説明

加熱材料を搬送するコンベアおよび方法

【課題】熱い灰のような加熱材料を搬送することができるコンベアとその方法を提供する。
【解決手段】コンベアは、フレームと、フレーム上に支持されたトラフと、トラフに機能的に結合された振動発生器とを備えたコンベアを含む。トラフは、第1の複数の開孔を備えたトラフ壁を具備し、複数のバッフルは、トラフ壁の第1の複数の開孔よりも上に離隔され、バッフルは、第1の複数の開孔を出る空気が通過する第2の複数の開孔を規定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、加熱材料を搬送するコンベアおよび方法に関し、特に、たとえば熱い灰のような加熱材料を搬送する振動コンベアおよび方法に関する。
【発明の開示】
【0002】
1つの態様においては、コンベアは、フレームと、該フレーム上に支持されたトラフと、該トラフに機能的に結合された振動発生器とを備えている。前記トラフは、第1の複数の開孔を備えたトラフ壁を有し、複数のバッフルは、トラフ壁の第1の複数の開孔よりも上に離隔され、バッフルは、第1の複数の開孔を出る空気が通過する第2の複数の開孔を規定している。
【0003】
別の態様においては、コンベア・システムは、フレームと、該フレーム上に支持されたトラフ・アセンブリと、前記トラフに機能的に結合された振動発生器とを備えている。前記トラフ・アセンブリは、複数のトラフ・アセンブリ区画を具備し、各トラフ・アセンブリ区画は、トラフ壁と、該トラフ壁の下に配置されたプレナムとを有したトラフ区画を具備している。各トラフ区画のトラフ壁は、プレナムを出る空気が通過する第1の複数の開孔を有し、複数のバッフルは、各トラフ区画のトラフ壁の開孔よりも上に離隔され、バッフルは、トラフ壁に取り付けられ、第1の複数の開孔を出る空気が通過する第2の複数の開孔を規定している。
【0004】
付加的な態様においては、加熱材料を搬送する方法は、トラフ内に加熱材料を受け入れること、および、前記トラフに沿って材料を導くために前記トラフを振動させることを含んでいる。さらに、本方法は、通路を通じて前記トラフ内に第1の方向に空気を導くこと、および、前記通路を通過する空気の向きを前記トラフの表面に沿った第2の方向に転じることを含んでいる。
【0005】
本開示の付加的な態様は、この特許の請求項によって規定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次の本文は、本発明の異なる実施の形態の詳細な記述について述べているが、本発明の法的な範囲がこの特許の終わりに述べられた請求項の文言によって規定されることは理解されるべきである。詳細な記述は、あらゆる実施の形態について記述することが不可能でないにしても非実用的であろうことから、単に典型的なものとして解釈されるべきであり、また、本発明のすべての可能な実施の形態について記述しているとは限らない。多数の代替の実施の形態は、現在の技術またはこの特許の出願日の後に開発された技術のいずれかを使用して実施されることができるかも知れないが、それは、依然として本発明を規定する請求項の範囲内にあるであろう。
【0007】
さらに、用語が「ここで使用されるように、用語『 ____ 』は、これによって・・・を意味すると定義される」との文、あるいは同様の文を使用してこの特許内で明らかに規定されていなければ、その用語の意味を明確にまたは含みをもってその平易あるいは通常の意味を越えて限定する意図がないと理解されるべきであり、そのような用語は、この特許の任意の項(請求項の文言以外の)においてなされた任意の記述に基づいた範囲に限定されるべきとは解釈されるべきではない。この特許の終わりに請求項で記述された任意の用語も、単一の意味での一貫した方法でこの特許において参照される限り、それは、読み手を混乱させないように明瞭さの目的のためになされており、そのような請求項の用語が含みを持つことによって、あるいはそうでなければその単一の意味に限定されることは意図されていない。最後に、請求項の要素が、「手段」という単語、およびいかなるの構造の記述のない機能の記述によって規定されなければ、いずれの請求項の要素の範囲が合衆国法典第35巻第112条第6段落の適用に基づいて解釈されることは意図されていない。
【0008】
