説明

加熱処理装置

【課題】加熱室の複数面に給電部を設け外観を大きく見せずに大きなマイクロ波出力を得るとともに電磁波分布を所望の電磁波分布を自在に得る。
【解決手段】給電部5a〜5h以外のマイクロ波発生部品を扁平なマイクロ波モジュール24としてコンパクトに集約ユニット化し、複数壁面と複数の給電部をもつ加熱室6と筐体の外郭を形成するボディ26の間の微小な空間にマイクロ波モジュール24を収納して外郭はコンパクトで加熱室容積は従来と同等に維持し、複数の給電部から放射されるマイクロ波で大きな電力を加熱室6内に放射可能にするとともに、複数の給電部から放射されるマイクロ波の相互干渉により自在な加熱分布を形成することを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子を用いて構成したマイクロ波発生部を備えた加熱処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のマイクロ波処理装置は、一般に固体発振器が接続された各アンテナのうち少なくとも2個を加熱室の同一壁面に配置させるもの(例えば、特許文献1参照)がある。ただし、この文献には、加熱室同一壁面に複数のアンテナを配置することが記載されるに留まり、複数壁面への適用を示すものは詳述されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭52−16654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱室同一壁面に複数のアンテナを配置させるものとしては、単純にアンテナ数を複数設けただけであって、加熱室の複数面に複数のアンテナを配置する手段、効果について記載したものはなかった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、複数の給電部それぞれから放射されるマイクロ波を複数の壁面より放射する具体的な構成を示し、複数の壁面の複数のアンテナから多くのマイクロ波を放射し大きなマイクロ波電力を供給しかつ高密度実装により外観、ものづくり、サービス性に関してまで言及したマイクロ波処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明のマイクロ波処理装置は、筐体外郭を構成するボディと、ボディ内部に配置された加熱室と、加熱室を構成する壁面に複数設けたアンテナから放射する給電部と、前記加熱室を構成する少なくとも二つの壁面に給電部を複数設け、複数設けた給電部を除く構成部品をマイクロ波モジュールという部品群と定義して、ボディと加熱室の空隙の小空間にマイクロ波モジュールを収納するものである。
【0007】
発振部と、電力分配部と、電力分配部の出力位相を可変する位相可変部と、電力分配部の出力をそれぞれ電力増幅するパワーユニットと、パワーユニットの出力を透過させ、パワーユニット方向に反射するマイクロ波電力と、透過するマイクロ波電力を検出する方向性結合器と、方向性結合器からの透過と反射のマイクロ波電力を減衰させ直流電圧に変換する検波回路と、方向性結合器から透過してきたマイクロ波電力を加熱室内に放射する給電部と、検波回路の出力を処理し加熱室内のマイクロ波分布を制御する制御部と、給電部を除く構成部品からなるマイクロ波モジュールを備えている。
【0008】
加熱室を構成する多壁面に給電部を複数設け、マイクロ波モジュールを加熱室とボディの間の微小空間に配置、実装し、複数の部品構成ユニットを分散配置し、加熱室の多壁面から複数の給電を行い、電力供給量を増大させるとともに、多給電間の相互作用による電磁界分布の多様性を増加させる加熱処理装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のマイクロ波処理装置は、加熱室の多壁面に複数の給電部を配置し、その複数の給電部から発生するマイクロ波の総和を大きくして大電力を供給することを可能とし、また、加熱室とボディの間の空間を有効に利用し、給電部以外の構成部品をコンパクトに微小空間に収納し、空間容積を最小限に抑え大電力を供給する小型の加熱処理装置を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における加熱処理装置のシステムブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における加熱処理装置の側面からの断面図
