説明

動力伝達ベルト

動力伝達ベルトは、心線、エラストマー心線下部、少なくとも一対の反対側にあるV形状のプーリ接触面を備え、心線下部に埋設され、いくつかが接触面から突出する不連続繊維を有する。繊維は、ナイロンのような変形可能なポリマーを備え、繊維突出部は、実質的に表面に対して直立するとともに、特に自由端近傍で、実質的に直線状で又は僅かに曲がり、かつ繊維突出部は初期横断面形状から、伸ばされた長円形、細長形、インゲン豆形、又は変形円形に変形される。突出繊維長さは、少なくとも繊維直径の2倍である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してマルチVリブド動力伝達ベルトに関し、特に、プーリ接触面で突出する繊維を有するVリブドベルトに関し、具体的には、直立し又は僅かに曲がり、かつ長円形横断面形状に変形された、突出しかつ変形可能な繊維を有するベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
Vベルト、マルチVリブドベルト、及び平ベルトのような動力伝達ベルトは、接触面とプーリすなわちシーブ間の摩擦に依存して、駆動シーブからベルト表面、さらに従動シーブに動力を伝達させる。典型的なベルト構成は、抗張部材と、そこに埋設された不連続な合成熱可塑性及び/又は天然繊維を有するエラストマーベルト本体と、プーリ接触面とを含む。ゴム接触面は、高摩擦係数を生じさせ、かつ望ましくない摩擦音を付随させるであろう。接触面における埋設繊維の端部露出は、摩擦係数を減少させ、或いは摩擦を制御し、ある程度の騒音問題を軽減させるであろう。したがって、露出繊維は、種々の形状が試されている。
【0003】
特開平4−348930号公報は、短繊維を軟化ないし溶融させないように、熱可塑性短繊維を有するゴム構造の表面を研磨する方法を開示する。この公報に開示された短繊維は、図1の繊維1aによって示され、繊維直径の約1倍より大きく突出するようには見えない。この公報に従来技術として開示されたものは、図1の繊維1bによって示されるように、溶融端部を有するさらに小さい繊維である。
【0004】
特開平5−8294号公報は従来技術として、図1の繊維1cによって示されるように、ナイロン繊維端部が円形でかつ殆ど表面から出ていないことを開示する。この公報に開示されるのは、図1の繊維1dで示されるように、表面から長く延在しかつ大きくカールしたメタアラミドステーブル繊維により、繊維占有面積及び低摩擦係数面を増大させるゴム構造である。この公報にさらに開示されるのは、図1の繊維1eで示されるように、表面から短く延在しかつ端部が裂けたパラアラミド又は綿ステーブル繊維によって、表面を高摩擦係数にするゴム構造である。
【0005】
米国特許第5498212号明細書は、埋設されたアラミド繊維を有する動力伝達ベルトを開示する。パラアラミド繊維の露出された端部は、図1の繊維1fで示されるように、フィブリル化され、かつカールする傾向にある。
【0006】
米国特許第5197928号明細書は、埋設された合成又は天然繊維を有するVリブド動力伝達ベルトを開示する。ベルト繊維の露出された表面は、溶融その他の方法によって広げられ、図1の繊維1gによって示されるように、繊維本体の非変形横断面エリアよりもその有効直径が増加される。
【0007】
米国特許第5413538号明細書は、プーリ係合面から無有意の数が突出し、かつベルト本体に埋設された合成又は天然繊維と同じ面から突出する、埋設されたアラミド繊維を有する動力伝達ベルトを開示する。非アラミド繊維が表面から突出する場合、それは、切株状(stubble)であることを特徴とする。
【0008】
米国特許第5904630号明細書は、埋設された天然又は合成繊維を有する、機械加工されかつ成型されたリブド動力伝達ベルトを開示する。0.1〜0.3mm厚みの余分な材料が、リブから機械加工され、繊維の突出端部が露出する。繊維は、実質的に複数方向に分散される。
【0009】
米国特許第6435997号明細書は、リブ面から突出する合成繊維を有するVリブドベルトを開示する。繊維の押し出された部分は、図1の繊維1hで示されるように、末端部に向かって除々に広がる扇形に塑性変形される。繊維は非溶融状態に保たれ、かつその末端部が波形となる。リブ表面は、図1の凹凸1jで示されるように、好ましくは波形のレベル差0.5〜10μmの微細凹凸を有する。
【0010】
米国特許第6695735号明細書は、リブ面から突出する短アラミド繊維を有するVリブドベルトを開示する。押し出された短繊維の根元部分は、面から立ち上がり、先端部分は、図1の繊維1iで示されるように、その中途部分から異なる方向に曲げられる。繊維の曲がる方向は、その方向が分散されるように互いに異なる。
【0011】
