説明

包装装置

【課題】フィルムリールを包装機構に簡単に装着して使用できる。
【解決手段】包装装置1は、フィルムリールを片持ち支持するリール支軸21を備えた台車2と、フィルムリールからフィルムを繰り出して包装に用いる包装機構4とを備えた。台車2の略U字形状の基部フレーム14の各アーム部14aには2本の位置決めピン17a、17bを設ける。包装機構4に設けた結合部材36には、位置決めピンを嵌合する回転支点溝及び係り止め溝を設けた。台車2の基部フレーム14の下面には高さ調整部材16を介してキャスター15を設け、基部フレーム14の位置決めピン17aとは反対側にハンドル18aを設けた。ハンドル18aから遠い位置決めピン17aを回転支点溝に挿入し且つ支点としてハンドル18aを回動させて、他の位置決めピン17bを係り止め溝に嵌合させて、台車2を包装機構4に位置決めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムリールから繰り出したフィルムにより包装袋を形成したり物品を包装する等のような包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装装置において、フィルムリールから繰り出した帯状のフィルムを所定長さに切断して供給される物品を順次包装したり、製袋充填機で包装袋を形成して内容物を充填して封止するようにしている。このような包装装置において、フィルムリールのフィルムがなくなると保管されている新たなフィルムリールを台車に搭載して包装装置まで搬送し、台車からフィルムリールを包装装置の支持軸に移し変えている。そして、新たなフィルムリールのフィルム先端部を先のフィルムリールのフィルム終端部に接続し、継続して包装に用いるようにしている。このようなフィルムリールの台車から包装装置への交換取り付けを人手で行うのは、作業員に過剰労働を強いるという不具合がある。
【0003】
このようなフィルムリール交換作業を改善した包装装置として、例えば下記特許文献1に記載されたものが提案されている。この包装装置では、保管手段の支持軸に保持された未使用のフィルムリールをフォークリフトからなる台車のフォークで受け取り、包装装置まで移動させる。そして、フォークリフトによって、フォークで保持されたフィルムリールを包装装置の支持軸に移し替えている。このとき、フォークで保持されたフィルムリールの中空のコアが包装機の支持軸に一致しない場合には包装装置を操作してコアを昇降させて一致させて、包装装置の支持軸にフィルムリールを装填するようにしている。
【特許文献1】特開平5−42913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フィルムリールをフォークリフトによってフォークから包装機の支持軸に移し換える作業は操作が煩雑であり、熟練を要する等、手間がかかる上に、移送の際にフィルムリールを損傷するおそれがあった。
本発明は、このような実情に鑑みて、フィルムリールを包装機構に簡単に装着して使用することができるようにした包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による包装装置は、フィルムリールを支持するリール支軸を備えた台車と、フィルムリールからフィルムを繰り出して包装に用いる包装機構とを備え、台車と包装機構には互いに位置決め固定する連結部材が設けられたことを特徴とする。
本発明による包装装置では、台車のリール支軸に支持したフィルムリールを台車から包装機構に移し替える必要がなく、連結部材で台車を包装機構に位置決めして連結することで、リール支軸に保持されたフィルムリールから包装機構にフィルムを繰り出すことができる。
【0006】
また、連結部材は、台車に設けられた複数の位置決めピンと、包装機構に設けられていて一の位置決めピンを係合させる回転支点溝及び他の位置決めピンを係合させる係り止め溝と、該係り止め溝に係合した他の位置決めピンをロックするロック部材とを備えていてもよい。
台車は包装機構に複数の位置決めピンと回転支点溝及び係り止め溝とで係止されてロック部材で係り止め溝に係合した他の位置決めピンがロックされているから、フィルムリールを間接的に包装機構に位置決め固定することができる。
