動物用箱罠の組み立て方法及び動物用箱罠
【課題】
ボルトやナットを使用せず、しかも工具も使用せずに短時間で簡単に組み立てることができる動物用箱罠を提供する。
【解決手段】
動物用箱罠(A)は、底部材(1)、側部材(2)、天部材(3)、ガイド部材(5)、落とし扉(6)及びトリガー装置を備えている。底部材(1)とガイド部材(5)はガイド部材(5)の挿通受具(54)に通される通し部材(7a)で底部材(1)を押さえることにより連結され、底部材(1)と側部材(2)は端辺部側でフック(23)を係合して連結され、ガイド部材(5)と側部材(2)はガイド部材(5)の挿通受具(54)に通される通し部材(7b)で側部材(2)を押さえることにより連結され、側部材(2)と天部材(3)は側部材(2)の挿通受具(24)間に通される通し部材(7c)で天部材(3)を押さえることにより連結されている。
ボルトやナットを使用せず、しかも工具も使用せずに短時間で簡単に組み立てることができる動物用箱罠を提供する。
【解決手段】
動物用箱罠(A)は、底部材(1)、側部材(2)、天部材(3)、ガイド部材(5)、落とし扉(6)及びトリガー装置を備えている。底部材(1)とガイド部材(5)はガイド部材(5)の挿通受具(54)に通される通し部材(7a)で底部材(1)を押さえることにより連結され、底部材(1)と側部材(2)は端辺部側でフック(23)を係合して連結され、ガイド部材(5)と側部材(2)はガイド部材(5)の挿通受具(54)に通される通し部材(7b)で側部材(2)を押さえることにより連結され、側部材(2)と天部材(3)は側部材(2)の挿通受具(24)間に通される通し部材(7c)で天部材(3)を押さえることにより連結されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動物用箱罠の組み立て方法及び動物用箱罠に関するものである。更に詳しくは、組み立て式の動物用箱罠を、ボルトやナットを使用せず、しかも工具も使用せずに短時間で簡単に組み立てることができる動物用箱罠の組み立て方法及び動物用箱罠に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的小さな捕獲獣(ウサギ、タヌキ等)から大きな捕獲獣(クマ、イノシシ等)までを捕獲できる罠として、箱罠(捕獲檻ともいう)が使用されている。このような箱罠としては、例えば本願発明者が出願している動物用箱罠がある(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された動物用箱罠は、両端側が開口した罠本体を備えている。罠本体は、底部材と、その両側に設けてある側部材及び上部を塞ぐ天部材を備えている。罠本体の両開口部には、縦方向にガイド部材が設けてあり、ガイド部材には落とし扉が取り付けてある。各落とし扉は、捕獲獣が罠本体内に入ったことを感知するトリガー装置によって落とされるようになっている。
【0004】
このような動物用箱罠は、一般に分解組み立てが可能な構造となっている。特許文献1に記載された動物用箱罠も明細書において具体的に説明はしていないが、分解組み立てが可能であり、罠本体を構成する各構成部材は要所でボルト・ナットを使用し互いに連結固定されるようになっている。そして、動物用箱罠は、各構成部材を分解した状態で仕掛ける場所まで運ばれ、現地で組み立てられている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−121077
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような箱罠を構成する各構成部材をボルト・ナットを使用し組み立てる構造の動物用箱罠には次のような課題があった。
すなわち、ボルト・ナットを使用した組み立て作業は、各構成部材の固定作業が細かな手先の作業となり、固定箇所も比較的多いので、組み立てに手間が掛かり比較的長時間を要していた。
【0007】
また、動物用箱罠が仕掛けられる場所は、土が露出した地面とは限らない。むしろ、草が生い茂ったり落ち葉が積層したようなところが多い。このため、組み立て作業中にボルトやナットを取り落とし、草や落ち葉にまぎれて紛失してしまったり、スパナ等の工具を落としてしまい、探すのに手間取って罠の組み立てが遅れるというようなことが頻繁に起こっていた。このように罠の仕掛け作業に時間がかかりすぎると、人のにおいが現場に残り、捕獲獣が警戒して近寄らなくなる。
本願発明者は、組み立てと分解作業をより短時間で簡単に行うことができる動物用箱罠の開発に取り組み、試行を重ね、本願発明を完成するに至った。
【0008】
(本発明の目的)
本発明は、組み立て式の動物用箱罠を短時間で簡単に組み立てることができる動物用箱罠の組み立て方法及び動物用箱罠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
動物用箱罠の組み立て方法であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結することを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法である。
【0010】
第2の発明にあっては、
動物用箱罠の組み立て方法であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、端辺部を係合させると共に、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結することを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法である。
【0011】
第3の発明にあっては、
底部材と、底部材の端辺部側に取り付けられる側部材と、各側部材の上部に取り付けられる天部材と、上記各構成部材で形成される開口部に取り付けられるガイド部材と、ガイド部材に昇降可能に取り付けられる落とし扉を備えた動物用箱罠の組み立て方法であって、
底部材とガイド部材を、ガイド部材の挿通部に通し部材を通して通し部材で底部材を押さえることにより連結するステップ、
底部材と側部材を、端辺部側で係合して連結するステップ、
ガイド部材と側部材を、ガイド部材の挿通部に通し部材を通して通し部材で側部材を押さえることにより連結するステップ、
各側部材と天部材を、各側部材の挿通部間に通し部材を通して通し部材で天部材を押さえることにより連結するステップ、
を含むことを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法である。
【0012】
第4の発明にあっては、
動物用箱罠であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠である。
【0013】
第5の発明にあっては、
動物用箱罠であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、端辺部を係合させると共に、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠である。
【0014】
第6の発明にあっては、
分解と組み立てができる動物用箱罠であって、
底部材と、
底部材の端辺部側に取り付けられる側部材と、
各側部材の上部に取り付けられる天部材と、
上記各構成部材で形成される開口部に取り付けられるガイド部材と、
ガイド部材に昇降可能に取り付けられる落とし扉と、
落とし扉を落とすトリガー装置と、
を備えており、
底部材とガイド部材は、ガイド部材の挿通部に通される通し部材で底部材を押さえることにより連結できるよう構成され、
底部材と側部材は、端辺部側で係合して連結できるよう構成され、
ガイド部材と側部材は、ガイド部材の挿通部に通される通し部材で側部材を押さえることにより連結できるよう構成され、
各側部材と天部材は、各側部材の挿通部間に通される通し部材で天部材を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠である。
【0015】
第7の発明にあっては、
底部材と側部材の端辺部側における係合は、側部材側に設けたフックを底部材側へ係合することにより行われるよう構成されると共に、フックを係合して側部材を底部材と直角に立てたときに側部材を停止させる停止手段が設けてあることを特徴とする、
第6の発明に係る動物用箱罠である。
【0016】
第8の発明にあっては、
分解と組み立てができる動物用箱罠であって、
底部材と、
底部材の端辺部側に取り付けられる側部材と、
各側部材の上部に取り付けられる天部材と、
底部材に対応する部分と各側部材に対応する部分を有するガイド部材と、
