説明

励起眼用レンズの構成要素を活性化するための装置及び方法

本発明は、励起眼用レンズを活性化するための装置及び方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、眼用レンズ(200)の外部の活性化ユニット(220)との無線通信を介した、1つ又は2つ以上の構成要素の活性化及び非活性化を提供する。いくつかの実施形態において、励起眼用レンズは、外部信号を検出し、検出信号を処理し、かつ電気エネルギーの制御を介して光学特性を変化させる構成要素を活性化する、構成要素を内蔵している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、その内容に基づき、本明細書に引用される、2008年10月28日に出願された「Apparatus and Method for Activation of Components of an Energized Ophthalmic Lens」と題された米国特許仮出願第61/108,957号、及び2009年10月12日に出願された「Apparatus and Method for Activation of Components of an Energized Ophthalmic Lens」と題された米国特許出願第12/577,322号の優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、生物医学デバイスを活性化させるための方法及びデバイスに関する。より詳細には、本発明は、眼用レンズなどの生物医学デバイスに含められる構成要素への電力供給を制御するための方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
眼用レンズは、長期間にわたる視力矯正目的で成功裏に機能してきた。更に、技術分野の進歩により、例えば、レンズ材料の透過性から二焦点矯正に適合する設計に至るまで、眼科患者のニーズに対するサービスを改善する多数の複雑な実施形態がもたらされてきた。しかしながら、現在利用できる眼用レンズは静的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
制御された方法で眼用レンズの特徴を変化させる能力があれば、多くの機能がより良く供給されるであろう。このような用途の核心には、いくつかの方法で機能を励起する手段の必要性が存在する。それらの全体が本明細書に組み込まれた関連明細書には、励起眼用レンズを含む方法、装置、及びデバイスが記載されている。コマンドで励起レンズを活性化又は非活性化することができれば、種々の機能は省エネの利益を享受することができる。これに加えて、ユーザーによって活性化され得る様々な動作状態の適用を通じて利益を得ることができる。したがって、励起眼用レンズへと活性化させる手段を組み込むのが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、励起眼用レンズを活性化するための方法及び装置を目的とする。広くは、励起眼用レンズは、外部から生成された信号を検出し、この検出信号に基づいてレンズの機能を制御する能力を有する構成要素を内蔵する。いくつかの実施形態では、信号を検出することにより、電力の操作を介して励起眼用レンズ内の構成要素を活性化する。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態は、光子ベースの信号を検出する働きをする1つ又は2つ以上の検出構成要素を備える。光子ベースの信号の検出は、例えば、フォトダイオード、フォトレジスタ、フォトトランジスタ及びフォトセルの1つ又は2つ以上の使用を介して達成され得る。
【0007】
更なる実施形態は、電磁エネルギー、誘導結合、磁界結合、及び容量的手法で検出される信号、の1つ又は2つ以上を含む外部信号を包含することができる。磁界結合に対して特異的な検出デバイスは、例えば、ホール効果に基づく検出器を有するスイッチを備えていてもよい。外部信号の種々の組み合わせ及び代替もまた、本発明の範囲内である。
【0008】
別の態様において、本発明のいくつかの実施形態は、様々なタイプのエネルギー源の検出を目的とする方法及び装置を含む。したがって、実施形態は、圧力変化、音ベースの信号、磁力、光信号、及び高周波信号、の1つ又は2つ以上に対する感度が高い1つ又は2つ以上のデバイスを有する眼用レンズを含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態は、更に、外部信号、及び外部信号の発信源を提供する方法に関し、この外部信号は、眼用レンズシステム内の構成要素に対する電力を制御して、眼用レンズ内の構成要素を活性化又は非活性化するように働く。