説明

加圧ローラーを使用するマイクロコンタクトプリンティングのための装置及び方法

マイクロコンタクトプリンティングのための装置及び方法が説明される。マイクロコンタクトプリンティング装置は、平面スタンプと加圧ローラーとを含む。加圧ローラーは、空隙及びスタンプ崩壊等の印刷欠陥を低減する圧力に、流体によって膨張され得る、膨張可能な袋を含む。加圧ローラーと官能基化分子のインクでコーティングされたスタンプとの間に基材が配置される。加圧ローラーが基材上を移動すると、官能基化分子の少なくとも一部分が、所望のパターンでスタンプから基材に転写される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2009年12月22日に出願された米国特許仮出願第61/288,945号の利益を主張し、その開示内容の全体を参照として本明細書に援用する。
【0002】
(技術分野)
本開示は、基材上に自己組織化単層をパターン化するために使用されるマイクロコンタクト印刷プロセス及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロコンタクトプリンティングは、パターン化された自己組織化単層(SAM)を形成するように、化学結合を介して基材表面、例えばコーティングされた基材表面に連結される官能基化分子のパターンを生成するために使用することができる印刷技術である。SAMのマイクロコンタクトプリンティングを行うための基本的な方法は、レリーフパターン付きのエラストマー製スタンプ(例えばポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)スタンプ)に官能基化分子を含有するインクを適用する工程と、次に、スタンプと基材との間の接触領域にSAMを形成するように、インク付着スタンプを基材表面(通常は金属又は金属酸化物の表面)に接触させる工程と、を伴う。あるいは、エラストマースタンプは平坦であってもよく(つまり、レリーフパターンを含有しない)、基材表面はレリーフパターン付きであってもよい。マイクロコンタクトプリンティング方法を使用してプリントされたマイクロパターン付き有機及び無機材料は、金属化ポリマーフィルムなどの基材に独特の電気的、光学的及び/又は生物学的特性を提供できる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のいくつかの実施形態は、マイクロコンタクトプリンティング方法を対象とする。マイクロコンタクトプリンティング方法は、官能基化分子を含む平面インク付着スタンプを提供する工程を伴う。基材の第1の表面は、インク付着スタンプの表面に向かって配向される。加圧ローラーが基材の第2の表面上で転動すると、基材の第1の表面とインク付着スタンプの表面との間に接触が生じる。加圧ローラーは、流体によって加圧される膨張可能な袋を含む。官能基化分子の少なくとも一部分が、平面インク付着スタンプの表面から基材の第1の表面に転写される。
【0005】
本発明の別の実施形態は、マイクロコンタクトプリンティング装置を伴う。装置は、平面スタンプと、流体によって加圧されるように構成された膨張可能な袋を含むローラーとを含む。加圧ローラーが平面スタンプに圧力を適用する間、作動装置は、スタンプの表面に実質的に平行な方向に、加圧ローラーとスタンプとの間の相対的移動を提供する。
【0006】
長手方向軸線を有するマイクロコンタクトプリンティングローラーは、流体によって加圧されるように構成された膨張可能な袋を含む。膨張可能な袋が20psi(平方インチ当たりのポンド)(137.9kPa)未満に膨張するとき、ローラーの外表面が、ローラーの長手方向軸線に沿った少なくとも5cmの幅に対して1cm(センチメートル)の幅当たり1mm(ミリメートル)未満の高さの変動を有するように構成される。
【0007】
上記の本発明の概要は、本発明のそれぞれの実施形態又はすべての実現形態を説明することを意図したものではない。本発明の利点及び効果、並びに本発明に対する更なる理解は、以下に記載する発明を実施するための形態及び特許請求の範囲を添付図面と併せて参照することによって明らかになり、理解するに至るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】加圧マイクロコンタクトプリンティングローラーを使用するマイクロコンタクトプリンティング装置を図示。
【図1B】加圧マイクロコンタクトプリンティングローラーの平面図。
【図2A】内部コアを有する加圧ローラーの平面図。
【図2B】袋が膨張するとき、コアから離れて拡張する外壁を有する膨張可能な袋の横断面図の図示。
【図2C】膨張可能な発泡体を含む膨張可能な袋の横断面図の図示。
【図2D】発泡体層上に配置されたエラストマー壁を含む膨張可能な袋の横断面図の図示。
【図3A】内側及び外側エラストマー壁を有する膨張可能な袋を含む加圧ローラーの平面図。
【図3B】内側及び外側エラストマー壁並びに加圧流体を含有する内部容積を有する膨張可能な袋の横断面図。
【図3C】内部及び外部エラストマー壁並びに内壁と外壁との間に配置される発泡体を有する膨張可能な袋の横断面図。
【図4A】エラストマー壁及び発泡体層は、袋が膨張するとき、ローラーのコアから離れて拡張する、外側エラストマー壁及び発泡体層を有する膨張可能な袋の横断面図。
【図4B】エラストマー壁及び発泡体層は、袋が膨張するとき、ローラーのコアから離れて拡張する、内側エラストマー壁及び発泡体層を有する膨張可能な袋の横断面図の図示。
【図4C】袋が膨張するとき、ローラーのコアから離れて拡張する発泡体層を有する膨張可能な袋の横断面図。
【図5A】ローラーのコア上に配置される発泡体層、及び袋が膨張するときに発泡体から離れて拡張する外側エラストマー壁を有する膨張可能な袋の横断面図。
【図5B】ローラーのコア上に配置される発泡体層、内側エラストマー壁、並びに袋が膨張するときに発泡体層及び内側エラストマー壁から離れて拡張する外側エラストマー壁を有する膨張可能な袋の横断面図。
【図6A】端部によって支持される膨張可能な袋を有する、コアのない加圧ローラーの平面図。
【図6B】外側エラストマー壁を有する膨張可能な袋を含む、コアのない加圧ローラーの横断面図。
【図6C】拡張可能な発泡体の膨張可能な袋を含む、コアのない加圧ローラーの横断面図。
【図6D】拡張可能な発泡体及び外側エラストマー壁を有する膨張可能な袋を含む、コアのない加圧ローラーの横断面図。
【図6E】勾配拡張可能な発泡体を有する膨張可能な袋を含む、コアのない加圧ローラーの横断面図。
【図7A】非円筒形コアを有する加圧ローラーを図示。
【図7B】非円筒形コアを有する加圧ローラーを図示。
【図8】長手方向に膨張可能な部分及びコアに沿って散在する膨張不可の部分を含む、加圧ローラーの例。
【図9】円周方向に膨張可能な部分及びコアの周囲に散在する膨張不可の部分を含む、加圧ローラーの例。
【図10A】分割された膨張可能な袋を含む加圧ローラーの例の図示。
【図10B】分割された膨張可能な袋を含む加圧ローラーの横断面。
【図11】未分割の膨張可能な袋の長手方向の高さの変動の図示。
【図12】マイクロコンタクトプリンティング装置の一部分の図。
【図13】加圧ローラーが基材上を移動しているときのある時点のマイクロコンタクトプリンティング装置の別の視野からの図の提供。
【図14】加圧ローラー及び加圧ローラーを回転させるように構成されたモーター式装置を図示するダイアグラム。
【図15】マイクロコンタクト印刷プロセスのフローチャート。
【図16】空隙欠陥がある印刷済み試料の領域の光学顕微鏡写真(透過モード)。
【図17】欠陥がない印刷済み試料の領域の光学顕微鏡写真(透過モード)。
【図18】崩壊欠陥がある印刷済み試料の領域の光学顕微鏡写真(透過モード)。 本発明は種々の修正及び代替の形態に容易に応じるが、その細部は一例として図面に示しており、また詳しく説明することにする。ただし、本発明は記載される特定の実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、付随する請求項によって定義される本発明の範囲内に入る修正、等価物、及び代替物すべてを網羅することを意図するものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において、本発明の様々な実施形態を図示する添付の図面を参照する。他の実施形態が利用されてもよく、構造的及び機能的な変更が、本発明の範囲から逸脱することなくこれらの実施形態になされてもよいことが理解されるべきである。
【0010】
マイクロコンタクトプリンティングは、スタンプからの基材への官能基化分子の転写を伴う印刷技術である。スタンプ又は基材は、レリーフパターン付き表面を含む。官能基化分子は、化学結合を介して基材の表面に付着し、所望するパターンの自己組織化単層(SAM)を形成する。マイクロコンタクトプリンティングを使用して、欠陥なしに所望のパターンでスタンプから表面に官能基化分子を転写する能力は、スタンプの接触面積の基材に適用される局部圧力に依存する。
【0011】
本発明の実施形態は、マイクロコンタクトプリンティング装置で使用されてもよい膨張可能な袋を有するマイクロコンタクトプリンティング用の加圧ローラーを例示する。加圧ローラーを使用して、スタンプと接触する前面を有する基材の後面に、比較的低く、かつ実質的に均一な圧力を与えることができる。このアプローチは、パターンなしの領域に崩壊することなく、スタンプから基材の前面に所望のパターンで十分な量の官能基化分子を転写させることを示した。本明細書に記載される加圧ローラーを使用するマイクロコンタクトプリンティングを使用して、低密度のパターン幾何学形状を伴うSAMを確実にパターン化することができる。
【0012】
本明細書に記載される加圧ローラーは、平面スタンプとの併用において特に有用である。「平面スタンプ」とは、別の材料(例えば、分子)をその印刷表面から基材に転写させるエラストマー材であり、印刷表面は全体的に平面の形状を有する。平面であるスタンプの印刷表面、平面であるスタンプは、「平坦」であってもよく、つまり、レリーフパターンを持たなくてもよい。あるいは、平面であるスタンプの印刷表面、よって平面であるスタンプは、レリーフパターンを含んでもよく、いくつかの実施形態では、レリーフパターンは微細である。更に明確にするために、平面スタンプは、レリーフパターンを必ずしも欠くわけではない。また更に明確にするために、平面スタンプは、平坦である必要はない。
【0013】
低密度パターン幾何学形状は、スタンプ崩壊(又はルーフ崩壊)という特別な課題を提示する。「スタンプ崩壊」というのはつまり、スタンプが、スタンプの隆起特色間の領域で基材と望ましくない接触を持つことである。例えば、隆起領域と陥凹領域を含むレリーフパターン付きスタンプ表面と接触する平坦な基材において、スタンプ崩壊は、陥凹スタンプ表面領域における基材表面とスタンプ表面との間の望ましくない接触を指す。別の例として、隆起領域及び陥凹領域を含むレリーフパターン付き基材表面に接触する平坦なスタンプにおいて、スタンプ崩壊は、陥凹基材表面領域におけるスタンプ表面と基材表面との間の望ましくない接触を指す。
【0014】
本明細書に記載される方法及び装置が有益である低密度パターンは、小パターン要素の間隔をあけた配列(例えば、アレイ)を含む。パターン要素には、線、ドット、及び多角形が含まれる。パターン要素は、その形状、配向、及び寸法に関して記述可能である。寸法に関して、パターン要素は、その最小寸法、例えば、線要素の幅に関して記述可能である。本明細書に記載される方法及び装置は、約10ミクロン未満の最小寸法の小パターン要素において特に有益である。方法及び装置のいくつかの実施形態では、パターン要素の最小寸法は、約5ミクロン未満である。
【0015】
更に本明細書に記載される装置が有益である低密度パターンに関して、隣接したパターン要素間の間隔は大きくてもよい。隣接したパターン要素間の間隔の例としては、平行線間の間隔、正方格子を画定する線の形態で線状パターンにより画定される正方形の幅、及び六角形の網状組織を画定する線の形態でパターン要素により画定される六角形の対向する面の間の間隔が挙げられる。例えば、様々な実施形態では、隣接するパターン要素間の間隔は、約50ミクロンを超える、又は約100ミクロンを超える、又は約200ミクロンを超える、又は約300ミクロンを超える、又は約400ミクロンを超える、又は更に約500ミクロンを超えてもよい。
【0016】