米国特許第4798566号明細書は、図1の繊維1kで示されるように、摩擦駆動面の一部を定義する繊維の側面部が露出するように、突出部分がベルトのエラストマー本体部にもたれるように曲げられ、かつ埋設された不連続アラミド繊維を有するローエッジ動力伝達ベルトを開示する。殆どのアラミド繊維は、0.1〜0.3mm突出する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、突出繊維が接触面に対して実質的に直立し又は僅かに曲がる一方、繊維の初期形状から実質的に変形しない埋設横断面形状を有する、埋設された変形可能な繊維を備え、実質的に全ての突出長さに沿って、突出繊維が初期横断面形状から引き伸ばされ又は長円形(oval)の又は扁平形状に変形された動力伝達ベルトに関する。
【0013】
本発明は、抗張部材と、そこに埋設された複数の不連続繊維を有するエラストマーベルト本体部と、プーリ接触面とを有する動力伝達ベルトに関する。各埋設繊維は、その初期形状から実質的に変形しない埋設横断面形状を有し、かつ平均繊維直径を特徴とし、複数の繊維端部は、所定の突出長さと突出横断面形状で接触面から突出する。繊維は、変形可能なポリマー材料を備える。繊維は、合成又は天然を問わず、熱可塑性又は熱変形可能なポリマーであっても良い。複数の突出繊維端部は、接触面に対して実質的に直立し、実質的に直線的に或いは僅かに曲げられ、かつ突出長さの大部分に沿って初期断面形状から実質的に均一に変形される。
【0014】
繊維の突出長さは、平均繊維直径の少なくとも2倍、又は平均繊維直径の約5〜約20倍、又は約0.1〜約0.6mm、又は0.15〜約0.3mm、又は少なくとも約0.2mm又はそれより大きくても良い。
【0015】
本発明の種々の実施形態において、複数の突出繊維端部は、実質的に円形の初期横断面形状から、長円形(oval)、インゲン豆形(kidney)、細長形(oblong)、半円形(semicircular)、及び扁平円形(flattened circle)のうちの1以上の横断面形状に変形されても良い。他の実施形態において、突出繊維部は、初期の長円形又はダンベル(dumbbell)形状から、扁平され又はさらに伸ばされた長円形又はダンベル形状に変形されても良い。
【0016】
不連続繊維は、約0.5〜約5mmの平均長さ、又は約1〜約3mmの平均長さを有していても良い。不連続繊維は、約10から約50μm又は約15若しくは約20から約30μmの平均直径、又は円形でない場合平均長寸法(major dimension)を有する。
【0017】
変形可能な繊維は、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリケトン、ポリオレフィン、及びメタアラミドから成る群から選択される1以上であっても良い。変形可能な繊維は、熱変形可能な合成熱可塑性ポリマー繊維であっても良い。変形可能な繊維は、約100℃より大きい、又は約180℃より大きい、又は約190℃〜約350℃の軟化点を有する。
【0018】
繊維の突出部の変形された横断面形状は、短寸法(minor dimension)に対する長寸法の比が、約1.1又は1.2から約5、又は約2から約3の範囲にあることを特徴としても良く、或いは、長及び短寸法それぞれが1.33、0.67の円直径係数(circular diameter by factors)の変形を特徴としても良い。本発明の種々の実施形態において、突出繊維の横断面形状の変形は、初期形状から約10%〜約100%、又は約20%〜約50%、又は約30%伸ばされた長寸法であることを特徴としても良い。
【0019】
エラストマーベルト本体は、EPDM、EPM、SBR、NR、BR、CR、NBR、HNBR、エチレン−α−オレフィンエラストマー、及び等価物の1以上であっても良い。
【0020】
接触面の平均表面粗さ(surface roughness)は、10μmより大きく、好ましくは20μmより大きく、又は約50μmでかつ不規則であっても良い。
【0021】
エラストマーベルト本体に埋設された繊維量は、エラストマー100部に対して、約1〜約50phr、又は約5〜約30phrであっても良い。接触面における露出繊維の数は、20〜150繊維/mmの範囲、又は50〜100繊維/mmの範囲、又は約75繊維/mmであっても良い。
【0022】
繊維は、突出部の少なくとも一部がゴム表面に実質的に平行に位置し、又はゴム表面に接触さえするように、根元で曲げられていても良い。曲げられた繊維の少なくともいくつかは、自由端において実質的に直立する部分を有していても良い。
【0023】