ガイド部材に昇降可能に取り付けられる落とし扉と、
落とし扉を落とすトリガー装置と、
を備えており、
底部材と側部材はガイド部材の上記それぞれに対応する部分の外側から当接し、天部材は側部材の上端部に取り付けて組み立てができるよう構成されていることを特徴とする、
動物用罠である。
【0017】
構成部材の端辺部を係合する手段としては、例えばフックと直棒の組み合わせ、フックとフックの組み合わせ等があるが、これらに限定されない。
【0018】
通し部材の形態は、構成部材を押さえる十分な強度を有していれば特に限定するものではない。例えば、丸棒、各棒等の棒状のもの、板状のもの、やや柔軟性のあるワイヤロープ状のもの等である。なお、柔軟性があるものの場合は、その端部を構成部材に括り付ける等の固定が必要となる。
【0019】
通し部材で構成部材を押さえるという表現は、必ずしも通し部材を構成部材に接触させ圧力をかけて押さえている状態に限定されるものではなく、例えば常態では隙間があり構成部材が動いたときに通し部材で止めることができるようになっている状態も含むものである。
【0020】
(作用)
本発明に係る動物用箱罠の作用を説明する。なお、ここでは、本発明の各構成要件のそれぞれに、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与し説明するが、この符号の付与は、あくまで説明の理解を助けるためであって各構成要件の上記各部への限定を意味するものではない。
【0021】
動物用箱罠は、次のように組み立てられる。
(1)底部材(1)とガイド部材(5)を連結する。具体的には、ガイド部材(5)の底部と底部材(1)を合わせ、ガイド部材(5)の挿通部(54,540)に通し部材(7a)を通し、通し部材(7a)で底部材(1)を押さえ、ガイド部材(5)から離れないようにする。
(2)底部材(1)と側部材(2)を連結する。具体的には、例えば側部材(2)の端辺部側にフック(23)を設けておき、底部材(1)の端辺部(11)に係合して連結する。なお、フック(23)を係合して側部材(2)を底部材(1)と直角に立てたときに側部材(2)を停止させる停止手段(21,13)が設けてあるものは、側部材(2)の角度が自動的に決まるので作業がしやすい。
【0022】
(3)ガイド部材(5)と側部材(2)を連結する。具体的には、底部材(1)と側部材(2)の連結を維持したままで、ガイド部材(5)の側部と側部材(2)を合わせ、ガイド部材(5)の挿通部(54,540)に通し部材(7b)を通し、通し部材(7b)で側部材(2)を押さえ、ガイド部材(5)から離れないようにする。
(4)各側部材(2)と天部材(3)を連結する。具体的には、各側部材(2)の間に天部材(3)を渡すようにして載せ、各側部材(2)の挿通部(24,25)間に通し部材(7c)を通し、通し部材(7c)で天部材(3)を押さえ、天部材(3)が各側部材(2)から離れないようにする。
【0023】
(5)ガイド部材(5)に落とし扉(6)を取り付ける。
(6)トリガー装置の構成部品を各構成部材の必要箇所に取り付ける。構成部品は、各構成部材の組み立て後に取り付けてもよいし、予め各構成部材に取り付けておいてもよい。
【0024】
上記組み立てにおいては、各構成部材同士を合わせ、あるいは係合し、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結するので、従来のようにボルトやナット、工具を使用することなく組み立てることができる。
また、底部材と側部材はガイド部材の上記それぞれに対応する部分の外側から当接し、天部材は側部材の上端部に取り付けて組み立てができるよう構成されているものは、作業方向が自然になり、組み立て作業が容易にできる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る動物用箱罠は、組み立てにあたって、各構成部材同士を合わせ、あるいは係合し、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結することができるので、従来のようにボルトやナット、工具も使用する必要がない。従って、それらを取り落として組み立て作業に支障を来すことがなく、通し部材を通す作業も容易にできるので、箱罠を短時間で簡単に組み立てることができる。
【0026】
また、底部材と側部材はガイド部材の上記それぞれに対応する部分の外側から当接し、天部材は側部材の上端部に取り付けて組み立てができるよう構成されている動物用箱罠は、作業方向が自然になり、組み立て作業が容易にできる。従って、箱罠を短時間で簡単に組み立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を図に示した実施例に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、本発明を明確にして理解しやすいようにするため、本発明の主要部ではないトリガー装置に関する説明及び図示は省略する。トリガー装置は、例えば特許文献1(特開2004−121077)に記載のトリガー装置など、箱罠内部への捕獲獣の侵入を感知し、落とし扉を落とすことができるものであれば各種構造のものが採用でき、その構造を特に限定するものではない。
【実施例】
【0028】
図1は本発明に係る箱罠の組み立てた状態を示す斜視図、
図2は箱罠の組み立ての手順を示し、底部材とガイド部材の連結方法を示す斜視説明図、
図3は箱罠の組み立ての手順を示し、底部材とガイド部材に対する側部材の連結方法を示す斜視説明図、
図4は箱罠の組み立ての手順を示し、側部材に対する天部材の連結方法と、ガイド部材に対する落とし扉の取り付け方法を示す斜視説明図である。
【0029】
図5は底部材と側部材及び天部材の係合、連結部の構造を示す説明図、
図6は図1におけるP1部分の拡大説明図、
図7は図1におけるP2部分の拡大説明図である。
【0030】
図8は底部材の構造を示す斜視図、
図9はガイド部材の構造を示す斜視図、
図10は側部材の構造を示す斜視図、
図11は天部材の構造を示す斜視図、
図12は通しロッドの斜視図、
図13は落とし扉の構造を示す斜視図である。
【0031】
動物用箱罠Aは、それぞれ鉄製の底部材1、底部材1の両端辺部側に取り付けられる側部材2、各側部材2の上部に取り付けられる天部材3、各構成部材で形成される開口部4に取り付けられるガイド部材5、ガイド部材5に昇降可能に取り付けられる落とし扉6及びそれらを組み立てるのに使用する通しロッド7a、7b、7cを備えており、分解と組み立てができるよう構成されている。なお、箱罠内部への捕獲獣の侵入を感知し落とし扉6を落とすトリガー装置は上記したように図示と説明を省略する。
まず、上記各構成部材の構造を図8ないし図13を参照してそれぞれ説明する。
【0032】
(底部材1)
図8を参照する。
底部材1は、棒状で長尺の鉄筋11と、同じく短尺の鉄筋12を縦横にそれぞれ所要数配し、溶接して長方形状に形成されている。
底部材1の幅方向の両端部寄りには、やや径大の鉄筋でつくられた停止部材13が溶接してある。各停止部材13は、最も外側に位置する長尺の鉄筋11aより内側に所要の距離をおいて平行に設けてある。なお、上記最も外側に位置する二本の鉄筋11aのみ他の鉄筋11と反対側の面(図5で下側)に設けてある。
【0033】
また、底部材1の長手方向の中央部で、幅方向の両端部には、位置決め補助部材14が溶接してある。位置決め補助部材14はごく短尺に形成され、短尺の鉄筋12と所要の隙間(後述する側部材2の短尺の鉄筋22の下端部であるフック23が通る隙間)を設けて平行に設けてある。
【0034】
(側部材2)
図10を参照する。
側部材2は、棒状で長尺の鉄筋21と、同じく短尺の鉄筋22を縦横にそれぞれ所要数配し、溶接して長方形状に形成されている。
組み立てたときに縦方向となる短尺の各鉄筋22の一端部(下端部)には、底部材1の端辺部の鉄筋11aに係合する手段となるフック23がそれぞれ形成されている。
【0035】
また、側部材2の幅方向の一端部(上端部)には、最も外側とその内側の長尺の鉄筋21の間に渡すようにして、挿通部を構成する挿通受具24が八箇所(設ける個数、位置は特に限定しない)に溶接してある。各挿通受具24の上端部は、最も外側の鉄筋21より上に突出しており、突出した部分には、後述する通しロッド7cを通す挿通孔25が設けてある。
【0036】
(天部材3)
図11を参照する。
天部材3は、棒状で長尺の鉄筋31と、同じく短尺の鉄筋32を縦横にそれぞれ所要数配し、溶接してほぼ長方形状に形成されている。最も外側の鉄筋31、32の両端部はやや短く形成されており、天部材3の四隅には切欠部33が形成されている。切欠部33は組み立てる際に後述するガイド部材5の側枠52を入れる部分となる。なお、切欠部33を形成する長尺の鉄筋31は他の鉄筋31と同じ長さに形成することもできる。