本明細書に報告される方法及び装置は、限定されたレリーフを有するスタンプ、又は限定されたレリーフを有する基材を用いたマイクロコンタクトプリンティングに特に有益である。より具体的には、本明細書に報告される方法及び装置は、約10ミクロン以下のレリーフを有するスタンプ又は基材を用いたマイクロコンタクトプリンティングに特に有益である。本明細書に報告される方法及び装置は、約5ミクロン以下のレリーフを有するスタンプ又は基材を用いたマイクロコンタクトプリンティングにも有益である。
【0017】
上に記載されるスタンプ崩壊は、マイクロコンタクト印刷済みパターンに欠陥をもたらす可能性がある。より具体的には、スタンプと基材との間の望ましくない接触は、官能基化分子の基材表面への望ましくない転写をもたらす可能性がある。コーティングされた基材の場合において、官能基化分子の印刷済みパターンが、コーティングの少なくとも一部分を除去するためのエッチング工程でマスクとして同時に使用されるとき、スタンプ崩壊は、望ましくなく、エッチング後に意図されるパターンに相補的である領域の基材表面上にコーティング材料の存在をもたらす可能性がある。一般に、スタンプ崩壊及びその結果生じるアーチファクトは、スタンピング圧が所与のパターン幾何学形状にとって高すぎるときに生じる場合がある。
【0018】
スタンプ崩壊とは対照的に、他の欠陥は、スタンピング圧が非常に低いときに生じる場合がある。例えば、スタンピング圧があまりに低いと、官能基化分子のスタンプから基材への効果的な転写をもたらす十分に親密で、連続した、完全な接触が起こらない場合がある。官能基化分子の印刷済みパターンがエッチレジストとして機能することが意図されるとき、スタンプと基材との間の十分に親密な、連続した、又は完全な接触の欠如、及び官能基化分子のスタンプから基材への転写(例えば、完全に所望する自己組織化単層のパターンを形成するため)において得られる欠陥は、エッチングが遮断されることが意図されたパターンの領域で望ましくないエッチングをもたらす場合がある。望ましくないエッチングは、基材上のコーティング材料のエッチングパターンの望ましくない薄化をもたらす場合がある。又は、望ましくないエッチングは、基材上のコーティング材料のエッチング済みパターンに望ましくない空隙をもたらす場合がある。
【0019】
今しがた記載したように、スタンプ崩壊印刷欠陥の回避及びスタンプと基材との間の不適切な接触に関連する印刷欠陥の回避は、一般に、マイクロコンタクト印刷プロセスパラメーター(例えば、印刷圧)及び機器設計の点から、相反する目的である。いくつかのパターン、レリーフレベル、及び材料(例えば、スタンプ及び基材)において、これらの相反する目的を達成することは特に困難である。そして重要なことに、ますます大きな面積に渡るマイクロコンタクトプリンティングの場合、上記の相反する目的を達成することは、劇的に、より困難になる。本明細書に記載される方法及び装置は、商業的に関連する面積に渡るマイクロコンタクトプリンティングの場合、スタンプ崩壊欠陥の回避及びスタンプと基材との間の不適切な接触に関連する欠陥の回避の矛盾する課題に対処することが判明した。方法及び装置は、例えば、100平方センチメートルを超える、200平方センチメートルを超える、又は更に1000平方センチメートルを超える面積に渡るマイクロコンタクトプリンティングに有用である。
【0020】
別のマイクロコンタクトプリンティング欠陥は、不正確な特色寸法又は形状(すなわち、パターンの忠実性の欠如)である。印刷におけるこの忠実性の欠如は、印刷圧及びその関連する作用であるスタンプ又は基材の変形を含む、いくつかの要因から生じる場合がある。本明細書に記載される方法及び装置は、パターンの忠実性、特にパターンの幾何学形状(これもまた説明される)についての忠実性を強化する。
【0021】
本明細書に記載されるマイクロコンタクトプリンティングのアプローチは、平面スタンプ、及びローラーの外表面上に配置されるマイクロコンタクトスタンプ要素を含まない加圧マイクロコンタクトプリンティングローラーの使用を伴う。本明細書に記載されるアプローチは、ローラーの外表面上に配置されるマイクロコンタクトスタンプ要素を含む変形可能なスタンプローラーを利用するマイクロコンタクトプリンティングと区別することができる。
【0022】
印刷中の表面圧を改善するための、表面上に配置されたマイクロコンタクトパターン要素を有する変形可能なスタンプローラーの使用は、パターンの忠実性の保存に関する課題を提示する。変形可能なスタンプローラーが加圧されると、圧力から生じる変形により、正確なパターン設計を確実にするのが困難となることを当業者は理解するであろう。対照的に、本開示の方法及び装置は、この課題を克服する。本開示は、スタンプの変形を回避する方法及び装置を教示する。
【0023】
図1〜11は、膨張可能な袋を含むマイクロコンタクトプリンティング用の加圧ローラーの様々な例を図示する。加圧ローラーは、比較的柔らかい外表面を有する。材料の硬度は、所与の力における材料の凹部の深さを特徴とする。ASTM D2240に記載されるジュロ硬度(Alfred F Shoreにより定義される)にはいくつかの尺度がある。ジュロ硬度におけるそれぞれの尺度は0〜100の範囲であり、材料の硬度は数値とともに増加する。本明細書に記載される方法及び装置は、外表面の硬度に関して制限される必要はないが、本明細書に記載される加圧ローラーのいくつかの外表面は、約30〜約80のシェアAの範囲のジュロ硬度を有する。
【0024】
膨張可能な袋は、流体によって膨張可能な袋の外側の圧力、すなわち周囲気圧を超える圧力に加圧することができる任意の構造であり得る。例えば、膨張可能な袋は、約1.5〜2.5psi(約10.3〜17.2kPa)の範囲で加圧され得るか、又は約1〜3psi(約6.89〜20.7kPa)の範囲で加圧され得るか、あるいは約10psi(約68.9kPa)未満若しくは約20psi(約137.9kPa)未満に加圧され得る。
【0025】
袋は、剛性で中実の不透過性材料(例えば、ステンレススチールディスク)で作製され得る支持体、すなわち端キャップによりそれぞれの端部で蓋をされる又は栓をされる、薄いエラストマー壁を備える中空の円筒の形状をとってもよい。いくつかの例では、袋は、剛性の円筒形のコア等の、コアにより支持されてもよい。膨張可能な袋は、コアに連結されるか、又は「スリーブ」のようにコア上に取り付けられてもよい。スリーブ型の膨張可能な袋は、常時コアに連結されなくてもよく、取り外し可能であってもよい。
【0026】
いくつかの構成では、膨張可能な袋は、袋の内部と外環境との間の圧力差を維持することができる1つ以上のエラストマー壁、例えば、内部容積を封入し、加圧時に拡張する壁又は外皮を有してもよい。いくつかの構成では、壁は、加圧流体に実質的に又は完全に不透過性であってもよい。いくつかの構成では、膨張可能な袋は、壁を有さなくてもよいが、少なくともある時間量の間加圧され得る発泡体、例えば連続気泡発泡体を含んでもよい。
【0027】
本明細書で使用される用語、膨張可能な袋は、袋の内部と外環境との間の圧力差を無限に支持可能である必要はない。むしろ、加圧されたときに袋の材料が、ある量の流体を漏出することは本開示の範囲内である。例えば、袋が連続気泡発泡体を含む場合、流体は発泡体の外表面のすべて又は一部分を通して漏出してもよい。別の例として、袋が加圧された内部容積を封入するエラストマー壁を含む場合、壁の透過性の程度により、流体はエラストマー壁のバルブを通して漏出してもよい、かつ/又は壁を通して直接漏出してもよい、かつ/又は別の流出経路を介して漏出してもよい。
【0028】
膨張可能な袋は、流体が袋に流入できる、かつ/又はそこから流出できる1つ以上の流体入力/出力バルブを含んでもよい。膨張可能な袋に流入する又はそこから流出する流体の量は、膨張可能な袋内の所定の圧力を達成する、かつ/又は維持するために制御されてもよい。例えば、印刷操作前に、膨張可能な袋内の圧力は、所定の圧力に調節されてもよい。加えて、又は代替として、印刷操作中、膨張可能な袋内の圧力は、所定の圧力を維持するように調節されてもよい。圧力の調節は、積極的に流体を袋に送達すること、又は流体を膨張可能な袋から漏出させる、あるいはいくつかの構成では、所定の圧力を維持するために、膨張可能な袋から流体を積極的に除去することを伴う。いくつかの構成では、流体が膨張可能な袋から同時に流出しながら、流体は膨張可能な袋に流入してもよい。
【0029】
いくつかの構成では、膨張可能な袋は、膨張可能な袋が加圧されると拡張する1つ以上のエラストマー壁を含む。袋の壁は、例えば、厚さが約0.1ミリメートル〜約3ミリメートルの範囲であってもよい。いくつかの構成では、エラストマー壁内の膨張可能な袋の内部は、実質的に加圧流体以外の材料を含まない。これらの実装において、膨張可能な袋は、内部構造支持体、例えば、膨張可能な袋の内部内に剛性又は可撓性の支持体を含まない。
【0030】
いくつかの構成では、膨張可能な袋は、加圧流体の内部容積を封入する薄いエラストマー壁を含まなくてもよいが、代わりに発泡体、例えば、周囲気圧を超える圧力に膨張させることができる連続気泡発泡体を含んでもよい。いくつかの構成では、膨張可能な袋は、エラストマー壁の下又はその間の膨張可能な袋の内部に配置される発泡体を有する1つ以上のエラストマー壁を含んでもよい。
【0031】
マイクロコンタクトプリンティング操作中、加圧ローラーは、基材の第2の表面に渡り並進する、かつ/又は回転し、基材の第1の表面を移動させ、スタンプ表面と接触させる。よって、加圧ローラーは、基材を通して圧力をスタンプに付与する。膨張可能な袋中の流体の圧力は、所望のマイクロコンタクトプリンティング性能を生成するスタンプ上に圧力を達成するように選択され得る。いくつかの実装では、スタンプ上の圧力は、実質的に膨張可能な袋内の圧力と等しい。スタンプ上の圧力と膨張可能な袋内の圧力との間の実質的に等しい圧力は、膨張可能な袋の壁及び/又は発泡体用に薄くて柔らかい材料を有する膨張可能な袋を使用することにより達成することができる。
【0032】
図1Aは、本発明の実施形態に従う加圧ローラー160を含む、マイクロコンタクトプリンティング装置100の例の側面図を示す。図1Aは、マイクロコンタクトプリンティング操作中のマイクロコンタクトプリンティング装置を図示する。エラストマースタンプ140は、スタンプ140の表面141上にレリーフパターン142を含む。例えば、いくつかの用途では、レリーフパターン142は、スタンプ140の表面141上に約100mmを超える面積を有してもよい。官能基化分子は、レリーフパターン142の隆起特色上に存在する。基材150は、基材150の第1の表面151がスタンプ表面141に向かって配向され、基材150の第2の表面152が加圧ローラー160に向かって配向される、スタンプ140と加圧ローラー160との間に配置される。加圧ローラー160が基材150の第2の表面152に対してx方向に移動すると、加圧ローラー160は、基材の第2の表面152を通してスタンプ表面141に圧力を付与する。マイクロコンタクトプリンティング操作中、スタンプ表面141上のレリーフパターン142からの官能基化分子は、第1の基材表面151に転写する。別の実施形態では、レリーフパターンは、基材の第1の表面上に配置されてもよく、スタンプは、平坦、すなわちマイクロコンタクトレリーフパターンなしであってもよい。レリーフパターン付きのスタンプを使用する装置に基づく例が本明細書に提供されるが、これらの例は、レリーフパターン付きの基材の使用も包含することを理解する。
【0033】
図1Bは、ローラー160の高さにおいて長手方向の変動を示す加圧マイクロコンタクトプリンティングローラー160の平面図である。加圧されるとき、ローラー160は、ローラー160の長手方向軸線199に沿って少なくとも5cmの幅Δwに対する幅の1cm当たり約1mm未満の高さΔhの変動を有する。
【0034】
図2Aは、マイクロコンタクトプリンティング装置に有用である加圧ローラー200の例の平面図を示す。ローラー200は、任意の横断面形状、例えば円、楕円、半円、又は四分円等を有してもよいコア220を含む。いくつかの実施形態では、コア220は、実質的に円筒形のコアを含む。コア220は、剛性若しくは可撓性、中実若しくは中空であってもよい、並びに/又は金属、セラミック、プラスチック、及び/若しくは他の適切な材料で作製されてもよい。コア220は、回転する能力を有する。例えば、コア220は、プリント基材に接触しながら1回以上の360°の全回転を行うか、又はいくつかの実装では、プリント基材に接触しながら360°未満の回転を行うことができる。加圧ローラー200は、流体、例えば液体又は気体によって周囲気圧を超える圧力に膨張させることができる膨張可能な袋250を含む。加圧流体は空気であってもよい。この実施形態では、コア220及び膨張可能な袋250は同軸である。膨張可能な袋250は、膨張可能な袋250の内部260(図2B〜2Dに示される)に及び/又はそこから流体の流入及び/又は流出を可能にする、1つ以上の流体入力/出力バルブ299を含んでもよい。入力/出力バルブ299は、膨張可能な袋を加圧するように配列され、ローラーコア上、膨張可能な袋のエラストマー壁上に配置されてもよい、かつ/又は袋が連続気泡発泡体を含む場合、バルブは発泡体上に配置されてもよい。加圧ローラーのいくつかの実施形態は、図2Aに図示される膨張可能な袋250の外面上に位置するバルブを含んでもよい。中空又は中実なコア上に取り付けられる「スリーブ」として構成される膨張可能な袋を有する加圧ローラー、又は中空のコアを有する加圧ローラーの実施形態において、入力/出力バルブは、バルブへのアクセスがスリーブの内部を介して及び/又は中空のコアを通して達成されるように位置してもよい。
