説明

加入者情報管理方法

【目的】 リモート・パケット多重化装置を介してパケット交換機に収容されている端末の加入者情報を網管理装置から変更でき、さらにこれら装置に格納されている加入者情報の不整合による通信不能を回避可能なパケット交換網における加入者情報管理方法を提供する。
【構成】 リモート・パケット多重化装置2を介して収容する端末の加入者情報をパケット交換機1Aに格納しておき、加入者情報変更指示に応じて網管理装置6より変更差分情報を送出し、パケット交換機1Aの加入者情報を一部変更し、さらにリモート・パケット多重化装置2の加入者情報も変更する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リモート・パケット多重化装置を介してパケット交換機に収容されるの端末回線に加入者端末の加入者情報について管理するパケット交換網における加入者情報管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来のパケット交換網における加入者情報管理方法を示す構成図である(例えば、特開平1−166643号公報)。同図において、201,201Aはパケット交換機、202,202Aは各パケット交換機201,201Aのデータ端末回線(以下、DTE回線という)に接続される加入者端末、203はパケット交換網、204はパケット交換機201,201Aがそれぞれ収容する各加入者端末202,202Aを集中管理する網管理装置である。
【0003】このようなパケット交換網において、あるパケット交換機201AのDTE回線に接続されている加入者端末202Aに対して、新規登録、廃止、または契約条項の変更等の理由によりその加入者情報の内容変更が必要となった場合、まず保守作業員が網管理装置204にこの加入者端末202Aに関する変更情報を入力する。これに応じて、網管理装置204はこの加入者端末202Aが接続されているパケット交換機201Aに対して、あるいは必要に応じてパケット交換網203を形成する他のパケット交換機201に対しても、更新された新たな加入者情報を通知し、続いてパケット交換機201Aあるいは201が、この通知により交換機自身の外部記憶装置に格納している加入者情報ファイルの対応する箇所を変更することにより加入者端末202Aに対応する加入者情報が変更される。
【0004】また、近年、パケット交換網において、パケット多重化機能を備えて低トラフィックのパケット通信を行う複数の加入者端末を収容するリモート・パケット多重化装置が使用されるようになり、このリモート・パケット多重化装置を介してパケット交換機に多数の加入者端末を効率よく収容できるようになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、このように加入者端末202Aがパケット交換機201AのDTE回線に直接接続されるのではなく、リモート・パケット多重化装置を介してパケット交換機201Aに接続されている場合、従来のパケット交換網における加入者管理方法では、リモート・パケット多重化装置により加入者情報が管理されているため、網管理装置204からこれを管理変更することは困難となり、保守作業員が現地まで出向いて管理情報を変更する必要があった。さらに、リモート・パケット多重化装置において網管理装置204からの通知により加入者情報を変更できる手段を設けた場合、加入者情報設定中にこのリモート・パケット多重化装置とこれを収容するパケット交換機を接続するDTE回線に何らかの障害が発生した場合には、両者の管理情報に不整合が生じ運用上不具合が発生するというような問題点があった。
【0006】本発明はこのような課題を解決するためのものであり、パケット交換機のDTE回線に収容されたリモート・パケット多重化装置の加入者情報を変更する場合でも、パケット交換機のDTE回線に直接接続されている加入者端末の加入者情報を変更する場合と同様、網管理装置からでもリモート制御により変更可能なパケット交換網における加入者情報管理方法を提供することを目的としている。