【0037】
また、天部材3の長手方向の中央部で、幅方向の両端部には、底部材1と同様に位置決め補助部材34が溶接してある。位置決め補助部材34はごく短尺に形成され、短尺の鉄筋32と所要の隙間(上記した側部材2の鉄筋22の上端部が通る隙間)を設けて平行に設けてある。
【0038】
(ガイド部材5)
図9を参照する。
ガイド部材5は、底枠51、側枠52及び中間枠53を有している。
底枠51は不等辺山形鋼で形成され、組み立て時において幅広部510が水平になり、幅狭部511が外側に位置し垂直になるようにしてある。底枠51の幅広部510の底面側には、長手方向をほぼ三等分する位置の二箇所に挿通部を構成する挿通受具54が設けてある。
【0039】
挿通受具54はL板で形成され、一方側の板を底枠51に溶接してある。溶接されていない側の板の中央には、上記した底部材1の最も外側の短尺の鉄筋12を嵌め込んで通すための溝部540が設けてある。挿通受具54の溝部540を挟む両側には、後述する通しロッド7aを挿通するための挿通孔541が設けてある。
【0040】
底枠51の両端部には側枠52がそれぞれ直角に設けてある。各側枠52の高さは、取り付けられる落とし扉6の高さの約1.7倍に設定されている。
側枠52は等辺山形鋼で形成され、角部を底枠51の両端外側の角部に合わせてある。各側枠52の外側の板520の内側には板520と所要の隙間522を設けて平行にガイド板521が溶接してある。この隙間522には、後述する落とし扉6の両側端部がスライド可能に差し込まれる。
【0041】
各側枠52の高さ方向の中間部よりやや上方には、中間枠53が水平に架設されている。中間枠53は等辺山形鋼で形成され、角部を内方下側にし、外側端辺部をガイド板521に当てて設けてある。
また、各側枠52の内側の板523の外面側には、下端部から中間枠53が設けてある高さまで、板523より幅広の側板524が溶接してある。側板524には、底枠51に設けてあるものと同じ挿通受具54が上下方向に所要間隔で四箇所に設けてある。
側板524に設けてある挿通受具54の挿通孔541には、後述する通しロッド7bが挿通される。
【0042】
また、板523の内面側のうち中間枠53のやや上方には内方へ水平に突出して安全装置55が設けてある(図6を主に参照)。安全装置55は、罠のセッティング作業中に、バネで付勢された支持ピン551を落とし扉6側へ突出させて、上昇位置にある落とし扉6を支えて安全を図るものである。なお、罠を仕掛けた状態では、支持ピン551を後退させて溝部550に係止し、落とし扉6の支持を外して、落とし扉6をトリガー部材(図示省略)のみで支えるようにする。
【0043】
(落とし扉6)
図13を参照する。
落とし扉6は、長方形状に枠組みされた基枠60を有している。基枠60は、それぞれ二本の不等辺山形鋼で形成された縦枠部材61と帯板で形成された横枠部材62で構成されている。両縦枠部材61間には、四本の柵板63が横枠部材62と平行に上下方向に等間隔になるよう両端を溶接して設けてある。最も下にある柵板63の中央には外方へ向け把手64が設けてある。
【0044】
また、両横枠部材62間の幅方向中央には、帯板でつくられたガイド板65が縦枠部材61と平行に設けてある。ガイド板65は、図示していないトリガー装置が作動し落とし扉6が落ちるとき及び落とし扉6を上昇させるときにトリガー部材を沿わせて落とし扉6の動きの支障にならないようにするものである。
【0045】
両横枠部材62間には、六本の柵棒66が各柵板63を貫通して幅方向に等間隔となるよう両端を溶接して設けてある。
なお、両縦枠部材61の外方へ突出した側の板の下端は斜めに切除されており、例えば組み立て作業者(狩猟者)が落とし扉6を誤って落として足等に接触した場合の危険性を緩和している。
【0046】
(通しロッド7a、7b、7c)
図12を参照する。
上記各部材の組み立てに使用される通しロッドは、通しロッド7a、7b、7cの三種類がある。
通しロッド7aは、底部材1とガイド部材5を連結するために使用されるもので、基端寄りを直角に曲げてL字状に形成し、全体としてはやや短尺に形成されている(図12(a)参照)。
【0047】
通しロッド7bは、側部材2とガイド部材5を連結するために使用されるもので、基端寄りを直角に曲げてL字状に形成し、全体としては上記通しロッド7aより長尺に形成されている(図12(b)参照)。
【0048】
通しロッド7cは、側部材2と天部材3を連結するために使用されるもので、基端寄りを直角に曲げてL字状に形成し、全体としては上記通しロッド7aより長尺に形成されている。また、通しロッド7cの基端部にはL板状の錠取付具70が溶接してある。錠取付具70の先部側は、ロッド部分の直角になった各構成部とそれぞれ直角となるよう設けてあり、その先部には通孔71が貫通して設けてある(図12(c)参照)。
【0049】
(作用)
次に、動物用箱罠Aを組み立てる方法を説明し、併せて組み立て後の動物用箱罠Aの細部の構造、作用について説明する。この説明では主に、図2、図3、図4を参照する。
【0050】
(1)底部材1と各ガイド部材5を連結する。具体的な手順は次のとおりである。図2に示すように底部材1を一方の長辺側を下にして立て、長手方向の両端部にそれぞれガイド部材5を配置する。そして、底部材1を各ガイド部材5の底枠51の外側(接地面側)に合わせるようにする。このとき、底部材1の短尺の鉄筋12を各ガイド部材5の底枠51に設けてある挿通受具54の溝部540に入れるようにして底部材1とガイド部材5を合わせる。底部材1の長尺の鉄筋11は挿通受具54の挿通孔541より底枠51寄りに位置する。この状態で、通しロッド7aを各挿通受具54の挿通孔541に通す。これにより、底部材1の各鉄筋11は通しロッド7aによって外れないように押さえられ、底部材1と各ガイド部材5は連結される(参考:図6)。
【0051】
(2)底部材1と各側部材2を連結する。具体的な手順を次のとおりである。図3に示すように、上記(1)の手順で組み合わせた底部材1と各ガイド部材5を起こし、各ガイド部材5を垂直に立てて据える。次に、各側部材2を外側へやや倒した状態で、端辺部側に設けてある各フック23を底部材1の端辺部の長尺の鉄筋11aに係合する。このとき、底部材1の両長辺側の中央に設けてある位置決め補助部材14で形成されている隙間に所要のフック23を入れて位置を合わせる。そして、その後各側部材2を回動させるようにして立てる。各側部材2は、側部材2の最も下側にある長尺の鉄筋21が底部材1の鉄筋12に乗り、停止部材13に外側から当たってほぼ垂直になったところで停止し、角度が自動的に決まるようになっている(図5を併せて参照)。なお、このようにフック23が鉄筋11aに係合し、鉄筋21が鉄筋12と停止部材13に当たって停止し、更に側部材2の角度が固定されている構造により、それら係合部は協働して強固に連結される。
【0052】
(3)側部材2を各ガイド部材5の側枠52の外側(外面側)に合わせるようにする。このとき、側部材2の短尺の鉄筋22を各ガイド部材5の側板524に設けてある挿通受具54の溝部540に入れるようにして各側部材2とガイド部材5を合わせる。側部材2の長尺の鉄筋21は挿通受具54の挿通孔541より側板524寄りに位置する。そして、この状態で、通しロッド7bを各挿通受具54の挿通孔541に通す。これにより、側部材2の各鉄筋21は通しロッド7bによって外れないように押さえられ、各側部材2と各ガイド部材5は連結される(図6を併せて参照)。なお、ここまでの組み立ては、上記に限定されず、例えば、底部材1に各側部材2を取り付けた後に各ガイド部材5を取り付けるようにする等、上記以外の順序で組み立てることもできる。
【0053】
(4)各側部材2と天部材3を連結する。具体的な手順は次のとおりである。図4に示すように、各側部材2の間に天部材3を渡すようにして載せ、天部材3の長辺部を各側部材2の上辺部の外側(上面側)に合わせるようにする。このとき、天部材3の両長辺側の中央に設けてある位置決め補助部材34で形成されている隙間を側部材2の各鉄筋22の上端部に嵌め入れて位置を合わせる。また、これにより、天部材3の四隅にある切欠部33はガイド部材5の各側枠52に嵌まる。
【0054】
そして、各側部材2の相対向する挿通受具24の挿通孔25にそれぞれ通しロッド7cを通し、錠取付具70の縦になった先部側を、側部材2の最も上側にある鉄筋21と天部材3の最も外側にある鉄筋31の間の隙間に入れる。なお、各通しロッド7cは、天部材3の長手方向において、交互に逆方向から通すようにする。
