説明

動物用可食玩具

【課題】 動物の興味を強く惹起する動物用可食玩具を提供すること。
【解決手段】 牛皮などの可食材料よりなるシート21及び紐31,32を備える。これらシートに形成した孔に紐31を貫通させて形成した第一容器2を備える。この第一容器2には内部を見せるための窓30を形成し及び/又は窓30を形成可能である。この第一容器2には食品100を固定するための紐32を取り付け可能である。シート21の端には紐を通してシート同士を連結するための孔開きフランジ40を備え、この孔開きフランジ同士の間を区切り、且つ角部を丸めてある。紐31,32の少なくとも一部に動物の好む味又は香りを添加してもよく、容器2の内側面に動物の好む味又は香りを添加してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、犬、猫などの愛玩動物が遊びながらペットフード等の食品を食するための動物用可食玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物用の玩具は存在していたが、玩具自体を食することのできる動物用可食玩具は存在していなかった。動物用玩具の例としては、特許文献1,2に記載の如きものが知られている。また、動物用の牛皮を利用したガムとして、特許文献3のものが知られている。
【特許文献1】特開2000−125698号
【特許文献2】特開2000−279651号
【特許文献3】特開平11−127796号
【0003】
特許文献1のものは内蔵し孔の一致で取り出し可能なペット遊具により、また、特許文献2のものは内蔵する運動体により、いずれも動物の興味を惹き付けている。しかし、これらはいずれも破壊されないように形成されており、動物の興味を十分に惹き付けることができなかった。一方、特許文献3のものは、動物が食することはできるが、興味の惹起は未だ不十分であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、動物の興味を強く惹起する動物用可食玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る動物用可食玩具の特徴は、可食材料よりなるシート及び紐を備え、これらシートに形成した孔に紐を貫通させて形成した第一容器を備え、この第一容器には内部を見せるための窓を形成し及び/又は窓を形成可能なことにある。
【0006】
同特徴によれば、第一容器内に例えばペットフード等の食品を入れておけば、孔から見え隠れする食品に興味をそそられ、動物はこれを食するために第一容器を噛み破ろうとし、当該玩具で遊び始める。シート及び紐は可食であるため、これらを噛み破ることで玩具自体も食することができ、また、噛み破って内部の食品を手に入れられるので、食物獲得本能を高度に刺激し、飽きることなく玩具で遊ぶこととなる。
【0007】
ここで、前記第一容器に食品を固定するための紐を取り付け可能としてもよい。紐に結びつけた食品を獲得するために、動物はより興味を惹起される。そして、紐に結びつけた食品を、孔から第一容器内部に挿入することで、紐に接続された食品が第一容器内で動き、動物の興味はさらに強力に惹起されることになる。
【0008】
また、前記第一容器内に前記シート及び紐で作成した第二容器を紐及び/又はシートの一部を介して連結してもよい。第三実施形態に例示するように、第二容器が第一容器内で動いて発音するので、動物の興味を惹起する。また、食品を第二容器内に収納することで、動物は2つの容器を噛み破らねばならず、容易に食品が入手できないことで、却って興味を惹起されることとなる。
【0009】
本発明に係る動物用可食玩具の他の特徴は、可食材料よりなるシート及び紐を備え、これらシートに形成した孔に紐を貫通させて形成した転動体を備え、この転動体には偏心状態で食品を取り付け可能な食品取付部を有し、自重によりこの食品は転動体の下側に位置することとなることにある。第四実施形態に例示するように、同構成によれば、動物が食品を獲得しようとする度に食品は捕食しにくい下側に位置することとなり、食物獲得本能を高度に刺激する。
【0010】
本発明に係る動物用可食玩具のさらに他の特徴は、可食材料よりなるシート及び紐を備え、これらシートに形成した孔に紐を貫通させて形成した複数の開口部を有する本体を形成し、本体の開口部に両端に食品を固定する紐を貫通させ、貫通させた紐の一方を引くことによりこの紐の他端が開口部内に収納されることとなることにある。
【0011】
