説明

加熱蒸散器

【課題】液体容器を照らす光源および薬液を気化させるヒータを備えつつ、組立の容易性と電気回路の信頼性および安全性とを両立させた加熱蒸散器を提供する。
【解決手段】加熱蒸散器1は、吸液芯105を抜き差し自在に覆う外郭部3と、外郭部3に収容されて吸液芯105を加熱自在なヒータ5と、液体容器101を照らすよう発光自在な光源6と、ヒータ5および光源6に供給される電力を導く電源プラグ7と、電源プラグ7と光源6との間に設けられた抵抗8と、抵抗8と光源6とを電気的に接続する第一圧着部9と、外郭部3に収容されて光源6、第一圧着部9および抵抗8を巻き付けた光源取付板11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は加熱蒸散器に関する。
【背景技術】
【0002】
部屋の消臭や芳香などに適した薬液を気化、蒸散させる加熱蒸散器が知られている。加熱蒸散器は、容器内部に貯蔵された薬液を吸い上げる吸液芯を備えた液体容器に組み合わされて用いられ、吸液芯を加熱し薬液を気化させて蒸散させる。
【0003】
このような加熱蒸散器は、液体容器内の薬液が枯渇すると消臭や芳香を行うことができなくなる。ところが、加熱蒸散器の使用を継続していると、使用者は加熱蒸散器を使用していることを忘却してしまうことがある。そこで、使用者に液体容器内の薬液残量を認知させるために液体容器を照らす光源を備えた加熱蒸散器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平6−8705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液体容器を照らす光源を備えた加熱蒸散器は、液体容器を透過した光で薬液の液面を照らし、この薬液の液面における反射光を使用者に観測させて薬液の残量(液位レベル)を認知させる。ところで、加熱蒸散器は、液体容器を照らす光源の他に、液体容器の吸液芯を加熱自在なヒータを備える。
【0006】
このように光源およびヒータを備える加熱蒸散器は、光源およびヒータを含む電気回路の組立が容易であること、この電気回路を実装する回路基板が簡素であること、外郭を含む本体構造と電気回路との組立が容易であることなど、極力少ない部品点数で、極めて容易に組み立てられることが望まれている。他方、加熱蒸散器は、電気回路における短絡などの故障を起こさないように信頼性、安全性を高める必要もある。
【0007】
そこで、本発明は、液体容器を照らす光源および薬液を気化させるヒータを備えつつ、組立の容易性と電気回路の信頼性および安全性とを両立させた加熱蒸散器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するため、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器は、容器内部に貯蔵された薬液を吸い上げる吸液芯を備えた液体容器に組み合わされて前記吸液芯を加熱し前記薬液を気化させる加熱蒸散器であって、前記吸液芯を抜き差し自在に覆う外郭部と、前記外郭部に収容されて前記吸液芯を加熱自在なヒータと、前記液体容器を照らすよう発光自在な光源と、前記ヒータおよび前記光源に供給される電力を導く電源プラグと、前記電源プラグと前記光源との間に設けられた抵抗と、前記抵抗と前記光源とを電気的に接続する圧着部と、前記外郭部に収容されて前記光源、前記圧着部および前記抵抗を巻き付けられた光源取付板と、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した斜視図。
【図2】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した斜視図。
【図3】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した平面図。
【図4】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した正面図。
【図5】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した左側面図。
【図6】図4のVI−VI線において、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した断面図。
【図7】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した分解斜視図。
【図8】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の外郭およびヒータを外して示した平面図。
【図9】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の外郭を外して示した斜視図。
【図10】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の電気回路を示した概略図。
【図11】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の光源モジュールを示した斜視図。
