包装装置
【課題】重量が大きな包装対象物であってもスリーブ収縮包装を行うことができ、また、設置場所の省スペース化を実現可能なスリーブ収縮包装装置を提供することである。
【解決手段】包装対象のリールを搬送する搬送ロボットと、前記リールを包装するフィルムを有する包装機とを備え、前記搬送ロボットは、前記リールの中心の貫通孔に前記搬送ロボットの腕の先端の挿入棒を挿入することによって前記リールを保持して搬送して前記包装機に供給する。
【解決手段】包装対象のリールを搬送する搬送ロボットと、前記リールを包装するフィルムを有する包装機とを備え、前記搬送ロボットは、前記リールの中心の貫通孔に前記搬送ロボットの腕の先端の挿入棒を挿入することによって前記リールを保持して搬送して前記包装機に供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装装置に関し、詳しくは、金属やそのほかの材質の線材や、帯状の不織布等を巻き回したリールを包装する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、包装対象物にスリーブ状(円筒状)のフィルムを被せ、その後に熱を加えてフィルムを熱収縮させることによって包装対象物にフィルムをほぼ密着させて包装を行うスリーブ収縮包装装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の「シュリンク包装装置」では、フィルムを被せた包装対象物をベルトコンベヤに載せて密閉されたトンネル状の加熱炉内に搬送し、加熱炉内で熱を加えてフィルムを熱収縮(シュリンク)させることによって包装を行うようにしている。
【0004】
また、包装用フィルムとして張力に対して収縮するとともにフィルムどうしが粘着性を有するストレッチフィルムを用いるようにし、包装対象物をベルトコンベヤで搬送する際、そのストレッチフィルムで包装対象物を包んで包装する技術も知られている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−112434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の包装装置では以下のような問題があった。
【0007】
すなわち、特許文献1に記載の「シュリンク包装装置」やストレッチフィルムを用いる包装装置のような従来の包装装置では、包装対象物をベルトコンベヤに載せて搬送し、搬送しながら包装に関する各工程を実施するようなものであったが、このような構成では、包装対象物の重量が大きいとベルトコンベヤで包装対象物を搬送するのが困難であるという問題があった。たとえば、円筒状の軸の両側にφ750mmの円板状のツバ部を備え、両ツバ部の間の軸に線材等を巻き回して成るリールを包装する場合、このリールの重量は500kgほどにも達するもので、ベルトコンベヤで搬送できるようなものではなかった。
【0008】
また、従来は、包装対象物をベルトコンベヤで搬送しながら包装するので、包装に関する各工程の分だけ、搬送経路が長くなってしまい、設置のために広いスペースを必要とするものであった。
【0009】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、重量が大きな包装対象物であっても包装を行うことができ、また、設置場所の省スペース化を実現可能な包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するため、包装対象のリールを搬送する搬送ロボットと、前記リールを包装するフィルムを有する包装機とを備え、前記搬送ロボットは、前記リールの中心の貫通孔に前記搬送ロボットの腕の先端の挿入棒を挿入することによって前記リールを保持して搬送して前記包装機に供給するものであることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、請求項1に記載の発明において、前記搬送ロボットは、所定位置に固定され、該所定位置を軸として回転する回転手段を有し、前記回転手段による回転に伴なって前記挿入棒が移動する円周上に、前記リールの受取位置、前記包装機および包装済みリールの開放位置が設けられていることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、請求項1に記載の発明において、前記包装機が、前記リールに前記フィルムを被せる被覆手段と、前記フィルムを被せられたリールに対して熱を加えて該フィルムを熱収縮させる加熱手段とを有するスリーブ収縮包装機であることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、請求項3に記載の発明において、前記加熱手段が、前記リールに被せたフィルムに向けたヒータであることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、請求項1に記載の発明において、前記搬送ロボットが、前記リールとの間で前記フィルムを押さえるフィルム押さえを有し、前記フィルム押さえによって前記フィルムを押さえた状態で前記リールに前記フィルムを巻きつけて前記リールに前記フィルムを被せることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、重量が大きな包装対象物であっても包装を行うことができ、また、設置場所の省スペース化を実現可能な包装装置を提供することができる。
【0016】
すなわち本発明によれば、搬送ロボットによって包装対象物を搬送することによってベルトコンベヤでは困難であった搬送を行うことができる。
【0017】
また本発明によれば、搬送ロボットを所定位置に固定し、その回転する円周上に、包装対象物の受取位置、包装機および包装済みのものの開放位置を設けたので、スリーブ収縮包装装置全体の設置に要する場所の省スペース化を実現することができる。
【0018】
また本発明によれば、シュリンク包装の場合、密閉されたトンネル状の加熱炉を用いないで、操作者が内部を見ることができる開放された領域でヒータを用いるので、熱収縮の様子を目視しながら、各部の調整をすることができ、調整作業をスムーズに行うことができる。
【0019】
また本発明によれば、包装対象物の搬送を多関節のロボットによって行うので、包装機の各部位に向けての、回転、移動方向の調節や、回転、移動速度の調節などを自由に設定することができ、スムーズな調整、包装速度の最適化などを容易に設定することができるし、包装をきれいに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態によるスリーブ収縮包装装置の構成を示す斜視図である。