また、網管理装置およびリモート・パケット多重化装置の加入者情報に不整合が発生することを防止し、または不整合が発生した場合には即時に復旧可能なパケット交換網における加入者情報管理方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明による加入者情報管理方法は、複数の加入者端末を収容するリモート・パケット多重化装置に加入者端末に関する加入者情報を記憶し、パケット交換機内にリモート・パケット多重化装置を介して収容された加入者端末に関する加入者情報ファイルを設けるとともに、これらパケット交換網を管理する網管理装置内に全ての加入者端末に関する加入者情報データベースを設けて、加入者端末に関する加入者情報の変更指示に応じて、加入者情報データベースに基づくこの加入者情報に対する変更差分情報を網管理装置からパケット交換機に送出し、加入者情報ファイルにおけるこの加入者端末に対応する箇所を変更するとともに、このパケット交換機とリモート・パケット多重化装置とを結ぶDTE回線上に、通信毎のリンク設定動作を省略できるPVC(Permanent Virtual Circuit )方式(CCITT勧告X.25準拠)に基づく特定のPVC論理チャネルを予め定義しておき、これを使用してパケット交換機から加入者情報の変更制御指示を送出して、リモート・パケット多重化装置内の加入者情報におけるこの加入者端末に対応する箇所を変更するようにしたものである。
【0008】また、リモート・パケット多重化装置に加入者端末に関する加入者情報を記憶するとともに、パケット交換機内にこのパケット交換機が直接収容する加入者端末およびリモート・パケット多重化装置を介して収容する加入者端末に関する加入者情報ファイルを設けて、リモート・パケット多重化装置の立ち上げ動作に応じて予め定義しておいた特定のPVC論理チャネルを使用して、加入者情報ファイルからリモート・パケット多重化装置に対応する加入者情報を読み出してこのリモート・パケット多重化装置に一括して送出し、リモート・パケット多重化装置内に記憶されている加入者情報を一括変更するようにしたものである。
【0009】また、リモート・パケット多重化装置に加入者端末に関する加入者情報を記憶し、パケット交換機内にリモート・パケット多重化装置を介して収容された加入者端末に関する加入者情報ファイルを設けるとともに、これらパケット交換網を管理する網管理装置内に全ての加入者端末に関する加入者情報データベースを設けて、リモート・パケット多重化装置に対する加入者情報一括ダウンロード指示に応じて、このリモート・パケット多重化装置に収容された加入者端末に関する加入者情報を一括データとして加入者情報データベースから読み出してパケット交換機へ送出し、パケット交換機の加入者情報ファイルにおけるこのリモート・パケット多重化装置に対応する箇所を一括変更するとともに、このパケット交換機からリモート・パケット多重化装置に対し予め定義しておいた特定のPVC論理チャネルを使用して一括データを転送して、このリモート・パケット多重化装置内の加入者情報を一括変更するようにしたものである。
【0010】
【作用】従って、網管理装置への任意の加入者端末に加入者情報変更指示に応じて加入者情報データベースに基づく変更差分情報が対応するパケット交換機、すなわちこの加入者端末をリモート・パケット多重化装置を介して収容するパケット交換機に送出されて、このパケット交換機内の加入者情報ファイルのうちこの加入者端末に対応する加入者情報が変更される。さらにこのパケット交換機から予め定義しておいた特定PVC論理チャネルを介して対応するリモート・パケット多重化装置に変更指示が送出され、これに応じてこのリモート・パケット多重化装置のこの加入者端末に対応する加入者情報が変更される。
【0011】また、リモート・パケット多重化装置の立ち上げ動作に応じて、これを収容するパケット交換機から対応する加入者情報を一括して送出し、これに応じてリモート・パケット多重化装置の加入者情報ファイルを一括変更される。また、網管理装置への任意のリモート・パケット多重化装置に対する一括ダウンロード指示に応じて、このリモート・パケット多重化装置に対応する加入者情報が一括データとしてこのリモート・パケット多重化装置を収容するパケット交換機へ送出され、このパケット交換機内の加入者情報ファイルが変更されるとともに、この一括データがこのパケット交換機からさらにこのリモート・パケット多重化装置に転送されて、このリモート・パケット多重化装置内の加入者情報が一括して更新される。
【0012】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例であるパケット交換網の構成図である。図1において、1,1Aはパケット交換機、2はリモート・パケット多重化装置、3,3Aはリモート・パケット多重化装置2に収容されている加入者端末、4はパケット交換機に直接収容されている加入者端末、5は複数のパケット交換機1,1Aで構成されるパケット交換網、11,11AはDTE回線、21,21Aは端末回線であり、特に加入者端末3Aは端末回線21Aを介してリモート・パケット多重化装置2に接続されているとともに、このリモートパケット多重化装置2はDTE回線11Aを介してパケット交換機1Aに接続されている。