【図12】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の光源モジュールを示した斜視図。
【図13】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の光源モジュールを示した正面図。
【図14】本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の光源モジュールを示した背面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る加熱蒸散器の実施の形態について、図1から図14を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した斜視図である。
図2は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した斜視図である。
図3は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した平面図である。
図4は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した正面図である。
図5は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した左側面図である。
図6は、図4のVI−VI線において、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した断面図である。
図7は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器を示した分解斜視図である。
図8は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の外郭およびヒータを外して示した平面図である。
図9は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の外郭を外して示した斜視図である。
なお、図2は、加熱蒸散器1から液体容器101を取り外した状態を示した図である。
【0011】
図1から図9に示すように、本実施形態に係る加熱蒸散器1は、容器102内部に貯蔵された薬液103を吸い上げる吸液芯105を備えた液体容器101に組み合わされて、吸液芯105を加熱し薬液103を気化させるものである。
ここで先ず、加熱蒸散器1とともに用いられる液体容器101は、容器102と、吸液芯105と、薬液103と、を備える。
【0012】
容器102は、熱に強く透明な合成樹脂製の容器であり、正面に形成された楕円状の嵌合突起部107と、上部に形成されたキャップ取付部108と、を備える。キャップ取付部108は、容器102の内外を連通させる開口を有するとともにこの開口を塞ぐ栓部109を備える。栓部109は、容器102の内外を連通させる吸液芯挿入孔111および吸気口112を有する。
吸液芯105は、栓部109の吸液芯挿入孔111を貫いて容器102の内外に延びた棒状体である。
【0013】
加熱蒸散器1は、吸液芯105を抜き差し自在に覆う外郭部3と、外郭部3に収容されて吸液芯105を加熱自在なヒータ5と、液体容器101を照らすよう発光自在な光源6と、ヒータ5および光源6に供給される電力を導く電源プラグ7と、電源プラグ7と光源6との間に設けられた抵抗8と、抵抗8と光源6とを電気的に接続する第一圧着部9(圧着部)と、外郭部3に収容されて光源6、第一圧着部9および抵抗8を順次表裏に巻き付けられた光源取付板11と、を備える。
【0014】
また、加熱蒸散器1は、外郭部3に収容されて液体容器101を着脱自在に保持する内壁部材12と、ヒータ5および内壁部材12を外郭部3に共締めする締結部材13と、電源プラグ7と光源6との間に設けられたダイオード15と、ダイオード15と光源6とを電気的に接続する第二圧着部16と、ダイオード15およびヒータ5と電源プラグ7との間に設けられた保護抵抗17と、ダイオード15およびヒータ5と電源プラグ7とを電気的に接続する第三圧着部18と、を備える。
【0015】
外郭部3は、合成樹脂製を用いて一体成形された筐体であり、平面視において角丸の横長長方形状に形成され、正面視において縦長長方形状に形成された筐体である。外郭部3は、頂部に開口された蒸散口3aおよび底部に開口された液体容器投入口3bを有する。
【0016】
また、外郭部3は、正面底部側に形成された舌状部19と、舌状部19に対向させて背面底部側に形成された外郭プラグ収納部21と、舌状部19および外郭プラグ収納部21に連続させて両側面底部側に形成された切欠部22を有する。舌状部19および外郭プラグ収納部21は、液体容器投入口3bの開口縁を形成する。舌状部19は、液体容器投入口3bに配置された液体容器101の正面の一部を覆う。外郭プラグ収納部21は、背面の法線方向に突出された略扁平長方体形状の空間を区画する。切欠部22は、液体容器投入口3bに配置された液体容器101の側面を露出させて容器102の視認性を上げる。
