説明

動物用電極及びそれを用いた生体信号収集方法

【課題】動物が多少動いたとしても外れ難い構造とする。
【解決手段】長尺状の金属は、U字状に折り曲げられ、その一方の先端側に第一の挟持片10を備え、他方の先端側に第二の挟持片20を備え、挟持片10、20は共働して動物の体毛を挟み込む。第二の挟持片20の先端部22が櫛歯15に対して凸となるように曲げられ、記第二の挟持片20と上記櫛歯15との間に空間部23が形成されている。空間部23の長手方向と上記櫛歯15の長手方向とがほぼ直角に交差するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動物から心電波形などの電気現象を電気信号として取り出すために使用する動物用電極及びこの動物用電極を用いた生体信号収集方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の動物用電極としては、特許文献1に記載のものを挙げることができる。この特許文献1には、把持部により体毛のみを挟み込んだ状態で、電極を動物の皮膚の近くに吊り下げさせ、電極と皮膚との隙間に電解質が含まれた流動通電体を充填した動物用電極構造が記載されている。また、把持部を構成する一対の挟み片のどちらか一方または両方を櫛形に形成しても良いことが記載されている。
【特許文献1】特開2004−344581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の構成に係る動物用電極では、把持部により体毛のみを挟み込んだ状態とすることで体毛と電極との接続関係を維持することになる。しかしながら、特に動物はじっとしていることは少なく、上記構成では、電極が外れ易い問題を抱えている。また、皮膚との電気的通電を得るために用いる電解質は、液状やクリーム状であると、電極を使用した後に動物の体毛に残存するため、拭き取る必要があり、負担が大きくなる。また、電解質をスプレー状に噴霧して用いるタイプのものにあっては、検査中に乾燥することが多く、頻繁に吹付ける作業が必要となり、負担が大きいという問題がある。
【0004】
本発明は上記のような従来の動物用電極が抱えている問題点を解決せんとしてなされたもので、その目的は、装着が容易であり、且つ動物が多少動いたとしても外れ難い構造の動物用電極を提供することである。また他の目的は、電極の使用中には電解質が乾燥する可能性が低く、また電極を使用した後には拭き取り作業を不要あるいは軽減することが可能な動物用電極を提供することである。更に、上記の電極を用いて、人を含まない生体の電気現象を電気信号として取り出す生体信号収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る動物用電極は、動物の体毛を挟み込むための第一の挟持片及び第二の挟持片からなる一対の挟持片を備えた挟持部と、該挟持部の両挟持片をお互いに押し付けあう方向に付勢するばね部と、該ばね部の弾発力に抗して前記両挟持片をお互いに離れる方向に作動させる操作部と、前記動物の生体情報を外部に導出するためにリード線を接続する導出部と、を備え、前記挟持部および/または前記操作部の少なくとも一部が導電性材料で形成された導電部を有し、該導電部が前記導出部に電気的に接続されており、前記挟持部で前記体毛を挟み、動物の皮膚と前記導電部とを導電性流動物を介して電気的に接触させ、前記導出部から生体の電気現象を前記電気信号として取り出すために使用する動物用電極において、前記第一の挟持片の先端に櫛歯を形成し、前記第二の挟持片の先端端部または先端エッジ部が前記第一の挟持片の櫛歯に当接するように前記第二の挟持片の先端部が曲げられており、さらに当該曲げられた部分を含む前記第二の挟持片と前記櫛歯との間に空間部を形成したことを特徴とする。
【0006】
本発明に係る動物用電極は、前記空間部の長手方向と前記櫛歯の長手方向とが交差するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る動物用電極では、挟持部の少なくとも一部が導電部として構成され、第一の挟持片と第二の挟持片との間に、導電性流動物を浸透させる保液性部材を、前記導電部の少なくとも一部と接触するように介装させたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る動物用電極では、前記第二の挟持片の先端端部または先端エッジ部が前記第一の挟持片の櫛歯に当接するように前記第二の挟持片の先端部が曲げられており、さらに当該曲げられた部分を含む前記第二の挟持片と前記櫛歯との間に空間部を形成する構成に代えて、第二の挟持片には導電性流動物を浸透させる保液性部材を保持する保持手段が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る動物用電極は、第一の挟持片と第二の挟持片との間に動物の皮膚を挟むことにより