説明

包装袋

【課題】内容物を充填密封後に、手で開封して開口部を形成することができ、開口部より内容物を必要なだけ取り出すことができ、その後、容易に開口部を再封できるリクローズ性を有する包装袋を提供すること。
【解決手段】ホットメルト粘着剤層を介して基材層11と熱接着性樹脂層が積層された積層体10の前記熱接着性樹脂層の面同士を対向させて周縁を熱接着して周縁熱接着部を設けた包装袋であって、前記基材層11側から開いた形状の外ハーフカット4が施され、前記熱接着性樹脂層側から前記外ハーフカット4に沿って外ハーフカット4より小さい開いた形状の内ハーフカット5が施されるとともに、前記周縁熱接着部の外周縁と、前記外ハーフカット4および前記内ハーフカット5の施された位置とが、前記ホットメルト粘着剤層が除かれた非形成部とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットメルト粘着剤層を介して基材層と熱接着性樹脂層が積層された積層体を用いた包装袋に関し、詳しくは基材層側から外ハーフカットと熱接着性樹脂層側から内ハーフカットを施した構成とすることにより、食品や非食品等の内容物を包装袋に充填密封包装後、外ハーフカットおよび内ハーフカットより開封可能とされ、繰り返し再封する機能(以下、リクローズ性という。)を備え、繰返し開閉して内容物を取り出すことができる包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品や非食品などの内容物をプラスチックフィルムや紙等の積層体からなる包装袋に密封包装後、使用する際に一旦開封して必要量の内容物を取り出した後に、残った内容物を保存する場合、例えば、濡れナプキン等を収納する封入袋として、気密性を有する1枚のシート材の取り出し口となる個所に閉ループの切込みを入れ、該切込みを気密性フィルムよりなる感圧接着剤層を有する開閉蓋を感圧接着剤層とシート材とが接するように貼着した化粧料封入袋が知られている(例えば、特許文献1参照)。この化粧料封入袋は、開閉蓋を構成する感圧接着剤層により、取り出し口を再封可能としたものである。
【0003】
また、表と裏の二枚の積層材料からなり、上部シール部と両サイドにサイドシール部を有し、上部シール部の一方の隅に未シール部を有し、上部シール部に近接する位置に切り込みとミシン目線を有してなる再封性包装袋において、該未シール部が表と裏の二枚の積層材料で基材フィルム層の一方の面に粘着性樹脂層の両面にポリオレフィン系樹脂層を積層してなる三層共押出フィルム層を積層し、他方の面にシーラント層を積層した積層体からなる再封性積層テープを両側からサンドイッチ状に挟んだ状態のものからなり、該上部シール部と両サイドのサイドシール部が各々表と裏の二枚の積層材料で再封性積層テープを両側からサンドイッチ状に挟み、かつ、シールした状態の再封性包装袋が提案されている(例えば、特許文献2参照)。そして再封性包装袋の開封時に再封性積層テープの粘着性樹脂層面を露出させることにより再封可能な構成とされている。
【0004】
しかし、特許文献1に記載された化粧料封入袋は、気密性フィルムが別途に部材として必要であり、また、気密性フィルムをシート材に貼着する工程が増え、コストアップするという問題、また、シート材の生産に合わせて気密性フィルムの在庫管理や手配をしなければならず手間がかかるという問題がある。一方、特許文献2に記載された再封性包装袋は、再封性積層テープが部材として別途必要となるので特許文献1と同様の問題がある上に上部シール部と両サイドのサイドシール部は表と裏の二枚の積層材料で再封性積層テープを両側からサンドイッチ状に挟んでシールされているので、シール時の熱と圧力により再封性積層テープの粘着性樹脂層が再封性包装袋の上部シール部やサイドシール部の外端に食み出し、ごみが付着して衛生面上好ましくないという問題や、あるいは上部シール部やサイドシール部の内端にも粘着性樹脂層が食み出し、食み出した粘着性樹脂層に内容物が付着するという不具合や、内容物を取出す際、粘着性樹脂層に手が接触し、内容物を取出しにくいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平2−30948号公報