これにより、天部材3の長尺の各鉄筋31は通しロッド7cによって外れないように押さえられ、天部材3と各側部材2は連結される。また、通しロッド7cは長手方向に動くことができないので、捕獲獣がかかって暴れたときの振動や衝撃によって抜け外れることはない。なお、必要に応じて錠取付具70の通孔71に錠8を掛ける(図7を併せて参照)ことにより、動物用箱罠Aは分解ができなくなるので、動物用箱罠Aの盗難を防止することができる。
【0055】
(5)各ガイド部材5に落とし扉6を昇降自在に取り付ける。具体的には、落とし扉6を、把手64が外側に位置するようにして各縦枠部材61の端辺部を各ガイド枠5の側枠52のガイド板521で形成された隙間522に差し込んで取り付ける。各落とし扉6は、罠を仕掛けた状態では上昇位置にあり、開口部4を開けた状態にしてトリガー部材(図示省略)で支えられている。なお、図1はその状態を表したものである。
(6)上記各構成部材に取り付けられていたトリガー装置の各部をセッティングし、罠を仕掛ける。
【0056】
このように、本発明に係る動物用箱罠Aは、組み立てにあたって、各構成部材同士を合わせ、あるいは係合し、所要の構成部材に通される通しロッド7a、7b、7cで他の構成部材を押さえることにより連結することができるので、従来のようにボルトやナット、工具も使用する必要がなく、それらを取り落として組み立て作業に支障を来すこともないので、動物用箱罠Aを短時間で簡単に組み立てることができる。
【0057】
図14は底部材と側部材及び天部材の他の例を示し、その係合、連結部の構造を示す説明図、
図15は図14に示す例において側部材と天部材の係合、連結部の構造を示す斜視説明図である。
【0058】
図14に示す底部材1と天部材3は、短尺の鉄筋12、32の両端が下方へ曲げられており、作業者が衣服を引っ掛けたり怪我をすることを防止できるようにしてある。
また、上記通しロッド7cにおいては、錠取付具70の固着側をロッドの上面側に固着しているのに対し、図15に示している通しロッド7cでは、錠取付具70の固着側をロッドの下面側に固着している。
【0059】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る箱罠の組み立てた状態を示す斜視図。
【図2】箱罠の組み立ての手順を示し、底部材とガイド部材の連結方法を示す斜視説明図。
【図3】箱罠の組み立ての手順を示し、底部材とガイド部材に対する側部材の連結方法を示す斜視説明図。
【図4】箱罠の組み立ての手順を示し、側部材に対する天部材の連結方法と、ガイド部材に対する落とし扉の取り付け方法を示す斜視説明図。
【図5】底部材と側部材及び天部材の係合、連結部の構造を示す説明図。
【図6】図1におけるP1部分の拡大説明図。
【図7】図1におけるP2部分の拡大説明図。
【図8】底部材の構造を示す斜視図。
【図9】ガイド部材の構造を示す斜視図。
【図10】側部材の構造を示す斜視図。
【図11】天部材の構造を示す斜視図。
【図12】通しロッドの斜視図。
【図13】落とし扉の構造を示す斜視図。
【図14】底部材と側部材及び天部材の他の例を示し、その係合、連結部の構造を示す説明図。
【図15】図14に示す例において側部材と天部材の係合、連結部の構造を示す斜視説明図。
【符号の説明】
【0061】
A 動物用箱罠
1 底部材
11 長尺の鉄筋
11a 最も外側の鉄筋
12 短尺の鉄筋
13 停止部材
14 位置決め補助部材
2 側部材
21 長尺の鉄筋
22 短尺の鉄筋
23 フック
24 挿通受具
25 挿通孔
3 天部材
31 長尺の鉄筋
32 短尺の鉄筋
33 切欠部
34 位置決め補助部材
4 開口部
5 ガイド部材
51 底枠
510 幅広部
511 幅狭部
52 側枠
520 板
521 ガイド板
522 隙間
523 板
524 側板
53 中間枠
54 挿通受具
540 溝部
541 挿通孔
55 安全装置
550 溝部
551 支持ピン
6 落とし扉
60 基枠
61 縦枠部材
62 横枠部材
63 柵板
64 把手
65 ガイド板
66 柵棒
7a 通しロッド
7b 通しロッド
7c 通しロッド
70 錠取付具
71 通孔
8 錠
【技術分野】
【0001】
本発明は動物用箱罠の組み立て方法及び動物用箱罠に関するものである。更に詳しくは、組み立て式の動物用箱罠を、ボルトやナットを使用せず、しかも工具も使用せずに短時間で簡単に組み立てることができる動物用箱罠の組み立て方法及び動物用箱罠に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的小さな捕獲獣(ウサギ、タヌキ等)から大きな捕獲獣(クマ、イノシシ等)までを捕獲できる罠として、箱罠(捕獲檻ともいう)が使用されている。このような箱罠としては、例えば本願発明者が出願している動物用箱罠がある(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された動物用箱罠は、両端側が開口した罠本体を備えている。罠本体は、底部材と、その両側に設けてある側部材及び上部を塞ぐ天部材を備えている。罠本体の両開口部には、縦方向にガイド部材が設けてあり、ガイド部材には落とし扉が取り付けてある。各落とし扉は、捕獲獣が罠本体内に入ったことを感知するトリガー装置によって落とされるようになっている。
【0004】
このような動物用箱罠は、一般に分解組み立てが可能な構造となっている。特許文献1に記載された動物用箱罠も明細書において具体的に説明はしていないが、分解組み立てが可能であり、罠本体を構成する各構成部材は要所でボルト・ナットを使用し互いに連結固定されるようになっている。そして、動物用箱罠は、各構成部材を分解した状態で仕掛ける場所まで運ばれ、現地で組み立てられている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−121077
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような箱罠を構成する各構成部材をボルト・ナットを使用し組み立てる構造の動物用箱罠には次のような課題があった。
すなわち、ボルト・ナットを使用した組み立て作業は、各構成部材の固定作業が細かな手先の作業となり、固定箇所も比較的多いので、組み立てに手間が掛かり比較的長時間を要していた。
【0007】
また、動物用箱罠が仕掛けられる場所は、土が露出した地面とは限らない。むしろ、草が生い茂ったり落ち葉が積層したようなところが多い。このため、組み立て作業中にボルトやナットを取り落とし、草や落ち葉にまぎれて紛失してしまったり、スパナ等の工具を落としてしまい、探すのに手間取って罠の組み立てが遅れるというようなことが頻繁に起こっていた。このように罠の仕掛け作業に時間がかかりすぎると、人のにおいが現場に残り、捕獲獣が警戒して近寄らなくなる。
本願発明者は、組み立てと分解作業をより短時間で簡単に行うことができる動物用箱罠の開発に取り組み、試行を重ね、本願発明を完成するに至った。
【0008】
(本発明の目的)
本発明は、組み立て式の動物用箱罠を短時間で簡単に組み立てることができる動物用箱罠の組み立て方法及び動物用箱罠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
動物用箱罠の組み立て方法であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結することを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法である。
【0010】
第2の発明にあっては、
動物用箱罠の組み立て方法であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、端辺部を係合させると共に、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結することを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法である。
【0011】
第3の発明にあっては、
底部材と、底部材の端辺部側に取り付けられる側部材と、各側部材の上部に取り付けられる天部材と、上記各構成部材で形成される開口部に取り付けられるガイド部材と、ガイド部材に昇降可能に取り付けられる落とし扉を備えた動物用箱罠の組み立て方法であって、
底部材とガイド部材を、ガイド部材の挿通部に通し部材を通して通し部材で底部材を押さえることにより連結するステップ、
底部材と側部材を、端辺部側で係合して連結するステップ、
ガイド部材と側部材を、ガイド部材の挿通部に通し部材を通して通し部材で側部材を押さえることにより連結するステップ、