、生体の電気現象を電気信号として取り出す信号収集方法を実現するため、第一の挟持片と第二の挟持片との間に動物の皮膚を挟んだ場合に皮膚との間において電気伝導を得るように挟持部の少なくとも一部が導電部として構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る動物用電極では、操作部には、測定者の指を挿入可能な指挿入部を備え、この指挿入部に測定者の指を挿入した状態で前記挟持部を動物に接触させて生体の電気現象を電気信号として取り出すための電極面を備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る生体信号収集方法は、請求項5に記載の動物用電極を用いて、第一の挟持片と第二の挟持片との間に動物(人を除く)の皮膚を挟むことにより、生体の電気現象を電気信号として取り出すことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る生体信号収集方法は、請求項6に記載の動物用電極を用いて、操作部の指挿入部に測定者の指を挿入し、この指挿入部に測定者の指を挿入した状態で前記動物用電極の挟持部を動物(人を除く)に接触させて生体の電気現象を電気信号として取り出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る動物用電極は、第一の挟持片の先端に櫛歯が形成され、第二の挟持片の先端端部または先端エッジ部が第一の挟持片の櫛歯に当接するように第二の挟持片の先端部が曲げられており、さらに当該曲げられた部分を含む第二の挟持片と櫛歯との間に空間部が形成されているので、櫛歯により動物の体毛がかき分けられて装着を容易とし、また、第二の挟持片の先端端部または先端エッジ部と櫛歯との間で動物の体毛をしっかりと保持し、さらに、櫛歯との間に形成された空間部に動物の体毛が保持された状態となるので、動物が多少動いたとしても外れ難く、安定して生体情報を取り込むことが可能である。
【0014】
本発明に係る動物用電極では、空間部の長手方向と櫛歯の長手方向とが交差するように構成されているので、空間部に保持された動物の体毛は、櫛歯の長手方向とは交差する方向に寝かされた状態にて保持され、更に体毛の保持状態が強固になる効果を有する。
【0015】
本発明に係る動物用電極では、挟持部の少なくとも一部が導電部として構成され、第一の挟持片と第二の挟持片との間に、導電性流動物を浸透させる保液性部材を、導電部の少なくとも一部と接触するように介装させたので、動物の体毛や皮膚に対して導電性流動物塗布などの作業が不要となり、また、体毛や皮膚に付着する導電性流動物の量を少なくすることができ、導電性流動物の拭き取りが楽になる。
【0016】
本発明に係る動物用電極では、第二の挟持片には導電性流動物を浸透させる保液性部材を保持する保持手段が形成されているので、測定時に保液性部材が外れ難く、適切な測定を行うことができる。
【0017】
本発明に係る動物用電極では、第一の挟持片と第二の挟持片との間に動物の皮膚を挟んだ場合に皮膚との間において電気伝導を得るように挟持部の少なくとも一部が導電部として構成されているので、第一の挟持片と第二の挟持片との間に動物の皮膚を挟むことにより、生体の電気現象を電気信号として取り出すことができる。
【0018】
本発明に係る動物用電極では、操作部には、測定者の指を挿入可能な指挿入部を備え、この指挿入部に測定者の指を挿入した状態で前記挟持部を動物に接触させて生体の電気現象を電気信号として取り出すための電極面を備えているので、指挿入部に測定者の指を挿入した状態で前記挟持部を動物に接触させて生体の電気現象を電気信号として取り出すことができる。
【0019】
本発明に係る生体信号収集方法では、請求項5に記載の動物用電極を用いて、第一の挟持片と第二の挟持片との間に動物(人を除く)の皮膚を挟むようにすることで、容易に生体の電気現象を電気信号として取り出すことができる。
【0020】
本発明に係る生体信号収集方法では、請求項6に記載の動物用電極を用いて、操作部の指挿入部に測定者の指を挿入し、この指挿入部に測定者の指を挿入した状態で前記動物用電極の挟持部を動物(人を除く)に接触させることで、動物用電極を動物の所要部位に当てることができ、容易に生体の電気現象を電気信号として取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<実施例1>
以下、添付図面を参照して本発明に係る動物用電極の実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1及び図2は、本発明に係る動物用電極を心電計用電極として構成した実施例を示す斜視図である。この動物用電極は、一枚の導電性を有するステンレスやリン青銅などの金属板をプレスで打ち抜いて長尺状にしたものを用いて構成したものである。
【0022】