【0013】また、6はパケット交換網5の網管理装置であり、その内部にこのパケット交換網5を利用する全ての加入者端末3,3A,4に関する加入者情報を格納した管理用のデータベース61、その外部に各種管理指示を入力・確認する入力装置62を備えるものである。
【0014】図2は、パケット交換機1Aを示すブロック図であり、同図において12はリモート制御インターフェース部121とリモート・パケット多重化装置2への加入者情報を一括転送する一括データ転送処理部122からなる装置管理プロセッサ、13はDTE回線11に接続されている加入者端末4の加入者情報を格納するパケット交換機加入者情報ファイル131とDTE回線11Aに接続されているリモート・パケット多重化装置2を介して収容する加入者端末3,3Aの加入者情報を格納するリモート・パケット多重化装置加入者情報ファイル132からなる加入者情報外部記憶装置、14は通信制御装置、15は他のパケット交換機1と接続する中継回線、16は内部システムバスを示している。
【0015】図3は、リモート・パケット多重化装置2を示すブロック図であり、同図において21,21Aは端末回線、22は加入者情報受信処理部221と加入者情報の一括データ要求送信処理部222からなる装置管理プロセッサ、23はリモート・パケット多重化装置内での通信処理で参照される加入者情報テーブル、24は通信制御装置、25はパケット交換機側のDTE回線と接続する網側回線、26は内部システムバスを示している。
【0016】図4は、パケット交換機1Aの外部記憶装置13に格納されているパケット交換機加入者情報ファイル131内部の情報構成を示す構成図である。同図において、131aは加入者アドレス情報131b、DTE種別131c、回線属性情報131d、ファシリティ登録情報131e等からなる加入者情報であり、個々のDTE回線に接続されている加入者端末3,3Aに対応して、DTE回線数分設けられている。
【0017】図5は、パケット交換機1Aの外部記憶装置13に格納されているリモート・パケット多重化装置加入者情報ファイル132内部の情報構成を示す構成図である。同図において、132aはこのリモート・パケット多重化装置2が収容されているDTE回線番号132b、このリモート・パケット多重化装置2の各端末回線に接続されている加入者端末3,3Aに関する加入者情報132cからなるリモート・パケット多重化装置情報であり、さらに各加入者情報132cは加入者アドレス情報132d、回線属性情報132e、ファシリティ登録情報132f等から構成されている。
【0018】次に、本発明における第1の実施例として、網管理装置6からリモート・パケット多重化装置2に接続されている加入者端末3Aに関する加入者情報を変更する場合の加入者情報変更処理動作について図6を参照して説明する。図6は、図1における網管理装置6およびパケット交換機1間、またパケット交換機1およびリモート・パケット多重化装置2間において、それぞれパケット交換網5およびDTE回線11Aを介して行われるリモート・パケット多重化装置の加入者情報変更処理手順を示すシーケンス図である。
【0019】まず、網管理装置6の入力装置62においてリモート・パケット多重化装置2の加入者端末3に関する加入者情報を変更入力すると、網管理装置6は加入者情報データベース61に基づきその加入者端末3について変更前の加入者情報と変更後の加入者情報との差分情報を生成し、これを変更差分情報パケット71としてパケット交換網5を介してそのリモート・パケット多重化装置2が収容されているパケット交換機1Aへ送信される。パケット交換機1Aの装置管理プロセッサ12内にあるリモート制御インターフェース部121は、この変更差分情報パケット71の受信に応じて、まず外部記憶装置13内のパケット交換機加入者情報ファイル131を参照して、受信した変更差分情報パケット71がどのDTE回線11,11Aに該当するものかを検索するとともに、検索されたDTE回線11AにおけるDTE種別131cを調べる。