【0007】
また、台車は、リール支軸と位置決めピンを設けた基部フレームを有し、該基部フレームにはキャスターが設けられており、該キャスターの基部フレームに対する取り付け高さを調整する高さ調整部材が設けられていてもよい。
高さ調整部材によって台車の基部フレーム高さを調整することで、リール支軸の高さを繰り出されたフィルムを受け取る包装機構に対して調整できる。
また、包装機構は、回転支点溝及び係り止め溝とロック部材とを備えた結合部材を有しており、該結合部材はリール支軸の長手方向に位置調整可能な位置調整部材を備えていることが好ましい。
位置調整部材によって、包装機構へ台車を係止する結合部材の位置をリール支軸の長手方向に調整でき、これによって、台車のリール支軸に設けたフィルムリールと包装機構との位置関係を高さ方向に直交するリール支軸の長手方向に調整できる。
【0008】
また、台車の基部フレームは、リール支軸の自由端方向に開口する略U字形状とされていることが好ましく、これによってフィルムリールをリール支軸に装着し易くなる。
また、リール支軸は、フィルムリールを着脱するエア式の着脱装置と、逆止弁及び三方弁を介してエア圧を着脱装置に供給可能なエア圧回路とを備え、エア圧を着脱装置に供給することでフィルムリールを係止させ、エア圧を外部に排出することで前記フィルムリールの係止を解除するようにしてもよい。
エア圧回路の逆止弁及び三方弁を介してエア圧を着脱装置に供給することで、リール支軸の着脱装置でフィルムリールの中空のコアを係止保持できて台車による移送が安全であり、また三方弁を介して内筒のエア圧を着脱装置から外部に排出することで、フィルムリールをリール支軸による係止から解除できる。
また、包装機構には、位置決め固定される台車に対向する位置に、繰り出されたフィルムをガイドする包装機構を駆動制御する電気ボックスが配設されていてもよい。これにより、電気ボックスの保守点検や整備を行い易い。
【発明の効果】
【0009】
本発明による包装装置によれば、フィルムリールを簡単且つ正確に取り付け位置に装着できて、フィルムリールの交換時間が短くて作業効率が良いという作用効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態による包装装置を図1乃至図7により説明する。
図1は本発明の実施形態による包装装置の概略説明図、図2は包装装置における台車と包装機構の連結状態を示す図、図3は台車の平面図、図4(a)、(b)は台車に設けたリール支軸の軸線方向に直交する断面図、(c)はリール支軸に空気圧を供給するエア回路図、図5〜図7は包装機構に台車を取り付ける工程を示す図である。
図1において、本実施形態による包装装置1は、台車2に装着したフィルムリール3から繰り出したフィルムfが包装機構4に送られる。包装機構4にはフィルム供給路5と製袋充填部7が設けられている。
【0011】
次に台車2について図1乃至図4により説明する。
図1乃至図3に示す台車2は、平面視略U字形状の基部フレーム14が設けられ、基部フレーム14の対向するアーム部14a、14aの下面にはそれぞれ複数、例えば2つのキャスター15、15が設けられている。キャスター15は高さ調整部材16を介してアーム部14aに回転自在に連結されている。
高さ調整部材16は、例えば高さ調整ネジの一端がキャスター15に連結され且つ高さ調整ネジに螺合したナットを介装して他端側がアーム部14aに螺合状態に保持され、抜け止めされている。そして、ナットを正逆回転させることで高さ調整ネジのキャスター15と基部フレーム14との間の高さ寸法を調整できるようになっている。
基部フレーム14の各アーム部14aの上面には例えば2本の位置決めピン17a、17bが所定間隔で植設されている。
【0012】
また、基部フレーム14において、各アーム14aに直立して例えば略U字状のパイプ18が固定され、対向するパイプ18間を連結して基板19が設けられている。パイプ18における基板19の上方側領域はアーム部14aと反対側に傾斜するハンドル18aとされている。基板19には上述したフィルムリール3をその中空のコアを貫通して保持するリール支軸21がアーム部14aと略平行に取り付けられ、片持ち支持されている。
