説明

包装袋

【課題】消費者に対する訴求性に優れた樹脂フィルム製の包装袋を低コストで提供する。
【解決手段】商品が収容される袋体1と、その表面の一部に被さる帯材2とから成り、袋体1と帯材2とを両端で溶着した樹脂フィルム製の包装袋において、袋体1と帯材2とに異なる図柄を印刷し、袋体1と帯材2とのずれに伴い、これらの図柄の重なり合う部分が相対的に移動して、帯材2の表面に現れる図柄が変化するようにする。図柄の動的な変化により、消費者の興味が惹きつけられ、優れた訴求効果を得ることができる。また、袋体1に部分的な印刷を施し、帯材2を付加するだけで図柄に変化を与えられるので、コストアップを抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、菓子等の包装に用いる樹脂フィルム製の包装袋であって、消費者への訴求効果を高めたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1には、樹脂フィルムを素材として、商品が収容される袋体と、その表面の一部に被さる帯材とを形成し、袋体と帯材とを両端で溶着して、帯材に商品名等を表示するラベルを貼着した包装袋が記載されている。
【0003】
【特許文献1】実公平6−354号公報(請求項3、第7図及び第8図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような包装袋では、期間限定のキャンペーン等に際し、商品の宣伝広告を印刷したラベルを帯材に貼着しても、訴求力に乏しく、袋体の印刷を全面的に変えようとすると、印刷の版の作り替えに多大なコストがかかるという問題がある。
【0005】
そこで、この発明は、消費者に対する訴求性に優れた樹脂フィルム製の包装袋を低コストで提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、この発明は、商品が収容される袋体と、その表面の一部に被さる帯材とから成り、袋体と帯材とを両端で溶着した樹脂フィルム製の包装袋において、袋体と帯材とに異なる図柄を印刷し、袋体と帯材とのずれに伴い、これらの図柄の重なり合う部分が相対的に移動して、帯材の表面に現れる図柄が変化するようにしたのである。
【発明の効果】
【0007】
この包装袋では、袋体に対して帯材をずらすと、帯材の表面に現れる図柄が動的に変化するので、視覚的に面白さを感じさせて、消費者の興味を惹きつけることができ、優れた訴求効果を得ることができる。
【0008】
また、従来の製袋工程を生かして、袋体に部分的な印刷を施し、帯材を付加するだけで図柄に変化を与えられるので、コストアップを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
図1に示す第1実施形態のように、この包装袋は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムを素材とするものであり、商品が収容される袋体1と、その表面の一部に被さる帯材2とから構成される。
【0011】
この包装袋の製造に際しては、図7に示すように、袋体1をなすフィルムsを巻取ロールAから繰り出すと共に、帯材2をなすフィルムtを巻取ロールBから繰り出して、二つ折りにしたフィルムsの表面にフィルムtを重ねる。
【0012】
そして、各包装袋の両端となる縦方向のシール部3でフィルムs,tを熱溶着すると同時に、シール部3の中央でフィルムs,tを切断する。
【0013】
その後、図1に示すように、商品の袋体1への収容に前後して、袋体1の上部及び下部を、横方向のシール部4で順次シールする。
【0014】
ここで、製袋に先立って、帯材2のフィルムには、クマの顔5を目穴部6及び口穴部7が透明となるように印刷しておき、袋体1のフィルムには、クマの開いた目6a及び口7aと、閉じた目6b及び口7bとを左右に並べて印刷しておく。
【0015】
この包装袋では、図1(a)に示すように、袋体1と帯材2とがずれていない時、クマの目穴部6及び口穴部7から開いた目6a及び口7aが透過して見え、閉じた目6b及び口7bは、顔5の印刷に遮られて見えない。
【0016】
一方、消費者が包装袋を手にとって、図1(b)に示すように、袋体1に対して帯材2を横にずらすと、クマの目穴部6及び口穴部7から閉じた目6b及び口7bが透過して見え、開いた目6a及び口7aは、顔5の印刷に遮られて見えなくなる。