【図3】本発明の実施の形態1におけるパワーユニットの回路構成図
【図4】本発明の実施の形態1における加熱処理装置の要部概観組立斜視部分図
【図5】本発明の実施の形態1における機器の側面から見た部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、機器の外郭を構成するボディと、ボディ内部に配され被加熱物を収容する加熱室と、発振部と、発振部の出力を複数に分配して出力する電力分配部と、電力分配部の少なくともひとつの出力位相を変化させる位相可変部と、電力分配部および/または位相可変部の出力をそれぞれ電力増幅するパワーユニットと、パワーユニットの出力を透過させ、パワーユニット方向に反射するマイクロ波電力と透過するマイクロ波電力を検出する方向性結合器と、方向性結合器からの透過と反射のマイクロ波電力を減衰させ直流電圧に変換する検波回路と、方向性結合器から透過してきたマイクロ波電力を加熱室内に放射する給電部と、検波回路の出力から発振部の発振周波数と、前記位相可変部の位相量を制御する制御部とを備え、加熱室を構成する多壁面に給電部を複数設け、その複数の給電部を除く構成部品を加熱室とボディの間の微小な空間に給電部以外の構成部品群であるマイクロ波モジュールをコンパクトに実装し、小型の外形にも関わらず大電力を供給することができる。また、非常に複数の給電部を有しているため、複数の電波が相互干渉により自在な加熱分布を形成することが可能となる。
【0012】
第2の発明は、発振部と、電力分配部と、位相可変部とを共通ベース上に取り付け、中央集中系統部としてユニット化する構成とすることにより、部品の大括りユニット化が実現し、ものづくりの簡便性及びサービス性を大幅に改善することができる。
【0013】
第3の発明は、方向性結合器と、位相可変部をパワーユニット上に配置しユニット化する構成とすることにより、部品の大括りユニット化が実現でき、ものづくりの簡便性及びサービス性を大幅に改善することができる。
【0014】
第4の発明は、パワーユニットを四隅に配置し、給電部を等間隔に配置する構成としたもので、複数の給電部が加熱室底面により広く分散させることが出来るため、各給電部からの電磁波がお互いに干渉しやすくなり、加熱室内の定在波をマイクロ波周波数や各給電部間の位相を変化させることにより、ダイナミックな変化を得ることができ、加熱分布を自在に変化しやすくすることができる。
【0015】
第5の発明は、パワーユニットを四隅に配置し、給電部を等間隔に配置し、前記間隔を複数有する構成としたもので、ここで示したユニットを標準部品化するためには様々なサイズの加熱室にも適応可能にしておく必要がある。従って、給電部の配置についても加熱室サイズに応じて給電部位置を選択できるようにし、それぞれの加熱室サイズに応じて給電部配置を変化させ、最適な加熱分布が得られるように選択肢をもたせたものである。
【0016】
第6の発明は、パワーユニット間の隙間に駆動電源部、中央集中系統部、制御部を配置することによって、パワーユニットを分散配置したことにより生じるデッドスペースを有
効利用し、システム全体を小型化する。
【0017】
第7の発明は、各構成部品を実装した部品載置板をボディ底面に取り付ける構成としたもので、完成したユニットを簡単なビス締めで完成状態にすることができ、ものづくりの簡便性及びサービス性を大幅に改善することができる。
【0018】
第8の発明は、パワーユニットに取り付けられた電力伝播軸を、加熱室底面に穿った穴を貫通させて部品載置板をボディの開口に取り付け加熱室底面に配し、前記電力伝播軸に給電部を着脱可能に取り付ける構成とすることにより、ユニット取り付け後、簡単なビス締め等で給電部を固定することができ、ものづくりの簡便性及びサービス性を大幅に改善することができる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態における加熱処理装置の構成図である。
【0021】
図1において構成要素について説明する。発振部12は、2400〜2500MHzの帯域のもととなる微弱信号を発信する。電力分配部13は、発振部12の出力を4分配する。位相可変部11a〜11dは、それぞれの電力分配部13の出力の位相を制御する。パワーユニット1a〜1dは、電力分配部13からのマイクロ波電力を増幅する機能を有し半導体素子を用いて構成する。
【0022】