リール支軸21はベアリングユニット22を介して基板19に回転自在に取り付けられている。基板19のリール支軸21とは反対側の面に、リール支軸21をフィルムfの繰り出しに連動して回転させるモータMと伝動機構を内蔵した筐体24とが設けられている(図1参照)。
【0013】
ここで、リール支軸21は図4(a)、(b)に示すようにエアーシャフトで構成されており、金属製の外筒26と拡径及び縮径可能な例えばゴムチューブ製の内筒27とを有している。外筒26は周方向に例えば120度間隔で線状の長孔からなる孔部26aが穿孔されており、孔部26aには内筒27に基部が固定された突起部28が進退可能に嵌挿されている。
そして、内筒27は図4(c)に示すエア圧回路30に接続され、エア圧を内筒27に供給して拡径させ、排出させることで縮径させるように制御する。エア圧回路30は、エア圧の供給源31と、供給源31から繰り出されたエア圧を内筒27に送る流路32と、流路32の上流側に設けられた逆止弁33と、流路32の下流側に設けられていて内筒27へのエア圧の供給と外部への排出を開閉弁で切り換える三方弁34とを備えている。
【0014】
エア圧回路30では、供給源31からのエア圧を三方弁34を通して内筒27に供給することで突起部28が外筒26の孔部26aから外部に突出してフィルムリール3の筒状のコアを内部から押圧固定し(図4(b)参照)、内筒27のエア圧を三方弁34を介して外部に排出することで、内筒27を縮径して突起部28を外筒26の孔部26a内に後退させる(図4(a)参照)ことで、フィルムリール3を着脱可能状態にする。
なお、図2において、台車2の基板19には、エア圧回路30の三方弁34における内筒27へのエア圧の供給と排出を開閉弁によって切り換えさせる切り換えスイッチ60が設けられている。
【0015】
次に包装機構4における台車2との連結部分の構成について説明する。
図2及び図5において、包装機構4の台車2の取り付け位置に相当する端部に、台車2の一方のアーム部14aに設けた2本の位置決めピン17a,17bを連結するための結合部材36が設けられている。結合部材36はその端面に位置決めピン17a,17bと同一間隔で回転支点溝37と係り止め溝38が形成されている。
回転支点溝37は図5に示すように位置決めピン17aの入り口部に設けたテーパ部37aと結合部材36の台車2と向かい合う側の結合面に沿う方向に略U字状に穿孔された溝部37bとで構成されている。係り止め溝38は回転支点溝37の溝部37bに直交する方向即ち結合部材36の結合面に直交する方向に略U字状に穿孔されて構成されている。
【0016】
回転支点溝37において、テーパ部37aは位置決めピン17aが最初に入り込む部分で台車を移動させて位置決めピン17aが入りやすいようにテーパ部37aに形成されている。溝部37bはテーパ部37aから移動する位置決めピン17aが台車2の旋回の支点として機能しながら移動できるように直線状に形成されている。位置決めピン17aが移動しながら回転させられることに連動して、他の位置決めピン17bは円弧移動せず直線状に移動する。位置決めピン17aを支点とする円弧移動と他の位置決めピン17bの直線移動との差分だけ支点である位置決めピン17aが回転支点溝37の溝部37b内で移動する。
そして、台車2を結合部材36に結合させる際には、アーム部14aの自由端側の位置決めピン17aを回転支点溝37の溝部37bに嵌合させ、その後に他方の位置決めピン17bを係り止め溝38に嵌合させる。
更に、結合部材36には係り止め溝38に位置決めピン17bが嵌合した状態で位置決めピン17bをロックするロック部材39が設けられている。ロック部材39はシリンダ40によって支軸回りに係止爪41を回転させて進退させ、位置決めピン17bを係り止め溝38から離脱しないようにロックする。
台車2の位置決めピン17a,17bと包装機構4の結合部材36に設けた回転支点溝37と係り止め溝38とロック部材39とは連結部材を構成する。
【0017】
また、包装機構4における結合部材36は台車2を係止した状態におけるリール支軸21の長手方向(水平方向)に位置調整可能な位置調整部材43を備えている。