第一、七実施形態に例示するように、同構成によれば、一方の紐に結ばれた食品を捕食しようとすれば、他方の食品が開口部から本体内に収納されてしまい、動物は自らの行動により食品を獲得し難くなり、翻弄されるので、遊びに夢中になっていく。
【0012】
前記シートの端に前記紐を通してシート同士を連結するための孔開きフランジを備え、この孔開きフランジ同士の間を区切り、且つ角部を丸めてもよい。第一実施形態に例示するように、同構成によれば、動物がフランジに噛みついたときに歯茎の傷付を防ぎ、また、フランジ同士の間が区切られているので、シートを屈曲されることが可能となる。
【0013】
前記紐の少なくとも一部に動物の好む味又は香りを添加してもよい。また、前記容器の内側面に動物の好む味又は香りを添加してもよい。前記可食材料としては牛皮を適切に用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
上記本発明に係る動物用可食玩具の特徴によれば、動物の興味を強く惹起することが可能となった。本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。第一実施形態を示す図1は、本発明の動物用可食玩具1で、第一容器2及び紐3により構成されている。第一容器2は2つの円錐体23・23の底部同士を突合せた形を成している。紐3は細長く線状に形成されている。
【0016】
詳しくは、図1に示すように、第一容器2は、2個の円錐体23・23を形成する2枚の半円形のシート21・21と、3本の連結紐31と、2本の引出紐32により構成されている。図2に示すように半円形のシート21は、半円形の円中心に位置する切欠部22と、円形の外縁部にフランジ部40と、直線の外縁部に、切欠部22を中心として対を成した2個の台形状の縁部42を有している。フランジ部40は、各々の略中心に連結孔43を有する半円状の鍔である孔開きフランジ41を18個有している。また、縁部42にはそれぞれ5個の連結孔43を有している。シート21の平面部には、複数の略円形状の孔で構成された開口部30を2個有している。
【0017】
第一容器2、及び紐3は、共に牛革にて形成されている。この牛革は、キシリトール、フラノボイド、ソリビトール、茶カテキン等の溶液に浸け込むことで上述の成分を牛革に染み込ませている。第一容器2、及び紐3は、牛革を高温の蒸気で処理し、所定の金型を用いて加圧プレスして打ち抜いて形成されている。第一容器2及び紐3の外観は半透明となっている。この第一容器2、及び紐3は動物が食することが可能であり、尚且つ噛み破り、又は噛み切ることができる。
【0018】
次に、玩具1の作成方法を説明する。図3(a)に示すようにシート21の2個の縁部42・42を90度折り曲げる。次に、図3(b)に示すように、シート21における一方の縁部42の、切欠部22に隣接する連結孔43に連結紐31を通す。その際、連結紐31の一端には結び目31aを作成しておき、他端を連結孔43に通す。連結孔43を通した連結紐31は、シート21における他方の縁部42の切欠部22に隣接する連結孔43を通す。
【0019】
上述のように、切欠部22に近い連結孔43から、他方の縁部42の切欠部22に近い連結孔43に、連結紐31を通していき、その作業を双方の縁部42の連結孔43を交互に通るように連結紐31を通す。その連結紐31をゆるく引き締めて、図3(c)に示すように、一方の縁部42と他方の縁部42が緩やかに対向する略円錐形状にする。
【0020】
次に、図3(d)に示すように、引出紐32の一端に結び目32aを作り、引出紐32の他端を切欠部22に通す。このとき、引出紐32を他端方向に引っ張ったときに、一端側に作成した結び目32aが切欠部22から抜け落ちないことを確認する。この引出紐32を切欠部22に2本通す。次に図3(e)に示すように、連結紐31を強く引き締め、結び目31aを作成する。これにより縁部42が密接し、円錐体23が形成される。次に図3(f)に示すように、18個の孔開きフランジ41を外方向に90度折り曲げる。上述の一連の作業をもう一枚のシート21においても行い、2個の円錐体23を作成する。
【0021】
次に図3(g)に示すように、2個の円錐体23・23の底部同士を付き合わせる。その際、孔開きフランジ41に設けてある連結孔43が互いに対向するように、円錐体23・23の位置を調整する。また、第一容器2の内部に食品100を入れる場合には、この円錐体23・23を付き合わせる段階で挿入する。この円錐体23・23の相対する連結孔43に交互に連結紐31を通していく。この際、連結紐31の一端には結び目を作成しておき、他端を連結孔43に通していく。18個の連結孔43すべてに連結紐31を通し終えたならば、強く引き締め、連結紐31の他端に結び目を作成する。上述した一連の作業により、玩具1が作成される。