さらに、外郭部3は、上部内壁から下方へ垂下させて形成された保持部材固定ボス23を備える。
【0017】
内壁部材12は、液体容器投入口3bから外郭部3の内側に嵌め込まれて収容される。内壁部材12は、液体容器101を着脱自在に保持するとともにヒータ5、光源6、電源プラグ7および光源取付板11を外郭部3内に保持する。
【0018】
また、内壁部材12は、合成樹脂製を用いて一体成形された部材であり、液体容器101の容器102の一部(キャップ取付部108)を覆うとともに吸液芯105が差し込まれる液芯挿入孔25を有する筒状部26と、筒状部26に併設された保持部材取付ボス27と、外郭部3の舌状部19内側に沿って形成された容器保持部28と、筒状部26の背面に設けられて光源6、第一圧着部9および光源取付板11を一体に嵌め込まれた光源取付板収容部29(凹没部)と、外郭部3の外郭プラグ収納部21とともに電源プラグ7が収容されたプラグ収納室31を区画する内壁プラグ収納部32と、を備える。
さらに、内壁部材12は、光源取付板収容部29に連続させて開口され光源6の発する光を液体容器101へ導く孔部33を有する。
保持部材取付ボス27は、ヒータ5を仮固定する取付舌片35を備える。
【0019】
容器保持部28は、舌状部19内側に隙間を形成しつつ舌状部19の下端近傍へ伸びた略U字形状もしくはアーチ形状の枠体であり、液体容器101の嵌合突起部107を嵌め込みまたは離脱させることのできるよう内壁部材12の他の部分よりも剛性を低下させて形成される。内壁部材12は、容器保持部28に液体容器101の嵌合突起部107が嵌め込まれると、吸液芯105を液芯挿入孔25に配置するとともに筒状部26でキャップ取付部108を覆い、容器保持部28と内壁プラグ収納部32との間に容器102の正面と背面とを挟み込んで液体容器101を着脱自在に保持する。容器保持部28と舌状部19との隙間は、外郭部3内に空気を導く吸気口としての機能も担う。
【0020】
光源取付板収容部29は、光源6、第一圧着部9、抵抗8および光源取付板11を一体に備えた光源モジュール37を一体的に嵌め込み可能であるとともに光源モジュール37を保持可能な空間を区画する。また、光源取付板収容部29を区画する壁は、光源6と外郭部3の前面との間に配置され、光源6の光が外郭部3の前面側に漏光することを抑制する。
【0021】
内壁プラグ収納部32は、底部から上方へ延びた固定突起38を備える。固定突起38は、電源プラグ7に形成された固定孔7aに挿入されて電源プラグ7を固定する。また、内壁プラグ収納部32は、液体容器101に臨む面に液体容器101の嵌合突起部107を嵌め込みまたは離脱させることのできるよう凹部41および突起42を備える。内壁部材12は、仮に嵌合突起部107を加熱蒸散器1の背面に向けて液体容器101が液体容器投入口3bに挿入されても、凹部41に嵌合突起部107が嵌め込まれると突起42によって嵌合突起部107を支持して液体容器101を着脱自在に保持する。
【0022】
ヒータ5は、吸液芯105を挿抜自在な加熱孔5aを有する例えば金属製の環状部材(図示省略)と、例えばPTC(Positive Temperature Coefficient)を用いた発熱体(図示省略)と、を備える。ヒータ5は、締結部材13および保持部材取付ボス27の取付舌片35を挿通される孔部43を有する。
光源6は、LED(Light Emitting Diode)を用いて構成される。光源6は、孔部33に配置されて液体容器101を照らす。
【0023】
電源プラグ7は、光源取付板11とともに外郭部3の外郭プラグ収納部21および内壁部材12の内壁プラグ収納部32によって区画されたプラグ収納室31に収容される。なお、電源プラグ7はコードタイプであってもよい。
【0024】
締結部材13は、内壁部材12の保持部材取付ボス27およびヒータ5の孔部43を貫いて外郭部3の保持部材固定ボス23に内壁部材12およびヒータ5を共締めする。
図10は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の電気回路を示した概略図である。
図11は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の光源モジュールを示した斜視図である。
図12は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の光源モジュールを示した斜視図である。
図13は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の光源モジュールを示した正面図である。
図14は、本発明の実施形態に係る加熱蒸散器の光源モジュールを示した背面図である。
【0025】
図10に示すように、加熱蒸散器1は、ヒータ5と、光源6と、電源プラグ7と、電源プラグ7と光源6との間に設けられた抵抗8と、抵抗8と光源6とを電気的に接続する第一圧着部9と、電源プラグ7と光源6との間に設けられたダイオード15と、ダイオード15と光源6とを電気的に接続する第二圧着部16と、ダイオード15およびヒータ5と電源プラグ7との間に設けられた保護抵抗17と、ダイオード15およびヒータ5と電源プラグ7とを電気的に接続する第三圧着部18と、を備える。