【0035】
図2B及び2Dの横断面ダイアグラムに図示されるように、膨張可能な袋250は、膨張可能な袋250の内部容積260内の加圧流体を保持する少なくとも1つの壁251を有することができる。壁251は、ローラーコア220の長さの少なくとも一部分に沿って配置されるエラストマー材を含む。エラストマー材は、膨張可能な袋250が所望の圧力に加圧させることができる任意の材料であることができる。いくつかの構成では、袋壁のエラストマー材は、ブナのゴム等の天然又は合成のゴムを含む。ブナのゴムは、モノマーの1つとしてブタジエンを含む。合成ゴムは、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、1,3−ブタジエン、クロロプレン(2−クロロ−1,3−ブタジエン)、及びイソブチレン(メチルプロペン)を含む様々なモノマーの架橋用の僅かな割合のイソプレンとの重合を伴うことができる。いくつかの構成では、外壁のエラストマー材は、発泡体、例えば独立気泡発泡体又は他の材料を含むことができる。
【0036】
膨張可能な袋250は、例えば、膨張可能な袋250内の圧力を保持するために、コア220(又は他の構造構成要素)に対して密封されるエラストマー壁251を1つだけ有してもよい。加圧されるとき、流体は、コア220とエラストマー壁との間の膨張可能な袋250の内部260に存在する。いくつかの実装では、膨張可能な袋250の内部260には、加圧流体以外の材料が実質的に存在しない。いくつかの実装では、剛性又は半剛性支持構造を持たない袋内部内の加圧流体のみの使用が、所望のマイクロコンタクトプリンティング性能を達成する。
【0037】
いくつかの実装では、図2C及び2Dに図示されるように、膨張可能な袋250は、膨張可能な袋250の内部260内に発泡体261、例えば、拡張可能な連続気泡発泡体を含んでもよい。発泡体261は、外壁251を伴って又は伴わずに使用されてもよい。図2Dは、外壁251を伴う膨張可能な袋250の内部260内での発泡体261の使用を図示する。図2Cは、外壁を伴わない膨張可能な袋250の内部260内での発泡体261の使用を図示する。図2Cに示すように、外壁を含まない構成では、発泡体261は、流体によって周囲気圧を超える圧力に膨張させることができる連続気泡発泡体であってもよい。
【0038】
発泡体に使用される材料は、意図される印刷用途及びテープ構造に必要とされる弾力性により広範に変動し得るが、典型的にはポリエチレン、ポリウレタン、シリコーン、若しくはエチレン−プロピレンジエン等の合成ゴム、又はスチレンに基づくもの等のブロックコポリマーが使用され得る。好ましくは架橋される発泡体は、1立方フィート当たり約2〜約50ポンドの密度を有する独立気泡材料又は連続気泡材料であり得る。膨張可能な袋(発泡体及び/又はエラストマー壁型)は、例えば、約20psi(約137.9kPa)未満又は約10psi(約68.9kPa)未満の圧力に加圧され得る。いくつかの実装では、膨張可能な袋は、約1〜3psi(約6.89〜20.7kPa)又は約1.5〜2.5psi(約10.3〜17.2kPa)に加圧され得る。
【0039】
加圧ローラーは、図3Aの平面図並びに図3B及び3Cの横断面図に図示されるように、2つ以上の長手方向のエラストマー壁を有する膨張可能な袋を含んでもよい。加圧ローラー300は、外側エラストマー壁351及び内側エラストマー壁352を含む、コア320及び膨張可能な袋350を含む。この構成では、膨張可能な袋350は、コア320に取り付けられる取り外し可能な「スリーブ」を形成してもよく、所望に応じてコア320から取り外すことができる。膨張可能な袋350の内部360(図3B及び3Cに示される)は、加圧流体を含有する。いくつかの実施形態では、図3Bに図示するように、膨張可能な袋350の内部360は、加圧流体以外の材料を実質的に含まなくてもよい。図3Cに図示するいくつかの実施形態では、膨張可能な袋350の内部360は、発泡体361を含み得る。
【0040】
いくつかの構成では、加圧ローラーは、膨張可能な袋に加え、1つ以上の層を含み得る。追加の層は、膨張可能又は膨張不可であってもよい。追加の層は、発泡体又はゴム等の柔軟な材料を含み得る。例えば、追加の層は、コアと膨張可能な袋との間に配列され得る。加えて、又は代替として、加圧ローラーは、膨張可能な袋の外表面に渡って配列される1つ以上の追加の層を含んでもよい。
【0041】
例えば、追加の層は、追加の層の下の材料の高さの変動を低減する、かつ/又はある程度一定にすることが望ましい構成に使用されてもよい。膨張可能な袋の追加の層及び/又は外壁に使用される材料は、加圧ローラーの外表面が特定のジュロ硬度値を有するように選択され得る。例えば、加圧ローラーの外表面は、約30〜80のシェアAの範囲のジュロ硬度を有し得る。
【0042】
いくつかの構成では、膨張可能な袋は、図4A〜4Cの横断面図に図示されるように、膨張されるとき、コアから離れて拡張する発泡体層を含み得る。図4Aは、外壁451により覆われた発泡体層461を含む膨張可能な袋450の横断面図を図示する。膨張可能な袋450が加圧されるとき、発泡体461及び外壁451は、コア420から離れて拡張する。この実施形態では、連続気泡発泡体が使用される場合、加圧流体が発泡体に浸透し、それを膨張させる。加圧流体が透過しない独立気泡発泡体又は他の材料が、代替えとして使用されてもよい。
【0043】
図4Bは、内壁452を覆う発泡体層461を含む、膨張可能な袋450の横断面図を示す。発泡体層461は、連続及び/又は独立気泡発泡体を含み得る。図4Bに図示される構成において、膨張可能な袋が加圧されるとき、発泡体461及び内壁452は、コア420から離れて拡張する。
【0044】
図4Cは、内壁又は外壁を含まない連続気泡発泡体461を含む、膨張可能な袋450の横断面図である。この場合、発泡体461はコア420から離れて拡張し、加圧流体は発泡体461の外表面から漏出し得る。
【0045】
膨張可能な袋のいくつかの変形は、図5A及び5Bの横断面図に示されるように、膨張可能であっても膨張不可であってもよい、コアに隣接する発泡体層及び内側発泡体層上に配置される1つ以上の袋壁を含む。図5Aは、袋のコア520に隣接する発泡体層561を示す。図5Aの膨張可能な袋550は、袋が加圧されるとき、コア及び発泡体から離れて拡張する外壁551を含む。図5Bは、袋のコア520に隣接する発泡体層561を図示する。膨張可能な袋550は、発泡体に隣接する内壁552を含む。図5Bの膨張可能な袋550は、袋が加圧されるとき、内壁552、発泡体561、及びコア520から離れて拡張する外壁551も含む。
【0046】
いくつかの構成では、加圧ローラーは、コアを含まなくてもよい。加圧ローラーのコアのない変形の例は、図6Aの平面図及び図6B〜6Eの膨張可能な袋の横断面図に示される。図6Aは、端キャップ621、622との間に膨張可能な袋650を含む、コアのないローラー600を示す。
【0047】
図6Bの横断面図に示される1つの型では、膨張可能な袋650は、加圧流体が膨張可能な袋650の内部660内に存在するときに拡張するエラストマー壁651を有し得る。
【0048】
図6Cの横断面図に示される別の型では、発泡体661が膨張可能な袋650の内部660内に存在する。図6Cの構成では、膨張可能な袋650は袋壁を含まないが、発泡体661は、周囲気圧を超えるように加圧することができる連続気泡発泡体である。加圧流体は、発泡体661の外表面から漏出してもよい。
【0049】
図6Dの横断面図に示される、コアのないローラーのいくつかの実装では、膨張可能な袋650の内部内の外壁651と膨張可能な発泡体661の両方が使用される。
【0050】
図6Eに示されるように、いくつかの実施形態は、コア付近の連続気泡発泡体662及び膨張可能な袋650の外表面付近のより独立した気泡発泡体663への移行部を含む勾配発泡体を伴う。移行は、段階移行であるか、又は漸進的な移行であってもよい。これらの実施形態では、袋650の外表面は、加圧流体に実質的に不透過性であっても、そうでなくてもよい。換言すれば、加圧流体は、勾配発泡体を有する膨張可能な袋の外表面から漏出してもよいが、より独立した気泡型に移行しない連続気泡発泡体よりゆっくり漏出してもよい。
【0051】
一般に、加圧ローラーは任意の長さであってもよく、かつ/又は膨張可能な袋は任意の直径を有してもよい。いくつかの実施形態では、加圧ローラーの直径は約3インチ(7.62cm)未満である。コアが使用される場合、コアは、直径が約2.5インチ(6.35cm)未満の直径であってもよく、膨張可能な袋は、直径が1インチ(2.54cm)未満であってもよい。
【0052】
コアの横断面は、円、楕円、又は他の形状の一部分であってもよい。図7Aは、膨張可能な袋が存在しない非円筒形のローラーのコア720を図示する。例えば、ローラーのコア720は、マイクロコンタクトプリンティング操作中に基材と接触しながら、θ以下の角度の周囲を回転するように設計され得る。図7Bは、膨張可能な袋710及びコア720を含む加圧ローラー700を図示する横断面図である。加圧ローラー700は、膨張可能な袋710に加え、複数の層を有してもよく、例えば、図2〜6に図示されるものと同様の構造を有してもよい。膨張可能な袋710は、1つ以上のエラストマー壁及び/又は1つ以上の発泡体層を含んでもよい。膨張可能な袋710は、例えば接着剤等を使用して、任意の好適な手段により、コア720に連結され得る。
【0053】
図8及び9に図示されるように、加圧ローラー810、910は、1つ以上の膨張可能な部分811、911及び1つ以上の膨張不可な部分819、919を含み得る。長手方向の膨張可能な部分811及び膨張不可な部分819が、図8に図示されるように散在され得るか、又は円周方向の膨張可能な部分911及び膨張不可な部分919が、図9に図示されるように散在され得る。
【0054】
図10Aに図示されるように、加圧ローラー1000は、実質的に同じ圧力又は異なる圧力に膨張され得る複数のセグメント1011a〜dを有する、分割された膨張可能な袋1011を含んでもよい。膨張可能なセグメント1011a〜dのそれぞれの個別の加圧を可能にするように構成される加圧バルブP1014a〜dは、例えば中空コア1020内に位置付けされ得る。図10Aに示される分割された膨張可能な袋1011が、膨張可能な袋1011の長手方向の変動を低減するために使用されてもよい。
【0055】
図11に図示される加圧ローラー1100の横断面図に図示されるように、代表的な分割されない膨張可能な袋1111は、加圧ローラー1100の中軸線1199に沿ってΔhの高さの変動を有する。ローラー1100の端部1191、1192で、膨張可能な袋1111の外表面1113は、ローラー1100の中軸線1199の上及び下に高さhを有する。しかしながら、ローラー1100の長手方向の中心1195で、膨張可能な袋1111は、軸線1199の上でh+Δhの高さを有する。高さにおける長手方向の変動は、マイクロコンタクトプリンティングの結果に望ましくない変動をもたらす。設計及び材料の選択により、中軸線に沿った高さΔhの変動は、分割されない膨張可能な袋において最小化され得る。
【0056】
分割された膨張可能な袋は、いくつかの分割されない膨張可能な袋と比較して、中軸線の上の高さの長手方向の変動を低減する。図10Bは、軸線F−F’に沿ったローラー1000の横断面図である(前に図10Aに3次元図で示される)。膨張可能な袋1011は、複数の膨張可能なセグメント1011a〜1011dを含む。加圧ローラー1000の端部1091、1092で、膨張可能な袋1011の外表面1013は、ローラー1000の軸線1099の上及び下に高さhを有する。袋のセグメント1011a〜1011dの長手方向の中心1095a〜1095dで、軸線1099の上の膨張可能な袋1011の高さは、h+Δhの最大高に達し、ここで、図10BのΔhは図11のΔh未満である。よって、分割された袋は、同じ弾性を有する材料で作製された分割されない袋を有するいくつかの加圧ローラーと比較したとき、全体的な長手方向の変動を低減することができる。