【0022】
以下において、玩具1の使用方法を説明する。第一容器2内に例えばペットフード等の食品100を入れておけば、開口部30から見え隠れする食品100に興味をそそられ、動物にはこれを食するために第1容器2を噛み破ろうとし、当該玩具1で遊び始める。シート21及び紐3は可食であるため、これらを噛み破ることで玩具1自体も食することができる。また、動物はシート21を噛み破って内部の食品100を手に入れられるので、食物獲得本能を高度に刺激し、飽きることなく玩具1で遊ぶことができる。
【0023】
また、第一容器2から引出可能に延出した引出紐32の先端に食品100を取り付けることが可能である。これにより、動物は引出紐32の先端に取り付けられた食品100を獲得するために、より興味を惹起される。
【0024】
次のような使用方法も可能である。図4に示すように、第一容器2の一方の円錐体23に形成された開口部30に引出紐32の一方を挿入し、他方の円錐体23の開口部30まで引出紐32を貫通させる。この貫通させた引出紐32の両端に食品100・100を固定する。その際、食品100・100の大きさは、開口部30より小さくしておく。これにより、引出紐32の一端に固定された食品100を捕食しようとすれば、他端に固定された食品100が開口部30から第一容器2内部に収納され、動物は自らの行動により食品100を獲得し難くなり、翻弄されるので、遊びに夢中になっていく。
【0025】
また、本実施形態では、円錐体23の外縁に、連結孔43を有するフランジ部40が設けてある。このフランジ部40は角部が丸められた半円形の孔開きフランジ41が区切って配置されている。これにより、動物がフランジ部40に噛み付いたときに歯茎の傷付を防ぐことができる。また、フランジ部40が区切られていることから、円錐部23を作成する際に、シート21を容易に屈曲させることができる。また、孔開きフランジ41が半円形であるため、玩具1の転動をスムーズに行わせることが可能となる。更には、玩具1が円錐を繋げた形状をしているため、転動した際に、玩具1の転動が不規則になり、この不規則な動きがより動物の好奇心を惹起させることができる。
【0026】
また、第一容器2、及び紐3を形成している牛革には、キシリトール、フラノボイド、ソリビトール、茶カテキン等の成分を染み込ませている。これにより、動物が第一容器2、及び紐3を噛むことにより、動物の歯及び歯茎の保全、口臭予防、ストレス解消、歯垢の除去等の効果を得ることができる。
【0027】
その他に、第一容器2の全体、又は引出紐32のみに味、又は香りを添加することも可能である。例えば、動物が欲する鳥のササミや牛肉等の煮汁に第一容器2の全体、又は引出紐32のみを漬け込むことで、味又は香りを添加することもできる。これにより、特に引出紐32のみに味又は香りを付けると、その引出紐32に動物が執着し、より動物の興味を惹起させることが可能となる。
【0028】
更には、第一容器2を形成する円錐体23・23の内面に、動物が欲する味又は香り成分が塗布することも可能である。たとえば、蜂蜜や砂糖水等の甘い成分を塗布する。このように第一容器2を形成する円錐体23・23の内面に動物が欲する味又は香り成分を塗布することにより、動物はその第一容器2を噛み破って円錐体23の内面の成分を得たいという欲求を惹起することができる。
【0029】
上述のとおり、本実施形態の玩具1は高度な刺激を動物に与え、動物の興味を強く惹起することができる。これにより、例えば、動物だけで留守番をさせる場合、動物に玩具1を与えることにより、常に玩具1により高度に刺激されるため、動物は飽きることない。また、上記実施形態に記載した具体例は、すべて下記に記載する他の実施形態に組み合わせて適用可能である。
【0030】
次に本発明の第二実施形態を、図5を用いて説明する。図5(a)に示すように本実施形態においてシート21は方形をしている。方形のシート21の周縁には、フランジ部40が設けてあり、そのフランジ部40には、連結孔43が開けられている。また、このシート21は3個の正方形が横方向に連結されて、該正方形の中央部分に開口部30が設けられている。
【0031】