【0020】ここで検索されたDTE回線11Aに接続されているものがリモート・パケット多重化装置2である場合には、さらに外部記憶装置13内のリモート・パケット多重化装置加入者情報ファイル132を参照して、受信した変更差分情報パケット71がどの端末回線21,21Aに該当するものかを検索するとともに、検索した端末回線21Aに対応する加入者情報132cの内容すなわち加入者アドレス132d、回線属性情報132e、ファシリティ登録情報132fをこの変更差分情報パケット71の内容に従って書き換えた後、DTE回線11Aの特定PVC論理チャネルを介してこの加入者端末を収容するリモート・パケット多重化装置2に対して、この加入者端末に対応する加入者情報を変更指示する変更制御指示パケット72を送信する。
【0021】なお、このPVC論理チャネルとは、CCITT勧告X.25に準拠した端末間の通信リンクを制御する交換制御方式の1つであるPVC(Permanent Virtual Circuit )方式に基づき、予め設定されている論理チャネルのことであり、この特定PVC論理チャネルを予め定義しておくことにより、通信毎に通信チャネルの確保を含む通信リンク設定に関する処理を省略するものである。
【0022】リモート・パケット多重化装置2は、受信した変更制御指示パケット72の内容に従って加入者情報テーブル23上の加入者端末3Aに対応する加入者情報を書き換えた後、変更指示に対する応答として変更制御応答パケット73をDTE回線11Aの特定PVC論理チャネルを介してパケット交換機1Aに返送する。この変更制御応答パケット73を受信したパケット交換機1Aは、変更差分情報パケット71に対する応答として、変更差分情報応答パケット74をパケット交換網5を介して網管理装置6に返送し、この変更差分情報応答パケット74の受信に応じて、網管理装置6は加入者情報用データベース61を更新することにより、一連の加入者情報変更処理が完了する。
【0023】次に、本発明における第2の実施例として、リモート・パケット多重化装置2の立ち上げ動作時にこの装置が接続されているパケット交換機1Aとの間で加入者情報を自動的に整合させる加入者情報自動整合処理動作について図7を参照して説明する。図7は、リモート・パケット多重化装置2の立ち上げ動作時にパケット交換機1Aとの間で行われる加入者情報自動整合処理手順を示すシーケンス図である。まず、リモート・パケット多重化装置2の立ち上げ時のイニシャル処理において、装置管理プロセッサ22の加入者情報一括データ要求送信処理部222により、接続されているパケット交換機1Aに対してDTE回線11Aの特定PVC論理チャネルを介して、加入者情報の一括転送を要求する一括転送要求パケット81を送信する。
【0024】この一括転送要求パケット81の受信に応じて、パケット交換機1Aの装置管理プロセッサ12内の一括データ転送処理部122は、外部記憶装置13のリモート・パケット多重化装置加入者情報ファイル132を参照して、このリモート・パケット多重化装置2に関する加入者情報すなわちこのリモート・パケット多重化装置2に収容されている全ての加入者端末に対応する加入者情報を読み出し、これを一括データパケット82としてDTE回線11Aの特定PVC論理チャネルを介してリモート・パケット多重化装置2へ転送する。
【0025】この一括データパケット82の受信に応じて、リモートパケット多重化装置2が自装置内の加入者情報テーブル23に展開することにより、接続されているパケット交換機1A内にある加入者情報とリモートパケット多重化装置2内にある加入者情報とが自動的に整合されたことになり、一連の加入者情報自動整合処理が完了する。従って、このリモート・パケット多重化装置2は、パケット交換機1Aに格納されている加入者情報に整合した新たな加入者情報に基づき、収容する各加入者端末3の通信管理処理を開始する。
【0026】次に、本発明における第3の実施例として、網管理装置6、パケット交換機1Aおよびリモート・パケット多重化装置2にそれぞれ格納されている加入者情報に不整合が発生した場合に、これら各装置間で加入者情報を整合させる加入者情報一括ダウンロード処理動作について図8を参照して説明する。図8は、網管理装置6、パケット交換機1Aおよびリモート・パケット多重化装置2間で行われる加入者情報の一括ダウンロード処理手順を示すシーケンス図である。
【0027】加入者情報整合の必要に応じて入力装置62より入力された一括ダウンロード指示に応じて、網管理装置6は対応するリモート・パケット多重化装置2に関する加入者情報すなわちリモートパケット多重化装置2に収容されている全ての加入者端末3に対応する加入者情報を加入者情報データベース61から読み出し、一括データパケット91としてパケット交換網5を介してパケット交換機1Aに送信する。
