説明

動物を頭尾軸回り回転させる捻り支持装置

検査対象となる動物をその頭尾軸を中心にして回転させ、複数通りの方向から撮像できるようにする捻り支持装置を提案する。光を透過させる性質のある素材で形成されたU字ループで動物を支持し、そのU字ループを捻り方向に動かすことで、検査対象となっている動物を、その頭尾軸を中心にして回転させる。この捻り支持手法を用いる撮像方法も提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を撮像する撮像システム、特に様々な角度から撮像できるよう動物を頭尾軸回り回転させる捻り支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、マウス等の動物を撮像可能な電子撮像システムが知られている。図1A〜図1Dにそうした電子撮像システムの一例10を示す。これはKODAK(登録商標)生体撮像システムFX Pro(商品名)等で採用されているシステムであり、光源12と、そのなかの被写体又は被写体群にアクセスできるよう構成された試料室14と、その試料室14内にある透光プラテン16と、光源12に結合した光ファイバ18で構成されておりプラテン16を明視野撮像や蛍光撮像に適した波長及び拡散度の光で照明可能な上向き照明器と、ミラー22及びレンズ/カメラ系24が組み込まれた光学系室と、コンピュータ用モニタを初めとする表示装置等を有する通信/コンピュータ制御システム26と、マイクロフォーカスX線源28と、その上で被写体を静止及び安定させるのに重力を利用する透光平坦型の動物支持部材30と、図示しないモータ付リードスクリュー等の在来手段で矢印36沿いに抜き取れるよう支持部材30のそばに配されており高分解能蛍光体シート34を用いイオン化輻射を可視光に変換するよう構成されている高分解能蛍光体スクリーン32と、を備えている。図示例ではレンズ/カメラ系24が支持部材30より下方に位置しているが、本件技術分野で習熟を積まれた方々(いわゆる当業者)にはご理解頂けるように、このシステム10を変形し任意の角度、例えば支持部材30の上方から撮像を行えるようにすることもできる。
【0003】
その光源12には、蛍光励起撮像向け又は明視野カラー撮像向けの励起光フィルタ/セレクタを設けることができる。遮光型の環境制御用ガスポートを遮光型の試料室14に連通させ、X線撮像に適した環境になるよう或いは被写体となる生物の生命が保たれるよう試料室14内の環境を制御することができる。電子撮像システム10の試料室14にアクセス手段乃至部材38があるので、試料室14内に簡便、安全且つ遮光的にアクセスすることができる。そのアクセス手段38としては、いわゆる当業者にとり周知のドア、開口、ラビリンス等を使用することができる。試料室14の構成を工夫し、試料保持や軟X線伝搬に相応しく雰囲気を制御すること、例えば温度、湿度、ガスの種類等を制御することもできる。レンズ/カメラ系24に蛍光撮像用の輻射光フィルタを設けることもできる。そして、本願出願人を譲受人とする諸出願(審査に係属中,発明者:Vizard et al.,Feke又はFeke et al.)にその例が記載されている通り、複数のモードで撮像することができる。
【0004】
使用する際には、まず、使用したい撮像モードに応じシステム10の構成を設定する。使用できる撮像モードとしてはX線撮像モード、放射性同位体撮像モード、光学撮像モード等があり、使用できる光学撮像モードとしては明視野撮像モード、蛍光撮像モード、発光撮像モード等がある。次いで、透光性のある動物支持部材30の上で動けなくなっている被写体、例えば麻酔を受けて寝かされている動物(マウス等)40の姿を、レンズ/カメラ系24で捉えて光像から電子像へと変換し、その電子像をディジタル化する。得られたディジタル画像は、表示装置の画面上に表示させ、メモリ上に保存し、別の場所に伝送し、画像処理によって拡張・補強し、或いは印刷してその恒久的コピーを作成することができる。そして、システム10の構成設定を変更して撮像を繰り返すことで、その撮像モードが異なる複数枚の画像を取得し、それらの画像を組み合わせて合成画像、例えばオーバレイ合成画像を生成することができる。
【0005】
マウス40はその頭尾軸を中心にして順次回転させることができ、また平坦な動物支持部材30の上に仰向け、横向き、斜向き等々様々な体勢で直に寝かすことができる。撮像は、重力の作用でその体勢が安定してから行えばよい。こうすることで、複数の方向から撮像すること、例えば非特許文献1記載の腹面像及び側面像を得ることができる。図示の簡略化のため一体しか示していないが、図1Dに示す構成では複数体の動物40を同時に撮像することもできる。撮像方向を変えるには、矢印42で示すように動物40を手動で頭尾軸回り回転させればよい。
【0006】
透光性がある平坦な動物支持部材の上に動物を直に寝かせ、静止している動物を下方から撮像するのは、幾つかの長所があるためである。第1に、頭尾軸回り回転角ひいては撮像方向を無制限且つ連続的に変化させることができる。第2に、その動物に実験者(人間)がアクセスすることができる。例えば、注射、経口注入、経口吸入、経直腸注入、経皮吸収、経粘膜吸収等の手法で動物の体内に薬剤、蛍光イメージング剤、X線造影剤、放射性核種イメージング剤等の物質を直接投与しなければならない実験でも、物質投与前に撮像したときと、物質投与後に撮像したときとで、撮像システム内にセットされている動物の体勢が大きく変化しないようにすることができる。これは、イメージング剤又は造影剤の潅流及び浄化を調べる際や、薬剤の効き方の経時変化について調べる際に、特に有益なことである。第3に、その動物の直近環境に実験者がアクセスすることができる。例えば、動物の尿、糞、皮膚片等といった残留物を直近の環境から除去し、画像に偽像が現れることを防ぐことができる。第4に、重力の作用で体勢を安定させているため、撮像システムにおける動物の体勢を最小限の動作、最小限の拘束で所望の体勢にすることができ、従って実験者向け人間工学的プロトコルを満たすことができる。第5に、寝かせた体勢であるので、動物に加わる生理学的ストレスが軽い。第6に、透光性のある動物支持部材によってもたらされる物理的な面を基準にレンズ/カメラ系の合焦面を定めることで、鮮明で解像度のよい画像を得ることができる。第7に、透光性のある動物支持部材の表面付近に蛍光体スクリーンを挿抜可能であるので、明視野撮像モード、蛍光撮像モード、発光撮像モード等の光学撮像モードで撮像する際の合焦面と、蛍光体スクリーンが必要なX線撮像モード、放射性同位体撮像モード等の撮像モードで撮像する際の合焦面とを、ある同じ面にしつつ、複数のモードで撮像を行うことができる。合焦面が同じ面であるので、光学撮像モードで得た画像と、蛍光体スクリーンが必要な撮像モードで得た画像とからオーバレイ合成画像を生成する際に、両画像を正確に位置合わせすることができる。第8に、撮像用の光路が固定的でどの角度、どの撮像モードでも同じであるので、簡略且つ安価な部材で撮像用の光路を形成することができる。
【0007】
その反面、平坦な動物支持部材の上に動物を直に寝かせて静止させるやり方には短所もある。即ち、従来の撮像システムでは、動物の頭尾軸回り回転角ひいては撮像方向を精度よく制御できる手段を欠くため、例えば±5°以内といった高精度を実現することができない。もし、撮像方向をより精密に制御することができれば、実験者は分子信号をより好適に定量できるはずである。このことは、例えば、蛍光撮像モードや発光撮像モードで得られる光学的分子信号の強さが、動物の体内における蛍光体又は発光体成分の分布域からその動物の体表面に達するまでにその信号が辿らねばならない組織深さ、ひいてはその動物の体勢に依存していることから判る。放射性同位体撮像モードで得られる分子信号の強さが、動物の体内における放射性同位体の分布域から蛍光体スクリーンまでの距離、ひいてはその動物の体勢に依存していることからも判る。
【0008】
撮像方向をより精密に制御することができれば、更に、実験者が動物の空間的な向きをより好適に再現することができる。例えば、長期間に亘り動物の撮像を繰り返す研究では、その動物を撮像システム内に搬入して静止させ、その姿を撮像して一組の画像群を得た後、その撮像システムからその動物を回収する、といった撮像作業を複数回実行して複数組の画像群を取得する。こうした研究では、撮像システムに対する動物の空間的な向き、例えばその動物の頭尾軸回り回転角が1回目の撮像作業と2回目以降のそれとで相違していると、一組目の画像群に対する空間的な向きの相違が二組目以降の画像群に影響し、偽像、例えば1回目の画像群に係る様々な撮像モードでの分子信号に比し分子信号が弱まった像や強まった像が現れることがある。同様に、そうした相違があると、一組目の画像群と二組目以降の画像群とを正確に位置合わせすることができないため、各組の画像群に対し共通の注目領域テンプレートが適用される単純な注目領域解析では定量の精度が低下することがある。
