説明

化学装置の洗浄方法

【課題】本発明は、化学装置の洗浄方法の改良に関する。とくに、有機化学物質の反応、混合、精製、乾燥、貯蔵、運搬等に用いられる、化学装置の壁面や攪拌翼、バッフル等に付着した有機物に対する、環境保全性及び経済性に優れた洗浄方法を提供する。
【解決手段】 水、及び水と分離し層をなし、かつ水より比重の小さい溶媒を使用することにより、化学装置に付着する有機物を、従来より少量の溶媒で、効率的に除去することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学装置の洗浄方法の改良に関する。とくに、有機化学物質の反応、混合、精製、乾燥、貯蔵、運搬等に用いられる化学装置の壁面や攪拌翼等に付着した有機物に対する、環境保全性及び経済性に優れた洗浄方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
化学装置は、使用前に原材料、溶媒、生成物等が直接に接する内壁部を洗浄することにより、様々な化学製品の生産、貯蔵、運搬等に使用される。この洗浄が不十分である場合、内壁部に付着した異物が混入することによる製品品質の低下、収率低下、着色、外観不良等の原因となり、品質管理の面から大きな問題となりうる。また、壁面に多量の付着物が残存している場合、化学装置の熱伝導効率を低下させたり、攪拌効率を低下させたりといった主に生産に関わる問題を引き起こすことがある。また、装置の腐食を早めたり、シール・パッキンを損傷させたりといった装置の寿命低下の原因ともなりうる。このような理由から、化学工場の現場において、化学装置の洗浄は製品の品質管理並びに装置保全の両面から非常に重要であり、付着物の種類、化学装置の種類、装置の内部ライニング剤の種類などによりそれぞれのケースに応じ、実践的に行なわれている。
【0003】
化学装置の洗浄方法としては、例えば、人が直接化学装置内に入り、溶剤を浸み込ませた布やブラシで付着物をこそぎ落とす方法も有るが、有機物との接触や吸入の可能性があるため、化学装置内に作業者が入る事は安全上出来るだけ避ける事が好ましい。そこで、人が直接化学装置内に入らないで洗浄するために、化学装置の付着物が溶解する溶媒を多量に投入・浸漬し、付着物を溶解させ、この洗浄液を取り除くという作業を目標とするレベルまで繰り返し実施する方法などがある。
この方法の場合、溶媒を多量に使用するので、洗浄に使用する溶媒自身の費用、洗浄で使用した溶媒の廃棄費用が必要となるといった金銭的なデメリットだけでなく、環境汚染や資源の浪費といった問題がある。
また、投入物の循環や加熱還流が可能な化学装置である場合、溶媒を循環させたり、加熱還流することにより付着物を溶解させ除去する方法もあるが、循環させる場合には、多量の溶媒と動力が必要になり、加熱還流させる場合には、熱源及びコンデンサーと冷媒が必要になり、いずれにしても装置の問題を除いても経済的に有利な方法ではない。よってこれらの従来の方法では、洗浄に溶媒を多量に使用する為に、溶媒自身の費用、使用した溶媒の廃棄費用が必要となるといった金銭的なデメリットだけでなく、環境汚染や資源の浪費、作業者の健康被害といった化学工業で指摘される諸問題の原因となり得る。
【0004】
上記の問題を解決する為、様々な解決方法が提供されている。例えば、洗浄溶媒中に固形の洗浄材を反応容器に充填し、これらを攪拌することにより洗浄する方法が提案されている。(特許文献1)この方法の場合、反応容器が全体的に浸漬する程度の溶媒が必要であることから溶媒の使用量が必ずしも削減されないという問題がある。また、固形の洗浄材を使用することから、この固形の洗浄材と溶媒との分離、洗浄材の回収工程が必須であり、この工程を実施するための装置や手間が必要である点、固形であることから、洗浄材が液体のみの洗浄法に比べ反応容器から完全に除去することが難しく、完全に除去されない場合、洗浄材自身が異物混入の原因となり得る可能性がある点等、固形であるが故の問題点を抱えている。また、特許文献1に記載の通り、攪拌を行うことが必要であるから必然的に攪拌ができる化学装置に適応が限定され、例えばタンクのような攪拌ができない化学装置の洗浄には適応できない。