【0022】
図2は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1の平面図である。
【0023】
図3は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1の側面図である。
【0024】
本実施の形態のスリーブ収縮包装装置1は搬送ロボット2と包装機3とを有して構成される。
【0025】
搬送ロボット2は、床上で水平方向に回転自在な回転基台4を備え、先端に挿入棒6を有するとともにこの挿入棒6を水平に保ちながら上下左右に自在に動かすことができ、さらに挿入棒6を回転させることも可能な腕部5を備えて構成される。
【0026】
挿入棒6は、詳しくは後述するように包装対象のリールの軸の中心の穴に挿入する部分であり、搬送ロボット2は、このリールの中心に挿入棒6を挿入してリールを保持するとともに搬送する。
【0027】
包装機3は、リールを包装する帯状フィルムが巻かれたロール31、32を備え、搬送ロボット2によるリールの搬送に応じて、リールに対してフィルムを被せ、その後フィルムを熱収縮させてリールの包装を行う。このフィルムとしては、熱収縮性を有するものであれば、どのようなものを用いてもよい。たとえばポリエチレンやローデンポリエチレン製のフィルム、ストレッチフィルム、1軸延伸フィルム、強制収縮フィルムなどを用いることができる。ロール31からはローラー33等を介してフィルム31aが引き出され、またロール32からはローラー34等を介してフィルム32aが引き出される。
【0028】
ロール31から引き出したフィルム31aと、ロール32から引き出したフィルム32aとは接着部位35にて熱融着されて一体化している。接着部位35の先には、包装対象のリールにフィルム31aおよびフィルム32aを被せた後に、フィルム31aおよびフィルム32aを上下から挟んで熱で切断する熱切断具36および37が設けられている。
【0029】
さらに先の上方には、包装対象のリールに被せたフィルムを熱収縮させるためのヒータ38、39、40および41が設けられている。また、ヒータ38、39、40および41のほぼ中央には、包装対象のリールに被せたフィルムを上方から押さえる重り42が設けられている。ヒータ38、39、40および41としてはハロゲンランプなどを用いてもよい。
【0030】
図4は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1で包装するリールを示す図であり、(a)はリールの斜視図であり、(b)はリールの平面図であり、(c)はリールの側面図である。
【0031】
本実施の形態のスリーブ収縮包装装置1で包装するリール10は、円筒状の軸の両側に円板状のツバ部10a、10bを備え、軸に線材10dを巻き回して成る。このリールの重量は500kgほどにも達する。
【0032】
円板状のツバ部10a、10bおよび軸の中心には貫通孔10cが設けられており、この貫通孔10cに搬送ロボット2の挿入棒6が挿入され、搬送される。
【0033】
次に、本実施の形態のスリーブ収縮包装装置1の動作を図面を参照しながら説明する。
【0034】
図5は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の第1の工程を示す平面図である。
【0035】
図6は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図5に続く工程を示す平面図である。
【0036】
図7は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図6に続く工程を示す平面図である。
【0037】
まず、搬送ロボット2の脇には包装対象のリール10を用意しておき、図5に示すように、搬送ロボット2の回転基台4を回転させて挿入棒6をリール10の方向に向け、リール10の貫通孔10cに挿入棒6を挿入して持ち上げる。すなわちリール10の受取位置は、回転基台4を回転させて挿入棒6が移動する円周上に設けられている。
【0038】
その後、図6に示すように、回転基台4を回転させてリール10を包装機3の方向に向け、図7に示すように、腕5を伸ばしてリール10を包装機3内に挿入する。
【0039】
図8は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3内の構成を示す図であり、(a)は図5の方向VIIIから見た側面図であり、(b)は(a)の方向Bから見た側断面図であり、(c)は(a)の方向Cから見た側断面図である。
【0040】
前述のように、ロール31から引き出したフィルム31aと、ロール32から引き出したフィルム32aとは接着部位35にて熱融着されて一体化しており、この接着部位35を、図8(a)における右側に設けることにより、本実施の形態ではリール挿入スペース43を確保している。図7に示したようにリール10を包装機3内に挿入する際には、このリール挿入スペース43内に挿入する。
【0041】
図9は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3に対してリール10を挿入した状態を、図7の方向IXから見た側面図である。
【0042】
搬送ロボット2は、その挿入棒6をリール10に挿入した状態でリール10を搬送し、図9に示すように、包装機3のリール挿入スペース43内へとリール10を移動させる。すなわち包装機3は、回転基台4を回転させて挿入棒6が移動する円周上に設けられている。
【0043】
図10は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図9に続く工程を示す側面図である。
【0044】
図11は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図10に続く工程を示す側面図である。
【0045】
図12は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図11に続く工程を示す側面図である。
【0046】
図13は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図12に続く工程を示す側面図である。また、図14は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3を、図13の方向XIVから見た側断面図である。
【0047】
