説明

包装用樹脂袋、およびそれを利用した包装商品の製造方法

【課題】 多品種・少量生産の小ロット毎に、内容の異なるラベルを効率的且つ低廉に製造可能とする上、商品の効率的包装工程を阻害することなく、衛生および美感に秀れた、高品質なラベルの装着を可能とする新たな包装技術を提供する。
【解決手段】 外包装袋5の内がわをラベル収容部3と製品収容部4とに縦断状に仕切るよう内装フィルム6を一体に組み合わせた上、ラベル収容部3および製品収容部4の一外縁端に装入口30,40を開口してなる包装袋本体2を設け、該包装袋本体2のラベル収容部3には、その装入口30を通じて紙製表示ラベル8を収容し、製品収容部4には、その装入口40を通じて包装対象商品9を収容可能とし、包装対象商品9を該製品収容部4に収容した後、当該同一外縁の最終シール代52,61同士を貼着してラベル収容部3および製品収容部4を同時に密閉可能としてなる包装用樹脂袋1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、合成樹脂フィルム製包装用品の製造技術に関連するものであり、特に、多品種小ロット生産に効率的に対応可能なラベルを装着した包装用樹脂製品、および、それを利用した包装商品の製造方法を提供する分野は勿論のこと、それら包装用樹脂製品、および、それを利用した包装商品の輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
【背景技術】
【0002】
(着目点)
各種食品包装用プラスチックフィルムを利用した密閉包装食品類は、包装表面に商品名やブランド、広告など文字や図柄、写真といった表示部を印刷可能であり、しかも機械化して自動的且つ衛生的に包装することができるなど、食品類の大量生産に適しているという理由から、幅広い商品に採用されているが、近年では、消費者ニーズの多様化に伴う多品種・少量生産への要求が高まるにつれ、内容の異なる個別商品毎に、異なる印刷・表示の包装用ラベルや包装用フィルム、包装用樹脂袋などを準備しなければならず、従来どおりのオフセット印刷を用いたラベル貼着が最優先されるだけの包装袋などでは、製造工数の増大と納期の遅れを招くばかりでなく、商品毎に異なる包装袋の在庫管理や出荷、輸送管理などの工数も増加してしまい、国内経済の低迷で製造コストの削減が求められている中、反ってコストアップを招き兼ねないことが懸念される。
【0003】
(従来の技術)
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案もこれまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、パソコンとその上で作図のできるソフトウェアとを使用し、表示プレート本体には、パソコンで作製した表示プレートを印刷した紙を市販のラミネート用シートを使用してラミネートし、個別表示プレートに切り離した後、接着剤または両面テープで貼合し得るものとしてなるものや、同特許文献1(2)に見られるような、紙からなる基材層の少なくとも一方の面に紙剥け防止層、感熱接着層を積層した積層材料からなり、基材層の紙の層間強度A、紙剥け防止層の材料の引張強さD、感熱接着層の材料の凝集剥離強度B、感熱接着層の材料の被着体への接着強度Cとすると、該紙剥け防止層がD>A、B、Cを満たす材料からなり、該感熱接着層がB>Cを満たす材料からなる紙ラベルとし、被着体に貼りつけられた後、保管時や輸送段階で紙ラベルが剥がれ落ちることがなく、引き剥がす時は紙剥けしないで容易に引き剥がしできるようにしてなるものなどが散見される。
【0004】
しかし、前者特許文献1(1)に示されているようなパソコンおよびプリンターを利用した印刷により、所望する表示内容の表示プレートを造った上、これに市販のラミネート用シートを用いてラミネート加工してなるものは、会社や学校などの建築物屋内の表示プレートを製造するのを目的とするものであり、主としてパソコンの文字フォントによる文字表示のみからなるものであり、印刷にも汎用のレザープリンターやインクジェットプリンターなどを用いており、商品用のデザインを付与したり、オフセット印刷と同等の品質を安定して得られるようにしたりすることなどが難しいという致命的欠点を有するものであったり、後者、特許文献1(2)に示したものなどは、ラベルの基材層に紙を利用しているから、水滴や汚れなどの付着や浸透に弱く、衛生的な保管、輸送、陳列および販売が求められる食品類用の包装袋などには不向きであるといった問題を残すものであった。
【特許文献1】(1)特開2001−187427号公報 (2)特開20007−140118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種表示プレートには、小ロット生産に不向きである上、印刷品質や素材の問題絡みで製造コストの高騰化が懸念されたり、また紙製ラベル基材層を利用するものでは、どうしても防水性や防汚性などの点で劣ってしまうという課題を残すものであったりしていて、これら各種包装資材の開発、提供に永年携わってきている中、それらから得られた様々な知見やユーザーからの情報などから、多品種・少量生産商品用となるラベルへの需要の高まりが垣間見られてきていて、簡便且つ効率的に製造可能とすることは勿論のこと、印刷の品質を安定化させ、しかも小ロット製造のコストを大幅削減して経済的にも有利となるようにした包装資材の実現化の必要性を痛感するに至ったものである。
【0006】
(発明の目的)
そこで、この発明は、多品種・少量生産の小ロット毎に、内容の異なるラベルを効率的且つ低廉に製造可能とする上、商品の効率的包装工程を阻害することなく、衛生および美感に秀れ、高品質なラベルの装着を可能とする新たな包装技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の包装用樹脂袋、およびそれを利用した包装商品の製造方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の包装用樹脂袋は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋を設けると共に、該外包装袋の内がわを少なくとも1つの製品収容部と、1つのラベル収容部とに縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムを一体に組み合わせた上、各ラベル収容部および各製品収容部には、夫々同一外縁であって最終シール代を確保した一外縁端に開口する装入口を設けてなる包装袋本体を設け、該包装袋本体各ラベル収容部には、それら各装入口を通じて小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容し、各製品収容部には、それら各装入口を通じて包装対象商品を収容可能なものとし、包装対象商品を各製品収容部に収容した後、当該同一外縁の最終シール代同士を貼着して各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉可能としてなるものとした構成を要旨とする包装用樹脂袋である。
【0008】
この基本的な構成からなる包装用樹脂袋を、換言すると、透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋を設けると共に、該外包装袋の内がわを少なくとも1つの製品収容部と、1つのラベル収容部とに縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムを一体に組み合わせた上、各ラベル収容部および各製品収容部には夫々、同一外縁であって最終シール代を確保した一外縁端に開口する装入口を設け、各内装フィルムは、最終シール代のさらに外がわまで装入誘導縁を延伸してなる包装袋本体を設け、該包装袋本体各ラベル収容部には、それら各装入口を通じて小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容し、各製品収容部には、それら各装入口を通じて包装対象商品を収容可能なものとし、包装対象商品を各製品収容部に収容した後、当該同一外縁の最終シール代同士を貼着すると共に、各装入誘導縁を切除して各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉可能としてなるものとした構成からなる包装用樹脂袋ということができる。
【0009】
