説明

包装用箱

【課題】複合画像で構成される下絵の上で、フィルムゲージをスライド移動させることで、絵が動いているかの如き視覚的効果を与える装飾要素を備えた包装用箱において、フィルムゲージと下絵の適度な密着性を実現する。
【解決手段】
包装用箱10は、収納室の一壁面31に対して回動可能な回動フラップ20を備え、当該回動フラップの内面に下絵フラップ25が立設されている。フィルムゲージ50は、一壁面31に形成した一対の保持スリット32a、32bに、その両端52a、52bを差し込んで、実質上不動に保持される。下絵フラップ25は、一壁面31とフィルムゲージ50との間に位置し、回動フラップ20が回動すると、これに連動して下絵フラップ25がフィルムゲージ50に対して相対的にスライドし、これにより動画が生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合画像で構成される下絵の上で、フィルムゲージをスライド移動させることで、絵が動いているかの如き視覚的効果を与える装飾要素を備えた包装用箱に関する。
【背景技術】
【0002】
「下絵」と「フィルムゲージ」を利用して、パラパラ漫画とよく似た原理で、あたかも絵が動いているかのような視覚的効果を与える技術は、従来から知られている(例えば、特許文献1、2)。その原理を簡単に説明すると、次の通りである。
【0003】
≪画素が2つの場合:図1、図2≫
図1は、「複合画像で構成される下絵」の作成原理を示している。ここでは、複合画像は、2つの画素から構成される。まず、画素1、2をそれぞれ等間隔“α”で間引いて、「残像」と「欠け」が繰り返す中間画素を作成する。次に、中間画像1の「欠け」部分に、中間画像2の「残像」部分が一致するようにして、両者を組み合わせて複合画像を作成する。
【0004】
一方、図2に示したフィルムゲージは、透明の基材上に「黒塗りの細長い帯状領域」を等間隔で印刷したものであって、「帯状領域の幅」と「各帯状領域間の間隔」とが等しい(共に“α”)。
このフィルムゲージを複合画像上に重ね合わせて、両者を相対的にスライドさせると、図2に示したように、中間画素1の「残像」がフィルムゲージ上の各帯状領域間の透明領域にきたときに星形模様が視認される(A)。
一方、中間画素2の「残像」がフィルムゲージ上の各帯状領域間の透明領域にきたときに丸形模様が視認される(B)。
【0005】
以上の相対スライド動作を適度な速度で行うと、人間の目には、あたかも星形模様と丸形模様が動的に変化しているかのように視認される。
【0006】
≪画素が3つの場合:図3、図4≫
以上に説明した画素が2つの場合は、(i)画素を間引く際の「残像」と「欠け」の幅寸法を等しくし(“α”)、かつ、(ii)フィルムゲージ上の「帯状領域の幅」および「各帯状領域間の間隔」を共にこの“α”と等しくしている。
【0007】
画素が3つの場合は、図3、図4に示したように、(i)画素を間引く際に、「欠け」の幅寸法“β”を「残像」の幅寸法“γ”の2倍とし、(ii)フィルムゲージ上における「帯状領域の幅」を「欠け」の幅寸法“β”に等しく、「各帯状領域間の間隔」を「残像」の幅寸法“γ”に等しくする。
「欠け」の幅寸法“β”が「残像」の幅寸法“γ”の2倍であるため、中間画素1の「欠け」部分に他の2つの中間画素2、3の「残像」を収めることができ、したがって、3つの画素からなる複合画像を作成することができる。
【0008】
そして、図4に示したように、中間画素1の「残像」がフィルムゲージ上の各帯状領域間の透明領域にきたときに星形模様が視認される(A)。中間画素2の「残像」がフィルムゲージ上の各帯状領域間の透明領域にきたときに丸形模様が視認される(B)。中間画素3の「残像」がフィルムゲージ上の各帯状領域間の透明領域にきたときに菱形模様が視認される(C)。
【0009】
同様の考え方で、画素が4つ、5つの場合にも、複合画像および対応するフィルムゲージを作成できる。
【0010】
以上に説明した例では、ストライプ状のフィルムゲージを使用しているが、格子状のフィルムゲージと、これと対応する下絵とを利用して、同様の視覚的効果を与える構成も知られている。
ストライプ状のフィルムゲージの場合には、視覚的効果を得るために「下絵」と「フィルムゲージ」を相対移動させる方向は、ストライプに直交する1方向に限られる。これに対して、格子状のフィルムゲージの場合には、タテ、ヨコ、ナナメのいずれの方向に相対移動させた場合であっても、視覚的効果を得ることができる。
【0011】
【特許文献1】特表2007−526500号
【特許文献2】実用新案登録第3095265号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