電力分配部13は、例えば、ウィルキンソン型分配器のような出力間に位相差を生じない同相分配器であってもよいし、ブランチライン型やラットレース型のような出力間に位相差を生じる分配器であっても構わない。電力分配部13によって、パワーユニット1a〜1dには発振部12から入力されたマイクロ波電力の略1/4の電力が伝播される。
【0023】
位相可変部11a〜11dは、印加電圧に応じて容量が変化する容量可変素子を用いて構成し、各々の位相可変範囲は、0度から略180度の範囲としている。これによって位相可変部11a〜11dより出力されるマイクロ波電力の位相差は、0度から±180度の範囲で制御することができる。
【0024】
ここまでの部品はマイクロ波帯の電力フローであるが、略10W以下の比較的小電力を扱っているので、同一基板上に構成することが可能である。この部分を中央集中統合部3として1ユニット化すれば部品点数の削減、ハンドリングの容易さとういうものづくりの効果が発揮されてくる。
【0025】
例えば、発振部は、比較的汎用的な部品としても取り扱われている領域で、ガラスエポキシを材料としたマイクロストリップ線路構成の基板とし、電力分配器13以降の回路は比較的扱う電力が大きくなってくるため、テフロン(登録商標)を材料としたマイクロストリップ線路構成の基板とし、裏面はグランド箔なのでベースとなる金属ベース板に半田付け等で一体化することも1ユニット化の手段として考えられる。扱う電力が比較的低くできれば、ガラスエポキシ基板で1枚基板化ということも考えられる。
【0026】
方向性結合器19a〜19bは、パワーユニット1a〜1dの出力を透過するとともに、検波回路に透過波電力と反射波電力の一部を送出する。検波回路20は、パワーユニット方向に反射するマイクロ波電力と透過するマイクロ波電力を減衰、検波、平滑して、直流電圧として検出する(透過電力をPf、反射電力をPrとする)。その信号は制御部4
に送出される。検波回路20については別図面で後述する。
【0027】
給電部5a〜5dは、パワーユニット1a〜1dで増幅されたマイクロ波出力を加熱室内に放射する。制御部4は検波回路20によって検出されるPf、Prに応じて発振部12の発振周波数と位相可変部11a〜11dの位相量を制御する。駆動電源部2はPFC機能付絶縁型AC−DCコンバータからなりパワーユニット1a〜1dに電圧(Vdd、GND)を供給する。
【0028】
制御部4は、使用者が直接入力する被加熱物の加熱条件や被加熱物の配置位置を検出する位置検出手段から得られる負荷情報、または、加熱中に被加熱物の加熱処理の進捗状態を検出する処理状態検出手段から得られる加熱情報と検波回路20の反射電力情報に基づいて、マイクロ波発生部の構成要素である発振部12とパワーユニット1a〜1dのそれぞれに供給する駆動電力の制御と、位相可変部11a〜11dに供給する電圧の制御で放射するマイクロ波の電磁界分布を制御とを行い、加熱室6内に収納された被加熱物を最適に加熱する。
【0029】
図2を用いて、本発明の加熱処理装置の構成を説明する。被加熱物を収納する略直方体構造からなるボディ26とその内部に配された同じく略直方体構造からなる加熱室6を有し、加熱室6は金属材料からなる壁面および被加熱物(不図示)を収納するために開閉する開閉扉(不図示)と、被加熱物を載置する載置台7に載置された被加熱物には底面のマイクロ波モジュール24からは給電部5a〜5dを通じて、マイクロ波電力が加熱室6内に供給される。
【0030】
天面のマイクロ波モジュール24からは給電部5e〜5hを通じてマイクロ波電力が加熱室6内に供給される。ここでマイクロ波モジュール24はボディ26と加熱室6の空隙に配され、天面と底面に各1個ずつ配されている。そのフラット性から外観に与える影響は最小限におさえられている。
【0031】
このように、マイクロ波モジュール24のフラット性を最大限に活かし、ボディ26と加熱室6の間にコンパクトに収納されている。天面側に給電部4つ、底面側に給電部4つとすると、一給電あたり250Wのマイクロ波電力を供給するとすれば8つの給電部からトータル2000Wの電力を供給することができる。
【0032】
しかも、前述したように加熱室6とボディ26の空間が非常に小さいため、外観上既成の加熱処理装置と比べて違和感のない筐体外観のコンパクト性を実現することができる。
【0033】
底面側のマイクロ波モジュール24のパワーユニット1a〜1dで発生したマイクロ波出力が伝播され、加熱室6内に放射供給する4ヶ所の給電部5a〜5dは全て加熱室6を構成する底壁面に配置されている。
【0034】