より具体的には、透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋を設けると共に、該外包装袋の内がわを少なくとも1つの製品収容部と、1つのラベル収容部とに縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムからなる1または複数の内袋を一体に組み合わせた上、外包装袋の内がわと各内袋の外がわとの間に形成した各ラベル収容部、および各内袋内製品収容部には夫々、同一外縁であって最終シール代を確保した一外縁端に開口する装入口を設け、各内装フィルムは、最終シール代のさらに外がわまで装入誘導縁を延伸してなる包装袋本体を設け、該包装袋本体各ラベル収容部には、それら各装入口を通じて小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容し、各製品収容部には、それら各装入口を通じて包装対象商品を収容可能なものとし、包装対象商品を各製品収容部に収容した後、当該同一外縁の最終シール代同士を貼着すると共に、各装入誘導縁を切除して各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉可能としてなるものとした構成からなる包装用樹脂袋となる。
【0010】
(関連する発明)
上記した包装用樹脂袋に関連し、この発明には、それを利用した包装商品の製造方法も包含している。
即ち、外装フィルムと内装フィルムとを貼着・一体化し、少なくとも1つずつのラベル収容部および製品収容部を有する包装袋本体を製造した後、各ラベル収容部に小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容してから、各製品収容部に包装対象商品を収容した上、各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉し、必要に応じて各装入誘導縁を切除するようにしてなるものとした、この発明の基本をなす前記包装用樹脂袋を利用した包装商品の製造方法である。
【0011】
これを、表現を変えて示すと、外装フィルムと内装フィルムとを貼着・一体化し、少なくとも1つずつのラベル収容部および製品収容部を有する包装袋本体を製造する工程中の適宜段階にて、各ラベル収容部に小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容して包装袋本体を製造した後、各製品収容部に包装対象商品を収容した上、各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉し、必要に応じて各装入誘導縁を切除するようにしてなるものとした、包装用樹脂袋を利用した包装商品の製造方法ということができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のとおり、この発明の包装用樹脂袋によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、従前までのオフセット印刷による場合には、ラベルのデザインデータから版を造る工程を必須とし、それ故に短納期化が困難である上、少量生産では高コストになって商品価格を高騰させてしまうという欠点の解消が難しかったものが、小ロット、多品種印刷した紙製表示ラベルの採用により、こうした課題を一掃し、高品質で短納期且つ低コストにて高効率に少量・多品種生産することが可能となり、しかも、外装フィルムと内装フィルムとの間に設けたラベル収容部内に紙製表示ラベルを装入・密封してしまい、充分な耐水性を確保してなるものとなることから、紙製表示ラベルの汚損し易いという問題を解決し得る上に、紙の質感を活かしながら樹脂製ラベルと同等の耐久性を確保可能とし、美感および衛生面に秀れた高品質なラベルの表示を実現化することができるだけではなく、必要最小数の紙製表示ラベルの生産に留めて、従来型の大量印刷や大量廃棄を解消して資源を無駄にせず、さらに有利には、包装資材として使用を終えた後には、紙製表示ラベルだけを簡単に取り出せて容易に分別・リサイクルすることができるものとなるなどの利点があり、格段に環境に優しく、経済的な包装技術を提供可能とすることができるという秀れた特徴が得られるものである。
【0013】
加えて、小ロット、多品種印刷した紙製表示ラベルを採用した当該包装用樹脂袋は、パソコンなどの端末にて紙製表示ラベルの表示内容だけを変えるだけで、即座に必要数量分を印刷し、包装用樹脂袋の生産に取り掛かることが可能となり、商品開発から製造・出荷までの期間を大幅に短縮して市場ニーズに即応可能なものとすることができる上、市場に本格的に導入する前の商品について、幾つかのパターンを印刷した紙製表示ラベルを少量ずつ製作し、包装用樹脂袋への顧客の反応を調査するなどといったテストマーケティングも経済的に短期間で実施することができるようになり、したがって、生産性の向上に留まらず幅広い波及効果を期待し得るものとすることができる。
【0014】
透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋の内がわを、少なくとも1つの製品収容部と1つのラベル収容部とに縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムを一体に組み合わせてなるようにした包装袋本体は、最小で1枚の外装フィルムと1枚の内装フィルムとを組み合わせてピロー袋とすることができる他に、2枚の外装フィルムで1枚の内装フィルムを挟み込むよう組み合わせて3方シール袋とすることができるなど、外装フィルムと内装フィルムとの様々な組合せによって多種・多様な包装用樹脂袋を提供可能とするものになる上、包装袋本体の表裏双方にラベル収容部を設けたものや、複数の製品収容部を有するものなどといった様々な形態の包装用樹脂袋を製造可能にするという特徴を発揮するものとなる。
【0015】
そして、ラベル収容部および製品収容部夫々の、同一外縁に最終シール代を確保した夫々の装入口を開口してなる包装袋本体は、該ラベル収容部に紙製表示ラベルを装入し、製品収容部に包装対象商品を装入した後、ラベル収容部および製品収容部夫々の各装入口に臨む最終シール代を、同一の貼着工程にて密閉状に閉鎖することができるから、シール加工の作業性を格段に高めることができる上、内装フィルムが、最終シール代のさらに外がわまで装入誘導縁を延伸してなるようにした包装袋本体では、ラベル収容部に紙製表示ラベルを、また、製品収容部に包装対象商品を夫々装入する作業で、外がわに突出している該装入誘導縁が、フィルム同士の重なり縁となる各装入口の開放操作を容易且つ確実なものとし、且つ、紙製表示ラベルや包装対象商品の装入案内としての機能を発揮するものとなり、しかも、該装入誘導縁は、包装作業の最終段階における最終シール代の貼着加工と同時に、簡便に切除することができるから、従来品に比較して包装作業性を格段に高められるという利点がもたらされる。
【0016】
さらにまた、ラベル収容部が、包装袋本体外包装袋の内側面であって、外縁シール部および該ラベル収容部を除く余剰範囲と、これに対峙する内装フィルム外側面のラベル収容部を除く余剰範囲との間に接着層を形成してなる包装袋本体とするものでは、該接着層が、ラベル収容部の形状、寸法を紙製表示ラベルよりも僅かに大きなものに設定するものとなり、ラベル収容部に装入後の紙製表示ラベルがズレ動いたりするのを、より一層確実に阻止するものとなり、また接着層を有色接着剤からなるものとして、包装用樹脂袋外周面の装入後の紙製表示ラベル装入後のラベル収容部を除く余剰範囲に着色するようにしたものとすることもできて、包装商品の外的美感を一段と高め得るようにしたものとすることができ、さらに、有色接着層に適宜表示パターンを付与し、カラーバリエーションに加えてデザインの多様化を発展させることも可能にし得るという特有の効果を発揮するものとなる。
【0017】
以上のとおり、この発明の包装用樹脂袋を利用した包装商品の製造方法によれば、従前までとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、パソコンなどの端末にて紙製表示ラベルの表示内容だけを変えるだけで、小ロットであっても即座に必要数量分のみを印刷し、包装用樹脂袋の生産に取り掛かることを可能にするから、製造工数を大幅に削減でき、しかも包装袋本体のラベル収容部に小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容してから、製品収容部に包装対象商品を収容した上、ベル収容部および各製品収容部を同時に密閉し、必要に応じて各装入誘導縁を切除するようにして格段に効率的且つ迅速で低コストな生産を実現化できるという秀れた特徴を発揮するものとなる。
【0018】
