説明

包丁収容部付きまな板

【課題】使い勝手が良く、包丁も安全に収容でき、耐用年数も通常のまな板と同程度になる包丁収容部付きまな板を提供する。
【解決手段】平面視長方形の薄板からなる第1のまな板10と、この第1のまな板10と同形状の第2のまな板20とを、それらの裏面間に2枚の細長い薄板31、32を挟み込んだ状態で一体とする。薄板31、32は、第1及び第2のまな板10、20の長辺から少し内側に入り込んだ位置に、その長辺に沿った状態で、互いに間を空けた状態で挟み込む。これにより、第1のまな板10と第2のまな板20とで挟まれた空間の幅方向中央部に、長手方向に沿って延びる包丁収容部40を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、まな板に関し、特に、包丁を収容することができる包丁収容部付きまな板に係る。
【背景技術】
【0002】
従来のまな板は、木製或いは合成樹脂製の薄い板状である場合が多い。一般的なまな板は、平面形状が長方形である。また、包丁を収容可能になっているまな板として、特許文献1に記載されたものがある。
【特許文献1】特開2000−24136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
包丁は、使い終わった後、洗ってしまうまでの間は、まな板の上にそのまま置いておくことが多い。また、洗った後には、包丁はシンク下側の扉の内側等に設けられた包丁入れに保管し、まな板は、台所内の通気性の良い場所に斜めに立て掛けておいたりすることが多い。
このため、包丁とまな板とは、使用する際には両方が必要であるにも関わらず、単にまな板の上に包丁を置いたり、バラバラに保管したりと、使い勝手が必ずしも良いものではなかった。
【0004】
また、上記特許文献1に記載された発明のように包丁入れを付けたまな板も存在はするが、特許文献1に記載されるように、引出式の包丁入れをまな板の裏側に設けた構成であるため、構成が複雑で、引出を引いて包丁を取り出し、その後引出を閉じるという動作が必要であるから、結局のところ、別の引出等に包丁を仕舞っておく場合と使い勝手は変わらない。しかも、通気性の良くない引出に包丁を収容する構成であるから、完全に乾いた後に仕舞わないと衛生上好ましくない。さらには、裏側に引出を備える構成であるから、まな板の両面を使うことが出来ず、両面使えるまな板に比べて耐用年数は半分になってしまう。
【0005】
本発明はこのような従来のまな板が備える課題に着目してなされたものであって、使い勝手が良く、包丁も安全に収容でき、耐用年数も通常のまな板と同程度になる包丁収容部付きまな板を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明である包丁収容部付きまな板は、第1のまな板と第2のまな板とを、両者間に隙間が形成されるように張り合わせており、前記隙間が包丁収容部となっていることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る発明である包丁収容部付きまな板において、前記第1のまな板と前記第2のまな板は、平面形状が同一の長方形の薄板であり、それら第1のまな板と第2のまな板との間に、長方形の長辺に沿って且つ互いに間を空けて細長い薄板を2枚挟み込むことにより、前記第1のまな板と前記第2のまな板との幅方向中央部の間に、長手方向に沿って延びる包丁収容部が形成されている。
この場合、第1のまな板と第2のまな板との間に挟み込む細長い薄板は、包丁の刃より厚く、包丁の柄の部分の厚みよりも薄い板とする。
【0007】
また、請求項3に係る発明は、上記請求項2に係る発明である包丁収容部付きまな板において、前記包丁収容部は、第1のまな板と前記第2のまな板の両端面間を貫通しているものである。
そして、請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3に係る発明である包丁収容部付きまな板において、前記第1のまな板と前記第2のまな板とは、分離可能となっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1のまな板と第2のまな板との間に形成された隙間を、そのまま包丁収容部としているので、簡単な動作で包丁をまな板内に収容することができ、簡単な動作でまな板から包丁を取り出すことができる。また、第1のまな板と第2のまな板とのいずれをも使用することができるから、包丁収容部を設けることに起因して耐用年数が短くなるような不具合がない。
請求項2に係る発明であれば、刃渡りの長い包丁でも容易に収容することができる。
請求項3に係る発明であれば、包丁を収容した状態でまな板を壁面などに斜めに立て掛けておけば、包丁収容部の一方の開口部側から他方の開口部側に向けて空気が抜けるので、衛生的である。