図1および図2は、熱い灰のような加熱材料を搬送するコンベア・システム20の実施の形態を例示している。コンベア・システム20は、2本のコンベア22,24を備えることが可能であるが、本開示にかかるコンベア・システム20は、そのようなコンベアを1本だけ備えることも可能である。コンベア22は、受入コンベアと呼ばれ、コンベア24は、移送コンベアと呼ばれることがある。コンベア22,24は、構造上非常に似たようなものであることが可能であり、また、同様に作動することが可能であるが、これは、すべてのそのようなシステム20でそうである必要はなく、たとえば、移送コンベア24は、すべて異なる種類のコンベアであることが可能である。同様に、図1および図2の例示によるシステム20でコンベア22,24がどのように配置されることが可能であるかについて限定する意図はない。
【0009】
図示されるように、システム20は、コンベア22への加熱材料の移動を容易にするために移行ホッパ26と共に使用されることが可能である。ホッパ26の内表面には、高温に対する抵抗を改善するために耐火レンガを並べることも可能である。
【0010】
移行ホッパ26は、コンベア22に加熱した灰を導くのを支援することが可能である傾斜端部28,30(図2)と、傾斜側部32,34(図3)とを有することが可能である。さらに、図3に示されるように、ホッパ26は、扉36,38を備えることが可能であり、それは、第1の閉位置または状態36a,38aと、第2の開位置または状態36b,38bとの間で移動可能なように、揺動軸40,42でホッパ26に揺動自在に取り付けられることが可能である。これに加えて、アクチュエータ44,46(たとえば、油圧アクチュエータ)は、揺動軸48,50で扉36,38に揺動自在に取り付けられ、コントローラ(図示せず)から受信した信号に応じて閉位置36a,38aと開位置36b,38bとの間で扉36,38を選択的に移動させるようにコントローラに機能的に結合されることが可能である。
【0011】
図示されるように、ホッパ26は、コンベア22から独立して支持されている。しかしながら、シール・アセンブリ60(図3)は、コンベア22とホッパ26との間の空間に架設されている。シール・アセンブリ60は、上端部64でホッパ26に取り付けられており、ガード62の下縁部70とコンベア22の上縁部66との間の空間68を残して、コンベア22の上縁部66の方へ下方に垂れたガード62を備えている。さらに、シール・アセンブリ60は、その上縁部74でホッパ26に、その下縁部76でコンベア22の上縁部66に取り付けられている柔軟性のある高温シール72を備えている。ガード62は、ホッパ26を出る材料がシール72に衝突することを制限する。全体として、拡張シール・アセンブリ60は、ホッパ26の動作からコンベア22を分離する一方で、システム20を出る材料を制限する。
【0012】
図2に移って、コンベア22は、車輪付きフレーム82上に支持されるトラフ・アセンブリ80を備えている。材料は、2質量振動発生器84であるように示されている振動発生器84によってトラフ・アセンブリ80に引き起こされた振動の影響下でトラフ・アセンブリ80に沿って移動するが、他の振動発生器がここに記述されるようなコンベア22と共に使用されることが可能である。さて、各構成要素(トラフ・アセンブリ80、フレーム82、および振動発生器84)は、別々に議論される。
【0013】
まず、トラフ・アセンブリ80に関して図1および図2を参照して、アセンブリ80が複数の区画90を備え、各区画90が図示されているような他の区画90と同様であるが、これは、コンベア22のすべての実施の形態でそうである必要はないことが認識されるであろう。図3および図4に示されるように、各区画90は、トラフ区画92(たとえば、半円形の耐磨耗性鋼鈑によって規定され、集合的にトラフと呼ばれることがある)と、外側支持ウェブ94,96と、内側支持ウェブ98と、構造部材104,106と、底壁108とを備えている。区画化あるいはモジュール化したアセンブリの使用の1つの利点は、トラフに沿って相対的な熱膨張の容易性である場合がある。単一のアセンブリとは逆に、区画化あるいはモジュール化したアセンブリの使用の別の利点は、損耗した区画と一緒に大きな単一の全体部分を交換するのではなく、たとえば、損耗した区画の交換を通じて保守の改善された容易性である場合がある。図1および図2に示されるように、受入コンベア22は、10個の区画90を備える一方、移送コンベアは、4個の区画90を備えている。
