の結合ケーシングの内壁の間には、操作チャンバとして機能する圧力チャンバが形成される。この圧力チャンバは操作装置のピストンを流体力学的なコンポーネント内の圧力とは無関係に負荷するために役立つ。このために、一般にはポンプ首部内またはガイドホイールのための支持軸内に設けられた、変換器もしくは流体力学的なコンポーネントへの接続部と、外的な回路、特に冷却目的のための回路を形成しかつ維持するための接続部の他に、操作装置とケーシングとの間の圧力室を圧力媒体で負荷可能な別の接続部が設けられている。このシステムはそれゆえスリーチャンネルシステムと呼ばれる。操作エレメントの接続およびロックアップクラッチの構成はこの場合しかし、特に存在する多数の構成エレメントにより極めて複雑である。ロックアップクラッチは多板クラッチとして構成されており、別個の圧力室に基づいて、ポンプホイールに少なくとも間接的に結合されたクラッチエレメントはアウタプレートとして形成されており、力伝達装置の出力部、特にここでは振動を減衰するための装置に結合された第2のクラッチエレメントはインナプレートとして構成されている。操作装置はその際、軸方向でプレートに対して作動する。それゆえ、ここでは、操作時に軸方向で操作装置を支持するための軸方向の付加的なストッパも設けられている。ストッパは相対回動不能に、力伝達装置の入力部とポンプホイールとの間の結合部に結合されている。ロックアップクラッチ自体は操作装置の配置および別のエレメントへの結合に基づいてマルチディスククラッチ、特に多板クラッチとしてのみ形成されていることができ、それゆえ、軸方向でやはり極めて大きなものとなってしまう。さらに、伝動装置入力軸を介した操作圧の供給時、この圧力チャンバを他の変換器圧力チャンバに対してシールすることが必要である。
【0003】
流体力学的なトルク変換器を備えた力伝達装置の別の構成はドイツ連邦共和国特許出願公開第19909349号明細書からツーチャンネル形式で前公知である。この構成では、流体力学的な回転数/トルク変換器に、ロックアップクラッチが対応配置されている。ピストンエレメントはその際、軸方向で摺動可能に力伝達ユニットの出力部に案内されている。さらに、ピストンエレメントは摩擦面を支持している。全体的なシステムの構成はそれゆえ僅かな構成部分部品点数により特徴付けられている。しかし、このシステムは、ピストン、特に操作装置を別個に圧力で負荷するためには適していない。それというのも、ここでは負荷可能なピストン面が流体力学的な回転数/トルク変換器への圧力室を画定しており、それゆえ、常に操作は、流体力学的なコンポーネント内に前支配する圧力の大きさに依存して行われるからである。
【0004】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19350935号明細書から、力伝達装置のためのスリーチャンネルシステムの別の構成が前公知である。この構成では、ピストンの支承および案内がやはり、力伝達装置の入力部とポンプホイールとの間の結合部で行われる。操作装置はそれにより完全に力伝達装置入力側に支承され、これに軸方向で案内されている。流体力学的なコンポーネントはそれに加えて、これに相対回動不能に連結された「ポンプホイールシェル」を有している。ポンプホイールシェルは、軸方向の中間室の形成下で、力伝達装置の入力部に連結されている。この中間室内には軸方向でロックアップクラッチならびに振動を減衰するための装置が組み込まれている。その際、ロックアップクラッチの出力部は振動を減衰するための装置を介して力伝達装置の出力部に連結されている。ロックアップクラッチならびに振動を減衰するための装置の軸方向の配置により、多数の個々の圧力室および通路が生じる。ここでも、全体的なシステムはかなりの数の構成部分により特徴付けられており、このことは軸方向での必要な構成スペースの拡大の他に、かなりの付加コストにも至る。
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第19920542号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願公開第19909349号明細書
【特許文献3】ドイツ連邦共和国特許出願公開第19350935号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ本発明の課題は、冒頭で述べた形式の力伝達装置内に設けられたロックアップクラッチの形のクラッチアセンブリの、特に流体力学的なコンポーネント内の圧力とは無関係に操作装置を別個に負荷する可能性を有する構成を改良して、一方ではクラッチアッセンブリが、自由に選択可能な圧力で負荷可能であり、他方ではシステム全体が、簡単な構造および少ない部品点数により特徴付けられているようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決した本発明の構成によれば、操作装置が、第1の摩擦面アッセンブリの摩擦面支持エレメントと共に1つの構造上のユニットを形成し、かつ相対回動不能に、しかし軸方向では移動可能に力伝達装置の入力部か、または力伝達装置の入力部とポンプホイールとの間の結合部に結合されており、かつ出力部に対する相対回動不能な結合からは自由であり、操作装置を圧力媒体で負荷可能な圧力室を流体力学的なコンポーネントに対してシールするための、少なくとも1つの第1のシール装置と1つの第2のシール装置とを備えたシール装置が設けられており、第1のシール装置が、操作装置と、力伝達装置の入力部とポンプホイールとの間の結合部との間に配置されており、かつ第2のシール装置が、操作装置と、力伝達装置の出力部との間に配置されているようにした。
【0007】
有利な構成は従属請求項に記載されている。
【0008】
本発明の有利な構成では、ピストンエレメントが成形部分として形成されており、少なくとも4つの領域、すなわち第1および第2のシール領域と、ロックアップクラッチとは逆方向での軸方向の移動可能性を制限するためのストッパ領域と、摩擦面支持領域とを有しており、前記シール領域が、接続エレメントたるケーシングおよび出力部に対して平行に形成されている面領域を有しており、両者の間にシール装置が配置されている。
【0009】
本発明の別の有利な構成では、第1のシール装置が、操作装置の、半径方向で方向付けられた面領域と、力伝達装置の入力部と流体力学的なコンポーネントとの間の結合部の、半径方向で理論上の回転軸線に向かって方向付けられた面領域との間に配置されており、かつ第2のシール装置が半径方向で、力伝達装置の出力部と、操作装置との間に配置されている。
【0010】
本発明のさらに別の有利な構成では、操作装置と、力伝達装置の入力部とポンプホイールとの間の結合部との間の相対回動不能な結合部が、力結合式または形状結合式に形成されている。
【0011】
本発明のさらに別の有利な構成では、操作装置のピストンエレメントが、半径方向で外周面の領域に歯列を有する部分領域を有しており、該部分領域が、前記歯列に対して相補的に力伝達装置の入力部とポンプホイールとの間の結合部に構成された歯列と作用結合可能である。
【0012】
本発明のさらに別の有利な構成では、操作装置に、軸方向での予圧および/または位置固定のための手段が対応配置されている。