また、外装フィルムと内装フィルムとを貼着・一体化し、包装袋本体を製造する工程中の適宜段階にて、ラベル収容部に小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容し、包装用樹脂袋を製造するようにしたものの場合には、包装袋本体ラベル収容部に紙製表示ラベルを手作業にて装入する作業が不要となり、製造工数を大幅に削減可能とすることができる上、包装袋本体の製造機械に、紙製表示ラベル装入機構を組み込み、小ロット生産だけでなく、手作業による包装作業に適さない中ロット・大ロット生産にも簡単に利用できるから、より幅広い包装商品を効率的に生産するのに有効なものとすることができるという大きな効果を奏することとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
包装用樹脂袋は、包装対象商品をそれらの商品価値を維持可能とするよう適宜包装して包装商品を生産可能とする機能を担い、包装袋本体のラベル収容部に紙製表示ラベルを装入してなるものとし、包装袋本体は、1つ以上の製品収容部、および、1つ以上のラベル収容部を有するものとしなければならず、より具体的には、透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋を設けると共に、該外包装袋の内がわを縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムを一体に組み合わせ、少なくとも1つの製品収容部と、少なくとも1つのラベル収容部とを形成してなるものとし、各ラベル収容部には、紙製表示ラベルを保護可能な程度の耐水性を与えたものとすべきであり、例えば、ボトムシール袋、サイドシール袋、3方シール袋、ピロー袋、ガゼット袋、角底袋、スタンディングパウチ、チャック袋、真空成形袋、円形シール袋などの合成樹脂製のものとすることができ、換言すると、各種ポリエチレン、各種ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合フイルム、PE系シーラントフイルム、ポリ塩化ビニリデンコートOPP、PVAコートOPP、各種ポリエステル、Kコートポリエステル、延伸ナイロン、Kコートナイロン、無延伸ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、PT、MST、Kセロ、ポリアクリロニトリル、PAN、ポリスチレン、スチロール、アルミ蒸着フイルム、透明蒸着フイルム、各種共押出しフイルム、その他の合成樹脂製か、または、それらの複合素材製のものとすることができる外、紙製、布製、革製、ゴム製などの各種袋や包装用フィルムまたはシートなどとすることもでき、それら既存の材質の外、現在および今後に開発される新素材製のものを採用することも勿論可能とするものである。
【0020】
包装袋本体は、その外包装袋の内がわに形成した少なくとも1つの製品収容部に包装対象商品を収容可能とし、且つ、少なくとも1つのラベル収容部に紙製表示ラベルを収容可能とする機能を担っており、透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋を設けると共に、該外包装袋の内がわを、少なくとも1つの製品収容部と1つのラベル収容部とに縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムを一体に組み合わせた上、該ラベル収容部に紙製表示ラベルを装入して包装用樹脂袋とすることができるものとしなければならず、包装対象商品は、食品類に留まらず、その他の生活用品などの様々な商品の外、製品収容部およびラベル収容部の各装入口を封鎖せず、開封状態のままの包装袋本体を、調剤した医薬品を入れて患者に渡すための薬袋として利用することが可能となり、製品収容部に包装対象商品である調剤薬を装入し、ラベル収容部には、服用方法、服薬時の注意事項、保存方法、調剤した医院や薬局の名称や連絡先などを印刷した紙製表示ラベルを、調剤の都度入れ替え自在とするよう装入し、複数回に渡って再利用可能なものとすることができる。
【0021】
外包装袋は、包装袋本体の内装フィルム、および/または内袋を除く外装部分を形成し、製品収容部を包囲・保護すると共に、ラベル収容部の外部皮膜を形成する機能を担うもので、少なくともラベル収容部に相当する範囲を、有色か無色かを問わず、耐水性・透明合成樹脂製のものとしなければならず、包装対象商品の重量を保持するに充分な耐久強度を有するものとすべきで、その材質は、前述した包装袋本体に適した材質の中から適宜選択し、3方シール袋やピロー袋の外、前述のとおり様々な形状・構造の袋とすることができる。
【0022】
内装フィルムは、それ自体が包装対象商品を収容する製品収容部を形成可能な内袋となるか、または、外包装袋外装フィルムの内壁面との間に製品収容部を形成するかの、少なくとも何れか一方の機能を担うものとし、且つ、外包装袋外装フィルムの内壁面と対峙するものは、同外包装袋外装フィルムの内壁面との間にラベル収容部を形成可能とする機能を分担し、有色、無色、透明、不透明、鏡面(金属皮膜)などの何れのものとすることも可能であり、包装対象商品の保存条件に適した強度の外、柔軟性、防水性、防湿性、遮光性、断熱性などの様々な性能の各種フィルム素材の中から自由に選択することができることは言うまでもなく、その材質は、前述した包装袋本体に適した材質の中から適宜選択可能とし、3方シール袋やピロー袋の外、外包装袋の形状に準じて、フィルム形状や折り畳み形状、および内袋形状などを適宜設定することが可能である。
【0023】
包装袋本体の外包装袋や、内装フィルム、内袋などで形成する各ラベル収容部および各製品収容部は、夫々同一外縁であって最終シール代を確保した一外縁端に開口する装入口を設けたものとするのが望ましいと言えるが、さらに、各ラベル収容部への紙製表示ラベルの装入や、各製品収容部への包装対象商品の装入作業性などを考慮するとすれば、各内装フィルムの最終シール代のさらに外がわに装入誘導縁を延伸、形成してなるものとするようにするのが望ましく、該包装袋本体各ラベル収容部には、それら各装入口を通じて紙製表示ラベルを収容し、各製品収容部には、それら各装入口を通じて包装対象商品を収容可能なものとし、包装対象商品を該製品収容部に収容した後、当該同一外縁の最終シール代同士を貼着すると共に、各装入誘導縁を必要に応じて切除し、各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉可能としてなるものとすることができる。
【0024】
紙製表示ラベルは、その表示内容を外包装袋外装フィルムを透して、外がわから見ることができるよう表示可能とすると共に、紙種毎の質感も表現可能とする機能を担っており、接着剤層は形成しないで、小ロット、多品種印刷されただけのものとしなければならず、オンデマンド印刷機器を用いて印刷したものとすべきであり、オフセット印刷機と同等の印刷品質が得られる高品質オンデマンド印刷機器を用いて印刷したものとするのが望ましく、1枚の紙、複数枚の紙、折り畳んだ紙、様々な形状の紙など何れとすることも可能であり、装着状態にてラベル収容部の内部寸法よりも小さな外郭寸法、形状とするよう設定したものとしなければならず、例えば、上質紙、色上質紙、コート紙、アートコート紙、マットコート紙、ケント紙、ミラーケント紙、和紙、ミラーコート紙、フォト光沢紙、ヴァンヌーボFナチュラル、ヴァンヌーボVGスノーホワイト、アラベール、ミスタービー、マシュマロCoC、両ザラクラフト、オリンパスクラフト、FGSニューユボ(何れも商品名)、その他の多様な紙種から自由に選択することが可能であり、必要に応じて、銀ネーマー、金ネーマー、透明PET、白PET、塩ビフィルム、ユボ合成紙(何れも商品名)、その他などのポリエステルやPPベースなど様々な合成樹脂製シートや合成紙など、接着剤層を持たない各種シートやフィルムなどからなるものとすることが可能であって、従前までにオフセット印刷に使用されてきた様々な用紙類は勿論のこと、現在および今後開発される新たな紙種などを適宜採用かのとは勿論である。
【0025】