【0057】
図12は、マイクロコンタクトプリンティング装置1200の一部分の図である。マイクロコンタクトプリンティング装置1200は、スタンプ1240の表面1241上に配置されたレリーフパターン1242を有する平面エラストマースタンプ1240を含む。あるいは、基材がレリーフパターンでパターン付けされる実施形態では、スタンプ1240は、パターンを含まなくてもよい。
【0058】
レリーフパターン1242は、前述の最大及び最小の間隔並びにレリーフ高を有するパターン要素を有してもよい。例えば、レリーフパターン1242は、約10ミクロン未満、又は更には約5ミクロン未満の最小寸法を有する隆起特色(隆起パターン要素)であってもよい。隣接する隆起パターン要素間の間隔は、約50ミクロンを超える、又は約100ミクロンを超える、又は約200ミクロンを超える、又は約300ミクロンを超える、又は約400ミクロンを超える、又は更には約500ミクロンを超えてもよい。レリーフパターンのレリーフは、例えば、約10ミクロン以下であるか、又は約5ミクロン以下であってもよい。レリーフパターンの特色は、約5ミクロンまでの幅を有するか、又は例えば、5ミクロン、例えば約2ミクロンまでであってもよい。
【0059】
スタンプ1240は、多孔質であってもよい剛性の裏プレート1243に載置される。裏プレート1243が多孔質である場合、装置1200は官能基化分子の「インク」を保持するインクリザーバ1230を含み得る。インクリザーバ1230は、スタンプ1240に流体的に結合され、受動的又は能動的な機構、例えば、吸上、重力、吸引、及び/又は他の機構により、リザーバ1230からスタンプ表面1241に、リザーバ1230内に保存された官能基化分子を移動させる。図12に図示される構成では、官能基化分子は、インクリザーバ1230から、裏プレート1243を通ってスタンプ1240のパターン付き表面1241に移送される。
【0060】
スタンプ1240及び他のスタンプを形成するのに有用なエラストマーには、シリコーン、ポリウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンM−クラス(EPDM)ゴム、並びに、市販されている既存の様々なフレキソ印刷プレート材料(例えば、商品名Cyrel(商標)としてE.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,Delawareから市販されているもの)が挙げられる。このスタンプを複合材料(例えば、織製繊維又は不織繊維補強と組み合わされた前述のエラストマーの1つ)から製造することができる。
【0061】
ポリジメチルシロキサン(PDMS)は、エラストマー性であり、低表面エネルギー(これによりスタンプを大多数の基材から除去するのが容易)を有するので、スタンプ材料として特に有用である。PDMSも市販されている。有用な市販の配合物は、Sylgard(商標)184 PDMS(Dow Corning,Midland,Michigan)である。PDMSスタンプは例えば、パターン付き型に、無架橋のPDMSポリマーを流し入れ、次いで硬化させることにより形成することができる。
【0062】
エラストマースタンプを成型するためのマスターツールは、当該技術分野において既知のフォトリソグラフ技術を使用して形成することができる。マスターツールに未硬化PDMSを適用した後、硬化させることにより、エラストマースタンプをマスターツールに対して成型することができる。
【0063】
スタンプ1240は、スタンプ1240を支持し、x、y、及び/又はz方向に調節可能であってもよいスタンプ支持体1220上に配置される。スタンプ支持体1220は、スタンプ1240及び/又はインクリザーバ1230をx、y、及び/又はz軸線の周囲で傾斜することが可能であってもよい。
【0064】
マイクロコンタクトプリンティング装置は、前述のように加圧ローラー1250を含む。図12の図示される実施形態では、加圧ローラー1250は、コア1270及び膨張可能な袋1261を含む。加圧ローラー1250は、ローラー1250の片側又は両側でローラー1250を支持する1つ以上のローラー支持体1210により支持される。ローラー支持体1210は、x、y、及び/又はz方向へのローラー1250の移動を提供し、かつ/又はローラー1250が軸線1205の周囲を回転できるようにする。ローラー支持体1210は、ローラー1250が1つ以上の軸線の周囲で傾斜できるように構成されてもよい。
【0065】
マイクロコンタクトプリンティング操作は、x軸線に沿った加圧ローラー1250及びスタンプ1240の相対的移動を提供する工程を伴う。例えば、1つの実装では、加圧ローラーは、ローラー1250が回転する間、x軸線に沿って並進される。スタンプ1240のパターン付き表面1241に垂直な加圧ローラー1250によって適用される圧力は、膨張可能な袋1261の流体圧を調節することにより、かつ/又は膨張した袋1261の底面とスタンプ1240のパターン付き表面1241との間の垂直なオフセットdを調節することにより調節され得る。距離dは、例えば、+若しくは−z方向にスタンプ1240を移動するようにスタンプ支持体1220を調節することにより、かつ/又は+若しくは−z方向にローラー1250を移動するようにローラー支持体1210を調節することにより調節され得る。
【0066】
図13は、ローラー1250がスタンプ1240の表面1241上を移動するある時点のマイクロコンタクトプリンティング装置1200の別の図を提供する。基材1310は、第1の基材表面1312がスタンプ1240に向かって配向され、第2の基材表面1311がローラー1250に向かって配向される、ローラー1250とスタンプ表面1241との間に配置される。例えば、基材1310は、ロール・ツー・ロール様式で加工することができる細長い、可撓性の基材であってもよい。
【0067】
ローラー1250は、トラック1320のx方向に移動可能なローラー支持体1210によって支持される。ローラー1250がx軸線に沿って移動すると、軸線1205の周囲も回転する。この並進及び回転移動中、ローラー1250は、基材1310の第2の表面1311に圧力を適用し、適用された圧力はスタンプ表面1241に転写される。加圧ローラー1250の並進及び回転中、基材1312の第1の表面は、スタンプ表面1241上のレリーフパターンの隆起部分に接触する。本内容で使用される場合、「接触」は、直接接触だけでなくインク厚さ等の僅かな分離間隔を包含する。官能基化分子は、スタンプ表面1241から第1の基材表面1312に転写される。基材1310及びスタンプ1240上に圧力を及ぼすローラー1250の一部分1263は、図12に図示される量dにより偏向される。膨張可能な袋1261内の圧力は、スタンプ1240上に所望のマイクロコンタクトプリンティング性能を生成する圧力を達成するように選択され得る。いくつかの実装では、膨張可能な袋1261内の流体圧は、スタンプ1240上の加圧ローラー1250によって及ぼされる圧力にほぼ等しい。例えば、膨張可能な袋1261内の圧力が約3psi(約20.7kPa)である場合、スタンプ1240上のローラー1250によって及ぼされる圧力(間接的に基材1310を通して)も約3psi(約20.7kPa)である。
【0068】
マイクロコンタクト印刷プロセス中、基材1310は、基材1311の一部分が最初にスタンプ表面1241と接触しないように、スタンプ表面1241に対して角度αで最初に配向され得る。例えば、基材1310は、スタンプ表面1241と接触しないが、スタンプ表面1241と第1の基材表面1312との間の接触点に隣接する第1の基材表面1312の一部分の接線1315が、スタンプ表面1241の平面とともに角度αを作るようにスタンプ1240の表面1241に向かって配向させることができる。スタンプ表面1241と接触する基材1310の一部分とスタンプ表面1241と接触しない基材1310の一部分との間の交点は、基材1312の第1の表面とスタンプ1241の表面との間に最初の接触前面を形成する。
【0069】
最初の接触前面は、パターン付けされる面積と比較したとき、比較的小さい面積を有する。ローラー1250が基材1310の第2の表面1311を転動すると、最初の接触面積は、基材1310とスタンプ1241との間の接触の伝搬領域して拡張する。比較的小さな最初の接触前面からの接触の領域の伝搬は、空隙欠陥を低減する。
【0070】
スタンプ表面1241と第1の基材表面1312との間の接触持続時間は、例えば、官能基化分子の濃度及び/又はスタンプ1240に適用される圧力を含む要因により変動する可能性がある。いくつかの実施形態では、印刷時間は、約1分未満、約30秒未満、約10秒未満、又は更には約5秒未満であり得る。
【0071】
マイクロコンタクトプリンティング操作中、スタンプ1240のレリーフパターン1242上に配置された官能基化分子は、基材1310の第1の表面1312に転写される。これらが基材1310に転写されると、官能基化分子は、スタンプパターン1242のそれに対応するパターンを有するSAM中に組み立てられる。代替的な実施形態では、スタンプ1240のインク付着表面は、実質的に平坦であってもよく、基材1310はレリーフパターンを含んでもよい。このような「逆」マイクロコンタクト印刷プロセスは、例えば米国特許第6,518,168号(Clemら)に記載されている。
【0072】
マイクロコンタクト印刷プロセスのいくつかの構成では、プロセスのいくつか又はすべてが手動で制御される。いくつかの構成では、マイクロコンタクト印刷プロセスの様々なプロセスが移動制御システム1390によって自動的に制御され得る。制御システム1390は、マイクロコンタクト印刷プロセスの自動制御を提供するために、例えば、モーター、センサ、マイクロプロセッサ、並びに/又は他の機械的及び電子構成要素を含むことができる。例えば、上述のマイクロコンタクト印刷プロセスは、段階的及び反復プロセスで使用されてもよく、基材は、上述のマイクロコンタクト印刷プロセスに基材の連続した部分を曝露するように繰り返し移動される。基材1310は、マイクロコンタクトプリンティング前にロールから巻き出されるように、かつ/又はマイクロコンタクトプリンティング後にロール上に巻き取られるように十分な可撓性を有する細長い基材であってもよい。移動制御システム1390は、基材の位置の1つ以上、基材移動の速度、基材及びスタンプ並びに/又はローラーの整合、接触前面での角度α、ローラーとスタンプとの間の距離d、ローラーの並進及び/若しくは回転、膨張可能な袋の圧力、並びに/又は他のマイクロコンタクト印刷プロセスのパラメーターを自動的に制御してもよい。
【0073】
例えば、マイクロコンタクトプリンティング装置は、基材、ローラー、及び/若しくはスタンプ間での同期移動を提供するように、かつ/又は段階的及び反復プロセス中に基材をスタンプ及び/若しくはローラーと繰り返し整合するように構成される移動制御システムを含んでもよい。制御システムは、マイクロコンタクトプリンティング装置の様々な構成要素を作動させるために、1つ以上のモーター、例えばステッパモーター及び/又はサーボモーターを使用してもよい。マイクロプロセッサ系制御ユニットは、感知された入力に基づき、移動速度及び/又は様々なマイクロコンタクトプリンティング構成要素の位置を制御するために、フィードバック信号を提供してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、モーターの回転移動を感知するために、エンコーダーがモーターのシャフト又は他の回転要素上に配列されてもよい。モーターの感知された移動は、基材の位置、例えば、基材のx方向(ウェブの基部)位置、スタンプの位置、及び/又はローラーの回転若しくは並進位置を決定するために使用されてもよい。例えば、基材の移動と同期し得る加圧ローラーの自動回転を提供するために、1つ以上のモーターがローラーのコア(又はローラの端キャップ)に連結されてもよい。x軸線(ウェブの基部)方向及び/又はy軸線(ウェブ横)方向に基材、スタンプ、及び/又はローラーの整合を提供するように、基準点が基材上に配置されてもよい。あるいは、又は加えて、マイクロコンタクトプリンティング装置は、様々なマイクロコンタクトプリンティング構成要素を用いて基材のy軸線位置を決定するため、かつ/又は基材のy軸線位置を整合するために、基材縁部を感知するように構成された1つ以上のセンサを含んでもよい。
【0075】