【0013】
本発明のさらに別の有利な構成では、軸方向での予圧および/または位置固定のための手段が、少なくとも片側で作用するばね装置を有している。
【0014】
本発明のさらに別の有利な構成では、ばね装置が、流体力学的なコンポーネントに向かって方向付けられた端面と、出力部、または該出力部に相対回動不能に連結されたエレメントの、軸方向で方向付けられた面との間に配置されているばねユニットを有している。
【0015】
本発明のさらに別の有利な構成では、前記手段が、両側で作用するばね装置を有しており、該ばね装置が、流体力学的なコンポーネントとは反対の方向に向かって方向付けられた端面と、ケーシングとの間に配置されている別の第2のばねユニットを有している。
【0016】
本発明のさらに別の有利な構成では、別の第2のばねユニットが半径方向で、出力部に沿ったピストンエレメントのガイドの領域で支持されている。
【0017】
本発明のさらに別の有利な構成では、ばね装置のばねユニットが、互いに緊張される両エレメントのうちの少なくとも1つ、すなわち操作装置および/またはケーシングおよび/または出力部または該出力部に相対回動不能に連結されたエレメントに、半径方向および軸方向のその位置で固定されている。
【0018】
本発明のさらに別の有利な構成では、位置固定が力結合式または形状結合式に行われる。
【0019】
本発明のさらに別の有利な構成では、ばねユニットが皿ばねを有しているか、または周方向で互いに間隔を置いて配置された複数の個別ばねエレメントから形成される。
【0020】
本発明のさらに別の有利な構成では、ばね装置が、力伝達装置内での流体流のための貫通開口を有している。
【0021】
本発明のさらに別の有利な構成では、ピストンエレメントが金属薄板成形部分として構成されている。
【0022】
本発明のさらに別の有利な構成では、ピストンエレメントが鋳造材料、軽金属、プラスチックまたは繊維複合材料から形成されている。
【0023】
本発明のさらに別の有利な構成では、力伝達装置がスリーチャンネルシステムとして、流体力学的なコンポーネントの作業室との連通のための第1の接続部と、流体力学的なコンポーネントの外周面とケーシングとの間の中間室の連通のための第2の接続部と、圧力媒体で負荷するための、ピストンエレメントに対応配置された圧力室との連通のための第3の接続部とを有して構成されている。
【0024】
本発明のさらに別の有利な構成では、流体力学的なコンポーネントが流体力学的な回転数/トルク変換器として構成されており、少なくともさらに1つのガイドホイールを有している。
【発明の効果】
【0025】
力伝達装置は少なくとも1つの入力部および1つの出力部を有している。この間には、運転媒体で充填可能なまたは充填された作業室を互いに形成する少なくとも1つのポンプホイールとして機能する一次ホイールおよび1つのタービンホイールとして機能する二次ホイールを有する流体力学的なコンポーネントと、流体力学的な出力分岐を出力伝達時に少なくとも部分的に迂回するためのロックアップクラッチとが配置されている。ロックアップクラッチはそのために、少なくとも間接的に力伝達装置の入力部またはポンプホイールに相対回動不能に連結されており、出力部に相対回動不能に結合された第2の摩擦面アッセンブリに作用結合可能な少なくとも1つの第1の摩擦面アッセンブリを有している。ロックアップクラッチにはそれに加えて、操作装置が対応配置されている。本発明により、操作装置は、第1の摩擦面アッセンブリの摩擦面支持エレメントと共に1つの構造上のユニットを形成し、かつ軸方向で移動可能かつ相対回動不能に力伝達装置の入力部か、または少なくとも入力部とポンプホイールとの間の結合部に連結されている。さらに、操作装置と、ポンプホイールと力伝達ユニットとの間の結合部との間に設けられた第1のシール装置ならびに操作装置と、力伝達装置の出力部との間に設けられた第2のシール装置を備えたシール装置が設けられており、操作圧で負荷可能な圧力室を流体力学的なコンポーネントに対してシールする。
【0026】
本発明による解決策はそれにより、操作装置がロックアップクラッチと共に1つの構造上のユニットを形成していることにより、極めてコンパクトなロックアップクラッチを構成することを可能にする。このことは詳細には、ピストンエレメントが同時に摩擦面支持エレメントとして構成されており、これにより、相対回動不能にポンプホイールもしくはポンプホイールと力伝達装置入力部との間の結合部に結合しなければならない別個の摩擦面支持エレメントを省略し得ることを意味している。さらに、圧力室のシールは唯一のエレメント、つまりピストンエレメントにおいて行われ、ピストンは簡単に力伝達装置の出力部に対して案内され、出力部との相対回動不能な結合部から自由である。この場合、ここでは、ピストンの、半径方向内側に位置する部分と、力伝達装置の出力部との間に、第2のシール装置が設けられているにすぎない。両シール装置は可動式の接触シールを有している。
【0027】
互いにシールしたい圧力室はその際、第1の事例では流体力学的な回転数/トルク変換器内の圧力室、すなわち軸方向で流体力学的な回転数/トルク変換器の隣に配置された圧力室およびロックアップクラッチの操作のための圧力室である。これにより、操作装置が流体力学的なコンポーネント内の圧力とは無関係に制御されることができる。
【0028】
力伝達装置の入力部は最も簡単な事例では、相対回動不能にポンプホイールに連結されたエレメント、例えばポンプホイールシェルおよびカバーにより形成される。その際、多部分の構成が考えられる。このエレメントはタービンホイールを軸方向で中間室の形成下で周方向で完全に包囲する。軸方向での中間室内にはロックアップクラッチが配置されている。ロックアップクラッチは最も簡単な事例では、スリップを伴って運転可能なクラッチ装置として、すなわち有利にはディスククラッチまたは多板クラッチの形で形成されている。その際、有利には第1のクラッチエレメントは、相対回動不能にアウタプレート支持体を介して流体力学的なコンポーネントの壁もしくはケーシングに結合されているアウタプレートにより形成される。第1のクラッチエレメントと作用結合可能な第2のエレメントは相対回動不能に力伝達装置の出力部、有利には、力伝達ユニットに後置された伝動装置の伝動装置入力軸により形成される出力部に結合されている。クラッチエレメントは摩擦面支持エレメントとしてそれぞれ摩擦面アッセンブリの構成部分である。
【0029】
ピストンエレメントをロックアップクラッチの第1の摩擦面アッセンブリの摩擦面支持エレメントとして形成することは機能集中を生じる。ピストンの案内は有利にはその外周面の領域において半径方向で、力伝達装置の入力部とポンプホイールとの間の結合部もしくはポンプホイール自体で行われる。ピストンはそれによりアウタプレートを形成する。軸方向の摺動可能性を有する相対回動不能な連結は種々異なる形式で実現されることができる。最も簡単な事例では、形状結合または力結合が選択される。このために、ピストンの、外周面を形成する部分領域、すなわち半径方向外側に向かって方向付けられた面と、壁もしくは力伝達装置の入力部とポンプホイールとの間の結合部の、半径方向内側に向かって方向付けられた面もしくは内周面を形成する部分領域には、互いに相補的に構成された連行エレメントが形成されている。この連行エレメントは、ケーシング、特に一次ホイールと力伝達装置入力部との間の結合部と、ロックアップクラッチの第1のクラッチエレメントとの間の、周方向および半径方向での位置を互いに固定し、かつ両者が相互の摺動可能性、すなわち軸方向および周方向での相対運動を可能にするように方向付けられている。力伝達装置の出力部への付加的な固定はそれによりもはや不要である。固定は半径方向で外周面の領域で行われる。