この方形のシート21を2個用いて玩具1を作成する。シート21・21を形成する3個の正方形の2箇所の連結部分を直角に曲げ、カタカナのコの字状にする。コの字状になったシート21・21を、コの字が密閉空間を形成するように対向させる。シート21・21の連結方法は連結孔43に連結紐31(図示せず)を通して縛り上げている。これにより、図5(b)に示すようなキューブ状の玩具1を形成することができる。
【0032】
本実施形態の玩具1においては、形状がキューブ状であるため、玩具1の転動がスムーズであることが特徴である。また、玩具1の内部に食品100を挿入した場合では、外部のどの角度からも玩具1内部の食品100が確認できるため、動物の食物獲得欲求を惹起させ、飽きることなく玩具1で遊ぶことが可能となる。
【0033】
次に本発明の第三実施形態を、図6を用いて説明する。図6(a)に示すように、本実施形態の玩具1は、ピローケース状の第一容器2の内部に同じくピローケース状の第二容器20が挿入されている。詳しくは、図6(b)に示されるように、第一容器2は大シート11、第二容器20はシート21で形成され、これらはミシン目Lで切り取り可能に連結されている。大シート11及びシート21は、図面において上部と下部が弓形に2箇所湾曲し、左右の真っ直ぐな辺にフランジ部40を有している。フランジ部40には連結孔43が開けられている。図示していないが、大シート11及びシート21には開口部30が設けてある。また、大シート11及びシート21の上部と下部の湾曲した曲線と相対した破線状の切り込み線が、大シート11及びシート21に設けてある。また、2箇所の湾曲部の連結部分には折り曲げ線が設けてある。大シート21及びシート21の上下の湾曲部にはそれぞれ連結孔43が設けてある。
【0034】
次に、本実施形態の玩具1の作り方を説明する。大シート11及びシート21をミシン目Lで切り離すと共にこれらの上下の湾曲部分を、破線の切り込み線に沿って直角に折り曲げておく。大シート11及びシート21の折り曲げ線に沿って、大シート11及びシート21を180度折り曲げる。
【0035】
まず、180度折り曲げた大シート11の内側にシート21を挿入する。連結紐31の一方に結び目を作っておく、連結紐31の他方を大シート11の上部の貫通孔44を通し、次に、シート21の上下の貫通孔45を貫通させる。最後に大シート11の下部の貫通孔44に連結紐31を通す。ここでいう、上部下部(上、下)とは、図6(b)における上下のことである。
【0036】
次に、シート21のフランジ部40・40同士を接しさせ、フランジ部40に設けられた連結孔43に連結紐31(図示せず)を用いて縛り上げる。これにより第二容器20が形成される。次に、同じように、大シート11のフランジ部40・40同士を接しさせ、フランジ部40に設けられた連結孔43に連結紐31(図示せず)を用いて縛り上げる。これにより第二容器20が内包された第1容器2が形成される。最後に、図6(a)第一容器2、及び第二容器20を貫通させた連結紐31の他端を縛り上げ、結び目を作る。これにより、第二容器20が連結紐31に支持されることになり、第二容器20が第一容器2の内部に浮く(持ち上がる)状態となる。
【0037】
これにより、玩具1が転動することにより、第二容器20が第一容器2と衝突して音が発生する。このように転動して音が発生することにより、動物の興味を惹起させ、飽きずに遊ばせることができる。また、第二容器20の内部、及び/又は第一容器2の内部にドックフード等の食品100を挿入することで、より、音が発生しやすくなる。よって、より動物の興味を惹起させることができる。更には、第二容器20のみに食品100を収納することにより、動物は第一容器2、及び第二容器20の二つを噛み破らなければならず、容易に食品100が入手できないことで、却って興味を惹起させることとなる。また、第二容器20のみに味や香りを染み込ませることにより、触れることが困難な第二容器20を得るために動物がより真剣に第一容器2を噛み破ろうとする。よって、より興味を惹起させることができる。
【0038】
また、本実施形態では、大シート11とシート21とを切り離さずに繋がったまま入れ子にして作成することも可能である。これにより、第二容器20が、第一容器2の端に繋がった状態で浮くことになる。この場合、紐31は連結孔44,46を貫通することになる。よって、第一容器2の内部の中心からずれて、第2容器20が位置することにより、より良く音が鳴らすことができる。
【0039】
