説明

包装用ラップフィルムの取出具及び包装用ラップフィルムの収納箱

【課題】包装用ラップフィルムの収納箱に収納可能で、包装作業時に、引っ張りだした包装用ラップフィルムに皺がよらず、奇麗に切断することができる、扱い易い取出板と取出板を収納できる収納箱とを提供する。
【解決手段】
包装用ラップフィルム2と同じ横幅19で、長方形の薄い取出板1の片面に粘着材80を付ける。包装用ラップフィルム2が入った収納箱本体6の前壁面50と包装用ラップフィルム2の取出先端部との間に、支持板7〜12で隙間を作る。収納箱の上蓋4に設けた蛇腹部5を収納箱の前方に押し広げ、刃3のついた上蓋4をズラして、隙間に取出板1を挿入する。取出板1で包装用ラップフィルム2を必要量引っ張りだして切断し食品を包装したのち、前記取出板1を取出先端部の隙間に再び収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等を包装用ラップフィルムで包装する際に、必要なフィルム量を取り出す場合に利用される包装用ラップフィルムの取出具及び、その包装用ラップフィルムを収納する収納箱とを備えた包装具に関する。
【背景技術】
【0002】
包装用ラップフィルムで食品等を包装する場合に、指で包装用ラップフィルムの取出先端部を摘んで引き出していたが、横幅の広い包装用ラップフィルムの中間位置を摘んで引っ張ることしかできないので、皺よりや捻れ等が生じて、旨く食品を包むことができなかった。
そこで、引き出す際に皺より等を発生させ難い取出具として、包装用ラップフィルムの横幅に略等しい横幅を有する板に粘着層を設けたものがあった。この考案では、包装用ラップフィルムの取出先端部を粘着層部分に取り付けて、この板とともに引っ張り操作することによって、包装用ラップフィルムを広げた状態で引っ張ることができるものである(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】実用新案公開平07−28840
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成のものでは、板の縦幅が包装用ラップフィルムを収納した収納箱の前壁面の立て幅より短いものである。
したがって、この板に包装用ラップフィルムの取出先端部を装着する際に、十分に上蓋を持ち上げ、その取出先端部をある程度引き出した状態でなければ、装着することが難しい面がある。
また、この板を使用した後、どこに仕舞うかといった面でも十分に対処できない面がある。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決し、包装用ラップフィルムを取出す際の取出し操作が容易で、かつ、仕舞い処理にも困らない包装用ラップフィルムの取出具及び包装具を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔構成〕
本願発明にかかる第1の特徴構成は、包装用ラップフィルムを出し入れする上向き開口を覆う上蓋を備えている収納箱本体に装備される包装用ラップフィルムの取出具であって、
前記包装用ラップフィルムの横幅と同幅又は略同幅の横幅で、かつ、前記上蓋における前記収納箱本体の前壁面を覆う前面部の縦幅より長い縦幅を有し、包装する為に引き出される収納ラップフィルムの取出先端部を接着固定する粘着層を備えた点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0007】
〔作用〕
包装用ラップフィルムの取出先端部を、収納箱の前壁面と上蓋における前記前壁面に被さる前面部との間に垂れ下げる。その垂れ下げられた取出先端部と収納箱の前壁面との間に、粘着層を前記包装用ラップフィルムの取出先端部に向けた状態で、差し入れる。
差し入れた状態で取出先端部と粘着層を密着させる。この場合に上蓋の前面部における前記粘着層に対応する部分を指等で押し付けることによって、取出先端部と粘着層との密着度合いを高めることができる。