【0028】この一括データパケット91の受信に応じて、パケット交換機1Aの装置管理プロセッサ12内のリモート制御インターフェース部121は、外部記憶装置13に格納されているリモート・パケット多重化装置加入者情報ファイル132の対応する加入者情報を、受信した一括データパケット91の内容に従って書き換えるとともに、対応するリモート・パケット多重化装置2に対して、予め設定しておいたDTE回線11A上の特定PVC論理チャネルを介して一括データパケット92を送信する。
【0029】さらに、この一括データパケット92の受信に応じて、リモート・パケット多重化装置2の装置管理プロセッサ22内の加入者情報受信処理部221は、自装置内の加入者情報テーブル23の内容をこの一括データパケットの内容に応じて全面的に書き換えを行った後、一括データパケット92に対する応答として一括データ応答パケット93を、DTE回線11A上の特定PVC論理チャネルを介してパケット交換機1Aに返送する。この一括データ応答パケット93の受信に応じて、パケット交換機1Aの装置管理プロセッサ12内のリモート制御インターフェース部121はパケット交換網5を介して網管理装置6に対して一括データ応答パケット94を返送し、これにより網管理装置6、パケット交換機1Aおよびリモート・パケット多重化装置2にそれぞれ格納されている加入者情報が一致することになり、一連の加入者情報ダウンロード処理が完了する。
【0030】なお、上記各実施例において、パケット交換機1とリモート・パケット多重化装置2がDTE回線11Aにより接続されるとともに、この回線上に設定されたPVC論理チャネルを介して各種パケットが転送されるものについて説明した。これはこのような加入者情報を予め設定されたPVC論理チャネルを介して伝送することにより、通信リンク設定処理を省略でき通信効率が改善されるとともに、加入者情報を伝送するための通信チャネルを確保できず、加入者情報変更処理の不実施による運用上の不具合を防止するものであるが、両装置間における各種パケットを転送する手段としてこれと同様の専用のプロトコルにより実現してもよい。
【0031】さらに、上記各実施例において、パケット交換機1に接続されたリモート・パケット多重化装置2に対する加入者情報の配置および転送について説明したが、本発明によれば、パケット交換機に接続され遠隔地に設置されるパケット分解組立装置(PAD)に対する加入者情報の配置および転送についても同様に実現することが可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、パケット交換機のDTE回線にリモート・パケット多重化装置が収容される場合に、このリモート・パケット多重化装置の端末回線に収容される加入者端末に対応する加入者情報をパケット交換機の外部記憶装置内にも配置し、網管理装置からの加入者情報変更指示に応じてこれを変更するとともにリモート・パケット多重化装置内の加入者情報も変更するようにしたのである。従って、網管理装置からのリモート制御によりリモート・パケット多重化装置に収容されている加入者端末に関する加入者情報を変更することが可能となるとともに、リモート・パケット多重化装置の運転を停止することなく加入者情報の変更が可能となり、加入者端末に対する管理業務の効率が大幅に改善されるという格別な効果を奏するものである。
【0033】さらに、リモート・パケット多重化装置の立ち上げ動作時に、自装置に収容する加入者端末に対応する加入者情報をパケット交換機から自動的に転送されるようにし、また、網管理装置からの指令に応じて、網管理装置、パケット交換機およびリモート・パケット多重化装置にそれぞれ格納している加入者情報を一致させるようにしたものである。従って、何らかの理由でリモート・パケット多重化装置がシステムダウンした場合には、この装置の立ち上げ動作に応じてパケット交換機の加入者情報と整合性のある以前の運用状態に迅速に復旧させることが可能となり、また、加入者情報変更設定時に回線障害等により加入者情報の不整合が発生した場合でも、直ちに不整合を解消し正常運用を実現することが可能であるという格別な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるパケット交換網の構成図である。
【図2】図1のパケット交換機のブロック図である。
【図3】図1のリモート・パケット多重化装置のブロック図である。
【図4】パケット交換機加入者情報ファイルの構成図である。
【図5】リモート・パケット多重化装置加入者情報ファイルの構成図である。