【0014】
図3および図4に示されるように、その後、トラフ区画92は、該トラフ区画92の下面132が外側および内側支持ウェブ94,96,98の上縁部130に接するように配置されることが可能であり、たとえば、溶接によってウェブ94,96,98に固定されることが可能である。トラフ区画92の上縁部134と外側支持ウェブ94,96の上縁部136とは、リム板138,140によって橋渡しされることが可能であり、その板138,140は、たとえば、溶接によって、外側支持ウェブ94、96の上縁部136とトラフ区画92の上縁部134とに取り付けられることが可能である。そのような配置が、コンベア22が加熱材料を受け入れ、冷やし、その長さ方向に沿って加熱材料を搬送するときに、トラフ区画92の構造の、トラフ・アセンブリ区画90の構造の残りの部分に対する熱膨張および収縮を提供することが可能であることは認識されるであろう。
【0015】
図4に示されるように、底壁108は、そこに形成された開口150を有することが可能であり、そこには、空気がトラフ区画92の下面132と底壁108との間に規定されたプレナム156(それは、たとえば、トラフの全長さに及ぶことがある)に吹き込むときに通過導管154の第1の区画152が配置される。導管154の第2の区画158は、プレナム156の外側に配置され、コンベア22を越えて延びることが可能である。図8により詳しく説明されるように、導管154の区画158は、導管154を通じてプレナム156へ、そして、プレナム156から、コンベア22内を搬送される加熱材料に、それをコンベア22に沿って搬送するときに冷やすために空気を導くことが可能である送風機と連通することが可能である。導管154の第1および第2の区画152,158は、該区画152,158間の相対移動を可能にする柔軟性のあるコネクタ160によって接合されることが可能であるが、区画152,158は、それら自身、同様に柔軟性があってもよい(コネクタ160をオプションにすることが可能である)。
【0016】
さらに、図4に示されるように、しかし、図6でより容易に分かるように、トラフ区画92の壁は、プレナム156内の空気がプレナム156を出ることを可能にするために、それを貫通して形成された複数の開孔または通路170を有することが可能である。開孔170は、トラフの縦方向軸と平行な開孔の組に配列されることが可能である。開孔170を通過する空気は、複数のバッフル174のうちの1つの表面172に対して導かれ、それは、第2の複数の開孔または通路176を通じて、したがって区画92の上面178の区画に沿って開孔170を通じてプレナム156を出る空気を導く。このように、空気の方向は、空気が開孔170を通過するときの第1の方向におよそ直角な方向に、開孔176を通じてそれがとる方向から変化することが可能である。さらに、この開孔176の配置は、バッフル174に入ることが可能である粒子のセルフクリーニングを容易にすることが可能である。図示されるように、バッフル174は、L形断面に配置された2枚の壁を有する板と、図示されるように、トラフ区画壁に取り付けられた三角形の端部キャップ180,182(図5を参照)とによって規定されることが可能である。
【0017】
しかしながら、バッフル174が図示されるようなL形板で規定される一方、他の形状がバッフル174にとって可能であることは認識されるであろう。さらに、開孔176は、バッフル174の単一の側に配置される一方、もし望まれれば、開孔176は、バッフル174の両側に配置されることが可能である。さらに、開孔176は、トラフ区画92の上面178の区画に沿って空気の流れを導く一方、空気の流れは、全体として別のパターンで導かれることが可能である。このように、図示された実施の形態は、1つの典型的な実施の形態である。
【0018】