外部信号の検出は、眼用レンズシステムに含められる少なくとも1つの構成要素が物理的状態又は電気状態を変化させる原因となり得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、この検出は、アナログ方式又はデジタル方式で信号を処理することも包含し得る。処理は、例えば、許容可能な時間遅延の帯域によって2つの離散的信号事象が分離されたときの、外部から生成された信号のパターンを識別することができる。このような信号の組み合わせは、瞼のまばたきに関係している生理学的特徴に関連付けられてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、外部信号を利用して、眼用レンズシステム内の1つ又は2つ以上のデバイスを電気的に活性化し、光学デバイスの焦点特性を変化させる。更なる実施形態は、電気的に活性な光学デバイス内の透過性を変える方法を包含してもよい。
【0012】
更に、励起眼用レンズは、例えばエネルギー消費が正常なアクティブ状態、及び低エネルギー消費を含むスリープ状態などの、複数の状態を有してもよい。レンズの活性化は、回路がスリープ状態になる及びスリープ状態から解除されるのを切り替えさせることができる。アクティブ状態の間、レンズは機能的になり、スリープ状態よりも高いエネルギー消費量で作動する。
【0013】
いくつかの実施形態において、検出される信号はまた、励起眼用レンズ内で有用なエネルギーを含むことができる。いくつかの方法は、無線でエネルギーを提供して、外部エネルギーを、励起眼用レンズ内のエネルギー源を再励起することができるエネルギーに変換するシステムを活性化させるために、外部信号を使用することに関する。いくつかの実施形態は、吸収されて、エネルギー源を再励起するための電気エネルギーに変換される高光子束を含む外部信号に関することができる。
【0014】
他の実施形態は、検出事象によって活性化される、異なるクラスのデバイスに由来する方法に関する。この性質のいくつかの実施形態は、識別情報を記憶するための識別デバイスをレンズ内に包含してもよい。更なる実施形態は、励起眼用レンズシステムを使って情報を表示することができるデバイスを活性化する方法に関することができる。いくつかの実施形態は、レンズシステム内から薬品を排出させるデバイスを活性化する方法に関することができる。これらの実施形態のいくつかにおいて、薬品は医薬化学製品を包含し得る。
【0015】
したがって、実施形態は、励起眼用レンズに含められる構成要素又はサブシステムの状態を、信号の受信を介して変化させる無線機構を包含し得る。眼用レンズ内に含められる構成要素の状態を変化させるコマンドを通信するために用いられる特徴をこの信号が有することを確認するために、この信号を検証することができる。したがって、眼用レンズ内の1つ又は2つ以上の構成要素の状態の変化は、信号に基づいて引き起こされることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】活性化可能な励起眼用レンズシステムの例示的な描写を示す図。
【図2】磁気信号源の存在によって活性化される活性化可能な励起眼用レンズシステムの例示的な描写を示す図。
【図3】外部信号源によって活性化される活性化可能な励起眼用レンズシステムの例示的な描写を示す図。
【図4】まばたき信号通信している状態の、周辺照明環境での活性化可能な励起眼用レンズシステムの例示的な描写を示す図。
【図5】指先からの外部圧力信号によって活性化される活性化可能な励起眼用レンズシステムの例示的な描写を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、外部から活性化され得る1つ又は2つ以上の構成要素を有する励起眼用レンズの形成方法及び装置を提供する。以下の項において、本発明の実施形態がより詳細に説明される。種々の実施形態の説明は例示的なものであり、示される実施形態の例示的な性質は根本的な発明の範囲を限定するものではない。
【0018】
用語解説
本発明を目的とする本説明及び特許請求の範囲において、以下の定義が適用される、様々な用語が使用され得る。
活性化する(又は活性化):励起眼用レンズにおいて、エネルギー供給を可能にして、少なくともレンズ内の構成要素を機能させる又は機能状態を変化させることを意味する。
検出:信号を受信することを意味する。
励起:眼用レンズにエネルギーを提供することができる状態、又は眼用レンズでエネルギーを蓄積できる状態を意味し、1つの特定の実施形態は、眼用レンズへの電流供給又は眼用レンズ内での電気エネルギーの蓄積を含む。
エネルギー:動作する物理的システムの容量を意味する。本発明で使用される場合の多くは、動作する際に電気的作用を行うことが可能なこの容量に関連し得る。
状態:多数の電位によって定義される個別の物理的又は電気的状態のうちの1つを意味し、各状態は、励起眼用レンズに含められている電気又は電子物理的要素内で、あるいはこの構成要素のシステム内で発生し得る。
【0019】
