説明

加湿機

【課題】室内空気の殺菌や脱臭のために電解水ミストを放出する加湿機において、電解水ミストをフィルタの殺菌や脱臭にも用いることができるようにする。
【解決手段】加湿機1は、筐体20と、筐体20内に形成され、一方の端が空気取入口22、他方の端が噴霧筒23となり、その中間に送風装置24が配置された空気流通経路21と、空気取入口22に配置されたフィルタ26と、筐体20に内蔵された電解水生成装置と、電解水生成装置が生成した電解水をミスト化し、この電解水ミストを噴霧筒23から排出される前の空気中に混入する電解水ミスト生成装置38を備え、噴霧筒35には、電解水ミスト混じりの空気の少なくとも一部が排出後直ちに空気流通経路21に還流することを可能にする空気還流手段が付属する。空気還流手段は、噴霧筒23の先端に回転可能に取り付けられた吹出方向可変ノズル44により構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加湿機に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の加湿機や空気清浄機には、ウィルス等の微生物の活動を抑え込む機能を備えたものが多くなっている。例えば特許文献1に記載された加湿機は、電解質を添加した溶液を電気分解することで生成された殺菌水を加湿機能部で噴霧状にして室内に加湿しながら散布する。特許文献2に記載された空気清浄機は、電解水のミストを、空気清浄機内で清浄化された空気を用いて機外に放散し、室内空気の殺菌や脱臭を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−33070号公報(国際特許分類:F24F6/00)
【特許文献2】特開2007−37589号公報(国際特許分類:A61L9/14、A61L9/01、C02F1/46)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加湿機の空気取入口にはフィルタが設けられている。加湿機を長く使用していると、
フィルタに捕集された微生物が繁殖し、フィルタ自身が臭気を発することさえある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、室内空気の殺菌や脱臭のために電解水ミストを放出する加湿機において、電解水ミストをフィルタの殺菌や脱臭にも用いることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態によれば、加湿機は、筐体と、前記筐体内に形成され、一方の端が空気取入口、他方の端が噴霧筒となり、その中間に送風装置が配置された空気流通経路と、前記空気取入口に配置されたフィルタと、前記筐体に内蔵された電解水生成装置と、同じく前記筐体に内蔵され、前記電解水生成装置が生成した電解水をミスト化し、この電解水ミストを前記噴霧筒から排出される前の空気中に混入する電解水ミスト生成装置を備え、前記噴霧筒には、電解水ミスト混じりの空気の少なくとも一部が排出後直ちに前記空気流通経路に還流することを可能にする空気還流手段が付属する。
【0007】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の加湿機において、前記空気取入口と前記噴霧筒は前記筐体上部の近接位置に配置されており、前記空気還流手段は、前記噴霧筒の先端に回転可能に取り付けられた吹出方向可変ノズルにより構成される。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の加湿機において、前記吹出方向可変ノズルはモータにより回転して吹出方向を変えるものである。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の加湿機において、前記空気取入口と前記噴霧筒は前記筐体上部の近接位置に配置されており、前記噴霧筒は俯仰角度可変であって、前記空気還流手段は、前記噴霧筒の俯仰角度変更装置により構成される。