前記は、本発明の特徴及び技術的な優位点をむしろ広く概説したものであって、下記の発明の詳細な説明は、さらに理解させるためのものであろう。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する本発明の付加的な特徴及び優位点は、この後述べられる。開示される概念及び特定の実施形態は、本発明と同じ目的を達成するために、他の構造を改変又は設計する根拠として直ちに使用されても良いことを、当分野の当業者によって理解されるに違いない。斯様な等価の構成は、添付の特許請求の範囲に記載された発明の精神及び範囲から逸脱しないことを、当業者によって直ちに理解されるに違いない。構成及び操作方法の両方に関し、更なる目的及び優位点とともに、本発明の特徴であると信じられる新規の特徴は、添付図面との関係が考慮されたとき、下記の説明からより良好に理解される。しかしながら、各図面は、単に説示及び説明を目的として提供されるものであって、本発明の限定を定義するものとして意図されたものでないことは、明らかに理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
添付図面は、明細書に組み入れられかつその一部を形成し、等価の符号が等価の部材を示し、かつ本発明の実施形態を示し、本記載とともに本発明の本質を説明するために提供される。図面において:
【図1】種々の従来技術の繊維構造の部分的な断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に従って構成されるマルチVリブドベルトの一部の断面図である。
【図3】図2のベルトの一部の拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に従って構成されるベルトの一部の部分的な部分斜視図である。
【図4A−4F】本発明の実施形態による露出繊維の横断面図である。
【0025】
【図5】本発明の一実施形態に従って構成されるベルトの一部の部分的な部分斜視図である。
【0026】
【図6】本発明の実施形態による露出繊維構造の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるマルチVリブドベルト形態の動力伝達ベルトが概して示される。マルチVリブドベルト10は、ベルトの背側の心線上部層12の下側で、かつ心線下部層としても知られるエラストマー主ベルト本体部18の上側に配置され、かつ長手に延在する少なくとも1本の抗張部材、すなわち耐荷重心線14を含む。抗張部材は少なくとも一部が、例えば接着ゴム部及び心線下部18の一方に繊維が充填され他方に充填されない場合を除いて、周囲のエラストマーベルト本体部からしばしば視覚的に区別できない、接着ゴム部16に接触又は埋設されていても良い。主ベルト本体部18は、リブ19と、シーブすなわちプーリ接触面20とを含む。本記載で使用される用語“シーブ”は、動力伝達ベルトと共に使用される従来のプーリ及びスプロケット、さらにはローラ及び等価の機構も含む。図2のベルトにおける特定のシーブ接触部は、複数リブ19形状であって、リブは反対にある対向側面20a、20b間にあって、かつそれらを有する。シーブ接触部20は、リブ19及び主ベルト本体部18と一体であって、さらには下述するように同一のエラストマー繊維充填材料から形成されていても良い。心線14周りの接着ゴム部16、心線上部12、心線下部18、及び/又はリブ19は、実際には同一材料から成っていても良く、或いはそれらは異なる材料から成っていても良い。リブ19と接触部20の少なくとも一部は、複数の埋設された短すなわち不連続繊維22を備え、それらの少なくともいくつかは接触部20から突出する突出部24を有する。
【0028】
図3は、本発明の一実施形態による、埋設された繊維22と、プーリ接触面20a、20bから突出する繊維部分24とを有する2つのリブ19の一部が拡大して示される。埋設された繊維それぞれは、その初期形状から変形されず、かつ平均繊維直径、並びに/又は長及び短寸法を特徴とする埋設横断面形状を有し、かつ複数の繊維端部は、所定の突出長さと所定の突出横断面形状で、接触面から突出する。多くの又は殆どの突出繊維端部24は、接触面に対して実質的に直立し、かつ実質的に直線状となり又は僅かに曲げられる。換言すると、殆どの突出繊維は、根元において又は根元近傍で曲げられないので、それらはそれらが突出するエラストマー表面に対して実質的に垂直に立ち上がる。突出繊維が曲げられる場合、その曲げは概してベルトの長手方向であり、かつその曲げは概して一方向的である。概して突出部が長いほど、曲げは大きくなるであろう。突出繊維端部は裂けておらず、かつ突出繊維部は、末広がりにされ又は溶融され又は広げられていないが、実質的に全ての突出長さに沿って、相対的に均一な横断面から成る。
【0029】