【0030】
ピストンエレメントは有利には成形部分として形成されており、少なくとも4つの領域、すなわち第1および第2のシール領域と、ロックアップクラッチとは逆方向での軸方向の移動可能性を制限するためのストッパ領域と、摩擦面支持領域とを有しており、この場合、シール領域はさらに、接続エレメントたるケーシングおよび出力部に対して平行に形成されている面領域を有しており、この場合、両者の間にはシール装置が配置されている。第1のシール装置は、操作装置の、半径方向で方向付けられた面領域と、力伝達装置の入力部と流体力学的なコンポーネントとの間の結合部の、半径方向で回転軸線に向かって方向付けられた面領域との間に配置されており、かつ第2のシール装置は半径方向で、力伝達装置の出力部と、操作装置との間に配置されている。
【0031】
個々の機能領域への分割およびその特別な構成に基づいて複雑なピストンエレメントはこのために簡単に、ディスク状の金属薄板成形部分として、鋳物から、軽金属から、プラスチックからまたは繊維複合材料から製作されることができる。
【0032】
特に有利な構成では、力伝達装置が、振動を減衰するための装置、特にトーショナルバイブレーションダンパの形の振動を減衰するための装置を有している。振動を減衰するための装置は種々異なる形式で構成されていることができる。この場合、構成は実質的に減衰機能の実現に依存している。振動を減衰するための装置はしかし、実質的に、周方向で互いに制限的に回動可能な、ばね連結および/または減衰連結のための手段を介して互いに結合されている2つの質量体を有している。連結は純粋に機械的に、液圧的にまたは両者の組み合わせで行われることができる。振動を減衰するための装置の配置はその際、軸方向でロックアップクラッチと流体力学的なコンポーネントとの間、有利には操作装置と流体力学的なコンポーネントとの間で行われる。振動を減衰するための装置はその入力部でもって、振動を減衰するための装置を介して力伝達装置の出力部に連結されているロックアップクラッチの第2のクラッチエレメントもしくは第2の摩擦面アッセンブリを形成する。振動を減衰するための装置は弾性的なクラッチとして機能する。連結は直接力伝達装置の出力部に実現されるか、またはボスを形成する構成エレメントの形の付加的な中間エレメントを介して実現されることができる。その際、さらに、タービンホイールと、振動を減衰するための装置の出力部とが別個にまたは一緒に別のエレメントを介して力伝達装置の出力部に相対回動不能に結合可能であるか、またはしかしタービンホイールが、振動を減衰するための装置に、特に振動を減衰するための装置の入力部との連結を介して、ひいては介在するダンパを介して力伝達装置の出力部に結合されていることが考えられる。
【0033】
操作装置、特にピストンを軸方向でその位置に関して固定し、かつ予め規定された予圧を介して保持するために、操作装置には、予圧のための手段が対応配置されている。この手段は少なくとも1つのばねエレメントを有する少なくとも1つのばね装置を有している。配置および支持次第で、ばねエレメントは圧縮ばねまたは引張ばねとして形成されていることができる。支持は片側またはしかし有利には両側で行われることができる。最も簡単な事例では簡単なばね鋼が設けられ、ばね鋼はそれぞれケーシングの内壁と、ピストンの、この内壁に向かって方向付けられた面との間および/またはピストンの、流体力学的なコンポーネントに向かって方向付けられた面と、力伝達装置の出力部もしくはこの出力部に相対回動不能に連結されたエレメントとの間に配置されている。個々のばねエレメントはその際、リング状のばねエレメント、例えば皿ばねの形で形成されていることができる。有利には、個々のばねエレメントが多数設けられる。個々のばねエレメントはそれぞれその位置にケーシングならびにピストンのそれぞれの端面に対して固定されている。固定はその際、最も簡単な事例では軸方向での差込みによってのみ行われることができる。この場合、半径方向の位置固定は形状付与によってのみ行われている。さらに、完全に相対回動不能な、軸方向では固く固定された結合を選択することも考えられる。具体的な選択はその際、使用事例に依存している。
【0034】
本発明よる解決策について以下に図面を参照しながら説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1aおよび図1bは、著しく概略的に簡単化された形で、本発明により構成された力伝達ユニット1の第1の実施例の軸方向断面の一部を示している。この力伝達ユニット1は少なくとも1つの入力部Eおよび1つの出力部Aと、1つの流体力学的なコンポーネント(hydrodynamische Komponente)2と、出力伝達時に流体力学的な出力分岐を迂回するための装置3とを有している。この装置3はロックアップクラッチ4の形で形成されている。入力部Eはその際、少なくとも間接的に、ここには示していない駆動ユニットに結合可能である。出力部Aは、力伝達ユニット1に後置された、特に伝動装置の形の出力伝達ユニットに連結可能であり、その際、伝動装置入力軸5により形成されることができる。流体力学的なコンポーネント2は、図示の事例では、流体力学的な回転数/トルク変換器(Drehzahl−/Drehmomentwandler)6として形成されている。回転数/トルク変換器6は、ポンプホイールPとして機能する一次ホイールと、タービンホイールTとして機能する二次ホイールと、少なくとも1つのガイドホイールLとを有している。
【0036】
流体力学的な回転数/トルク変換器6の具体的な構造的な構成は、使用事例の要求に応じて行われる。一般に、流体力学的な回転数/トルク変換器6は、トリローク式コンバータ(Trilokwandler)の形で形成される。流体力学的な回転数/トルク変換器はその際、いわば流体力学的な伝動装置として機能しており、すなわち、流体力学的な回転数/トルク変換器6における入力部Eと出力部Aとの間の回転数の変化は、同時にトルクの変化を引き起こす。流体力学的なコンポーネント2はさらに、ここでは図示しないが、流体力学的なクラッチとして構成されていてもよい。この場合、流体力学的なコンポーネント2はガイドホイールを有していない。流体力学的なクラッチはその際、回転数変換のためだけに役立ち、トルク変換のためには役立たない。流体力学的なコンポーネント2のポンプホイールPはその際、力伝達ユニット1の入力部Eに相対回動不能に結合されている。この結合は有利には解離可能に行われる。
【0037】