請求項4に係る発明によれば、第1のまな板と第2のまな板とを分離して包丁収容部の内側を洗浄することが可能であるから、さらに衛生的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の最良の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る包丁収容部付きまな板1の構成を示す図であって、図1(a)は平面図、同(b)は正面図、同(c)は側面図である。
即ち、この包丁収容部付きまな板1は、平面視長方形の薄板からなる第1のまな板10と、この第1のまな板10と同形状の第2のまな板20と、を備えている。これら第1のまな板10及び第2のまな板は、一般的なまな板と同様に、木製又は合成樹脂製であるが、その厚さは、一般的なまな板よりも若干薄い程度が好ましい。しかし、十分な強度を出すために一般的なまな板と同程度の厚さとしても構わない。
【0010】
第1のまな板10と第2のまな板20とは、それらの裏面間に2枚の細長い薄板31、32を挟み込んだ状態で一体となっている。これらを一体にする方法は特には限定しないが、接着剤を利用することも可能であるし、はめ込み式とすることも可能である。ねじを利用してもよい。薄板31、32の材質も特に限定されるものではなく、木製又は合成樹脂製とすることができるが、第1及び第2のまな板10、20と同じ材質とすることが望ましい。
【0011】
薄板31、32は、第1及び第2のまな板10、20の長辺から少し内側に入り込んだ位置に、その長辺に沿った状態で、互いに間を空けた状態で挟み込まれている。
これにより、第1のまな板10と第2のまな板20とで挟まれた空間の幅方向中央部に、長手方向に沿って延びる包丁収容部40が形成されている。
薄板31、32の厚さは、一般的な包丁の厚さよりも厚く、一般的な包丁の柄の厚さよりも薄くする。4〜6mm程度が好適である。
【0012】
以上のような構成とすることにより、包丁収容部付きまな板1の包丁収容部40には、図2に示すように、包丁50を収容することができる。即ち、包丁収容部40内に包丁50の刃51を差し込めば、包丁50の柄52は、包丁収容部付きまな板1の外側に飛び出した状態となる。
このように包丁収容部付きまな板1を、包丁50を収容した状態で台所の所定の壁面に斜めに立て掛けることにより、未使用時の包丁収容部付きまな板1及び包丁50を一体的に保管することができるし、そのときは包丁収容部40内を空気が抜けることが出来るから衛生的である。そして、使用するときには、包丁50を包丁収容部40から引き抜くだけで良いから、非常に使い勝手がよい。
【0013】
また、第1及び第2のまな板10、11の表面をそれぞれまな板として使用することができるから、包丁収容部付きまな板1全体としての耐用年数は、一枚板からなる通常のまな板と比べても極端に短くなるようなことはない。
しかも、第1及び第2のまな板10、11の長手方向に沿って包丁収容部40を構成しているから、刃渡りの長い包丁でも容易に収容することができる。
さらに、第1のまな板10と第2のまな板20とを分離可能な構成とすれば、包丁収容部40の内側を容易に洗浄することが可能であるから、さらに衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を示す平面図(a)、正面図(b)、側面図(c)である。
【図2】包丁を収容した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0015】
1 包丁収容部付きまな板
10 第1のまな板
20 第2のまな板
31、32 薄板
40 包丁収容部
50 包丁
51 刃
52 柄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のまな板と第2のまな板とを、両者間に隙間が形成されるように張り合わせており、前記隙間が包丁収容部となっていることを特徴とする包丁収容部付きまな板。
【請求項2】
前記第1のまな板と前記第2のまな板は、平面形状が同一の長方形の薄板であり、それら第1のまな板と第2のまな板との間に、長方形の長辺に沿って且つ互いに間を空けて細長い薄板を2枚挟み込むことにより、前記第1のまな板と前記第2のまな板との幅方向中央部の間に、長手方向に沿って延びる包丁収容部が形成されている請求項1記載の包丁収容部付きまな板。
【請求項3】
前記包丁収容部は、第1のまな板と前記第2のまな板の両端面間を貫通している請求項2記載の包丁収容部付きまな板。
【請求項4】
前記第1のまな板と前記第2のまな板とは、分離可能となっている請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の包丁収容部付きまな板。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−113855(P2008−113855A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299834(P2006−299834)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(506371914)
【Fターム(参考)】