長尺状の金属板は、U字状に折り曲げられ、その一方の先端側に第一の挟持片10を備え、他方の先端側に第二の挟持片20を備え、これらは挟持部2を構成している。この第一の挟持片10と第二の挟持片20とは共働して動物の体毛を挟み込むものである。上記金属板におけるU字状の部分は、挟持部2の第一の挟持片10と第二の挟持片20とをお互いに押し付けあう方向に付勢するばね部3を構成している。
【0023】
U字状のばね部3に隣接した位置であって、第一の挟持片10と第二の挟持片20側は、ばね部3の弾発力に抗して上記第一の挟持片10と第二の挟持片20とをお互いに離れる方向に作動させるための操作部4、4となっている。操作部4、4には、外側へ突出した複数の突起5が形成され、操作時のすべり止め機能を果たしている。操作部4、4を指で押圧することにより、第一の挟持片10と第二の挟持片20との間を図2に示す如く開くことができる。
【0024】
操作部4、4の一方(この実施例では、図1の上側)における一側部には、幅方向に突出した端子を装着する導出部6が設けられている。この導出部6には、リード線31の先端部に設けられた端子32がリベット止めされ、導出部6は生体情報を外部に導出するためにリード線31を接続する機能を有する。リード線31における他端側の先端には、コネクタ33が接続されており、該コネクタ33は図示しない心電計などに接続することができる。
【0025】
この実施例では、動物用電極全体が一枚の導電性の金属板により構成されているため、電極全体が導電部としての機能を備え、生体情報を導出部6まで導くための配線を特別に設ける必要がなく、製作が容易である。なお、電極全体が必ずしも導電性材料で形成されている必要はなく、動物の皮膚から生体情報を取り出す部分である、挟持部2および/または操作部4の少なくとも一部が導電性材料で形成された導電部を備え、該導電部と上記導出部とを電気的に接続する構成を採用しても良い。
【0026】
操作部4から第一の挟持片10へ到る部分は、他よりやや幅狭の連結部11となっており、また、操作部4から第二の挟持片20へ到る部分には、上記連結部11が入り込む穴12が形成されている。穴12における第二の挟持片20に近接した一辺からは連結部11を穴12に挿入させるスリット13が形成されている。上記穴12の周辺部であって連結部11の側部に対向する部分は、連結部11を摺動させるガイド14、14となっており、連結部11の横方向Xへのずれを防止する機能を有している。このガイド14、14により、繰り返し使用しても一対の挟持部2における第一の挟持片10と第二の挟持片20との位置関係が殆どずれることがなく、確実に体毛を挟むことができる。
【0027】
連結部11につながる第一の挟持片10の先端には複数条の櫛歯15が形成されている。櫛歯15の長手方向は、導出部6に接続されたリード線31が引っ張られたときに電極が抜ける方向と同一である。また、櫛歯15の先端は、リード線31が引っ張られたときに電極が抜ける方向とは逆方向を向いていて、反操作部側に向いている。
【0028】
操作部4につながる第二の挟持片20の先端端部または先端エッジ部が上記第一の挟持片10の櫛歯15に当接するように、第二の挟持片20の先端部22が櫛歯15に対して凹となるように曲げられており、当該曲げられた先端部22を含む上記第二の挟持片20と上記櫛歯15との間に、挟持片10、20の巾方向一杯で空間部23が形成されている。ここに、空間部23の長手方向と上記櫛歯15の長手方向とがほぼ直角に交差するように構成されている。
【0029】
第二の挟持片20における先端部22と穴12との間には、例えば空間部23に平行な複数条の長孔24が穿設されている。また、第一の挟持片10における上記長孔24に対応する位置から少しずれた位置には、長孔25が穿設されている。この実施例では、長孔25を一つとしたが、第一の挟持片10の大きさに応じて或いは必要に応じて複数穿設される。第一の挟持片10と第二の挟持片20とが接触した状態においては、当該動物用電極の側面図が図3に示すようになり、挟持部2と一方の操作部4とがほぼ同一平面にあり、挟持部2から一方の操作部4を含む広い面積を有する金属平面S1が動物の皮膚に近接するようになる。
【0030】
<生体信号収集方法:その1>
以上の通りに構成された動物用電極は、例えば次の通りにして用いられる。コネクタ33を心電計などのコネクタに接続する。次に、操作部4、4を押圧して第一の挟持片10と第二の挟持片20との間を開く(図8)。
【0031】
