説明

加湿空気清浄機

【課題】本発明は、加湿空気清浄機を容易に可動し、かつ加湿水の漏れを防止することを目的とするものである。
【解決手段】可動可能な保持部16は、使用されるときは本体ケース6の内部に一部収納されているが、加湿空気清浄機1を掃除したり、他の場所に移動する場合に、保持部16を本体ケース6から引き出して、取っ手となるようにすることができ、加湿空気清浄機1を持ち上げることなく、車輪状の移動手段15を使って床を移動することができる。この際に加湿容器12の中に入っている加湿水11は、加湿空気清浄機1を傾けるとこぼれてしまう可能性があるため、加湿容器12に可動軸17を備え、前記可動軸17を中心に加湿容器12が自在に稼動できるため、加湿容器12に入っている加湿水11はこぼれることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空気の加湿および、空気清浄を行う加湿空気清浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加湿空気清浄機は、以下のような構成となっていた。
【0003】
すなわち、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けた送風機と、この送風機の吸込側と前記本体ケースの吸気口の間に設けたフィルタと、前記本体ケース内の下方に設けた加湿器とを備え、前記加湿器は、加湿水が収納された加湿容器と、この加湿容器内の前記加湿水を散布する加湿体とを有し、前記送風機の吹出側から前記本体ケースの排気口の間に、この送風機の吹出側から前記加湿器を介して本体ケースの排気口を結ぶ排気経路を形成した構成となっていた。また本体ケース下部に移動可能なキャスタが備えられている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−509583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例における課題は、送風機、フィルタや加湿機など複数の機能を備えた機器が備えられているため重量が重く移動しづらいという課題があった。また、掃除など移動を行いたい場合に、加湿空気清浄機を前後に傾けると加湿水が加湿容器からこぼれるという課題があった。
【0006】
したがって、可搬性を向上する対策が求められている。
【0007】
そこで、本発明は、加湿空気清浄機を容易に可搬し、かつ加湿水の漏れを防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために、本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けた送風機と、この送風機の吸込側と前記本体ケースの吸気口の間に設けたフィルタと、前記本体ケース内の下方に設けた加湿器とを備え、前記加湿器は、加湿水が収納された加湿容器と、この加湿容器内の前記加湿水にその下端が浸漬された加湿体とを有し、前記送風機の吹出側から前記本体ケースの排気口の間に、この送風機の吹出側から前記加湿器を介して本体ケースの排気口を結ぶ排気経路を形成したものであり、前記加湿容器は可動軸を備え、前記可動軸を中心に自在に可動でき、かつ前記本体ケースの下部に移動手段を備えたものであり、これにより初期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明は、吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けた送風機と、この送風機の吸込側と前記本体ケースの吸気口の間に設けたフィルタと、前記本体ケース内の下方に設けた加湿器とを備え、前記加湿器は、加湿水が収納された加湿容器と、この加湿容器内の前記加湿水にその下端が浸漬された加湿体とを有し、前記送風機の吹出側から前記本体ケースの排気口の間に、この送風機の吹出側から前記加湿器を介して本体ケースの排気口を結ぶ排気経路を形成したものであり、前記加湿容器は可動軸を備え、前記可動軸を中心に自在に可動でき、かつ前記本体ケースの下部に移動手段を備えたものであり、可搬性を向上することができる。
【0010】
すなわち、本発明において、加湿空気清浄機を容易に可搬し、かつ加湿水の漏れを防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態の加湿空気清浄機の使用状態を示した斜視図
【図2】同加湿空気清浄機の分解斜視図
【図3】同加湿空気清浄機の保持部を本体ケースに収納した斜視図
【図4】同加湿空気清浄機の保持部を本体ケースから引き出した斜視図
【図5】同加湿空気清浄機の加湿容器を示す斜視図
【図6】同加湿空気清浄機の加湿空気清浄運転時の簡略図
【図7】同加湿空気清浄機の移動時の簡略図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
【0013】
図1において、1は加湿空気清浄機で、室内2の床3上に設置され、空気清浄運転と、加湿空気清浄運転を選択的に行うことができるようになっている。
【0014】
本実施の形態では、加湿空気清浄運転時、すなわち加湿のための水を加湿空気清浄機内に貯留している状態について説明する。
【0015】
加湿空気清浄機1は、図2に示すように、前面側の吸気口4と、上面側の排気口5を有する箱型の本体ケース6を有する。