【特許文献2】特開2006−199343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは内容物を充填密封後に、手で開封して開口部を形成することができ、開口部より内容物を必要なだけ取り出すことができ、その後、容易に開口部を再封できるリクローズ性を有する包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、請求項1記載の本発明は、ホットメルト粘着剤層を介して基材層と熱接着性樹脂層が積層された積層体の前記熱接着性樹脂層の面同士を対向させて周縁を熱接着して周縁熱接着部を設けた包装袋であって、前記基材層側から開いた形状の外ハーフカットが施され、前記熱接着性樹脂層側から前記外ハーフカットに沿って外ハーフカットより小さい開いた形状の内ハーフカットが施されるとともに、前記周縁熱接着部の外周縁と、前記外ハーフカットおよび前記内ハーフカットの施された位置とが、前記ホットメルト粘着剤層が除かれた非形成部とされていることを特徴とする包装袋である。
【0008】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の包装袋において、前記外ハーフカットに前記内ハーフカットと反対側に突出した突出部が設けられ、少なくとも前記突出部は前記ホットメルト粘着剤層が除かれた非形成部とされていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3記載の本発明は、請求項1または2に記載の包装袋において、開いた形状の前記外ハーフカットの両端を結ぶ線と前記外ハーフカットに囲まれた領域内に前記基材層側から折り返し線を形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の包装袋は、ホットメルト粘着剤層を介して基材層と熱接着性樹脂層が積層された積層体の前記熱接着性樹脂層の面同士を対向させて周縁を熱接着して周縁熱接着部を設けた包装袋であって、前記基材層側から開いた形状の外ハーフカットが施され、前記熱接着性樹脂層側から前記外ハーフカットに沿って外ハーフカットより小さい開いた形状の内ハーフカットが施された構成とすることにより、外ハーフカットより開封し、内ハーフカットと開いた形状の内ハーフカットの両端を結ぶ線とで囲まれた領域に開口部を容易に形成することができ、開口部より内容物を取り出すことができる。また、外ハーフカットと内ハーフカット間を糊代として開封時に開封片に露出したホットメルト粘着剤層の部分を糊代に圧着することにより再封できリクローズ性が得られる。さらに、従来の再封性包装袋のように別途に部材を準備する必要がないので部材の在庫管理や手配という手間や貼着するという工程が増加することもないのでコストアップを抑制することができる。
また、前記周縁熱接着部の外周縁と、前記外ハーフカットおよび前記内ハーフカットの施された位置とが、前記ホットメルト粘着剤層が除かれた非形成部とされていることにより、周縁熱接着部の外端にホットメルト粘着剤層が食み出すことがないのでゴミの付着がなく衛生的であり、かつ、包装袋の製造時に包装袋の外周縁を切断する刃、および外ハーフカットと内ハーフカットを施す刃が積層体に接する位置にはホットメルト粘着剤層がないので刃にホットメルト粘着剤が蓄積することがないので製袋加工適性が向上する。
【0011】
また、請求項2記載の本発明は、前記外ハーフカットに前記内ハーフカットと反対側に突出した突出部が設けられ、少なくとも前記突出部は前記ホットメルト粘着剤層が除かれた非形成部とされている構成とすることにより、突出部を摘み部として容易に開封できる。
【0012】
また、請求項3記載の本発明は、開いた形状の前記外ハーフカットの両端を結ぶ線と前記外ハーフカットに囲まれた領域内に前記基材層側から折り返し線を形成することにより、開封した際、外ハーフカットに囲まれた領域の積層体を折り返し線で折り返して開口状態を維持でき、内容物を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る包装袋の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】本発明に係る包装袋の開封状態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る包装袋のその他の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明に係る包装袋の一実施形態を示す平面図、図2は図1のX−X線断面図、図3は図1のY−Y線断面図、図4は本発明に係る包装袋の開封状態を示す断面図、図5は本発明に係る包装袋のその他の実施形態を示す平面図であり、図中の1、1’は包装袋、2a、2bは端縁シール部、3は背シール部、4は外ハーフカット、4a、4bは切込み、5は内ハーフカット、6は突出部、7は折り返し線、8は開口部、9は開封片、10は積層体、11は基材層、12はホットメルト粘着剤層、13は熱接着性樹脂層、14は剥離層、15は接着層、d1は外ハーフカットと内ハーフカット間の間隔、d2は帯状のホットメルト粘着剤層の幅、Sは外ハーフカットの両端を結ぶ線と外ハーフカットに囲まれた領域をそれぞれ示す。