包装用ラップフィルムの取出先端部を取出具に接着した状態で、上蓋の前面部の下端より下方に覗いた取出具の下端部分を手指で摘む。そして、上蓋をやや持ち上げて取出具とともに包装用ラップフィルムを引き出していく。十分引き出した状態で、収納本体と上蓋とに相対的な捻りを加えて包装用ラップフィルムを切断する。
【0008】
〔効果〕
このように取出具を使用することによって、包装用ラップフィルムを皺よりなく、かつ、捻れ等を生ずることなく引き出すことができ、それ故に食品等を包装する際に、十分広げた状態で包み込むことが容易に行える。
しかも、取出具の縦幅が収納箱の前壁面に被さっている上蓋の前面部の縦幅より長くなっているので、取出具における上蓋の前面部より下方において露出する下端部分を容易に掴むことができ、包装用ラップフィルムの取出し状態を容易に行うことができる。
【0009】
〔構成〕
本願発明にかかる第2の特徴構成は、包装用ラップフィルムを出し入れする上向き開口を覆う上蓋を備えている収納箱本体に装備される包装用ラップフィルムの取出具であって、
前記包装用ラップフィルムの横幅と同幅又は略同幅の横幅で、かつ、前記上蓋における前記収納箱本体の前壁面を覆う前面部の縦幅より長い縦幅を有し、包装する為に引き出される収納ラップフィルムの取出先端部を接着固定する粘着層を備えた点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0010】
〔作用〕
包装用ラップフィルムの取出先端部を、収納箱の前壁面と上蓋における前記前壁面に被さる前面部との間に垂れ下げる。その垂れ下げられた取出先端部と収納箱の前壁面との間に、粘着層を前記包装用ラップフィルムの取出先端部に向けた状態で、差し入れる。
差し入れた状態で取出先端部と粘着層を密着させる。この場合に上蓋の前面部における前記粘着層に対応する部分を指等で押し付けることによって、取出先端部と粘着層との密着度合いを高めることができる。
包装用ラップフィルムの取出先端部を取出具に接着した状態で、収納箱の前壁面の下端より下方に覗いた取出具の下端部分を手指で摘む。そして、取出具とともに包装用ラップフィルムを引き出していく。十分引き出した状態で、収納本体と上蓋とに相対的な捻りを加えて包装用ラップフィルムを切断する。
【0011】
〔効果〕
このように取出具を使用することによって、包装用ラップフィルムを皺よりなく、かつ、捻れ等を生ずることなく引き出すことができ、それ故に食品等を包装する際に、十分広げた状態で包み込むことが容易に行える。
しかも、取出具の縦幅が収納箱の前壁面の縦幅より長くなっているので、上蓋を持ち上げることなく、取出具における前壁面より下方において露出する下端部分を容易に掴むことができ、包装用ラップフィルムの取出し状態を容易に行うことができる。
【0012】
〔構成〕
本願発明にかかる第3の特徴構成は、請求項1又は2に記載の包装用ラップフィルムの取出具と、上蓋と包装用ラップフィルムを収納する収納箱本体とを備えた収納箱とで構成される点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0013】
〔作用効果〕
このように包装用ラップフィルムの取出具と、包装用ラップフィルムの収納箱とをセットで取り扱うことができるので、両者が別個に構成されている場合に比べて包装作業が容易に行える。
【0014】
〔構成〕
本願発明にかかる第4の特徴構成は、前記収納箱に、前記上蓋における前記前壁面に被さる前面部が前記前壁面に対して離間する方向に伸縮変位する伸縮部を形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0015】
〔作用〕
包装用ラップフィルムの取出先端部を、収納箱の前壁面と上蓋における前記前壁面に被さる前面部との間に垂れ下げる。その垂れ下げられた取出先端部と収納箱の前壁面との間に、粘着層を前記包装用ラップフィルムの取出先端部に向けた状態で、取出具を差し入れる。
この差し入れる際に、伸縮部を押して上蓋を収納箱の前壁面側に押し出すと、上蓋の前面部が収納箱の前壁面から離間し隙間ができる。