位置調整部材43において、結合部材36の裏面に貫通孔を有する保持部44,44が長手方向に所定間隔で固定され、各保持部44の貫通孔は包装機構4に固定された棒状のガイド部材45を相対的に摺動可能に嵌挿させている。また、包装機構4には、ガイド部材45と平行に配設された棒状で雄ねじの形成されたスクリュ部材46が支持板47に回転可能に支持され、スクリュ部材46の一端にはスクリュ部材46を回転させる調整ハンドル48が設けられている。
一方、結合部材36の表面にはねじ穴の形成された移動ガイド部50が固定されており、このねじ穴はスクリュ部材46に螺合されている。これにより、調整ハンドル48を回転することで、結合部材36は移動ガイド部50を介してガイド部材45にガイドされてその長手方向に移動させることができ、回転支点溝37及び係り止め溝38の位置をスクリュ部材46の長手方向に調整可能であり、フィルムリール3をリール支軸21の長手方向に位置調整できる。
【0018】
また、図2において、包装機構4には結合部材36に隣接して包装装置1を駆動制御する電気ボックス54が配設されており、その上方にはフィルム供給路5が設けられている。フィルム供給路5は、台車2に保持された新たなフィルムリール3から繰り出された帯状のフィルムfの先端を、先に繰り出されたフィルム後端にテープ等で接続するための機構であり、前後のローラ55,56の間にフィルム接合部材57が設けられている。
また、ローラ56のフィルム進行方向前方側にはダンサローラ58が下方に設けられている。そして、ダンサローラ58のフィルム搬送方向前方側に設けた他のローラを介して製袋充填部7へフィルムfが搬送されるようになっている。
【0019】
本実施形態による包装装置1は上述の構成を備えており、次に包装装置1の包装機構4に、新たなフィルムリール3を交換装着する手順、作用について説明する。
先ず、図3において、保管している新たなフィルムリール3を台車2のリール支軸21に装着し、フィルムリール3の端面がベアリングユニット22に当接するまでフィルムリール3の中空のコアをリール支軸21に挿入して位置決めする。この状態でリール支軸21の突起部28は外筒26の孔部26a内に後退しており(図4(a)参照)、リール支軸21とフィルムリール3の中空のコアとの間に若干の間隙がある。
そして、切り換えスイッチ60の操作により、図4(c)に示すエア圧回路30の供給源31から流路32に供給されるエア圧をリール支軸21の内筒27へ充填するよう三方弁34の開閉を切り換える。これによって内筒27が拡径することで、突起部28が外筒26の孔部26aから突出してフィルムリール3の中空のコア内面を押圧し(図4(b)参照)、フィルムリール3をリール支軸21に固定する。
その後、エア圧の供給源31を遮断しても、エア圧回路30に逆止弁33を設けてあるのでフィルムリール3をリール支軸21に固定状態に保持できる。
【0020】
この状態で、作業員がハンドル18aを押して台車2を図5に示す包装機構4の結合部材36近傍に移動させる。そして、台車2の基部フレーム14における一方のアーム部14a自由端側の位置決めピン17aを結合部材36の回転支点溝37のテーパ部37aに当接させ、溝部37bに向けて位置決めピン17aを押し込むようにしながら位置決めピン17a周りにハンドル18aを旋回させる(図6参照)。回転支点溝37の第一係止溝37bを結合部材36の端縁に沿って直線状に形成したから、支点となる位置決めピン17aは台車2の旋回に合わせてリール支軸21方向に沿って若干移動して溝部37bの内部に進む。台車2の旋回移動に沿って、他の位置決めピン17bは係り止め溝38方向に直線的に移動する。
そして、位置決めピン17aが溝部37bに嵌入した位置で、他の位置決めピン17bを係り止め溝38内に嵌入させて台車2のリール支軸21で支持されたフィルムリール3を位置決めする(図7参照)。
次に、ロック部材39でシリンダ40を駆動させ、係止爪41を支軸回りに回動させて係り止め溝38に嵌合した位置決めピン17bを係止させる。
【0021】
こうして、台車2及びフィルムリール3を包装機構4に位置決めして連結する。そして、台車2に設けたモータMを図示しない接続部材によって電気ボックス54に電気的に接続する。