上記の状態において、第一の挟持片10における櫛歯15の先端側を動物の体毛91から皮膚に向けて差し込むようにして、できる限り体毛の根元へ櫛歯15を近付けて、櫛歯15、15間のスリット部分に十分な体毛91を挟み込んだ後に、操作部4、4の押圧を解く。櫛歯15は反操作部側に向いているため、挟持部2を開いて押しながら装着でき、自然に無理なく体毛91を挟むことができる。これにより、図9に示すように、空間部23と櫛歯15に挟み込まれた体毛91が空間部23に保持され、長孔24、25にも体毛91が入り込み、第一の挟持片10と第二の挟持片20の平坦部間および第二の挟持片の先端端部または先端エッジ部と櫛歯15との間に体毛91が挟まれた状態となる。この状態で、挟持部2から操作部4へ到る部分(図3の面積S1の部分)を中心として体毛91と電極との近傍に導電性流動物の塗布或いは吹付けなどを行う。
【0032】
これによって、この挟持部2から操作部4へ到る略同一平面部分を中心として導電性流動物が動物用電極と体毛91の間に浸透し、導電性流動物を介してより確実に動物の皮膚と電極との電気的接触が得られるようになり、生体情報を取り出すことが可能となる。そして、空間部23の長手方向と上記櫛歯15の長手方向とがほぼ直角に交差するように構成されていることから、リード線31が引っ張られたとしても、櫛歯15、15間のスリットに対しほぼ直角に交差するように空間部23に保持されている体毛91は動物用電極の移動を妨げ、電極の抜け落ちを防ぐことができる。
【0033】
<生体信号収集方法:その2>
コネクタ33を心電計などのコネクタに接続する。電極を取付ける予定位置の動物(人を除く)の皮膚に、導電性流動物の塗布或いは吹付けなどを予め行う。次に、操作部4、4を図10に示すように矢印X1、X2方向へばね部3の弾発力に抗して押圧し、第一の挟持片10と第二の挟持片20との間を開く(図11)。
【0034】
第一の挟持片10と第二の挟持片20との図11に示す間隙92に、予め摘んでおくなどした動物の該当皮膚部位を挟み、心電計などを動作させて生体の電気現象を電気信号として取り出すことにより信号収集方法を実現する。ここで、第一の挟持片10と第二の挟持片20との間隙92に動物の皮膚を挟んだ場合に皮膚との間において電気伝導を得るように挟持部2が(挟持部2の少なくとも一部が)導電性材料により構成されている。斯して、容易に生体の電気現象を電気信号として取り出すことができる。
【0035】
<生体信号収集方法:その3>
コネクタ33を心電計などのコネクタに接続する。施術者は図13に示すようにゴム手袋93をして絶縁を行う。これは、施術者の生体信号が混入するのを防ぐためである。次に、櫛歯15が形成された第二の挟持片20側(導電性材料で構成された図12の電極面94)が、施術者の手の平側となるようにして、操作部4における指挿入部95に測定者の例えば人差し指を矢印X3の方向へ挿入し、中指を矢印X4の方向へ突き出し、連結部11を人差し指と中指で挟むようにする(図13)。
【0036】
動物における電極装着部位(例えば、両前肢)96の体毛や皮膚に電解液を塗り込んでおき、この部位を図14に示すように電極を付けた指部分と人差し指で摘むようにして電極面94を押し当て接触させることで、動物用電極を動物の所要部位に当てることができ、容易に生体の電気現象を電気信号として取り出すことができる。
【0037】
<変形例その1>
図4に第二の挟持片20の先端部22が構成する空間部23の形状に係る実施例を示す。図4(a)は、図1、図2と同様に空間部23の形状が半円柱形状であり、図4(b)は空間部23の形状を三角柱形状としたものであり、図4(c)は空間部23の形状を四角柱形状としたものである。この図4に示す動物用電極では、櫛歯15の先端部が第二の挟持片20における先端部22の前方に突出しているが、櫛歯15の先端部が第二の挟持片20における先端部22の前に突出しない構成としても良い。
【0038】
<変形例その2>
図5に第一の挟持片10に設けた櫛歯15の形状に係る実施例を示す。図5(a)は、図1、図2と同様に櫛歯15の先端が、リード線が引っ張られる方向とは180度をなす方向に向いている例を示す。また、図5(b)は、櫛歯15の先端が、リード線が引っ張られたときに電極が抜ける方向とは90度をなす方向に向いている例を示す。この図5(b)に示す例では、櫛歯15の先端の向きが図5(a)に示す例に対して右回りに90度回転させた方向となっているが、櫛歯15の先端の向きを図5(a)に示す例に対して左回りに90度回転させた方向としても良い。この図5(b)の構成例では、リード線31が引っ張られても、櫛歯15が体毛に引っかかり、移動を妨げるように働くため、電極が抜けにくい効果を奏する。
【0039】
図5(c)に示す例は、櫛歯15の先端の向きが図5(a)に示す例に対して180度回転させた方向(逆向き)となっている動物用電極を示す。図5(d)に示す例は、櫛歯15の先端の向きを図5(c)と同様にし、連結部11の両サイドに櫛歯15が設けられた動物用電極を示す。図5(e)と図5(f)に示す例は、櫛歯15の先端方向を図5(a)に示す例及び図5(c)(または図5(d))としたもので、櫛歯15の先端は電極が抜ける方向とは180度をなす方向に向いている櫛歯15fを有すると共に、この櫛歯15fとは180度をなす方向に向いている櫛歯15bを有している。これら図5(c)〜図5(f)の構成例においても、リード線31が引っ張られても、櫛歯15が体毛に引っかかり、移動を妨げるように働くため、電極が抜けにくい効果を奏する。
