説明

動力式皮膚洗浄ブラシ用具用のブラシ構成

【解決手段】剛毛配置は、第1組の剛毛を有する第1ブラシ部分を含んでおり、第1ブラシ部分は、環状の形状に配置され、用具の作動中も静止状態に止まっている。剛毛配置は、更に、第2組の剛毛を有する第2ブラシ部分を含んでおり、第2ブラシ部分は、選択された周波数で振動する。第2組の剛毛は、円形の配置を有しており、第1組の剛毛の環状の配置の開口内に嵌り込んでいる。第1及び第2組の剛毛は、0.08mm(3ミル)から0.127mm(5ミル)の範囲内の直径と、7.6mm(0.3インチ)から11mm(0.425インチ)の範囲の長さを有している。第1の剛毛の組は、40から100の剛毛の束を含んでおり、第2の剛毛の組は、40から120の剛毛の束を含んでおり、それらは、それぞれ、実質的に均等に分布している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には、動力式皮膚洗浄ブラシに、より具体的には、その様な皮膚洗浄ブラシに使用するための剛毛の配置に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚洗浄ブラシ、特に、ブラシ頭部とその上にある剛毛の部分は、他の部分が振動している間も静止状態に止まっているように作られている動力式ブラシでは、良好な洗浄動作のためには、数多くの重要な因子がある。動力式皮膚洗浄ブラシが効果的且つ安全に機能するための能力には、洗浄に加えて、剥皮や、各種皮膚処方物の吸収性の向上があり、この能力は、ブラシの剛毛の形態と剛毛の配置に大きく影響される。
【0003】
或る既存の配置では、皮膚は効果的に洗浄されず、ユーザーは、殆ど又は全く洗浄と言えるほどのことを行うことができず、場合によっては、皮膚が過剰に洗浄されて軽くすりむけた感覚を覚えることもあり、何れにしろ望ましくない。
【0004】
皮膚洗浄ブラシの全体的な有効性に寄与するため、剛毛の長さ及び直径、剛毛の材料、並びに全体的剛毛配置や、所与の面積内の剛毛の束の数、及び束当たりの剛毛の数を含めて、数多くの設計的配慮がなされている。これら様々な剛毛に対する配慮を選択し、配置して、不快感無しに清浄性を実際に感覚し又は感じることのできる、有効な洗浄の所望の結果を提供することが重要である。或る用例では、この中に、選択された皮膚処方物を吸収する皮膚の能力を高めることも含まれ、又別の用例では、シェービングクリームの有効性が強化される。
【特許文献1】同時継続出願「パーソナルケア用具用の振動するブラシヘッド取り付けシステム」
【特許文献2】同時継続出願「パーソナルケア用具を振動させるためのモーター」
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明は、動力式皮膚洗浄ブラシ用の剛毛配置であって、第1組の剛毛を含んでいて作動中も静止状態に止まっている第1ブラシ部分と、第2組の剛毛を含んでいて装置が作動しているときは振動している第2ブラシ部分と、を備えており、第1及び第2組の剛毛は、直径が3から5ミルの範囲にあり、長さが0.3から0.5インチの範囲にあり、第1ブラシ部分は約40から100の剛毛の束を含んでおり、第2組の剛毛は40から120の剛毛の束を含んでおり、ブラシヘッドの領域に亘って間隔を置いて配置されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は、顔面のスキンケア用途に有用な手持ち式の動力スキンケア用具10の例を示している。この用具は、大きなブラシヘッド12と駆動システム15を含んでおり、ブラシヘッド12は、或る実施形態では直径が約40.6mm(1.6インチ)である。ブラシヘッドは、2つの部分を含んでおり、外側の環状部分14は、2つの同心の剛毛束の輪を備えており、円形の内側部分16は、外側の剛毛部分によって画定された環状の開口部を覆えるだけの十分な数の間隔を置いて配置された剛毛束を備えている。図示の実施形態では、内側と外側のブラシヘッド部分の間には、約3.2−1.27mm(0.125−0.050インチ)、望ましくは約2.1mm(0.084インチ)の間隙又は空間がある。用具が作動しているとき、外側の剛毛部分14は静止状態に止まり、内側の剛毛部分16は指定された角度に亘って振動する。或る実施形態では、この角度は、8°〜26°の範囲であるが、指定の用途によって変化させることができるようになっている。
【0007】
この様なブラシヘッドの構造は、剛毛とは別に、同時継続出願「身体ケア用具用の振動するブラシヘッド取り付けシステム」に示し、説明している。用具の例は、その様なブラシヘッド用の駆動システムを含め、同時継続出願「身体ケア用具を振動させるためのモーター」に示し、説明している。上記両出願は、本発明と同じ譲受人が所有しており、ここに参考文献として援用する。
【0008】
上記出願に開示されている用具/ブラシヘッドに使用されている、ここに示し説明しているブラシヘッドの剛毛配置は、皮膚、特に顔面の皮膚の清浄化用途に効果的である。しかしながら、本発明のブラシヘッドの剛毛配置は、上記出願でも論じているように、他のスキンケア用途にも使用することができ、にきび及び黒にきびの治療、運動選手の足の治療、たこになった皮膚及び乾癬、かみそり負け及び関連する皮膚用途、傷の洗浄及び遅々とした又は治癒しない傷の治療、頭皮の洗浄、化学的剥離処置及びシェービングクリーム塗布、などがこれに含まれる。好適な剛毛の形状と配置は、具体的な用途によって幾らか異なる。
【0009】