【0015】
図1は本発明に係る包装袋の一実施形態を示す平面図、図2は図1のX−X線断面図、図3は図1のY−Y線断面図であって、包装袋1は、ホットメルト粘着剤層を介して基材層11と熱接着性樹脂層13が積層された矩形状の積層体10の熱接着性樹脂層13の面同士を対向させて背シール部3で熱接着し、筒状となし、開口端を端縁シール部2a、2bで熱接着したピロータイプの包装袋である。端縁シール部2a、2bのいずれかの一方が先に熱接着され、他方が内容物を包装袋に充填後、熱接着されるものである。また、端縁シール部2a、2bおよび背シール部3が本願の周縁熱接着部に相当するものである。
【0016】
本発明の包装袋1の正面(背シール部3の反対側)には、基材層11側から開いた形状の外ハーフカット4が略金魚鉢縦断面形状に施され、熱接着性樹脂層13側から外ハーフカット4に沿って外ハーフカット4より小さい開いた形状の内ハーフカット5が施されている。また、開いた形状の外ハーフカット4の両端を結ぶ線と外ハーフカット4に囲まれた領域S内に基材層11側から折り返し線7が形成されている。折り返し線7は、押罫線やハーフカットで形成できるが、ハッフカットで形成する方が開封した際、外ハーフカット4に囲まれた領域の積層体10からなる開封片9(図4参照)を折り返し線7で折り返して開口状態を維持することができ、内容物を容易に取り出すことができるので好ましい。
また、外ハーフカット4の中央に内ハーフカット5と反対側に突出した突出部6が設けられ、この突出部6は後述するが開封するための摘み部になるものであり、開封時の利便性を向上させるためにホットメルト粘着剤層が除かれた非形成部とされている。さらに、外ハーフカット4の両端には、突出部6を摘み部として開封した際、開封片9(図4参照)が包装袋1から引きちぎられて分離されてしまうことを防ぐためのストッパーの役割を果たす切込み4a、4bが設けられている。
【0017】
さらに、図2、図3を参照しながら、本発明の要部について詳しく説明する。図2、図3の円内は要部の拡大図である。本発明の包装袋1を構成する積層体10は、基材層11と熱接着性樹脂層13とをポリエチレンをエクストルージョン法により溶融押出して設けた接着層15を介して積層されている。さらに、外ハーフカット4および内ハーフカット5が位置する基材層11の接着層15側には紐状の剥離層14が形成され、剥離層14、14間(外ハーフカット4と内ハーフカット5に挟まれた領域)の基材層11の接着層15側にはホットメルト粘着剤層12が帯状に形成されている。外ハーフカット4と内ハーフカット5との間隔は、5〜20mmが好ましい。5mm未満では、帯状のホットメルト粘着剤層12の幅が狭くなりすぎて接着強度が弱くなるので十分なリクローズ性が得られない。20mmを超えると大きな開口部が得られないので内容物により取り出しにくくなる。また、外ハーフカット4と内ハーフカット5間に形成する帯状のホットメルト粘着剤層12の幅は2〜15mmが好ましく、2mm未満では、ホットメルト粘着剤層12の幅が狭くなりすぎて接着強度が弱くなるので十分なリクローズ性が得られず、15mmを超えると接着強度が強くなり開封しにくくなる。外ハーフカット4と内ハーフカット5との間隔は内容物の種類、大きさにより任意に設計でき、要求される開封強度は、外ハーフカット4と内ハーフカット5間に形成する帯状のホットメルト粘着剤層12の幅を変えることによりコントロールすることができる。
【0018】
また、図2、図3に示すように周縁熱接着部である端縁シール部2a、2bおよび背シール部3の外周縁は、ホットメルト粘着剤層12が除かれた非形成部となっている。本発明の包装袋1は、上記のように周縁熱接着部の外周縁と、外ハーフカット4および内ハーフカット5の施された位置とが、ホットメルト粘着剤層12が除かれた非形成部とされていることを特徴とするものである。したがって、一実施形態ではホットメルト粘着剤層12を外ハーフカット4と内ハーフカット5に挟まれた領域にのみ形成した例を示したが、これに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の部分に形成することもできる。