ラベル収容部は、外包装袋の内がわに、製品収容部とは別に仕切った収容部分を形成し、紙製表示ラベルを外がわから透視可能とするよう収容・表示可能とすると共に、収容後の紙製表示ラベルを防水・防汚するよう保護可能とする機能を分担し、外包装袋の外装フィルム内壁面と、それに対峙する内装フィルム外側壁面との間にシート状の紙製表示ラベルを装入可能なものであって、少なくともラベル収容部を形成する外包装袋の外装フィルム範囲を無色か、有色かの何れかの透明フィルム製とし、ラベル収容部を形成する外包装袋の外装フィルム範囲、および、ラベル収容部を形成する内装フィルム範囲の双方を防水保護可能とする合成樹脂フィルム製のものとしなければならず、紙製表示ラベルだけでなく、包装対象商品の説明書や成分表、パンフレット、広告などの各種シート状物の外、包装対象商品用の補強板、補強枠、使い捨て用のスプーン、割り箸、定規、工具類などの付属品やその他のサービス品など、包装対象商品に付属する物品を収容可能とするものとすることができ、包装袋本体外包装袋の内側面であって、外縁シール部および該ラベル収容部を除く余剰範囲と、これに対峙する内装フィルム外側面のラベル収容部を除く余剰範囲との間に接着層を形成し、ラベル収容部の寸法形状を紙製表示ラベルの外郭寸法形状より僅かに大きなものとなるようにすることができる。
【0026】
そして、さらに、包装袋本体外包装袋の内側面であって、外縁シール部および該ラベル収容部を除く余剰範囲と、これに対峙する内装フィルム外側面のラベル収容部を除く余剰範囲との間に有色接着剤からなる有色接着層を形成し、ラベル収容部の寸法形状を紙製表示ラベルの外郭寸法形状より僅かに大きなものとするようにしてなるものとすることができる外、包装袋本体外包装袋の内側面であって、外縁シール部および該ラベル収容部を除く余剰範囲と、これに対峙する内装フィルム外側面のラベル収容部を除く余剰範囲との間に有色接着剤からなる有色接着層を、適宜表示パターンを付与したものとして形成し、ラベル収容部の寸法形状を紙製表示ラベルの外郭寸法形状より僅かに大きなものとするようにしてなるものとすることが可能である。
【0027】
有色接着剤は、外装フィルムと、それに対峙する内装フィルムとの間に形成するラベル収容部を、紙製表示ラベルの面積に合わせ、該ラベル収容部を除く余剰範囲を接着してしまうと共に、フィルム同士の接着層に着色、模様表示、印画表示、印字表示、記号表示などの機能を付与可能とするものであり、既存の粘着剤、接着剤、溶剤、ヒートシール接着剤、光硬化性接着剤、その他の現在利用されている透明、半透明、不透明の有色接着剤、および、今後開発される透明、半透明、不透明、金属色などの有色接着剤を採用することが可能であり、有色接着層の表示パターンは、後述する実施例に示すように、市松模様とすることができる外、縞模様、水玉模様、花模様、星模様、記号模様、文字模様、絵画、などの各種模様の外、接着剤で印刷可能な表示パターン、ヒートシールや印刷層の加圧圧着などで表示可能な表示パターンなどであれば、いずれでも表示することが可能である。
【0028】
ラベル収容部の装入口は、予め製造してあるか、またな、製造途中にある包装袋本体のラベル収容部に、紙製表示ラベルを装入可能とする機能を担い、紙製表示ラベルを容易に装入できるよう、紙製表示ラベルの装入方向端幅よりも大きく開口してなるものとしなければならず、包装袋本体の一外縁端に開口し、最終シール代を確保したものとすべきであり、製品収容部の装入口と一致する位置に形成したものとするのが望ましい。
【0029】
製品収容部は、外包装袋の内がわに、ラベル収容部とは別に仕切った収容部分を形成し、包装対象商品を収容可能とする機能を担い、各種包装対象商品の夫々の包装条件を満たすよう、適宜条件で収容可能とするものとしなければならず、外包装袋の外装フィルム内壁面と、それに対峙する内装フィルム外側壁面との間に包装対象商品を収容可能とする容積を確保してなるものとすることができる外、1枚または複数枚の内装フィルムが形成する1個または2個以上の内袋からなるものとすることが可能であり、包装対象商品のみの収容に留まらず、紙製表示ラベルや、包装対象商品の説明書、成分表、パンフレット、広告などの各種シート状物の外、包装対象商品用の補強板、補強枠、仕切り材、使い捨て用のスプーン、割り箸、定規、工具類などの付属品やその他のサービス品類などを収容可能とするものとすることができる。
【0030】
表現を変えて示すと、包装袋本体は、透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋を設けると共に、該外包装袋の内がわを少なくとも1つの製品収容部と、1つのラベル収容部とに縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムを一体に組み合わせた上、各ラベル収容部および各製品収容部には夫々、同一外縁であって最終シール代を確保した一外縁端に開口する装入口を設けてなるものとしなければならず、また、透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋を設けると共に、該外包装袋の内がわを、少なくとも1つの製品収容部と1つのラベル収容部とに縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムを一体に組み合わせるようにした上、各ラベル収容部および各製品収容部には、夫々、同一外縁であって最終シール代を確保した一外縁端に開口する装入口を設け、各内装フィルムは、最終シール代のさらに外がわまで装入誘導縁を延伸することが可能である。
【0031】
さらにまた、透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋を設けると共に、該外包装袋の内がわを少なくとも1つの製品収容部と、1つのラベル収容部とに縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムからなる1または複数の内袋を一体に組み合わせた上、外包装袋の内がわと各内袋の外がわとの間に形成した各ラベル収容部、および各内袋内製品収容部には、夫々、同一外縁であって最終シール代を確保した一外縁端に開口する装入口を設け、各内装フィルムは、最終シール代のさらに外がわまで装入誘導縁を延伸してなるものとすることができる。
【0032】
包装袋本体の外縁シール部は、外装フィルムの外周縁の所定幅範囲を熔着や接着するなどして外包装袋を形成、密閉可能とし、また、内装フィルムの外周縁の所定幅範囲を熔着や接着その他手段で内袋を形成、密閉可能とし、さらにまた、外包装袋を形成する外装フィルムの外周縁の所定幅範囲を、内袋を形成する内装フィルムの外周縁の所定幅範囲に熔着や接着するなどして一体化可能とする機能を担い、包装商品を完成するまでの何れかの段階で密閉状態に封鎖可能とするものとしなければならず、必要に応じて外縁シール部である最終シール代の、さらに外がわまで装入誘導縁を延伸してなるものとすることができ、シール部には、例えば、溶液系、二液系、熱可塑性樹脂系、水分散系、または、それら何れかを利用してなる両面粘着テープなどを採用する外、現在利用されている他のシール技術や、今後開発される接着技術を採用することが可能である。
【0033】
包装袋本体の装入誘導縁は、ラベル収容部の各装入口に紙製表示ラベルを装入する作業性を改善可能とする機能を担うもので、ラベル収容部および製品収容部夫々の装入口を開口する同一外縁に最終シール代を確保し、外装フィルムの最終シール代に一致するよう設定した内装フィルムの最終シール代の、さらに外がわまで延伸してなるものとしなければならず、ラベル収容部に、製品収容部に包装対象商品を収容して最終シール代同士を貼着する際に、該装入誘導縁を切除してしまい、ラベル収容部および製品収容部を同時に密閉可能なものとすることができる。
【0034】
この発明の包装用樹脂袋を利用した包装商品の製造方法は、多品種、小ロット生産の包装対象商品を効率的且つ短納期にて高品質の包装商品とするよう包装可能とする新技術であって、当該包装用樹脂袋の利用が不可欠であり、包装袋本体を製造後、各ラベル収容部に小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容してから、各製品収容部に包装対象商品を収容した上、各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉するようにしてなるものとすることができるが、包装袋本体を製造後、各製品収容部に包装対象商品を収容してから、各ラベル収容部に小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容した上、各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉するようにすることが可能である。
【0035】