【0009】
一例として、複数体の動物を撮像システムに搬入して静止させ、その姿を撮像する研究を行う場合を考える。その撮像システムの視野内にある所定の場所に複数体の動物を順繰りに搬入して静止させる場合もあれば、その撮像システムの視野内にある複数の場所に複数体の動物を並行的に搬入して静止させる場合もあるが、そのどちらでも、動物の個体間で空間的な向き例えば頭尾軸回り回転角が違っていると、その影響が各組各個体の画像に偽像となって現れることがある。例えば、ある組の画像が他の組の画像に比し分子信号が弱まった画像や強まった画像になることがある。
【0010】
視野内にある所定の場所に複数体の動物を順繰りに搬入して静止させた場合には、動物の個体間で空間的な向き例えば頭尾軸回り回転角が違っていると、別の個体に係る画像同士を正確に位置合わせすることができない。そのため、それら複数体の動物に係る画像群に対し共通の注目領域テンプレートが適用される単純な注目領域解析では定量の精度が低下することがある。
【0011】
撮像システムの視野内にある複数の場所に複数体の動物を並行的に搬入して静止させた場合には、別の場所にいる動物の個体間で空間的な向き例えば頭尾軸回り回転角が違っていると、ある個体向けの注目領域を動物所在場所間の位置差に基づき単純に空間移動させるだけでは、別の場所にいる別の個体向けの注目領域として相応しいものにならない。そのため、画像群に対しアレイ状注目領域テンプレート、即ち同様の注目領域を視野内に複数組設定するテンプレートがいずれの画像にも適用される単純な注目領域解析では、その定量の精度が低下することがある。
【0012】
また、固定式のカメラ系を用い動物を多方向から撮像可能で、その撮像方向をより精密に制御可能な撮像システムも知られているが、それらは、支持部材上に動物を直に寝かせ動けないようにするやり方のよいところを全て実現できるものではない。その例としては、角度可調型のゴニオメータステージの上に被写体を縛り付けて上方から撮像するシステムが非特許文献2に、回転するステージの上に固定されているホルダのなかに動物を拘束するシステムが特許文献6(名称:生物発光コンピュータ断層画像再構成システム及び方法(Systems and Methods for Bioluminescent Computed Tomographic Reconstruction),発明者:Wang et al.,米国特許出願第10/791140号)に、回転する管のなかに被写体を入れるシステムが特許文献11(名称:二次元生物発光画像に基づく三次元腫瘍位置形状可視化システム及び方法(System and Method for Visualizing Three-dimensional Tumor Locations and Shape from Two-dimensional Bioluminescence Images),発明者:D. Metaxas et al.,米国暫定特許出願第60/715610号)及び非特許文献3に、回転ミラー及び被写体並進ステージを使用するシステムが特許文献10(名称:多方向撮像装置(Multi-view imaging apparatus),発明者:D. Nilson et al.)に、被写体の一部を取り巻くように多ミラーアセンブリを設けてカメラ系からの撮像方向を増やすシステムが特許文献7(名称:生体内光学撮像及び計測システム及び方法(Systems and methods for in-vivo optical imaging and measurement),発明者:R. Levenson and C. Hoyt,米国特許出願第11/295701号)にそれぞれ記載されている。
【0013】
これらの文献に記載の諸システムにはそれなりに長所もあるが、どのシステムも次のような短所のうち少なくともいずれかを有している。まず、可調型ステージを使用する例では、その角度可調範囲に制限があるため撮像方向の可変範囲が制約される。動物をホルダに入れる例では、そのホルダが邪魔になり撮像できない方向が生じる。動物直近の環境に実験者が容易にアクセスできないものもある。隣のステージへの滑落、ホルダ内での拘束、管内への所望体勢での装填等の際に、かなりの手間をかけて動物を縛り付けねばならない。合焦面の基準となる物理面や蛍光体スクリーンを近接配置できる面も提供されない。寝た体勢でないため動物に無視できない生理学的ストレスがかかる。撮像用光路が撮像方向毎に違うため、撮像用光路の形成に複雑で高価な部材が必要になる。多ミラーアセンブリを使用する例では、ある限られた範囲内で不連続的にしか角度を変えられないため撮像方向が制約される。
【0014】
動物を他方から撮像可能な撮像システムとしては、次に、その動物を中心にして回動させうるガントリ上に1個又は複数個のレンズ/カメラ系を搭載したものも知られている。例えば特許文献8(名称:拡散媒体内自由空間光断層撮像方法及びシステム(Method and system for free space optical tomography of diffuse media),発明者:V. Ntziachristos and J. Ripoll,米国特許出願第10/543728号)や特許文献9(名称:X線断層撮像光断層撮像併用システム(Combined X-ray and Optical Tomographic Imaging System),発明者:W. Yared,米国特許出願第11/643758号)に記載のものである。残念なことに、この種のシステムは、単一の撮像用光路で全撮像方向、全撮像モードを担う構成に比べかなり複雑且つ高価なものとなる。
【0015】
そして、動物例えばマウスを光音響断層撮像可能な光音響断層撮像システムも知られている。その一例は非特許文献4に記載の光音響断層撮像システムである。これは、その底部に透光性の窓があるボウルのなかに、アレイをなすよう複数個の超音波センサを配したシステムである。使用時には、そのボウルを透光性の音響結合媒体、例えば液体やゲルで満たし、その音響結合媒体の上面に透光性の膜を置き、動けないようにした動物をその膜の上に寝かせる。窓を介しその動物に光パルスを照射すると、その光パルスはその動物の内部又は外皮にある物質によって吸収され、その物質からエネルギが超音波となって輻射される。その超音波は超音波センサのアレイで検知され、その結果に基づき電子システムによって断層像が再構成される。このとき、動物の体内での吸収及び散乱によって光の浸透深さが制約されるので、その動物の体勢を様々に変えて調べた方が、その動物に備わる様々な解剖学的特徴を好適に調べることができる。また、こうした光音響断層撮像システムでは、動物を手動で頭尾軸回り回転させることで、撮像方向を変化させることができる。しかしながら、動けないようにした動物をこのように膜の上に直に寝かせるやり方には短所がある。即ち、従来型の光音響断層撮像システムでは、動物の頭尾軸回り回転角ひいては撮像方向を精度よく制御できる手段を欠くため、例えば±5°といった高い精度を実現することができない。もし撮像方向をより精密に制御することができれば、実験者は光音響データをより好適に定量できよう。例えば、組織深さひいては動物の体勢に依存する光音響的校正をより精密に実行することや、互いに別方向から撮像されている複数枚の光音響断層像同士を精密な撮像方向情報に基づき精密に継ぎ合わせることも可能になろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0237423号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0089817号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0049893号明細書
【特許文献4】特開2001−299786号公報
【特許文献5】特開2004−121289号公報
【特許文献6】米国特許出願公開第2004/0249260号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2006/0118742号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2006/0173354号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2007/0238957号明細書