【0040】
更に、図5(g)に示す例は、櫛歯15の先端部の向きが図5(a)に示す例に対して135度回転させた方向となっている動物用電極を示す。この図5(g)に示す例では、櫛歯15の先端の向きが図5(a)に示す例に対して右回りに135度回転させた方向となっているが、櫛歯15の先端部の向きを図5(a)に示す例に対して左回りに135度回転させた方向としても良い。更に、図5(g)に示す例に対し、先端部の向きを図5(a)に示す例に対して左回りに135度回転させた方向とした櫛歯15を付加して、連結部11の両サイドに櫛歯15が設けられた動物用電極としても良い。これらの例に係る動物用電極においても、リード線31が引っ張られても、櫛歯15が体毛に引っかかり、移動を妨げるように働くため、電極が抜けにくい効果を奏する。なお、櫛歯15の、図5(a)に示す例に対する左右回りそれぞれの角度は、上記例に限定されるものではなく、電極の装着し易さと、電極の抜け難さを考慮して0度から180度の範囲で設定することができる。一般的に、角度が小さいとき電極は装着し易く、角度が大きいとき電極は抜けにくい。
【0041】
なお、図5(b)や図5(g)に示した例の場合には、第二の挟持片20における先端部22の構成を図1、図2のものから変更しない場合には、第二の挟持片20の先端部22により形成される空間部23の長手方向と上記櫛歯15の長手方向とが交差しない可能性がある。そこで、係る図5(b)や図5(g)に示した例の動物用電極において、第二の挟持片20における先端部22の幅方向の向きを変更し、櫛歯15と空間部23との交差が図5(a)の場合と同様に生じるように構成することも可能である。
【0042】
<第2の実施例>
図6には、第2の実施例に係る動物用電極の側面図を示す。この実施例では、第一の挟持片10と第二の挟持片20とが接触した状態においては、双方の操作部4、4の中間部から直線状に第一の挟持片10と第二の挟持片20とが重なった挟持部2がほぼ同一平面にあり、この同一平面にある挟持部2から操作部4へ到る広い面積を有する金属平面S2によって動物の皮膚に近接して電気的接続を得ることができる。このため、図3に示した金属平面S1程の大きな面積ではないが、的確に電気的接触が得られることから生体情報を安定して取り出すことができる。
【0043】
<第3の実施例>
図7には、第3の実施例に係る動物用電極の斜視図を示す。この実施例では、操作部4から第一の挟持片10へ到る部分は、中央部にスリット41を有し、長尺のスリット41の両側部がやや幅狭のガイド部42、42となっている。また、操作部4から第二の挟持片20へ到る部分は、上記スリット41に入り込む幅狭の連絡部43となっている。例えば、製造の過程では、ガイド部42、42の一方における第一の挟持片10との結合部44が切り離されており、切り離された結合部44を介して上記第二の挟持片20へ到る連絡部43をスリット41内に挿入し、この後、上記結合部44を溶接などにより閉結する。ガイド部42、42の、連絡部43の側部に対向する部分は、連絡部43を摺動させるガイドとなっており、連絡部43の横方向へのずれを防止する機能を有している。この構成によっても、第1の実施例と同様に、繰り返し使用しても第一の挟持片10と第二の挟持片20との位置関係がほとんどずれることがなく、確実に体毛を挟むことができる。
【0044】
なお、この第3の実施例について、第二の挟持片20の先端部22が構成する空間部23の形状については、既に図4を用いて説明した変形例の構成を採用することができる。また、この第3の実施例について、第一の挟持片10に設けた櫛歯15の形状については、既述の図5を用いて説明した各変形例の構成を採用することができる。更に、側面形状に関しては、図6に示した第2の実施例に係る動物用電極の側面図の如き構成を採用することができる。
【0045】
<第4の実施例:その1>
本発明の第4の実施例では、第一の挟持片10と第二の挟持片20との間に、電解液を浸透させる保液性部材を介装させたことを特徴とする。保液性部材は、スポンジ、不織布、フェルト、海綿等を含む概念であり、一般的に多孔性であるが必ずしも多孔性であることが必須ではない。電解液は保液部材を電極に装着させる前に予め浸透させておくと便利であるが、保液部材を電極に装着させた後に、電解液を保液部材に浸透させても良い。
【0046】
図15、図16には、第4の実施例におけるその1に係る動物用電極が示されている。この実施例では、保液性部材50は、偏平な板状の直方体をなしている。平面面積は第二の挟持片20の平面面積に匹敵している。保液性部材50の一対の側面51、51には、連通穴52が設けられている。連通穴52には、第二の挟持片20が先端部から挿入され、図16に示すように第二の挟持片20を包み込む状態とされて使用される。使用時には、保液性部材50に電解液が浸透される。