また、各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉するのと同じ工程で、各装入誘導縁を切除してしまうようにしてなるものとすることができる外、各ラベル収容部と各製品収容部とを同時にではなく個別に密閉するようにしたり、夫々の密閉作業と同時か、または別工程で各装入誘導縁を切除するようにしたりすることができるができ、さらにまた、包装袋本体を製造する工程中の適宜段階にて、各ラベル収容部に小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容して包装袋本体を製造した後、各製品収容部に包装対象商品を収容した上、各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉するようにするものや、包装袋本体を製造する工程中の適宜段階にて、各製品収容部に包装対象商品を収容した上、各ラベル収容部に小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容して包装袋本体を製造した後、各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉するようにするものなど、各種包装対象商品毎に適した包装手順を自由に選択することができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図面は、この発明の包装用樹脂袋、およびそれを利用した包装商品の製造方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
【図1】分解状態の包装用樹脂袋(3方シール袋)を示す正面図である。
【図2】分解状態の包装袋本体(3方シール袋)を示す斜視図である。
【図3】包装用樹脂袋の装入組合せを示す断面図である。
【図4】最終工程の包装商品を示す正面図である。
【図5】内袋を有する包装用樹脂袋(3方シール袋)を分解して示す正面図である。
【図6】内袋を有する包装袋本体(3方シール袋)を分解して示す斜視図である。
【図7】内袋を有する包装用樹脂袋の装入組合せを示す断面図である。
【図8】ラベル収容部を除く余剰範囲に有色接着層を設けた包装用樹脂袋(3方シール袋)を分解して示す正面図である。
【図9】紙製表示ラベルをラベル収容部に装入する包装袋本体を示す正面図である。
【図10】包装対象商品を製品収容部に装入する包装袋本体を示す正面図である。
【図11】最終工程の包装商品を示す正面図である。
【図12】内袋を有する包装用樹脂袋(3方シール袋)を分解して示す正面図である。
【図13】ラベル収容部の配置形状を変えた包装商品を示す正面図である。
【図14】ラベル収容部の配置形状を変えた包装商品を示す正面図である。
【図15】ラベル収容部の配置形状を変えた包装商品を示す正面図である。
【図16】ラベル収容部の配置形状を変えた包装商品を示す正面図である。
【図17】内袋を有する包装袋本体(ピロー袋)を分解して示す斜視図である。
【図18】包装袋本体(ピロー袋)を示す正面図である。
【図19】紙製表示ラベルをラベル収容部に装入する包装袋本体を示す正面図である。
【図20】包装対象商品を製品収容部に装入する包装袋本体を示す正面図である。
【図21】包装商品を示す正面図である。
【図22】形態が異なる包装袋本体(ピロー袋)を示す正面図である。
【図23】形態の異なる包装袋本体(ピロー袋)を示す正面図である。
【図24】ラベル収容部を除く余剰範囲に有色接着層を設けた包装用樹脂袋(ピロー袋)を分解して示す斜視図である。
【図25】ラベル収容部を除く余剰範囲に有色接着層を設けた包装用樹脂袋(ピロー袋)を示す斜視図である。
【図26】ラベル収容部の配置形状を変えた包装用樹脂袋(ピロー袋)を分解して示す斜視図である。
【図27】ラベル収容部の配置形状を変えた包装用樹脂袋(ピロー袋)を示す斜視図である。
【図28】ラベル収容部の配置形状を変えた包装用樹脂袋(ピロー袋)を分解して示す斜視図である。
【図29】ラベル収容部の配置形状を変えた包装用樹脂袋(ピロー袋)を示す斜視図である。
【実施例1】
【0037】
図1ないし図4に示す事例は、2枚の外装フィルム50,50からなる外包装袋5の内がわを1つのラベル収容部3と、1つの製品収容部4とに縦断状に仕切るよう1枚の内装フィルム6を一体に組み合わせるようにした上、各ラベル収容部3および各製品収容部4には、夫々、最終シール代52,61を確保した一外縁端に装入口30,40を開口してなる包装袋本体2を設け、該包装袋本体2のラベル収容部3には、その装入口30を通じて紙製表示ラベル8を収容し、製品収容部4には、その装入口40を通じて包装対象商品9を収容可能なものとし、包装対象商品9を該製品収容部4に収容した後、当該同一外縁の最終シール代52,61,52同士を貼着してラベル収容部3および製品収容部4を同時に密閉可能としてなるものとした、この発明の包装用樹脂袋における代表的な一実施例を示すものである。
以下では、この発明の包装用樹脂袋を利用した包装商品の製造方法の一例に従い順次、包装用樹脂袋1、およびそれを利用した包装商品10の構造を示して行くこととする。
【0038】
図1ないし図4の各図からも明確に把握できるとおり、この発明の包装用樹脂袋1の本体部分をなす包装袋本体2は、2枚の外装フィルム50,50で1枚の内装フィルム6を挟み込むよう重ね合わせるよう組み合わせてなるものであり、各外装フィルム50,50は夫々、無色透明なポリエチレン製であって内側面となる片面にヒートシール層(図示せず)を有する矩形状で、4辺各外周縁に所定幅の外縁シール部51,51,……を確保し、その中の1辺を最終シール代52としてなるものであり、該内装フィルム6は、両面にヒートシール層(図示せず)を有する無色透明ポリエチレン製の矩形状であって、各外装フィルム50,50の外縁シール部51,51,……に一致する4辺各外周縁に所定幅の外縁シール部60,60,……を確保し、各外装フィルム50,50の最終シール代52に一致する範囲を最終シール代61とした上、同最終シール代61の全幅に渡り、さらに外がわに向けて所定長の装入誘導縁62を延伸したものとする。
【0039】
当該2枚の外装フィルム50,50間に、1枚の内装フィルム6を挟み込むよう重ね合わせ、最終シール代52,52,61を除く、3辺の各外縁シール部51,51,……,60,60,……をヒートシール加工し、包装袋本体2内部を枚の内装フィルム6が縦断状に仕切るよう組合せたものとし、一方の外装フィルム50と内装フィルム6との間にラベル収容部3を確保し、その最終シール代52と装入誘導縁62との間に装入口30を開口したものとし、且つ、該内装フィルム6と他方の外装フィルム50との間には製品収容部4を確保し、その入誘導縁62と他方の最終シール代52との間に装入口40を開口して3方シール袋である包装袋本体2を製造する。
包装袋本体2は、前述の各外縁シール部51,51,……,60,60,……の3辺をヒートシール加工するときに、それと同時に、外縁シール部51,51,60の適所にノッチ加工を行い、開封切っ掛け用ノッチ20を設ける。
【0040】
このように製造した包装袋本体2のラベル収容部3には、図1および図3に示すように、その装入口30を通じて、予め上質紙または和紙などの紙表面がわに、オフセット印刷機と同等の印刷品質が得られる高品質オンデマンド印刷機機(図示せず)を用いて、コンピューター端末から直接送信したデザイン情報(ラベル画像情報)によって小ロット、多品種カラー印刷し、印刷前か印刷後か、印刷途中かの何れかの段階で該ラベル収容部3よりも小さな面積とするよう裁断して置いた紙製表示ラベル8を装入し、また、同製品収容部4には、その装入口40を通じ、乾燥麺などの包装対象商品9を装入する。
【0041】
図4に示すように、紙製表示ラベル8をラベル収容部3に、包装対象商品9を製品収容部4に夫々収容した後、各外装フィルム50,50の最終シール代52,52を、内装フィルム6の最終シール代61に重ね合わせてヒートシールすると同時に、装入誘導縁62を切除してしまうようにして包装商品10を製造する。
【0042】
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の包装用樹脂袋1包装袋本体2によれば、図1ないし図4に示すように、小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベル8をラベル収容部3に装入する作業において、該ラベル収容部3の装入口30を形成してある内装フィルム6の装入誘導縁62が、それに対峙する外包装袋5外装フィルム50の最終シール代52よりも外がわに延伸してなるものとしてあるから、フィルム同士の重なり縁から装入口30を探す手間が省け、図1および図3に示すように、該装入誘導縁62を案内としてラベル収容部3中に紙製表示ラベル8を円滑に装入することが可能であり、さらに、同構造によって製品収容部4の装入口40を探すのも容易になり、該装入誘導縁62を案内として製品収容部4中に包装対象商品9を速やかに装入することができるものとなる。