図14は、加圧ローラー1400のそれぞれの端部の回転を同期させるように構成された、同期装置に結合された加圧ローラー1400の平面図を図示する。加圧ローラーの端部の移動の同期は、加圧ローラーが剛性コアを含まず、かつ/又は印刷プロセス中に屈曲できる場合、特に有用である。図14は、端キャップ1421、1422間に配置される膨張可能な袋1450を図示する。端キャップ1421、1422は、ベアリング1471、1472でしっかりと支持され、自由に回転できるシャフト1423、1424を含む。同期装置は、同期してシャフトを回転させるために、手動又はモーターで駆動され得る嵌合ギア1481、1491、及び1482、1492を含む。
【0076】
本明細書に記載される方法及び装置に好適な基材は、可撓性のポリマーフィルムを含む。例えば、ガラス又は半導体ウエファー基材(例えばシリコーン)等の剛性の基材も使用されてもよい。好適なポリマーフィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、三酢酸セルロース、及びポリイミドが挙げられる。本明細書に記載される方法及び装置は、非常に可撓性の基材が使用されるとき、前述の印刷欠陥を回避するのに特に効果的である。例えば、本明細書に記載される方法及び装置は、基材、例えば、厚さが約10ミクロメートル〜約260ミクロメートル、より好ましくは約25ミクロメートル〜約185ミクロメートル、最も好ましくは約50ミクロメートル〜約130ミクロメートルであるポリマーフィルム基材に特に有用である。
【0077】
有用な基材は、コーティングされた基材を含む。前述の塩基性基材の材料との組み合わせにおいて、有用なコーティングは、例えば、金属コーティング及び金属酸化物コーティングを含む。有用な金属コーティングは、例えば、金、銀、白金、銅、パラジウム、又はそれらの組み合わせを含む。有用な金属酸化物コーティングは、例えば、酸化インジウムスズ、二酸化ケイ素、及びケイ酸ガラスを含む。コーティングは、厚さに対して制限がない。
【0078】
前述のように、マイクロコンタクトプリンティングは、例えば、化学結合により、基材表面に付着される分子の単層を生成する。分子は、基材表面に対して、及び相互に対しても好ましい配向を採用することが可能である。SAMを形成するために使用される官能基化分子は、本明細書において、インクと称されるか、又はインク溶液若しくはインク組成物の一部分である。いくつかの実装では、インクは、選択的なエッチング金属及び金属化基材へのレジストとして機能する基材上に自己組織化単層」(SAM)を形成し、導電性パターンを形成する。
【0079】
例えば、有機硫黄化合物、オルガノシロキサン及びオルガノホスホン酸などの、自己組織化単層(SAM)を形成する様々な分子が既知である。有機硫黄化合物には、例えばアルキルチオール、ジアルキルジスルフィド、ジアルキルスルフィド、キサントゲン酸アルキル、ジチオホスフェート及びジアルキルチオカルバメートが挙げられる。分子は、硫黄原子に付着した後、部基(複数を含む)で特徴付けられ、後部基(複数を含む)は、その主鎖に沿って14〜20個の原子、好ましくは16、17、又は18個の原子を有する。主鎖に沿った原子は、好ましくは炭素原子である。
【0080】
好ましいインク溶液は、例えば、次の線状アルキルチオールのようなアルキルチオールを含む。

HS(CH

式中、nはメチレン単位の数であり、Xはアルキル鎖の末端基(例えば、X=−CH、−OH、−COOH、−NHなど)である。好ましくは、X=−CHであり、n=15、16、又は17であり、それぞれ16、17、又は18の鎖長に対応する。他の有用な鎖長には、19及び20が含まれる。金属への連結のための硫黄含有先端基を有する直鎖分子の場合、鎖長は、硫黄原子に結合した原子(これを含む)と直鎖配列における最終炭素原子との間の結合原子の直鎖配列に沿った原子の数として決定される。単層形成分子は、その分子がエッチレジストとして機能する自己組織化単層を形成するのに好適であれば、他の末端基を含んでもよく、又は分枝状(例えば、側基を有する)であってもよい。またSAM形成分子は、例えば、米国特許仮出願第61/121605号(Zuら)に記載されているように、部分フッ素化又は過フッ素化されてもよい。
【0081】
印刷は、SAM形成分子内の原子又は官能基の除去又は修飾をもたらす置換反応を伴うことができる(例えば、単層が金属(M)、例えば銀又は金上に形成される場合、チオール(R−SH化合物)のチオレート(R−S−M)単層への変換)。このように、得られた印刷パターンは、インク組成物の分子と化学的に異なる化合物又は分子を含むことができる。
【0082】
所望により、インク組成物は、少なくとも1つの溶媒を含むことができる。インク組成物中での使用に好適な溶媒としては、アルコール、ケトン、芳香族化合物、ヘテロ環化合物、フッ素化溶媒など、及びこれらの組み合わせが挙げられる。他の有用な溶媒としては、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチルアセテート、テトラヒドロフラン(THF)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)など、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0083】
インク組成物の溶媒は、スタンプ表面から比較的急速に蒸発するように選択することができ、これは、最小の時間及び強制空気の適用により、スタンプ上又はスタンプ内でのSAM形成分子の比較的均一な分布を達成するのに有用である。溶媒は、溶媒が(例えばPDMS)スタンプを過度に膨潤させないように選択される。
【0084】
いくつかの実施形態では、マイクロコンタクトプリンティングに適したインクは、1つ以上の溶解した有機硫黄化合物と溶媒とを含み、この溶媒は(i)沸点が約50℃〜約100℃、(ii)相対極性が約0.4未満、及び(iii)ポリ(ジメチルシロキサン)の膨潤比が約1.25未満である。各有機硫黄化合物は、10以上の炭素原子を有し、この有機硫黄化合物は合計濃度が少なくとも約3mMで存在する。このインク溶液は、有機硫黄化合物の固体粒子、又はこの有機硫黄化合物から誘導された固体粒子を、本質的に含有しない。好ましくは、各有機硫黄化合物はチオール化合物である。より好ましくは、このそれぞれがアルキルチオールである。この種類のインクの更なる詳細はPCT出願公開WO第2009/085678 A1号(Zuら)に記載されている。
【0085】
ペルフルオロポリエーテル有機硫黄化合物を含むマイクロコンタクトプリンティングインクは、アルキルチオールから形成されたSAMによって示される耐性より、金用のトリ−ヨウ化物エッチング剤に対して(それによって、比較的多くのエッチング選択性)比較的大きな耐性を示す。ペルフルオロポリエーテル有機硫黄化合物(特に、アミド連結されたもの)は、金の表面上で、比較的高い忠実性でマイクロコンタクト印刷され得るパターン付き組成物を形成し、「トリ−ヨウ化物エッチング剤融和性」であるパターン付きマスクを得るために使用されてもよい。トリ−ヨウ化物エッチング剤とのそのような融和性は、従来のSAM及び/又は従来の化学エッチング剤(例えば、シアン化物/酸素−、フェロシアン化物/フェリシアン化物−、及びチオ尿素ベースのエッチング剤系)を使用したプロセスと比較して、パターン付き基材の化学エッチングが、強化されたプロセス速度、したがって強化された工業的利用性で実行されることを可能にすることができる。
【0086】
官能基化分子として有用なペルフルオロポリエーテル有機硫黄化合物としては、少なくとも1つのペルフルオロポリエーテルセグメント及び少なくとも1つの有機硫黄基を含むものが挙げられる。有用な有機イオウ基としては、メルカプト(−SH)、ジチオ(−S−S−)、オキシチオカルボニルチオ(−O−C(=S)S−)、チオ(−S−)等のイオウ含有部分(このような部分は、それぞれチオール、ジスルフィド、キサンテート、及びスルフィド(チオエーテルを含む)化合物を特徴とする)等、及びこれらの組み合わせを含むものが挙げられる。
【0087】
インクは、ペルフルオロポリエーテルチオール化合物を含むペルフルオロポリエーテル有機硫黄化合物を含むことができる。このような化合物は、米国特許第6,923,921号(Flynnら)に記載されているものを含む、様々な異なる既知の方法により作製することができる。ペルフルオロポリエーテルチオール化合物を既知の方法により酸化して、(例えば、対称又は非対称であることが可能な、ペルフルオロポリエーテルチオール化合物のジチオで連結された二量体の形の)ペルフルオロポリエーテルジスルフィド化合物を得ることができる。ペルフルオロポリエーテルスルフィド及びペルフルオロポリエーテルキサンテートを既知の方法により調製することができる。
【0088】
好適なペルフルオロポリエーテル有機硫黄化合物としては、ペルフルオロポリエーテルセグメントを1つだけ含有するこれらのペルフルオロポリエーテルチオール、キサンテート、及びスルフィド、並びにペルフルオロポリエーテルセグメントを2つだけ含有するこれらのペルフルオロポリエーテルジスルフィド(好ましいジスルフィドは、例えば、好ましいチオールの二量体である)が挙げられる。このペルフルオロポリエーテルセグメントは、線状、分岐、環状(好ましくは、脂環式)、又はこれらの組み合わせであることができる。好ましくは、ペルフルオロポリエーテルセグメントは、一価若しくは二価であり、かつ/又はペルフルオロポリエーテルセグメントは、少なくとも1つの二価のヘキサフルオロプロピレンオキシ基
(−CF(CF)−CFO−)を含む。好ましいペルフルオロポリエーテルセグメントとしては、F[CF(CF)CFO]CF(CF)−(式中、aは約4〜約20の平均値を有する)、及び
−CF(CF)(OCFCF(CFOCFCFCFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)−(式中、b+cは約4〜約15の平均値を有する)が挙げられる。このようなペルフルオロポリエーテルセグメントは、ヘキサフルオロプロピレンオキシドのオリゴマー化により得ることができ、比較的環境に優しい性質のために好ましい場合がある。
【0089】
有用なペルフルオロポリエーテルチオール化合物のクラスは、以下の一般式(I):

−[Q−(SH) (I)

により表すことができるものであり、
式中、Rは、一価又は二価のペルフルオロポリエーテル基であり、Qは、二価、三価、又は四価の有機連結基であり、xは、1〜3の整数(好ましくは1)であり、yは1又は2の整数(好ましくは1)である。R及びQに更に好ましいものとしては、式II及びIIIに関して下記に述べられるものが挙げられる。
【0090】
官能化分枝として使用するのに好適なペルフルオロポリエーテル有機硫黄化合物としては、アミド連結されたものが挙げられる。このようなアミドで連結された化合物としては、(上述のような)ペルフルオロポリエーテルセグメント、少なくとも1つのメルカプト基(−SH)、及び少なくとも1つの介在型又は介在型(interposed)の二価カルボニルイミノ部分(−C(=O)−N(R)−を含む、ペルフルオロポリエーテルチオール化合物が挙げられ、式中、Rは水素又はアルキルであり、好ましくは、アルキル基は1〜約4個の炭素原子を有する。この二価カルボニルイミノ部分は、炭素原子からペルフルオロポリエーテルセグメントに直接又は間接に(好ましくは、直接に)結合可能であり、窒素原子からメルカプト基に間接的に結合可能である。あるいは、この二価カルボニルイミノ部分は、炭素原子からメルカプト基に間接に結合可能であり、窒素原子からペルフルオロポリエーテルセグメントに間接的に結合可能である。好ましくは、このカルボニルイミノ部分は−C(=O)−NH−である(すなわち、Rは水素である)。
【0091】
有用なアミド連結ペルフルオロポリエーテルチオール化合物のクラスは、以下の一般式(II):

−[C(=O)−N(R)−Q−(SH) (II)

により表すことができるものであり、
式中、Rは、一価又は二価のペルフルオロポリエーテル基であり、Rは、水素又はアルキルであり、Qは、二価、三価、又は四価の有機連結基であり、xは、1〜3の整数(好ましくは1)であり、yは1又は2の整数(好ましくは1)である。好ましくは、Rは水素又は1〜約4個の炭素原子(より好ましくは水素)を有するアルキル基であり、及び/又はQはアルキレン、シクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアルキレン、及びこれらの組み合わせ(好ましくは、アルキレン、ヘテロアルキレン、及びこれらの組み合わせ、より好ましくは、アルキレン)から選択される二価基であり、所望によりカルボニル、カルボニルオキシ、カルボニルチオ、カルボニルイミノ、スルホンアミド、及びこれらの組み合わせ(好ましくはカルボニル、カルボニルオキシ、カルボニルイミノ、カルボニルチオ、及びこれらの組み合わせ、より好ましくは、カルボニルオキシ、カルボニルイミノ、及びこれらの組み合わせ)から選択され、所望によりアルキル、シクロアルキル、アリール、ハロ、及びこれらの組み合わせから選択され、少なくとも1つの部分により置換された、少なくとも1つの二価基を更に含む。