【0047】
<第4の実施例:その2>
図17、図18には、第4の実施例におけるその2に係る動物用電極が示されている。この実施例では、保液性部材50Aは、偏平な板状の直方体をなしている。保液性部材50Aは、第二の挟持片20における底面(第一の挟持片10に対向する面)側に貼着される。貼着のための接着剤53は、図18(a)に示すように、表面の両側縁部に設けられたもの、図18(b)に示されるように表面の中央部に設けられたもの、また、接着剤53として導電性のものを使用すれば、図18(c)に示されるように表面の全面に設けられたものなどが存在する。
【0048】
<第4の実施例:その3>
図19、図20には、第4の実施例におけるその3に係る動物用電極が示されている。この実施例では、保液性部材50Bは、偏平な板状の直方体をなしている。保液性部材50Bは、その表面に、第二の挟持片20に形成された長孔24、24に対応する突起54、54を備え、第二の挟持片20における底面(第一の挟持片10に対向する面)側にから嵌合される。なお、貼着のための接着剤53を突起54、54以外の表面に設けても良い。
【0049】
<第4の実施例:その4>
図21には、第4の実施例におけるその4に係る動物用電極が示されている。この実施例では、保液性部材50Cは、図18に示したものにおいて、接着剤53を備える必要がないのであり、バンド55により第二の挟持片20に保持されている。バンド55は導電性ゴムなどにより構成されると導電性の観点から好適である。
【0050】
<第4の実施例:その5>
図22には、第4の実施例におけるその5に係る動物用電極が示されている。この実施例では、保液性部材50Dは、円柱状をなしており、第二の挟持片20における先端部22Aに保持されている。先端部22Aは、これまで説明した第二の挟持片20における先端部22より大径である円柱状の保液性部材50Dに対応し、且つ、先端部22Aに保持されている保液性部材50Dの僅かに一部(直径の4分の1程度)が、第二の挟持片20の平面と先端部22Aの最先端を結ぶ平面よりも第一の挟持片10側(図の下側)に突出するように構成されている。先端部22Aが円柱状の保液性部材50Dを把持する程度の径を有するか、または先端部22Aの内壁と接触する保液性部材50Dの側面に、導電性接着剤が塗布されていると好適である。
【0051】
<第4の実施例:その6>
図23、図24には、第4の実施例におけるその6に係る動物用電極が示されている。この実施例では、保液性部材50Eの大きさは前出の程度であるが、第二の挟持片20の下側において、第一の挟持片10に載置したときに、連結部11に対応する部分に切欠部56が形成されている。保液性部材50Eの装着の際には、連結部11の下端部が切欠部56の奥側壁部に当接する。この当接の部分あるいは、第一の挟持片10に対向する面に接着剤が塗布されていると好適である。
【0052】
<第5の実施例:その1>
第5の実施例においては、第4の実施例における第二の挟持片20の先端端部22または先端エッジ部が上記第一の挟持片10の櫛歯15に当接する構成に代えて、第二の挟持片には保液性部材を保持する保持手段が形成されている。第二の挟持片の構成が、前出のものと異なっている。
【0053】
図25には、第5の実施例におけるその1に係る動物用電極が示されている。この実施例では、ばね部3側から櫛歯15方向へ延びるアーム部61が、櫛歯15に対応する位置で櫛歯15の長手方向にほぼ直交するように折曲がった細長い保持棒(保持手段)60となっている。一端側に半球部分を有する円柱状の保液性部材50Fにおける軸に保持棒60が差し込まれた状態で、保液性部材50Fが保持されている。
【0054】
<第5の実施例:その2>
図26には、第5の実施例におけるその2に係る動物用電極が示されている。この実施例では、ばね部3側から櫛歯15方向へ延びるアーム部61が連結部11を超えた付近において連結部11へ折れ曲がり、櫛歯15の中央側へ真っ直ぐに延長された細長い保持棒(保持手段)60Aとなっている。円柱状の保液性部材50Fにおける軸に保持棒60Aが差し込まれた状態で、保液性部材50Fが保持されている。
【0055】
<第5の実施例:その3>
図27には、第5の実施例におけるその3に係る動物用電極が示されている。この実施例では、図26に示した保持棒60Aの部分が、筒棒60Bに代えられている。筒棒60Bの穴62に対して頭部71を備えるピン72が挿入される。円柱状の保液性部材50Gは、両端部が軸に垂直に切られており、保液性部材50Gにおける軸にピン72が差し込まれた状態で、保液性部材50Gが保持されている。
【0056】
<第5の実施例:その4>
図28には、第5の実施例におけるその4に係る動物用電極が示されている。この実施例では、ばね部3側から櫛歯15方向へ延びるアーム部61が連結部11を超えた付近において連結部11へ広がった基部64を形成し、この基部64から前方側に延びた複数本の櫛歯63、63を備える。
