説明

包装用容器

【課題】 蓋を嵌めやすくしつつも、外れにくい包装用容器を提供する。
【解決手段】 上端が周側枠2よりも上方に突出する上方から下方への折返部18が容器本体1のコーナー部に設けられ、該折返部18の上端側である凸部19と、蓋3のコーナー部に設けられた凹部41とが凹凸嵌合することにより、蓋3を容器本体1に着脱自在に取り付けるようにする。これにより、容器本体1と蓋3との嵌合力が高められるが、凹凸嵌合は容器の全周で行われるわけではないので、蓋3を容器本体1に嵌めにくいといった不都合も生じない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を収容するのに適した包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、弁当、寿司、惣菜、肉や刺身等の生鮮品、調理素材といった各種の食品を収容する包装用容器として、発泡プラスチックからなる周側枠の内側に食品の収容部を有するプラスチック製の容器本体を配置し、透明な蓋体で覆うようにした包装用容器が知られている。この種の包装用容器は、容器本体の外周に周側枠を設けているので、容器本体と蓋体とからなる包装用容器よりも見栄えが良くなり、商品価値を高めることができるといった利点があり、さらに、内容物を加熱するために電子レンジにかける場合であれば、周側枠が備える断熱性のために持ち手が熱くならないといった利点がある。
【0003】
この種の包装用容器は、図6(a)に示す如く、蓋52が周側枠51よりもやや大きく、そのため、蓋52が周側枠51と共に容器本体50の開口を覆うようにして容器本体50に取り付けられ、容器本体50のうち、周側枠51よりも上方に突出する外周部に凹部53が設けられる一方、蓋52には、該凹部53と係合する凸部54が設けられ、凹部53と凸部54とが嵌合することにより、蓋3が容器本体1に着脱自在に取り付けられる、いわゆる外嵌合タイプのものが知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−83089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の包装用容器は、電子レンジなどで加熱した際に、容器内の食品から生じた蒸気により蓋52が加熱されて、蓋52の外周縁が外方に変形した場合には、図6(b)に示す如く、嵌合状態が解除されるおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、蓋を嵌めやすくしつつも、外れにくい包装用容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る包装用容器は、上記課題を解決すべく構成されたもので、容器本体と、該容器本体を取り囲むようにして取り付けられる周側枠と、容器本体及び周側枠のそれぞれ開口を覆うようにして容器本体に着脱自在に取り付けられる蓋とを備える包装用容器において、容器本体は、内容物の収容部を構成する本体部と、該本体部の外周に沿って設けられる外周部とを備えると共に、該外周部は、容器本体のコーナー部において、上端が周側枠よりも上方に突出する上方から下方への折返部を備える一方、蓋は、容器本体の本体部と共に内容物の収容部を構成する蓋本体部と、該蓋本体部の外周に沿って設けられる蓋外周部とを備えると共に、該蓋外周部は、蓋のコーナー部において、前記折返部の上端側である凸部に外嵌する凹部を備え、容器本体の凸部と蓋の凹部とが凹凸嵌合することにより、蓋が容器本体に着脱自在に取り付けられるよう構成されてなることを特徴とする。
【0007】
かかる構成によれば、容器本体の凸部を内側及び外側から挟み込んで蓋の凹部が嵌合するように機能する。このような容器本体と蓋との嵌合構造(蓋の取り付け構造)は、いわゆる内外嵌合タイプとなるため、従来の包装用容器に比べて嵌合力が強く、蓋が外周縁外方へ変形することを抑制し、蓋が不用意に外れたりすることはなくなる。しかも、その内外嵌合タイプからなる容器本体と蓋との嵌合構造が包装用容器の全周に亘って設けられるとすれば、その嵌合力の強さにより、逆に蓋を嵌めにくいという問題が生じるが、本発明では、部分的に嵌合構造を設けているため、そのような問題が生じることもない。即ち、本発明に係る包装用容器によれば、蓋を嵌めやすくしつつも、外れにくい、といった一見相反する二つの事項を解決することができるのである。
【0008】