【0005】
また、洗浄液を反応釜の底部より抜取り、反応釜の上部から内部に向け、ノズルから圧力を加え噴出、散布させることにより、洗浄液を循環させながら洗浄する方法が提案されている。(特許文献2)この方法の場合、洗浄溶媒の使用量は削減されると考えられるが、例えば反応釜の攪拌翼の裏側や温度計バッフルの隙間等のデッドスペースといった上部から直接洗浄液を散布できない部分が必ずしも十分に洗浄できないという問題を抱えている。
【特許文献1】特開2001−139604号公報
【特許文献2】特開平10−202138号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、これら従来技術の欠点を解決し、従来に比べ少量の溶媒で化学装置の壁面や攪拌翼等に付着する有機物を除去し、環境保全性及び経済性に優れた洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記課題を解決すべく化学装置の壁面や攪拌翼等に付着する有機物の洗浄方法を鋭意検討した結果、化学装置に水と分離し層をなし、かつ水より比重の小さい溶媒を少量投入し、その後、水を徐々に投入して、化学装置に付着する有機物を溶媒に浸漬溶解させながら、溶媒を徐々に上部へ移動させることにより、大容量の化学装置であっても少量の溶媒で化学装置の壁面や攪拌翼等の任意の場所に付着する有機物を効率的に洗浄可能であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、化学装置の壁面や攪拌翼等のあらゆる場所に付着する有機物を従来の方法に比べ極端に少ない溶媒量で効率的に洗浄が可能であり、洗浄に供する溶媒量の削減及び洗浄廃液量の削減が可能となる。このことから、従来公知の方法に比べ低コストで化学装置の洗浄が可能となるだけでなく、洗浄廃液の削減が可能であることから、環境負荷を低下させる効果も有する。さらに、溶媒と水を投入できる化学装置であればどのような化学装置でも本発明を適応することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明において洗浄対象となる化学装置に付着した有機物とは、溶媒に可溶な有機物であれば特に限定されない。例えば、有機物の結晶、高粘性の液体、高分子状物質等が例示できる。
【0010】
本発明において使用される溶媒としては、水より比重が小さく、水と分離し層をなし、かつ被洗浄対象物を溶解しうるものであれば、特に限定されない。例えば、石油エーテルや灯油等の混合油、炭素数2〜12のエステル類、エーテル類、ケトン類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素が例示される。これらの例として、エステル類であれば酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ヘキシル等の酢酸エステル類、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル等の酪酸エステル類等、カルボン酸とアルコールから合成されるエステル類であれば直鎖状のものであっても、分岐を有していても良い。エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等の対称エーテル類、ブチルエチルエーテル、エチルプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル、エチルターシャリーブチルエーテル、メチルシクロペンチルエーテル等の非対称エーテル類等が例示できる。ケトン類としてはジエチルケトン、ジブチルケトン、メチルイソブチルケトン等の鎖状ケトン類、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の環状ケトン類等が例示できる。