【0092】
好ましくは、Qは、少なくとも約2個の炭素原子及び/又は約30個未満若しくはそれに等しい炭素原子(より好ましくは、約20個未満又はそれに等しい炭素原子、更により好ましくは、約10個未満又はそれに等しい炭素原子、最も好ましくは、約6個未満又はそれに等しい炭素原子)を有する。特に好ましい連結基であるQとしては、−CHCH−、
−CHCHCH−[NH−C(=O)]−CHCHCH−、
−CHCHCH−[N(CH)−C(=O)]−CHCHCH−、
−CHCHCH−[N(CH)−C(=O)]−CHCHCH−S−C(=O)−CHCHCH−、
−CHCH−[NH−C(=O)]−CHCHCH−、−CHCH−[O−C(=O)]−CHCH−、
−(CHCHO)−[C(=O)]−CHCH−、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0093】
は、直鎖状、分岐、環状、又はそれらの組み合わせであることができ、飽和又は不飽和であることもある。有用なR基の代表的な例としては、−(C2p)−、−(C2pO)−、−(CF(Z))−、−(CF(Z)O)−、−(CF(Z)C2pO)−、−(C2pCF(Z)O)−、−(CFCF(Z)O)−(式中、pは1〜約10(好ましくは、1〜約8、より好ましくは、1〜約6、更により好ましくは、1〜約4、最も好ましくは、1〜約3)の整数であり、Zは、直鎖、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであり、かつ約12個以下の炭素原子(好ましくは、約10個以下の炭素原子、より好ましくは、約8個以下の炭素原子、更により好ましくは、約6個以下の炭素原子、更により好ましくは、約4個以下の炭素原子、最も好ましくは、約3個以下の炭素原子)を有し、かつ/又は約4個以下の酸素原子(好ましくは、約3個以下の酸素原子、より好ましくは、約2個以下の酸素原子、最も好ましくは、ゼロ又は1個の酸素原子)を有する、ペルフルオロアルキル、ペルフルオロエーテル、ペルフルオロポリエーテル、及びペルフルオロアルコキシ基から選択される)、及びそれらの組み合わせから選択される過フッ素化反復単位を有するものが挙げられるが、これらに限定されない。これらのペルフルオロポリエーテル構造物においては、異なる繰り返し単位をブロック、交互、又はランダムの配列で組み合わせて、R基を形成することができる。
【0094】
が一価である場合、その末端基は、例えば(C2p+1)−又は(C2p+1O)−であることができ、式中pは上に定義したとおりである。有用な一価のR基の代表的な例としては、CO(CF(CF)CFO)CF(CF)−、CO(CFCFCFO)CFCF−、CFO(CO)CF−、CFO(CFO)(CO)CF−、及びF(CFO(CO)(CF−(式中、nは、0〜約50の、約1〜約50の、約3〜約30の、約3〜約15、又は約3〜約10の平均値を有し、qは、0〜約50の、約3〜約30の、約3〜約15の、又は約3〜約10平均値を有する)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
有用な二価のR基の代表的な例としては、−−CFO(CFO)(CO)CF−、−−CFO(CO)CF−、−(CFO(CO)(CF−、及び−CF(CF)(OCFCF(CF))OC2tO(CF(CF)CFO)CF(CF)−(式中、n及びqは、上に定義されるとおりであり、sは、0〜約50の、約1〜約50の、約3〜約30の、約3〜約15、又は約3〜約10の平均値を有し、q及びsの合計(つまりq+s)は、0〜約50又は約4〜約40の平均値を有し、q及びnの合計(つまりq+n)は0を超え、tは約2〜約6の整数である)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
マイクロコンタクトプリンティングに使用するためのアミド連結されたペルフルオロポリエーテルチオール化合物のクラスは、一般式(III):

’−(O[CF(CF)CFO]CF(CF)−[C(=O)−N(R)−Q−(SH)]) (III)

により表すことができるのもであり、式中、R’は、線状又は分岐のペルフルオロアルキル又はペルフルオロアルキレン基(好ましくは、1〜約6個の炭素原子を有する)であり、aは、約4〜約20の平均値を有し、R、Q、x、及びyは、一般式IIに関して上記に定義したとおりのものである。
【0097】
有用なアミド連結されたペルフルオロポリエーテルチオール化合物の代表的な例としては、以下の
F[CF(CF)CFO]CF(CF)−C(=O)−NH−(CH−N(CH)C(=O)−(CH−SH、
F[CF(CF)CFO]CF(CF)−C(=O)−NH−(CHSH、
HS−(CH−NH−C(=O)−CF(CF)(OCFCF(CF−OCFCFCFCFO(CF(CF)CFO)
CF(CF)−C(=O)−NH−(CHSH
HS−(CH−C(=O)−NH−(CH−NH−C(=O)−CF(CF)(OCFCF(CF
OCFCFCFCFO(CF(CF)CFO)−CF(CF)−C(=O)−NH−(CH
NHC(=O)−(CH−SH、
F[CF(CF)CFO]CF(CF)−C(=O)NH−CHCH−O−C(=O)−CHCHSH、
F[CF(CF)CFO]CF(CF)−C(=O)NH−(CHCH−O)−C(=O)−CHCHSH、
HS−(CH−C(=O)−N(CH)−(CH−NH−C(=O)−CF(CF)(OCFCF(CF
OCFCFCFCFO(CF(CF)CFO)−CF(CF)−C(=O)−NH−(CH
N(CH)C(=O)−(CH−SH、
等(式中、aは約4〜約20の平均値を有し、b+cは約4〜約15の平均しを有する)及びそれらの組み合わせが挙げられる。ペルフルオロポリエーテル有機硫黄化合物及びそのような化合物を製造するためのプロセスは、米国特許仮出願第61/121605号(Zuら)に更に説明されている。
【0098】
基材は、ガラス、ポリマー、接着剤、金属類、金属合金類、及び/又は他の材料を含んでもよい。基材は、基層及び1つ以上の追加の層又はコーティングを含む層状構造であってもよい。いくつかの実装は、基材及び/又は基層が実質的に透明であることを必要とし、一方、他の実装では、透明性は重要ではない。前述のように、基材は、ロール・ツー・ロール形式で加工されるのに十分に可撓性で強力な平面シートの形態のポリマーフィルムであってもよい。ロール・ツー・ロールは、材料が支持体に巻き取られるか又は支持体から巻き出され、加えて何らかの方法で更に加工されるプロセスを意味する。基材はいずれかの厚さであることができる。ロール・ツー・ロール用途に適したポリマーフィルムは、様々な厚さ、一般に、約5μm〜1000μmの範囲で製造され得る。
【0099】
基材は、熱可塑性及び熱硬化性ポリマーを含んでもよい。熱可塑性プラスチックの例としては、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、及びポリエステルが挙げられる。熱可塑性プラスチックの更なる例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ビスフェノールAのポリカーボネート、ポリ(塩化ビニル)、ポリエチレンテレフタレート、及びポリ(フッ化ビニリデン)が挙げられる。
【0100】
いくつかの実施形態では、基材は、基層の少なくとも主要な表面上に配置される金属コーティングを有する基層、例えば、ポリマー基層を含む。金属コーティングは、元素金属、金属合金、金属間化合物、金属酸化物、金属硫化物、金属炭化物、金属窒化物、又はこれらの組み合わせを含んでもよい代表的な金属には、金、銀、パラジウム、白金、ロジウム、銅、ニッケル、鉄、インジウム、スズ、タンタル、並びにこれら元素の混合物、合金及び化合物が挙げられる。
【0101】
金属コーティングを含む基材は、金属コーティングの表面上にSAMレジストパターンを形成するインクとの使用に適している。インクパターンを有する金属領域は基材上に保持され、パターンなし領域の金属は、例えば湿式エッチングにより除去され、金属パターンを形成する。SAMパターン付き基材の湿式エッチングの技術は、米国特許仮出願第61/220407号(Zuら)に記載されている。
【0102】
図15は、官能基化分子のパターンを基材に転写するために、本明細書に記載される加圧ローラーを使用するマイクロコンタクト印刷プロセスを図示するフローチャートである。官能基化分子を含むインク付着スタンプが提供される1510。最初に、膨張可能な袋が加圧され得、かつ/又は加圧ローラーの外表面とスタンプ表面との間の距離dが調節され得る1520。例えば、距離は、ローラーによってスタンプ上に及ぼされる、膨張可能な袋内の流体の圧力とほぼ等しい圧力を達成するように調節され得る。基材がスタンプ上の位置に移動し、接触前面がスタンプ表面と基材の第1の表面との間で開始される1530。ローラーが並進し、同時に基材の第2の表面上で回転し1540、基材の第1の表面をスタンプ表面と接触させることができる。官能基化分子は、スタンプ上のパターンでスタンプから第1の基材表面に転写される1550。基材はスタンプから離される1560。プロセスがパターンを複数回基材に転写するために使用される段階的及び反復プロセスである場合、基材の更なる領域をマイクロコンタクト印刷プロセスに曝露させるために、基材はスタンプに対して繰り返し再位置付けされてもよい。
【実施例】
【0103】
インク溶液及びスタンプのインク付着:印刷用のインク溶液は、アルキルチオール化合物をエタノール(200プルーフ、全体、無水、Pharmco−Aaper,Shelbyville,KY)に溶解することにより調製された。インク溶液を標的濃度で調製した。適切な質量のアルキルチオールとエタノールを組み合わせ、当該技術分野において既知であるように、チオール化合物の分子量とエタノールの密度とを計算することにより、標的濃度を達成した。使用されたアルキルチオールは、10mMのオクタデシルチオール(「ODT」、ステリルメルカプタン、TCI America,Portland Oregon)であった。チオール化合物を溶解した後、スタンプの裏側からインク溶液をスタンプに吸収させた。十分な時間の後、スタンプの上側で利用できるまでスタンプのバルクを通してインク溶液を拡散する。このインク付着プロセスは、密閉容器中で行われる。以下の実施例では、インク付着時間は、典型的には24時間であった。
【0104】
基材:銀でコーティングしたフィルムが印刷用の基材で使用された。銀でコーティングしたフィルムは、名目上、ST504 PETフィルムの下塗されていない側上にコーティングされた100nmの銀スパッタからなる。銀でコーティングされた基材は、ローラーが係合されたときに手で供給されたシート(約8×10インチ(20.3cm×25.4cm))として、マイクロコンタクトプリンティングツールの中に導入された。以下に記載される実施例では、基材の厚さは0.125mmであった。
【0105】
スタンプ及びスタンプ支持体:スタンプは、Sylgard(商標)184 PDMS(Dow Corning,Midland,Michigan)をフォトリソグラフィ生成したマスター上に成型し、その後80℃で約2時間、スタンプを熱硬化させることにより作製された。スタンプレリーフのパターンは、太線幅が2ミクロン及び六角形間の間隔が200ミクロンの隆起六角形の特色からなった。スタンプレリーフの高さは2ミクロンであった。インク付着されると、スタンプを窒素で簡単にブロー乾燥させ、液体を除去した後、スタンプの剛性裏材用のガラスプレート上に設置した。このガラスプレート−スタンプ構造は、次いで、x及びyに傾斜され、スタンプの上面と膨張したローラーの底面との間のギャップを(本明細書において距離dとも称される)を調節するためにz方向にも移動されるスタンプ支持体の底部に固定された。これは表1で参照されるギャップである。負のギャップ値は、スタンプ表面の上部が膨張可能な袋の底部の上に位置することを意味することに留意する。
【0106】