この隙間によって、取出具をその隙間内に差し込み易くなり、取出具を差し込んだ状態で伸縮部を元に戻し操作をすれば(或は押し操作を解除すれば)、取出具が上蓋の前面部と前壁面とで挟まれて少し差し込み状態が保持される。
【0016】
〔効果〕
取出具に包装用ラップフィルムの取出先端部を取り付ける際に、上蓋を変位させることができるので、取出具をその間隙部分に差し込み易く、取出具に包装用ラップフィルムの取出先端部を取り付ける操作を容易迅速に行うことができる。
【0017】
〔構成〕
本願発明にかかる第5の特徴構成は、前記収納箱本体から引き出される包装用ラップフィルムの取出先端部と前記前壁面との間に位置し、前記取出具を差し込み可能な懐空間を有する突出部を、前記前壁面から突出する状態で形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0018】
〔作用〕
包装用ラップフィルムの取出先端部を、収納箱の前壁面から突出された突出部と上蓋における前記前壁面に被さる前面部との間に垂れ下げる。収納箱の前壁面から突出された突出部の懐空間に、粘着層を前記包装用ラップフィルムの取出先端部に向けた状態で、取出具を差し入れる。
この差し入れる際に、この懐空間に取出具を差し入れるだけでよく、取出具を垂れ下げられた取出先端部と収納箱の前壁面との間に差し込むのに、取出先端部を持ち上げる等の操作を必要としない。
【0019】
〔効果〕
このように、収納箱の前壁面に突出部を設けるだけの改善を行うだけで、取出具の差し込み操作を包装用ラップフィルムの取出先端部を持ち上げることなく楽に行うことができる。
【0020】
〔構成〕
本願発明にかかる第6の特徴構成は、前記収納箱に、前記収納箱の前壁面と前記上蓋における前記収納箱の前壁面に被さる前面部との間に前記取出具を収納可能な部分を形成している点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0021】
〔作用〕
つまり、包装用ラップフィルムの取出先端部を、収納箱の前壁面と上蓋における前記前壁面に被さる前面部との間に垂れ下げる。その垂れ下げられた取出先端部と収納箱の前壁面との間に、粘着層を前記包装用ラップフィルムの取出先端部に向けた状態で、差し入れる。請求項5に記載するように突出部が設けられている場合には前記した懐空間内に差し入れ、取出具の粘着層と包装用ラップフィルムの取出先端部を接着することによって、その位置で取出具は保持される。
【0022】
〔効果〕
このように、取出具を収納箱の備品として付設することができ、取出具の仕舞い処理を支障なく行うことができ、かつ、取出具を使用する際にも仕舞い場所まで出向く必要がなく、探し回る必要もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
取出具1について説明する。図1〜3に示すように、取出具1は、長方形の板であり、包装用ラップフィルム2の横幅より僅かに横幅19を広く採っており、後記する収納箱の前壁面50の縦幅より僅かに長い縦幅18を採っている。
【0024】
取出具1の片面には、粘着層80が設けてあり、粘着層80に塗布される粘着材としては、手指の力で比較的剥がれ易いものがよい。ただし、包装用ラップフィルム2を接着して引き出すだけの接着力は必要である。粘着層80は後記する突出部7〜11と干渉しないように、複数箇所に分割塗布されている。
【0025】
包装用ラップフィルム2を収納する収納箱について説明する。収納箱は有底矩形で上向きに開口する収納箱本体6と収納箱本体6の後壁上端に揺動自在に取り付けてあり開口を覆う上蓋4とで構成してある。
上蓋4は、前記した開口を覆う上面部と、上面部の前端から屈曲されて立ち下げられている前面部と、上面部と前面部との横側方に位置する両側面部とで構成してある。前面部の下端位置に、収納箱から引き出した包装用ラップフィルム2を裁断する刃3が取り付けてある。
ここに、図2中の符号15、16は包装用ラップフィルムロール14の飛び出し防止具である。