【0019】
本発明の包装袋は、一実施形態で示したピロータイプ袋の形態以外に、ガセット、ピローガセット、三方シール、四方シール等の種々のタイプの袋に利用することができる。また、積層体10の基材層11と熱接着性樹脂層13との積層には、公知のエクストルージョン法、ドライラミネート法、ノンソルベント接着剤ラミネート法等が適用できる。
【0020】
次に、図4および図2、図3を参照しながら本発明の包装袋1の開封方法について説明する。図4に示すように未シールの端縁シール部2a、2bのいずれか一方の開口端より内容物が充填された後、熱接着して密封包装される。その後、開封に際して、突出部6の部分には剥離層14が形成されているので突出部6は剥離層14と接着層15との間で容易に剥離し、剥離した突出部6を摘み部として指で摘み、上方に引っ張ると外ハーフカット4と内ハーフカット5に沿って、ホットメルト粘着剤層12と接着層15との間で積層体10が剥離し、内ハーフカット5と折り返し線7で囲まれた領域の接着層15と熱接着性樹脂層13は剥離することないので一体となったまま上方に引っ張り上げられ開封片9が形成され、折り返し線7で折り返すと、開封片9はその状態が維持されるので包装袋1の正面には内ハーフカット5と折り返し線7とで囲まれた大きな開口部8が形成され、開口部8より内容物を容易に取り出せる。なお、図4において、突出部6以外には剥離層14の図示を省略したが、開封片9の外ハーフカット4、内ハーフカット5の周縁には剥離層が形成されている。
【0021】
本発明の包装袋において、外ハーフカット4、内ハーフカット5を形成する位置や形状は一実施形態に限定されるものではなく、包装袋1の正面(背シール部の反対側)以外に裏面(背シール側)に設けることもでき、また、内容物により開口部の形状や大きさを自由に設定できる。図5は、本発明のその他の実施形態を示す平面図である。図5に示すように本発明のその他の実施形態である包装袋1’は、外ハーフカット4および内ハーフカット5を包装袋の正面の端縁シール部2a側の下部に小さな形状で設けたものである。その他は一実施形態と同じである。包装袋1’は、内容物が、例えばチョコチップのような粒状の場合、外ハーフカット4の突出部6を摘み部として開封して形成された開口部を振出口として、必要量を振出して取り出すことができるので便利なものとなる。
【0022】
次に、本発明に係る包装袋1を構成する積層体10について説明する。まず、積層体10の熱接着性樹脂層13に用いられる材料としては、熱により溶融し相互に溶着し得る熱接着性樹脂であればよく、要求される物性により適宜選択して用いることができ、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂で形成することができる。
【0023】
次に、積層体10の基材層11に用いられる基材としては、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂製フィルムを用いることができ、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系等の樹脂を用いた一軸方向ないし二軸方向に延伸した延伸フィルム等やこれらの延伸フィルムに酸化アルミ、酸化珪素等の無機物を蒸着あるいはポリビニルアルコール系等のバリア性を有する樹脂をコーテイングしたフィルムを使用することができる。フィルムの厚さとしては基材としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、コストなどを勘案して決めればよい。また、基材層11の熱接着性樹脂層13側には、通常、印刷が施されるので印刷適性を有する延伸フィルムがあることは言うまでもない。
【0024】