活性化された励起眼用レンズ内の活性化システム
ここで図1を参照すると、活性化されかつ励起される眼用レンズ100の例示的な実施形態の基本構造が示されている。励起眼用レンズ100は、1つ又は2つ以上の構成要素130、135、140と、エネルギー源110とを備えていてもよい。いくつかの実施形態では、充電式リチウムイオン電池がエネルギー源110として含まれる。充電式電池110は充電システム160を利用して充電されてもよい。充電システム160は、接続点170において電池エネルギー源110に、かつ接続点150において電子回路要素135に接続され得る。電子回路要素は、フレキシブル基板145に取り付けられた構成要素130、135、140、並びにナノネットトランジスタ及びカーボンナノチューブ基板を含むもののような、形に適合する電子機器(図示せず)の1つ又は2つ以上を包含することができる。
【0020】
フレキシブル基板は、電気的連結のため、及び回路素子又は構成要素130、135、140を保持するために有用であり得る。
【0021】
活性化デバイス140は、制御装置130の状態を変化させるために有用である。制御装置130の出力は、ワイヤ又は他の導電体120によって光学領域190内の電気光学デバイスへと送られる。
【0022】
ここで図2に進むと、一定強度の磁界の有無を検出することができる活性化デバイス220を有する本発明のいくつかの実施形態の描写が示されている。活性化デバイス220は、その近接環境内の磁界の変化の存在を監視することができる。磁気デバイス240が励起眼用レンズ200に十分に近付くと、このデバイスは、検出器220の反応を誘発するのに十分な密度を有する磁束230を提供する。励起レンズ200は、検出器220の反応に基づいて活性化され得る。更に、レンズ内の構成要素の状態は、検出器220の反応に基づいて変更され得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、構成要素の状態変化は、励起眼用レンズ200の光学活性部分内の電気光学デバイス210の特性を変更することができる。更なる態様において、いくつかの実施形態では、磁気活性化デバイス220はホール効果感応スイッチを備えてもよい。そのようなデバイスの特定の実施形態は、Allegro Microsystems,Inc.(Worcester,MA)製のA1172等のミクロンサイズのホール効果センサ/スイッチを使用して定義されてもよい。磁界又は磁界の変化を検出することができる多数のセンサデバイスが存在し得、これらデバイスが活性眼用レンズの多数の実施形態を定義することができることは、当業者には明らかであり得る。
【0024】
ここで図3を参照すると、いくつかの更なる実施形態では、外部信号デバイス340は、特定の電磁信号330に対する感度が高い受信デバイス320に電磁信号を送信する。受信デバイスを使用して、状態変化を要求する信号330を検出することができ、又は、より複雑な実施形態では、特定の電磁信号330は、デバイス320が受信すると信号が活性化コマンドに変換され得るような電磁信号のデータストリームを含んでいてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、電磁信号は、特定周波数帯域の光子源(photo source)を包含してもよい。これらの実施形態のいくつかでは、正しい周波数帯域内の任意の信号の存在は、眼用レンズに含められている構成要素の活性化に適した信号を確定することができる。
【0026】
異なる実施形態において、電磁信号330は、特定のエネルギー帯の光子を含んでもよく、光子強度の時間発展は、検出デバイス320によって吸収されて信号に変換される。次に、この信号は、特定の眼用レンズ内の様々な状態を活性化することができる。可視帯及び赤外線域などの様々な周波数帯域を非限定例として含んでもよく、電磁信号330として用いてもよい。他の実施形態において、周波数帯域は無線周波数ベースの信号を含んでもよく、多数の実施形態タイプの信号定義は当業者には明白である。
【0027】
更なる実施形態において、発信源340は、その電界成分が信号情報を含む信号を包含してもよい。いくつかのそのような実施形態では、容量結合装置が信号検出器320を定義してもよい。電磁信号に関して論じたのと類似の様式で、相応する特性のこのような電界の存在は信号を含んでいてもよい。
【0028】
別の態様において、このような信号の時間発展は、検出デバイス320に対して定義された適切な信号を符号化してもよい。電界ベースのシステムで使用されるその他の方法及びデバイスもまた、励起眼用レンズ構成要素を活性化するために使用され得る。
【0029】
ここで図4を参照すると、更なるタイプの活性化実施形態が示されている。例えば、太陽光などの光440の環境発生源は、周辺光430の光線を生成することができ、この光線は、眼用レンズの周辺領域内に衝突する。光440の環境発生源はまた、例えば、白熱光源、蛍光光源、発光ダイオード、又は周辺光源の多種多様なバリエーション等の人工光源を包含することができる。