【0026】
図1に示すように、上蓋4に、その上面部とその上面部を揺動可能に支持する、収納箱本体6の後壁面との接続位置に、その上面部と一体で前面部が前壁面50に対して離間する方向に伸縮変位する伸縮部5を形成してある。伸縮部5は、蛇腹で形成してあり、蛇腹部分を前方に押しやるように操作することによって、上蓋4全体を前方に移動させることができ、上壁4の前面部と収納箱本体6の前壁面50との間に間隙を形成することができる。
【0027】
前壁面50に設ける突出部について説明する。突出部は、図4に示すように、板材を折り曲げ加工した短冊状の支持板7〜12を、前壁面50の複数箇所に係止することによって構成される。左右両側に位置する支持板7、11は、収納箱本体6の前壁面50に沿う台形状の前辺部と、収納箱本体6の前壁面50の上端に引っ掛け係止される上辺部と、前壁面50の背面側に位置する背辺部とでなる。上辺部は前壁面50より前後幅が広くなっており、支持板7を前壁面50に係止した状態で前壁面50と前辺部との間に懐空間が形成される。
【0028】
支持板7、11の間に係止される支持板8、9、10、12は、前辺部と上辺部と背辺部とを折り曲げて形成されている点では、支持板7、11と同様の形状を呈するが、横幅が狭く前辺部から背辺部に亘って略一定幅を呈している。中央に位置する支持板12は前辺部の縦長さが他のものより短くなっている。
上辺部は前壁面50より前後幅が広くなっており、支持板7〜12を前壁面50に係止した状態で前壁面50と前辺部との間に懐空間が形成され、その懐空間に取出具1を下方から差し込み可能に構成してある。
【0029】
以上のような構成により、包装用ラップフィルム2を取出す操作を説明する。
(1) 図2に示すように、上蓋4を開放した状態で、包装用ラップフィルム2を取出し、取出先端部を収納箱本体6の前壁面50に装着した支持板7〜12を覆うように被せる。
(2) 次に、図2に示すように、支持板7〜12の懐空間内に取出具1を差し込む。取出具1は、粘着層80を手前側にした状態で差し込む。
(3) 取出具1と包装用ラップフィルム2の取出先端部を、覆うように上蓋4を被せる。
(4) 取出具1の粘着層80と包装用ラップフィルム2の取出先端部を、図1で示すように、上蓋4の前面部の中間領域21を押さえることによって、接着する。
(5) そして、上蓋4をやや持ち上げながら取出具1を水平に引き操作して、包装用ラップフィルム2の取出先端部を引き出して行く。包装用ラップフィルム2を引き出した状態で、上蓋4を持ち上げていた状態を解消して元の閉塞状態に戻し、包装用ラップフィルム2の取出先端部とともに取出具1を上下向きに折り返す。
(6) この状態で包装用ラップフィルム2に十分な張力を掛けながら、更に引っ張り操作して必要量だけ引き出す。
(7) 刃3の中央部を親指で押さえ、収納箱本体6を持った手を捻って、刃3で包装用ラップフィルム2を切り、食品等を包装した後に、包装用ラップフィルム2から取出具1を離す。
【0030】
〔実施例〕
(イ) (取出具1について)
一般に家庭で使われる包装用ラップフィルム2の幅は30cmであるので、縦幅3.5cmで、横幅30.5cm位の耐水性処理を施した適度な強度を持ち厚さ1〜2mmの紙、又は適度な強度を持った厚さ1mm位のポリプロピレン等の合成樹脂板を使用して、取出具1を形成する。
(ロ) 取出具1としては、図14に示すように、収納箱本体6の前壁面50の下端より突出する取出し板101であってもよい。このように縦幅を5cm位にすると、上蓋4を持ち上げることなく、取出し板101の下端部を掴んで引き出し操作が容易に行える。
【0031】
(ハ) (突出部:支持板7〜12について)
支持板7〜12の材質は、全て適度な強度をもつ紙、或は、ポリプロピレン等の合成樹脂、薄い金属の板、ゴム等が採用され、厚さは0.2〜0.5mmのものである。前記したように、断面コノ字型に成形し、収納箱本体6の前壁面50の背面側に接着剤で固定する。
【0032】