ローラー印刷:実施例に使用される加圧ローラーは、内径が2.4インチ(6.09cm)、及びジュロ硬度が50ショアA(SI Industries,Inc.,Blaine,MN)の、厚さが1/16インチ(0.16cm)のゴム製袋を備える、外径が2.42インチ(6.15cm)、及び長さが12.2インチ(30.9cm)の陽極化アルミニウム製コアからなった。袋は、ローラーコアとゴム製スリーブの内表面との間の空間に窒素ガスを導入することにより膨張された。袋が膨張された圧力は、調節器(Norgren regulator、モデル# R07−200−RGAA、0−10psig(68.9kPa))及びゲージ(Dwyer Instruments Inc,Magnehelic Model 2100 Differential Pressure Gage、0”〜100”(0cm〜254cm)w.c.を測定)により制御された。次いで、加圧ローラーは、スタンプの平面に沿って移動し、銀でコーティングされた基材の表面とインク付着スタンプの上面との間で接触し、それによってスタンプの表面により指定されるパターンに官能基化分子(この場合、チオール分子)を銀の表面に転写させる。このパターン付き単層表面は、後続のエッチングプロセスのレジスト層としての機能を果たした。すべての実施例は5秒の接触時間で印刷された。
【0107】
エッチング:印刷済みの銀でコーティングされた基材のエッチングは、硝酸三価鉄及びチオ尿素腐食浴化学物質(20mMの硝酸三価鉄、30mMのチオ尿素、及び脱イオン水)を使用して行われた。エッチング剤は必要とされる直前に調製した。エッチング剤の設定は、上述の組成物の腐食浴及び起泡機からなった。起泡機は、腐食浴の底部に位置し、窒素中で起泡された。次いで、印刷済みの銀でコーティングされた基材を、印刷された側を下にして腐食浴の中に設置し、腐食浴の表面に浮かせた。典型的な腐食時間は、1.5分であり、この後、印刷済み及びエッチング済み基材が取り出され、脱イオン水中ですすがれ、パターン付き銀フィルムが現れた。
【0108】
実施例1〜22を以下の段落に記載する。すべての試料は、上記の技術を使用して、同じ日に作製された。印刷条件及び結果の要約を表1に示す。欠陥なしと分類された試料は、印刷試料に崩壊、空隙、又は他の欠陥がなかったことを意味することに留意する。いくつかの欠陥を有すると分類された試料は、崩壊又は空隙のいずれかを有する印刷済み試料の領域があるが、総面積の25%未満を占めたことを意味する。多くの欠陥を有すると分類された試料は、崩壊又は空隙が約25%を超えた総印刷面積で見られたことを意味する。試料に見られた欠陥の種類は、印刷条件により変動し、各実施例について以下に報告される。しかしながら、一般に、崩壊は高い適用圧、すなわち袋圧及びより小さいギャップで見られる。空隙は、典型的には低い適用圧、すなわち袋圧及びより大きいギャップで見られた。表1は、様々なギャップ(スタンプの上面と膨張したローラーの底面との間)及び袋圧の設定における印刷の質の結果を提供する。
【0109】
【表1】



【0110】
(実施例1)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.4mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が1.5psi(10.3kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、多くの空隙欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにC評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図16に示す。図16は、空隙欠陥がある印刷済み試料の領域の光学顕微鏡写真(透過モード)である。暗い領域はパターン付きの銀であり、より明るい領域は、銀がエッチングにより除去された場所であることに留意する。
【0111】
(実施例2)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.4mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が1.8psi(12.4kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、多くの空隙欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにC評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図16に示す。
【0112】
(実施例3)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.4mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.0psi(13.8kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、多くの空隙欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにC評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図16に示す。
【0113】
(実施例4)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.4mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.2psi(15.2kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、多くの空隙欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにC評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図16に示す。
【0114】
(実施例5)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.25mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が1.6psi(11.0kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、いくつかの空隙欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにB評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図16に示す。
【0115】
(実施例6)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.25mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が1.8psi(12.4kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、多くの空隙欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにC評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図16に示す。
【0116】
(実施例7)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.25mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.0psi(13.8kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、いくつかの空隙欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにB評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図16に示す。
【0117】
(実施例8)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.25mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.2psi(15.2kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、欠陥なしを特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにA評価を受けた。欠陥のないそのような試料の特徴的画像を図17に示す。図17は、欠陥がない印刷済み試料の領域の光学顕微鏡写真(透過モード)である。暗い領域はパターン付きの銀であり、より明るい領域は、銀がエッチングにより除去された場所であることに留意する。
【0118】
(実施例9)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.1mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が1.6psi(11.0kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、いくつかの空隙欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにB評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図16に示す。
【0119】
(実施例10)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.1mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が1.8psi(12.4kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、多くの空隙欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにC評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図16に示す。
【0120】
(実施例11)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.1mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.0psi(13.8kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、欠陥なしを特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにA評価を受けた。欠陥のないそのような試料の特徴的画像を図17に示す。
【0121】
(実施例12)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが0.1mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.2psi(15.2kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、欠陥なしを特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにA評価を受けた。欠陥のないそのような試料の特徴的画像を図17に示す。
【0122】
(実施例13)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが−0.03mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が1.6psi(11.0kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、いくつかの空隙欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにB評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図16に示す。
【0123】
(実施例14)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが−0.03mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が1.8psi(12.4kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、いくつかの空隙欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにB評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図16に示す。