ここでは図示しないが、選択的にポンプホイールPと入力部Eとの連結または連結解除を可能にする「ポンプクラッチ(Pumpenkupplung)」を設けることも考えられる。連結は最も簡単な事例では、ポンプシェルとカバーとから成る変換器ケーシングの形のケーシング7を介して行われる。このケーシング7は、軸方向で見て中間室8の形成下でロックアップクラッチ4を包囲するように構成されている。ケーシング7はその際、単数または複数の部分から構成されていることができる。最も簡単な事例では、ケーシング7はポンプホイールシェル、すなわち、相対回動不能にポンプホイールPに連結されており、力伝達ユニット1の入力部Eに結合されているエレメントか、またはこの入力部Eを形成しているエレメントにより形成される。
【0038】
ロックアップクラッチ4も種々異なる形式で形成されていることができる。ロックアップクラッチ4は一般に、非同期的に切換可能な機械的なクラッチ、有利にはスリップを伴って運転可能なクラッチである。最も簡単な事例では、ロックアップクラッチ4はディスク形式、有利には多板形式で形成されている。ロックアップクラッチ4はその際、少なくとも1つの第1の摩擦面アッセンブリ9および1つの第2の摩擦面アッセンブリ10を有している。両摩擦面アッセンブリ9,10は少なくとも間接的に互いに作用結合可能である。その際、各摩擦面アッセンブリ9,10は少なくとも1つの摩擦面支持エレメント15,16を有している。作用結合はその際、スリップを伴ってまたはスリップを伴わずに行われることができる。第1の摩擦面アッセンブリ9はその際、相対回動不能に入力部Eに、もしくはポンプホイールPと入力部Eとの間の結合部に、またはポンプホイールPに連結されている。第2の摩擦面アッセンブリ10は少なくとも間接的に相対回動不能に力伝達ユニット1の出力部A、特に伝動装置入力軸5に結合されている。図示の事例では、伝動装置入力軸5との連結は少なくとも間接的に、すなわち、トーショナルバイブレーションダンパの形の振動を減衰するための装置11を介して行われる。この装置11は機械式の減衰器または液圧式の減衰器として、または両者の組み合わせとして構成されることができる。その際、第2の摩擦面アッセンブリ10は、振動を減衰するための装置11の入力部12に連結されており、振動を減衰するための装置の、ここでは符号13を付した出力部は、少なくとも間接的に相対回動不能に出力部A、特に伝動装置入力軸5に結合されている。振動を減衰するための装置11はその際、少なくとも2つの質量体(マス)を有している。第1の質量体は一次質量体68とも呼ばれ、第2の質量体は二次質量体69とも呼ばれ、両者はそれぞれ装置11の入力部12と出力部13とを形成している。一次質量体68および二次質量体69はその際、互いに相対的に、制限された範囲で、周方向で回動可能であり、ばね連結および/または減衰連結のための手段29を介して互いに結合されている。振動を減衰するための装置11は力伝達装置1の入力部Eと伝動装置入力軸5との間の弾性的な継手として機能する。振動を減衰するための装置11の具体的な構成に関して、制限は存在しない。重要なのは、このシステムが、提供される構成スペースの最適な利用下で、できるだけ小さな構成サイズで全体のシステム内に統合可能であることにある。第2の摩擦面アッセンブリ10を装置11を介してケーシング入力軸5に連結することは、ボスエレメント55を介して行われるか、またはタービンホイールTへの直接的な結合により行われることができる。タービンホイールTは後者の場合直接またはボスを介して伝動装置入力軸5に結合されている。この他、タービンホイールTの連結を直接伝動装置入力軸5に行うのではなく、振動を減衰するための装置11の入力部12へのタービンホイールTの結合を介して行うことも考えられる。
【0039】
互いに作用結合可能な摩擦面アッセンブリ9,10はそれぞれ少なくとも1つの摩擦面支持エレメント15,16、有利には複数の摩擦面支持エレメントを有している。ロックアップクラッチ4を操作するために、ピストンエレメント21を有する操作装置14が設けられている。ピストンエレメント21は軸方向でロックアップクラッチ4に対応配置されている。本発明により、操作装置14、特にピストンエレメント21は相対回動不能に力伝達装置1の入力部EとポンプホイールPとの間の結合部に結合されており、軸方向でこの結合部に対して摺動可能に支承されている。その際、ピストンエレメント21は伝動装置入力軸5に対して軸方向で、シールされた状態で案内されている。ピストンエレメント21はその際、第1の摩擦面アッセンブリ9の摩擦面支持エレメント15と共に1つの構造上のユニットを形成しているか、または第1の摩擦面アッセンブリ9を直接形成している。
【0040】
力伝達ユニット1はここではスリーチャンネルユニット(Dreikanaleinheit)として構成されている。このことは、力伝達ユニット1が第1の通路17、第2の通路18および第3の通路20を有していることを意味している。第1の通路17は流体力学的な回転数/トルク変換器6、特に作業室と連通されており、第2の通路18はロックアップクラッチ4と流体力学的な回転数/トルク変換器6との間の中間室19に対応配置されており、第3の通路20は操作装置14、特にピストンエレメント21の圧力負荷のために役立つ。少なくとも1つのピストンエレメント21を有する操作装置14は本発明により、第1の摩擦面アッセンブリ9の摩擦面支持エレメント15がピストンエレメント21と共に1つの構造上のユニットを形成するか、もしくはピストンエレメント21に統合されているように形成されている。ピストン21は相対回動不能にポンプホイールPに、もしくは力伝達ユニット1の入力部EとポンプホイールPとの間の結合部に連結されており、軸方向でポンプホイールPに対して摺動可能である。軸方向はその際、力伝達ユニットの入力部Eもしくは出力部Aの間の軸方向の摺動可能性に関する。ピストン21はその際、摩擦面支持エレメント15として形成されており、図示の事例では直接第2の摩擦面アッセンブリ10に作用結合可能、特に第2の摩擦面アッセンブリ10に対する軸方向の摺動可能性により作用結合可能である摩擦面22を支持している。第2の摩擦面ユニット10はその際、伝動装置入力軸5に対する軸方向の摺動可能性から自由であるか、または僅かな軸方向の摺動可能性を伴って伝動装置入力軸5に連結されている。
【0041】
軸方向で配置された個々のエレメントはさらに複数の圧力室を形成している。その際、第1の圧力室23は直接流体力学的なコンポーネント2の作業室により形成され、第2の圧力室24は軸方向で見て流体力学的なコンポーネント2と、操作装置14、特にピストンエレメント21の、操作方向で位置するピストン面との間に形成され、第3の圧力室25はピストンエレメント21と、ケーシング7の壁、特に一次ホイールPと入力部Eとの間の結合部の壁との間に形成される。第1の接続部もしくは通路17は流体力学的な回転数/トルク変換器6の作業室に連通され、第2の通路18は第2の圧力室24に連通され、第3の通路20は操作圧のための第3の圧力室25に連通されている。第1の圧力室23はさらに第2の圧力室24に接続、特にポンプホイールPとタービンホイールTとの間のギャップを介して半径方向で接続されている。
【0042】