【0043】
図4に示すように、包装作業の最終段階にて、外包装袋5外装フィルム50,50、内装フィルム6の各最終シール代52,52,61をヒートシール加工すると同時に、最終シール代52,52,61より外がわに延伸してある装入誘導縁62を切除してしまうので、包装商品10に装入誘導縁62が残存しない。
【実施例2】
【0044】
図5ないし図7に示す事例は、包装袋本体2が、2枚の外装フィルム50,50で2枚重ねの内装フィルム6,6を外がわから挟み込むよう積層状に配置し、各外装フィルム50,50は夫々、無色透明なポリエチレン製であって内側面となる片面にヒートシール層(図示せず)を有する矩形状で、4辺各外周縁に所定幅の外縁シール部51,51,……を確保し、その中の1辺を最終シール代52とし、2枚重ねの内装フィルム6,6は、両面にヒートシール層(図示せず)を有する無色透明ポリエチレン製の矩形状であって、4辺各外周縁に所定幅の外縁シール部60,60,……を確保し、各外装フィルム50,50の最終シール代52に一致する範囲を最終シール代61,61とした上、同最終シール代61,61の全幅に渡り、さらに外がわに向けて所定長の装入誘導縁62,62を延伸してなるものとする。
【0045】
当該3方シール袋2である包装袋本体2は、2枚の外装フィルム50,50間に、2枚重ねの内装フィルム6,6を挟み込むよう組み合せ、最終シール代52,52,61,61を除く、3辺の各外縁シール部51,51,……,60,60,……をヒートシール加工し、2枚の外装フィルム50,50で形成した外包装袋5内に、2枚の内装フィルム6,6からなる内袋63を内蔵し、装入誘導縁62,62を外包装袋5の最終シール代52,52間から外がわに延伸、露出状としてなる3方シール袋2とし、該包装袋本体2内部を内袋63内装フィルム6,6の両外側壁で縦断状に仕切るよう組合せたものとし、一方の外装フィルム50と一方の内装フィルム6との間に、ラベル収容部3を確保し、その最終シール代52と一方の装入誘導縁62との間に装入口30を開口したものとし、内袋63内装フィルム6,6間に製品収容部4を確保し、その装入誘導縁62,62間に装入口40を開口し、該内袋63の他方の内装フィルム6と他方の外装フィルム50との間には、裏ラベル収容部31を確保し、その装入誘導縁62と最終シール代52との間に裏ラベル用装入口32を開口して製造する。
包装袋本体2は、その3辺の各外縁シール部51,51,……,60,60,……をヒートシール加工するとき、それと同時に、外縁シール部51,60の適所に、ノッチ加工を行い開封切っ掛け用ノッチ20を設ける。
【0046】
このようにして製造した包装袋本体2のラベル収容部3には、図5および図7に示してあるように、その装入口30を通じ、予め上質紙または和紙などの紙表面がわに、オフセット印刷機と同等の印刷品質が得られる高品質オンデマンド印刷機機(図示せず)を用いて、コンピューター端末から直接送信したデザイン情報(ラベル画像情報)によって小ロット、多品種カラー印刷し、印刷前か印刷後か、印刷途中かの何れかの段階で該ラベル収容部3よりも小さな面積とするよう裁断して置いた紙製表示ラベル8を装入し、また、裏ラベル収容部31には、その裏ラベル用装入口32を通じ、該紙製表示ラベル8と同様の製造工程か、それよりも簡易的な(例えばモノクロ印刷などの)印刷工程で製造して置いた、商品名、商品の名称、原材料名、内容量、賞味期限、保存方法、製造・販売者、リサイクル用の紙マーク・プラマークなどを表示する紙製内容表示ラベル80を装入したものとした上、製品収容部4には、その装入口40を通じ、乾燥麺などの包装対象商品9を装入する。
【0047】
図5および図7に示すように、紙製表示ラベル8をラベル収容部3に、紙製内容表示ラベル80を裏ラベル収容部31に、包装対象商品9を製品収容部4に夫々収容した後、図4に示すように、各外装フィルム50,50の最終シール代52,52、および、内袋63内装フィルム6,6の最終シール代61,61に重ね合わせてヒートシールすると同時に、装入誘導縁62,62を切除してしまうようにして包装商品10を製造する。
【0048】
(実施例2の作用・効果)
以上のとおりの構成からなる包装用樹脂袋1包装袋本体2は、図5および図7に示すように、包装袋本体2の背面がわに、裏ラベル用装入口32を有する裏ラベル収容部31を形成してあるから、表がわの紙製表示ラベル8と同様に、装入誘導縁62を案内に紙製内容表示ラベル80を素早く装入することができる。
【実施例3】
【0049】
図8ないし図11に示す事例は、前記図1ないし図4に示した2枚の外装フィルム50,50からなる外包装袋5内に、1枚の内装フィルム6を挟み込むように設けてなる包装用樹脂袋1包装袋本体2の一部に改良を加えたものであり、同一構成部分には同一符号を付して説明を省略し、改良点についてのみ示すこととする。
【0050】
表面となる一方の外装フィルム50の内側面であって、その中央の紙製表示ラベル8面積を僅かに上回る範囲のみをラベル収容部3とするよう、左右各外縁シール部51,51に至る余剰範囲33,33に、有色接着剤(ラミネート糊など)からなる左右有色接着層7,7を、市松模様などの適宜表示パターンを付与したものとして形成し、一方の外装フィルム50の内側面を内装フィルム6に重ね合わせ、有色接着層7,7で接着し、中央ラベル収容部3を形成したものとしてあり、図9に示すように、左右余剰範囲33,33を除く、中央ラベル収容部3に、一方の最終シール代52装入誘導縁62間に開口する装入口30を通じて紙製表示ラベル8を装入し、図10に示すように、製品収容部4に、装入誘導縁62他方の最終シール代52間に開口する装入口40を通じて包装対象商品9を装入した後、図11に示すように、最終シール代52,61,52をヒートシールすると同時に、装入誘導縁62を切除して包装商品10を製造する。
【0051】
図8を参照すると、左右有色接着層7,7は、一方の外装フィルム50の余剰範囲33,33に形成せず、それに対峙する内装フィルム6の余剰範囲64,64にのみ、適宜表示パターンを付与したものとして形成してなるものとすることができる外、一方の外装フィルム50の余剰範囲33,33と、それらに対峙する内装フィルム6の余剰範囲64,64との双方に、同一表示パターンか、または、双方の重ね合わせで1つの表示パターンを付与可能とする形成してなるものとすることなどが可能である。
【0052】
(実施例3の作用・効果)
以上のとおりの構成からなる包装用樹脂袋1包装袋本体2は、図9ないし図11に示すように、左右幅方向の中央に配したラベル収容部3を除く左右がわの余剰範囲33,33夫々に有色接着層7,7を設けたから、左右各有色接着層7,7が、装入後の紙製表示ラベル8を定位置に保持するものとなり、紙製表示ラベル8の傾きやズレなどの移動を阻止可能なものとし、加えて、左右各有色接着層7,7の市松模様の表示パターンが、完成後の包装商品10をカラー装飾するものとなる。
【実施例4】
【0053】
図12に示してある事例は、前記図5ないし図7に示した2枚の外装フィルム50,50からなる外包装袋5内に、2枚の内装フィルム6,6からなる内袋63を内装してなる包装用樹脂袋1包装袋本体2の一部に改良を加えたものであり、同一構成部分には同一符号を付して説明を省略し、改良点についてのみ示すこととする。
【0054】
2枚の外装フィルム50,50の各内側面であって、その中央の紙製表示ラベル8、紙製内容表示ラベル80の各面積を、夫々僅かに上回る範囲のみをラベル収容部3、裏ラベル収容部31とするよう、左右各外縁シール部51,51に至る余剰範囲33,33,……に、有色接着剤(ラミネート糊など)からなる左右有色接着層7,7,……が、市松模様などの適宜表示パターンを付与してなるものとするよう印刷し、2枚の各外装フィルム50,50の内側面を内袋63内装フィルム6,6外側面の夫々に重ね合わせ、各外縁シール部51,51,60,60,……および有色接着層7,7,……で接着・一体化し、中央ラベル収容部3、裏ラベル収容部31を夫々形成した包装袋本体2としてあり、同包装袋本体2表がわであって左右余剰範囲33,33を除く、中央ラベル収容部3に、一方の最終シール代52と一方の入誘導縁62との間に開口する装入口30を通じて紙製表示ラベル8を装入し、また、同包装袋本体2裏がわであって左右余剰範囲33,33を除く、中央裏ラベル収容部31に、他方の最終シール代52と他方の入誘導縁62との間に開口する裏ラベル用装入口32を通じて紙製内容表示ラベル80を装入した上、内袋63の製品収容部4に、各入誘導縁62,62間に開口する装入口40を通じて包装対象商品9を装入した後、図11に示すように、最終シール代52,61,61,52をヒートシールすると同時に、装入誘導縁62,62を切除して包装商品10を製造する。