【0030】
生理学的な瞼450は、周辺光源440と、この光源の検出器420との間の比較的不透明なスクリーンを表わしていてもよく、検出器における光の存在は、このような活性化された励起眼用レンズの着用者によって制御され得る信号態様を定義することができる。例示的な意味合いにおいて、励起眼用レンズ415に含められた光検出器420で光信号パルスを生成し、次に、励起眼用レンズ415の他の構成要素425に制御信号を提供するために、意図的なまばたきが用いられる。まばたきに基づく正しい光信号は、その結果、レンズを活性化させることができる。
【0031】
したがって、パターン化されたまばたきシーケンスによって生成される信号を利用して、眼用レンズシステムの光学活性領域410内の電気光学デバイスなどの1つ又は2つ以上の構成要素425の状態変化を実行してもよい。光波430を処理するための複数の代替実施形態は、周辺光源から利用可能である。そのような実施形態に組み込むことができる可変要素には、まばたきを介した信号伝達スキーム、光源を検出可能な検出器の種類、及び受信した信号を結合かつ処理して、励起レンズ415内の構成要素425を活性化する電子的構成要素が挙げられる。
【0032】
ここで図5を参照すると、更なる実施形態において、活性化信号は、機械ベースの信号伝達を包含することができる。機械的接触又は音波によるもののいずれかによりもたらされる圧力は、圧力が上の説明の電磁信号と類似している実施形態を定義することができる。500では、眼の領域の例示的描示が示されており、瞼540はレンズを取り囲んでいる。
【0033】
いくつかの実施形態では、瞼に対する機械的接触の形態の圧力は、瞼を介して眼用レンズ内の感圧性活性化デバイスへと伝達され得る。圧力は、瞼に指を押し付けることによって達成されてもよい。感圧性デバイス520は薄膜スイッチを含んでもよく、別の方法としては、マイクロサイズ又はナノサイズの圧力変換器といった他の圧力検出デバイスを使用することも可能である。接触圧は信号を形成し、いくつかの実施形態では、接触圧は、指先530で瞼の上を押すユーザーによってもたらされる。機械的信号又は圧力信号の性質、及びこの信号を検出するデバイスに関するバリエーションは、本発明の範囲内の技術を含んでもよい。
【0034】
代替実施形態において、圧力信号は音波に含まれていてもよい。このような実施形態では、このシステムの構造を図3と同様に描くことができる。しかしながら、このような実施形態では、発信源340は、1つ又は2つ以上の音響エネルギー発信源を包含することになる。
【0035】
エネルギー受信装置の状態を移行させるために用いられる音響エネルギーは、可聴音領域(audible sound regime)の一部であってもよく、又は別の方法としては、可聴領域の外側であってもよい。図のように、音波330は、状態信号の変化を生成するために利用される所与の波長音に対する感度が高いマイクロフォンデバイス320又はその他の受信装置により検出されてもよい。このような実施形態では、検出された音響信号は、次に、眼用レンズシステム内の構成要素の活性化を誘発してもよい。いくつかの実施形態では、活性化によって電気光学デバイス310の状態変化が引き起こされてもよい。音波の性質、その検出、音波に含まれる信号の種類、及び音波が信号で伝える活性化のタイプに関するこの実施形態の多数のバリエーションが存在する。
【0036】
活性化された励起眼用レンズデバイスの機能
いくつかの実施形態では、開示された様式の1つで活性化を検出するように機能する回路で使用されるエネルギーの量が比較的少量である場合を除き、励起眼用レンズ内のエネルギー源は、この励起レンズに含められる構成要素の一部又は全てから切り離されてもよい。次に、このような活性化信号を用いて、眼用レンズ内の追加回路区間の1つ又は2つ以上を起動することができる。このようにして、追加回路の活性化は、それ自体で、デバイス内の何らかの機能変化を活性化することができる。あるいは、いくつかの実施形態では、追加回路の活性化は、レンズを「スリープモード」と呼ばれる状態から引き戻すのを可能にし、かつレンズに更なる活性化信号を受信する準備をさせることができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、活性化信号は、レンズ特性の直接的側面を変化させる。例えば、活性化信号は、電気活性レンズの状態を変化させることができる。そうすることで、いくつかの実施形態では、眼用レンズの焦点特性が変更され得る。非限定的な例では、活性化信号によって、電子回路がEWOD(Electro Wetting on Dielectric)電極の疎水性を変化させる電極に直流(DC)電圧を印加させることができる。疎水性のこの変化は、メニスカス界面の特性を変更させ、これによりこの界面によって形成されるレンズの焦点特性を変更させることができる。同じ信号は選択的に、同じ電極に交流(AC)電圧を印加させることができることは明らかであり得る。より一般的な意味から、活性化信号は、電気活性レンズシステムの状態を、ある光学特性から他の光学特性へと変化させることができる。