【特許文献10】米国特許第7113217号明細書
【特許文献11】国際公開第WO2007/032940号パンフレット(A2)
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Pete Mitchell, PharmaDD - Tracking Discovery & Development, Picture Perfect : Imaging Gives Biomarkers New Look, Nov/Dec 2006, Vol.1, No.1, pp.1-5
【非特許文献2】Virostko et al., Molecular Imaging, Vol.3, No.4, October 2004, pp.333-342, Factors Influencing Quantification of In Vivo Bioluminescence Imaging : Application to Assessment of Pancreatic Islet Transplants
【非特許文献3】Da Silva et al., ScienceDirect, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research, Design of a small animal multiomodality tomographer for X-ray and optical coupling : Theory and experiments, 2007, pp.118-121
【非特許文献4】Kruger et al., HYPR-spectral photoacoustic CT for preclinical imaging, Photons Plus Ultrasound Imaging and Sensing 2009, Proc. of SPIE, Vol.7177, 71770F-1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、透光平坦型動物支持部材上に直に寝ていて動けなくなっている動物を任意方向、例えば上方や下方から撮像するやり方の全利点を享受することができ、しかもその頭尾軸回り回転角ひいては撮像方向を調整する手段としてユニークな手段を備えるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の一実施形態に係る装置は、頭尾軸を有する動物の撮像に役立つ装置であり、その長手方向に対しその動物の頭尾軸が交差するよう動物を載せうる長尺の支持部材と、目的とする動物が収まり拘束されるサイズになるよう支持部材を上開きのU字ループに変形させる変形手段と、U字ループを保ちながら支持部材をその長手方向に沿い動かすことでその上の動物に捻りを加えて頭尾軸回り回転させる駆動手段と、様々な頭尾軸回り回転角にてその動物を撮像する撮像手段と、を備える。撮像方向は、上方、下方等、任意の方向でかまわない。
【0020】
本発明の一実施形態に係る方法は、頭尾軸を有する動物の撮像に役立つ方法であり、複数の長辺を有する長尺の支持部材を準備するステップと、目的とする動物が収まり拘束されるサイズになるよう支持部材を上開きのU字ループに変形させるステップと、支持部材の長手方向に対しその動物の頭尾軸が交差することとなるようU字ループに動物を搬入するステップと、U字ループを保ちながら支持部材をその長手方向に沿い順次動かすことでその上の動物に捻りを加えて様々な向きに頭尾軸回り回転させるステップと、様々な頭尾軸回り回転角にてその動物を撮像するステップと、を有する。撮像方向は、上方、下方等、任意の方向でかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】着脱式の高分解能蛍光体スクリーンを備える従来型電子撮像システムを示す斜視図である。
【図1B】図1Aに示した撮像システムの模式的側面図である。
【図1C】図1Aに示した撮像システムの模式的前面図である。
【図1D】図1Aに示した撮像システムの詳細斜視図である。
【図2A】着脱式の高分解能蛍光体スクリーン及び本発明の一実施形態に係る動物用の捻り支持装置を備える電子撮像システムを示す斜視図である。
【図2B】図2Aに示した撮像システムの部分拡大斜視図である。
【図3A】図2Aに示した捻り支持装置の支持膜実装前状態を示す部分斜視図である。
【図3B】捻り支持装置の支持膜実装前状態を示す図3A内線3B−3B沿い模式的前端面図である。
【図3C】巻き付けられていない状態の支持膜を示す模式図である。
【図3D】図2Aに示した捻り支持装置への支持膜実装過程を示す模式的前端面図である。
【図3E】図2Aに示した捻り支持装置への支持膜実装過程を示す模式的前端面図である。
【図3F】図2Aに示した捻り支持装置への支持膜実装過程を示す模式的前端面図である。
【図3G】図2Aに示した捻り支持装置への支持膜実装過程を示す模式的前端面図である。
【図3H】図2Aに示した捻り支持装置の支持膜実装後状態を示す部分斜視図である。
【図4】図2Aに示した捻り支持装置への動物搬入過程を示す後方からの斜視図である。
【図5A】図2Aに示した捻り支持装置及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーンにおける動物の俯かせ方を示す斜視図である。
【図5B】図2Aに示した捻り支持装置における動物の俯かせ方を示す上面図である。
【図5C】図2Aに示した捻り支持装置における動物の俯かせ方を示す前方からの部分斜視図である。
【図5D】図2Aに示した捻り支持装置における動物の俯かせ方を示す模式的前端面図である。
【図5E】図2Aに示した捻り支持装置における動物の俯かせ方を示す下面図である。
【図6A】本発明の一実施形態に係る頭尾軸回り動物回転方法の全体的な流れを示す図である。
【図6B】本発明の一実施形態に係る方法の流れを示す図である。
【図6C】本発明の一実施形態に係る方法の流れを示す図である。
【図7A】図2Aに示した捻り支持装置及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーンを使用するシステムにて、頭尾軸回り回転させて俯せにした動物を、高分解能蛍光体スクリーンを装着せず光学撮像モードで撮像している状態を示す模式的前面図である。
【図7B】図2Aに示した捻り支持装置及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーンを使用するシステムにて、頭尾軸回り回転させて俯せにした動物を、高分解能蛍光体スクリーンを装着しX線撮像モードで撮像している状態を示す模式的前面図である。
【図8A】図2Aに示した捻り支持装置にて動物を頭尾軸回り回転させ斜め向きにした状態を示す後方からの斜視図である。
【図8B】図2Aに示した捻り支持装置にて動物を頭尾軸回り回転させ斜め向きにした状態を示す下面図である。
【図8C】図2Aに示した捻り支持装置及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーンを使用するシステムにて、頭尾軸回り回転させて斜め向きにした動物を、高分解能蛍光体スクリーンを装着せず光学撮像モードで撮像している状態を示す模式的前面図である。
【図8D】図2Aに示した捻り支持装置及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーンを使用するシステムにて、頭尾軸回り回転させて斜め向きにした動物を、着脱式の高分解能蛍光体スクリーンを装着しX線撮像モードで撮像している状態を示す模式的前面図である。
【図9A】図2Aに示した捻り支持装置にて動物を後尾軸回り回転させ横向きにした状態を示す後方からの斜視図である。
【図9B】図2Aに示した捻り支持装置にて動物を後尾軸回り回転させ横向きにした状態を示す下面図である。
【図9C】図2Aに示した捻り支持装置及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーンを使用するシステムにて、頭尾軸回り回転させ横向きにした動物を、高分解能蛍光体スクリーンを装着せず光学撮像モードで撮像している状態を示す模式的前面図である。