また、本発明に係る包装用容器は、前記容器本体の凸部は、所定箇所に係合用凸部又は係合用凹部の何れか一方を備え、前記蓋の凹部は、容器本体の係合用凸部又は係合用凹部の何れか一方と係合する係合用凸部又は係合用凹部の何れか他方を備える構成を採用することができる。
【0009】
かかる構成によれば、容器本体の凸部全体と蓋の凹部全体との嵌合に際し、それぞれ係合用凸部と係合用凹部とを係合させることにより、容器本体への蓋の取り付け状態をより確実に維持することができるようになる。
【0010】
また、本発明に係る包装用容器は、前記容器本体の折返部は、容器本体の各辺の中間部に向かうに従って漸次低くなるような構成を採用することができる。
【0011】
かかる構成によれば、容器に収容された内容物をより視認しやすくすることができ、弁当や惣菜など、消費者による購買意欲の向上が期待できる。
【発明の効果】
【0012】
以上の如く、本発明は、容器本体に部分的に設けられた凸部と、蓋に部分的に設けられた凸部とが凹凸嵌合し、容器本体と蓋との嵌合構造がいわゆる内外嵌合タイプとなるため、嵌合構造が部分的にしか設けられていなくても、容器本体と蓋との嵌合力は強く、不用意に蓋が外れてしまうことを好適に防止することができ、且つ、蓋を嵌めやすく、外しやすいという相反する効果を満足することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る包装用容器(以下、単に「容器」という)について、図面を参酌しつつ説明する。尚、上記従来の包装用容器に関する説明のうち、本実施形態に係る包装用容器にも共通する部分については、本実施形態に係る包装用容器に関する説明として、それを援用可能であることは言うまでもない。また、以下の説明において、「外方」、「内方」なる用語が用いられることがあるが、「外方」とは、容器の中心から見て水平方向に広がる方向をいい、「内方」とは、水平方向において外側から容器の中心側に向かう方向をいう。但し、これら「外方」、「内方」なる用語は、水平方向と一致する場合のみならず、それに対してある程度の角度範囲で傾斜する方向も含むものである。
【0014】
図1は、本実施形態に係る容器の平面図を示す。容器は、容器本体1と、該容器本体1の外周を取り囲むようにして容器本体1の外周縁に取り付けられる周側枠2と、容器本体1に着脱自在に取り付けられる蓋3とを備える。言い換えれば、容器は、周側枠2の内側に容器本体1が設けられ、該容器本体1を蓋体3で覆うように構成したものである。尚、図1においては、蓋3は、一部(右上の四分の一の領域)のみ表され、それ以外は表していない。従って、図1の右上の四分の一の領域は、蓋3が容器本体1及び周側枠2を覆った状態で表され、その他の四分の三の領域は、蓋3が無い状態、即ち、容器本体1及び周側枠2が露出した状態で表される。
【0015】
容器は、閉蓋状態、即ち、容器本体1に蓋3が取り付けられた状態で、略直方体をなす、いわゆる角形容器である。そのため、容器は、平面視にて四角形(長方形)を呈しており、容器本体1、周側枠2、蓋3の何れもが平面視にて四角形を呈する。但し、厳密に言えば、容器の各コーナー部は、直角ではなく、角を取って丸みが付けられる。本実施形態においては、このコーナー部(容器の四隅)において、容器本体1と蓋3との嵌合構造が採用され、容器本体1に蓋3を着脱自在に取り付けることができるようになっているが、これについては後述する。
【0016】
容器本体1及び蓋3は、プラスチックシート(合成樹脂製シート)を成形して構成され、プラスチックとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、あるいはポリスチレン(PS)等の材質が用いられる。また、容器本体1は、着色が施されて不透明であってもよく、蓋3を介して内容物を視認することができる点で、蓋3は透明であるのが好ましい。一方、周側枠2は、発泡プラスチック製の帯状素材を容器本体1の外周縁に沿うようにして四角形(方形)に折り曲げ、さらに、端部同士を接着剤で固定したものである。周側枠2は、高級感を醸し出すために外側表面に木目等の装飾が施されるようにしてもよい。
【0017】