なお、電気ボックス54と台車2との電気的な接続は、接続作業を簡略化するため、包装機構4と台車2とのそれぞれに図示しない電気コネクタを設け、台車2を結合部材36に位置決め連結する際に、各電気コネクタが同時に連結されるようにしてもよい。包装機構4側の電気コネクタの位置が結合部材36における回転支点溝37から十分離れていれば、台車2側の電気コネクタの円弧移動は接続の妨げにならない。
また、リール支軸21へのエア圧回路30についても、同様に台車2の結合部材36への連結動作によって包装機構4に設けたエア供給源31に接続されるように構成してもよい。
次に、フィルムリール3から繰り出した新しいフィルムfの先端を、フィルム接続部6で先のフィルムfの後端と接続する。そして、モータMに通電してリール支軸21を回転させてフィルムfを繰り出し、フィルム供給路5を介して製袋充填部7に供給する。
【0022】
なお、フィルムリール3を交換して包装機構4に装着する際、フィルムリール3の幅が相違する等のために包装機構4の結合部材36への取り付け位置を移動調整する必要がある場合には、調整ハンドル48を回転操作することでスクリュ部材46を回転させると、移動ガイド部50が、台車2を取り付けた状態のリール支軸21の軸線に平行な方向に移動するため、結合部材36をリール支軸21の長手(軸線)方向に位置調整できる。
これにより、台車2を結合部材36に位置決め固定した状態でのフィルムリール3から繰り出すフィルムfの位置を容易に調整できる。
また、台車2におけるリール支軸21の高さが上下方向にずれている場合には、高さ調整部材16において高さ調整ネジに螺合したナットを回転操作することでキャスター15とアーム部14aとの距離を増減調整する。
【0023】
上述のように本実施形態による包装装置1によれば、新たなフィルムリール3を包装機構4の結合部材36に取り付ける際、フィルムリール3を台車2から移し替えることなく、台車2のリール支軸21に嵌挿した状態で、結合部材36に位置決め固定することができる。そのため、フィルムリール3を台車2から移し替える必要がないためにフィルムリール3の取り付けや交換が簡単且つ正確であり、作業効率が高いという作用効果を奏する。
しかも、台車2を旋回させて結合部材36に係止する際、基部フレーム14のアーム部14aの自由端側の位置決めピン17aを支点として離間したハンドル18aを旋回させるようにしたから、台車2の回転を小さい力で行うことができる。
また、リール支軸21に装着したフィルムリール3は、エア圧回路30によって突起部28でリール支軸21に固定して台車2によって移動できるために、フィルムリール3の落下や位置ずれ等の心配もなく安全である。
【0024】
また、包装機構4には、結合部材36をスクリュ部材46の方向(リール支軸21の軸線方向)に移動調整する位置調整部材43を設け、台車2にはリール支軸21の高さを調整する高さ調整部材16を設けたから、台車2に装着したフィルムリール3についてリール支軸21の軸線方向(水平方向)と高さ方向とに位置調整でき、フィルムfの幅や位置等の変更に対応できる。そのため、繰り出すフィルムfの蛇行を防止でき、台車2に保持したフィルムリール3と包装機構4との位置ずれを防止できる。しかも、フィルムリール3をベアリングユニット22に当接させてリール支軸21方向の位置調整を位置調整部材43のみで調整できるようにしたから、同種フィルムリール3を交換した際の再現性が高い。
また、台車2は基部フレーム14が略U字形状に形成されているから、台車2のフィルム支軸21へフィルムリール3を装着し易い。また、包装機構4において、台車2と対向する面側に電気ボックス54を配設したから、台車2を離間させることで電気ボックス54のメンテナンスが容易である。また、従来の包装装置1は、製袋充填部7の両側に電気ボックス54が配設され且つその間にフィルムリール3が配設されていたが、本実施形態では製袋充填部7とフィルムリール3の間に電気ボックス54が配設されるから、製袋充填部7のメンテナンス作業も容易である。
【0025】
なお、上述の実施形態では、包装機構4の結合部材36に対して図5〜図7で右側に位置決めピン17aを位置させて、これを支点として台車2をハンドル18aで時計回りに旋回させるようにしたが、これとは逆に、図8に示すように、結合部材36及び位置調整部材43と台車2とを図5乃至図7に示すものと左右逆方向に配設して、台車2を反時計回りに旋回させて結合部材36に固定するようにしてもよい。