搬送ロボット2は、図9に示した状態の後、フィルム31aとフィルム32aとの接着部位35の方へ挿入棒6が挿入されたリール10を移動させ、図10に示すように熱切断具36および37を越える位置に到るまでフィルム31aおよび32aを引き出しながらリール10の搬送を行う。
【0048】
その後、包装機3は、図11に示すように、熱切断具36を下側に移動させるとともに熱切断具37を上側に移動させ、その熱によってリール10に被さったフィルム45とフィルム31a、32aとを切断するとともに、接着部位35にてフィルム31aとフィルム32aとを熱融着し、さらにリール10に被さったフィルム45の切断部分どうしの熱融着も行う(図12参照)。
【0049】
フィルム45がリール10を覆った状態になったならば、搬送ロボット2は挿入棒6が挿入されたリール10を上方へ移動させるとともに矢印で示すように回転させ、一方、包装機3では、ヒータ38、39、40および41による加熱を行うとともに、重り42によってリール10に対してフィルム45が浮かび上がらないように押さえる(図13、図14参照)。
【0050】
図13および図14に示す状態でリール10を360°以上回転させると、リール10に被せたフィルム45のうちツバ部10a側およびツバ部10b側の両側が、それぞれツバ部10a、10bの中央側に向かって折れ曲がるとともに熱収縮し、リール10をフィルム45によってしっかり包装することができる。この包装された状態を図18に示す。図18に示すようにフィルム45の両側は貫通孔10cの近辺に到るような状態で収縮し、リール10に巻かれた線材等をしっかりと包装することができている。
【0051】
図15は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図13および図14に示した工程を示す平面図である。
【0052】
図16は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図15に続く工程を示す平面図である。
【0053】
図17は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図16に続く工程を示す平面図である。
【0054】
図13、図14、図15に示すようにしてリール10の包装が完了したならば、搬送ロボット2は、リール10を図12に示した位置まで下げ、その後、図16に示すように包装機3から引き抜き、図17に示すように、所定の位置まで回転した後にリール10から挿入棒6を引き抜いて一連の処理を完了する。すなわち包装済みリール10の開放位置は、回転基台4を回転させて挿入棒6が移動する円周上に設けられている。
【0055】
次に、図19ないし図24を参照しながら、本発明の別の実施の形態について説明する。
【0056】
図19は、本発明の図1とは別の実施の形態によるスリーブ収縮包装装置における搬送ロボットの構成を示す平面図である。
【0057】
本実施の形態においては、搬送ロボット102が、図19の矢印の方向に移動可能なフィルム押さえ50を有して構成される。この搬送ロボット102は、他の構成においては、図1に示した搬送ロボット2と同様であるので詳しい説明は省略する。
【0058】
図20は、図19に示した搬送ロボット102とともに用いる包装機の構成を示す側面図である。
【0059】
図21は、搬送ロボット102および包装機103による包装の、図20に続く工程を示す側面図である。
【0060】
図22は、搬送ロボット102および包装機103による包装の、図21に続く工程を示す側面図である。
【0061】
図23は、搬送ロボット102および包装機103による包装の、図22に続く工程を示す側面図である。
【0062】
図24は、搬送ロボット102および包装機103による包装の、図23に続く工程を示す側面図である。
【0063】
図20に示すように本実施の形態の包装機103は、図8(a)等に示した包装機3とは異なり、リール10を包装する帯状フィルム51aが巻かれたロール51を備えている。
【0064】
ローラ52等を介してロール51から引き出されたフィルム51aは、図20に示すように垂れ下げられており、この状態の包装機103内に、搬送ロボット102によってリール10を入れる。このとき搬送ロボット102のフィルム押さえ50は、リール10とフィルム押さえ50とによってフィルム51aを挟み込むことができる位置にされる。
【0065】
包装機103内にリール10を入れたならば、搬送ロボット102はフィルム押さえ50を図20の矢印方向に移動させて、リール10とフィルム押さえ50とでフィルム51aを挟み、そのまま、図21の矢印方向に挿入棒6およびフィルム押さえ50を回転させる。
【0066】
図21の矢印方向に挿入棒6およびフィルム押さえ50を回転させることによって、ロール51からフィルム51aを引き出しながらリール10に巻き取って、リール10上に1周以上フィルム51aが巻かれたならば、搬送ロボット102は挿入棒6およびフィルム押さえ50を図22に示す矢印の方向に移動させる。このとき、包装機103では熱切断具53によってフィルム51aを切断するとともに、そのフィルム51aの切れ端をヒータ54によってリール10上に巻かれたフィルム55上に熱融着させる(図23参照)。
【0067】
ロール51から垂れ下がるフィルム51aは、フィルムが薄い場合など、うまく広がって垂れ下がらない場合がある。このような場合に対応して、フィルム51aが広がるように押さえて下側向きのテンションをかける手段、たとえば先端がペンチのようになってフィルムを挟持することができるフィルム押さえ手段を設けるようにし、次回の包装時にはフィルム押さえ手段によって図20に示した位置までフィルム51aを引き出すようにするのが望ましい。
【0068】
その後、搬送ロボット102はフィルム押さえ50を引っ込めて、リール10とフィルム55との間から抜き取り、そのまま図24に示すように挿入棒6を回転させ、ヒータ54によってフィルム55を熱収縮させ、図18に示した状態の包装を完了する。
【0069】
ところで、上述の各実施の形態において、リールに被せたフィルムを熱収縮させる際には、熱風を当てて、この熱風で熱収縮させるようにしてもよい。
【0070】
また、フィルムの切断にあっては熱切断具を用いず、カッターなど刃物によって切断してもかまわない。
【0071】
なお、上述の実施の形態では、熱収縮するフィルムで包装するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、図19や図20に示した構成にて、包装用フィルムとして張力に対して収縮するとともにフィルムどうしが粘着性を有するストレッチフィルムを用いるようにしてもよい。この場合、フィルムを熱収縮させる工程が不要となるので、その分スムーズな包装を行うことができる。