次に図4に戻って、導管154の第1の区画152が開いていることは認識されるであろう。それは、空気がプレナム156から開孔170,176を通じてトラフ区画92によって境界とされる空間内へ入ることがある範囲で、したがって、多すぎる粒子状物質がトラフ区画92によって境界とされる空間から開孔170,176を通じてプレナム156内へ入ることがあることはさらに認識されるであろう。そのような粒子状物質(たとえば、熱い灰)が開いた第1の区画152に入る可能性を制限するために、テントで覆ったカバー184が、開いた第1の区画152とトラフ区画90との間に配置される。カバー184の傾斜面186,188は、そのような粒子状物質が開区画152から離れる方向へ導くように助ける。
【0019】
トラフ区画92を互いに接合するために、図1および図2ならびに図7の拡大断面に示されるように、一連の突き合わせ継手200が形成されることが可能である。図1および図2に示されるように、受入コンベア22は、10個の突き合わせ継手200を備えている一方、移送コンベア24は、5個の突き合わせ継手200を備えている。
【0020】
各突き合わせ継手200は、内側バンド202および外側バンド204を備えていることが可能である。図示されるように、内側バンド202は、締結セット206によって外側バンド204に接続されることが可能である。特に、締結セット206は、内側バンド202に形成された、皿孔212に受け入れられるヘッド210を有したボルト208と、ボルト208の軸216にネジ接続されることが可能であるナット214とを備えている。上流のトラフ区画92aの縁部218は、内側および外側バンド202,204の第1の端部220,222間に配置されることが可能であり、下流のトラフ区画92bの縁部224は、内側および外側バンド202,204の第2の端部226,228間に配置されることが可能である。その後、締結セット206は、内側および外側バンド202,204間の縁部218,224をグリップするために締め付けられることが可能である。縁部218,224間の空間230は、熱膨張の差によってもたらされる隣接したトラフ区画92a,92b間の相対移動を可能にすることがある。
【0021】
空間230内には、キー・ストックから形成されることが可能なようなスペーサ236が配置されることが可能である。このスペーサ236は、区画92a,92bよりも僅かに小さい幅を有することが可能である。空間230内にスペーサ236を配置することによって、空間230内への内側および外側バンド202,204の撓みおよび/または凹みが制限されることが可能であると考えられる。内側および外側バンド202,204の撓みおよび/または凹みを制限することによって、トラフの縦方向軸に沿った区画92a,94bの相対的な熱膨張が容易とされる。
【0022】
さらに、図示されるように、付き合わせ継手200に関する注意として、内側バンド202の角度付き縁部240が第1の端部220にある。内側バンド202の角度付き縁部240は、コンベアの長さ方向に沿って流れる材料が上流のトラフ区画92aから下流のトラフ区画92bまでスムーズな移行をなしえることを可能にすることがあると考えられる。これに代えて、突き合わせ継手200は、角度付き縁部240なしに形成されることも可能である。
【0023】
前に言及されたように、トラフ・アセンブリ80は、車輪付きフレーム82上に支持されている。図2、図3および図4において分かるように、車輪付きフレーム82は、横方向の区画254によって接続される一又は複数の縦方向の区画252を具備したベース250を備えている。たとえば、縦方向および横方向の区画252,254は、溶接によって接合されることが可能である。様々な長さ位置でベース250に取り付けられている(たとえば、ボルト締結される)のは、車輪アセンブリ256である。車輪アセンブリ256は、図3および図4に示されるように矢符「A」の方向に移動を可能にするように、ベース250に揺動自在に取り付けられている。操作においては、車輪アセンブリ256は、それらが床と接触しないように配置されることが可能であり、車輪アセンブリ256は、ホッパ26の下からのコンベアの移動を可能にするために床に埋め込まれたレール(図示せず)上に載置されている。しかしながら、車輪付きフレーム82および関連するトラフ・アセンブリ80の移動を制限するために、ベース250に沿って配置されたアンカーボルトおよびナットを使用することが可能である。
【0024】