【0038】
いくつかの代替実施形態において、活性化信号は、光学活性領域又は光学的非活性領域のいずれかにおける眼用レンズの遮光に変化をもたらし得る。更なる活性化実施形態は、レンズの光学活性領域の透過特性を変更することを包含し得る。光が眼用レンズシステムの中をいかに進み得るかに関する多くの条件が存在することは、当業者には明らかであり得る。
【0039】
他の実施形態では、活性化プロセスは、眼用レンズ内への信号伝送を含み得る。これらの場合には、信号は、レンズ内の処理電子デバイスへと送られてもよい。信号は、処理デバイス内でデコードされるときに制御する役割を含んでもよい。あるいは、信号は、レンズ内で伝送されるデータを含んでもよい。このデータ信号は、いくつかの実施形態におけるレンズ内の表示特性を活性化させてもよい。特定の信号タイプの様々なデータの符号化形態、又は異なる信号タイプの組み合わせ形態のいずれかの、活性化信号の様々な組み合わせが、活性化された励起眼用レンズ内で発生し得ることは明らかであり得る。
【0040】
別のタイプの実施形態において、活性化信号は、レンズ自体からのデータの伝送を行ってもよい。非限定的な例において、RFID構成要素が眼用レンズシステム内に含まれてもよい。活性化は、RFIDが記憶している情報のサブセットをRFIDが送信することができるようにすることを含んでもよい。多くのデータ記憶、データ送信、データ処理、及びデータ通信の実施形態が当該技術の範囲内にあることは、当業者には明白であり得る。
【0041】
更に他の実施形態において、眼用レンズの活性化は、レンズシステムが、眼用レンズ内の貯蔵部分から、活性薬剤、薬品及び溶液の1つ又は2つ以上を分配できるようにし得る。いくつかの実施形態において、これらの活性薬剤、薬品及び溶液は、その中にいくつかの方法でレンズが配置される眼の環境を治療することができる。例えば、分配される溶液は、ドライアイ疾患に対処するための薬剤、又は眼の状態に薬学的に対処することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、レンズに含められるセンサは、眼の環境状態を監視して、閾値状態に移行する又は閾値状態から移行するのに反応して溶液を分配するように作用してもよい。本質的に、センサは活性化ユニットとして作用し得る。活性眼用レンズからの薬品の分配を活性化させる多くの実施形態が、本発明の技術に由来し得ることは、明らかであり得る。
【0042】
更に他の実施形態では、信号により、レンズシステムが外観を変化させることができる。非限定的な例として、外観の変化は、発光素子の活性化と関係し得る。いくつかの実施形態では、この素子は点滅してもよく、一方で他の実施形態では、この光は、別の活性化信号を受け取るまでオン状態のままであってもよい。様々なタイプの外観変化が励起眼用レンズ内で活性化される状態変化を含む多くの実施形態が存在することは、当業者には明らかであり得る。
【0043】
結論
上述されかつ以下の特許請求の範囲によって更に定義される本発明は、活性化される励起眼用レンズの形成方法、及び当該方法を実施するための装置、並びに、それによって形成される活性化された励起眼用レンズの説明、及び当該レンズの活性化方法を提供する。
【0044】
〔実施の態様〕
(1) 励起眼用レンズの活性化システムであって、
エネルギー源を備える励起眼用レンズと、
前記エネルギー源と電気的に導通する活性化デバイスであって、前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる、活性化デバイスと、
前記活性化デバイスによる前記外部信号の検出に基づいて前記エネルギー源からのエネルギーを受信するのに十分である、前記エネルギー源と電気的に導通する構成要素と、を備える活性化システム。
(2) 前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、光電性デバイスを含む、実施態様1に記載の活性化システム。
(3) 前記光電性デバイスが、フォトダイオード、フォトレジスタ、フォトトランジスタ及びPINフォトセルの1つ又は2つ以上である、実施態様2に記載の活性化システム。
(4) 前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、光電性デバイスと異なるスペクトル領域の電磁エネルギーに対する感度が高いデバイスを含む、実施態様1に記載の活性化システム。