【0072】
また、搬送ロボット2の挿入棒6およびフィルム押さえ50を回転させて、フィルム51aをリール10に巻き付ける際、搬送ロボット2の構造上、挿入棒6およびフィルム押さえ50を回転させられる角度の限界が720°であるような場合に、フィルム51aをリール10に2周以上巻き付けたい場合には、フィルム51aの切断前に一旦仮置き台などにリール10を置き、挿入棒6およびフィルム押さえ50をリール10から抜いて、挿入棒6およびフィルム押さえ50の回転を戻してから再度リール10に挿入して回転させ、これによってフィルム51aをリール10に2周以上巻き付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施の形態によるスリーブ収縮包装装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示したスリーブ収縮包装装置1の平面図である。
【図3】図1に示したスリーブ収縮包装装置1の側面図である。
【図4】図1に示したスリーブ収縮包装装置1で包装するリールを示す図であり、(a)はリールの斜視図であり、(b)はリールの平面図であり、(c)はリールの側面図である。
【図5】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の第1の工程を示す平面図である。
【図6】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図5に続く工程を示す平面図である。
【図7】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図6に続く工程を示す平面図である。
【図8】図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3内の構成を示す図であり、(a)は図5の方向VIIIから見た側面図であり、(b)は(a)の方向Bから見た側断面図であり、(c)は(a)の方向Cから見た側断面図である。
【図9】図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3に対してリール10を挿入した状態を、図7の方向IXから見た側面図である。
【図10】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図9に続く工程を示す側面図である。
【図11】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図10に続く工程を示す側面図である。
【図12】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図11に続く工程を示す側面図である。
【図13】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図12に続く工程を示す側面図である。
【図14】図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3を、図13の方向XIVから見た側断面図である。
【図15】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図13および図14に示した工程を示す平面図である。
【図16】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図15に続く工程を示す平面図である。
【図17】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図16に続く工程を示す平面図である。
【図18】フィルム45によって包装されたリール10を示す斜視図である。
【図19】本発明の図1とは別の実施の形態によるスリーブ収縮包装装置における搬送ロボットの構成を示す平面図である。
【図20】図19に示した搬送ロボット102とともに用いる包装機の構成を示す側面図である。
【図21】搬送ロボット102および包装機103による包装の、図20に続く工程を示す側面図である。
【図22】搬送ロボット102および包装機103による包装の、図21に続く工程を示す側面図である。
【図23】搬送ロボット102および包装機103による包装の、図22に続く工程を示す側面図である。
【図24】搬送ロボット102および包装機103による包装の、図23に続く工程を示す側面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 スリーブ収縮包装装置
2 搬送ロボット
3 包装機
4 回転基台
5 腕部
6 挿入棒
10 リール
10a、10b ツバ部
10c 貫通孔10c
10d 線材
31、32 ロール
31a、32a、45 フィルム
33、34 ローラ
35 接着部位
36、37 熱切断具
38、39、40、41 ヒータ
【技術分野】
【0001】
本発明は包装装置に関し、詳しくは、金属やそのほかの材質の線材や、帯状の不織布等を巻き回したリールを包装する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、包装対象物にスリーブ状(円筒状)のフィルムを被せ、その後に熱を加えてフィルムを熱収縮させることによって包装対象物にフィルムをほぼ密着させて包装を行うスリーブ収縮包装装置が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の「シュリンク包装装置」では、フィルムを被せた包装対象物をベルトコンベヤに載せて密閉されたトンネル状の加熱炉内に搬送し、加熱炉内で熱を加えてフィルムを熱収縮(シュリンク)させることによって包装を行うようにしている。
【0004】
また、包装用フィルムとして張力に対して収縮するとともにフィルムどうしが粘着性を有するストレッチフィルムを用いるようにし、包装対象物をベルトコンベヤで搬送する際、そのストレッチフィルムで包装対象物を包んで包装する技術も知られている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−112434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の包装装置では以下のような問題があった。
【0007】