また、上述の実施形態等では、包装機構4として製袋充填部7を含む機構を設けたが、他の包装機構を備えた包装装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態による包装装置の概略説明図である。
【図2】包装装置における台車と包装機構の連結状態を示す要部斜視図である。
【図3】台車の平面図である。
【図4】(a)、(b)は台車に設けたリール支軸の軸線方向に直交する断面図であり、(a)はエア圧供給前の状態、(b)はエア圧を供給した状態を示す図、(c)はリール支軸にエア圧を供給する要部エア回路図である。
【図5】包装機構に台車を取り付ける第一の工程を示す平面図である。
【図6】包装機構に台車を取り付ける第二の工程を示す平面図である。
【図7】包装機構に台車を取り付ける第三の工程を示す平面図である。
【図8】実施形態とは逆の位置に結合部材を設けた包装機構に台車を取り付けた状態の図である。
【符号の説明】
【0027】
1 包装装置
2 台車
3 フィルムリール
4 包装機構
14 基部フレーム
14a アーム部
16 高さ調整部材
17a、17b 位置決めピン
18a ハンドル
21 リール支軸
26 外筒
26a 孔部
27 内筒
28 突起部
30 エア圧回路
33 逆止弁
34 三方弁
36 結合部材
37 回転支点溝
37b 溝部
38 係り止め溝
39 ロック部材
43 位置調整部材
54 電気ボックス
58 ダンサロール
f フィルム
F 包装袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムリールを支持するリール支軸を備えた台車と、前記フィルムリールからフィルムを繰り出して包装に用いる包装機構とを備え、前記台車と包装機構には互いに位置決め固定する連結部材が設けられたことを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記連結部材は、前記台車に設けられた複数の位置決めピンと、前記包装機構に設けられていて一の前記位置決めピンを係合させる回転支点溝及び他の前記位置決めピンを係合させる係り止め溝と、該係り止め溝に係合した前記他の位置決めピンをロックするロック部材とを備えている請求項1に記載された包装装置。
【請求項3】
前記台車は、前記リール支軸と位置決めピンを設けた基部フレームを有し、該基部フレームにはキャスターが設けられており、該キャスターの基部フレームに対する取り付け高さを調整する高さ調整部材が設けられている請求項1または2に記載された包装装置。
【請求項4】
前記包装機構は、前記回転支点溝及び係り止め溝、前記ロック部材を備えた結合部材を有しており、該結合部材は前記リール支軸の長手方向に位置調整可能な位置調整部材を備えている請求項2または3に記載された包装装置。
【請求項5】
前記台車の基部フレームは、前記リール支軸の自由端方向に開口する略U字形状とされている請求項3または4に記載された包装装置。
【請求項6】
前記リール支軸は、フィルムリールを着脱するエア式の着脱装置と、逆止弁及び三方弁を介してエア圧を前記着脱装置に供給可能なエア圧回路とを備え、エア圧を前記着脱装置に供給することでフィルムリールを係止させ、エア圧を外部に排出することで前記フィルムリールの係止を解除するようにした請求項1乃至5のいずれかに記載された包装装置。
【請求項7】
前記包装機構には、位置決め固定される前記台車に対向する位置に、前記包装機構を駆動制御する電気ボックスが配設されている請求項1乃至6のいずれかに記載された包装装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−120649(P2010−120649A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293309(P2008−293309)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】