各側部材と天部材を、各側部材の挿通部間に通し部材を通して通し部材で天部材を押さえることにより連結するステップ、
を含むことを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法である。
【0012】
第4の発明にあっては、
動物用箱罠であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠である。
【0013】
第5の発明にあっては、
動物用箱罠であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、端辺部を係合させると共に、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠である。
【0014】
第6の発明にあっては、
分解と組み立てができる動物用箱罠であって、
底部材と、
底部材の端辺部側に取り付けられる側部材と、
各側部材の上部に取り付けられる天部材と、
上記各構成部材で形成される開口部に取り付けられるガイド部材と、
ガイド部材に昇降可能に取り付けられる落とし扉と、
落とし扉を落とすトリガー装置と、
を備えており、
底部材とガイド部材は、ガイド部材の挿通部に通される通し部材で底部材を押さえることにより連結できるよう構成され、
底部材と側部材は、端辺部側で係合して連結できるよう構成され、
ガイド部材と側部材は、ガイド部材の挿通部に通される通し部材で側部材を押さえることにより連結できるよう構成され、
各側部材と天部材は、各側部材の挿通部間に通される通し部材で天部材を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠である。
【0015】
第7の発明にあっては、
底部材と側部材の端辺部側における係合は、側部材側に設けたフックを底部材側へ係合することにより行われるよう構成されると共に、フックを係合して側部材を底部材と直角に立てたときに側部材を停止させる停止手段が設けてあることを特徴とする、
第6の発明に係る動物用箱罠である。
【0016】
第8の発明にあっては、
分解と組み立てができる動物用箱罠であって、
底部材と、
底部材の端辺部側に取り付けられる側部材と、
各側部材の上部に取り付けられる天部材と、
底部材に対応する部分と各側部材に対応する部分を有するガイド部材と、
ガイド部材に昇降可能に取り付けられる落とし扉と、
落とし扉を落とすトリガー装置と、
を備えており、
底部材と側部材はガイド部材の上記それぞれに対応する部分の外側から当接し、天部材は側部材の上端部に取り付けて組み立てができるよう構成されていることを特徴とする、
動物用罠である。
【0017】
構成部材の端辺部を係合する手段としては、例えばフックと直棒の組み合わせ、フックとフックの組み合わせ等があるが、これらに限定されない。
【0018】
通し部材の形態は、構成部材を押さえる十分な強度を有していれば特に限定するものではない。例えば、丸棒、各棒等の棒状のもの、板状のもの、やや柔軟性のあるワイヤロープ状のもの等である。なお、柔軟性があるものの場合は、その端部を構成部材に括り付ける等の固定が必要となる。
【0019】
通し部材で構成部材を押さえるという表現は、必ずしも通し部材を構成部材に接触させ圧力をかけて押さえている状態に限定されるものではなく、例えば常態では隙間があり構成部材が動いたときに通し部材で止めることができるようになっている状態も含むものである。
【0020】
(作用)
本発明に係る動物用箱罠の作用を説明する。なお、ここでは、本発明の各構成要件のそれぞれに、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与し説明するが、この符号の付与は、あくまで説明の理解を助けるためであって各構成要件の上記各部への限定を意味するものではない。
【0021】
動物用箱罠は、次のように組み立てられる。
(1)底部材(1)とガイド部材(5)を連結する。具体的には、ガイド部材(5)の底部と底部材(1)を合わせ、ガイド部材(5)の挿通部(54,540)に通し部材(7a)を通し、通し部材(7a)で底部材(1)を押さえ、ガイド部材(5)から離れないようにする。
(2)底部材(1)と側部材(2)を連結する。具体的には、例えば側部材(2)の端辺部側にフック(23)を設けておき、底部材(1)の端辺部(11)に係合して連結する。なお、フック(23)を係合して側部材(2)を底部材(1)と直角に立てたときに側部材(2)を停止させる停止手段(21,13)が設けてあるものは、側部材(2)の角度が自動的に決まるので作業がしやすい。
【0022】
(3)ガイド部材(5)と側部材(2)を連結する。具体的には、底部材(1)と側部材(2)の連結を維持したままで、ガイド部材(5)の側部と側部材(2)を合わせ、ガイド部材(5)の挿通部(54,540)に通し部材(7b)を通し、通し部材(7b)で側部材(2)を押さえ、ガイド部材(5)から離れないようにする。
(4)各側部材(2)と天部材(3)を連結する。具体的には、各側部材(2)の間に天部材(3)を渡すようにして載せ、各側部材(2)の挿通部(24,25)間に通し部材(7c)を通し、通し部材(7c)で天部材(3)を押さえ、天部材(3)が各側部材(2)から離れないようにする。
【0023】
(5)ガイド部材(5)に落とし扉(6)を取り付ける。
(6)トリガー装置の構成部品を各構成部材の必要箇所に取り付ける。構成部品は、各構成部材の組み立て後に取り付けてもよいし、予め各構成部材に取り付けておいてもよい。
【0024】
上記組み立てにおいては、各構成部材同士を合わせ、あるいは係合し、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結するので、従来のようにボルトやナット、工具を使用することなく組み立てることができる。
また、底部材と側部材はガイド部材の上記それぞれに対応する部分の外側から当接し、天部材は側部材の上端部に取り付けて組み立てができるよう構成されているものは、作業方向が自然になり、組み立て作業が容易にできる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る動物用箱罠は、組み立てにあたって、各構成部材同士を合わせ、あるいは係合し、所要の構成部材に通される通し部材で他の構成部材を押さえることにより連結することができるので、従来のようにボルトやナット、工具も使用する必要がない。従って、それらを取り落として組み立て作業に支障を来すことがなく、通し部材を通す作業も容易にできるので、箱罠を短時間で簡単に組み立てることができる。
【0026】
また、底部材と側部材はガイド部材の上記それぞれに対応する部分の外側から当接し、天部材は側部材の上端部に取り付けて組み立てができるよう構成されている動物用箱罠は、作業方向が自然になり、組み立て作業が容易にできる。従って、箱罠を短時間で簡単に組み立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を図に示した実施例に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、本発明を明確にして理解しやすいようにするため、本発明の主要部ではないトリガー装置に関する説明及び図示は省略する。トリガー装置は、例えば特許文献1(特開2004−121077)に記載のトリガー装置など、箱罠内部への捕獲獣の侵入を感知し、落とし扉を落とすことができるものであれば各種構造のものが採用でき、その構造を特に限定するものではない。
【実施例】
【0028】
図1は本発明に係る箱罠の組み立てた状態を示す斜視図、
図2は箱罠の組み立ての手順を示し、底部材とガイド部材の連結方法を示す斜視説明図、
図3は箱罠の組み立ての手順を示し、底部材とガイド部材に対する側部材の連結方法を示す斜視説明図、
図4は箱罠の組み立ての手順を示し、側部材に対する天部材の連結方法と、ガイド部材に対する落とし扉の取り付け方法を示す斜視説明図である。
【0029】
図5は底部材と側部材及び天部材の係合、連結部の構造を示す説明図、
図6は図1におけるP1部分の拡大説明図、
図7は図1におけるP2部分の拡大説明図である。
【0030】
図8は底部材の構造を示す斜視図、
図9はガイド部材の構造を示す斜視図、
図10は側部材の構造を示す斜視図、
図11は天部材の構造を示す斜視図、
図12は通しロッドの斜視図、
図13は落とし扉の構造を示す斜視図である。
【0031】