すなわち、特許文献1に記載の「シュリンク包装装置」やストレッチフィルムを用いる包装装置のような従来の包装装置では、包装対象物をベルトコンベヤに載せて搬送し、搬送しながら包装に関する各工程を実施するようなものであったが、このような構成では、包装対象物の重量が大きいとベルトコンベヤで包装対象物を搬送するのが困難であるという問題があった。たとえば、円筒状の軸の両側にφ750mmの円板状のツバ部を備え、両ツバ部の間の軸に線材等を巻き回して成るリールを包装する場合、このリールの重量は500kgほどにも達するもので、ベルトコンベヤで搬送できるようなものではなかった。
【0008】
また、従来は、包装対象物をベルトコンベヤで搬送しながら包装するので、包装に関する各工程の分だけ、搬送経路が長くなってしまい、設置のために広いスペースを必要とするものであった。
【0009】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、重量が大きな包装対象物であっても包装を行うことができ、また、設置場所の省スペース化を実現可能な包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するため、包装対象のリールを搬送する搬送ロボットと、前記リールを包装するフィルムを有する包装機とを備え、前記搬送ロボットは、前記リールの中心の貫通孔に前記搬送ロボットの腕の先端の挿入棒を挿入することによって前記リールを保持して搬送して前記包装機に供給するものであることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、請求項1に記載の発明において、前記搬送ロボットは、所定位置に固定され、該所定位置を軸として回転する回転手段を有し、前記回転手段による回転に伴なって前記挿入棒が移動する円周上に、前記リールの受取位置、前記包装機および包装済みリールの開放位置が設けられていることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、請求項1に記載の発明において、前記包装機が、前記リールに前記フィルムを被せる被覆手段と、前記フィルムを被せられたリールに対して熱を加えて該フィルムを熱収縮させる加熱手段とを有するスリーブ収縮包装機であることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、請求項3に記載の発明において、前記加熱手段が、前記リールに被せたフィルムに向けたヒータであることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、請求項1に記載の発明において、前記搬送ロボットが、前記リールとの間で前記フィルムを押さえるフィルム押さえを有し、前記フィルム押さえによって前記フィルムを押さえた状態で前記リールに前記フィルムを巻きつけて前記リールに前記フィルムを被せることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、重量が大きな包装対象物であっても包装を行うことができ、また、設置場所の省スペース化を実現可能な包装装置を提供することができる。
【0016】
すなわち本発明によれば、搬送ロボットによって包装対象物を搬送することによってベルトコンベヤでは困難であった搬送を行うことができる。
【0017】
また本発明によれば、搬送ロボットを所定位置に固定し、その回転する円周上に、包装対象物の受取位置、包装機および包装済みのものの開放位置を設けたので、スリーブ収縮包装装置全体の設置に要する場所の省スペース化を実現することができる。
【0018】
また本発明によれば、シュリンク包装の場合、密閉されたトンネル状の加熱炉を用いないで、操作者が内部を見ることができる開放された領域でヒータを用いるので、熱収縮の様子を目視しながら、各部の調整をすることができ、調整作業をスムーズに行うことができる。
【0019】
また本発明によれば、包装対象物の搬送を多関節のロボットによって行うので、包装機の各部位に向けての、回転、移動方向の調節や、回転、移動速度の調節などを自由に設定することができ、スムーズな調整、包装速度の最適化などを容易に設定することができるし、包装をきれいに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態によるスリーブ収縮包装装置の構成を示す斜視図である。
【0022】
図2は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1の平面図である。
【0023】
図3は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1の側面図である。
【0024】
本実施の形態のスリーブ収縮包装装置1は搬送ロボット2と包装機3とを有して構成される。
【0025】
搬送ロボット2は、床上で水平方向に回転自在な回転基台4を備え、先端に挿入棒6を有するとともにこの挿入棒6を水平に保ちながら上下左右に自在に動かすことができ、さらに挿入棒6を回転させることも可能な腕部5を備えて構成される。
【0026】
挿入棒6は、詳しくは後述するように包装対象のリールの軸の中心の穴に挿入する部分であり、搬送ロボット2は、このリールの中心に挿入棒6を挿入してリールを保持するとともに搬送する。
【0027】
包装機3は、リールを包装する帯状フィルムが巻かれたロール31、32を備え、搬送ロボット2によるリールの搬送に応じて、リールに対してフィルムを被せ、その後フィルムを熱収縮させてリールの包装を行う。このフィルムとしては、熱収縮性を有するものであれば、どのようなものを用いてもよい。たとえばポリエチレンやローデンポリエチレン製のフィルム、ストレッチフィルム、1軸延伸フィルム、強制収縮フィルムなどを用いることができる。ロール31からはローラー33等を介してフィルム31aが引き出され、またロール32からはローラー34等を介してフィルム32aが引き出される。
【0028】
ロール31から引き出したフィルム31aと、ロール32から引き出したフィルム32aとは接着部位35にて熱融着されて一体化している。接着部位35の先には、包装対象のリールにフィルム31aおよびフィルム32aを被せた後に、フィルム31aおよびフィルム32aを上下から挟んで熱で切断する熱切断具36および37が設けられている。
【0029】
さらに先の上方には、包装対象のリールに被せたフィルムを熱収縮させるためのヒータ38、39、40および41が設けられている。また、ヒータ38、39、40および41のほぼ中央には、包装対象のリールに被せたフィルムを上方から押さえる重り42が設けられている。ヒータ38、39、40および41としてはハロゲンランプなどを用いてもよい。