菓子等を収容する包装用箱において、相対移動する構成要素を当該包装用箱に設けて、そこに「フィルムゲージ」および「下絵」を設けることで、上述の視覚的効果を与えることができる。視覚的効果により得られる動画を、収容される商品あるいは製造メーカと関連付けたものとすることで、宣伝効果あるいは販売促進効果を高めることができる。
【0013】
ここで、「フィルムゲージ」と「下絵」を重ね合わせて相対スライドさせることで視覚的効果を得る場合、相対スライドする「フィルムゲージ」および「下絵」は、適度に密着していることが好ましい。両者の隙間が大きいと、視覚的効果として得られる動画もボヤケたものとなってしまう。つまり、動画を生じさせる装飾要素を備えた包装用箱を作成するにおいて、この適度な密着性を如何にして達成するかが課題となる。
したがって、本発明の目的は、包装用箱に設けた「フィルムゲージ」と「下絵」の適度な密着性を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の包装用箱は、「複合画像で構成される下絵が表示された下絵フラップ」と、「当該下絵に対応するフィルムゲージ」とを重ね、両者を相対的にスライド移動させることで、動画を生じさせる装飾要素を備える。
この包装用箱は、収納室の一壁面に対して回動可能な回動フラップを備え、当該回動フラップの内面に下絵フラップが立設されている。
フィルムゲージは、上記一壁面に形成した一対の保持スリットに、その両端を差し込むことで、当該一壁面上に保持されている。
下絵フラップは、上記一壁面とフィルムゲージとの間に位置していて、回動フラップが回動すると、これに連動して下絵フラップがフィルムゲージに対して相対的にスライドし、これにより上記動画が生じる。
【0015】
下絵フラップに表示される下絵は、例えば図1〜4で説明したような「残像」と「欠け」で構成される複数の画素から作成される複合画像である。また「下絵に対応するフィルムゲージ」とは、複合画像の「残像」および「欠け」に対応した「透明領域」および「不透明領域」を含み、相対スライドによって動画を生じさせるフィルムゲージを意味する。
また、フィルムゲージは、ストライプ状および格子状のいずれであってもよく、対応する下絵(複合画像)と相対スライドすることで動画を生じさせる。
【発明の効果】
【0016】
上記構成を有する本発明の包装用箱においては、一壁面に設けた一対のスリットに対して、フィルムゲージが、その両端を差し込むことで当該一壁面に保持されている。そのため、「フィルムゲージ」と「壁面」が、その間に位置する「下絵フラップ」を積極的に挟持し、これにより、「下絵フラップ」を「フィルムゲージ」に圧接させる効果が生じる。したがって、「フィルムゲージ」と「下絵フラップ」が適度に密着し、相対スライドにより得られる動画がクリアなものとなる。
【0017】
「下絵フラップ」を「フィルムゲージ」に圧接させる効果を高めるため、「フィルムゲージ」の両端に設ける一対の差込片を、互いに近づく方向に向けておいてもよい。
かかる構成を採用すると、下絵フラップにより近い位置に差込片が位置するため、下絵フラップ25をフィルムゲージへ向けて押し上げる効果が高まり、クリアな動画を得ることができる。
【0018】
また、「下絵フラップ」を「フィルムゲージ」に圧接させる効果を高めるため、「フィルムゲージ」の差込片の内側に、互いに近づく方向に向けられた下絵フラップ保持片を設けてもよい。
下絵フラップ保持片が、下絵フラップを下方から抱え込むように持ち上げ、フィルムゲージに押し付ける効果が得られるので、クリアな動画を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
≪第1実施形態:図5、6≫
図5は、本発明の第1実施形態に係る包装用箱10の構造を示す組立図である。この包装用箱10は、菓子等を入れる収納室30の上面に回動フラップ20を備えている。菓子は、開閉フラップ35を開けて、収納室30から取り出すことができる(図5(a))。
【0020】
包装用箱10は、代表的には1枚のブランクから組み立てることができ、回動フラップ20は、フラップ片21、22を折り畳むように接着して形成される。表面に下絵26が印刷された下絵フラップ25が、フラップ片22の一端縁に連設されている。
包装用箱10を組み立てると、下絵フラップ25は、回動フラップ20の内面から立設された状態となって、収納室30の一壁面31の表面に沿って延在する(図5(b))。
【0021】
フィルムゲージ50は、両端に差込片52a、52bを備えている。一方、収納室30の一壁面31には、下絵フラップ26の両側端縁に沿って、一対の保持スリット32a、32bが形成されている。フィルムゲージ50は、差込片52a、52bを保持スリット32a、32bに差し込むことで、一壁面31上に実質上不動に保持される。
このとき、下絵フラップ25は、一壁面31とフィルムゲージ50との間に挟み込まれた状態となる(図5(c))。