【0017】
このように、上記包装袋では、袋体1に対して帯材2をずらすと、帯材2の表面に現れるクマの表情が動的に変化するので、視覚的に面白さを感じさせて、消費者の興味を惹きつけることができ、優れた訴求効果を得ることができる。
【0018】
また、従来の製袋工程を生かして、袋体1に部分的な印刷を施し、帯材2を付加するだけで図柄に変化を与えられるので、コストアップを抑制することができる。
【0019】
ところで、包装袋に施す図柄のバリエーションは、種々考えられる。例えば、図2及び図3に示す第2実施形態のように、帯材2のフィルムにみかんの皮を剥く前の外観8aを印刷しておき、袋体1のフィルムにみかんの切り口8bを印刷しておいてもよい。
【0020】
この包装袋では、図3(a)に示すように、通常時、みかんの切り口8bは外観8aに遮られて見えず、図3(b)に示すように、袋体1に対して帯材2を横にずらすと、切り口8bが現れるので、その変化により、商品の購買意欲を高めることができる。
【0021】
また、図4及び図5に示す第3実施形態のように、帯材2のフィルムに鳥かご9を印刷しておき、袋体1のフィルムに鳥かご9の桟の間隔に対応した縦縞10と、鳥11とを印刷しておいてもよい。
【0022】
この包装袋では、図5(a)に示すように、通常時、鳥かご9の桟の間が縦縞10で塞がれ、図5(b)に示すように、袋体1に対して帯材2を横にずらすと、鳥かご9の桟の間から鳥11が現れるので、その変化により、商品の購買意欲を高めることができる。
【0023】
さらに、図6に示す第4実施形態のように、帯材2と袋体1のフィルムに、新幹線電車とクルーザーとを横縞状に分割した乗物分割図12,13を印刷しておいてもよい。
【0024】
この包装袋では、図6(a)に示すように、通常時、新幹線電車の図柄が表示され、図6(b)に示すように、袋体1に対して帯材2を縦にずらした時、クルーザーの図柄が表示されるので、その変化により、商品の購買意欲を高めることができる。
【0025】
なお、上記各実施形態では、四方シールの包装袋を例示したが、三方又は二方シールの包装袋や、ピロータイプの包装袋においても、従来の製袋工程に帯材の貼着工程を付加して、異なる図柄を印刷した袋体と帯材のずれに伴い、帯材の表面に現れる図柄を変化させる同様の構成を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係る(a)帯材をずらす前の状態を示す斜視図、(b)帯材をずらした後の状態を示す斜視図
【図2】第2実施形態に係る袋体及び帯材の印刷を示す図
【図3】同上の(a)帯材をずらす前の状態を示す概略正面図、(b)帯材をずらした後の状態を示す概略正面図
【図4】第3実施形態に係る袋体及び帯材の印刷を示す図
【図5】同上の(a)帯材をずらす前の状態を示す概略正面図、(b)帯材をずらした後の状態を示す概略正面図
【図6】第4実施形態に係る(a)帯材をずらす前の状態を示す斜視図、(b)帯材をずらした後の状態を示す斜視図
【図7】包装袋の製造工程を示す概略斜視図
【符号の説明】
【0027】
1 袋体
2 帯材
3,4 シール部
5 クマの顔
6 目穴部
6a,6b 目
7 口穴部
7a,7b 口
8a みかんの外観
8b 切り口
9 鳥かご
10 縦縞
11 鳥
12,13 乗物分割図
A,B 巻取ロール
s,t フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品が収容される袋体と、その表面の一部に被さる帯材とから成り、袋体と帯材とを両端で溶着した樹脂フィルム製の包装袋において、袋体と帯材とに異なる図柄を印刷し、袋体と帯材とのずれに伴い、これらの図柄の重なり合う部分が相対的に移動して、帯材の表面に現れる図柄が変化するようにしたことを特徴とする包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−238116(P2007−238116A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−61100(P2006−61100)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(000115980)レンゴー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】