【0010】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の加湿機において、前記筐体は台座上に垂直軸線回りの回転が可能であるように支持され、首振りモータによって反転回転するものであり、前記俯仰角度変更装置は、前記台座から立ち上がって前記噴霧筒を下から支えるとともに、前記筐体の回転角度に応じて前記噴霧筒に異なる俯仰角度を与えるカム板により構成される。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の加湿機において、前記俯仰角度変更装置は、上端で前記噴霧筒を支える昇降板と、モータで自身が変位して前記昇降板に昇降動作を与えるカムにより構成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、噴霧筒から放出される電解水ミスト混じりの空気の少なくとも一部を空気流通経路に還流させ、空気取入口に配置されたフィルタを電解水ミストで殺菌及び脱臭することができるから、加湿機を衛生的且つ快適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る加湿機の一部断面正面図である。
【図2】第1実施形態に係る加湿機の垂直断面図である。
【図3】第1実施形態に係る加湿機の垂直断面図で、図2と異なる状態を示すものである。
【図4】本発明の第2実施形態に係る加湿機の正面図である。
【図5】第2実施形態に係る加湿機の垂直断面図である。
【図6】第2実施形態に係る加湿機の垂直断面図で、図5と異なる状態を示すものである。
【図7】第2実施形態に係る加湿機の上面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る加湿機の正面図である。
【図9】第3実施形態に係る加湿機の垂直断面図である。
【図10】第3実施形態に係る加湿機の垂直断面図で、図9と異なる状態を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1から図3までの図に基づき本発明の第1実施形態に係る加湿機の構造と動作を説明する。
【0015】
加湿機1は、平面形状円形の台座10と、その上に支持される、軸線を垂直にした円筒形状の筐体20を備える。台座10は筐体20を垂直軸線まわりに回転可能に支持するものであるが、その具体的構造は後で説明する。
【0016】
筐体20の内部には空気流通経路21が形成される。空気流通経路21は筐体20の正面上部に形成された空気取入口22を始端とし、筐体20の天面の正面寄りに配置された噴霧筒23を終端とする。空気流通経路21には、空気取入口22と噴霧筒23の中間に送風装置24が配置されている。
【0017】
空気取入口22は複数の小孔またはスリットの集合からなる。空気取入口22には空気浄化ユニット25が配置される。空気浄化ユニット25は、空気取入口22を外側から覆うフィルタ26と、フィルタ26を筐体20に取り付けるガードグリル27によって構成される。フィルタ26は目の比較的粗い粗塵用フィルタよりなるが、必要に応じて脱臭フィルタ、目の細かい細塵用フィルタなどを組み合わせたものとしてもよい。
【0018】
送風装置24は、空気取入口22から吸い込まれ、噴霧筒23から排出される空気流を形成するものであって、シロッコファン28及びそれを回転させるモータ29と、シロッコファン28を囲むファンケーシング30により構成される。ファンケーシング30には、シロッコファン28の端面に対面する吸込口部31と、シロッコファン28の外周面に対面する吐出口部32が形成されている。吐出口部32に連続する形で垂直なダクト33が形成される。ダクト33は筐体20の天井面に達し、そこで噴霧筒23に接続する。
【0019】
噴霧筒23は、水平な円筒形の根元部34と、根元部34に対し接線方向に交わる形で突き出すノズル部35を有する。噴霧筒23は、根元部34の円筒形の中心軸を中心として回転できるように、言い換えれば俯仰角度を変えられるように筐体20に取り付けられている。根元部34の円筒面の一部にはダクト33の内部に連通する開口部36が設けられている。
【0020】
根元部34からは、筐体20の内部に向けてパイプ37が突き出す。パイプ37の漏斗状に広がった先端部は筐体20の内部に設置された電解水ミスト生成装置38まで届く。電解水ミスト生成装置38は、図示しない電解水生成装置(電解水ミスト生成装置38と同じく筐体20の内部に設置されている)から流れてきた電解水を超音波振動子39でミスト化するものである。
【0021】
電解水ミスト生成装置38の筐体40は、パイプ37に向き合う面が噴霧筒23の回転中心を中心とする円筒面41となっている。パイプ37の端面も円筒面41と同じ曲率の円筒面42となっているため、パイプ37は筐体40に接触しつつ噴霧筒23と共に回転することが可能である。
【0022】