脂肪族炭化水素の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等があげられ、これらは直鎖状でも分岐を有していても良い。芳香族炭化水素の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等が例示できる。これら溶媒は1種類で使用しても良いし、必要に応じ2種類以上混合させ使用しても良い。また、被洗浄対象物を溶解しうる溶媒とは、被洗浄物が固体の場合、溶媒の中に被洗浄物を溶解させることが可能な溶媒を示し、被洗浄物が液体の場合は溶媒と分離せず混和する溶媒を示す。具体的に例示すれば、溶媒100gに対し被洗浄物が固体の場合、1g以上可溶であれば良く、好ましくは5g以上可溶であれば良い。
【0011】
本発明において使用される溶媒の使用量は化学装置の形状や付着物の溶解度によって選択され、通常限定されないが、好ましくは使用する水に対し容積比で水1に対し0.01倍〜2倍、さらに好ましくは0.05倍〜1倍である。0.01倍より少ない場合、十分な洗浄効果を得られない傾向があり、2倍より多い場合、洗浄効果は問題ないが、溶媒使用量の削減効果を十分得られない傾向がある。
【0012】
本発明において適応される化学装置は、化学製品の製造、貯蔵、運搬等に供される装置であれば特に限定されない。例えば、化学製品を製造する装置としては蒸留塔、精留塔などの塔、反応槽、重合槽等の反応器、タンク、サイロ等の固定式タンク、タンクローリー等の移動式タンク、ドリュックフィルター等のろ過機、セントル等の遠心分離装置、コニカルドライヤー、遊星運動型混合乾燥機(SVミキサー)等の乾燥機などが例示できる。これらの装置の内、本発明を適応するにあたって、横長の形状を有するものより、縦型の形状を有するものの方がより本発明の効果が高い。
【0013】
本発明は通常、次のように実施される。
1、洗浄対象の化学装置に溶媒を投入する。
2、水を投入し、溶媒層を押し上げ任意の汚染箇所を洗浄する。
必要に応じこの作業を繰り返し行う。繰り返し行なう際、溶媒は再利用しても良いし、新しい溶媒と置換したり、新しい溶媒と混合させても良い。また、本発明の洗浄方法を第1洗浄とし、その後、洗浄対象の化学装置に付着物が浸漬するまで溶媒を多量に投入し、付着物を溶解させ、この洗浄液を取り除くという洗浄方法等、旧来から行われている洗浄法と組み合わせて実施しても良く、これらの場合でも、洗浄に使用する溶媒量削減等の本願発明の効果を得ることが可能である。
【0014】
洗浄対象の化学装置に溶媒を投入する際、投入の仕方は特に限定されない。また投入後、速やかに水を投入しても良いし、一定時間溶媒のみで浸漬させても良い。化学装置に攪拌、混合を行う装置がある場合、これらの装置を起動させなくても良いが、起動させる方が洗浄効果の向上の面から好ましい。また、溶媒の温度は通常限定されないが、加熱できる場合は、常温より加温する方が洗浄効果の向上の面から好ましい。
【0015】
洗浄対象の化学装置に水を投入する際、投入の仕方は特に限定されないが、必要量の水を徐々に投入する方が、被洗浄面への溶媒の浸漬時間が長くなることから、洗浄効果の向上の面から好ましい。この理由から、水を投入するのに必要な時間は化学装置の壁面等に付着する有機物の量及び溶媒に対する溶解度によって異なる。化学装置に攪拌、混合を行う装置がある場合、これらの装置を起動させなくても良いが、起動させる方が洗浄効果の向上の面から好ましい。また、攪拌、混合を行う場合、水層と溶媒層が混合しない速度で攪拌する方が洗浄効果の向上の面から好ましく、水層と溶媒層を激しく混合した場合、却って洗浄効果が低下するおそれがある。また、化学装置へ投入後の水及び溶媒の温度は特に限定されないが、加熱できる場合は常温より加温する方が洗浄効果の向上の面から好ましい。
【0016】