【0030】
図4は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1で包装するリールを示す図であり、(a)はリールの斜視図であり、(b)はリールの平面図であり、(c)はリールの側面図である。
【0031】
本実施の形態のスリーブ収縮包装装置1で包装するリール10は、円筒状の軸の両側に円板状のツバ部10a、10bを備え、軸に線材10dを巻き回して成る。このリールの重量は500kgほどにも達する。
【0032】
円板状のツバ部10a、10bおよび軸の中心には貫通孔10cが設けられており、この貫通孔10cに搬送ロボット2の挿入棒6が挿入され、搬送される。
【0033】
次に、本実施の形態のスリーブ収縮包装装置1の動作を図面を参照しながら説明する。
【0034】
図5は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の第1の工程を示す平面図である。
【0035】
図6は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図5に続く工程を示す平面図である。
【0036】
図7は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図6に続く工程を示す平面図である。
【0037】
まず、搬送ロボット2の脇には包装対象のリール10を用意しておき、図5に示すように、搬送ロボット2の回転基台4を回転させて挿入棒6をリール10の方向に向け、リール10の貫通孔10cに挿入棒6を挿入して持ち上げる。すなわちリール10の受取位置は、回転基台4を回転させて挿入棒6が移動する円周上に設けられている。
【0038】
その後、図6に示すように、回転基台4を回転させてリール10を包装機3の方向に向け、図7に示すように、腕5を伸ばしてリール10を包装機3内に挿入する。
【0039】
図8は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3内の構成を示す図であり、(a)は図5の方向VIIIから見た側面図であり、(b)は(a)の方向Bから見た側断面図であり、(c)は(a)の方向Cから見た側断面図である。
【0040】
前述のように、ロール31から引き出したフィルム31aと、ロール32から引き出したフィルム32aとは接着部位35にて熱融着されて一体化しており、この接着部位35を、図8(a)における右側に設けることにより、本実施の形態ではリール挿入スペース43を確保している。図7に示したようにリール10を包装機3内に挿入する際には、このリール挿入スペース43内に挿入する。
【0041】
図9は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3に対してリール10を挿入した状態を、図7の方向IXから見た側面図である。
【0042】
搬送ロボット2は、その挿入棒6をリール10に挿入した状態でリール10を搬送し、図9に示すように、包装機3のリール挿入スペース43内へとリール10を移動させる。すなわち包装機3は、回転基台4を回転させて挿入棒6が移動する円周上に設けられている。
【0043】
図10は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図9に続く工程を示す側面図である。
【0044】
図11は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図10に続く工程を示す側面図である。
【0045】
図12は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図11に続く工程を示す側面図である。
【0046】
図13は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図12に続く工程を示す側面図である。また、図14は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3を、図13の方向XIVから見た側断面図である。
【0047】
搬送ロボット2は、図9に示した状態の後、フィルム31aとフィルム32aとの接着部位35の方へ挿入棒6が挿入されたリール10を移動させ、図10に示すように熱切断具36および37を越える位置に到るまでフィルム31aおよび32aを引き出しながらリール10の搬送を行う。
【0048】
その後、包装機3は、図11に示すように、熱切断具36を下側に移動させるとともに熱切断具37を上側に移動させ、その熱によってリール10に被さったフィルム45とフィルム31a、32aとを切断するとともに、接着部位35にてフィルム31aとフィルム32aとを熱融着し、さらにリール10に被さったフィルム45の切断部分どうしの熱融着も行う(図12参照)。
【0049】
フィルム45がリール10を覆った状態になったならば、搬送ロボット2は挿入棒6が挿入されたリール10を上方へ移動させるとともに矢印で示すように回転させ、一方、包装機3では、ヒータ38、39、40および41による加熱を行うとともに、重り42によってリール10に対してフィルム45が浮かび上がらないように押さえる(図13、図14参照)。
【0050】
図13および図14に示す状態でリール10を360°以上回転させると、リール10に被せたフィルム45のうちツバ部10a側およびツバ部10b側の両側が、それぞれツバ部10a、10bの中央側に向かって折れ曲がるとともに熱収縮し、リール10をフィルム45によってしっかり包装することができる。この包装された状態を図18に示す。図18に示すようにフィルム45の両側は貫通孔10cの近辺に到るような状態で収縮し、リール10に巻かれた線材等をしっかりと包装することができている。
【0051】
図15は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図13および図14に示した工程を示す平面図である。
【0052】
図16は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図15に続く工程を示す平面図である。
【0053】
図17は、図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図16に続く工程を示す平面図である。
【0054】
図13、図14、図15に示すようにしてリール10の包装が完了したならば、搬送ロボット2は、リール10を図12に示した位置まで下げ、その後、図16に示すように包装機3から引き抜き、図17に示すように、所定の位置まで回転した後にリール10から挿入棒6を引き抜いて一連の処理を完了する。すなわち包装済みリール10の開放位置は、回転基台4を回転させて挿入棒6が移動する円周上に設けられている。