図4は、1本の突出繊維24の一部と埋設繊維22の一部とをさらに拡大した図を示す。埋設繊維22及び突出繊維24の埋設部分は、図4Aの断面図において示される平均直径“D”を有する実質的に円形断面形状を有する。突出繊維部分24は、突出長さ“H”を有し、かつその突出長さの殆どに沿って、埋設繊維の円形断面形状、及び突出繊維の埋設部分から変形される。部分24の変形は、その突出長さの殆ど又は実質的に全てに沿って、実質的に均一である。本発明の種々の実施形態において、突出繊維端部は、実質的に円形形状から、長円形、インゲン豆形、細長形、半円形、及び扁平円形の断面形状の1以上に変形されても良い。長円形の横断面形状例は、図4Dに示される。長円形(oval)によっては概して、対称か否かを問わず、細長形(oblong)、楕円形(elliptical)、卵形状(egg-shaped)、インゲン豆形状(kidney-shaped)、ダンベル形状(dumbbell-shaped)、又は等価物を含む、円形から偏差したものが意味される。長円形(oval)によって意味されないのは、非常に平坦で薄いフィルム様の形状である。インゲン豆形(kidney)の横断面形状例は、図4Bに示される。インゲン豆形状は、凸部及び凹部を有する形状を含んでいても良い。細長形の横断面形状例が、図4Cに示される。細長形(oblong)はここでは正確な意味で使用されないが、概してより長くかつより薄く、及び/又は他のものより典型的には長円形状よりさらに円形から変形された、長円形状を示唆する。図4Eは扁平円形(flattened circle)の横断面形状例を示す。図4Eに示されるものは尖った隅部を有するが、扁平円形は、本発明の一実施形態によるといくらか丸い隅部を有していても良い。最後に、図4Fはダンベル(dumbbell)形状の例を示し、これはインゲン豆形状様と考えられても良いが、2つの凹部を有し、すなわちピーナツ形状様である。図4Fは、複数ロブ(multi-lobed)形状の一般分類のうちの2つロブ(two-lobed)例と考えられても良い。そのため、各例における突出繊維の変形断面形状は、長寸法すなわち相対的に長い寸法、及び短寸法すなわち相対的に短い寸法を有しているであろう。例えば図4Bにおいて、長寸法が“L”で、短寸法が“W”で示される。そのため、繊維の突出部分の変形横断面形状は、短寸法に対する長寸法の比、すなわちL/Wを特徴としても良い。本発明の好ましい実施形態において、突出部分の横断面形状は、約1.1〜約5の範囲、又は約1.2〜約5の範囲の比L/Wを有し、或いは、その比は、約2〜約3の範囲にあっても良い。代替的に、突出部分の横断面形状は、例えばL/D及びW/Dそれぞれのような長及び短寸法によって示される、初期円直径からの偏差量を特徴としても良い。本発明の好ましい実施形態において、横断面形状は、L/D及びW/Dそれぞれが約1.33、約0.67である係数を特徴としても良い。
【0030】
代替的に本発明の実施形態では、図4Bに示すように、長寸法と短寸法とを有する初期非円形形状を特徴しても良い。斯様な非円形繊維は、突出繊維端部の変形は、より便宜的には、長寸法の伸び率を特徴としても良い。すなわち、突出横断面形状の長寸法は好ましくは、初期形状から、約5%又は10%から約100%、或いは約30%で伸びても良い。斯様な非円形繊維の例は、ノーメックス(Nomex)メタアラミド繊維であって、図4Fに示される2つロブ、すなわちダンベル横断面形状を有する。初期形状より5%〜20%大きい範囲の長寸法を有し、かつ接触面に露出されたノーメックス繊維を有するベルトは、優れた騒音性能及びベルトテストにおける耐久性を有することが見出された。図5は、初期2つロブすなわちダンベル形状の横断面部52の突出繊維50を示す。
【0031】
本発明を限定する意図ではないが、伸びたすなわち長円形の横断面形状の優位点は、繊維強度や耐久性を実質的に付随させて減少させることなく、繊維の露出表面積を増大可能である点にあると信じられる。突出繊維長さは、繊維の強度や耐久性を低下させることなく、最大にすることが可能である。最大にされた突出長さといくらか増加した長横断寸法との組み合わせは、エラストマー組成物における所定量の繊維によって、エラストマー露出表面積の大きな増大をもたらす。露出繊維を増加させようとして繊維量を非常に大きくすると、ゴムの他の特性に悪影響をもたらすから、これは優れているであろう。同様に、末広がりにされ又は繊維を非常に薄くすることによって繊維露出表面積を増加させると、表面繊維の繊維耐摩耗性、強度、又は他の特性に悪影響をもたらす。本発明によって意図された増加した露出表面積は、従来の方法におけるいくつかの悪影響を伴うことなく、ベルト接触面の騒音及び摩擦特性を制御できる点において優れている。
【0032】
本発明の実施形態によるベルトは、直立した突出繊維のクッション効果によって、最初非常に静かに走行すると信じられる。さらにこれらベルトは、ある操作、工程又は使用中において繊維がたとえゴム表面上に曲げられても、プーリとゴム表面間の繊維材料の厚さのために、静かな走行を継続する。本発明の実施形態における直立した繊維は概して、使用中に曲げられ、いつくかの繊維の交差が生じるが、実質的に平行かつ一方向的にゴム接触面上に横たわると信じられる。すなわち、接触面はここでは、ベルト本体のエラストマーすなわちゴム表面とされるが、実際にはおそらく突出繊維が、接触面のより実質的な特徴を作り出す。ゴム自体は概して、繊維と比べて非常に高い摩擦係数を有する。本発明の実施形態では、十分な厚み・長さ・密度の曲げられた繊維が間にあって、接触面のゴム部分とプーリすなわちシーブ表面が直接接触することが防止される。また、一連の長円形又は円形の繊維は、騒音低下に有益とも見出されていた相対的に粗い摩擦表面を提供しても良い。さらに、繊維の厚みは、それらを高強度、高耐久性、及び/又は高耐摩耗性とする。対照的に、従来の繊維は、長期にわたる耐摩耗性を持たせるために、又はゴム表面とプーリ表面の接触を防止するために、又は非常に粗い接触面を提供するために、過剰に短くされ、広げられ、かつフィブリル化され、及び/又は過剰に薄く若しくは扁平にされているだろう。