次に本発明の第四実施形態を、図7を用いて説明する。本実施形態は、図7に示すように、2枚の円形のシート21の中央に設けた連結孔43が太く硬い連結紐31で連結されることで転動体50を形成している。転動体50の内側には、連結紐31を覆うように湾曲したシート状の食品取付部51が設けられている。この食品取付部51は断面が放物線状であり、放物線の上部が開放された形状となっている。これにより、この食品取付部51は連結紐31を中心に見ると偏芯した状態となる。この食品取付部51には、開口部30が設けられている。この開口部に、食品100を挿入して紐で結び付けることにより、食品100の自重により、食品は常に転動体50の下側に位置することになる。
【0040】
本実施形態においては動物が玩具1に接続された食品100を獲得しようとする度に食品100は捕食しにくい玩具1の下部に位置することになり、食物獲得本能を高度に刺激することができる。また、食品100の自重により、転動体50の重心位置が転動体50の中心より偏芯することにより、玩具1が回転して移動する際には、不規則な回転スピードで移動することにより、動物の捕食本能を刺激することができる。
【0041】
次に本発明の第五実施形態を、図8を用いて説明する。図8(a)は本実施形態の玩具1の外観図である。図8(b)は本実施形態の玩具の展開図である。この図8(b)に示すように、玩具1は、ひし形に切り抜かれた6個の開口部30と、開口部30と隣接する両外端が半ひし形に切り込まれた軸シート24と、該軸シート24の上下端に接続された2個の円形の円状シート25により構成されている。軸シート24におけるる円形シート25が接続されている辺には、上下8個の孔開きフランジ41が設けられている。この孔開きフランジ41の中央には、連結孔43が設けてある。軸シート24の半ひし形に切り込まれていない辺の部分には縁部42が4箇所設けられている。4箇所の縁部42にはそれぞれ連結孔43が2個設けてある。また、円状シート25の外周には8個の連結孔43と、略中央には大きめの窓35が設けられている。
【0042】
本実施形態の玩具1の作成方法を図8(b)を用いて説明する。まず、円状シート25を軸シート24との境界部分を支点に直角に折り曲げる。次に、図面上部の円状シート25の外周の連結孔43と、軸シート24の孔開きフランジ41の連結孔43とを連結紐31で交互に通して縛り上げていく。他の連結紐31の一端に結び目を作成する。この連結紐31の他端を図面上部の円状シート25中央の窓35を通す。さらに、図面下部の円状シート25中央の窓35に連結紐31を通す。軸シート24の内部に食品100を挿入する。次に、図面下部の円状シート25の外周の連結孔43と、軸シート24の孔開きフランジ41の連結孔43とを連結紐31で交互に通して縛り上げていく。最後に、円状シート25の中央を貫通させた連結紐31を強めに引っ張り、連結紐31の他端に結び目を作成する。
【0043】
この円状シート25の中央を貫通させた連結紐31の作用により、図8(a)に示すように、軸シート24に設けられたひし形の開口部30の開口面積を小さくすることができる。これにより、食品100を外部から取りだすことが困難になる。また、円状シート25の中央を貫通させた連結紐31を引っ張る程度により、食品100の取出しの難易度を調整することが可能となる。さらに、連結紐31を最大限引っ張ることで、一方の円状シート25側だけに食品100を偏らせることが可能となる。これにより、玩具1の転動が不規則になり、より興味を惹起させることができる。
【0044】
また図8(c)に示すように、玩具1の内部に骨状の大きめの食品100を挿入し、ひし形の開口部30の部分を外部から紐で括り上げることも可能である。この場合、円状シート25の部分を噛み切られたとしても、食品100が紐により軸シート24部分に固定されていることから、容易に食品100だけを取り出して食することができない。よって、動物の興味を長い時間維持させることが可能となる。
【0045】
次に本発明の第六実施形態を、図9を用いて説明する。図9(a)は本実施形態の外観図である。本実施形態は、図9(b)に示される円形シート21を12枚重ねることで形成されている。この円形シート21は円中央に中央連結孔43aと、円形シート21の周縁に16個の周縁連結孔43bと、円形シートの内側に大きさが異なる4つの開口部30a、30b、30c、30dを有している。
【0046】
本実施形態の玩具1はこの円形シート21を12枚重ね、中央連結孔43aに、一端に結び目を有した連結紐31を貫通させ、他端にも結び目を作成することで形成されている。そのときの側面図が図9(c)となる。このように、結び目があることにより、玩具1が斜めに置かれることになり、玩具1に動きを生じさせることができる。また、16個の周縁連結孔43bにも適宜連結紐31を貫通させ、締め上げている。