また、積層体10には、酸素ガス、水蒸気ガス等のガスバリアー性、及び/又は、遮光性を付与するために熱接着性樹脂層13と基材層11との間に内容物に要求される保護機能により中間層を設けることができる。この中間層を構成する材料としては、たとえば、アルミニウム、鉄、銅、錫等の金属箔、あるいは、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニリデン等のフィルム、あるいは、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリビニルアルコール等のフィルムにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルムないしはアルミニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着を施したフィルムなどを用いることができる。なお、中間層を積層する場合には、基材層と中間層との間にホットメルト粘着剤層を設ける方が好ましい。また、内ハーフカット5は熱接着性樹脂層および中間層を貫通するように設けることが肝要である。
【0025】
ホットメルト粘着剤層に用いるホットメルト粘着剤としては、熱可塑性樹脂からなるベースポリマーにタッキファイヤーを含む熱溶融型組成物が用いられる。この組成物のベースポリマー成分には、例えば、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジェンブロック共重合体、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ビニル芳香族と共役ジエンのブロック共重合体およびその水添物、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリエステル樹脂等などが単独もしくは複数ブレンドして用いられる。
タッキファイヤーとしては、例えばクマロン・インデン樹脂、フェノール樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、テルペン・フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、合成ポリテルペン樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族環状炭化水素樹脂、水素添加炭化水素樹脂、炭化水素系樹脂、ポリブテン、ロジン、ロジンエステル、水素添加ロジン、水素添加ロジンとモノアルコールまたは多価アルコールとのエステル、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、及び共重合系石油樹脂などが挙げられる。
また、ホットメルト粘着剤には、可塑剤、粘度調整剤、抗酸化剤、充填剤等が適宜添加される。通常、ホットメルト粘着剤層の厚さは5〜30μmである。
【0026】
剥離層14に用いられる剥離剤としては、例えば、硝化綿系、ポリアミド系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アルキッド系の樹脂が挙げられ、これらを単独若しくは組合わせて混合して溶液としてグラビア印刷、フレキソ印刷等の加工法でパートコートすることにより剥離剤層14を形成することができる。剥離剤にはワックスやシリコンなどを添加剤として混合して易剥離性を調整することができる。
【0027】
次に、本発明の包装袋1の製造方法例について説明する。まず、巻取り状の基材層11の一方の面にデザインや表示等の印刷層、剥離層をグラビア印刷、フレキソ印刷等の印刷法により形成し、他方の面にはオーバープリント(OP)層を形成する。次に印刷層および剥離層の形成された面に印刷層および剥離層に見当合わせしてホットメルト粘着剤層を例えば、グラビア版等を用いてパターンコートして形成する。そして、基材層に形成されたホットメルト粘着剤層の面と熱接着性樹脂層とをエクストルージョン法、ドライラミネーション法により積層する。その後、例えば、所定の大きさ、形状のハーフカット刃を備えたダイロールを搭載した打抜き機で積層体の基材層面から外ハーフカット、熱接着性樹脂層面から内ハーフカットを施す。その後、製袋機で所定の形態の包装袋に製袋される。なお、OP層は、ホットメルト粘着剤層の形成工程を中間層あるいは熱接着性樹脂層との積層工程とインラインで行う場合には無くてもよいが、オフラインで行う場合には、ホットメルト粘着剤層面と基材層の印刷層、剥離層の形成された面と反対側の面が巻取り時に接触してブロッキングが発生するのでOP層を形成することが必要である。OP層は、剥離層に用いる剥離剤をOPニスとして用いて形成される。
【0028】
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0029】