【0033】
繊維の突出長さ“H”は、繊維直径の少なくとも2倍であって、又は繊維直径の約5〜約20倍であって、又は約0.1〜約0.5mmであって、又は約0.2mm〜約0.3mmであっても良い。概して、繊維の突出部分が長いほど、後述するようにベルト性能は良好になる。しかしながら、達成可能な最大突出長さは、実用性を考慮すると限定されるであろう。例えば、ベルト本体に不十分な繊維部分しか残らないと、繊維は大概接触面から引き抜かれ、ベルト性能に何ら貢献しない。一実施形態において、繊維引き抜きが実質的な問題とならないのは、1mm長さのナイロン繊維が最大約0.4mm、すなわち繊維長の約半分突出する程度であろうことが報告されている。引き抜きは、繊維とエラストマー組成物との接着又はその欠如によっても、影響を受けるであろう。
【0034】
不連続繊維は、約0.5〜約5mmの平均長さ、又は約1mm〜約3mmの平均長さを有しても良い。不連続繊維は、約10μm〜約50μmの初期平均直径を有し、又は約20μm〜約30μmの平均直径を有しても良い。非円形横断面形状の繊維は好ましくは、約10μm〜約50μm又は約15μm〜約30μmの初期長寸法を有しても良い。
【0035】
変形可能な繊維は、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリケトン、及びメタアラミドの群から選択される1以上であっても良い。変形可能な繊維は、熱変形可能な合成熱可塑性ポリマー繊維であっても良い。変形可能な繊維は、約100℃より大きい、又は約190℃より大きい、又は約180℃〜約350℃の軟化点を有しても良い。変形可能な繊維は、繊維の横断面形状の要求される変形を提供できるように、熱変形に伴って起こるいくらかの軟化が可能な限り、真の融点(true melting point)を有する必要はない。
【0036】
本発明の実施形態において実用される繊維の例は、約240℃の軟化点を有するナイロン66;約180℃の軟化点を有するナイロン6;約260〜270℃の軟化点を有するナイロン46;約255℃の軟化点を有するポリエステル;約280℃の軟化点を有する、デュポン社によって販売されるノーメックス(Nomex;登録商標)メタアラミド、又は帝人社によって販売されるテージンコーネックス(Teijin Conex)メタアラミド;約240℃の軟化点を有するアクリル、又は等価物を含む。好ましい繊維は、ナイロン66、ナイロン6、及び/又はナイロン46を含むナイロンである。繊維は、中又は高強度ナイロンであっても良い。繊維は、酸化又は熱安定剤、滑剤、又は他の微量の添加剤を含んでいても良い。繊維は、接着性を改良して、形出し工程又はその後の使用における引き抜きを減少させるために、レソルシル・ホルムアルデヒド・ラテックス(RFL)、イソシアネート、又は他の接着処理によって処理されていても良い。アクリルは、溶融前に分解すると考えられるが、分解が生じる前に軟化し、それにより熱変形すると考えられる実用的な繊維の一例である。ポリアクリロニトリル(“PAN”)繊維は、例えば東洋紡社によって販売される。PAN繊維は、概して少なくとも85%のアクリル量範囲を有し、アクリルニトリル、及び、メチルメタアクリレート、酢酸ビニル、及びそれらの等価物のような種々のコモノマーを有する。ノーメックスメタアラミドも、軟化点、又はいくらか熱変形が可能な点を少なくとも有している。オレフィン繊維は、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、及びそれらの等価物を含む。ポリケトンは、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、及びポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリオレフィンケトン(POK)、及び等価物を含む(集合的に“PK”)。ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及び等価物を含む。PENは、ハネウェル社によって商品名ペンテックス(PENTEX)で販売される。PENは、帝人社、インビスタ社、ヒュースン社によっても販売される。パラアラミド繊維は、いくらかの優位な効果を伴っていくらかの機械的変形が可能であろうが、本発明を実施するのに実用的に十分に熱変形できないと信じられる。
【0037】