【図9D】図2Aに示した捻り支持装置及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーンを使用するシステムにて、頭尾軸回り回転させ横向きにした動物を、着脱式の高分解能蛍光体スクリーンを装着しX線撮像モードで撮像している状態を示す模式的前面図である。
【図10】図2Aに示した捻り支持装置を用い頭尾軸回り回転させることでマウスの体勢を変えて撮ったX線像及び蛍光像の対を6個示す図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る頭尾軸回り多動物回転方法の流れを示す図である。
【図12A】本発明の一実施形態に係る多動物捻り支持装置を示す模式的前面図である。
【図12B】図12Aに示した多動物捻り支持装置及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーンを使用するシステムにて、高分解能蛍光体スクリーンを装着せず複数体の動物を光学撮像モードで撮像している状態を示す模式的前面図である。
【図12C】図12Aに示した多動物捻り支持装置及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーンを使用するシステムにて、高分解能蛍光体スクリーンを装着し複数体の動物をX線撮像モードで撮像している状態を示す模式的前面図である。
【図13A】本発明の更に他の実施形態に係る多動物捻り支持装置を示す斜視図である。
【図13B】図13Aに示した多動物捻り支持装置を示す別の斜視図である。
【図13C】図13Aに示した多動物捻り支持装置を用い複数体の動物をX線撮像モードで撮像している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、その好適な実施形態を参照しつつ本発明について詳細に説明する。説明するのは一例であり、本発明はこれを変形乃至改良した形態でも実施できるのでその点に留意されたい。また、本発明の好適な実施形態に関し詳細に説明するに当たり別紙図面を参照する。各図中、同様の構造要素には同一の参照符号を付してある。本発明の実施形態に関する具体的な説明と併せ別紙図面を参照することで、上述のものを含め、本発明の目的、構成及び効果についてより好適にご理解頂けよう。部材間の寸法比は図示の比でなくてもかまわない。
【0023】
図2A及び図2Bに、着脱式の高分解能蛍光体スクリーン32として例えば先出願(発明者:Vizard et al.)に記載のものを備える電子撮像システム10を示す。このシステム10は本発明に従い構成されており、その試料室14内には捻り支持装置300が備わっている。これは一例であり、別の先出願(発明者:Feke et al.)に記載の高感度蛍光体スクリーン又は多パネル蛍光体スクリーンを使用する形態や、いわゆる当業者の常識に従い動物を他の適切な方向例えば上方から撮像するよう変形した形態でも、本発明を実施することができる。また、捻り支持装置300には長尺で透光性及び可撓性のある支持部材、具体的には支持膜302が備わっている。この膜302は図3Cに示す通り長辺302a及び302bを有する長尺の膜で、図3Gに示す通り機械的に強制されると上開きのU字ループ304へと変形する。動物306例えばマウスはそのループ304の底部に寝かされ拘束される。試料室14の壁にあるガスポート310aから装置300側にあるホースバーブ312aへと延びるホース308aは、システム10外のガスシリンダからイソフルラン等の吸入麻酔剤を送り込み、動物306の動きを止めるのに使用されている。ケタミン等の注射麻酔剤を使用して動物306の動きを止めてもよい。試料室14の壁にあるガスポート310bから装置300側にあるホースバーブ312bへと延びるホース308bは、システム10外のポンプから暖気を送り込み、動物306の体温を維持するのに使用されている。更に、装置300側にあるホースバーブ312cから試料室14の壁にあるガスポート310cへと延びるホース308cは、システム10外のポンプを用いガスを排出させるのに使用されている。そして、装置300にはベルトドライブ314が備わっている。後に詳述する通り、通信/コンピュータ制御システム26からの指令に従い図3H中のドライブ314を図5C中の矢印316に沿い回転させることで、ループ304を保ちながら膜302を前後に動かし動物306を回転させることができる。即ち、膜302を用いループ304内の動物306に捻りを加え、矢印318に示す如く頭尾軸回り回転させることができる。
【0024】
図3A〜図3Hに、可撓性のある支持膜302を捻り支持装置300内に装着する手順を示す。図3A及び図3Bに示されているのは、膜302がまだ装着されていない状態の装置300である。まず、ドライブシャフト320A及び320Bは同じ長さであり、動物306の頭胴長(尾部抜きの体長)とほぼ等しいかそれを若干上回る長さになり、当該頭胴長を下回らないよう設計されている。例えば、体重20〜25gのマウス向けに設計する際には、その頭胴長が100mm程度であることを踏まえシャフト320A及び320Bの長さを100mmとする。それらシャフト320A及び320Bの一端は後部ベアリングマウント324に、他端は前部ベアリングマウント326にそれぞれ実装されている。それらのマウント324及び326は、窓330が開口しているベースプレート328を介し互いに機械的に堅固に連結されている。後部ベアリングマウント324には図3Hの如く後部ハブ332及び後部ガイド334が、また前部ベアリングマウント326には前部ハブ336及び前部ガイド338が設けられている。ハブ332及び336は互いに同じ外径及び輪郭長を有する円筒であり、動物306の胴囲とほぼ等しい輪郭長になるように設計されている。例えば、体重20〜25gのマウスを扱うのなら、その胴囲が90mm程度であることを踏まえハブ332及び336の輪郭長を90mmとする。図3Cを参照して後述する構成の膜302を使用した場合、マウスの体重が例えば17〜48gならばハブ332及び336の直径を約29mmとすることで、そのマウスを捉えたまま概ね滑らすことなく回転させることができる。いわゆる当業者には容易に理解できるように、マウスの体重が約23〜48gならば約32mm、約48gならば約35mmというように、別の径のハブを用い本発明を実施することが可能である。シャフト320A及び320Bは、図3Bに示すように、シャフト320Aの外周面が仮想鉛直面340A、シャフト320Bの外周面がハブ332及び336を挟み逆の側から仮想鉛直面340Bにそれぞれ接するよう、そのハブ332及び336に対し平行に配置されている。シャフト320A及び320Bは、更に、斜め下方例えば45°方向から来て窓330を通り動物306の胴部腹側半面に照射される照明光を妨げないよう、プレート328から見て十分高い位置に配置されている。但し試料室14の天井よりは十分に低い位置である。プレート328から見たそれらシャフト320A及び320Bの高さは、互いに等しくても等しくなくてもかまわない。また、後部ハブ332の内側は通路になっており、動物306の尾部を通せるようその上面に切欠が設けられている。前部ハブ336の内側も通路になっており、経口吸入麻酔剤を流し込むのに使用することができる。ガイド334及び338は、ハブ332及び336のうち対応するものとの間に互いに同じ幅の上開きU字間隙が生じるよう、互いに同じ径の曲面を呈している。その間隙のサイズは、膜302の厚みより幾分大きな幅、例えば2倍の幅となるよう設計されている。ハブ332及び336並びにガイド334及び338の曲面は同軸である。シャフト320A及び320B、マウント324及び326、ハブ332及び336、ガイド334及び338、並びにプレート328は、装置の機械的一体性を保てる程度に堅固な素材であれば、硬質金属、硬質プラスチック、木材等、どのような素材で形成してもよい。
【0025】
図3Cに、透光性及び可撓性があり巻き付けられていない状態にある支持膜302を示す。この膜302の幅は、ドライブシャフト320A及び320Bの長さを上回らないようシャフト320A及び320Bの長さと同じかそれを若干下回る幅に設計されている。膜302の長さは、所要角度範囲に亘り動物306を頭尾軸回転させるのに十分な長さに設計されている。例えば、体重20〜25gのマウスを360°に亘り回転させたいのなら、その胴囲が90mm程度であることを踏まえ膜302の長さを90mm+[シャフト320A及び320Bへの取付に必要な余裕分]とする。こうした構成では、頭尾軸回り回転角ひいては撮像方向を、範囲制限を受けず連続的に変化させることができる。また、膜302は、シャフト320A及び320B並びにハブ332及び336のいずれに比べても小さな最小曲げ半径を有する膜となるよう、十分薄く十分可撓な素材で形成されている。即ち、そのような最小曲げ半径になる素材及び膜厚で膜302が形成されている。膜302に対しては、蛍光性がほとんどないこと、ありふれた清掃剤例えば水に溶かした洗剤で清掃できること等も望まれる。