(5) 前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、外部電気信号と容量結合することができるデバイスを含む、実施態様1に記載の活性化システム。
(6) 前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、外部電磁信号と誘導結合することができるデバイスを含む、実施態様1に記載の活性化システム。
(7) 前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、外部磁気信号と電磁結合することができるデバイスを含む、実施態様1に記載の活性化システム。
(8) 前記電磁結合することができるデバイスがホール効果スイッチを含む、実施態様7に記載の活性化システム。
(9) 前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、前記励起された眼科デバイスの表面上の圧力変化を検知することができるデバイスを含む、実施態様1に記載の活性化システム。
(10) 前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、外部音響信号を検知することができるデバイスを含む、実施態様1に記載の活性化システム。
【0045】
(11) 励起眼用レンズを活性化する方法であって、
外部信号源を提供することと、
前記励起眼用レンズを構成する第1の構成要素を介して前記外部信号源を検出することと、
前記励起レンズを構成する第2の構成要素の状態を変更することと、を含む方法。
(12) 活性化状態を判定するために前記外部信号の前記検出を処理することを更に含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記処理が、ある決められた範囲の回数によって分けられる2つ又は3つ以上の離散的な検出信号を識別することを含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記回数(timing)が、瞼の意図的なまばたきに対応する生理学的レートを含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 活性化された前記構成要素状態が電気光学デバイスを含む、実施態様11に記載の方法。
(16) 前記眼用レンズの1つ又は2つ以上の焦点特性を変更するために、前記電気光学デバイスを活性化することを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) スペクトル帯における眼球活性領域の透過性を調整するために、構成要素状態を活性化することを更に含む、実施態様11に記載の方法。
(18) 前記励起レンズを構成する構成要素の状態の前記変更が電気ゲートを含み、前記方法が、前記エネルギー源と電気的に導通する少なくとも1つの構成要素を前記励起眼用レンズ内に設置する工程を更に含む、実施態様11に記載の方法。
(19) 前記励起レンズ信号を構成する構成要素の状態の前記変更が、十分に強い光子束の検出を含み、前記方法が、前記励起眼用レンズ内の前記エネルギー源を充電することを更に含む、実施態様11に記載の方法。
(20) 1つ又は2つ以上の構成要素が識別デバイスを含む、実施態様11に記載の方法。
【0046】
(21) 1つ又は2つ以上の構成要素が表示デバイスを含む、実施態様11に記載の方法。
(22) 1つ又は2つ以上の構成要素が溶液分配デバイスを含む、実施態様11に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起眼用レンズの活性化システムであって、
エネルギー源を備える励起眼用レンズと、
前記エネルギー源と電気的に導通する活性化デバイスであって、前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる、活性化デバイスと、
前記活性化デバイスによる前記外部信号の検出に基づいて前記エネルギー源からのエネルギーを受信するのに十分である、前記エネルギー源と電気的に導通する構成要素と、を備える活性化システム。
【請求項2】
前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、光電性デバイスを含む、請求項1に記載の活性化システム。
【請求項3】
前記光電性デバイスが、フォトダイオード、フォトレジスタ、フォトトランジスタ及びPINフォトセルの1つ又は2つ以上である、請求項2に記載の活性化システム。
【請求項4】
前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、光電性デバイスと異なるスペクトル領域の電磁エネルギーに対する感度が高いデバイスを含む、請求項1に記載の活性化システム。
【請求項5】
前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、外部電気信号と容量結合することができるデバイスを含む、請求項1に記載の活性化システム。