図2において、そしてより図8において分かるように、トラフ・アセンブリ80は、複数の剛性リンク280によってフレーム82に、そして複数の弾性部材284によって平衡錘282に結合されることが可能である。剛性リンク280は、それぞれ、第1の端部286でフレーム82に、第2の端部288でトラフ・アセンブリ80に揺動自在に取り付けられることが可能であり、各剛性リンク280とトラフ・アセンブリ80の底部との間に形成される角度は、鈍角であることが可能である。弾性部材284(スプリングであることが可能であり、反作用スプリングと呼ばれることがある)は、それぞれ、第1の端部290で平衡錘282に、第2の端292でトラフ・アセンブリ80に固定して取り付けられることが可能であり、各弾性部材284と前記底部との間に形成される角度は、鋭角であることが可能である。図示されるように、複数のリンク280および複数の弾性部材284は、対に配置され、各対をなすリンク280の端部288と弾性部材284の端部292とは、互いに隣接してトラフ・アセンブリ80に取り付けられている。
【0025】
さらに図2においても視認可能なように、平衡錘282は、複数の剛性リンク294と複数の弾性部材296とによってフレーム82に結合されることが可能である。さらに、トラフ・アセンブリ80は、複数の弾性部材298によってフレーム82に結合されることが可能である。実際には、弾性部材296、298(スプリングであることが可能である)は、フレーム82に取り付けられたチューブ300に結合されることが可能である。弾性部材296,298は、隔離スプリングと呼ばれ、床への振動の伝達を制限するように機能することが可能である。
【0026】
トラフ・アセンブリ80と平衡錘282との間に連結されているのは、図2において、そして図8においてより分かるように、振動発生器84である。振動発生器84は、軸312を具備したモータ310備えていることが可能である。モータ軸312は、駆動ベルト(図示せず)によって被駆動軸314に結合されることが可能である。被駆動軸314は、偏心軸であることが可能である。フランジ・カートリッジ軸受を介して偏心軸314に取り付けられているのは、リンク318の第1の端部316である。リンク318の第2の端部320は、弾性部材322を介してトラフ・アセンブリ80に取り付けられており、つまり、弾性部材322の第1の端部324は、リンク318の第2の端部320に固定される一方、弾性部材322の第2の端部326は、トラフ・アセンブリ80に固定されている。1つの発生器84がこのように議論されているが、他の発生器が本技術分野における当業者に従って使用されることが可能であり、たとえば、別の構成にかかる強制振動発生器または2質量振動発生器であることが可能である。
【0027】
これに加えて、図2および図3に示されるように、一連の桁330は、その長さ方向に沿ってフレーム82に取り付けられることが可能である。つまり、桁330のそれぞれは、フレーム82に、たとえば、溶接によって固定して取り付けられる下端部332と、トラフ・アセンブリ80の方向に依存する上端部334とを有している。桁330の上端部334に配置されているのは、エラストマー材料からなることが可能である衝撃緩衝器336である。構造部材104,106の端部は、たとえば、非常に高いところからトラフ・アセンブリ80に衝突する材料の影響を限定するように、衝撃緩衝器336と協働することが可能である。
【0028】
したがって、コンベア22について記述して、コンベア24は、該コンベア24が移動可能なように車輪には取り付けられないこと以外は、コンベア22と同様であるものとして記述されることがある。代わりに、コンベア24のフレームは、床に取り付けられている。図1で、そして図2においてあまり分からないように、材料は、コンベア22の下流側端部340から柔軟性のあるシュート346を介してコンベア24に移動し、そして同様に、材料は、柔軟性のあるシュート346を介してコンベア24の下流側端部344から出る。
【0029】
コンベア・システム20に関連して、そして図9に示されているのは、或る実施の形態にかかるコンベア・システム20の一部と呼ばれることがある空気供給および制御システム350である。1つのシステム350は、両方のコンベア22,24に接続されることが可能であるか、または、システム350は、各コンベア22,24に対して別々に設けられることが可能である。さらに代替として、複数のシステムが単一のコンベア22,24に対して設けられることも可能である。