蓋3の大きさは、周側枠2の大きさと同じかそれよりもやや大きく構成され、蓋3の外周縁が周側枠2の外側に張り出すように構成されている。また、その外周縁は、図示しないが、プレスによる細かな凹凸加工やエンボス加工を施すことにより、側面視にて波形(正弦波、三角波、台形波等)の外縁線、即ち、直線ではない外縁線を備えるようになっている。これらにより、蓋3の外周縁のエッジの鋭利さが解消されるため、蓋3を開閉する際の指先を保護することができ、また、包装フィルム(図示しない)を使用してラッピングする際に包装フィルムが裂断するのを防止することができる。さらに、蓋3の外周縁の強度が増し、蓋3が裂断するのを防止する効果もある。尚、蓋3の外周縁の一部に開蓋用の指掛けを設けてもよく、また、上記した外周縁のエッジの鋭利さを解消するための種々の施策は、容器本体1の外周縁に施してもよい。
【0018】
図2は、容器本体1と蓋3との嵌合構造が設けられる容器のコーナー部における拡大断面図(図1のA−A線断面図)を示す。容器本体1は、大きく分けると、(下方に)窪んで食品の収容部を構成する本体部10と、該本体部10の外周に沿って設けられる外周部13とからなる。また、蓋3は、大きく分けると、(上方に)膨らんで容器本体1の本体部10と共に食品の収容部を概略的に構成する蓋本体部30と、該蓋本体部30の外周に沿って設けられる蓋外周部34とからなる。
【0019】
容器本体1の本体部10は、底部11と、該底部11の外周から上方に延びる(立ち上がる)、より詳しくは、上方側ほど外方に膨らむように傾斜して上方に延びる、食品の収容部の周壁を構成する周壁部12とからなる。底部11は、さらに、底面部11aと、該底面部11aの周りに配置される環状凹部11bとからなり、周壁部12は、環状凹部11bにて底部11と接続される。このように、容器本体1は、底が平坦で、上方に向かって横断面積が漸次増加する形状となっている。また、容器本体1の底部11は、周側枠2の下端よりも高い位置に設定され、容器本体1の底を浮かせるようにしている。このような構成は、容器本体1を積み重ねて載置するのに適している。
【0020】
容器本体1の外周部13は、周壁部12からさらに上方に延びる(立ち上がる)、より詳しくは、傾斜することなく上方に延びる起立部14と、該起立部14から外方に延びる(張り出す)、より詳しくは、傾斜することなく外方に延びる頂部15と、該頂部15から下方に延びる(垂下する)、より詳しくは、傾斜することなく下方に延びる垂下部16と、該垂下部16から外方に延びる(張り出す)、より詳しくは、階段状に屈曲しつつ外方に延びる取付部17とからなる。
【0021】
垂下部16は、さらに、起立部14と対峙し且つ該起立部14に対応した高さを有する第一部位16aと、該第一部位16aから下方に延び(垂下し)、周壁部12と対峙する第二部位16bとからなる。周壁部12の上端、即ち、起立部14の下端は、垂下部16の第二部位16bの上端、即ち、垂下部16の第一部位16aの下端、と同じ又は略同じ高さ位置に設定され、しかも、それは、周側枠2の上端と同じ又は略同じ高さ位置に設定されている。
【0022】
そこで、起立部14、頂部15及び垂下部16は、容器本体1の外周部13において、上方から下方に折り返される折返部18を構成し、また、起立部14、頂部15及び垂下部16の第一部位16aは、容器本体1の外周部13において、(上方に)膨らんだ凸部18a、より詳しくは、周側枠2よりも上方に突出した凸部18aを構成する。即ち、凸部18aは、折返部18の一部であり、より詳しくは、折返部18の上端側に位置する構成である。
【0023】
取付部17は、周側枠2の内壁に設けられた、より詳しくは、内壁のうち、中間箇所よりも上方箇所にて周回方向に沿って設けられたスリット21に挿入され、例えば、取付部17を固着するために接着剤(図示しない)を使用して容器本体1と周側枠2とを一体化させる。尚、容器本体1と周側枠2を一体化する手段としては、接着剤や熱融着といった固着手段に限定されず、例えば、取付部17が周側枠2の内壁又はスリット21に食い込むようにしてもよいし、取付部17がスリット21から脱落することが無いのであれば、接着剤や熱融着といった固着手段を用いることなく、単に周側枠2を容器本体1の周りに巻いて取り付けるだけであってもよい。
【0024】
蓋本体部30は、天井部31と、該天井部31の外周から下方に延びる(垂下する)、より詳しくは、下方側ほど外方に膨らむように傾斜して下方に延びる、食品の収容部の周壁を構成する周壁部32と、該周壁部32から外方に延びる(張り出す)、より詳しくは、傾斜することなく外方に延びる段落部33とからなる。このように、蓋3は、天井が平坦で、下方に向かって横断面積が漸次増加する形状となっている。