【0124】
(実施例15)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが−0.03mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.0psi(13.8kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、欠陥なしを特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにA評価を受けた。欠陥のないそのような試料の特徴的画像を図17に示す。
【0125】
(実施例16)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが−0.03mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.2psi(15.2kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、欠陥なしを特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにA評価を受けた。欠陥のないそのような試料の特徴的画像を図17に示す。
【0126】
(実施例17)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが−0.18mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.0psi(13.8kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、欠陥なしを特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにA評価を受けた。欠陥のないそのような試料の特徴的画像を図17に示す。
【0127】
(実施例18)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが−0.18mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.2psi(15.2kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、欠陥なしを特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにA評価を受けた欠陥のないそのような試料の特徴的画像を図17に示す。
【0128】
(実施例19)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが−0.18mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.5psi(17.2kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、欠陥なしを特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにA評価を受けた。欠陥のないそのような試料の特徴的画像を図17に示す。
【0129】
(実施例20)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが−0.33mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.0psi(13.8kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、多くの崩壊欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにC評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図18に示す。図18は、崩壊欠陥がある印刷済み試料の領域の光学顕微鏡写真(透過モード)である。暗い領域はパターン付きの銀であり、より明るい領域は、銀がエッチングにより除去された場所であることに留意する。
【0130】
(実施例21)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが−0.33mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.2psi(15.2kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、多くの崩壊欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにC評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図18に示す。
【0131】
(実施例22)
パターン付きの銀でコーティングされたPETフィルムは、上述の技術を使用して作製された。使用された印刷条件は、スタンプの上面とローラーの底面との間のギャップが−0.33mm(±0.15mm)、及び袋内の圧力が2.5psi(17.2kPa)であった。印刷時間は5秒であり、この後印刷済み試料は1.5分間エッチングされた。これは、多くの崩壊欠陥を特徴とする試料をもたらし、そのため、表1に示されるようにC評価を受けた。そのような欠陥領域の特徴的画像を図18に示す。
【0132】
本発明の様々な実施形態の上述の説明を、実例及び説明の目的で提示してきた。それは、包括的であることも、開示されたまさにその形態に本発明を限定することも意図していない。以上の教示を考慮すれば、多くの修正形態及び変形形態が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろ添付の「特許請求の範囲」により制限されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロコンタクトプリンティングの方法であって、
官能基化分子を含む平面インク付着スタンプを提供する工程と、
基材の第1の表面を前記インク付着スタンプの表面に向かって配向させる工程と、
前記基材の前記第1の表面を前記インク付着スタンプの表面に接触させる工程と、
加圧ローラーを前記基材の第2の表面上で転動させる工程と、
前記平面インク付着スタンプの前記表面から前記基材の前記第1の表面に前記官能基化分子の少なくとも一部分を転写させる工程と、
を含み、前記加圧ローラーが流体によって加圧される膨張可能な袋を含む、方法。
【請求項2】
前記膨張可能な袋が、約20psi(137.9kPa)未満に加圧される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記膨張可能な袋が、約0.1ミリメートル〜約3ミリメートルの厚さを有するエラストマー壁を備える、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記加圧ローラーの外表面が、約30〜約80ショアAの範囲のジュロ硬度を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記基材の前記第2の表面上で前記加圧ローラーを転動させる工程が、前記スタンプの前記表面に20psi(137.9kPa)未満の圧力を付与する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基材の前記第1の表面を前記インク付着スタンプの前記表面に向かって配向させる工程が、前記インク付着スタンプの前記表面と前記基材の前記第1の表面との間の接触点に隣接する前記基材の前記第1の表面の一部分の接線が、前記スタンプの平面と角度を成すように配向させる工程を含み、かつ
前記インク付着スタンプの前記表面を前記基材の前記第1の表面と接触させる工程が、前記接触点で前記基材の前記第1の表面と前記インク付着スタンプの前記表面との間の接触前面を形成する工程を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記基材の前記第2の表面上で前記加圧ローラーを転動させる工程が、転動中、前記基材の前記第1の表面と前記インク付着スタンプの前記表面との間の接触前面を伝搬する工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記加圧ローラー内の前記流体の圧力を調節する工程、及び前記加圧ローラーの前記外表面と前記インク付着スタンプの前記表面との間の距離を調節する工程のうちの1工程又は両工程により、前記加圧ローラーによって前記インク付着スタンプの前記表面に適用される前記圧力を調節する工程を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
マイクロコンタクトプリンティング装置であって、
平面スタンプと、
ローラーであって、流体によって加圧されるように構成される膨張可能な袋を備える、ローラーと、
前記加圧ローラーが前記平面スタンプに圧力を適用する間、前記スタンプの表面に実質的に平行な方向に、前記加圧ローラーと前記スタンプとの間の相対的移動を提供するように構成される、作動装置と、
を備える、装置。
【請求項10】
前記加圧ローラーの前記外表面と前記スタンプの前記表面との間の距離を調節するように構成される調節機構を更に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記作動装置が前記相対的移動を自動的に提供するように構成される制御システムを備える、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記加圧ローラーが前記相対的移動中に回転し、前記作動装置が、前記ローラーを回転させるように構成されるモーター駆動機構を備える、請求項9〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記平面スタンプが前記スタンプの前記表面上にレリーフパターンを備え、前記レリーフパターンが隆起領域と、陥凹領域とを有し、前記隆起領域の最小横方向寸法が約10ミクロン未満であり、隣接した隆起領域間の最大横方向分離が少なくとも約50ミクロンであり、前記隆起領域と前記陥凹領域との間の前記レリーフパターンの高さが約10ミクロン未満である、請求項9〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記膨張可能な袋が、流体によって約20psi(137.9kPa)未満に加圧されるように構成される、請求項9〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
長手方向軸線を有するマイクロコンタクトプリンティングローラーであって、
流体によって加圧されるように構成される膨張可能な袋であって、前記膨張可能な袋が20psi(137.9kPa)未満に膨張されるとき、前記ローラーの外表面が、前記長手方向軸線に沿った少なくとも5cmの幅に対して1cmの幅当たり1mm未満の高さの変動を有するように構成される、膨張可能な袋を備える、ローラー。
【請求項16】
前記膨張可能な袋が、前記膨張可能な袋の内部容積内に内部支持体を含まない、請求項15に記載のローラー。
【請求項17】
前記膨張可能な袋が、エラストマー壁と、内部容積を備える、請求項15又は16に記載のローラー。
【請求項18】
前記膨張可能な袋が、拡張可能な発泡体を備える、請求項15〜17のいずれか一項に記載のローラー。
【請求項19】
前記ローラーが、前記膨張可能な袋の外表面上に配置される1つ以上の追加の層を備える、請求項15〜18のいずれか一項に記載のローラー。
【請求項20】
前記ローラーの外表面が、約30〜約80のショアAのジュロ硬度を有する、請求項15〜19のいずれか一項に記載のローラー。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2013−515378(P2013−515378A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546068(P2012−546068)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/060912
【国際公開番号】WO2011/079032
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】