【0047】
本実施形態の場合、図9(a)に示す最上面の円形シート21と、最下面の円形シート21だけ、他の10枚の円形シート21と位相をずらすことにより、4個の開口部30a、30b、30c、30dの部分に空間を生じさせることができる。この空間に食品100を挿入することで、最上面、又は最下面の円形シート21を噛み破るか、中央連結43a又は周縁連結孔43bを貫通させた連結紐31を噛み切るかでないと空間の食品100を得ることができない。また、周縁連結孔43bを貫通させる連結紐31の数を調整することで、玩具1の食品100を得られる難易度を調整することが可能である。
【0048】
また、本実施形態において、最上部の円形シート21から最下段の円形シート21まで、少しだけ(例えば3度程度)位相をずらして配置することも可能である。そうすることによって、図9(d)に示すような玩具1の内部に斜めになった4つの空間が出現する。この斜めになった空間と同じような大きさの食品100を挿入することにより、最上部の円形シート21を噛み破ったとしても、空間内部の食品100が、他の円形シート21に引っかかって取り出すことが困難になる。つまりは、連結紐31をすべて噛み切るか、円形シート12の殆どを噛み切らなければ、空間内部の食品100を得ることができないという、非常に難易度の高い玩具1を提供することが可能になる。
【0049】
次に本発明の第七実施形態を、図10を用いて説明する。図10は本実施形態の外観図である。本実施形態は、シート21を円錐状に形成し、円錐の頂点部分と側面部に連結孔43を設けて、第一容器2を形成している。図10に示すように、6個の
第一容器2を側面部に設けた連結孔43(図示せず)に連結紐31(図示せず)を通して縛り上げている。また、円錐の頂点部分にある連結孔43に引出紐32を挿入し、対向する第一容器2から引出紐32を引き出している。この引出紐32は玩具1より引出して動かすことが可能である。この引出紐32の両端には食品100が固定されている。
【0050】
本実施形態の玩具の場合、引出紐32の一端に取り付けられた食品100を引っ張ることにより、他端に取り付けられた食品100が、第一容器2の内部に引き込まれてゆく。よって、この引き込まれた食品100を取り出すことが容易でなくなる。これにより、動物の興味を強く惹起することが可能になる。
【0051】
次に本発明の第八実施形態を、図11を用いて説明する。図11(a)は本実施形態の外観図である。また、図11(b)は本実施形態の第一容器2の展開図である。本実施形態は、図11(b)に示される第一容器2を三角錐状に組み上げ、その三角錐状の第一容器2を4つ組み合わせることで形成されている。第一容器2の組み上げ方や、第一容器2の4つを組み合わせる方法については上述の実施形態に準ずる。
【0052】
本実施形態の場合、4つの第一容器2のどれかに食品100を挿入しておけば、玩具1の重心がアンバランスになり、不規則に転動し、動物の興味を強く惹起することが可能になる。また、4個の三角錐を組み上げることにより、内部に三角錐の空間が出現する。この内部空間に食品100を挿入することにより、容易に食品100を入手することが困難であるため、動物の興味を強く惹起することが可能になる。
【0053】
次に本発明の第九実施形態を、図12を用いて説明する。図12は本実施形態9の玩具1の外観図である。本実施形態は、4個の半円筒形状のシート21が連結紐31によって、接続されている。詳しくは、半円筒形状のシート21の頂上付近に連結孔43が設けてあり、相対するシート21同士を連結紐31で接続している。この玩具1の内部空間の連結紐31に食品100が接続されている。
【0054】
本実施形態の玩具1においては、玩具1の内部空間に食品100が接続されているので、容易に食品100を取得することができない。また、この玩具1は周縁が半円筒形状に形成されているので、転動がステップ的になる。このステップ的な転動によって動物の興味を強く惹起させることが可能となる。
【0055】