本発明の洗浄を繰り返し実施する際は、洗浄で使用した溶媒を再利用することもできる。再利用する際、水と溶媒は2層に分離していることを利用し、抜取時に水層と溶媒層をそれぞれ分別して抜取を行なえば、溶媒層のみ回収ができ、再利用も容易である。また、再利用しない場合であっても、水層と溶媒層を分別して処理できる為、水と溶媒が混和する洗浄液を使用した場合に比べ、廃棄物の処理コストを低減させることが可能である。
【実施例】
【0017】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0018】
〔化学装置1〕
内径3.1m、高さ3.4m、内容積20m、2枚パドル翼及びバッフルを備えた円筒型反応槽にて、酢酸エチルに可溶な白色結晶状の有機物であるカリックス[4]アレーンを10回製造した。製造後、カリックス[4]アレーンを反応槽から取り出し、反応槽の汚れ状況を目視により確認した所、反応槽内部壁面及び攪拌翼、バッフルにそれぞれ、おおよそ面積比で5%、3%、10%のカリックス[4]アレーンの付着が目視にて確認された。
〔化学装置2〕
底辺内径2.5m、上辺内径0.3m、高さ3.8m、内容積5mの逆円錐型容器内に長さ3.5mのスクリュー型混合装置(スクリュー翼)を設けた遊星運動型混合乾燥機(SVミキサー)にてメチルターシャルブチルエーテルに可溶な淡褐色結晶状の有機物であるレゾルシンを15回乾燥した。乾燥後、レゾルシンを該乾燥機から取り出し、乾燥機の汚れ状況を目視により確認した所、乾燥機内部及びスクリュー翼におおよそ面積比で4%、12%のレゾルシンの付着が目視にて確認された。
〔化学装置3〕
内容積5m、円錐形の乾燥機(コニカルドライヤー)にてトルエンに可溶な黄色結晶状の有機物である9−フルオレノンを5回乾燥した。乾燥後、9−フルオレノンを乾燥機から取り出し、乾燥機内部の汚れ状況を確認した所、乾燥機内部壁面におおよそ面積比で15%の9−フルオレノンの付着が目視にて確認された。
〔化学装置4〕
容積4mのタンクローリー内に粘度0.041Pa・s(23℃)、メチルイソブチルケトンに相溶性のある液状高粘性有機物であるジイソデシルアジペート(以下DIDAとする)を投入し運搬を行なった。運搬後、DIDAをタンクローリーから取り出した。
【0019】
(実施例1)
化学装置1に酢酸エチル8m(水に対し容積比0.67倍)を投入し、投入後、室温にて30分攪拌を行った。その後、攪拌速度を落とし、水と酢酸エチルが混合されない速度で攪拌しながら室温で水12mを3時間かけて投入した。投入後、底排部より水及び酢酸エチルを抜き取った。抜取り後の化学装置1内部の状況を目視にて確認した結果を表1に示す。
【0020】
(実施例2)
化学装置2に室温でメチルターシャルブチルエーテル1m(水に対し容積比0.25倍)を投入した。投入後、スクリュー翼の自転方向及び公転方向の回転を最低速で開始させ、回転させながら、乾燥機のジャケットに60℃の温水を通水しながら、水4mを5時間かけて投入した。投入後、底排部より水及びメチルターシャルブチルエーテルを抜き取った。抜取り後の化学装置2内部の状況を目視にて確認した結果を表1に示す。
【0021】
(実施例3)
化学装置3に室温でトルエン0.6m(水に対し容積比0.15倍)を投入した。投入後、室温で水4mを3時間かけて投入した。投入後、底排部より水及びトルエンを抜き取った。抜取り後の化学装置2内部の状況を目視にて確認した結果を表1に示す。
【0022】
(実施例4)
化学装置4に室温でメチルイソブチルケトン0.3m(水に対し容積比0.08倍)を投入した。その後、室温で水3.7mを1時間かけて投入した。投入後、水及びメチルイソブチルケトンを抜き取った。抜取り後、メチルイソブチルケトン200Lでかけ洗い実施後、抜き取りを行い、このメチルイソブチルケトンに含まれるDIDAの含有量をガスクロマトグラフにて測定した。分析結果を表2に示す。
【0023】
(比較例1)
化学装置1に酢酸エチル20mを投入し、投入後、室温にて3時間攪拌を行った。その後、底排部より酢酸エチルを抜き取った。抜取り後の化学装置1内部の状況を表1に示す。
【0024】
(比較例2)