【0055】
同様の作業によって、図13に示すように、3方シール袋である包装袋本体2の最終シール代52,61配置を左右がわの何れか一辺に設定して、同装袋本体2表面がわ外装フィルム50の上下間中央にラベル収容部3を左右間横断状に配し、その上下がわ余剰範囲33,33に有色接着層7,7,……を設けたものとすることができ、さらにまた、図14に示すように、装袋本体2表面がわ外装フィルム50の上端寄りの位置にラベル収容部3を確保するよう、下端がわ余剰範囲33に有色接着層7を設けたものや、図15に示すように、装袋本体2の表面がわ外装フィルム50の右端寄りの位置にラベル収容部3を確保するよう、左端がわ余剰範囲33に有色接着層7を設けたもの、または、図16に示すように、装袋本体2の表面がわ外装フィルム50の左右幅中央を含む右端寄りの位置に、外装フィルム50の左右幅寸法の2/3を超える横幅のラベル収容部3を確保するよう、同外装フィルム50の左右幅寸法の1/3未満の左端がわ余剰範囲33に有色接着層7を設けたものとし、ラベル収容部3に装入口30を通じて紙製表示ラベル8を装入して製造した包装商品10とすることができる。
【0056】
(実施例4の作用・効果)
以上のとおりの構成からなる包装用樹脂袋1包装袋本体2は、図12のものように、裏ラベル収容部31左右がわの余剰範囲33,33にも有色接着層7,7を設けてあるから、装入後の紙製内容表示ラベル80の傾きやズレなどの移動を阻止可能とし、さらに、左右各有色接着層7,7の市松模様の表示パターンが、完成後の包装商品10の裏面をも装飾するものとなり、また、図13ないし図16に示すように、ラベル収容部3の配置や形状、寸法などの各種条件に応じて余剰範囲33,33の範囲設定を変えることが可能であり、様々なデザインの包装商品10を実現化することができる。
【実施例5】
【0057】
図17ないし図21に示す事例は、内側面となる片面にヒートシール層(図示せず)を有する矩形状、1枚の外装フィルム50をピロー型に折り畳んでなる外包装袋5の内がわに、両面にヒートシール層(図示せず)を有する上下反転凸字形状、1枚の内装フィルム6を同様にピロー型に折り畳んでなる内袋63を一体に組み合わせた二重袋構造で、それら外包装袋5、内装フィルム6の上端縁21および背貼り合掌縁22,22とする各外縁シール部51,51,60,60をヒートシールにて貼着し、外包装袋5内側面と内袋63外側面との間に1つのラベル収容部3、内袋63内に1つの製品収容部4を夫々確保すると共に、外包装袋5の最終シール代52と、内袋63最終シール代61、および、同内袋63の左右幅間に渡って上下反転凸字形状に延伸した装入誘導縁62との間にラベル収容部3の装入口30を開口し、さらに、内袋63の最終シール代61、装入誘導縁62の間に製品収容部4の装入口40を開口してなるものとしたピロー袋2としての包装袋本体2である。
【0058】
図19に示すように、当該包装袋本体2は、表がわ配置となるラベル収容部3内に、その装入口30をなす最終シール代52と装入誘導縁62との間を通じて紙製表示ラベル8を装入し、包装用樹脂袋1とすると共に、図20に示すように、ラベル収容部3の背後に配置する内袋63からなる製品収容部4内に、その装入口40をなす最終シール代61と装入誘導縁62との間を通じて包装対象商品9を装入した上、図21に示すように、最終シール代52,61をヒートシールすると同時に、装入誘導縁62を切除して包装商品10を製造する。
【0059】
また、図22に示すもののように、背貼り合掌縁22,22とする各外縁シール部51,51,60,60は、包装袋本体2の左右何れか一方端がわに形成することが可能である外、図23のもののように、背貼り合掌縁22,22とする各外縁シール部51,51,60,60は、包装袋本体2背面の左右幅中央位置から背面の左右何れか一方寄りとなる位置に配したものとすることができる。
【0060】
(実施例5の作用・効果)
以上のとおりの構成からなる包装用樹脂袋1包装袋本体2は、図17ないし図21に図示するもののように、二重構造のピロー袋2に対しても、前述した図1ないし図4に取り上げた実施例1の3方シール袋2と同様に、小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベル8をラベル収容部3に装入するようにして製造可能であり、しかも、上下逆転凸字形状とした内装フィルム6が、各収容部3,4の各装入口30,40よりも外がわに延伸する装入誘導縁62を形成し、紙製表示ラベル8や包装対象商品9の装入作業を格段に容易なものとし、加えて、図22および図23に示すように、背貼り合掌縁22,22の配置を、左右幅方向の自由に選択した適所に配置してなるものは、包装袋本体2包装用樹脂袋1および包装商品10のデザインの多様性を一段と高めたものとすることができる。
【実施例6】
【0061】
図24および図25に取り上げたて事例は、前記実施例5の図17ないし図21に示した二重構造のピロー袋2である包装袋本体2のラベル収容部3を改良したものであり、外包装袋5外装フィルム50の内側面であって、上端縁21、背貼り合掌縁22,22の各外縁シール部51,51,51および最終シール代52、さらに、外包装袋5表面がわ左右幅中央に配置し、紙製表示ラベル8の面積よりも僅かに広く、最終シール代52と装入口30とに続くラベル収容部3を除く左右余剰範囲33,33夫々に、有色接着剤からなる有色接着層7,7を、適宜表示パターンを付与したものとして形成し、各有色接着層7,7を設けた左右余剰範囲33,33が、夫々内袋63内装フィルム6外側面の余剰範囲64,64に接着してなるものとする。
【0062】
図24に示すように、外装フィルム50の内側面と内装フィルム6外側面とを重ね合わせ、互いの余剰範囲33,33,64,64を各有色接着層7,7にて貼着・一体化した上、上端縁21、背貼り合掌縁22,22の各外縁シール部51,51,51,60,60,60をヒートシールしてから、図25に示すように、左右余剰範囲33,33間に確保したラベル収容部3に、その装入口30の最終シール代52と装入誘導縁62との間を通じて紙製表示ラベル8を装入するようにして包装用樹脂袋1を製造する。
【0063】
図26および図27に示す事例は、前記図24および図25の包装用樹脂袋1包装袋本体2の一部に変更を加えたもので、外装フィルム50内側面の余剰範囲33と、これに対峙する内装フィルム6外側面の余剰範囲64とを、上下反転凹字形状のものとしてなるものであり、また、図28および図29に示すものは、外装フィルム50内側面の左右の余剰範囲33,33の中、右側の余剰範囲33を包装袋本体2表面左右幅間の中央まで延長し、左右余剰範囲33,33の間となる包装袋本体2表面の左半分をラベル収容部3としてなるものである。
【0064】
(実施例6の作用・効果)
以上のとおりの構成からなる包装用樹脂袋1包装袋本体2は、図24および図25に示すもののように、二重構造のピロー袋2に対しても、図8ないし図11に示した実施例3において前述してある3方シール袋2と同様に、左右幅方向の中央に配したラベル収容部3を除く左右がわ余剰範囲33,33に夫々、有色接着層7,7を設けてあるから、左右各有色接着層7,7が、紙製表示ラベル8の傾きやズレなどのいった移動を完全に阻止可能なものとし、加えて、左右各有色接着層7,7の市松模様の表示パターンが、完成後の包装商品10を装飾するものとなり、そして、図26ないし図29に示すように、余剰範囲33,33の形状・寸法を適宜変えて設定することによって、包装袋本体2包装用樹脂袋1および包装商品10のデザインに多様な変化を与えることを可能にしている。
【0065】
(結 び)
叙述の如く、この発明が包含する包装用樹脂袋、およびそれを利用した包装商品の製造方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とし、しかも製造も容易であって、従前からのオフセット印刷技術によるラベルを採用する場合に比較して小ロット生産の生産コストを大幅に削減可能にすると共に、ラベル生産に要する製造期間を格段に短縮し、商品開発に伴うパッケージデザインから印刷までの工程を即日行うことを可能にする程に迅速化でき、且つ多品種・少量生産を遥かに経済的なのとすることができる上、工場生産の作業性を大幅に改善し得るものとなることから、従前までは、小規模な商品流通に留まって採算がとれないなど、様々な理由が絡んで製造、出荷を断念せざるを得なくなるといった場面に悩まされて来た各種製造業界や包装業界は固よりのこと、個々人の要求にマッチするよう多様なニーズに対応した木目細かな商品の提供を希望する一般家庭や流通業界などにおいても高い評価がなされ、広範に渡って利用、普及していくものになることが予想される。