本発明によりその際、ピストンエレメント21はシールされた状態で第1、第2の圧力室23,24ならびに伝動装置入力軸5に対して案内されている。このためにシール装置26が設けられている。シール装置26は、ピストンエレメント21と圧力室24との間に設けられている第1のシール装置27と、ピストンエレメント21、すなわち操作装置14と、伝動装置入力軸5との間に設けられている第2のシール装置28とを有している。操作装置14と伝動装置入力軸5との間にはその際、相対回動不能な連結は存在しない。すなわち、操作装置14と伝動装置入力軸5とは相対回転数を有して互いに回転することができる。その際、第2のシール装置28は可動式かつ接触式のシールである。第2のシール装置28は種々異なる形式で形成されていることができる。最も簡単な事例では、第2のシール装置28は少なくとも1つのシールリング、ここでは例えば1つのシールリング29を有している。
【0043】
個々の圧力室23,24,25の、相応の通路17〜19との連通は、構造的に種々異なる形式で行われることができる。その際、連通手段は接続孔であるか、またはシャフト、軸、回転リードスルー(Drehdurchfuehrung)内を案内された通路であることができる。この場合、相互の機能的な連通が挙げられているにすぎない。機能形式はその際、以下の通りである。流体力学的な回転数/トルク変換器6は一般に一度充填される。流体力学的な出力伝達時、ポンプホイールPは駆動され、作業室内における流動回路の形成下でタービンホイールTは駆動される。その際、運転媒体の冷却の目的で、運転媒体の一部は作業室内の回路の外に案内される。流体力学的なコンポーネント2の通流は方向次第で求心的または遠心的に行われることができる。遠心的な通流の場合、供給は第1の通路17を介して行われる。遠心力に基づいて、運転媒体の一部は回転数/トルク変換器6の外周において半径方向で相応の流出開口を介してまたはポンプホイールPとタービンホイールTとの間のギャップを介して圧力室24内に流出し、ロックアップクラッチ4の通流下で第2の圧力室24内に達し、通路18を介して外部に流出する。この場合、この経路を介して、冷却回路が変換器運転中の運転媒体の冷却の目的で形成されることができる。操作装置14は負荷されていないか、もしくは圧力室25内の圧力は圧力室24内の圧力よりも小さい。その一方で、第1の通路17を介して運転媒体を作業室から導出し、第2の通路18を介して再び作業室への運転媒体供給を行うことも考えられる。この場合、運転媒体供給は半径方向で見て流体力学的な回転数/トルク変換器6で外側から内側に行われる。この場合、ロックアップクラッチ4は通流され、案内された運転媒体流に基づいて、開かれた位置に維持される。圧力チャンバ24と圧力チャンバ25との間の圧力差はその際、ピストンエレメント21の位置を決定する。両事例で、出力伝達は純粋に流体力学的に、純粋に機械的にまたは両者が組み合わされて行われることができる。最後に挙げた事例では、ロックアップクラッチ4がスリップを伴って運転され、同時になお部分的な出力伝達が流体力学的なコンポーネント2を介して行われる。流体力学的なコンポーネント2を介した出力伝達はその際、力伝達ユニット1の入力部EからポンプホイールPへと、ここではケーシング7を介して、もしくは力伝達ユニット1の入力軸Eの、ケーシング7を介したポンプホイールPとの連結を介して実現される。流体力学的な回転数/トルク変換器6から、出力伝達は、伝動装置入力軸5との少なくとも間接的な連結を介して、伝動装置入力軸5に行われる。伝動装置入力軸5はその際、力伝達ユニット1の出力部Aを形成する。流体力学的な出力伝達の迂回が所望されるとき、すなわち流体力学的な出力分岐を排除するとき、ロックアップクラッチ4がアクティブ化される。このために、圧力室25が負荷される。ピストン21は軸方向で動かされ、第1の摩擦面アッセンブリ9と第2の摩擦面アッセンブリ10との間の摩擦力結合(Reibschluss:摩擦力による束縛)が形成される。出力伝達は、同時に摩擦面支持エレメント15として構成されているピストンエレメント21の相対回動不能な連結を介して、入力部Eから、ケーシング7、第1の摩擦面アッセンブリ9、第2の摩擦面アッセンブリ10、振動を減衰するための装置11を介して伝動装置入力軸5へと行われる。ロックアップクラッチ4内の冷却回路を介して、ロックアップクラッチの閉鎖時も、冷却回路は維持されることができる。
【0044】
本発明による解決策はそれにより、ピストンエレメント21の形の操作エレメント14が同時に摩擦面支持エレメント15として、ひいては第1の摩擦面アッセンブリ9の構成部分として機能し、さらに相対回動不能に力伝達ユニット1の入力部Eに、ただし軸方向では摺動可能に結合されていることにより特徴付けられている。さらに、操作装置14、ひいては圧力室25は圧力室23,24に対してシールされている。シールはその際、入力部EとポンプホイールPとの間の結合部に対して、さらには伝動装置入力軸5に対して行われている。
【0045】
それにより、操作装置14は機能集中により特徴付けられている。特にディスククラッチとしてのロックアップクラッチ4の形成時、別の摩擦面支持エレメント15は省略されることができる。軸方向の構成スペースはそれにより最小化されることができる。軸方向での支持はストッパ30で行われる。ストッパ30は有利には第1の摩擦面アッセンブリ9の定置の摩擦面支持エレメント15として構成されている。
【0046】
図1aに応じて、タービンホイールTは、振動を減衰するための装置11の入力部12に連結されている。入力部12との連結は構造的な構成次第で種々異なる形式で、すなわち伝動装置入力軸5の直接的な近傍でまたは上方で行われることができる。この構成は、ここでは流体力学的なコンポーネントを介した出力伝達時にも常に、振動を減衰するための装置11が有効であるという利点を提供する。
【0047】
図1aは、タービンホイールTが、振動を減衰するための装置11と伝動装置入力軸5との間の結合部で結合された構成を示しており、図1bは、タービンホイールTが伝動装置入力軸5に直接連結されている、図1aに示した力伝達ユニット1の構成を示している。この場合、減衰器11は純粋に機械的な運転、すなわちロックアップクラッチ4を介した出力伝達時にのみ有効である。力伝達装置1のその他の構造は、図1aで説明した構造に相当しており、それゆえ、同じ部材には同じ符号を使用した。ロックアップクラッチ4、操作装置14ならびに回転数/トルク変換ユニット6のケーシング7は、両構成では、互いに同軸的に配置されている。第2の摩擦面アッセンブリ10への出力伝達は、第1の摩擦面アッセンブリ9、特に摩擦面支持エレメント15を形成するピストンエレメント21の、第2の摩擦面アッセンブリ10に対する軸方向の摺動可能性を介して行われる。この場合、第2の摩擦面アッセンブリ10はいわばその軸方向の位置で、ストッパ30に基づいて、操作装置14の操作方向で保持される。ケーシング7のケーシング壁はここではシェル状に構成されている。最も簡単な事例では、ケーシング7は、相対回動不能にポンプホイールPに連結されているポンプホイールシェル31である。ケーシング内壁への第1の摩擦面アッセンブリ9の結合は、リング状のエレメント34を介して行われる。リング状のエレメント34は、力結合(kraftschluessig:力による束縛)式、形状結合(formschluessig:形状による束縛)式または素材結合(stoffschluessig:付着または凝集による束縛)式に、有利には素材結合式にケーシング7の内壁32に結合されており、半径方向で操作装置14、特にピストンエレメント21のためのシール面33を形成している。