【0016】
また、本体ケース6内の上下方向の中央部分には送風機7が設けられ、この送風機7の吸込側と本体ケース6の吸気口4の間には、吸気口4側から送風機7に向けて集塵フィルタ8と、脱臭フィルタ9が設置されている。
【0017】
一方、本体ケース6内の下方(送風機7の下方)には加湿器10が設けられている。
【0018】
この加湿器10は、加湿水11が収納された上面が開口した加湿容器12と、この加湿容器12内の加湿水11内に、その下端が浸漬された薄板状の加湿体13と、加湿容器12内に水を補給するための給水タンク14とを有する。
【0019】
送風機7は、シロッコファンまたはターボファンにて構成されている。
【0020】
ここで、図3に示すように、本体ケース6の下部に車輪状の移動手段15を備え、本体ケース6の上部に可動可能な保持部16を備えている。
【0021】
ここで図5に示すように、加湿容器12は、給水タンク14と連結される外部容器18と加湿水11を直接収納する内部容器19に分割されている。内部容器19の外周端部20の中央部には、可動軸17が備えられ、可動軸17は外部容器18に摺動するように連結されている。また、加湿体13は加湿容器12に支持部材21により支持されている。
【0022】
上記構成において、可動可能な保持部16は通常使用されるときは、図3に示すように本体ケース6の内部に一部収納されているが、加湿空気清浄機1を掃除したり、他の場所に移動する場合に、図4に示すように、保持部16を本体ケース6から引き出して、取っ手となるようにすることができ、加湿空気清浄機1を持ち上げることなく、車輪状の移動手段15を使って床を移動することができる。
【0023】
次に加湿空清運転時と可搬時の加湿空気清浄機1の状態を加湿容器12の状態を中心に説明する。
【0024】
図6に示すように、加湿空気清浄機1を加湿空清運転する場合には、加湿水11は加湿容器12の中に入っており、室内を加湿するために使用される。加湿空気清浄機1は床に静置されているため加湿容器12の中に入っている加湿水11は、床面にこぼれることがない。
【0025】
図7に示すように、加湿空気清浄機1を別に部屋に可搬したい場合は、本体ケース6から保持部16を加湿空気清浄機1の上方に引き伸ばすことができ、使用者が立位のまま可搬することができる。このとき加湿空気清浄機1を傾けることになり、加湿空気清浄機1の床面設置側に備えられた移動手段15によって、床を傷つけることなく、使用者が楽に異動することができる。
【0026】
さらに、加湿空気清浄機1が傾くことにより、加湿容器12の外部容器18と加湿体13も傾くが、加湿容器12に備えられた内部容器19は外部容器18の内側で可動軸17を中心に自在に可動できるため、内部容器19の上端の開口は水平を維持し、内部容器19と加湿水11の位置関係は、図6の加湿空気清浄機1が床に静置された水平な場合と変わらず、加湿容器12に入っている加湿水11はこぼれることがない。
【0027】
したがって、加湿空気清浄機として極めて有用なものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上のごとく本発明においては、保持部を本体ケースから引き出して、取っ手とすることができ、加湿空気清浄機を持ち上げることなく、車輪状の移動手段を使って床を移動することができる。この際に加湿容器の中に入っている加湿水は、加湿空気清浄機を傾けるとこぼれてしまう可能性があるため、加湿容器に可動軸を備え、前記可動軸を中心に加湿容器が自在に稼動できるため、加湿容器に入っている加湿水はこぼれることがないものである。
【0029】
したがって、加湿空気清浄機として極めて有用なものとなる。
【符号の説明】
【0030】
1 加湿空気清浄機
2 室内
3 床
4 吸気口
5 排気口
6 本体ケース
7 送風機
8 集塵フィルタ
9 脱臭フィルタ
10 加湿器
11 加湿水
12 加湿容器
13 加湿体
14 給水タンク
15 移動手段
16 保持部
17 可動軸
18 外部容器
19 内部容器
20 外周端部
21 支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口を有する本体ケースと、この本体ケース内に設けた送風機と、この送風機の吸込側と前記本体ケースの吸気口の間に設けたフィルタと、前記本体ケース内の下方に設けた加湿器とを備え、前記加湿器は、加湿水が収納された加湿容器と、この加湿容器内の前記加湿水にその下端が浸漬された加湿体とを有し、前記送風機の吹出側から前記本体ケースの排気口の間に、この送風機の吹出側から前記加湿器を介して本体ケースの排気口を結ぶ排気経路を形成したものであり、前記加湿容器は可動軸を備え、前記可動軸を中心に自在に可動でき、かつ前記本体ケースの下部に移動手段を備えた加湿空気清浄機。
【請求項2】
本体ケースの上部に可動可能な保持部を備えた請求項1記載の加湿空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−137233(P2012−137233A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289380(P2010−289380)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】