【図6】加入者情報変更処理手順を示すシーケンス図である。
【図7】加入者情報自動整合処理手順を示すシーケンス図である。
【図8】加入者情報の一括ダウンロード処理手順を示すシーケンス図である。
【図9】従来のパケット交換網の構成図である。
【符号の説明】
1,1A パケット交換機
2 リモート・パケット多重化装置
3,3A,4 加入者端末
5 パケット交換網
6 網管理装置
61 加入者情報データベース
62 入力装置
11 DTE回線
12 装置管理プロセッサ
121 リモート制御インターフェース部
122 一括データ転送処理部
13 外部記憶装置
131 パケット交換機加入者情報ファイル
132 リモートパケット多重化装置加入者情報ファイル
21 端末回線
22 装置管理プロセッサ
221 加入者情報一括データ要求送信処理部
222 加入者情報受信処理部
23 加入者情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 パケット多重化機能を備えて複数の低トラフィック加入者端末を効率よく収容するリモート・パケット多重化装置に前記加入者端末に関する加入者情報を記憶し、パケット交換機内に前記リモート・パケット多重化装置を介して収容された前記加入者端末に関する加入者情報ファイルを設けるとともに、これらパケット交換網を管理する網管理装置内に全ての前記加入者端末に関する加入者情報データベースを設けて、前記加入者端末に関する加入者情報の変更指示に応じて、前記加入者情報データベースに基づくこの加入者情報に対する変更差分情報を前記網管理装置から前記パケット交換機に送出し、前記加入者情報ファイルにおける前記加入者端末に対応する箇所を変更するとともに、前記パケット交換機から前記リモート・パケット多重化装置に対し予め定義しておいた特定のPVC論理チャネルを使用して前記加入者情報の変更制御指示を送出して、前記リモート・パケット多重化装置内の加入者情報における前記加入者端末に対応する箇所を変更することを特徴とするパケット交換網における加入者情報管理方法。
【請求項2】 パケット多重化機能を備えて複数の低トラフィック加入者端末を効率よく収容するリモート・パケット多重化装置に前記加入者端末に関する加入者情報を記憶するとともに、パケット交換機内にこのパケット交換機が直接収容する加入者端末およびリモート・パケット多重化装置を介して収容する加入者端末に関する加入者情報ファイルを設けて、前記リモート・パケット多重化装置の立ち上げ動作に応じて予め定義しておいた特定のPVC論理チャネルを使用して、前記加入者情報ファイルからリモート・パケット多重化装置に対応する加入者情報を読み出して前記リモート・パケット多重化装置に一括して送出し、前記リモート・パケット多重化装置内に記憶されている加入者情報を一括変更することを特徴とするパケット交換網における加入者情報管理方法。
【請求項3】 パケット多重化機能を備えて複数の低トラフィック加入者端末を効率よく収容するリモート・パケット多重化装置に前記加入者端末に関する加入者情報を記憶し、パケット交換機内に前記リモート・パケット多重化装置を介して収容された前記加入者端末に関する加入者情報ファイルを設けるとともに、これらパケット交換網を管理する網管理装置内に全ての前記加入者端末に関する加入者情報データベースを設けて、前記リモート・パケット多重化装置に対する加入者情報一括ダウンロード指示に応じて、前記リモート・パケット多重化装置に収容された前記加入者端末に関する加入者情報を一括データとして前記加入者情報データベースから読み出して前記パケット交換機へ送出し、前記パケット交換機の前記加入者情報ファイルにおける前記リモート・パケット多重化装置に対応する箇所を一括変更するとともに、前記パケット交換機から前記リモート・パケット多重化装置に対し予め定義しておいた特定のPVC論理チャネルを使用して前記一括データを転送して、前記リモート・パケット多重化装置内の加入者情報を一括変更することを特徴とするパケット交換網における加入者情報管理方法。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開平6−209336
【公開日】平成6年(1994)7月26日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−2210
【出願日】平成5年(1993)1月11日
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)