【0026】
可撓性のある支持膜302としては、例えば0.1〜0.25mm厚の透光性ポリカーボネート膜を使用することができる。例えば、0.005インチ厚、両面光沢仕上げのBayer(登録商標)Makrofol(登録商標)DE1−1(商品名)である(1インチ=約2.5×10-2m)。この膜の摩擦係数は十分に大きいので、ハブの直径及びマウスの体重が上述の値であればマウスが大きく滑ることはない。また、いわゆる当業者には容易に理解できるように、これ以外の透光膜を使用し本発明を実施することもできる。例えば、Zeonor(登録商標)フィルムなる名称で市販されているシクロオレフィンポリマ膜も適しているし、ポリエステル膜も機能する見込みがある。ポリカーボネート膜やシクロオレフィンポリマ膜にはその蛍光性が低いという長所もある。また、その厚みが0.005〜0.010インチの範囲内の膜であれば好適に機能することが判っているが、この範囲から若干外れた厚みの膜でも、その最小曲げ半径が小さめのものは、好適に機能させうる場合がある。要は、その膜の最小曲げ半径が、ハブ及びシャフトのうち細い方の直径と等しいかそれを下回っていればよい。この条件が満たされるようシャフト直径を大きめにしてもよい(但しハブ直径と同程度が限度)。そして、いわゆる当業者には容易に理解できるように、ミシン目パターンを有する支持部材乃至支持膜、網や布で形成された支持部材等を用い本発明を実施することもできる。但し、支持部材にそうした巨視的構造があると光学撮像やX線撮像に当たり幾分邪魔になる可能性がある。
【0027】
図3D〜図3Fに、可撓性のある支持膜302を実装する過程を示す。その過程では、まず、図3Dに示すように、ほとんど蛍光性がない黒色テープ等を用いドライブシャフト320Aに膜302を取り付け、その膜302をそのシャフト320Aに巻き付ける。次いで、矢印342Aに沿いシャフト320Aを回転させることで、その自由端を概ね仮想鉛直面340Aに沿わせながら膜302を引き出し、図3Dに示す前部ハブ336・前部ガイド338間の隙間並びに図3Hに示す後部ハブ332・後部ガイド334間の隙間にその膜302を送り込む。更に、図3Eに示すように、膜302をそれらの隙間に通して巻き付けることで、その膜302を上開きU字ループ304へと機械的に変形させる。次いで、図3Fに示すように、ほとんど蛍光性がない黒色テープ等を用いドライブシャフト320Bに膜302を取り付け、矢印342A及び342Bに沿いシャフト320A及び320Bを同方向回転させることで、その膜302をシャフト320Bに巻き付ける。そして、図3Gに示すように、矢印342C及び342Dに沿いシャフト320A及び320Bを逆方向回転させることで、膜302からそのたるみを取り除く。
【0028】
図3Hに、支持膜実装最終段階にある捻り支持装置300を示す。図示の通り、ドライブシャフト320A及び320Bはプーリ344及び346の軸部に差し込まれている(符号同順)。プーリ344及び346は、ドライブプーリ348及びドライブベルト350と共に、ベルトドライブ314を構成している。プーリ348はステッパモータ352の軸に連結されており、そのモータ352は図3Aに示す如く後部ベアリングマウント324を挟み逆側に配置されている。また、プーリ344にはセットスクリュー356が備わっている。可撓性のある支持膜302からそのたるみを取り除いた後にこのスクリュー356をシャフト320Aに固定することでシャフト320Aをプーリ344に連結すると、その膜302が装置300内できつく巻かれ、しっかりとしたU字ループ304が形成されることとなる。そのループ304の下部丸みは、ハブ332及び334に対し同軸で、ハブ332及び334の外径と等しい内径を有するものとなる。
【0029】
図4に、捻り支持装置300内に動物306を搬入する過程を示す。この過程では、まず、麻酔注射や経口吸入麻酔剤への直前曝露によって動物306に麻酔をかけておき、その動物306を実験者の手で矢印364に沿いU字ループ304内に降ろしていく。その際、その動物306の鼻先を前部伸縮配管部368の開口端に差し込むことで、ホース308aから流入する麻酔剤の投与が可能になり、またその長手方向に沿った動物306の体勢が安定する。動物306の尾部は、後部ベアリングマウント324及び後部ハブ332の切り込み360を介し外部に延ばすことができる。また、こうして搬入された動物306に対し、実験者は上方からアクセスすることができる。例えば、薬剤、蛍光イメージング剤、X線造影剤、放射性核種イメージング剤等の物質を、注射、経口注入、経口吸入、経直腸注入、経皮吸収、経粘膜吸収等の手段で動物306に直接投与することができる。従って、電子撮像システム10内の動物306を撮像した後、その動物306に物質を投与し、投与後にその動物306を撮像するに至るまで、その動物306の体勢が大きく乱れないようにすることができる。これは、イメージング剤又は造影剤の潅流及び浄化や薬剤の効き方の経時変化を調べる際に特に都合がよいことである。また、動物306の直近環境に実験者がアクセスし、その環境内にある余計なものの清掃、例えば動物の尿、糞、皮膚片の除去を行い、それらによる偽像を防ぐこともできる。システム10における動物306の体勢を所要体勢にするための操作が最小限に抑えられているので、実験者向けの人間工学的プロトコルを満たすことができる。横たわった体勢であるので、動物306に加わる生理学的なストレスも最小限に抑えられる。
【0030】
図5A〜図5Eに、捻り支持装置300及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーン32を備えるシステムにおける動物306の俯かせ方の例を示す。図中、前部ハブ336の中空部から延びているのは前部伸縮配管部368であり、これは動物306の頭部に達している。吸入麻酔剤は、ホースバーブ312aに送り込まれた後、前部ベアリングマウント326内を通りこの配管部368に入ってくる。市販されている素材のなかで配管部368として使用できるものとしては、例えばGlobalMed Inc.製で内径が15mm、伸縮比が3:1の伸縮配管がある。吸入麻酔に代え注射麻酔を使用してもよい。
【0031】
このとき、可撓製のある支持膜302をハブ332及び336で機械的に変形させることでU字ループ304を形成してあるので、動物306の頭尾軸がループ304の下部丸みに対しほぼ同軸な場合、ループ304の下部丸みの輪郭長は寝かされている動物306の半胴囲とほぼ等しくなり、従ってその動物306のほぼ半身が膜302に接触した状態となる。この状態で、通信/コンピュータ制御システム26によってステッパモータ352を制御し矢印316に沿いドライブプーリ348を回転させると、ベルトドライブ314が作動してプーリ344及び346が回転する。すると、プーリ344に連結されているドライブシャフト320Aが矢印342Eに沿い、またプーリ346に連結されているドライブシャフト320Bが矢印342Fに沿いそれぞれ回転する。更に、それらのシャフト320A及び320Bに取り付けられしっかりと巻き付いている膜302が、機械的強制で生じたループ304を保ちながら動く。膜302が動くと、ほぼその半身全体でループ304に接している動物306に捻れが加わり、矢印318で示す如くその動物306の頭尾軸回り回転が生じる。
【0032】
図6A〜図6Cに、本発明の一実施形態に係る方法の流れを示す。図6Aに示したのは動物306を頭尾軸回り回転させる方法の全体的な流れである。この方法では、まず動物306を前述の如くU字ループ304内に入れる。次いで、捻り支持装置300を用い動物306の向きを所望の頭尾軸回り回転角にし電子撮像システム10で撮像手順を実行する、という処理を、装置300を用い動物の向きを所望の第1頭尾軸回り回転角にして(ステップ400)システム10で撮像手順を実行(ステップ410A)、装置300を用い動物の向きを所望の第2頭尾軸回り回転角にして(ステップ420)システム10で撮像手順を実行(ステップ410B)、装置300を用い動物の向きを所望の第3頭尾軸回り回転角にして(ステップ440)システム10で撮像手順を実行(ステップ410C)、…、装置300を用い動物306の向きを所望の最終頭尾軸回り回転角にして(ステップ460)システム10で最後の撮像手順を実行(ステップ410D)、というように任意回数に亘り実行する。なお、これらの頭尾軸回り回転角は、ある角度範囲内を等分する角度にする等、任意に定めることができる。頭尾軸回り回転角を変化させる際の回転方向も、一定方向にするか否か、時計回りかそれとも反時計回りかを含め、任意に定めることができる。