4ヶ所の給電部1a〜1dから放射されるマイクロ波出力によって、被加熱物は加熱される。また被加熱物を載置し、かつユーザーが給電部5a〜5dを触れられないように載置台7が給電部5a〜5dの上方に取り付けられている。
【0035】
天面側のマイクロ波モジュール24のパワーユニット1a〜1dで発生したマイクロ波出力が伝播され、加熱室6内に放射供給する4ヶ所の給電部5e〜5hは全て加熱室6を構成する天壁面に配置されている。4ヶ所の給電部1a〜1dから放射されるマイクロ波出力によって被加熱物は加熱される。ユーザーが給電部5a〜5dを触れられないように遮蔽天面25が、給電部5e〜5hの下方に取り付けられている。
【0036】
掃除性と耐熱性を考慮して、載置台7及び遮蔽天面25は耐熱性の高い結晶化ガラスのネオセラムを使用しているが、これはその材料を制限するものではない。
【0037】
次に、パワーユニット1a〜1dについて図3を用いて説明する。低誘電損失材料から構成した誘電体基板の片面に形成した導電体パターンにて回路を構成している。
【0038】
電力分配部13から出力された微弱なマイクロ波出力は各増幅部(プリアンプ1の14、プリアンプ2の15、プリアンプ3の16)で増幅させ十数Wの電力まで増幅される。この部分をドライバー段21と称している。
【0039】
出力段22は、大きな入力電力を増幅するためかなり大きな半導体チップを有する増幅素子が必要となり、ファイナルアンプ1の17とファイナルアンプ2の18の並列接続で略10dBのゲインを必要とする。ここでは出力段22がその機能を司る。マイクロ波パワー半導体素子を良好に動作させるべく、各半導体素子の入力側と出力側にそれぞれ整合回路を配している。
【0040】
パワーユニット1a〜1dの出力は、方向性結合器19によって透過する。パワーユニット1a〜1d方向への反射も当然マイクロ波帯の回路なので存在する。検波回路20は減衰器と検波ダイオードと平滑用コンデンサ等からなり、その透過電力と反射電力の一部が入射し、減衰器で低電圧に低下させ、検波素子と平滑回路で制御部4が検出可能な直流低電圧に変換しPr、Pfを得る。
【0041】
当然、回路パターン設計を巧に行えば、方向性結合器19a〜19d及び検波回路20はパワーユニット1a〜1dに取り込むことも可能で、それを実現すれば回路を統合化して総ユニット数を減らすことが可能で、ものづくり面では簡略化が図れる。
【0042】
以上のように構成された加熱処理装置について、以下その作用、効果を説明する。
【0043】
図4は本加熱処理装置の一例を示す構成斜視図である。ここで、構成部品は全て外郭を構成するボディ26の内部に配された加熱室6の底面に配置されている。
【0044】
ここでのポイントは、配置ベースと外装を兼ねた部品載置板8の上に、パワーユニット1a〜1d、駆動電源部2、中央集中統合部3、制御部4が全て取り付けられ、1ユニット化されている。この状態でハンドリング可能である。
【0045】
部品載置板8は、マイクロ波電力が全て電力伝播軸23a〜23dで加熱室6内に伝播されるため、機外への電波漏洩の配慮は不要であるので、樹脂を選択しても金属を選択しても自由である。
【0046】
ものづくりのイメージとしては、部品載置板8の上に、パワーユニット1a〜1d、駆動電源部2、中央集中統合部3、制御部4を取り付け一体化する。この作業をサブラインで事前に組立、メインラインに供給し、メインラインではこの一体化ユニットを取り付けビス9でボディ26の底面部の開口25に締結する。
【0047】
予め加熱室6に穿った電力伝播軸23a〜23d挿入用の孔に嵌合させて取り付け、ビス9で締結したのち、金属平板からなるアンテナ機能を有する給電部5a〜5dの突端に形成した孔にビス締めする固定も考えられる。この事例は固定方法を限定するものではない。
【0048】
詳述していないが、天面側についても同様の構成をとることが可能で、この底面側と天
面側の部品載置台8を各々、底面及び天面に装着することによって給電部を8個持つ加熱処理装置を構成することができる。
【0049】
図5を用いてさらに実装方法の詳細について説明する。ただし、この事例は底面側のみの構成を示すもので、天面側については上下に180°回転させた構成であるので説明は割愛する。
【0050】
図5は、機器の一部の側面からの部分断面図である。ボディ26の内部に加熱室6が配されている。パワーユニット1(1a〜1d)、制御部4は勿論のこと、駆動電源部2、中央集中系統部3も全て部品載置板8の上に配置され、この状態でハンドリング可能である。