リング状のエレメント34はここでは、半径方向でそれぞれ異なる直径を有する少なくとも2つの領域により特徴付けられている。これらの領域は軸方向で互いにずらされている。第1の領域35は小さな直径di35により特徴付けられている。半径方向で流体力学的な回転数/トルク変換器6の回転軸線Rに向かって方向付けられた面36にはその際、シール面33が形成される。さらに第2の領域が設けられている。第2の領域には符号37を付した。第2の領域37は、ロックアップクラッチ4もしくは第1の摩擦面アッセンブリ9ならびに操作装置14と、リング状のエレメント34、ひいては入力部EとポンプホイールPとの間の結合部にあたるケーシング7との間の相対回動不能な連結のために役立つ。第2の領域37はその際、第1の領域35よりも大きな内径di37により特徴付けられており、いわば第1の摩擦アッセンブリ9の摩擦面支持エレメントのための支持体、特にアウタプレート支持体として機能する。リング状のエレメント34とケーシング7との間の相対回動不能な連結は、図示の事例では、有利には素材結合式に行われている。これにより、圧力室、特に圧力室25と圧力室23もしくは圧力室24との密な隔離は保証され、リング状のエレメント34はインテグラルな構成部分であるか、もしくはケーシング7のケーシング壁と共に1つの構造上のユニットを形成する。リング状のエレメント34、ひいてはケーシング7とのピストンエレメント21の相対回動不能な結合は、ここでは歯列を介して行われる。この歯列は同時に軸方向の摺動可能性を許可する。このために、第2の領域37はその内周面38に歯列39を有している。歯列39は、これに対して相補的に第1の摩擦面アッセンブリ9の摩擦面支持エレメント15の外周面41、ひいては半径方向で操作装置14に形成された歯列40と作用結合可能である。操作装置14はそれにより歯列39と掛合している。相対回動不能な結合の別の構成もやはり考えられる。重要なのは、形状結合または力結合により、同時に軸方向の摺動可能性を許可する相対回動不能な結合が形成されることにある。第1の領域35に設けられた面36は、既に説明したように、シール面33として機能する。このために、操作エレメント14は有利には、この面領域に関する組み付け位置で相応の嵌合を伴って形成されており、これによりケーシング内壁、特にリング状のエレメント34に滑り案内されるか、または間隔を置いて案内されることができるように構成されている。後者の構成は磨耗現象の点で優れている。この事例ではしかし、接触式かつ可動式のシールが設けられている。シールは、操作装置14もしくはピストンエレメント21と、ケーシング7、ここでは素材結合によりケーシング7のインテグラルな構成部分であるリング状のエレメント34の第1の領域35、特に回転軸線Rに向かって方向付けられた面領域36との間に設けられたシール装置26である。操作装置14、特にピストンエレメント21はそれにより半径方向でやはりそれぞれ異なる領域により特徴付けられている。個々の領域の形成はピストンエレメント21の形状付与により行われる。ピストンエレメント21は最も簡単な事例では金属薄板成形部分(Blechformteil)として形成されており、実質的に4つの領域により特徴付けられている。第1の領域42はその際、半径方向で方向付けられ、第1の領域35の面36に対して平行に構成されている面領域43を、第1のシール装置26の配置を伴って形成する。この第1の領域はそれゆえシール領域とも呼ばれる。第2の領域45はストッパ領域であり、ケーシング7の壁もしくはリング状のエレメント34、特にリング状のエレメント34の第1の領域35と第2の領域37との間の内壁に対して平行に形成されており、それにより、操作方向とは逆向きの運動を制限するストッパ46を支持している。第3の領域は摩擦面支持領域47である。摩擦面支持領域47には摩擦面が配置されており、さらにケーシング7との連結も行われる。第4の領域64は伝動装置入力軸5に対するガイドおよびシールのために役立つ。
【0048】
ピストンエレメント21とリング状のエレメント34、ひいてはケーシング7との間の相対回動不能な連結に基づいて、ピストン21は伝動装置入力軸5との相対回動不能な結合から自由である。ピストン21はしかし伝動装置入力軸5に対して、ピストン21と伝動装置入力軸5との間でのシール装置27の配置が可能であるように配置されている。配置はその際、互いに向かい合った、ピストン21の面領域と、伝動装置入力軸の外周面48との間で行われる。相応の面領域はその際、ボス状の延長部により半径方向でピストンエレメント21に形成される。延長部は符号49を付されており、リング状に構成されている。この場合、延長部49は伝動装置入力軸5を周方向で包囲しており、相対回動不能な連結から自由なこの包囲領域に、軸方向でシール装置27が配置されている。シール装置27はその際、ボス状の延長部49の、伝動装置入力軸5側の面に配置されている溝50内に装入されている。このシール装置27はやはり接触式の、しかし可動式のシールである。このシールは、第2の摩擦面アッセンブリ10に対するピストンエレメント21の軸方向の摺動時に、やはり軸方向で伝動装置入力軸5の外周面48に対して相対的に運動する。ケーシング内壁、特にケーシング7と、リング状のエレメント34と、シール装置26,27を備えたピストンエレメント21とはその際、半径方向および軸方向で圧力室25を画定している。この圧力室25は、圧力媒体で操作装置14を負荷するための通路20に連通されている。この通路20はここでは例えば伝動装置入力軸5を通して案内される。別の構成もやはり考えられ、例えば力伝達装置1の入力部Eに相対回動不能に連結されたエレメントを通して案内されてもよい。
【0049】
さらに、ピストンエレメント21はその位置で、流体力学的な回転数/トルク変換器6の、ここでは完全には示していない外周面に対して別の圧力室24を形成する。この圧力室24は変換器への運転媒体のフィードまたは変換器からの運転媒体のリターンのために役立つ。このために、軸方向で、振動を減衰するための装置11と操作装置14との間には通路18が設けられている。この通路はしかし、操作室に相当する圧力室25から液密および圧力媒体密に隔離されている。このことは例えば、管状のエレメント51を伝動装置入力軸5内に設けることにより行われる。
【0050】
ピストンエレメント21は金属薄板部分としての構成の他に、択一的に別の材料、例えば鋳物、合金、軽金属、プラスチック、繊維複合材料から製作されてもよい。
【0051】
ピストンエレメント21の支承、案内および予圧のために、相応の手段52が設けられている。この手段52はピストンエレメント21の片側または両側に対応配置されることができる。この手段52は少なくとも1つのばね装置53を有している。ばね装置53は、構成次第で少なくとも1つのばねエレメント56を有する、少なくとも1つのばねユニット54を有している。図1aおよび図1bでは1つのばねユニット54が設けられている。ばねユニット58はピストンエレメント21を半径方向内側の領域58で出力部Aに対して、特に振動を減衰するための装置11の出力部13との間を結合するためのボス55に支持している。ばねユニット54は軸方向で、ピストンエレメント21の、ケーシング内壁32とは反対側の、変換器に向かって方向付けられた端面57と、ボス55の、端面57に面した面領域59との間に配置されている。