基材層に厚さ25μmの透明な二軸延伸ポリエステルフィルム(PET)を用いて、PETの片面にウレタン系インキで印刷層、ポリアミド系インキで紐状の剥離層、およびポリエチレンイミン系のアンカー剤で全面にアンカーコート(AC)層を形成し、他方の面にシリコーンを添加したポリアミド系インキで全面にOP層を形成した。その後、ホットメルトコーターで印刷層、剥離層に見当を合わせて、所定の位置にアクリル系樹脂をベースポリマー、テルペン樹脂をタッキファイヤーとするホットメルト粘着剤(HM)をパートコートして帯状のホットメルト粘着剤層を積層して中間積層体を作製した。その後、熱接着性樹脂層に厚さ30μmの未延伸ポリプロピレン(CPP)を用いて、中間積層体のHM層面とCPPとを低密度ポリエチレン(PE)を厚さ15μmで溶融押出しながらサンドイッチラミネーションして<OP層/PET25μm/印刷層、剥離層、AC層/HM層/PE15μm/CPP30μm>なる構成の積層体を作製した。その後、積層体に所定の形状の外ハーフカット刃を備えた抜型、指定の形状の内ハーフカット刃を備えた抜型を搭載した打抜き機にてPET面に外ハーフカット、CPP面からCPP、PEを貫通する内ハーフカットを形成した。而して、製袋して一実施形態に示すピロータイプの包装袋1を作製した。なお、外ハーフカットと内ハーフカット間の間隔は8mmとし、帯状のHM層の幅は5mmとした。
【実施例2】
【0030】
外ハーフカットと内ハーフカット間の間隔を20mmとし、帯状のHM層の幅を10mmとした以外は実施例1と同じ包装袋とした。
【実施例3】
【0031】
外ハーフカットと内ハーフカット間の間隔を8mmとし、帯状のHM層の幅を2mmとした以外は実施例1と同じ包装袋とした。
【実施例4】
【0032】
外ハーフカットと内ハーフカット間の間隔を20mmとし、帯状のHM層の幅を15mmとした以外は実施例1と同じ包装袋とした。
【0033】
上記で作製した実施例1〜4で作製した包装袋について、開封性、リクローズ性を評価し、表1に結果を示した。なお、開封性、リクローズ性は5人のパネラーによる官能評価とした。評価基準も表1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
表1に示す通り、実施例1〜4の包装袋は開封性、リクローズ性共に、良好であった。
【符号の説明】
【0036】
1、1’ 包装袋
2a、2b 端縁シール部
3 背シール部
4 外ハーフカット
4a、4b 切込み
5 内ハーフカット
6 突出部
7 折り返し線
8 開口部
9 開封片
10 積層体
11 基材層
12 ホットメルト粘着剤層
13 熱接着性樹脂層
14 剥離層
15 接着層
d1 外ハーフカットと内ハーフカット間の間隔
d2 帯状のホットメルト粘着剤層の幅、
S 外ハーフカットの両端を結ぶ線と外ハーフカットに囲まれた領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホットメルト粘着剤層を介して基材層と熱接着性樹脂層が積層された積層体の前記熱接着性樹脂層の面同士を対向させて周縁を熱接着して周縁熱接着部を設けた包装袋であって、前記基材層側から開いた形状の外ハーフカットが施され、前記熱接着性樹脂層側から前記外ハーフカットに沿って外ハーフカットより小さい開いた形状の内ハーフカットが施されるとともに、前記周縁熱接着部の外周縁と、前記外ハーフカットおよび前記内ハーフカットの施された位置とが、前記ホットメルト粘着剤層が除かれた非形成部とされていることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記外ハーフカットに前記内ハーフカットと反対側に突出した突出部が設けられ、少なくとも前記突出部は前記ホットメルト粘着剤層が除かれた非形成部とされていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
開いた形状の前記外ハーフカットの両端を結ぶ線と前記外ハーフカットに囲まれた領域内に前記基材層側から折り返し線を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−46214(P2012−46214A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189501(P2010−189501)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】