化学装置1の上部より、タンクに入れた酢酸エチル8mを加圧輸送ポンプにより150kg/cmに加圧し、多孔ノズルより化学装置1内部へ噴出・散布した。噴出・散布後、底排部より酢酸エチルを抜き取った。抜取り後の化学装置1内部の状況を表1に示す。
【0025】
(比較例3)
化学装置2の上部より、タンクに入れたメチルターシャルブチルエーテル1mを加圧輸送ポンプにより150kg/cmに加圧し、多孔ノズルより化学装置1内部へスクリュー翼の自転方向及び公転方向の回転を最低速で実施しながら、噴出・散布した。噴出・散布時はジャケット内に60℃の温水の通水を実施した。噴出・散布後、底排部よりトルエンを抜き取った。抜取り後の化学装置2内部の状況を表1に示す。
【0026】
(比較例4)
化学装置3に室温でトルエン0.6mを投入した。投入後、乾燥機を室温で1時間回転させた。回転後、底排部よりトルエンを抜き取った。抜取り後の化学装置3内部の状況を表1に示す。
【0027】
(比較例5)
化学装置4にメチルイソブチルケトン0.3mでかけ洗いを実施し、その後メチルイソブチルケトンを抜き取った。抜取り後、メチルイソブチルケトン0.2mで再度かけ洗い実施後、抜き取りを行い、このメチルイソブチルケトンに含まれるDIDAの含有量をガスクロマトグラフにて測定した。分析結果を表2に示す。
【0028】
〔化学装置洗浄結果の評価方法〕
〔化学装置1及び2〕
洗浄後、化学装置1及び2内に作業員が入り、目視にて反応槽内部のカリックス[4]アレーン及びレゾルシンの付着状況を確認した。
〔化学装置3〕
洗浄後、化学装置3の上部作業用マンホールより目視にて乾燥機内部壁面の9−フルオレノンの付着状況を確認した。
なお、いずれの装置についても結晶付着状況の評価については以下の通りとした。
付着物が全くない、あるいは付着していても面積比1%以下の結晶状有機物の付着である・・・○
面積比で1〜3%の結晶状有機物の付着が確認できる・・・△
面積比で3%以上の結晶状有機物の付着が確認できる・・・×
〔化学装置4〕
以下のガスクロマトグラフィー条件にて分析を行なった。なお、定量はモノクロロベンゼンを内標とした絶対検量線法にて実施した。
装置:島津製作所社製GC−17A
カラム:アジレント社製DB−1(長さ:30m、内径0.53mm、膜圧1.5μm)
注入口/検出器温度:300℃
温度プログラム:60℃(5分)→10℃/min→300℃(15分)
【0029】
【表1】

【0030】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水、及び水と分離し層をなし、かつ水より比重の小さい溶媒を使用することにより、化学装置に付着する有機物を除去することを特徴とする化学装置の洗浄方法。
【請求項2】
下記の手順で実施されることを特徴とする請求項1記載の化学装置の洗浄方法。
1)洗浄対象の化学装置に水以外の溶媒を投入する。
2)水を投入し、水と分離し層をなす溶媒層を押し上げて有機物が付着した箇所を洗浄する。
【請求項3】
水より比重の小さい溶媒がエステル類、エーテル類、ケトン類、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素から選ばれる1種、あるいは2種類以上の溶媒であることを特徴とする請求項1〜2記載の化学装置の洗浄方法。
【請求項4】
水より比重の小さい溶媒の使用量が水に対し容積比で0.01倍〜2倍であることを特徴とする請求項1〜3記載の化学装置の洗浄方法。
【請求項5】
洗浄対象である化学装置が、塔、反応器、固定式または移動式タンク、乾燥機、ろ過機であることを特徴とする請求項1〜4記載の化学装置の洗浄方法。

【公開番号】特開2012−81456(P2012−81456A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232055(P2010−232055)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000216243)田岡化学工業株式会社 (115)
【Fターム(参考)】