【0055】
次に、図19ないし図24を参照しながら、本発明の別の実施の形態について説明する。
【0056】
図19は、本発明の図1とは別の実施の形態によるスリーブ収縮包装装置における搬送ロボットの構成を示す平面図である。
【0057】
本実施の形態においては、搬送ロボット102が、図19の矢印の方向に移動可能なフィルム押さえ50を有して構成される。この搬送ロボット102は、他の構成においては、図1に示した搬送ロボット2と同様であるので詳しい説明は省略する。
【0058】
図20は、図19に示した搬送ロボット102とともに用いる包装機の構成を示す側面図である。
【0059】
図21は、搬送ロボット102および包装機103による包装の、図20に続く工程を示す側面図である。
【0060】
図22は、搬送ロボット102および包装機103による包装の、図21に続く工程を示す側面図である。
【0061】
図23は、搬送ロボット102および包装機103による包装の、図22に続く工程を示す側面図である。
【0062】
図24は、搬送ロボット102および包装機103による包装の、図23に続く工程を示す側面図である。
【0063】
図20に示すように本実施の形態の包装機103は、図8(a)等に示した包装機3とは異なり、リール10を包装する帯状フィルム51aが巻かれたロール51を備えている。
【0064】
ローラ52等を介してロール51から引き出されたフィルム51aは、図20に示すように垂れ下げられており、この状態の包装機103内に、搬送ロボット102によってリール10を入れる。このとき搬送ロボット102のフィルム押さえ50は、リール10とフィルム押さえ50とによってフィルム51aを挟み込むことができる位置にされる。
【0065】
包装機103内にリール10を入れたならば、搬送ロボット102はフィルム押さえ50を図20の矢印方向に移動させて、リール10とフィルム押さえ50とでフィルム51aを挟み、そのまま、図21の矢印方向に挿入棒6およびフィルム押さえ50を回転させる。
【0066】
図21の矢印方向に挿入棒6およびフィルム押さえ50を回転させることによって、ロール51からフィルム51aを引き出しながらリール10に巻き取って、リール10上に1周以上フィルム51aが巻かれたならば、搬送ロボット102は挿入棒6およびフィルム押さえ50を図22に示す矢印の方向に移動させる。このとき、包装機103では熱切断具53によってフィルム51aを切断するとともに、そのフィルム51aの切れ端をヒータ54によってリール10上に巻かれたフィルム55上に熱融着させる(図23参照)。
【0067】
ロール51から垂れ下がるフィルム51aは、フィルムが薄い場合など、うまく広がって垂れ下がらない場合がある。このような場合に対応して、フィルム51aが広がるように押さえて下側向きのテンションをかける手段、たとえば先端がペンチのようになってフィルムを挟持することができるフィルム押さえ手段を設けるようにし、次回の包装時にはフィルム押さえ手段によって図20に示した位置までフィルム51aを引き出すようにするのが望ましい。
【0068】
その後、搬送ロボット102はフィルム押さえ50を引っ込めて、リール10とフィルム55との間から抜き取り、そのまま図24に示すように挿入棒6を回転させ、ヒータ54によってフィルム55を熱収縮させ、図18に示した状態の包装を完了する。
【0069】
ところで、上述の各実施の形態において、リールに被せたフィルムを熱収縮させる際には、熱風を当てて、この熱風で熱収縮させるようにしてもよい。
【0070】
また、フィルムの切断にあっては熱切断具を用いず、カッターなど刃物によって切断してもかまわない。
【0071】
なお、上述の実施の形態では、熱収縮するフィルムで包装するようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、図19や図20に示した構成にて、包装用フィルムとして張力に対して収縮するとともにフィルムどうしが粘着性を有するストレッチフィルムを用いるようにしてもよい。この場合、フィルムを熱収縮させる工程が不要となるので、その分スムーズな包装を行うことができる。
【0072】
また、搬送ロボット2の挿入棒6およびフィルム押さえ50を回転させて、フィルム51aをリール10に巻き付ける際、搬送ロボット2の構造上、挿入棒6およびフィルム押さえ50を回転させられる角度の限界が720°であるような場合に、フィルム51aをリール10に2周以上巻き付けたい場合には、フィルム51aの切断前に一旦仮置き台などにリール10を置き、挿入棒6およびフィルム押さえ50をリール10から抜いて、挿入棒6およびフィルム押さえ50の回転を戻してから再度リール10に挿入して回転させ、これによってフィルム51aをリール10に2周以上巻き付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施の形態によるスリーブ収縮包装装置の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示したスリーブ収縮包装装置1の平面図である。
【図3】図1に示したスリーブ収縮包装装置1の側面図である。
【図4】図1に示したスリーブ収縮包装装置1で包装するリールを示す図であり、(a)はリールの斜視図であり、(b)はリールの平面図であり、(c)はリールの側面図である。
【図5】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の第1の工程を示す平面図である。
【図6】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図5に続く工程を示す平面図である。
【図7】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図6に続く工程を示す平面図である。
【図8】図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3内の構成を示す図であり、(a)は図5の方向VIIIから見た側面図であり、(b)は(a)の方向Bから見た側断面図であり、(c)は(a)の方向Cから見た側断面図である。
【図9】図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3に対してリール10を挿入した状態を、図7の方向IXから見た側面図である。