円筒面41の一部にはパイプ37の内部に連通する開口部43が形成される。パイプ37の漏斗状に広がった先端部は、噴霧筒23が最も上向きになったときでも、最も下向きになったときでも、開口部43を包み込むことになるように、その大きさが設定される。これにより、電解水ミスト生成装置38で生成された電解水ミストは残らずパイプ37に取り込まれることになり、筐体20の内部に電解水ミストが漏れ出したりすることはない。
【0023】
ノズル部35の先端には吹出方向可変ノズル44が取り付けられる。吹出方向可変ノズル44はノズル部35の軸線まわりに回転可能であり、且つ自身の形状はエルボ形である。このため、吹出方向可変ノズル44を指でつまんで回せば吹出方向を変えることができる。吹出方向可変ノズル44が第1実施形態における空気還流手段となる。
【0024】
台座10は筐体20を次のような仕組みで支持する。台座10の上面中心には台状の支軸11が形成されている。支軸11は筐体20の底面に形成された軸受部45を貫通して筐体20の内部に頭を出す。台座10には筐体20の底面を支える複数のローラ12が設けられる。ローラ12は軸受部45を囲むように所定の角度間隔で配置され、その軸線は支軸11の直径方向に整列している。このように複数のローラ12が筐体20を支えることにより、筐体20は支軸11を中心として、傾いたりがたついたりすることなく安定して回転する。
【0025】
筐体20は、扇風機が首を振るように台座10に対し反転回転せしめられる。そのための首振りモータ46が筐体20の内部に配置される。首振りモータ46は筐体20の底部から立ち上がるステー47により支持されている。首振りモータ46は横軸であり、且つ減速機構内蔵タイプであり、水平に出力軸48を突き出している。
【0026】
出力軸48には歯車軸49が固定される。歯車軸49は支軸11の上方に、支軸11の直径線に平行に配置され、先端は筐体20の底面に固定されたステー50に回転可能に支持されている。歯車軸49には歯車51が一体成型され、歯車51は支軸11の上面周縁に形成された歯車部52にかみ合う。首振りモータ46が歯車軸49を回転させると、歯車51は歯車部52の歯形に沿って移動し、それに伴い筐体20も回転する。首振りモータ46が歯車軸49を逆方向に回転させると、筐体20の回転方向も逆になる。首振りモータ46が正転と逆転を繰り返すことにより、筐体20は首を振るように動く。
【0027】
続いて加湿機1の動作を説明する。加湿機1を運転すると、送風装置24、図示しない電解水生成装置、及び電解水ミスト生成装置38に給電が行われ、これらの構成要素はそれぞれ定められた動作を開始する。
【0028】
電解水生成装置の電極に所定の電圧(例えば10V)が印加されると、電極が浸っている水が電気分解されて電解水となる。
【0029】
電圧の印加は、1対の電極が断続的に(例えば1時間毎に3〜10分程度)交互に逆極性となるように行われる。水が塩素を含む水道水であれば、次のような電気化学反応が生じる。
<陽極側>
4HO−4e→4H+O↑+2H
2Cl→Cl+2e
O+Cl←→HClO+H+Cl
<陰極側>
4HO+4e→2H↑+4OH
<電極間>
+OH→H
上記反応により、除菌作用と脱臭作用のある次亜塩素酸(HClO)や活性酸素を含む電解水が生まれる。
【0030】
電解水生成装置で生成された電解水は電解水ミスト生成装置38へと流れる。電解水ミスト生成装置38の超音波振動子39を発振させると、電解水の水面からミストが発生し、電解水ミスト生成装置38の筐体40の上部空間に充満する。
【0031】
ここで送風装置24を駆動すると、フィルタ26→空気取入口22→送風装置24→噴霧筒23という空気の流れが生じる。空気取入口22から吸い込まれる空気は、フィルタ26を通過する際に塵埃や微生物を捕集されて清浄になる。清浄化された空気が送風装置24に吸い込まれ、ダクト33に吐出される。
【0032】
ダクト33から噴霧筒23の中に入った空気の中に、パイプ37から流れ出す電解水ミストが混入する。電解水ミスト混じりの空気は、ノズル部35を通り、さらに吹出方向可変ノズル44を通り、外部に吹き出す。図2は、噴霧筒23は俯仰角度が最も下向きである姿勢、すなわちノズル部35が水平となる姿勢であるのに対し、吹出方向可変ノズル44は吹出方向が上向きとなる角度にされた状態を示している。この状態であると、電解水ミスト混じりの排気は斜め上方に吹き出し、電解水ミストは広範囲に拡散する。ノズル部35が上向きになるように噴霧筒23の俯仰角度を変えて行けば、排気吹き出し方向を一層上向きにすることができる。通常は、このように排気を上向きに吹き出す形で加湿機1を使用する。
【0033】