このうち、光源6、抵抗8、第一圧着部9、ダイオード15および第二圧着部16は光源取付板11に巻き付けられた光源モジュール37を構成する。
抵抗8は、光源6に供給される電流を順方向電流(IFM)以下に降圧する。
ダイオード15は、光源6に供給される電流を整流する。
【0026】
第一圧着部9、第二圧着部16および第三圧着部18は、ヒータ5、光源6、抵抗8、ダイオード15および保護抵抗17のそれぞれの導線(所謂、素子の足)間でかしめられて電気的な接続を行う。
【0027】
さらに具体的には、図10から図14に示すように、加熱蒸散器1の光源モジュール37は、光源取付板11の第一面11aの第一辺45aの縁部中央に配置された光源6と、第一面11aを横断させて第二辺45bで折り返され第二面11bに至る一対の光源6の導線6a、6bと、第一圧着部9によって導線6aに接続され第二面11bを横断させて第一辺45aで折り返され第一面11aに戻る抵抗8の導線8aと、第一面11aの第三辺45cに寄せて配置された抵抗8と、第一面11aの第二辺45bで折り返され第二面11bに至る抵抗8の導線8bと、第二圧着部16によって導線6bに接続され第二面11bを横断させて第一辺45aで折り返され第一面11aに戻るダイオード15の導線15aと、第一面11aの第四辺45dに寄せて配置されたダイオード15と、第一面11aの第二辺45bで折り返され第四辺45dの側方に延びるダイオード15の導線15bと、を備える。なお、第一面11aと第二面11bとは、光源取付板11の表裏の面である。第一辺45aと第二辺45bとは略平行な光源取付板11の二辺であり、第三辺45cと第四辺45dとは略平行な光源取付板11の他の二辺である。
【0028】
そして、光源取付板11は、表裏の面(第一面11a、第二面11b)に設けられて光源6、第一圧着部9、第二圧着部16および抵抗8のそれぞれの導電部分の間を絶縁する区画壁46を備える。より具体的には、光源取付板11は、光源6の導線6a、6b間を区画する第一区画壁46aと、導線6a、6b、第一圧着部9、第二圧着部16および抵抗8の導線8a、ダイオード15の導線15a間を区画する第二区画壁46bと、導線6aと導線8a、8bとの間を区画する第三区画壁46cと、導線6bと導線15a、15bとの間を区画する第四区画壁46dと、導線8bと導線6a、第一圧着部9および導線8aとの間を区画する第五区画壁46eと、を備える。
【0029】
そして、図7から図10に示すように、ダイオード15の導線15bは、光源取付板収容部29からプラグ収納室31内へ引き出されて第三圧着部18によって保護抵抗17およびヒータ5の導線5bに接続される。
【0030】
光源取付板11は、光源取付板収容部29に嵌め込まれると光源6と外郭部3との間、ここでは光源6と外郭部3の背面との間に配置される。光源取付板11は、光源6の光が外郭部3の背面側に漏光することを抑制する。また、光源取付板11は、光源6、抵抗8、ダイオード15の配置された第一面11aを内向きに、他方、第二面11bを外向きにして配置される。さらに、光源取付板11は、保護抵抗17の導線と光源6の導線6b、第二圧着部16およびダイオード15の導線15aとの間を区画する第六区画壁46fと、を備える。
【0031】
光源取付板11の第五区画壁46eおよび第六区画壁46fは、電源プラグ7と電気回路との接続部47を区画する機能も有する。第一区画壁46a、第二区画壁46b、第三区画壁46c、第四区画壁46d、第五区画壁46eおよび第六区画壁46fは、光源取付板11に設けられたリブ状の構造であり、光源取付板11の強度および剛性を向上させる。
【0032】
このように構成された光源モジュール37は、光源6、抵抗8、ダイオード15の各導線を適宜の長さに調整した後、第一圧着部9および第二圧着部16によりそれぞれの素子を接続し、さらに光源6を基点に光源取付板11に順次巻き付けることによって容易に構成できる。
次に、加熱蒸散器1の組立について説明する。
【0033】
図7に示すように、ヒータ5、光源モジュール37および保護抵抗17の各導線を適宜の長さに調整し、第三圧着部18および接続部47をかしめて電気回路を構成する。また、電源プラグ7の固定孔7aに内壁プラグ収納部32の固定突起38を差し込んで電源プラグ7と内壁部材12とを仮組み立てする。
【0034】
この後、保持部材取付ボス27の取付舌片35をヒータ5の孔部43に差し込みヒータ5と内壁部材12とを仮組み立てしつつ、光源モジュール37を光源取付板収容部29に嵌め込み、接続部47を電源プラグ7に接続する。
しかる後、ヒータ5、内壁部材12および光源モジュール37を一体的に液体容器投入口3bから外郭部3に嵌め込む。
【0035】
そして、内壁部材12の保持部材取付ボス27およびヒータ5の孔部43を貫いて外郭部3の保持部材固定ボス23に締結部材13を締め付けると加熱蒸散器1の組み立てが終わる。
【0036】