【符号の説明】
【0066】
1 包装用樹脂袋
10 同 包装商品
2 包装袋本体(3方シール袋、ピロー袋)
20 同 開封切っ掛け用ノッチ
21 同 上端縁
22 同 背貼り合掌縁
3 ラベル収容部
30 同 装入口
31 同 裏ラベル収容部
32 同 裏ラベル用装入口
33 同 余剰範囲
4 製品収容部
40 同 装入口
5 外包装袋
50 同 外装フィルム
51 同 外縁シール部
52 同 最終シール代
6 内装フィルム
60 同 外縁シール部
61 同 最終シール代
62 同 装入誘導縁
63 同 内袋
64 同 余剰範囲
7 接着層(有色接着剤、有色接着層)
8 紙製表示ラベル
80 同 紙製内容表示ラベル
9 包装対象商品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋を設けると共に、該外包装袋の内がわを、少なくとも1つの製品収容部と1つのラベル収容部とに縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムを一体に組み合わせた上、各ラベル収容部および各製品収容部には、夫々、同一外縁であって最終シール代を確保した一外縁端に開口する装入口を設けてなる包装袋本体を設け、該包装袋本体各ラベル収容部には、それら各装入口を通じて小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容し、各製品収容部には、それら各装入口を通じて包装対象商品を収容可能なものとし、包装対象商品を各製品収容部に収容した後、当該同一外縁の最終シール代同士を貼着して各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉可能としてなるものとしたことを特徴とする包装用樹脂袋。
【請求項2】
透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋を設けると共に、該外包装袋の内がわを、少なくとも1つの製品収容部と1つのラベル収容部とに縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムを一体に組み合わせた上、各ラベル収容部および各製品収容部には、夫々、同一外縁であって最終シール代を確保した一外縁端に開口する装入口を設け、各内装フィルムは、最終シール代のさらに外がわまで装入誘導縁を延伸してなる包装袋本体を設け、該包装袋本体各ラベル収容部には、それら各装入口を通じて小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容し、各製品収容部には、それら各装入口を通じて包装対象商品を収容可能なものとし、包装対象商品を各製品収容部に収容した後、当該同一外縁の最終シール代同士を貼着すると共に、各装入誘導縁を切除して各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉可能としてなるものとしたことを特徴とする包装用樹脂袋。
【請求項3】
透明合成樹脂製の外装フィルムからなる外包装袋を設けると共に、該外包装袋の内がわを、少なくとも1つの製品収容部と1つのラベル収容部とに縦断状に仕切るよう1枚以上の内装フィルムからなる1または複数の内袋を一体に組み合わせた上、外包装袋の内がわと各内袋の外がわとの間に形成した各ラベル収容部、および各内袋内製品収容部には、夫々、同一外縁であって最終シール代を確保した一外縁端に開口する装入口を設け、各内装フィルムは、最終シール代のさらに外がわまで装入誘導縁を延伸してなる包装袋本体を設け、該包装袋本体各ラベル収容部には、それら各装入口を通じて小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容し、各製品収容部には、それら各装入口を通じて包装対象商品を収容可能なものとし、包装対象商品を各製品収容部に収容した後、当該同一外縁の最終シール代同士を貼着すると共に、各装入誘導縁を切除して各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉可能としてなるものとしたことを特徴とする包装用樹脂袋。
【請求項4】
ラベル収容部が、包装袋本体外包装袋の内側面であって、外縁シール部および該ラベル収容部を除く余剰範囲と、これに対峙する内装フィルム外側面のラベル収容部を除く余剰範囲との間に接着層を形成し、ラベル収容部の寸法形状を紙製表示ラベルの外郭寸法形状より僅かに大きなものとなるようにした、請求項1または2何れか一記載の包装用樹脂袋。
【請求項5】
ラベル収容部が、包装袋本体外包装袋の内側面であって、外縁シール部および該ラベル収容部を除く余剰範囲と、これに対峙する内装フィルム外側面のラベル収容部を除く余剰範囲との間に有色接着剤からなる有色接着層を形成し、ラベル収容部の寸法形状を紙製表示ラベルの外郭寸法形状より僅かに大きなものとなるようにした、請求項1または2何れか一記載の包装用樹脂袋。
【請求項6】
ラベル収容部が、包装袋本体外包装袋の内側面であって、外縁シール部および該ラベル収容部を除く余剰範囲と、これに対峙する内装フィルム外側面のラベル収容部を除く余剰範囲との間に有色接着剤からなる有色接着層を、適宜表示パターンを付与したものとして形成し、ラベル収容部の寸法形状を紙製表示ラベルの外郭寸法形状より僅かに大きなものとなるようにした、請求項1または2何れか一記載の包装用樹脂袋。
【請求項7】
包装袋本体が、2枚の外装フィルムの間に、1枚の内装フィルムを挟み込んでなる3方シール袋とし、表がわ外装フィルムと内装フィルムとの間に形成したラベル収容部に、紙製表示ラベルを収容し、内装フィルムと裏がわ外装フィルムとの間に形成した製品収容部に、包装対象商品を収容可能なものとした、請求項1ないし6何れか一記載の包装用樹脂袋。
【請求項8】
包装袋本体が、2枚の外装フィルムの間に、2枚の内装フィルムからなる内袋を挟み込んでなる3方シール袋とし、表がわ外装フィルムと内袋内装フィルムとの間に形成したラベル収容部に表用の紙製表示ラベルを収容し、内袋内の製品収容部に、包装対象商品を収容可能なものとし、裏がわ外装フィルムと内袋内装フィルムとの間に形成したラベル収容部に、裏用の紙製表示ラベルを収容してなるものとした、請求項1ないし6何れか一記載の包装用樹脂袋。
【請求項9】
包装袋本体が、1枚の外装フィルムから形成する外包装袋内に、1枚の内装フィルムからなる内袋を収容配置すると共に、少なくとも何れか1箇所の外縁シール部で一体化してなるピロー袋とし、外装フィルムと内袋内装フィルムとの間に形成したラベル収容部に紙製表示ラベルを収容し、内袋内の製品収容部に、包装対象商品を収容可能なものとした、請求項1ないし6何れか一記載の包装用樹脂袋。
【請求項10】
外装フィルムと内装フィルムとを貼着・一体化し、少なくとも1つずつのラベル収容部および製品収容部を有する包装袋本体を製造した後、各ラベル収容部に小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容してから、各製品収容部に包装対象商品を収容した上、各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉し、必要に応じて各装入誘導縁を切除してなるものとした、請求項1ないし9何れか一記載の包装用樹脂袋を利用した包装商品の製造方法。
【請求項11】
外装フィルムと内装フィルムとを貼着・一体化し、少なくとも1つずつのラベル収容部および製品収容部を有する包装袋本体を製造する工程中の適宜段階にて、各ラベル収容部に小ロット、多品種印刷されただけで接着剤層を持たない紙製表示ラベルを収容して包装袋本体を製造した後、各製品収容部に包装対象商品を収容した上、各ラベル収容部および各製品収容部を同時に密閉し、必要に応じて各装入誘導縁を切除してなるものとした、請求項1ないし9何れか一記載の包装用樹脂袋を利用した包装商品の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2013−107678(P2013−107678A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254208(P2011−254208)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(503380238)
【Fターム(参考)】