【0057】
保液性部材50Hは、偏平な板状の直方体をなしている。保液性部材50Hの一側面には、基部64に対応する穴55が穿設されている。保液性部材50H内の櫛歯63、63に対応する位置には櫛歯63、63より僅かに細い穴が形成されていると、櫛歯63、63を挿入して保液性部材50Hを保持する構成として好適である。
【0058】
<第5の実施例:その5>
図29には、第5の実施例におけるその5に係る動物用電極が示されている。この実施例では、第二の挟持片20Aの構成が、図27の実施例と同様である。保液性部材50Iは、球体をなしている。第一の挟持片10Aには、保液性部材50Iの5分の1程度の高さが入り込むように穴64が穿設されている。
【0059】
筒棒60Bの穴62に対して頭部71Aを備えるピン72が挿入される。保液性部材50Iは、保液性部材50Iにおける軸にピン72が差し込まれた状態で保持される。
【0060】
<第5の実施例:その5>
図30には、第5の実施例におけるその6に係る動物用電極が示されている。この実施例では、図29の電極における筒棒60Bの先端部に半球椀状の保持部65が開口を下に向けて設けられている。保液性部材50Jは保液性部材50Iと同様に球体であるが、保持部65と接触する面に接着剤が塗布されていることが保持を適確にする。
【0061】
以上説明した第4の実施例および第5の実施例の保液性部材の形状は、図示されたものに限定されない。例えば、直方体状のものは、円板状など種々の形状のものを用いることができる。
【0062】
以上説明した第4の実施例及び第5の実施例においては、電解液を浸透させる保液性部材を介装させたので、動物の体毛や皮膚に対して電解質塗布などの作業が不要となり、また、体毛や皮膚に付着する電解液の量を少なくすることができ、電解液の拭き取りが楽になる効果がある。
【0063】
以上説明した第4の実施例及び第5の実施例に係る電極は、図8、図9を用いて説明した生体信号収集方法や、図12〜図14を用いて説明した生体信号収集方法に用いると好適である。皮膚の状態(弛んでいる、あるいは張っているなど)に依存するが、勿論、図10、図11を用いて説明した皮膚を挟んで動物に接触させて生体の電気現象を電気信号として取り出す生体信号収集方法に用いること可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る動物用電極の第1の実施例を示す斜視図。
【図2】本発明に係る動物用電極の第1の実施例を示す斜視図。
【図3】本発明に係る動物用電極における第1の実施例の側面形状を示す図。
【図4】本発明に係る動物用電極における第二の挟持片の先端部が構成する空間部の形状に係る実施例を示す図。
【図5】本発明に係る動物用電極における第一の挟持片に設けた櫛歯の形状に係る実施例を示す図。
【図6】本発明に係る動物用電極における第2の実施例の側面形状を示す図。
【図7】本発明に係る動物用電極の第3の実施例を示す斜視図。
【図8】本発明に係る動物用電極を用いた第1の生体信号収集方法を実現させるための電極の取り付け手順を示す図。
【図9】本発明に係る動物用電極を用いた第1の生体信号収集方法を実現させるための電極の取り付け手順を示す図。
【図10】本発明に係る動物用電極を用いた第2の生体信号収集方法を実現させるための電極の取り付け手順を示す図。
【図11】本発明に係る動物用電極を用いた第2の生体信号収集方法を実現させるための電極の取り付け手順を示す図。
【図12】本発明に係る動物用電極を用いた第3の生体信号収集方法を実現させるための電極の取り付け手順を示す図。
【図13】本発明に係る動物用電極を用いた第3の生体信号収集方法を実現させるための電極の取り付け手順を示す図。
【図14】本発明に係る動物用電極を用いた第3の生体信号収集方法を実現させるための電極の取り付け手順を示す図。
【図15】本発明に係る動物用電極の第4の実施例における一形態を示す斜視図。
【図16】本発明に係る動物用電極の第4の実施例における一形態を示す斜視図。
【図17】本発明に係る動物用電極の第4の実施例における一形態を示す斜視図。
【図18】本発明に係る動物用電極の第4の実施例における一形態を示す斜視図。
【図19】本発明に係る動物用電極の第4の実施例における一形態を示す斜視図。
【図20】本発明に係る動物用電極の第4の実施例における一形態を示す斜視図。
【図21】本発明に係る動物用電極の第4の実施例における一形態を示す斜視図。
【図22】本発明に係る動物用電極の第4の実施例における一形態を示す斜視図。
【図23】本発明に係る動物用電極の第4の実施例における一形態を示す斜視図。
【図24】本発明に係る動物用電極の第4の実施例における一形態を示す斜視図。
【図25】本発明に係る動物用電極の第5の実施例における一形態を示す斜視図。