【0025】
蓋外周部34は、段落部33から上方に延びる(立ち上がる)、より詳しくは、傾斜することなく上方に延びる起立部35と、該起立部35から外方に延びる(張り出す)、より詳しくは、傾斜することなく外方に延びる頂部36と、該頂部36から下方に延びる(垂下する)、より詳しくは、傾斜することなく下方に延びる垂下部37と、該垂下部37から外方に延びる(張り出す)、より詳しくは、傾斜することなく外方に延びる第一鍔部38と、該第一鍔部38から下方に延びる(垂下する)、より詳しくは、傾斜することなく下方に延びる第二鍔部39と、該第二鍔部39から外方に延びる(張り出す)、より詳しくは、傾斜することなく外方に延びる縁部40(容器の外周縁)とからなる。
【0026】
段落部33の先端、即ち、起立部35の下端は、第一鍔部38の基端、即ち、垂下部37の下端、と同じ又は略同じ高さ位置に設定され、しかも、それは、周側枠2の上端と同じ又は略同じ高さ位置に設定されている。そして、起立部35は、容器本体1の起立部14より僅かに高く形成され、該起立部14と密接又はそれに近い状態で対峙する。頂部36は、容器本体1の頂部15より僅かに幅広に形成され、該頂部15と密接又はそれに近い状態で対峙する。垂下部37は、容器本体1の垂下部16の第一部位16aよりも僅かに高く形成され、該第一部位16aと密接又はそれに近い状態で対峙する。
【0027】
そのため、起立部35、頂部36及び垂下部37は、蓋外周部34において、(上方に)窪んだ凹部41、より詳しくは、周側枠2よりも上方に位置して下方が開放された凹部41を構成する。そして、該凹部41が容器本体1の凸部18aに外嵌する、言い換えれば、容器本体1の凸部18aが蓋3の凹部41に嵌入することにより、蓋3は、容器本体1に着脱自在に取り付けられる。
【0028】
容器本体1の凸部18aは、(内方に)膨らんだ係合用凸部19を備える一方、蓋3の凹部41は、(内方に)窪んだ係合用凹部42を備える。該係合用凹部42は、蓋3が容器本体1に取り付けられ、蓋3の凹部41が容器本体1の凸部18aに外嵌した状態で、係合用凸部19と係合するようになっている。しかも、係合用凸部19及び係合用凹部42は、容器本体1に対する蓋3の着脱方向と交差する方向において凹凸係合(あるいは凹凸嵌合)するため、この凹凸係合(凹凸嵌合)の部分においては簡単に外せられないような構造となっている。そうであるから、係合用凸部19を備える容器本体1の凸部18aは、嵌合凸部としての機能を有する一方、係合用凹部42を備える蓋3の凹部41は、嵌合凹部としての機能を有し、このような容器本体1と蓋3との嵌合構造(蓋の取り付け構造)は、いわゆる内外嵌合タイプとなっている。
【0029】
係合用凸部19及び係合用凹部42についてより詳しく言及すると、係合用凸部19は、起立部14の頂部15側の部位が容器本体1の中心側に向かって突出するように成形され、外面側が係合用凸部19として機能する一方、係合用凹部42は、起立部35の頂部36側の部位が蓋3の中心側(容器本体1の中心側と同じ)に向かって突出するように成形され、内面側が係合用凹部42として機能する。別の言い方をすれば、係合用凸部19は、凸部18aのうち、内側の側壁(起立部14)が内方に膨らむように形成される一方、係合用凹部42は、凹部41のうち、内側の側壁(起立部35)が内方(蓋3の中心側)に窪むように形成され、係合用凸部19の膨らみが係合用凹部42の窪みに係入することにより、容器本体1と蓋3とが一体化される。
【0030】
このような内外嵌合は、見方を変えて捉えることができる。即ち、凹部41に形成されるのが係合用凹部42ではなく、同じく係合用凸部43が形成されるものとみなすことができる。そうなると、蓋3の凹部41の係合用凸部43が、それよりも上方に位置する容器本体1の凸部18aの係合用凸部19に係止されることにより、容器本体1の凸部18aと蓋3の凹部41とが凹凸嵌合するとみなすこともできる。
【0031】
凹部41の係合用凸部43についてより詳しく説明すると、該係合用凸部43は、蓋3の凹部41から(外方に)膨らんだものである。即ち、係合用凸部43は、起立部35の段落部33側の部位が容器本体1の中心側と反対側に向かって突出するように成形され、内面側が係合用凸部43として機能する。別の言い方をすれば、係合用凸部43は、凹部41のうち、内側の側壁(起立部35)が外方に膨らむように形成され、係合用凸部43の膨らみが係合用凸部19の膨らみを乗り越えて係合用凸部19に上方から係止されることにより、容器本体1と蓋3とが一体化される。