【0033】
図6Bに、ステップ410A〜410Dにおける処理の流れの好適例を示す。この例では、まず電子撮像システム10で複数のモードにより分子像を取得する(ステップ412)。この分子撮像のモードとしては、蛍光撮像モード、発光撮像モード等の光学撮像モードや、高感度撮像に適した2枚目の蛍光体スクリーン乃至パネルを使用する放射線同位体撮像モードを使用する。それを取得したら、動物306の下方に高分解能蛍光体スクリーン32を移動させ(ステップ414)システム10でX線解剖撮像モードにより撮像する(ステップ416)。そして、動物306の下方からスクリーン32を除去する(ステップ418)。ステップ410A〜410Dは、こうした手順のほか、ステップ412を実行するのみでステップ414、416及び418は実行しない手順とすることも、スクリーン32を動物306の下方に固定してステップ416のみを実行しステップ412、414及び418は実行しない手順とすることもできる。
【0034】
図6Cに、ステップ412における処理の流れを示す。この流れでは、電子撮像システム10の構成を所望の分子撮像モード向けに設定しそのシステム10で撮像する、という処理を、まずシステム10の構成を第1分子撮像モード向けに設定し(ステップ470)そのシステム10で1枚撮像(ステップ472A)、システム10の構成を第2分子撮像モード向けに設定し(ステップ474)そのシステム10でもう1枚撮像(ステップ472B)、システム10の構成を第3分子撮像モード向けに設定し(ステップ476)そのシステム10で更に1枚撮像(ステップ472C)、…、そしてシステム10の構成を最後の分子撮像モード向けに設定し(ステップ478)そのシステム10で最後の1枚を撮像(ステップ472D)、というように任意回数実行する。なお、電子撮像システム10の構成を設定する、とは、例えば励起波長や輻射波長の選択、照明光オンオフの選択、放射線同位体撮像に使用される2枚目の高感度蛍光体スクリーン乃至パネルの着脱等を行うことである。
【0035】
図7A及び図7Bに、ステップ400及び410Aにおける捻り支持装置300及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーン32の状態例を示す。装置300の直上にあるのはマイクロフォーカスX線源28である。これらのうち図7Aに示したのは、装置300及びスクリーン32を使用するシステムにて、頭尾軸回り回転させて俯せにした動物306を(ステップ400)、スクリーン32を動物306の下方に移動させないまま、光学的な分子撮像モード例えば蛍光撮像モード向けにその構成が設定されている電子撮像システム10で、分子撮像している状態である(ステップ412)。この例では、構成設定ステップ470、474及び476にて励起光の波長を設定することで、その波長が異なる三種類の励起光505A〜505Cを、光ファイバ18で構成された上向き照明器から動物306の胴部腹側反面へとその全長に亘り順次照射している(符号同順)。こうした構成に代え、図示しない下向き照明器からの励起光を動物の胴部背側半面にその全長に亘って照射する構成にしてもよいし、先出願(発明者:Feke)に記載のレーザ走査型構造化照明光を励起光として使用する構成にしてもよい。また、この例では、励起光505A〜505Cに対する蛍光反応によって動物306から輻射される輻射光510A〜510Cを、撮像ステップ472A〜472Cにてシステム10を用い捉えるようにしている(符号同順)。そのレンズ/カメラ系24は面500を合焦面としており、その合焦面500は水平でありU字ループ304の下部丸みに接している。即ち、ループ304の下部丸みによって、系24の合焦面500を定める際の基準となる物理面が規定されているので、鮮明で解像度のよい画像を得ることができる。励起光を使用せず、動物306の体内で発生した光を輻射光510A〜510Cとして捉えることもできる。
【0036】
また、図7Bに示したのは、捻り支持装置300に高分解能蛍光体スクリーン32を装着して動物306の下方に配し(ステップ414)、X線撮像モード向けにその構成が設定されている電子撮像システム10で、その動物306をX線解剖撮像している状態である(ステップ416)。この例では、マイクロフォーカスX線源28から動物306に向かいX線550を照射し、その動物306の体内に浸透してそこにある軟組織や骨組織で減衰を受けたX線550を、合焦面500上にある高分解能蛍光体シート34に射突させている。また、その射突に応じシート34から輻射される可視蛍光560を、そのレンズ/カメラ系24が面500に合焦しているシステム10で捉えるようにしている(撮像ステップ416)。このように、透光性及び可撓性を有する支持膜302を使用すると、着脱式のスクリーン32を支持面の近く、例えばその面に接するところに配置することができるため、多モード撮像を好適に実行することができる。即ち、明視野撮像モード、蛍光撮像モード、発光撮像モード等の光学撮像モードにおける合焦面と、X線撮像モード、放射性同位体撮像モード等蛍光体スクリーンを必要とする撮像モードにおける合焦面とが、ある同じ面500になるため、光学撮像モードで得られる像及び蛍光体スクリーンを必要とする撮像モードで得られる像を用いオーバレイ画像を生成する際に、それらの像を互いに正確に位置合わせすることができる。そして、撮像用光路が固定であり、どの撮像方向、どの撮像モードでも同じであるので、簡略で安価な部材を使用し撮像用光路を形成すること、特にプラテン16、ミラー22及びレンズ/カメラ系24を簡略且つ安価なものにすることができる。
【0037】
図8A〜図8Dに、ステップ420及び410Bにおける捻り支持装置300及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーン32の状態例を示す。この例では、俯せの体勢から45°頭尾軸回り回転させることで、動物306を斜め向きにさせている。スクリーン32は、図8A〜図8Cでは動物306の下方から外されており、図8Dでは動物306の下方に装着されている。この例における電子撮像システム10の構成設定や動作手順は図7A及び図7Bを参照して説明したものと同様であるが、システム10で得られる動物306の像は別の像になる。即ち、動物306を頭尾軸回り回転させてあるため、輻射光511A〜511Cに基づく撮像で得られる分子像や、可視蛍光561に基づく撮像で得られるX線解剖像は、図7A及び図7Bで得られるものとは異なった像になる。
【0038】
図9A〜図9Dに、ステップ440及び410Cにおける捻り支持装置300及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーン32の状態例を示す。この例では、斜め向きの体勢から更に45°頭尾軸回り回転させることで、動物306を横向きにさせている。この例における電子撮像システム10の構成設定や動作手順は図7A及び図7Bを参照して説明したものと同様であるが、システム10で得られる動物306の像はまた別の像になる。即ち、動物306を頭尾軸回り回転させてあるため、輻射光512A〜512Cに基づく撮像で得られる分子像や、可視蛍光562に基づく撮像で得られるX線解剖像は、図7A及び図7Bで得られるものとは異なった像になる。動物306を頭尾軸回り回転させる動作や、システム10の構成を適宜設定してその動物306の分子像及びX線像を捉える動作は、何回でも繰り返し行えるので、仰向けの体勢を経て俯せの体勢に戻るまで、どの体勢でもそうした像を取得することができる。
【0039】