フィルタ26の殺菌または脱臭を行いたいときは、図3に示すように、噴霧筒23を俯仰角度が最も下向きである姿勢にした上で、吹出方向可変ノズル44を指でつまんで吹出方向を下向きにする。すると、吹出方向可変ノズル44から排出される電解水ミスト混じりの空気の一部が排出後直ちに空気流通経路21に還流し、電解水ミストがフィルタ26を通る。これにより、フィルタ26に捕集されて繁殖していた、または繁殖しようとしていた微生物が死滅するか活力を失い、悪臭の原因が絶たれることになる。
【0034】
ここでは吹出方向可変ノズル44を手で回転させるものとしたが、吹出方向可変ノズル44を回転させるモータを設け、所定のタイミングで吹出方向可変ノズル44が自動的に回転して吹出方向を下向きに変えるように構成することもできる。
【0035】
図4から図7に本発明の第2実施形態を示す。第2実施形態の中で、第1実施形態と機能的に共通する構成要素には第1実施形態で使用した符号をそのまま付し、説明は省略する。第2実施形態の後で説明する第3実施形態についても同様とする。
【0036】
第2実施形態では、噴霧筒23に吹出方向可変ノズル44は設けられていない。その代わり、噴霧筒23の俯仰角度変更装置60が設けられる。俯仰角度変更装置60が第2実施形態における空気還流手段となる。
【0037】
俯仰角度変更装置60を構成するのは台座10から垂直に立ち上がるカム板61である。カム板61は台座10に固定されており、その上縁には噴霧筒23を下から支えるカム面62が形成されている。カム面62は、正面から見ると、中央が最も低く、両端ほど高くなる円弧を描いている。また図7に示す通り、カム板61は上から見ると円弧形状をなしており、噴霧筒23が図7の中立位置から左右に60°ずつ振れる角度領域をカバーする。
【0038】
カム板61には、筐体20の空気取入口22に対応する位置に空気取入口63が形成されている。空気取入口63は横長のスリットの集合からなるが、小孔の集合であっても構わない。空気取入口22に配置される空気浄化ユニット25は、第2実施形態の場合、ガードグリル27なしで、フィルタ26のみにより構成される。
【0039】
首振りモータ46は筐体20を首振り原点位置から左右に60°ずつ反転回転させる。この動きの中で、自重でカム面62に接触している噴霧筒23はカム面62の起伏に従って俯仰角度を変える。
【0040】
図5に示すのは筐体20が首振り原点位置に来たときの状態であり、噴霧筒23がカム面62の中央部分で支持されていて、俯仰角度が最も下向きになっている。この時噴霧筒23から排出される電解水ミスト混じりの空気は、一部が排出後直ちに空気流通経路21に還流し、電解水ミストがフィルタ26を通る。これにより、フィルタ26に捕集されて繁殖していた、または繁殖しようとしていた微生物が死滅するか活力を失い、悪臭の原因が絶たれることになる。
【0041】
図5の状態から筐体20が左右に振れ、噴霧筒23がカム面62の端近くで支えられることになると、図6に示すように噴霧筒23の俯仰角度が上向きになり、噴霧筒23から排出される電解水ミスト混じりの空気は、もはや空気流通経路21に還流することなく、遠くまで吹き飛ばされることになる。これにより、電解水ミストは広範囲に拡散する。
【0042】
首振りモータ46が筐体20を首振りさせるかぎり、首振りの途中で電解水ミスト混じりの空気の一部が空気流通経路21に還流し、フィルタ26の殺菌と脱臭が行われる。フィルタ26の殺菌と脱臭を集中的に行うのであれば、筐体20が首振り原点位置に来たときに首振りモータ46を停止させ、筐体20の動きを止めればよい。
【0043】
図8から図10に本発明の第3実施形態を示す。第3実施形態で空気還流手段を構成するのも噴霧筒23の俯仰角度変更装置60である。
【0044】
第3実施形態において俯仰角度変更装置60を構成するのは、上端で噴霧筒23を支える垂直な昇降板65と、モータで自身が変位して昇降板65に昇降動作を与えるカム66である。昇降板65は、筐体20の内面に設けたガイド部67により昇降可能に支持されており、上端は筐体20の天面上に突き出して噴霧筒23のノズル部35の下面に当たっている。昇降板65の下端には筐体20の中心方向に突き出す水平なカムフォロワ68が形成されており、このカムフォロワ68がカム66の上に載っている。カム66は菱形の四隅にアールをつけた形状であって、歯車軸49の端に固定されている。
【0045】