【請求項6】
前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、外部電磁信号と誘導結合することができるデバイスを含む、請求項1に記載の活性化システム。
【請求項7】
前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、外部磁気信号と電磁結合することができるデバイスを含む、請求項1に記載の活性化システム。
【請求項8】
前記電磁結合することができるデバイスがホール効果スイッチを含む、請求項7に記載の活性化システム。
【請求項9】
前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、前記励起された眼科デバイスの表面上の圧力変化を検知することができるデバイスを含む、請求項1に記載の活性化システム。
【請求項10】
前記眼用レンズの外部の発信源から生じる信号を検出することができる前記活性化デバイスが、外部音響信号を検知することができるデバイスを含む、請求項1に記載の活性化システム。
【請求項11】
励起眼用レンズを活性化する方法であって、
外部信号源を提供することと、
前記励起眼用レンズを構成する第1の構成要素を介して前記外部信号源を検出することと、
前記励起レンズを構成する第2の構成要素の状態を変更することと、を含む方法。
【請求項12】
活性化状態を判定するために前記外部信号の前記検出を処理することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記処理が、ある決められた範囲の回数によって分けられる2つ又は3つ以上の離散的な検出信号を識別することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記回数が、瞼の意図的なまばたきに対応する生理学的レートを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
活性化された前記構成要素状態が電気光学デバイスを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記眼用レンズの1つ又は2つ以上の焦点特性を変更するために、前記電気光学デバイスを活性化することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
スペクトル帯における眼球活性領域の透過性を調整するために、構成要素状態を活性化することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記励起レンズを構成する構成要素の状態の前記変更が電気ゲートを含み、前記方法が、前記エネルギー源と電気的に導通する少なくとも1つの構成要素を前記励起眼用レンズ内に設置する工程を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記励起レンズ信号を構成する構成要素の状態の前記変更が、十分に強い光子束の検出を含み、前記方法が、前記励起眼用レンズ内の前記エネルギー源を充電することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
1つ又は2つ以上の構成要素が識別デバイスを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
1つ又は2つ以上の構成要素が表示デバイスを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
1つ又は2つ以上の構成要素が溶液分配デバイスを含む、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−506758(P2012−506758A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534620(P2011−534620)
【出願日】平成21年10月21日(2009.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/061458
【国際公開番号】WO2010/062504
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(510294139)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (48)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 Centurion Parkway, Jacksonville, FL 32256, United States of America
【Fターム(参考)】