図10に、捻り支持装置300による頭尾軸回り回転でマウスの体勢を様々に変えて撮ったX線像(上側)及び蛍光像(下側)の対を6個示す。対毎にマウスの頭尾軸回り回転角は60°ずつ異なっており、X線像からはその頭尾軸回り回転をはっきりと読み取ることができる。また、蛍光像は蛍光イメージング剤を皮下注射した上で捉えた像であり、マウスの頭尾軸を中心にした蛍光イメージング剤の分布に角度的な偏りがあるため、頭尾軸回り回転角によってその外観が異なってくる。例えば、蛍光イメージング剤が分布している部分が回転してマウスの後方になると、マウスの組織における光吸収が大きくなるため蛍光像が見えなくなる。信号の強さは、動物の体表面から動物体内の蛍光/発光成分分布域までの距離、即ち光が伝搬しなければならない組織深さに依存し、またその組織深さは動物の体勢に依存するので、この装置300のように頭尾軸回り回転角ひいては撮像方向を精密に制御する装置であれば、分子信号をより好適に定量することができる。
【0040】
図11に、本発明の他の実施形態に係る手順を示す。この手順は、図12Aに示す複数体の動物706A〜706Cを頭尾軸回り回転させる手順である。電子撮像システム10の最大視野が十分に広く複数体の動物を撮像できる場合、例えばその最大視野が200mm×200mmに亘る場合には、このようにステップ400、420、440及び460をステップ600、620、640及び660に置き換え、そこで個々の動物の頭尾軸回り回転角を個別に制御するだけでよい。
【0041】
図12A〜図12Cに、当該実施形態に係る多動物捻り支持装置700を示す。この装置700は、個別に稼働する3個の捻り支持部702A〜702Cを備えている。それらのうち中央にある捻り支持部702Bは、捻り支持装置300と同じく透光性及び可撓性を有する支持膜704Bの上に動物706Bを載せる構成であり、その横方向位置はマイクロフォーカスX線源28の直下となっている。左側の捻り支持部702A及び右側の捻り支持部702Cは、X線源28から動物706A及び706Cに至るX線直接伝搬路を遮らないよう中央の支持部702Bに対し若干傾けられている。ドライブシャフト708A〜708C及び710A〜710Cは、左側の支持部702Aのシャフト708Aが中央の支持部702Bのシャフト710Bの下方に位置し且つ右側の支持部702Cのシャフト710Cが中央の支持部702Bのシャフト708Bの上方に位置するよう、即ちコンパクトな配置になるよう設けられている。図12Aには示されていないが、透光性及び可撓性を有する支持膜740A〜740Cの下部丸みは、いずれも合焦面500に接している。図示しないが、通信/コンピュータ制御システム26によって互いに独立に制御される個別のステッパモータや、矢印712A〜712Cに沿い動物706A〜706Cを互いに独立に頭尾軸回り回転させる個別のベルトドライブも備わっている。こうしたコンパクトな構成の装置700は幾つかの分野で好適に利用することができる。例えば、レンズ/カメラ系26の倍率を高めたときでもその視野内に複数体の動物706A〜706Cが全て収まるため、動物モデルの解析に適する高い分解能でそれらの動物706A〜706Cを撮像することができる。更に、系26の倍率を一層高め、中央の支持部702Bをズームアップすることもできる。
【0042】
図12Bに示したのは、そうした多動物捻り支持装置700及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーン32を備えるシステムの状態例である。この例では、動物706A〜706Cを個別に頭尾軸回り回転させて俯せの体勢にし(ステップ600)、スクリーン32を動物706A〜706Cの下方に移動させないまま、光学分子撮像モード例えば蛍光撮像モード向けに構成設定されている電子撮像システム10で、動物706A〜706Cの分子像を捉えている(ステップ412)。励起光は光ファイバ18から動物706A〜706Cの胴部腹側反面へとその全長に亘り照射されている。照射する励起光の波長は、構成設定ステップ470ではある波長の励起光505A、構成設定ステップ474では別の波長の励起光505B、構成設定ステップ476では更に別の波長の励起光505C、というように三種類に亘り順次変えるようにしてある。更に、励起光505A〜505Cに対する蛍光反応によって動物706Aから輻射される輻射光714A〜714C、動物706Bから輻射される輻射光716A〜716C、並びに動物706Cから輻射される輻射光718A〜718Cを、撮像ステップ472A〜472Cにて電子撮像システム10を用い捉えるようにしている(符号同順)。そのレンズ/カメラ系24は面500上に合焦している。
【0043】
図12Cに示したのは、同じく多動物捻り支持装置700及び着脱式の高分解能蛍光体スクリーン32の状態例である。この例では、スクリーン32を動物706A〜706Cの下方に移動させ(ステップ414)、X線撮像モード向けに構成設定されている電子撮像システム10で動物706A〜706CのX線解剖像を捉えている(ステップ416)。また、マイクロフォーカスX線源28から動物706A〜706Cに向かいX線550を照射し、その動物706A〜706Cの体内に浸透してそこにある軟組織や骨組織で減衰を受けたX線550を、合焦面500上にある高分解能蛍光体シート34に射突させている。更に、その射突に応じシート34から輻射される可視蛍光、即ち動物706Aに係る可視蛍光720、動物706Bに係る可視蛍光722及び動物706Cに係る可視蛍光724を、そのレンズ/カメラ系24が面500に合焦しているシステム10で捉えるようにしている(撮像ステップ416)。動物706A〜706Cを頭尾軸回り回転させる動作や、システム10の構成を適宜設定してその動物706A〜706Cの分子像及びX線像を捉える動作は、何回でも繰り返し行えるので、仰向けの体勢を経て俯せの体勢に戻るまで、どの体勢でもその像を取得することができる。
【0044】
図13A〜図13Cに、本発明の更に他の実施形態に係る多動物捻り支持装置800を示す。この装置800は、個別に稼働する4個の捻り支持部802A〜802Dを備えている。支持部802A〜802Dは透光性及び可撓性のある支持膜804A〜804Dを備えており(符号同順)、その十字の中心に対し回転対称となるよう十字配置されている。いわゆる当業者には容易に理解できるように、捻り支持部を更に追加した形態で本発明を実施することもできる。また、その十字の中心、マイクロフォーカスX線源28の直下には共通の前部多ベアリングマウント806があり、4個ある支持部802A〜802Dに経口吸入麻酔剤を送るマニホルドとして機能している。そのマウント806と、そこからある距離離れた場所にある後部ベアリングマウント808A〜808Dとの間は、窓812A〜812Dを有するベースプレート810によって互いに堅固に連結されている。更に、個々の捻り支持部に備わる2本のドライブシャフトの上下方向位置が互いにずれているため、個々の捻り支持部の1本目のドライブシャフトがその隣の捻り支持部の2本目のドライブシャフトの上方に位置することとなる。そのため、この装置800は、前部多ベアリングマウント806のフットプリントが小さいコンパクトなレイアウトとなる。また、こうした回転対称レイアウトの装置800は幾つかの分野で好適に利用することができる。例えば、X線源から動物までの距離で決まるX線撮像の幾何倍率を回転対称にしたい場合である。
【0045】
いわゆる当業者には容易に理解できるように、本発明の装置及び方法で動物を撮像し、得られた画像に基づき再構成することで、その撮像モード、例えばX線撮像モード、放射性同位体撮像モード等のモードや、明視野撮像モード、蛍光撮像モード、発光撮像モード等の光学撮像モード等で、その動物に備わる造影部分の断層像を得ることができる。
【0046】
いわゆる当業者には容易に理解できるように、本発明の装置及び方法を光音響方式に適用することもできる。例えば、その内部に超音波センサのアレイがあり底部に透光性の窓があるボウルの上方に、捻り支持装置300を懸架すればよい。使用時には、そのボウルを透光性の音響結合媒体例えば液体やゲルで満たし、長尺で透光性及び可撓性を有する支持部材例えば支持膜302と音響的に接触させ、動物を上開きU字ループ304内に寝かせて動けないようにする。窓を介しその動物に光パルスを照射すると、その光パルスはその動物の内部又は外皮にある物質によって吸収され、その物質からエネルギが超音波となって輻射される。その超音波は超音波センサのアレイで検知され、その結果に基づき電子システムによって断層像が生成される。このとき、動物の体内での吸収及び散乱によって光の浸透深さが制約されるので、その動物の体勢を様々に変えその動物に備わる様々な解剖学的特徴を調べることが望まれる。その点、本発明の装置及び方法であれば、撮像方向をより好適に制御することができ、従って実験者が光音響データをより好適に定量することが可能となる。例えば、組織深さひいては動物の体勢に依存する光音響的校正をより精密に実行することができる。また、撮像方向が精密に判るので、様々な撮像方向から捉えた光音響断層像を精密に継ぎ合わせることができる。