【0022】
図6は、組み立てられた包装用箱10と動画との関係を示している。回動フラップ20を回動させると、不動のフィルムゲージ50に対して、下絵フラップ25が相対スライドする。これによって、視覚的効果を利用した動画が現れる。図6では、3つの画素から構成される動画の一例を示しているが、具体的な図柄や画素の数は、任意に設定することができる。
収容される商品あるいは製造メーカと関連付けた動画を採用することで、宣伝効果あるいは販売促進効果を高めることができる。
【0023】
回動フラップ20は、一端縁に係止フラップ23を備えていて、収納室30の一端縁には、これと対応する差込スリット33が形成されている。係止フラップ23をスリット33に差し込むことで、動画を生じさせる装飾要素を隠すように、回動フラップ20を閉じることができる。これには、次のような意味がある。
すなわち、包装用箱10は、菓子等を収納して販売されるものであるから、商品名や内容物の情報、その他を含めた絵柄を箱体表面に表示する(印刷等)ことが好ましい。この絵柄を表示するために、回動フラップ20を閉じることで現れる壁面(図5において紙面向こう側を向いた、回動フラップ20の裏面)を利用することができる。
【0024】
≪格子状のフィルムゲージ≫
本発明においては、ストライプ状のフィルムゲージ50に限らず、格子状のフィルムゲージ50’を採用することも可能である(図5中の円内)。勿論、その場合には、下絵26は、これに対応して動画を生じさせるものが採用される。
ストライプ状のフィルムゲージ50の場合、一方向の相対スライドによって動画が生じるが、格子状のフィルムゲージ50’の場合、タテ、ヨコ、ナナメのいずれの方向に相対スライドした場合でも動画が生じる。これは、箱の組み立て精度が高くなく、相対スライド方向が予定の一方向から逸れた場合でも動画に変化が生じるという点で有効である。
【0025】
≪下絵フラップとフィルムゲージとの密着性を高めるための構成≫
下絵フラップ25とフィルムゲージ50を重ねて相対スライドさせることで動画を生じさせる場合、両者の隙間が大きいと、動画がボヤケて見えることがある。動画をクリアにするためには、下絵フラップ25とフィルムゲージ50を、適度に圧接させることが好ましい。
これを実現するために、本発明では、壁面31に設けた一対のスリット32a、32bに対して、フィルムゲージ50の両端に設けた差込片52a、52bを差し込み、これによって、フィルムゲージ50を壁面31上に固定している。その結果、フィルムゲージ50と壁面31が、その間に位置する下絵フラップ25を積極的に挟持し、下絵フラップ25をフィルムゲージ50に圧接させる効果が生じる。
したがって、フィルムゲージ50と下絵フラップ25が適度に密着し、相対スライドにより得られる動画がクリアなものとなる。特に、フィルムゲージ50をプラスチック材等の剛性材料で作成すると、フィルムゲージ50自体に一平面内に納まろうとする保形性があるので、これをスリット32a、32bに差し込んで壁面31に固定した場合に、下絵フラップ25を挟持する効果が大きい。
【0026】
さらに、下絵フラップ25とフィルムゲージ50を圧接する効果を高めるために、下絵フラップ25は、回動フラップ20の内面において、一壁面31の表面から一定距離“L”でオフセットした位置から立ち上がるように設計することが好ましい。
すなわち、図6中に部分的に拡大して示したように、回動フラップ20の内面から立ち上がる下絵フラップ25の根元25aは、収納室の一壁面31の端縁31aから上方に距離“L”だけ離されている(オフセットされている)。これにより、下絵フラップ25をフィルムゲージ50に対して圧接させる力が生じる。つまり、下絵フラップ25とフィルムゲージ50が適度に密着して、クリアな動画を得ることができる。
また、下絵フラップ25の根元25aから一定距離“M”(約5mm)の位置にミシン罫25bを設けることが好ましい。これにより、回動フラップ20の回動と連動して下絵フラップ25のミシン罫25bよりも根元側の幅“M”の領域は、ミシン罫25bを中心として回動と連動して斜め上方に立ち上がるが、下絵フラップ25のミシン罫25bよりも先端側の領域は、フィルムゲージ50に対して平行を維持したまま圧接することとなる。
ただし、以上のオフセット構成およびミシン罫25bは任意の構成要素であって、省略することも可能である。
【0027】
≪第2実施形態:図7≫
図7は、第2実施形態に係る包装用箱110を示している。第1実施形態と比べて、フィルムゲージ150の構造が異なる。
【0028】
第1実施形態では、フィルムゲージ50は、その両端に、外方に向かって突出する一対の差込片52a、52bを備えていた。差込片52a、52bは、収納室30の一壁面31上に形成した保持スリット32a、32bに、互いに離れる方向に差し込まれ、これにより、フィルムゲージ50が一壁面31上に不動に保持されていた。