動物用箱罠Aは、それぞれ鉄製の底部材1、底部材1の両端辺部側に取り付けられる側部材2、各側部材2の上部に取り付けられる天部材3、各構成部材で形成される開口部4に取り付けられるガイド部材5、ガイド部材5に昇降可能に取り付けられる落とし扉6及びそれらを組み立てるのに使用する通しロッド7a、7b、7cを備えており、分解と組み立てができるよう構成されている。なお、箱罠内部への捕獲獣の侵入を感知し落とし扉6を落とすトリガー装置は上記したように図示と説明を省略する。
まず、上記各構成部材の構造を図8ないし図13を参照してそれぞれ説明する。
【0032】
(底部材1)
図8を参照する。
底部材1は、棒状で長尺の鉄筋11と、同じく短尺の鉄筋12を縦横にそれぞれ所要数配し、溶接して長方形状に形成されている。
底部材1の幅方向の両端部寄りには、やや径大の鉄筋でつくられた停止部材13が溶接してある。各停止部材13は、最も外側に位置する長尺の鉄筋11aより内側に所要の距離をおいて平行に設けてある。なお、上記最も外側に位置する二本の鉄筋11aのみ他の鉄筋11と反対側の面(図5で下側)に設けてある。
【0033】
また、底部材1の長手方向の中央部で、幅方向の両端部には、位置決め補助部材14が溶接してある。位置決め補助部材14はごく短尺に形成され、短尺の鉄筋12と所要の隙間(後述する側部材2の短尺の鉄筋22の下端部であるフック23が通る隙間)を設けて平行に設けてある。
【0034】
(側部材2)
図10を参照する。
側部材2は、棒状で長尺の鉄筋21と、同じく短尺の鉄筋22を縦横にそれぞれ所要数配し、溶接して長方形状に形成されている。
組み立てたときに縦方向となる短尺の各鉄筋22の一端部(下端部)には、底部材1の端辺部の鉄筋11aに係合する手段となるフック23がそれぞれ形成されている。
【0035】
また、側部材2の幅方向の一端部(上端部)には、最も外側とその内側の長尺の鉄筋21の間に渡すようにして、挿通部を構成する挿通受具24が八箇所(設ける個数、位置は特に限定しない)に溶接してある。各挿通受具24の上端部は、最も外側の鉄筋21より上に突出しており、突出した部分には、後述する通しロッド7cを通す挿通孔25が設けてある。
【0036】
(天部材3)
図11を参照する。
天部材3は、棒状で長尺の鉄筋31と、同じく短尺の鉄筋32を縦横にそれぞれ所要数配し、溶接してほぼ長方形状に形成されている。最も外側の鉄筋31、32の両端部はやや短く形成されており、天部材3の四隅には切欠部33が形成されている。切欠部33は組み立てる際に後述するガイド部材5の側枠52を入れる部分となる。なお、切欠部33を形成する長尺の鉄筋31は他の鉄筋31と同じ長さに形成することもできる。
【0037】
また、天部材3の長手方向の中央部で、幅方向の両端部には、底部材1と同様に位置決め補助部材34が溶接してある。位置決め補助部材34はごく短尺に形成され、短尺の鉄筋32と所要の隙間(上記した側部材2の鉄筋22の上端部が通る隙間)を設けて平行に設けてある。
【0038】
(ガイド部材5)
図9を参照する。
ガイド部材5は、底枠51、側枠52及び中間枠53を有している。
底枠51は不等辺山形鋼で形成され、組み立て時において幅広部510が水平になり、幅狭部511が外側に位置し垂直になるようにしてある。底枠51の幅広部510の底面側には、長手方向をほぼ三等分する位置の二箇所に挿通部を構成する挿通受具54が設けてある。
【0039】
挿通受具54はL板で形成され、一方側の板を底枠51に溶接してある。溶接されていない側の板の中央には、上記した底部材1の最も外側の短尺の鉄筋12を嵌め込んで通すための溝部540が設けてある。挿通受具54の溝部540を挟む両側には、後述する通しロッド7aを挿通するための挿通孔541が設けてある。
【0040】
底枠51の両端部には側枠52がそれぞれ直角に設けてある。各側枠52の高さは、取り付けられる落とし扉6の高さの約1.7倍に設定されている。
側枠52は等辺山形鋼で形成され、角部を底枠51の両端外側の角部に合わせてある。各側枠52の外側の板520の内側には板520と所要の隙間522を設けて平行にガイド板521が溶接してある。この隙間522には、後述する落とし扉6の両側端部がスライド可能に差し込まれる。
【0041】
各側枠52の高さ方向の中間部よりやや上方には、中間枠53が水平に架設されている。中間枠53は等辺山形鋼で形成され、角部を内方下側にし、外側端辺部をガイド板521に当てて設けてある。
また、各側枠52の内側の板523の外面側には、下端部から中間枠53が設けてある高さまで、板523より幅広の側板524が溶接してある。側板524には、底枠51に設けてあるものと同じ挿通受具54が上下方向に所要間隔で四箇所に設けてある。
側板524に設けてある挿通受具54の挿通孔541には、後述する通しロッド7bが挿通される。
【0042】
また、板523の内面側のうち中間枠53のやや上方には内方へ水平に突出して安全装置55が設けてある(図6を主に参照)。安全装置55は、罠のセッティング作業中に、バネで付勢された支持ピン551を落とし扉6側へ突出させて、上昇位置にある落とし扉6を支えて安全を図るものである。なお、罠を仕掛けた状態では、支持ピン551を後退させて溝部550に係止し、落とし扉6の支持を外して、落とし扉6をトリガー部材(図示省略)のみで支えるようにする。
【0043】
(落とし扉6)
図13を参照する。
落とし扉6は、長方形状に枠組みされた基枠60を有している。基枠60は、それぞれ二本の不等辺山形鋼で形成された縦枠部材61と帯板で形成された横枠部材62で構成されている。両縦枠部材61間には、四本の柵板63が横枠部材62と平行に上下方向に等間隔になるよう両端を溶接して設けてある。最も下にある柵板63の中央には外方へ向け把手64が設けてある。
【0044】
また、両横枠部材62間の幅方向中央には、帯板でつくられたガイド板65が縦枠部材61と平行に設けてある。ガイド板65は、図示していないトリガー装置が作動し落とし扉6が落ちるとき及び落とし扉6を上昇させるときにトリガー部材を沿わせて落とし扉6の動きの支障にならないようにするものである。
【0045】
両横枠部材62間には、六本の柵棒66が各柵板63を貫通して幅方向に等間隔となるよう両端を溶接して設けてある。
なお、両縦枠部材61の外方へ突出した側の板の下端は斜めに切除されており、例えば組み立て作業者(狩猟者)が落とし扉6を誤って落として足等に接触した場合の危険性を緩和している。
【0046】
(通しロッド7a、7b、7c)
図12を参照する。
上記各部材の組み立てに使用される通しロッドは、通しロッド7a、7b、7cの三種類がある。
通しロッド7aは、底部材1とガイド部材5を連結するために使用されるもので、基端寄りを直角に曲げてL字状に形成し、全体としてはやや短尺に形成されている(図12(a)参照)。
【0047】
通しロッド7bは、側部材2とガイド部材5を連結するために使用されるもので、基端寄りを直角に曲げてL字状に形成し、全体としては上記通しロッド7aより長尺に形成されている(図12(b)参照)。
【0048】
通しロッド7cは、側部材2と天部材3を連結するために使用されるもので、基端寄りを直角に曲げてL字状に形成し、全体としては上記通しロッド7aより長尺に形成されている。また、通しロッド7cの基端部にはL板状の錠取付具70が溶接してある。錠取付具70の先部側は、ロッド部分の直角になった各構成部とそれぞれ直角となるよう設けてあり、その先部には通孔71が貫通して設けてある(図12(c)参照)。
【0049】
(作用)
次に、動物用箱罠Aを組み立てる方法を説明し、併せて組み立て後の動物用箱罠Aの細部の構造、作用について説明する。この説明では主に、図2、図3、図4を参照する。
【0050】
(1)底部材1と各ガイド部材5を連結する。具体的な手順は次のとおりである。図2に示すように底部材1を一方の長辺側を下にして立て、長手方向の両端部にそれぞれガイド部材5を配置する。そして、底部材1を各ガイド部材5の底枠51の外側(接地面側)に合わせるようにする。このとき、底部材1の短尺の鉄筋12を各ガイド部材5の底枠51に設けてある挿通受具54の溝部540に入れるようにして底部材1とガイド部材5を合わせる。底部材1の長尺の鉄筋11は挿通受具54の挿通孔541より底枠51寄りに位置する。この状態で、通しロッド7aを各挿通受具54の挿通孔541に通す。これにより、底部材1の各鉄筋11は通しロッド7aによって外れないように押さえられ、底部材1と各ガイド部材5は連結される(参考:図6)。
【0051】