【0052】
ばねユニット54はその際、少なくとも1つの貫通開口、有利には複数の貫通開口60を有するように形成されている。貫通開口60はばねエレメント56を通した運転媒体通流を許可する。個々の貫通開口60はその際、周方向で互いに隣接して等間隔を置いてまたは不等間隔を置いて配置されていることができる。最も簡単な事例では、皿ばねの形のばねエレメント56が使用される。ばねエレメント56はその際、その位置で、軸方向で、半径方向でかつ周方向で、両支持領域の少なくとも一方で固定されている。このことは種々異なる形式で行われることができる。考えられるのは固定手段または簡単な形状結合である。図示の事例では、ピストンエレメント21への結合は手段63を介して行われる。
【0053】
図1aおよび図1bは、ピストンエレメント21を片側だけで支持する構成を示している。図2〜図5は概略的な形で、図1aに示した力伝達ユニット1の抜粋図を基に、軸方向でピストンエレメント21を両側で支持するばね装置53の別の構成を示している。基本構造は、図1aで説明した構造に相当しており、それゆえ、同じ部材には同じ符号を使用した。
【0054】
図2ではさらに別のばねユニット61が設けられている。このばねユニット61は、ピストンエレメント21の、ケーシング7の内壁に向かって軸方向で方向付けられた別の端面62で有効である。このために、ばねエレメント61は軸方向でその位置にケーシング7に対して固定されており、その他方の端部領域65でピストンエレメント21の端面62に操作方向で作用している。ここでも、ピストン面全体にわたっての半径方向での均等な負荷の実現のために、ばねエレメント61は、運転媒体または制御媒体の移動を許可する貫通開口66を備えて構成されている。通流方向は双方向矢印で暗示した。ばねエレメント61は1つのリング状のばねエレメントであるか、または周方向で有利には互いに均等な間隔を置いて分配配置された個々の、1つのばねユニットを形成するエレメントであることができる。ばねエレメント61の位置固定は、ケーシング7に設けられた手段63を介して行われる。
【0055】
手段63は実質的に軸方向での固定のために役立つ。手段63はさらに周方向および半径方向でのばねエレメント61,56の固定を可能にすることができる。
【0056】
ばねエレメント61はここでは、半径方向で方向付けられたピストン面に支持されており、図3は、第2のばねユニット61のための択一的な構成を示している。このばねユニット61はその際、下方に向かって、ピストンエレメント21のボス領域49で支持されている。
【0057】
図4aおよび図4bは、図2に示した構成に対するばねユニット61の結合のための択一的な構成を示している。基本構造は、図2で説明した、特に第1のばねユニット54および第2のばねユニット61に関して説明した構造に相当している。ここで異なるのは、支持が相対回動不能な結合および軸方向で固定的な結合から自由に行われているのではなく、ばねエレメントもしくはばねユニット61がここではピストンエレメント21およびケーシング7に軸方向で固定されている点だけである。図4aでは、ピストンエレメント21への固定がリテーナリングボルト(Schliessringbolzen)67を介して行われている。
【0058】
これに対して、図4bは、図4aに示した構成の代わりに周方向、軸方向および半径方向での固定、主として軸方向での固定が、形状結合、特にクランプ結合部または差込結合部70によりピストンエレメント21ならびにケーシング7で行われている択一的な構成を示している。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1a】本発明により構成された力伝達装置の基本構造を概略的に著しく簡単に示す図である。
【図1b】本発明により構成された力伝達装置の基本構造を概略的に著しく簡単に示す図である。
【図2】第1の構成の力伝達ユニットの軸方向断面図を抜粋して示す図である。
【図3】図2に示した構成に対して変更されたばね装置の構成を示す図である。
【図4a】図2に示した構成に対してばね装置の固定を変更した構成を示す図である。
【図4b】図2に示した構成に対してばね装置の固定を変更した構成を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1 力伝達装置
2 流体力学的なコンポーネント
3 流体力学的な出力伝達経路を迂回するための装置
4 ロックアップクラッチ
5 伝動装置入力軸
6 流体力学的な回転数/トルク変換器
7 ケーシング
8 中間室
9 第1の摩擦面アッセンブリ
10 第2の摩擦面アッセンブリ
11 振動を減衰するための装置
12 入力部
13 出力部
14 操作装置
15 摩擦面支持エレメント
16 摩擦面支持エレメント
17 第1の通路
18 第2の通路
19 中間室
20 第3の通路
21 ピストン
22 摩擦面
23 第1の圧力室
24 第2の圧力室
25 第3の圧力室
26 シール装置
27 第1のシール装置
28 第2のシール装置
29 ばね連結および/または減衰連結のための手段
30 ストッパ
31 シェル
32 内壁
33 シール面
34 リング状のエレメント
35 第1の領域
36 面
37 第2の領域
38 内周面
39 歯列
40 歯列
41 外周面
42 第1の領域
43 面
47 摩擦面支持領域
48 外周面
49 ボス状の延長部
50 溝
51 管状のエレメント
52 予圧のための手段
53 ばね装置
54 ばねユニット
55 ボス
56 ばねエレメント
57 端面
58 半径方向内側の領域
59 面
60 貫通開口
61 ばねユニット
62 端面
63 手段
64 第4の領域
65 端部領域
66 貫通開口
67 リテーナリングボルト
68 一次質量体
69 二次質量体
70 クランプ結合部
E 入力部
A 出力部
P ポンプホイール
T タービンホイール
L ガイドホイール
内径
外径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの入力部(E)と少なくとも1つの出力部(A)とを備えた、特に自動車で使用するための力伝達装置(1)であって、
運転媒体で充填可能な少なくとも1つの作業室(23)を互いに形成する少なくとも1つのポンプホイール(P)と1つのタービンホイール(T)とを有する流体力学的なコンポーネント(2)と、
該流体力学的なコンポーネント(2)を介した出力伝達経路を少なくとも部分的に迂回するために流体力学的なコンポーネント(2)に対応配置されたロックアップクラッチ(4)とが設けられており、
該ロックアップクラッチ(4)が、少なくとも1つの摩擦面支持エレメント(15)を有し前記入力部(E)に少なくとも間接的に連結された第1の摩擦面アッセンブリ(9)と、少なくとも1つの摩擦面支持エレメント(16)を有し前記出力部(A)に連結された第2の摩擦面アッセンブリ(10)とを有しており、両摩擦面アッセンブリ(9,10)が、圧力媒体で負荷可能なピストンエレメント(21)を有する操作装置(14)により互いに作用結合可能である
形式のものにおいて、