【0029】
これに対して、第2実施形態では、フィルムゲージ150の差込片152a、152bは、互いに近づく方向に向けられている。すなわち、フィルムゲージ150には、その両端縁からやや内側の位置に、切込スリット151a、151bが形成されていて、これにより、互いに近づく方向に向く一対の差込片152a、152bを構成している。
【0030】
差込片152a、152bは、収納室30の一壁面31上に形成した保持スリット32a、32bに、外方から互いに近づく方向に差し込まれ、これにより、フィルムゲージ150が一壁面31上に実質上不動に保持される。
【0031】
ここで、差込片152a、152bの具体的形態は、任意のものを採用することができる。例えば、図7中に破線で囲んだ領域に示したように、全体がドーム状に湾曲する如き形態の差込片152a’、152b’を採用することも可能である。
当該形状の差込片152a’、152b’は、一壁面31上の保持スリット32a、32bに対する差し込み作業が行い易いという点で優れる。
【0032】
第1実施形態(図6)と第2実施形態(図7)を比較すると、次のことがいえる。すなわち、第2実施形態では、スリットに差し込まれた差込片152a、152bが互いに近づく方向に延在するので、収納室30内において、下絵フラップ25により近い位置に差込片152a、152bが位置する。そのため、第1実施形態に比べて、下絵フラップ25を上方へと押し上げる効果が高い。
したがって、下絵フラップ25とフィルムゲージ150との密着性が高まり、クリアな動画を得ることができる。
【0033】
なお、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、下絵フラップ25は、回動フラップ20の内面において、一壁面31の表面から一定距離(図6中の“L”)だけ離れた位置から立ち上がるように構成して、下絵フラップ25とフィルムゲージ150を、適度に圧接させることが好ましい。
【0034】
≪第3実施形態:図8≫
図8は、第3実施形態に係る包装用箱210を示している。第1、2実施形態と比べて、フィルムゲージ250の構造が異なる。
【0035】
第3実施形態において、まず、フィルムゲージ250の差込片52a、52bの構成は、第1実施形態の場合と同様である。すなわち、差込片52a、52bは、フィルムゲージ250の両端に、外方に向かって突出するよう形成されている。しかし、第3実施形態は、さらに、下絵フラップ保持片256a、256bを備える。
【0036】
すなわち、第3実施形態におけるフィルムゲージ250は、差込片52a、52bのやや内側の位置に、切込スリット255a、255bが形成されていて、これにより、互いに近づく方向に向く一対の下絵フラップ保持片256a、256bを構成している。
【0037】
図8中のX−X断面図に示したように、下絵フラップ保持片256a、256bは、下絵フラップ25を下方から抱え込むように持ち上げ、フィルムゲージ250に押し付ける効果を奏する。
したがって、下絵フラップ25とフィルムゲージ250との密着性が高まり、クリアな動画を得ることができる。なお、図8中のX−X断面図では、説明を分かり易くするために、各構成要素間の隙間を実際よりも誇張して大きく描いている。
【0038】
なお、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、下絵フラップ25は、回動フラップ20の内面において、一壁面31の表面から一定距離(図6中の“L”)だけ離れた位置から立ち上がるように構成して、下絵フラップ25とフィルムゲージ250を、適度に圧接させることが好ましい。
【0039】
≪下絵フラップのストローク量を大きくするための変形例:図9≫
図9は、第1実施形態に対する変形例を示している。第1実施形態の包装用箱10(図9(a))では、回動フラップ20は、収納室30の一壁面31の端縁31aに対してヒンジ連結されていた。これに対して、図9(b)の変形例に係る包装用箱10’では、当該一壁面31に対向する反対側の対向壁面31’の端縁31a’に対して、回動フラップ20がヒンジ連結されている。
この結果、図9(b)から明らかなように、回動フラップ20を回動させたときに、これと連動してスライドする下絵フラップ25のストローク量が大きくなる。その結果、得られる動画は、ダイナミックな印象がより強いものとなる。
【0040】
第2実施形態(図7)および第3実施形態(図8)に係る包装用箱においても、同様の構成を採用して、下絵フラップ25のストローク量を大きくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】2つの画素から動画を生じさせる原理を示す説明図。