(2)底部材1と各側部材2を連結する。具体的な手順を次のとおりである。図3に示すように、上記(1)の手順で組み合わせた底部材1と各ガイド部材5を起こし、各ガイド部材5を垂直に立てて据える。次に、各側部材2を外側へやや倒した状態で、端辺部側に設けてある各フック23を底部材1の端辺部の長尺の鉄筋11aに係合する。このとき、底部材1の両長辺側の中央に設けてある位置決め補助部材14で形成されている隙間に所要のフック23を入れて位置を合わせる。そして、その後各側部材2を回動させるようにして立てる。各側部材2は、側部材2の最も下側にある長尺の鉄筋21が底部材1の鉄筋12に乗り、停止部材13に外側から当たってほぼ垂直になったところで停止し、角度が自動的に決まるようになっている(図5を併せて参照)。なお、このようにフック23が鉄筋11aに係合し、鉄筋21が鉄筋12と停止部材13に当たって停止し、更に側部材2の角度が固定されている構造により、それら係合部は協働して強固に連結される。
【0052】
(3)側部材2を各ガイド部材5の側枠52の外側(外面側)に合わせるようにする。このとき、側部材2の短尺の鉄筋22を各ガイド部材5の側板524に設けてある挿通受具54の溝部540に入れるようにして各側部材2とガイド部材5を合わせる。側部材2の長尺の鉄筋21は挿通受具54の挿通孔541より側板524寄りに位置する。そして、この状態で、通しロッド7bを各挿通受具54の挿通孔541に通す。これにより、側部材2の各鉄筋21は通しロッド7bによって外れないように押さえられ、各側部材2と各ガイド部材5は連結される(図6を併せて参照)。なお、ここまでの組み立ては、上記に限定されず、例えば、底部材1に各側部材2を取り付けた後に各ガイド部材5を取り付けるようにする等、上記以外の順序で組み立てることもできる。
【0053】
(4)各側部材2と天部材3を連結する。具体的な手順は次のとおりである。図4に示すように、各側部材2の間に天部材3を渡すようにして載せ、天部材3の長辺部を各側部材2の上辺部の外側(上面側)に合わせるようにする。このとき、天部材3の両長辺側の中央に設けてある位置決め補助部材34で形成されている隙間を側部材2の各鉄筋22の上端部に嵌め入れて位置を合わせる。また、これにより、天部材3の四隅にある切欠部33はガイド部材5の各側枠52に嵌まる。
【0054】
そして、各側部材2の相対向する挿通受具24の挿通孔25にそれぞれ通しロッド7cを通し、錠取付具70の縦になった先部側を、側部材2の最も上側にある鉄筋21と天部材3の最も外側にある鉄筋31の間の隙間に入れる。なお、各通しロッド7cは、天部材3の長手方向において、交互に逆方向から通すようにする。
これにより、天部材3の長尺の各鉄筋31は通しロッド7cによって外れないように押さえられ、天部材3と各側部材2は連結される。また、通しロッド7cは長手方向に動くことができないので、捕獲獣がかかって暴れたときの振動や衝撃によって抜け外れることはない。なお、必要に応じて錠取付具70の通孔71に錠8を掛ける(図7を併せて参照)ことにより、動物用箱罠Aは分解ができなくなるので、動物用箱罠Aの盗難を防止することができる。
【0055】
(5)各ガイド部材5に落とし扉6を昇降自在に取り付ける。具体的には、落とし扉6を、把手64が外側に位置するようにして各縦枠部材61の端辺部を各ガイド枠5の側枠52のガイド板521で形成された隙間522に差し込んで取り付ける。各落とし扉6は、罠を仕掛けた状態では上昇位置にあり、開口部4を開けた状態にしてトリガー部材(図示省略)で支えられている。なお、図1はその状態を表したものである。
(6)上記各構成部材に取り付けられていたトリガー装置の各部をセッティングし、罠を仕掛ける。
【0056】
このように、本発明に係る動物用箱罠Aは、組み立てにあたって、各構成部材同士を合わせ、あるいは係合し、所要の構成部材に通される通しロッド7a、7b、7cで他の構成部材を押さえることにより連結することができるので、従来のようにボルトやナット、工具も使用する必要がなく、それらを取り落として組み立て作業に支障を来すこともないので、動物用箱罠Aを短時間で簡単に組み立てることができる。
【0057】
図14は底部材と側部材及び天部材の他の例を示し、その係合、連結部の構造を示す説明図、
図15は図14に示す例において側部材と天部材の係合、連結部の構造を示す斜視説明図である。
【0058】
図14に示す底部材1と天部材3は、短尺の鉄筋12、32の両端が下方へ曲げられており、作業者が衣服を引っ掛けたり怪我をすることを防止できるようにしてある。
また、上記通しロッド7cにおいては、錠取付具70の固着側をロッドの上面側に固着しているのに対し、図15に示している通しロッド7cでは、錠取付具70の固着側をロッドの下面側に固着している。
【0059】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る箱罠の組み立てた状態を示す斜視図。
【図2】箱罠の組み立ての手順を示し、底部材とガイド部材の連結方法を示す斜視説明図。
【図3】箱罠の組み立ての手順を示し、底部材とガイド部材に対する側部材の連結方法を示す斜視説明図。
【図4】箱罠の組み立ての手順を示し、側部材に対する天部材の連結方法と、ガイド部材に対する落とし扉の取り付け方法を示す斜視説明図。
【図5】底部材と側部材及び天部材の係合、連結部の構造を示す説明図。
【図6】図1におけるP1部分の拡大説明図。
【図7】図1におけるP2部分の拡大説明図。
【図8】底部材の構造を示す斜視図。
【図9】ガイド部材の構造を示す斜視図。
【図10】側部材の構造を示す斜視図。
【図11】天部材の構造を示す斜視図。
【図12】通しロッドの斜視図。
【図13】落とし扉の構造を示す斜視図。
【図14】底部材と側部材及び天部材の他の例を示し、その係合、連結部の構造を示す説明図。
【図15】図14に示す例において側部材と天部材の係合、連結部の構造を示す斜視説明図。
【符号の説明】
【0061】
A 動物用箱罠
1 底部材
11 長尺の鉄筋
11a 最も外側の鉄筋
12 短尺の鉄筋
13 停止部材
14 位置決め補助部材
2 側部材
21 長尺の鉄筋
22 短尺の鉄筋
23 フック
24 挿通受具
25 挿通孔
3 天部材
31 長尺の鉄筋
32 短尺の鉄筋
33 切欠部
34 位置決め補助部材
4 開口部
5 ガイド部材
51 底枠
510 幅広部
511 幅狭部
52 側枠
520 板
521 ガイド板
522 隙間
523 板
524 側板
53 中間枠
54 挿通受具
540 溝部
541 挿通孔
55 安全装置
550 溝部
551 支持ピン
6 落とし扉
60 基枠
61 縦枠部材
62 横枠部材
63 柵板
64 把手
65 ガイド板
66 柵棒
7a 通しロッド
7b 通しロッド
7c 通しロッド
70 錠取付具
71 通孔
8 錠
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物用箱罠の組み立て方法であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、所要の構成部材(2,5)に通される通し部材(7a,7b,7c)で他の構成部材(1,2,3)を押さえることにより連結することを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法。
【請求項2】
動物用箱罠の組み立て方法であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、端辺部を係合させると共に、所要の構成部材(2,5)に通される通し部材(7a,7b,7c)で他の構成部材(1,2,3)を押さえることにより連結することを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法。
【請求項3】
底部材(1)と、底部材(1)の端辺部側に取り付けられる側部材(2)と、各側部材(2)の上部に取り付けられる天部材(3)と、上記各構成部材(1,2,3)で形成される開口部(4)に取り付けられるガイド部材(5)と、ガイド部材(5)に昇降可能に取り付けられる落とし扉(6)を備えた動物用箱罠の組み立て方法であって、
底部材(1)とガイド部材(5)を、ガイド部材(5)の挿通部(54,541)に通し部材(7a)を通して通し部材(7a)で底部材(1)を押さえることにより連結するステップ、
底部材(1)と側部材(2)を、端辺部側で係合して連結するステップ、
ガイド部材(5)と側部材(2)を、ガイド部材(5)の挿通部(54,541)に通し部材(7b)を通して通し部材(7b)で側部材(2)を押さえることにより連結するステップ、
各側部材(2)と天部材(3)を、各側部材(2)の挿通部(24,25)間に通し部材(7c)を通して通し部材(7c)で天部材(3)を押さえることにより連結するステップ、
を含むことを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法。
【請求項4】