以下の説明は、顔面の皮膚を洗浄するためのブラシヘッド/剛毛の配置に関している。これには、剛毛の直径、剛毛の長さ、剛毛の材料を含め、選択された剛毛の特性と束配置の所望の範囲が含まれる。ブラシヘッド/剛毛の配置は、ブラシが乾燥するのに必要な時間の長さも考慮しており、細菌の成長を抑制できるほど十分に早く乾燥しなければならない。乾燥の速さは、1束当たりの剛毛の数と、所与の面積内の束の数の両方によって変わる。ブラシは、効率的に乾燥するが、効果的に洗浄する能力を持っていないかもしれないし、効果的に洗浄するが、十分早く乾燥しないかもしれない。
【0010】
最高の性能と洗浄の感覚/印象を提供するために重要な剛毛の特性と束配置の要件に関する最適な範囲は、剛毛の運動の周波数と振幅の両方によって決まる、用具によって作り出されるエネルギーの範囲によって変わる。図示の実施形態では、ブラシヘッドの運動の周波数は、120−220Hzの範囲内にある。顔面ブラシの場合、Tynex(DuPont)型の剛毛を使用している剛毛の長さは、約7.6mm(0.3インチ)から11mm(0.425インチ)の間にあり、所望の直径は約0.08mm(3ミル)である。先に述べた様な、顔面洗浄以外の用途では、ナイロンの剛毛の直径を約0.127mm(5ミル)まで大きくし、長さは同じか僅かに長くしてもよい。
【0011】
一般的に、直径約0.08mm(3ミル)未満の剛毛を剛毛の基部要素に信頼性を保って接続するのは難しいことが解っている。また、約0.127mm(5ミル)を越える直径を有する剛毛は、大部分のユーザーにとって不快であるが、約0.127mm(5ミル)を越える剛毛の直径でも、積極的な足の洗浄の様な特定の用途には適している。
【0012】
SuperSoft(DuPont)の剛毛を使用する場合は、上記範囲が僅かに異なり、剛毛の長さは、同じく約7.6mm(0.3インチ)から11mm(0.425インチ)であるが、剛毛の直径は、約0.08mm(3ミル)から約0.1mm(4ミル)の間で変えることができる。顔面洗浄用途以外のブラシ掛けの場合、剛毛の長さは、ほぼ同じ、或いは、より積極的なブラシ掛けの場合はやや短く、より優しいブラシ掛けの場合はやや長く、一方、剛毛の直径は約0.08mm(3ミル)から約0.127mm(5ミル)の間でよい。
【0013】
効果的な乾燥に関しては、束の数の一般的な範囲は、外側のブラシヘッド部分では40−100、内側のブラシヘッド部分では40−120である。好適な範囲は、外側のブラシヘッド部分では60−90、内側のブラシヘッド部分では70−110で、80と96が最適であるである。束は均等な間隔で配置しなければならない。
【0014】
従って、顔面洗浄の様な皮膚の洗浄を効果的に行うには、剛毛の特定の特性(直径と長さ)が重要である。また、特定の束の剛毛の数、及び選択された範囲内の可動ブラシヘッド部分の束の数を維持することにより、細菌の成長を抑制できるだけの速さで、ブラシ全体を乾燥させ、同時に、ユーザーを傷付けたり不快にさせること無く、効果的に洗浄を行うことができる。
【0015】
以上、本発明の好適な実施形態を、説明を目的にして開示してきたが、実施形態には、特許請求の範囲に定義する本発明の精神から逸脱すること無く、様々な変更、修正、置換を組み込めるものと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力式皮膚洗浄用具用の剛毛配置において、
第1組の剛毛を含んでいて作動中も静止状態に止まっている第1ブラシ部分と、第2組の剛毛を含んでいて用具が作動しているときは振動している第2ブラシ部分と、を備えており、前記第1及び第2組の剛毛は、直径が0.08mm(3ミル)から0.127mm(5ミル)の範囲にあり、長さが7.6mm(0.3インチ)から1.27mm(0.5インチ)の範囲にあり、第1ブラシ部分は約40から100の剛毛の束を含んでおり、第2組の剛毛は40から120の剛毛の束を含んでおり、ブラシヘッドの領域に亘って間隔を置いて配置されている、剛毛配置。
【請求項2】
前記第1組の剛毛と前記第2組の剛毛の間に、3.2−1.27mm(0.125−0.050インチ)の範囲内にある空間を含んでいる、請求項1に記載の剛毛配置。
【請求項3】
剛毛の束の数の好適な範囲は、前記第1ブラシ部分では60から90、前記第2ブラシ部分では70から110である、請求項1に記載の剛毛配置。
【請求項4】
前記第1及び第2組の剛毛の、剛毛の束の好適な数は、それぞれ80と96である、請求項1に記載の剛毛配置。
【請求項5】
前記第1ブラシ部分は、環状の形状をしていて、複数の剛毛の束の輪を含んでおり、前記第2ブラシ部分は、円形で、前記第1ブラシ部分の環状の開口内に嵌り込んでおり、前記第1及び第2組の剛毛は、それぞれ、均等な間隔を置いて配置されている、請求項1に記載の剛毛配置。
【請求項6】
前記剛毛の直径は、ほぼ0.08mm(3ミル)から約0.1mm(4ミル)の範囲にある、請求項1に記載の剛毛配置。

【図1】選択された特性の剛毛を有するブラシヘッドを備えているスキンケア用具の上面図である。
【図1】
image rotate


【公表番号】特表2008−503324(P2008−503324A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518187(P2007−518187)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/021831
【国際公開番号】WO2006/002109
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(505359481)パシフィック・バイオサイエンス・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】