【0030】
空気供給および制御システム350は、ファンまたは送風機352と、入口フィルタ354と、前述の導管154(様々なトラフ・アセンブリ区画90のプレナム156に接続する)と、送風機352と導管154との間に配置された調整可能なダンパ356とを備えることが可能である。さらに、システム350は、温度センサ360に機能的に結合されることがあるコントローラ358と、他のセンサまたは設備364と同様にダンパ356に機能的に結合されることがあるアクチュエータ362とを備えることが可能である。センサ360からコントローラ358に返される信号に応じて、コントローラ358は、導管154を通じてプレナム156内へ流れる空気を調整するダンパ356を移動させるために、アクチュエータ362に信号を送ることが可能である。複数のセンサ360と複数のダンパ356(関連するアクチュエータ362を備えている)とが、コンベア22,24に沿った変化に対してより集中的且つ局部的な応答を提供するように備えられることが可能であることは認識されるであろう。
【0031】
上に議論したシステム350が、使用されることが可能である単に1つの可能性のあるシステム350であることは認識されるであろう。代替は、可能である。たとえば、ファン352は、ファンの速度が制御されることを可能にするように、可変周波数駆動装置(VFD)を装備することが可能である。そのようなVFDを装備したファンについて、該ファンの速度は、ダンパ356を介した制御と協働して、あるいは制御を代用して空気の流れを制御するように制御されることが可能である。さらに、温度センサ360を備えた閉ループにおいて作動する単一のコントローラ358よりもむしろ、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)が他の制御アルゴリズムを実施することを可能にするために使用されることが可能である。
【0032】
したがって、1つの運転の方法によれば、加熱材料は、ホッパ26に受け入れられることが可能である。扉36,38がそれらの閉位置36a,38aからそれらの開位置36b,38b(または、その間の或る位置に)に選択的に移動するときに、加熱材料は、コンベア22に、そして特にトラフに受け入れられることが可能である。材料は、振動発生器84によって提供される振動に応じてコンベア22に沿って導かれることが可能である。振動発生器84に関連するモータの周波数は、たとえば、コンベア22に沿った材料の移動速度を制御するために使用されることが可能である。
【0033】
材料がコンベア22に沿って、特にトラフ区画92に沿って移動するときに、空気は、加熱材料に、そして、加熱材料の一貫性に従って加熱材料に亘って吹き付けられることが可能である。特に、温度センサ360によって提供される信号に応じて、コントローラ358は、コンベア22の様々な区画90に関連したプレナム156内への空気の或る流れを提供するために、ダンパ356の位置を変更する(関連するアクチュエータ362の制御を通じて)ことが可能である。導管154を通過してプレナム156に入る空気は、コンベア22に沿って移動する加熱材料上に導かれるように開孔170,176を通過する。材料がコンベア22の下流側端部330に達するときに、材料は、シュート346を通過する。
【0034】
コンベア24の運転はコンベア22と同様であり、材料がコンベア24に沿って通るときに、区画90プレナム156から流れる空気は、開孔170,176を通過し、そして加熱材料上に導かれる。材料は、コンベア24の下流側端部334に達するときにシュート346を通過する。
【0035】
上記の加熱材料を搬送するコンベア・システム32および方法は、熱い灰の回収に、特に乾燥した熱い灰の回収に使用するには特段に有利であることがある。
【0036】
石炭燃料ボイラによって生じる灰(ボトム・アッシュとも呼ばれる)は、構造的および工学的充填、生セメント材料、コンクリートおよびアスファルト製品用ならびに一般的な開発目的用の骨材のようなものを含む様々な建築および製造の用途において有益に使用されることができる。実用サイズの石炭燃料ボイラは、多量のこの灰を生じることができる。しかしながら、灰の回収の標準的な方法は、熱い灰のための冷却液として水の使用を含んでいる。冷却目的のための水の使用は、先に記述された建築および製造の用途で使用されるように、濡れた灰が一旦冷却されてから乾燥させることに関連する問題を含む操作上および保守上の困難および非能率を生じさせる結果となる。