【符号の説明】
【0047】
10 電子撮像システム、12 光源、14 試料室、16 透光プラテン、18 光ファイバ、20 光学系室、22 ミラー、24 レンズ/カメラ系、26 通信/コンピュータ制御システム、28 マイクロフォーカスX線源、30 透光平坦型の動物支持部材、32 高分解能蛍光体スクリーン、34 高分解能蛍光体シート、36 シート34の動き、38 アクセス手段乃至部材、40,706A〜706C 動物(マウス等)、42 動物40の回転、300 捻り支持装置、302,704A〜704C 長尺で透光性及び可撓性のある支持部材例えば支持膜、302a,302b 支持部材乃至膜302の長辺、304 支持部材乃至膜302による上開きのU字ループ、306 ループ304内に寝かせた動物、308a〜308c ホース、310a〜310c ガスポート、312a〜312c ホースバーブ、314 ベルトドライブ、316 ドライブ314の回転、318 動物306の回転、320A,320B,708A〜708C,710A〜710C ドライブシャフト、324,808A〜808D 後部ベアリングマウント、326 前部ベアリングマウント、328,810 ベースプレート、330,812A〜812D 窓、332 後部ハブ、334 後部ガイド、336 前部ハブ、338 前部ガイド、340A,340B 仮想鉛直面、342A,342C,342E シャフト320Aの回転、342B,342D,342F シャフト320Bの回転、344 シャフト320A用のプーリ、346 シャフト320B用のプーリ、348 ドライブプーリ、350 ドライブベルト、352 ステッパモータ、356 プーリ344用のセットスクリュー、360 切り込み、364 ループ304内への動物306の搬入、368 前部伸縮配管部、400〜478,600〜660 手順の諸ステップ、500 合焦面、505A〜505C 励起光、510A〜510C,511A〜511C,512A〜512C,714A〜714C,716A〜716C,718A〜718C 輻射光、550 X線、560〜562,720〜724 可視蛍光、700,800 多動物捻り支持装置、702A〜702C,802A〜802D 捻り支持部、712A〜712C 動物706A〜706Cの回転、804A〜804D 支持膜、806 前部多ベアリングマウント。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭尾軸を有する動物を撮像する装置であって、
その長手方向に対しその動物の頭尾軸が交差するよう動物を載せうる長尺の支持部材と、
目的とする動物が収まり拘束されるサイズになるよう上記支持部材を上開きのU字ループに変形させる変形手段と、
上記U字ループを保ちながら上記支持部材をその長手方向に沿い動かすことでその上の動物に捻りを加えて頭尾軸回り回転させる駆動手段と、
様々な頭尾軸回り回転角にてその動物を撮像する撮像手段と、
を備える装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、上記支持部材が透光性及び可撓性を有する膜で形成されている装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置であって、上記変形手段が、
横方向に間隔をおき平行配置されており、その間に上記支持部材の長手方向沿い区間が挟まるよう当該支持部材が装着されている一対のドライブシャフトと、
それらドライブシャフトで挟まれている区間に上記U字ループが生じるよう上記支持部材を案内する案内手段と、
を有する装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置であって、上記案内手段が、上記支持部材の第1長辺側にあるガイドと、当該支持部材の第2長辺側にあるガイドと、を併せ、上記U字ループを発生させるためのガイドを一対有する装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置であって、上記U字ループが上記撮像手段の合焦面に接する装置。
【請求項6】
請求項4記載の装置であって、上記駆動手段が、上記ドライブシャフトを回転させるドライブを備える装置。
【請求項7】
請求項4記載の装置であって、個々のガイドに中空部があり、一方のガイドの中空部の上辺にその動物の尾部が通る開口があり、更に、他方のガイドの中空部の内側を通りその動物の頭部まで延びる前部伸縮配管部を備える装置。
【請求項8】
請求項7記載の装置であって、上記前部伸縮配管部内に麻酔剤を導入してその動物に麻酔をかける手段を備える装置。
【請求項9】
請求項3記載の装置であって、上記撮像手段に光又は輻射を届けるための窓が設けられたベースプレートと、そのベースプレート上にあり上記ドライブシャフトの支持に使用される装着手段と、を備える装置。
【請求項10】
請求項9記載の装置であって、上記U字ループの上方に位置するX線源と、当該U字ループ内の動物を透過した輻射を受け取れるよう上記窓の下方に移動させることが可能な蛍光体スクリーンと、を備える装置。
【請求項11】
請求項1記載の装置であって、上記支持部材並びにそれに対応する変形手段及び駆動手段を複数組備え、それらを使用し複数体の動物を撮像する装置。
【請求項12】
請求項11記載の装置であって、上記複数組が横並びに並んでいる装置。
【請求項13】
請求項11記載の装置であって、上記複数組が同じ点を中心に並んでいる装置。
【請求項14】
頭尾軸を有する動物を撮像する方法であって、
複数の長辺を有する長尺の支持部材を準備するステップと、
目的とする動物が収まり拘束されるサイズになるよう上記支持部材を上開きのU字ループに変形させるステップと、
上記支持部材の長手方向に対しその動物の頭尾軸が交差することとなるよう上記U字ループに動物を搬入するステップと、
上記U字ループを保ちながら上記支持部材をその長手方向に沿い順次動かすことでその上の動物に捻りを加えて様々な向きに頭尾軸回り回転させるステップと、
様々な頭尾軸回り回転角にてその動物を撮像するステップと、
を有する方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって、上記支持部材が透光性及び可撓性を有する膜で形成されている方法。
【請求項16】
請求項14記載の方法であって、上記U字ループが撮像時の合焦面に接する方法。
【請求項17】
請求項14記載の方法であって、上記U字ループ内にいる動物に麻酔剤を投与するステップを有する方法。
【請求項18】
請求項14記載の方法であって、上記支持部材を動かしているときに、上記U字ループが保たれるようその長辺を案内するステップを有する方法。
【請求項19】
請求項14記載の方法であって、その撮像により動物のX線像を得る方法。
【請求項20】
請求項14記載の方法であって、その撮像により動物の放射性同位体像を得る方法。
【請求項21】
請求項14記載の方法であって、その撮像により動物の光学像を得る方法。
【請求項22】
請求項14記載の方法であって、その撮像により、頭尾軸回り回転角毎に動物のX線像及び光学像を得る方法。
【請求項23】
請求項14記載の方法であって、その撮像により、頭尾軸回り回転角毎に動物の放射性同位体像及び光学像を得る方法。
【請求項24】
請求項14記載の方法であって、その撮像により、頭尾軸回り回転角毎に動物のX線像及び放射性同位体像を得る方法。
【請求項25】
請求項14記載の方法であって、その撮像により、頭尾軸回り回転角毎に動物のX線像、放射性同位体像及び光学像を得る方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図6C】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−522669(P2011−522669A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513480(P2011−513480)
【出願日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/003380
【国際公開番号】WO2009/151554
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(507224587)ケアストリーム ヘルス インク (76)
【Fターム(参考)】