【0051】
ボディ26の底面には、開口25を利用してボディ26に取付けビス9で固定し取り付けられている。加熱室6の底面には電力伝播軸23を通す孔が穿ってあり、そこを貫通して電力伝播軸23を嵌合することによって、各部品が載置された部品載置板8は円滑にボディ26に取り付けられる構成になっている。
【0052】
ここでは部品載置板8のボディ26の開口25への取り付けは、取付けビス9での締結であるが、サービス性を一部無視すれば溶接等の取り付けも考えられ、ここの事例は締結法を限定するものではない。
【0053】
ビスの場合は、ボディ26を外すことなく、これらのビスを外すだけで一体化したユニット、即ち全ての部品が取り出せるためサービス性は極めて良好となることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明にかかる加熱処理装置によれば、加熱室を構成する複数壁面に複数設けた給電部にて反射するマイクロ波電力が最小となる周波数で加熱処理することができる。このため、電子レンジで代表されるような誘電加熱を利用した加熱装置や生ゴミ処理機、あるいは半導体製造装置であるプラズマ電源のマイクロ波電源などの用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0055】
1a〜1d パワーユニット
5a〜5h 給電部
6 加熱室
8 部品載置板
11a〜11d 位相可変部
19a〜19d 方向性結合器
12 発振部
13 電力分配部
20 検波回路
26 ボディ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の外装を形成するボディと、前記ボディの内部に配置された被加熱物を収容する加熱室と、発振部と、前記発振部の出力を複数に分配して出力する電力分配部と、前記電力分配部の少なくともひとつの出力位相を可変する位相可変部と、前記電力分配部および/または前記位相可変部の出力をそれぞれ電力増幅するパワーユニットと、前記パワーユニットの出力を透過させ、前記パワーユニット方向に反射するマイクロ波電力と透過するマイクロ波電力を検出する方向性結合器と、前記方向性結合器からの透過と反射のマイクロ波電力を減衰させ直流電圧に変換する検波回路と、前記方向性結合器から透過してきたマイクロ波電力を前記加熱室内に放射する給電部と、前記検波回路の出力から前記発振部の発振周波数と前記位相可変部の位相量を制御する制御部とを備え、前記加熱室を構成する少なくとも二つの壁面に前記給電部を複数設け、複数設けた前記給電部を除く構成部品をマイクロ波モジュールという部品群として前記加熱室と前記ボディとの空間にユニット化して集約し収納する構成とした加熱処理装置。
【請求項2】
発振部と、電力分配部と、位相可変部とを共通ベース上に取り付け、中央集中系統部としてユニット化する構成とした請求項1に記載の加熱処理装置。
【請求項3】
方向性結合器と、位相可変部をパワーユニット上に配置し、ユニット化する構成とした請求項1および2に記載の加熱処理装置。
【請求項4】
パワーユニットを四隅に配置し、給電部を等間隔に配置する構成とした請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱処理装置。
【請求項5】
パワーユニットを四隅に配置し、給電部を等間隔に配置し、前記間隔を複数有する構成とした請求項4に記載の加熱処理装置。
【請求項6】
パワーユニット間の隙間に駆動電源部、中央集中系統部、制御部を配置する構成とした請求項1から5のいずれか1項に記載の加熱処理装置。
【請求項7】
各構成部品を実装した部品載置板をボディに取り付ける構成とした請求項1から6のいずれか1項に記載の加熱処理装置。
【請求項8】
パワーユニットに取り付けられた電力伝播軸を加熱室底面に穿った穴を貫通させて部品載置板を加熱室底面に取り付け、前記電力伝播軸に給電部を着脱可能に取り付ける構成とした請求項7に記載の加熱処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−272268(P2010−272268A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121658(P2009−121658)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】