【0037】
本開示にかかるコンベアおよび搬送システムの使用は、先の濡れた灰の回収方法の困難および非能率を回避する方法を提供することが可能である。石炭燃料ボイラ・プラントは、一又は複数の移行ホッパ26を装備することが可能である。これらのホッパ26は、乾燥型または水収容型のシールを使用してボイラの底部にシールされることが可能である。ホッパ26は、ボイラから独立して支持されることが可能である。
【0038】
一又は複数のコンベア22は、そこに含まれる熱い灰を受け入れるために、ホッパ26の下に配置されることが可能である。熱い灰の材料は、振動発生器84(その動作は、コンベア22上の摺動磨耗を最小限にすることも可能である)の作用のために、一箇所から次の箇所へ「投げては捕まえる」によって前方に移動する。空気が開孔170,176を通じてトラフに入るときに、それは、熱い灰がホッパ26に沿ったその動作を継続するように、トラフ表面に亘って、そして熱い灰を通過すると考えられる。さらに、空気が灰床を通じて移動するときのこの密接で直接的な空気と灰との間の接触は、特定の灰温度の低下のための必要な冷却空気量を最小限にすると考えられる。さらに、トラフ表面に亘る空気の流れの速度は、灰床を流動化するほど速くはなく、したがって傾斜を上る灰の搬送を可能にするように、制御されることが可能であると考えられる。さらに、冷却液として水ではなく空気を使用することの1つの利点は、熱い灰中の未燃焼の炭素片の燃焼が継続、したがって全体的な熱回収およびボイラ効率を潜在的に改善することが可能であることであると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本開示にかかるコンベアを備えたシステムの実施の形態の平面図である。
【図2】関連する空気供給系が取り除かれた図1に示されたシステムの側面図である。
【図3】3−3線に沿って得られる図1で示されたコンベアの拡大断面図である。
【図4】4−4線に沿って得られる図1で示されたコンベアの拡大断面図である。
【図5】図1のコンベアのトラフ区画の拡大平面図である。
【図6】6−6線に沿って得られる図5で示されたトラフ区画の拡大断面図である。
【図7】図1のコンベアの隣接するトラフ区画間の継手の断片的拡大断面図である。
【図8】関連する振動発生器、および図1に示されるトラフ・アセンブリと、平衡錘と、上部コンベアのフレームとの間の接続を示す断片的拡大側面図である。
【図9】図1に示したシステムと共に使用するための模式的な空気供給および制御システムである。
【符号の説明】
【0040】
20 コンベア・システム
22 受入コンベア
24 移送コンベア
26 移行ホッパ
36,38 扉
44,46 アクチュエータ
60 シール・アセンブリ
62 ガード
72 シール
80 トラフ・アセンブリ
82 車輪付きフレーム
84 振動発生器
90 トラフ・アセンブリ区画
92 トラフ区画
104,106 構造部材
108 底壁
138,140 リム板
150 開口
154 導管
156 プレナム
170 第1の開孔または通路
174 バッフル
176 第2の開孔または通路
180,182 端部キャップ
200 継手
280,294 剛性リンク
282 平衡錘
284,296,298,322 弾性部材
310 モータ
318 リンク
336 衝撃緩衝器
342,346 シュート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
該フレーム上に支持され、トラフ壁を具備するトラフと、
前記トラフ壁の第1の複数の開孔と、
前記トラフ壁の前記第1の複数の開孔よりも上に離隔され、前記第1の複数の開孔を出る空気が通過する第2の複数の開孔を規定する複数のバッフルと、
前記トラフに機能的に結合された振動発生器と
を備えるコンベア。
【請求項2】
前記空気は、前記第1の複数の開孔を第1の方向に通過し、空気は、前記第2の複数の開孔を前記第1の方向に直角な第2の方向に通過する請求項1記載のコンベア。
【請求項3】