(二) 支持板7〜12の作成方法としては、次のようなものを採用してもよい。図11に示すように、適度な強度を持つ二重の紙できた収納箱本体63の、一枚目の紙の前面50に、支持板7〜12をミシン目で
形を描いておく。そのミシン目に沿って切り出し、上蓋4の上面と収納箱本体6の前壁面50とが接する辺AA'と、その数mm下の折り線BB'で支持板の基端部をコノ字状に折り曲げ、取出具1を差し込むための懐空間を形成する。
【0033】
(ホ) 図2に示すように、支持板7〜12の前面部の寸法をここで記載する。
支持板7 台形 (上辺30mm、下辺15mm、高さ38mm)
支持板8 長方形(幅 10mm、高さ38mm)
支持板9 長方形(幅 5mm、高さ38mm)
支持板10 長方形(幅 5mm、高さ38mm)
支持板11 台形 (上辺30mm、下辺15mm、高さ38mm)
支持板12 長方形(幅 10mm、高さ30mm)
ここで、図2に示すように、支持板12における下端部13には粘着材を塗布する。
【0034】
図2に示すように、支持板7〜12を収納箱6の前壁面50に装着するには、略等間隔に横幅に沿って取り付けるが、適宜変更が可能である。また、前記したように、中央に位置する支持板12の高さが重要である。包装用ラップフィルム2の接着した取出具1を手指で摘み易くするために、他の支持板より下端高さを8mmほど高くしてある。
【0035】
〔別実施の形態〕
(1)取出具1としては、単純な長方形の板である必要はなく、下端部が前方に向けて90度屈曲する鍔部を設けてもよい。鍔部が包装用ラップフィルム2を引き出す方向に延出されるので、手指で掴み易く引き出し操作が楽である。
【0036】
(2) 突出部としては、支持板として収納箱本体6と別個に構成したが、収納箱本体6の前壁面50から上面部と前面部とを一体的に、樹脂等で成形してもよい。
【0037】
(3) 突出部としての支持板7〜12としては、個別に形成することとしたが、図5に示すように、背面部と上面部が連続する一枚の板で繋がった支持板22であってもよい。また、図12に示すように、各支持板7〜12の前面部も一部繋がった状態の支持板90のものに形成してもよい。図13に示すように、隣同士の支持板7〜12が繋がって、二組か三組に分割する支持板91、92でもよい。図中131は、粘着材を塗布した状態を示している。
【0038】
(4) 伸縮部としては、図1に示すように、蛇腹部5を設けたが、図6に示すように、柔軟性の高い紙、ビニール等の合成樹脂、ゴム、布等の板材20を使用することができる。この図6においては、収納箱本体61と符号を付している。
【0039】
(5) 図7、9、10に示すように、収納箱本体62の前壁面70に突出部がなく、かつ、伸縮部もない上蓋41を持った収納箱を構成してもよい。ただし、この場合には、収納箱本体62の前壁面70の中央位置に、包装用ラップフィルム2の取出先端部が巻き戻らないように、粘着材81を塗布しておく。図9、10中の符号31は刃3の側面を示す。
【0040】
この場合の操作方法は、次のようになる。つまり、図9に示すように、上蓋41を開き、包装用ラップフィルム2の取出先端部に取出具1の粘着材80を密着させ、図10に示すように、上蓋41を閉じて上蓋41の上から粘着材80部分を押さえて密着性を向上させる。
そして、上蓋41を再び少し開いて、取出具1を引っ張り操作して、包装用ラップフィルム2を引き出して、図7に示すように、食品等を覆った状態で取出具1を上下向きに切り替えて、収納箱本体62を捻り操作して、包装用ラップフィルム2を刃3で切断する。
【0041】
包装を終えた後には、図8に示すように、上蓋42を開き、包装用ラップフィルム2の取出先端部に取出具1の粘着材80を塗布した面を重ね置き、この状態で上蓋42を閉じ姿勢に戻して、取出具1を収納箱に装備させることができる。この上蓋42は上辺部を取り除いたものである。
【0042】