【0032】
前記第一鍔部38は、周側枠2の上面と対峙し、該上面に重ねられる部位であり、前記第二鍔部39は、周側枠2の上端側の外面と対峙し、該外面に重ねられる部位であり、そのため、周側枠2の上端に第一鍔部38、第二鍔部39及び縁部40からなる外周縁部44が覆い被せられる。これにより、容器本体1の開口はもちろん、周側枠2の開口が蓋3(の外周縁部44)によって完全に覆われ得る。尚、上述した蓋3の外周縁のエッジの鋭利さを解消するための種々の施策は、縁部40に施されるものである。
【0033】
ところで、容器本体1の凸部18a(周側枠2から上方に突出する部位)は、図3に示す如く、容器本体1のコーナー部(容器本体1の四隅)に意図して設けられるものである。従って、容器本体1の各辺の中間部では、凸部18aは小さくなっているか、無くなっている。より詳しくは、容器本体1のコーナー部における凸部18aは、所定範囲においては一定形状であるのに対し、そこから外れると、各辺の中間部に向かうに従って漸次縮小していく形状となっており、各辺の中間箇所には形成されていない形態になっている。これは、容器本体1の長辺側(同図(a))、短辺側(同図(b))の何れにおいてでもある。
【0034】
また、言い方を変えると、容器本体1の折返部18(容器本体1の本体部10と容器本体1の取付部17とを連結する部位)の上端側は、容器本体1のコーナー部の所定範囲においては一定形状であるのに対し、そこから外れると、各辺の中間部に向かうに従って漸次低くなり、各辺の中間箇所にて最も低くなって周側枠2の上端と同じ又は略同じ高さ位置になる。これは、容器本体1の長辺側(同図(a))、短辺側(同図(b))の何れにおいてでもある。
【0035】
また、係合用凸部19及び係合用凹部42(係合用凸部43)も、辺に沿って形成され、容器本体1あるいは蓋3のコーナー部においてのみ形成される(図1参照)。尚、係合用凸部19及び係合用凹部42(係合用凸部43)は、各コーナー部において、互いに交差する二辺のそれぞれに一対ずつ設けられている。
【0036】
本実施形態に係る容器は、以上の構成からなり、容器本体1と蓋3とを部分的に嵌合させた内外嵌合構造としているので、従来の容器に比べて、嵌合力が強く、さらに、蓋3が熱などにより変形しにくい構造となっている。しかも、その内外嵌合構造が容器本体1と蓋3との全周に亘って設けられていないので、その嵌合力の強さにより、逆に蓋3を嵌めにくい、また、外しにくいという問題が生じることもない。即ち、本実施形態に係る容器によれば、蓋3を嵌めやすくしつつも、外れにくい、といった一見相反する二つの事項を簡潔な構成によって解決したものであり、電子レンジ加熱した場合でも不用意に外れない極めて有用なものとなり得る。
【0037】
また、容器本体1の各辺の中間部では、コーナー部における段落部33が形成されておらず、該段落部33は、周壁部32に吸収された格好となる。そのため、容器本体1の各辺の中間部では、周壁部32の傾斜が緩やかになっており、且つ、その先端が外方にせり出すようになっている。この点、容器のコーナー部における外観と、容器の各辺の中間部における外観とが大きく異なることになり、全体のデザインを斬新なものにすることが可能となる。
【0038】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態においては、容器本体1の凸部18a、蓋3の凹部41、のそれぞれ端部(詳しくは、上端部)に、係合用凸部19や係合用凹部42を設けるようにしているが、図4(a)に示す如く、途中箇所に設けるようにしてもよい。また、上記実施形態においては、係合用凸部19を容器本体1の凸部18a側に、係合用凹部42を蓋3の凹部41側に、設けているが、同図に示す如く、容器本体1の凸部18aに係合用凹部19’を設けると共に、蓋3の凹部41に係合用凸部42’を設けるようにしてもよい。
【0040】
また、上記実施形態においては、容器本体1の凸部18aのうち、内側の側壁(起立部14)に係合用凸部19を設けると共に、蓋3の凹部41のうち、内側の側壁(起立部35)に係合用凹部42を設けるようにしているが、図4(b)に示す如く、係合用凸部19''や係合用凹部42''を外側の側壁に設けるようにしてもよい。
【0041】