【図26】本発明に係る動物用電極の第5の実施例における一形態を示す斜視図。
【図27】本発明に係る動物用電極の第5の実施例における一形態を示す斜視図。
【図28】本発明に係る動物用電極の第5の実施例における一形態を示す斜視図。
【図29】本発明に係る動物用電極の第5の実施例における一形態を示す斜視図。
【図30】本発明に係る動物用電極の第5の実施例における一形態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0065】
2 挟持部
3 ばね部
4 操作部
10、10A 第一の挟持片
11 連結部
12 穴
13 スリット
14 ガイド
15、15b、15f 櫛歯
20、20A 第二の挟持片
22 先端部
22A 切欠部
23 空間部
24、25 長孔
31 リード線
32 端子
33 コネクタ
41 スリット
42 ガイド部
43 連絡部
50、50A〜50J 保液性部材
65 保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の体毛を挟み込むための第一の挟持片及び第二の挟持片からなる一対の挟持片を備えた挟持部と、
該挟持部の両挟持片をお互いに押し付けあう方向に付勢するばね部と、
該ばね部の弾発力に抗して前記両挟持片をお互いに離れる方向に作動させる操作部と、
前記動物の生体情報を外部に導出するためにリード線を接続する導出部と、を備え、
前記挟持部および/または前記操作部の少なくとも一部が導電性材料で形成された導電部を有し、
該導電部が前記導出部に電気的に接続されており、
前記挟持部で前記体毛を挟み、動物の皮膚と前記導電部とを導電性流動物を介して電気的に接触させ、前記導出部から生体の電気現象を前記電気信号として取り出すために使用する動物用電極において、
前記第一の挟持片の先端に櫛歯を形成し、
前記第二の挟持片の先端端部または先端エッジ部が前記第一の挟持片の櫛歯に当接するように前記第二の挟持片の先端部が曲げられており、さらに当該曲げられた部分を含む前記第二の挟持片と前記櫛歯との間に空間部を形成したことを特徴とする動物用電極。
【請求項2】
前記空間部の長手方向と前記櫛歯の長手方向とが交差するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の動物用電極。
【請求項3】
挟持部の少なくとも一部が導電部として構成され、第一の挟持片と第二の挟持片との間に、導電性流動物を浸透させる保液性部材を、前記導電部の少なくとも一部と接触するように介装させたことを特徴とする請求項1または2に記載の動物用電極。
【請求項4】
前記第二の挟持片の先端端部または先端エッジ部が前記第一の挟持片の櫛歯に当接するように前記第二の挟持片の先端部が曲げられており、さらに当該曲げられた部分を含む前記第二の挟持片と前記櫛歯との間に空間部を形成する構成に代えて、第二の挟持片には導電性流動物を浸透させる保液性部材を保持する保持手段が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の動物用電極。
【請求項5】
第一の挟持片と第二の挟持片との間に動物の皮膚を挟むことにより、生体の電気現象を電気信号として取り出す信号収集方法を実現するため、第一の挟持片と第二の挟持片との間に動物の皮膚を挟んだ場合に皮膚との間において電気伝導を得るように挟持部の少なくとも一部が導電部として構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の動物用電極。
【請求項6】
操作部には、測定者の指を挿入可能な指挿入部を備え、この指挿入部に測定者の指を挿入した状態で前記挟持部を動物に接触させて生体の電気現象を電気信号として取り出すための電極面を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の動物用電極。
【請求項7】
請求項5に記載の動物用電極を用いて、第一の挟持片と第二の挟持片との間に動物(人を除く)の皮膚を挟むことにより、生体の電気現象を電気信号として取り出すことを特徴とする生体信号収集方法。
【請求項8】
請求項6に記載の動物用電極を用いて、操作部の指挿入部に測定者の指を挿入し、この指挿入部に測定者の指を挿入した状態で前記動物用電極の挟持部を動物(人を除く)に接触させて生体の電気現象を電気信号として取り出すことを特徴とする生体信号収集方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2008−178643(P2008−178643A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−43876(P2007−43876)
【出願日】平成19年2月23日(2007.2.23)
【出願人】(000230962)日本光電工業株式会社 (179)