表面ゴムすなわちエラストマー材料は、繊維が突出する平滑表面であっても良い。代替的に、図5に示されるように、表面20は、不規則な山36と谷38を有しても良く、平均高さ差(height difference)“R”を特徴とする平均粗さをもたらす。接触面の平均表面粗さは、優位的には10μmより大きく、好ましくは約20〜約100μm、或いは約50μmであっても良く、かつ不規則であっても良い。斯様な粗さ及び/又は不規則性は、ベルトがシーブ上を静かに走行可能にすることに貢献すると信じられる。表面の粗さ及び不規則性は、上述したように曲げられた表面上の繊維を支持し又は持ち上げる役割を果たし、これにより、プーリとゴム表面間の接触騒音発生をさらに防止する。
【0038】
エラストマーベルト本体は、エチレン−プロピレンエラストマー(EPDM,EPM,及び等価物)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレン(CR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(BR)、ニトリル(NBR)、水素化ニトリル(HNBR)、エチレン−α−オレフィンエラストマー、又は等価物の1以上をベースとする1以上のエラストマー組成物を含んでいても良い。各エラストマー組成物は、可塑剤、追加的な天然又は合成短繊維を含む補強フィラー、増量剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、加工助剤、定着剤、促進剤、助剤、硬化剤、及び等価物の1以上が含まれても良い。
【0039】
エラストマーベルト本体に埋設される短すなわち不連続繊維の量は、エラストマー100部に対して、約1〜約50phr、又は約5〜約30phrであっても良い。接触面における露出繊維の数は、優位的には20〜150繊維/mm、又は50〜100繊維/mm、又は約75繊維/mmであっても良い。
【0040】
図5は、本発明の実施形態に含まれて良い、ゴム表面20から突出するいくつかの種類の繊維端部を示す。上述したように、非円形繊維50は、ダンベル形状横断面52を有する。図5に示される他の繊維は、埋設繊維22のように、初期円形横断面を有する。繊維23は、望ましいほど突出していないが、約2のH/D比、すなわち繊維直径の2倍で、ベルト性能に肯定的な効果を有するのに、ちょうど十分であろう。繊維34は、繊維直径の数倍である高さ“H”で示される量突出する。繊維34は、長円形横断面29で、かつ、突出長さの殆どに沿って実質的に均一な横断面を有する。繊維30は実質的に直立し、かつ繊維34よりも大きい突出長さを有し、かつ露出端部近傍で僅かに曲がる。繊維30は、変形された長円形横断面28を有する。繊維25は、繊維30よりさえもさらに突出し、結果として繊維端部40近傍で少し多く曲げられる。繊維25も、実質的に均一な扁平円形断面32を有する。穴26は、円形繊維がゴムから引き抜かれたことを示す。
【0041】
図6は、本発明の他の実施形態による他の繊維形態又は突出繊維形状を示す。図6は、表面20に平行又は接触する曲げられた繊維54を示す。繊維54は根元56で曲げられ、平行又は接触部分58と、自由端において実質的に直立する部分60を有する端部とを有する。好ましくは、直立する部分60は、少なくとも平均繊維直径の2倍の長さである。図示しないが他の点に関し繊維は、突出長さにおいて実質的に均一に変形された横断面を含む、上記したものと同種の特徴を有しても良い。繊維は、製造条件、又は製造後の使用若しくは操作の結果として曲げられても良い。図6は、上記で提示されたように、ゴム表面20における1以上の高点36が繊維54を支持する方法が示される。更なる使用又は工程によって、直立する部分60は、表面20に平行に抑え込まれても良いことは、銘記すべきである。
【0042】
補強布(図1では不図示)は、選択的に使用されても良く、Vベルト及びマルチVリブドベルトの場合、ベルトの上部表面に密着し、ベルトにおいて、面被覆又は心線上部12を形成する。布は、いかなる望ましい角度にある緯糸及び経糸から成る従来の織布のように、いかなる望ましい形状であっても良く、又は、タイヤコード布で例示され、間隔が開けられたピックコードによって共に保持された経糸から成っても良く、又は編み若しくは編組形状、又は紙、又はプラスチックフィルム、及び等価物であっても良い。布は、エラストマー主ベルト本体18と同一又は異なるエラストマー組成物によって、フリクション又はスキムコートされても良い。1プライより多い布が使用されても良い。所望により、布はバイアスに配置されるように、切断されさもなければ形成され、ストランドは、ベルトの横方向に対して、所定の角度を成しても良い。布層は、心線14と心線上部12の間にあっても良い。
【0043】