また、上記実施形態においては、容器本体1の垂下部16を周側枠2の途中箇所まで垂下させ、該周側枠2の内壁に設けたスリット21に固定するようにしているが、図4(c)に示す如く、垂下部16’を周側枠2の下面にまで延ばし、垂下部16’の先の取付部17’を周側枠2の下面に熱融着等の固着手段で取り付けるようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、係合用凸部19を備える容器本体1の凸部18aと、係合用凹部42を備える蓋3の凹部41とを嵌合させるようにしているが、凸部や凹部の構造はこれに限定されるものではない。例えば、図5に示す如く、係合用凸部や係合用凹部を設けることなく、基端側が幅狭(先端側が幅広)となる凸部18a’及び凹部41’によって内外嵌合するようにしてもよい。尚、同図(a)に示すものは、凸部18a’及び凹部41’のそれぞれ外側の側壁を傾斜させることにより、凸部18a’及び凹部41’の基端側を幅狭にする例であり、同図(b)に示すものは、凸部18a’及び凹部41’のそれぞれ内側の側壁を傾斜させることにより、凸部18a’及び凹部41’の基端側を幅狭にする例である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る包装用容器の平面図を示す。
【図2】図1のA−A線断面図を示す。
【図3】(a)は、図1のB矢視図、(b)は、図1のC矢視図、を示す。
【図4】(a)〜(c)は、それぞれ本発明の他実施形態に係る包装用容器の要部拡大断面図を示す。
【図5】(a)〜(b)は、それぞれ本発明のさらなる他実施形態に係る包装用容器の要部拡大断面図を示す。
【図6】従来の包装用容器の要部拡大断面図であって、(a)は、閉蓋状態、(b)は、熱等の原因により蓋の外周縁が外方へ変形してしまった状態、を示す。
【符号の説明】
【0044】
1…容器本体、10…本体部、11…底部、11a…底面部、11b…環状凹部、12…周壁部、13…外周部、14…起立部、15…頂部、16…垂下部、16a…第一部位、16b…第二部位、17…取付部、18…折返部、18a…凸部(嵌合凸部)、19…係合用凸部、2…周側枠、21…スリット、22…接着剤、3…蓋、30…蓋本体部、31…天井部、32…周壁部、33…段落部、34…蓋外周部、35…起立部、36…頂部、37…垂下部、38…第一鍔部、39…第二鍔部、40…縁部、41…凹部(嵌合凹部)、42…係合用凹部、43…係合用凸部、44…外周縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、該容器本体を取り囲むようにして取り付けられる周側枠と、容器本体及び周側枠のそれぞれ開口を覆うようにして容器本体に着脱自在に取り付けられる蓋とを備える包装用容器において、容器本体は、内容物の収容部を構成する本体部と、該本体部の外周に沿って設けられる外周部とを備えると共に、該外周部は、容器本体のコーナー部において、上端が周側枠よりも上方に突出する上方から下方への折返部を備える一方、蓋は、容器本体の本体部と共に内容物の収容部を構成する蓋本体部と、該蓋本体部の外周に沿って設けられる蓋外周部とを備えると共に、該蓋外周部は、蓋のコーナー部において、前記折返部の上端側である凸部に外嵌する凹部を備え、容器本体の凸部と蓋の凹部とが凹凸嵌合することにより、蓋が容器本体に着脱自在に取り付けられるよう構成されてなることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記容器本体の凸部は、所定箇所に係合用凸部又は係合用凹部の何れか一方を備え、前記蓋の凹部は、容器本体の係合用凸部又は係合用凹部の何れか一方と係合する係合用凸部又は係合用凹部の何れか他方を備えてなる請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記容器本体の折返部は、容器本体の各辺の中間部に向かうに従って漸次低くなるよう構成されてなる請求項1又は2に記載の包装用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−286450(P2009−286450A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142298(P2008−142298)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000239138)株式会社エフピコ (98)
【Fターム(参考)】