首振りモータ46が歯車軸49を回転させると、筐体20が首振りを行うとともに、カム66も回転する。カム66の菱形の長軸が水平になったところで昇降板65は最も下降する。噴霧筒23の俯仰角度も最も下向きになる。これが図9に示す状態である。この時噴霧筒23から排出される電解水ミスト混じりの空気は、一部が排出後直ちに空気流通経路21に還流し、電解水ミストがフィルタ26を通る。これにより、フィルタ26に捕集されて繁殖していた、または繁殖しようとしていた微生物が死滅するか活力を失い、悪臭の原因が絶たれることになる。
【0046】
カム66の菱形の長軸が垂直になると、昇降板65は最も上昇する。図10に示すように、噴霧筒23の俯仰角度が上向きになり、噴霧筒23から排出される電解水ミスト混じりの空気は、もはや空気流通経路21に還流することなく、遠くまで吹き飛ばされることになる。これにより、電解水ミストは広範囲に拡散する。
【0047】
首振りモータ46が筐体20を首振りさせるかぎり、首振りの途中で噴霧筒23の俯仰角度が下向きになり、電解水ミスト混じりの空気の一部が空気流通経路21に還流し、フィルタ26の殺菌と脱臭が行われる。フィルタ26の殺菌と脱臭を集中的に行うのであれば、昇降板65が最も下降した時点で首振りモータ46を停止させ、筐体20の首振りと昇降板65の昇降を止めればよい。
【0048】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0049】
尚、以上の説明では加湿機を例に説明したが、この加湿機には空気浄化ユニット25が具えられているので、説明した加湿機は空気清浄機とみることもできる。この場合、噴霧筒23は清浄化された空気が放出される吐出口とみることができ、吐出口より放出される清浄空気と一緒に電解水ミストが放散されるものとみなすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は加湿機に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 加湿機
10 台座
20 筐体
21 空気流通経路
22 空気取入口
23 噴霧筒
24 送風装置
25 空気浄化ユニット
26 フィルタ
38 電解水ミスト生成装置
44 吹出方向可変ノズル
46 首振りモータ
60 俯仰角度変更装置
61 カム板
65 昇降板
66 カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に形成され、一方の端が空気取入口、他方の端が噴霧筒となり、その中間に送風装置が配置された空気流通経路と、
前記空気取入口に配置されたフィルタと、
前記筐体に内蔵された電解水生成装置と、
同じく前記筐体に内蔵され、前記電解水生成装置が生成した電解水をミスト化し、この電解水ミストを前記噴霧筒から排出される前の空気中に混入する電解水ミスト生成装置を備え、
前記噴霧筒には、電解水ミスト混じりの空気の少なくとも一部が排出後直ちに前記空気流通経路に還流することを可能にする空気還流手段が付属することを特徴とする加湿機。
【請求項2】
前記空気取入口と前記噴霧筒は前記筐体上部の近接位置に配置されており、前記空気還流手段は、前記噴霧筒の先端に回転可能に取り付けられた吹出方向可変ノズルにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の加湿機。
【請求項3】
前記吹出方向可変ノズルはモータにより回転して排気方向を変えるものであることを特徴とする請求項2に記載の加湿機。
【請求項4】
前記空気取入口と前記噴霧筒は前記筐体上部の近接位置に配置されており、前記噴霧筒は俯仰角度可変であって、前記空気還流手段は、前記噴霧筒の俯仰角度変更装置により構成されることを特徴とする請求項1に記載の加湿機。
【請求項5】
前記筐体は台座上に垂直軸線回りの回転が可能であるように支持され、首振りモータによって反転回転するものであり、前記俯仰角度変更装置は、前記台座から立ち上がって前記噴霧筒を下から支えるとともに、前記筐体の回転角度に応じて前記噴霧筒に異なる俯仰角度を与えるカム板により構成されることを特徴とする請求項4に記載の加湿機。
【請求項6】
前記俯仰角度変更装置は、上端で前記噴霧筒を支える昇降板と、モータで自身が変位して前記昇降板に昇降動作を与えるカムにより構成されることを特徴とする請求項4に記載の加湿機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−21701(P2012−21701A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159501(P2010−159501)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】