本発明の実施形態は、ベルト製造技術で知られた方法に従って作られる。例えば、マンドレルに心線上部、螺旋状に巻かれた心線、及び心線下部が取り付けられることによって、スラブがマンドレル上に反転して作られても良い。スラブは、可撓性スリーブを介して外圧が付与されて硬化されても良い。各ベルトは、スリーブが切断されて得られ、かつ、グラインダー及び/又はカッターが用いられて形出しされ、プーリ接触面を形成し、かつ埋設された短繊維を露出させ、これにより、少なくともいつくかの繊維の一部が、本発明の一実施形態に従って、接触面から突出する。グラインディング工程は、例えば米国特許4956036、6764382号明細書それぞれに開示される。カッティング工程は例えば、米国公開2006/0236839号公報に開示される。本発明の実施形態における突出繊維の変形は、グラインディング又はカッティング用具によって、ベルト接触面及び/又は用具それ自体を、繊維を変形させるのに十分であるがそれ以上に熱くない、まさにその温度まで加熱して、最も良好に得られるであろう。その結果変形した繊維は概して、平滑な表面外観を有する。グラインディング又はカッティングによる発熱又は温度が大きすぎると、軟化された繊維は弱くなり、過剰に短くカットされ、末広がりとなり又は広がり、及び/又は過剰に変形され、例えばリボン形状となる。温度又は発熱が不十分で繊維を軟化させないと、繊維は機械的に粗くされ、摩耗され、短くカットされ、又は裂かれて広げられるであろう。いずれの工程も、用具回転速度、送り速度、砥石密度、及び従来知られた同等のものが調整されることによって、比較的広範な温度範囲に制御可能であるが、カッティング工程は概して、グラインディング工程よりも低温で実施されるであろう。さらに、例えば液体窒素、冷却エアガン又はブロワー、水噴霧、及び同等のものを含む、種々の外部冷却方法が、工程温度を制御するために使用されても良い。
【0044】
本発明の実施形態によるマルチVリブドベルトの実施例(“Ex.”と数字によって示される)が製造され試験されて、本発明の実用性と優位点が実証された。比較のために、比較例(“comp. Ex.”と文字によって示される)も製造された。全てのベルトは米国特許第5610217号明細書の実施例のように、ポリエステル心線とEPDMエラストマーベルト本体を有し、6PK1200として述べられていた。ただし、ベルトは、エラストマー100部(“phr”)あたり、平均長さ1mmの細断ナイロン66繊維を25部、或いは、平均長さ1.5mmの細断ノーメックス繊維を6部有していた。エラストマー処方は、合計約200部有していた。ナイロン繊維も、表1に示されるように、20μm又は30μmの初期平均直径を有する円形であった。ノーメックス繊維は、円形ではなく、図4Fや図5の繊維50で示されるように、2つロブ形状を有していた。実施例ベルトは、カッティングによって作られ、図2、3、5に示される突出繊維部分を有し、かつ表1に示される代表的な変形寸法を有するリブ外形を有していた。比較例は、グラインディングによって作られ、表1に示される代表的な寸法を有し、図1の繊維1c、1e、1g、及び/又は1hと同様の、殊に1hと同様に末広がりの薄い繊維である突出繊維構造を有するリブ外形を有していた。代表的な寸法は、低倍率のSEM顕微鏡写真から代表的外観の繊維を選択し、次いで、高倍率のSEM顕微鏡写真からその繊維の寸法を測定することにより得られた。表1で寸法が範囲で示される場合、サンプルで見られたばらつきは実質的であった。特に非常に薄かった比較例において、W寸法を決定することが最も困難であった点は銘記すべきである。したがって、L/D測定が、より正確に、繊維変形を示すであろう。%伸びは単に、表1のL/Dから計算されたものであった。
【0045】
実施例ベルトは、試験されることによって、本発明の実施形態における、実用性及び耐久性、並びに性能の優位点が実証された。耐久性分析は、5点曲げ寿命試験及び加熱加重曲げ寿命試験によるベルト走行試験によって行った。騒音試験は、ウェット及びドライの両方の条件下で、ミスアライアンスされたプーリにベルトを走行させて行った。初期試験は、実施例ベルトの場合、本発明の実施形態による実質的に直立した突出繊維を有していた新品ベルトで行った。状態調整試験は、ベルトを96時間上述の加熱加重曲げ寿命試験機によって状態調整した後、初期試験と同様の騒音試験を行った。そのため、状態調整実施例ベルトは、ゴム表面に向かって曲げられた突出繊維を有していた。初期騒音試験、及び状態調整後のドライ騒音試験では、全てのベルトが静かに走行していたが、状態調整後のウェット試験では、実施例のベルトのみが、静かに走行していた。すなわち、本発明の実施形態は、種々の条件下及び長期間使用において、耐久性と静音走行性を示す。
【0046】
本発明の他の実施形態が想定されても良い。例えば、インスペックファイバーズ、デグサ社から商品名P84繊維で販売されるものを含む、3つロブのポリイミド又はポリアミドイミド繊維のように、複数ロブの熱変形繊維が使用されても良い。
【0047】
【表1】

【0048】