操作装置(14)が、第1の摩擦面アッセンブリ(9)の摩擦面支持エレメント(15)と共に1つの構造上のユニットを形成し、かつ相対回動不能に、しかし軸方向では移動可能に力伝達装置(1)の入力部(E)か、または力伝達装置(1)の入力部(E)とポンプホイール(P)との間の結合部に結合されており、かつ出力部(A)に対する相対回動不能な結合からは自由であり、
操作装置(14)を圧力媒体で負荷可能な圧力室(25)を流体力学的なコンポーネント(2)に対してシールするための、少なくとも1つの第1のシール装置(27)と1つの第2のシール装置(28)とを備えたシール装置(26)が設けられており、第1のシール装置(27)が、操作装置(14)と、力伝達装置(1)の入力部(E)とポンプホイール(P)との間の結合部との間に配置されており、かつ第2のシール装置(28)が、操作装置(14)と、力伝達装置(1)の出力部(A)との間に配置されている
ことを特徴とする力伝達装置。
【請求項2】
ピストンエレメント(21)が成形部分として形成されており、少なくとも4つの領域、すなわち第1および第2のシール領域(42,64)と、ロックアップクラッチ(4)とは逆方向での軸方向の移動可能性を制限するためのストッパ領域(45)と、摩擦面支持領域(47)とを有しており、前記シール領域(42,64)が、接続エレメントたるケーシング(7)および出力部(A)に対して平行に形成されている面領域を有しており、両者の間にシール装置(27,28)が配置されている、請求項1記載の力伝達装置。
【請求項3】
第1のシール装置(27)が、操作装置(14)の、半径方向で方向付けられた面領域と、力伝達装置(1)の入力部(E)と流体力学的なコンポーネント(2)との間の結合部の、半径方向で理論上の回転軸線(R)に向かって方向付けられた面領域との間に配置されており、かつ第2のシール装置(28)が半径方向で、力伝達装置(1)の出力部(A)と、操作装置(14)との間に配置されている、請求項2記載の力伝達装置。
【請求項4】
操作装置(14)と、力伝達装置(1)の入力部(E)とポンプホイール(P)との間の結合部との間の相対回動不能な結合部が、力結合式または形状結合式に形成されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項5】
操作装置(14)のピストンエレメント(21)が、半径方向で外周面(41)の領域に歯列(40)を有する部分領域を有しており、該部分領域が、前記歯列(40)に対して相補的に力伝達装置(1)の入力部(E)とポンプホイール(P)との間の結合部に構成された歯列(39)と作用結合可能である、請求項4記載の力伝達装置。
【請求項6】
操作装置(14)に、軸方向での予圧および/または位置固定のための手段(52)が対応配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項7】
軸方向での予圧および/または位置固定のための手段(52)が、少なくとも片側で作用するばね装置(53)を有している、請求項6記載の力伝達装置。
【請求項8】
ばね装置(53)が、流体力学的なコンポーネント(2)に向かって方向付けられた端面(57)と、出力部(A)、または該出力部(A)に相対回動不能に連結されたエレメントの、軸方向で方向付けられた面との間に配置されているばねユニット(54)を有している、請求項7記載の力伝達装置。
【請求項9】
前記手段(52)が、両側で作用するばね装置(53)を有しており、該ばね装置(53)が、流体力学的なコンポーネント(2)とは反対の方向に向かって方向付けられた端面(62)と、ケーシング(7)との間に配置されている別の第2のばねユニット(61)を有している、請求項7または8記載の力伝達装置。
【請求項10】
別の第2のばねユニット(61)が半径方向で、出力部(A)に沿ったピストンエレメント(21)のガイドの領域で支持されている、請求項9記載の力伝達装置。
【請求項11】
ばね装置(53)のばねユニット(54,61)が、互いに緊張される両エレメントのうちの少なくとも1つ、すなわち操作装置(14)および/またはケーシング(7)および/または出力部(A)または該出力部(A)に相対回動不能に連結されたエレメントに、半径方向および軸方向のその位置で固定されている、請求項7から10までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項12】
位置固定が力結合式または形状結合式に行われる、請求項11記載の力伝達装置。
【請求項13】
ばねユニット(54,61)が皿ばねを有しているか、または周方向で互いに間隔を置いて配置された複数の個別ばねエレメントから形成される、請求項7から12までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項14】
ばね装置(53)が、力伝達装置(1)内での流体流のための貫通開口(60,66)を有している、請求項7から13までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項15】
ピストンエレメント(21)が金属薄板成形部分として構成されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項16】
ピストンエレメント(21)が鋳造材料、軽金属、プラスチックまたは繊維複合材料から形成されている、請求項1から14までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項17】
力伝達装置がスリーチャンネルシステムとして、流体力学的なコンポーネント(2)の作業室との連通のための第1の接続部(17)と、流体力学的なコンポーネント(2)の外周面とケーシング(7)との間の中間室(24)の連通のための第2の接続部(18)と、圧力媒体で負荷するための、ピストンエレメント(21)に対応配置された圧力室(25)との連通のための第3の接続部(20)とを有して構成されている、請求項1から16までのいずれか1項記載の力伝達装置。
【請求項18】
流体力学的なコンポーネント(2)が流体力学的な回転数/トルク変換器(6)として構成されており、少なくともさらに1つのガイドホイール(L)を有している、請求項1から17までのいずれか1項記載の力伝達装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【公開番号】特開2008−82552(P2008−82552A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254000(P2007−254000)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(390009070)ルーク ラメレン ウント クツプルングスバウ ベタイリグングス コマンディートゲゼルシャフト (236)
【氏名又は名称原語表記】LuK Lamellen und Kupplungsbau  Beteiligungs KG
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 3, D−77815 Buehl, Baden, Germany