【図10】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図9に続く工程を示す側面図である。
【図11】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図10に続く工程を示す側面図である。
【図12】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図11に続く工程を示す側面図である。
【図13】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図12に続く工程を示す側面図である。
【図14】図1に示したスリーブ収縮包装装置1の包装機3を、図13の方向XIVから見た側断面図である。
【図15】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図13および図14に示した工程を示す平面図である。
【図16】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図15に続く工程を示す平面図である。
【図17】図1に示したスリーブ収縮包装装置1によるリール10の包装の、図16に続く工程を示す平面図である。
【図18】フィルム45によって包装されたリール10を示す斜視図である。
【図19】本発明の図1とは別の実施の形態によるスリーブ収縮包装装置における搬送ロボットの構成を示す平面図である。
【図20】図19に示した搬送ロボット102とともに用いる包装機の構成を示す側面図である。
【図21】搬送ロボット102および包装機103による包装の、図20に続く工程を示す側面図である。
【図22】搬送ロボット102および包装機103による包装の、図21に続く工程を示す側面図である。
【図23】搬送ロボット102および包装機103による包装の、図22に続く工程を示す側面図である。
【図24】搬送ロボット102および包装機103による包装の、図23に続く工程を示す側面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 スリーブ収縮包装装置
2 搬送ロボット
3 包装機
4 回転基台
5 腕部
6 挿入棒
10 リール
10a、10b ツバ部
10c 貫通孔10c
10d 線材
31、32 ロール
31a、32a、45 フィルム
33、34 ローラ
35 接着部位
36、37 熱切断具
38、39、40、41 ヒータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装対象のリールを搬送する搬送ロボットと、前記リールを包装するフィルムを有する包装機とを備え、
前記搬送ロボットは、前記リールの中心の貫通孔に前記搬送ロボットの腕の先端の挿入棒を挿入することによって前記リールを保持して搬送して前記包装機に供給するものであることを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記搬送ロボットは、所定位置に固定され、該所定位置を軸として回転する回転手段を有し、前記回転手段による回転に伴なって前記挿入棒が移動する円周上に、前記リールの受取位置、前記包装機および包装済みリールの開放位置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記包装機が、前記リールに前記フィルムを被せる被覆手段と、前記フィルムを被せられたリールに対して熱を加えて該フィルムを熱収縮させる加熱手段とを有するスリーブ収縮包装機であることを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項4】
前記加熱手段が、前記リールに被せたフィルムに向けたヒータであることを特徴とする請求項3に記載の包装装置。
【請求項5】
前記搬送ロボットが、前記リールとの間で前記フィルムを押さえるフィルム押さえを有し、前記フィルム押さえによって前記フィルムを押さえた状態で前記リールに前記フィルムを巻きつけて前記リールに前記フィルムを被せることを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項1】
包装対象のリールを搬送する搬送ロボットと、前記リールを包装するフィルムを有する包装機とを備え、
前記搬送ロボットは、前記リールの中心の貫通孔に前記搬送ロボットの腕の先端の挿入棒を挿入することによって前記リールを保持して搬送して前記包装機に供給するものであることを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記搬送ロボットは、所定位置に固定され、該所定位置を軸として回転する回転手段を有し、前記回転手段による回転に伴なって前記挿入棒が移動する円周上に、前記リールの受取位置、前記包装機および包装済みリールの開放位置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記包装機が、前記リールに前記フィルムを被せる被覆手段と、前記フィルムを被せられたリールに対して熱を加えて該フィルムを熱収縮させる加熱手段とを有するスリーブ収縮包装機であることを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項4】
前記加熱手段が、前記リールに被せたフィルムに向けたヒータであることを特徴とする請求項3に記載の包装装置。
【請求項5】
前記搬送ロボットが、前記リールとの間で前記フィルムを押さえるフィルム押さえを有し、前記フィルム押さえによって前記フィルムを押さえた状態で前記リールに前記フィルムを巻きつけて前記リールに前記フィルムを被せることを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2007−176508(P2007−176508A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−374160(P2005−374160)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(592157629)協和電機株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(592157629)協和電機株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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