(6) 粘着層としては、一般的な粘着材だけでなく、包装用ラップフィルム2の密着できるものであればよく、例えば、互いに接着しやすい包装用ラップフィルム2自体を粘着材として所定位置に貼付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】収納箱から取出具で包装用ラップフィルムを取出す状態を示す斜視図
【図2】支持板の懐空間に取出具を差し込む前の状態を示す斜視図
【図3】支持板の懐空間に取出具を差し込んだ状態を示す斜視図
【図4】突起部として支持板を示す斜視図
【図5】各支持板を背面部と上面部とを連続状に形成した突起部を示す斜視図
【図6】図3において伸縮部を柔軟性の高い部材に交換したものを示す斜視図
【図7】突出部や伸縮部を装備していない収納箱を使用して包装用ラップフィルムを取出す状態を示す斜視図
【図8】図7で包装作業を終えた後に、取出具を収納箱に収納した状態を示す斜視図
【図9】図7における収納箱から取出具で包装用ラップフィルムと取出す前の上蓋を開いた状態を示す側面図
【図10】図9において、上蓋を閉じた状態を示す斜視図
【図11】支持板を収納箱本体の前壁面から切り起こす前の状態を示す斜視図
【図12】突出部としての支持板を一連一体のものとして形成した別実施構造を示す斜視図
【図13】支持板を二つのもので構成する状態を示す斜視図
【図14】図6において、取出具下端部が収納箱本体の前壁面より下方にはみ出す程、縦幅の長い取出具を収納する状態を示す斜視図
【符号の説明】
【0044】
1、101 取出具
2 包装用ラップフィルム
3 刃
4、41、42 上蓋
5、20 蛇腹部(伸縮部)
6、61〜63 収納箱本体
7〜12、22、90〜92 (支持板)突出部
50、70 収納箱の前壁面
80、81、131 粘着材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装用ラップフィルムを出し入れする上向き開口を覆う上蓋を備えている収納箱本体に装備される包装用ラップフィルムの取出具であって、
前記包装用ラップフィルムの横幅と同幅又は略同幅の横幅で、かつ、前記上蓋における前記収納箱本体の前壁面を覆う前面部の縦幅より長い縦幅を有し、包装する為に引き出される収納ラップフィルムの取出先端部を接着固定する粘着層を備えた包装用ラップフィルムの取出具。
【請求項2】
包装用ラップフィルムを出し入れする上向き開口を覆う上蓋を備えている収納箱本体に装備される包装用ラップフィルムの取出具であって、
前記包装用ラップフィルムの横幅と同幅又は略同幅の横幅で、かつ、前記収納箱本体の前壁面の縦幅より長い縦幅を有し、包装する為に引き出される収納ラップフィルムの取出先端部を接着固定する粘着層を備えた包装用ラップフィルムの取出具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包装用ラップフィルムの取出具と、上蓋と包装用ラップフィルムを収納する収納箱本体とを備えた収納箱とで構成される包装用具。
【請求項4】
前記収納箱に、前記上蓋における前記前壁面に被さる前面部が前記前壁面に対して離間する方向に伸縮変位する伸縮部を形成してある請求項3記載の包装用具。
【請求項5】
前記収納箱本体から引き出される包装用ラップフィルムの取出先端部と前記前壁面との間に位置し、前記取出具を差し込み可能な懐空間を有する突出部を、前記前壁面から突出する状態で形成してある請求項3又は4記載の包装用具。
【請求項6】
前記収納箱に、前記収納箱の前壁面と前記上蓋における前記収納箱の前壁面に被さる前面部との間に前記取出具を収納可能な部分を形成している請求項3から5のうちのいずれか一項に記載の包装具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−6468(P2010−6468A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288481(P2008−288481)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(507232962)
【Fターム(参考)】