本発明及びその優位点が詳細に述べられたが、種々の変更、置換、及び代替が、添付の特許請求の範囲で定義されるように、ここで述べられた本発明の精神及び範囲から逸脱しないようになされ得ることが理解されるに違いない。さらに本出願の範囲は、明細書で述べられた工程、機械、製法、物の組成物、手段、方法、及びステップの特定の実施形態に限定されることが意図されていない。当分野の当業者が本発明の開示から直ちに理解するように、ここで述べられた実施形態に対応するものと、実質的に同一の機能を果たし、又は実質的に同一の結果を達成する、現在ある又はその後開発される工程、機械、製法、物の組成物、手段、方法、又はステップは、本発明に従って使用されても良い。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内における斯様な工程、機械、製法、物の組成物、手段、方法、又はステップを含むことが意図されたものである。ここで開示された発明は、ここで特に開示されないいかなる要素を欠く場合、適当に実施されるであろう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗張部材、そこに埋設され不連続で変形可能な複数の繊維を有するエラストマーベルト本体部、及びプーリ接触面を備え、
各前記繊維は、初期平均繊維直径を特徴とし、かつ繊維の埋設された部分が実質的に変化されない初期横断面形状を有し、
複数の繊維端部は、実質的に前記接触面から直立し、かつ実質的に直線状又は僅かに曲がるように突出し、さらに突出長さを有し、さらに初期横断面形状から、突出長さの殆どに沿って実質的に均一に変形された突出横断面形状を有することを特徴とする動力伝達ベルト。
【請求項2】
前記初期形状は実質的に円形で、複数の突出繊維端部は、円形形状から長円形、インゲン豆形、細長形、半円形、及び扁平円形の横断面形状のうち1以上に変形される請求項1に記載のベルト。
【請求項3】
前記初期形状は長円形又はダンベル形状であって、突出横断面形状は、扁平又はさらに伸ばされた長円形又はダンベル形状に変形されている請求項1に記載のベルト。
【請求項4】
前記不連続繊維は、約0.5〜約5mmの平均長さ、及び約10μm〜約50μmの初期平均直径を有する請求項1に記載のベルト。
【請求項5】
前記不連続繊維は、約1mm〜約3mmの平均長さ、及び約20μm〜約30μmの初期平均直径を有する請求項1に記載のベルト。
【請求項6】
前記突出長さは、初期平均繊維直径の少なくとも2倍である請求項1に記載のベルト。
【請求項7】
前記突出長さは、繊維直径の約5〜約20倍である請求項1に記載のベルト。
【請求項8】
前記変形可能な繊維は、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、アクリル、ポリエステル、ポリケトン、ポリオレフィン、及びメタアラミドから成る群から選択される1以上である請求項1に記載のベルト。
【請求項9】
前記変形可能な繊維は、約100℃より大きい軟化点を有する請求項1に記載のベルト。
【請求項10】
前記変形可能な繊維は、ナイロン又はメタアラミドである請求項1に記載のベルト。
【請求項11】
前記繊維の変形は、短寸法に対する長寸法の比が約1.2〜約5の範囲にあることを特徴とし、又は2軸それぞれの係数約1.33、0.67による円形からの変形を特徴とする請求項1に記載のベルト。
【請求項12】
前記繊維の変形は、約10%〜約100%で伸ばされた長寸法を特徴とする請求項1に記載のベルト。
【請求項13】
前記接触面の平均表面粗さは、約20μmより大きくかつ不規則である請求項1に記載のベルト。
【請求項14】
前記エラストマーベルト本体における前記繊維の量は、エラストマー100部に対して約1〜50phrである請求項1に記載のベルト。
【請求項15】
前記接触面における露出繊維の数は、20〜150繊維/mmの範囲にある請求項1に記載のベルト。
【請求項16】
前記突出繊維の殆どは、突出部分の少なくとも一部が前記接触面に実質的に平行となり、かつ非常に近接し、又は接触するように、根元で曲げられる請求項1に記載のベルト。
【請求項17】
少なくともいくつかの曲げられた突出繊維は、自由端において実質的に直立する部分を有する請求項16に記載のベルト。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−506862(P2011−506862A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536914(P2010−536914)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/013124
【国際公開番号】WO2009/075729
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(504005091)ザ ゲイツ コーポレイション (103)