動物用箱罠であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、所要の構成部材(2,5)に通される通し部材(7a,7b,7c)で他の構成部材(1,2,3)を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠。
【請求項5】
動物用箱罠であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、端辺部を係合させると共に、所要の構成部材(2,5)に通される通し部材(7a,7b,7c)で他の構成部材(1,2,3)を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠。
【請求項6】
分解と組み立てができる動物用箱罠であって、
底部材(1)と、
底部材(1)の端辺部側に取り付けられる側部材(2)と、
各側部材(2)の上部に取り付けられる天部材(3)と、
上記各構成部材(1,2,3)で形成される開口部(4)に取り付けられるガイド部材(5)と、
ガイド部材(5)に昇降可能に取り付けられる落とし扉(6)と、
落とし扉(6)を落とすトリガー装置と、
を備えており、
底部材(1)とガイド部材(5)は、ガイド部材(5)の挿通部(54,541)に通される通し部材(7a)で底部材(1)を押さえることにより連結できるよう構成され、
底部材(1)と側部材(2)は、端辺部側で係合して連結できるよう構成され、
ガイド部材(5)と側部材(2)は、ガイド部材(5)の挿通部(54,541)に通される通し部材(7b)で側部材(2)を押さえることにより連結できるよう構成され、
各側部材(2)と天部材(3)は、各側部材(2)の挿通部(24,25)間に通される通し部材(7c)で天部材(3)を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠。
【請求項7】
底部材(1)と側部材(2)の端辺部側における係合は、側部材(2)側に設けたフック(23)を底部材(1)側へ係合することにより行われるよう構成されると共に、フック(23)を係合して側部材(2)を底部材(1)と直角に立てたときに側部材(2)を停止させる停止手段(21,13)が設けてあることを特徴とする、
請求項6記載の動物用箱罠。
【請求項8】
分解と組み立てができる動物用箱罠であって、
底部材(1)と、
底部材(1)の両端辺部側に対向して取り付けられる側部材(2)と、
各側部材(2)の上部に取り付けられる天部材(3)と、
底部材(1)に対応する部分(51)と各側部材(2)に対応する部分(52)を有するガイド部材(5)と、
ガイド部材(5)に昇降可能に取り付けられる落とし扉(6)と、
落とし扉(6)を落とすトリガー装置と、
を備えており、
底部材(1)と側部材(2)はガイド部材(5)の上記それぞれに対応する部分(51,52)の外側から当接し、天部材(3)は側部材(2)の上端部に取り付けて組み立てができるよう構成されていることを特徴とする、
動物用罠。
【請求項1】
動物用箱罠の組み立て方法であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、所要の構成部材(2,5)に通される通し部材(7a,7b,7c)で他の構成部材(1,2,3)を押さえることにより連結することを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法。
【請求項2】
動物用箱罠の組み立て方法であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、端辺部を係合させると共に、所要の構成部材(2,5)に通される通し部材(7a,7b,7c)で他の構成部材(1,2,3)を押さえることにより連結することを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法。
【請求項3】
底部材(1)と、底部材(1)の端辺部側に取り付けられる側部材(2)と、各側部材(2)の上部に取り付けられる天部材(3)と、上記各構成部材(1,2,3)で形成される開口部(4)に取り付けられるガイド部材(5)と、ガイド部材(5)に昇降可能に取り付けられる落とし扉(6)を備えた動物用箱罠の組み立て方法であって、
底部材(1)とガイド部材(5)を、ガイド部材(5)の挿通部(54,541)に通し部材(7a)を通して通し部材(7a)で底部材(1)を押さえることにより連結するステップ、
底部材(1)と側部材(2)を、端辺部側で係合して連結するステップ、
ガイド部材(5)と側部材(2)を、ガイド部材(5)の挿通部(54,541)に通し部材(7b)を通して通し部材(7b)で側部材(2)を押さえることにより連結するステップ、
各側部材(2)と天部材(3)を、各側部材(2)の挿通部(24,25)間に通し部材(7c)を通して通し部材(7c)で天部材(3)を押さえることにより連結するステップ、
を含むことを特徴とする、
動物用箱罠の組み立て方法。
【請求項4】
動物用箱罠であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、所要の構成部材(2,5)に通される通し部材(7a,7b,7c)で他の構成部材(1,2,3)を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠。
【請求項5】
動物用箱罠であって、
箱罠を構成する構成部材同士を、端辺部を係合させると共に、所要の構成部材(2,5)に通される通し部材(7a,7b,7c)で他の構成部材(1,2,3)を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠。
【請求項6】
分解と組み立てができる動物用箱罠であって、
底部材(1)と、
底部材(1)の端辺部側に取り付けられる側部材(2)と、
各側部材(2)の上部に取り付けられる天部材(3)と、
上記各構成部材(1,2,3)で形成される開口部(4)に取り付けられるガイド部材(5)と、
ガイド部材(5)に昇降可能に取り付けられる落とし扉(6)と、
落とし扉(6)を落とすトリガー装置と、
を備えており、
底部材(1)とガイド部材(5)は、ガイド部材(5)の挿通部(54,541)に通される通し部材(7a)で底部材(1)を押さえることにより連結できるよう構成され、
底部材(1)と側部材(2)は、端辺部側で係合して連結できるよう構成され、
ガイド部材(5)と側部材(2)は、ガイド部材(5)の挿通部(54,541)に通される通し部材(7b)で側部材(2)を押さえることにより連結できるよう構成され、
各側部材(2)と天部材(3)は、各側部材(2)の挿通部(24,25)間に通される通し部材(7c)で天部材(3)を押さえることにより連結できるよう構成されていることを特徴とする、
動物用箱罠。
【請求項7】
底部材(1)と側部材(2)の端辺部側における係合は、側部材(2)側に設けたフック(23)を底部材(1)側へ係合することにより行われるよう構成されると共に、フック(23)を係合して側部材(2)を底部材(1)と直角に立てたときに側部材(2)を停止させる停止手段(21,13)が設けてあることを特徴とする、
請求項6記載の動物用箱罠。
【請求項8】
分解と組み立てができる動物用箱罠であって、
底部材(1)と、
底部材(1)の両端辺部側に対向して取り付けられる側部材(2)と、
各側部材(2)の上部に取り付けられる天部材(3)と、
底部材(1)に対応する部分(51)と各側部材(2)に対応する部分(52)を有するガイド部材(5)と、
ガイド部材(5)に昇降可能に取り付けられる落とし扉(6)と、
落とし扉(6)を落とすトリガー装置と、
を備えており、
底部材(1)と側部材(2)はガイド部材(5)の上記それぞれに対応する部分(51,52)の外側から当接し、天部材(3)は側部材(2)の上端部に取り付けて組み立てができるよう構成されていることを特徴とする、
動物用罠。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−78(P2006−78A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181862(P2004−181862)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(591181023)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(591181023)
【Fターム(参考)】
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