【図2】2つの画素から動画を生じさせる原理を示す説明図。
【図3】3つの画素から動画を生じさせる原理を示す説明図。
【図4】3つの画素から動画を生じさせる原理を示す説明図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る包装用箱を説明する組立図。
【図6】図5に示した包装用箱の機能を説明する図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る包装用箱を説明する組立図。
【図8】本発明の第3実施形態に係る包装用箱を説明する組立図。
【図9】第1実施形態に対する変形例を説明する斜視図。
【符号の説明】
【0042】
10、10’、110、210 包装用箱
20 回動フラップ
21、22 フラップ片
23 係止フラップ
25 下絵フラップ
26 下絵(複合画像)
30 収納室
31 一壁面
32a、32b 保持スリット
33 差込スリット
35 開閉フラップ
50、50’、150、250 フィルムゲージ
52a、52b 差込片
151a、151b 切込スリット
152a、152b 差込片
152a’、152b’ 差込片
255a、255b 切込スリット
256a、256b 下絵フラップ保持片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合画像(26)で構成される下絵が表示された下絵フラップ(25)と、当該下絵に対応するフィルムゲージ(50)とを重ね、両者を相対的にスライド移動させることで、動画を生じさせる装飾要素を備えた包装用箱であって、
当該包装用箱は、収納室(30)の一壁面(31)に対して回動可能な回動フラップ(20)を備え、当該回動フラップの内面に下絵フラップ(25)が立設されていて、
フィルムゲージ(50)は、上記一壁面(31)に形成した一対の保持スリット(32a、32b)に、その両端を差し込むことで、当該一壁面(31)上に保持されていて、
下絵フラップ(25)は、上記一壁面(31)とフィルムゲージ(50)との間に位置していて、回動フラップ(20)が回動すると、これに連動して下絵フラップ(25)がフィルムゲージ(50、150、250)に対して相対的にスライドし、これにより上記動画が生じることを特徴とする、包装用箱。
【請求項2】
上記フィルムゲージ(150)は、その両端に形成した切込スリット(151a、151b)で構成される一対の差込片(152a、152b)を備えており、当該一対の差込片は、互いに近づく方向に向けられていて、
当該一対の差込片(152a、152b)を、上記一対の保持スリット(32a、32b)に対して外方から互いに近づく方向に差し込むことで、フィルムゲージ(150)が上記一壁面(31)上に保持されていることを特徴とする、請求項1記載の包装用箱。
【請求項3】
上記フィルムゲージ(250)は、その両端に、外方に向かって突出する一対の差込片(52a、52b)を備えており、当該差込片を上記一対の保持スリット(32a、32b)に互いに離れる方向に差し込むことで、フィルムゲージ(250)が上記一壁面(31)上に保持されていて、
当該フィルムゲージ(250)は、さらに、差込片(52a、52b)の内側に、切込スリット(255a、255b)で構成される一対の下絵フラップ保持片(256a、256b)を備え、当該下絵フラップ保持片は、互いに近づく方向に向けられていて、
一対の下絵フラップ保持片(256a、256b)が下絵フラップ(25)の下面側に入り込んで、下絵フラップ(25)のフィルムゲージ(250)に対する密着性を高めていることを特徴とする、請求項1記載の包装用箱。
【請求項4】
上記下絵フラップ(25)は、回動フラップ(20)の内面において、上記一壁面(31)の表面から一定距離(L)離れた位置から立ち上がるように立設されていて、これにより、下絵フラップ(25)のフィルムゲージ(50、150、250)に対する密着性を高めていることを特徴とする、請求項1〜3記載のいずれか1つに記載の包装用箱。
【請求項5】
上記回動フラップ(20)は、上記一壁面(31)に対向する対向壁面(31’)の一端縁(31’a)に対してヒンジ式に連結されており、これにより、回動フラップ(20)が回動する際の下絵フラップ(25)のストローク量を大きくしていることを特徴とする、請求項1〜4記載のいずれか1つに記載の包装用箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−13118(P2010−13118A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172081(P2008−172081)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】