このように構成された本実施形態に係る加熱蒸散器1によれば、光源6、抵抗8およびダイオード15をかしめて接続し、これを光源取付板11に巻き付けることで電気回路の一部である光源モジュール37を構成し、これにヒータ5および保護抵抗17をかしめて接続することで電気回路を組み立てることができる。すなわち、加熱蒸散器1は比較的高価なプリント基板のような部材や半田付け工程を必要としないため、容易かつ安価に電気回路を組み立てることができる。
【0037】
また、本実施形態に係る加熱蒸散器1によれば、回路基板としてリブ状の区画壁46を有する光源取付板11を備えたことで、極めて簡素な基板構造によって強度および剛性を向上させるとともに電気回路の導線間における短絡の回避を図ることができる。
【0038】
さらに、本実施形態に係る加熱蒸散器1によれば、リブ状の区画壁46を有する光源取付板11を備えたことで、光源取付板収容部29における電気回路の保持性を向上できる。これによって、加熱蒸散器1の組立は容易に行われる。
【0039】
さらにまた、本実施形態に係る加熱蒸散器1によれば、ヒータ5および光源6を含む必要最小限の素子と、これらを保持する光源取付板11によって、極力少ない部品点数で、極めて容易に組み立てることが可能である。
【0040】
また、本実施形態に係る加熱蒸散器1によれば、各素子間を圧着部9、16、18によって接続し、かつ光源取付板11による各導線間の絶縁が確実に図られるので、信頼性、安全性の高い電気回路を構成できる。
【0041】
さらにまた、本実施形態に係る加熱蒸散器1によれば、光源取付板11を光源6と外郭部3の間に配置させたことにより、光源取付板11が遮光板となり、別途遮光板を設けなくても、外殻部3への漏光を抑制することができる。
【0042】
したがって、本発明に係る加熱蒸散器1によれば、液体容器101を照らす光源6および薬液103を気化させるヒータ5を備えつつ、組立の容易性と電気回路の信頼性および安全性とを両立できる。
【符号の説明】
【0043】
1 加熱蒸散器
3 外郭部
3a 蒸散口
3b 液体容器投入口
5 ヒータ
5a 加熱孔
6 光源
6a 導線
6b 導線
7 電源プラグ
7a 固定孔
8 抵抗
8a 導線
8b 導線
9 第一圧着部
11 光源取付板
11a 第一面
11b 第二面
12 内壁部材
13 締結部材
15 ダイオード
15a 導線
15b 導線
16 第二圧着部
17 保護抵抗
18 第三圧着部
19 舌状部
21 外郭プラグ収納部
22 切欠部
23 保持部材固定ボス
25 液芯挿入孔
26 筒状部
27 保持部材取付ボス
28 容器保持部
29 光源取付板収容部
31 プラグ収納室
32 内壁プラグ収納部
33 孔部
35 取付舌片
37 光源モジュール
38 固定突起
41 凹部
42 突起
43 孔部
45a 第一辺
45b 第二辺
45c 第三辺
45d 第四辺
46 区画壁
46a 第一区画壁
46b 第二区画壁
46c 第三区画壁
46d 第四区画壁
46e 第五区画壁
46f 第六区画壁
47 接続部
101 液体容器
102 容器
103 薬液
105 吸液芯
107 嵌合突起部
108 キャップ取付部
109 栓部
111 吸液芯挿入孔
112 吸気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内部に貯蔵された薬液を吸い上げる吸液芯を備えた液体容器に組み合わされて前記吸液芯を加熱し前記薬液を気化させる加熱蒸散器であって、
前記吸液芯を抜き差し自在に覆う外郭部と、
前記外郭部に収容されて前記吸液芯を加熱自在なヒータと、
前記液体容器を照らすよう発光自在な光源と、
前記ヒータおよび前記光源に供給される電力を導く電源プラグと、
前記電源プラグと前記光源との間に設けられた抵抗と、
前記抵抗と前記光源とを電気的に接続する圧着部と、
前記外郭部に収容されて前記光源、前記圧着部および前記抵抗を巻き付けた光源取付板と、を備えたことを特徴とする加熱蒸散器。
【請求項2】
前記光源取付板は、表裏の面に設けられて前記光源、前記圧着部および前記抵抗のそれぞれの導電部分の間を絶縁する区画壁を備えたことを特徴とする請求項1に記載の加熱蒸散器。
【請求項3】
前記光源取付板は、前記光源と前記外郭部との間に配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の加熱蒸散器。
【請求項4】
前記外郭部に収容されるとともに、前記光源、前記圧着部、前記抵抗および前記光源取付板を一体に嵌め込まれた凹没部および前記凹没部に連続させて開口され前記光源の発する光を前記液体容器へ導く孔を有する内壁部材を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱蒸散器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−385(P2012−385A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140804(P2010−140804)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【出願人】(000164140)金澤工業株式会社 (54)
【Fターム(参考)】