上記各実施形態は組み合わせて実施することが可能である。状況に応じて味の代わりに香りを付与することも可能であり、また、香りの代わりに味を付与してもよい。紐31,32や孔の形は適宜変更が可能である。また、第三実施形態でのみ第一容器の中に第二容器を収納する例を例示したが、各実施形態においても第一容器の中に第二容器を収納しても構わない。また、3以上の容器を入れ子にすることも可能である。入れ子状態においてほぼ同形状で大きさの異なる容器を用いてもよいし、形状の全く異なる容器を互いに入れ子にすることも可能である。紐や容器を作成する材料としては、牛皮を適切に用いることができるが、牛皮以外の皮や、皮以外の歯ごたえのある可食材料を用いてもよい。また、ハチミツなどの上述の香り(匂い)は、上記シート21に付与する他、食品100や布に浸透させて容器2,20内に収納してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、犬や猫等の愛玩動物が遊びながらペットフード等を食する動物用可食玩具として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第一実施形態の玩具の外観図である。
【図2】第一実施形態のシートを示す平面図である。
【図3】第一実施形態の玩具の組み立て方を示す概略図である。
【図4】第一実施形態の玩具の他の使用例を示す外観図である。
【図5】第二実施形態の玩具を示す平面図と外観図である。
【図6】第三実施形態の玩具を示す展開図と外観図である。
【図7】第四実施形態の玩具を示す外観図である。
【図8】第五実施形態の玩具を示す外観図と展開図である。
【図9】第六実施形態の玩具を示す外観図、平面図、側面図である。
【図10】第七実施形態の玩具を示す概略図である。
【図11】第八実施形態の玩具を示す概略図と平面図である。
【図12】第九実施形態の玩具を示す概略図である。
【符号の説明】
【0058】
1 :動物用可食玩具
2 :第一容器
20:第二容器
21:シート
22:切欠部
23:円錐体
24:軸シート
25:円状シート
3 :紐
30:開口部
31:連結紐、31a:結び目
32:引出紐、32a:結び目
33:窓
40 :フランジ部
41:孔開きフランジ
42:縁部
43:連結孔
44、45、46:貫通孔
50:転動体
51:食品取付部
100:食品
L:切り取り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可食材料よりなるシート及び紐を備え、これらシートに形成した孔に紐を貫通させて形成した第一容器を備え、この第一容器には内部を見せるための窓を形成し及び/又は窓を形成可能である動物用可食玩具。
【請求項2】
前記第一容器に食品を固定するための紐を取り付け可能であることを特徴とする請求項1記載の動物用可食玩具。
【請求項3】
前記第一容器内に前記シート及び紐で作成した第二容器を紐及び/又はシートの一部を介して連結したことを特徴とする請求項1又は2記載の動物用可食玩具。
【請求項4】
可食材料よりなるシート及び紐を備え、これらシートに形成した孔に紐を貫通させて形成した転動体を備え、この転動体には偏心状態で食品を取り付け可能な食品取付部を有し、自重によりこの食品は転動体の下側に位置することとなることを特徴とする動物用可食玩具。
【請求項5】
可食材料よりなるシート及び紐を備え、これらシートに形成した孔に紐を貫通させて形成した複数の開口部を有する本体を形成し、2の開口部に両端に食品を固定する紐を貫通させ、貫通させた紐の一方を引くことによりこの紐の他端が開口部内に収納されることとなることを特徴とする動物用可食玩具。
【請求項6】
前記シートの端に前記紐を通してシート同士を連結するための孔開きフランジを備え、この孔開きフランジ同士の間を区切り、且つ角部を丸めたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の動物用可食玩具。
【請求項7】
前記紐の少なくとも一部に動物の好む味又は香りを添加したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の動物用可食玩具。
【請求項8】
前記容器の内側面に動物の好む味又は香りを添加したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の動物用可食玩具。
【請求項9】
前記可食材料が牛皮であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の動物用可食玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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