前記トラフは、縦方向軸を有し、前記第1の複数の開孔は、前記トラフの縦方向軸と平行な組に配列され、前記バッフルのそれぞれは、前記開孔の組のうちの1つに亘って前記トラフ壁に取り付けられている請求項1記載のコンベア。
【請求項4】
各バッフルは、L形断面に配置された2つの側面と、閉端とを具備する板を備え、前記第2の複数の開孔は、前記板の側面のうちの1つを通じて形成されている請求項3記載のコンベア。
【請求項5】
空気は、前記第1の複数の開孔を第1の方向に通過し、前記第2の複数の開孔を前記第1の方向に直角且つ前記トラフ壁に沿った第2の方向に通過する請求項3記載のコンベア。
【請求項6】
前記トラフと前記フレームとの間に配置された衝撃緩衝器を備え、該衝撃緩衝器は、前記フレームに伝えられたローディングの衝撃を低減するためにエラストマー材料を含んでいる請求項1記載のコンベア。
【請求項7】
フレームと、
該フレーム上に支持され、それぞれのトラフ・アセンブリ区画がトラフ壁を有したトラフ区画と前記トラフ壁の下に配置されたプレナムとを具備する複数のトラフ・アセンブリ区画を具備するトラフ・アセンブリと、
前記プレナムを出る空気が通過する各トラフ区画のトラフ壁の第1の複数の開孔と、
各トラフ区画のトラフ壁の開孔よりも上に離隔され、前記トラフ壁に取り付けられ、前記第1の複数の開孔を出る空気が通過する第2の複数の開孔を規定する複数のバッフルと、
前記トラフに機能的に結合された振動発生器と
を備えるコンベア・システム。
【請求項8】
前記プレナムは、それを通じた開口を備えた壁を有し、
前記コンベア・システムは、
前記開口を通じて前記プレナムに配置された第1の開区画有する導管と、
前記トラフ区画と前記導管の前記第1の開区画との間に配置されたカバーと
を備える請求項7記載のコンベア・システム。
【請求項9】
前記プレナムと連通する導管と、
該導管と連通する送風機と、
該送風機と前記導管との間に配置された調整可能なダンパと、
該ダンパを移動させるために前記ダンパに機能的に結合されたアクチュエータと、
前記ダンパを移動させる前記アクチュエータを制御するために前記アクチュエータに機能的に結合されたコントローラと
を備える請求項7記載のコンベア・システム。
【請求項10】
トラフ内に配置された温度センサを備え、
前記コントローラは、前記センサから信号を受信し、受信した信号に応じて前記アクチュエータを制御するために前記温度センサに結合されている請求項9記載のコンベア・システム。
【請求項11】
トラフ・アセンブリよりも上に配置されたホッパと、
該ホッパと前記トラフ・アセンブリとの間に配置されたシール・アセンブリと、
前記ホッパおよび前記トラフ・アセンブリに取り付けられたシールを具備するシール・アセンブリと、
前記シールの内部に配置され、前記ホッパに取り付けられ、それらの間の空間を規定するために、前記トラフ・アセンブリよりも上に配置されたガードと
を備える請求項7記載のコンベア・システム。
【請求項12】
前記トラフと前記フレームとの間に配置された衝撃緩衝器を備え、該衝撃緩衝器は、前記フレームに伝えられたローディングの衝撃を低減するエラストマー材料を含んでいる請求項7記載のコンベア・システム
【請求項13】
加熱材料を搬送する方法であって、
トラフ内に加熱材料を受け入れること、
前記トラフに沿って材料を導くために前記トラフを振動させること、
通路を通じて前記トラフ内に第1の方向に空気を導くこと、
前記通路を通過する空気の方向を前記トラフの表面に沿った第2の方向に転じることを含む方法。
【請求項14】
前記トラフ内の温度を検出すること、
検出された前記温度に応じて前記通路を流れる空気の量を変更することを含む請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記通路を通じて流れる空気の量を変更するために、導管に配置されたダンパの位置を変更することを含む請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記トラフよりも下のプレナムに空気を導くこと、
前記プレナムから前記通路を通じて前記トラフに空気を導くことを含む請求項13記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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