説明

化粧シート貼り木質板材の再利用方法

【課題】化粧シートを剥離するのに特別な工程を必要とすることがなく、剥離後の木質基材表面のざらつきへの対処を可能とする化粧シート貼り木質板材の再利用方法を提供する。
【解決手段】化粧シート貼り木質板材から化粧シート20を剥離して得られた木質基材10′の化粧シート20が貼り付けられていなかった3方の面12,13,13に、新たに化粧シート20を貼り付ける。その場合、この化粧シート20の両端部20a,20aを、化粧シート20を剥離して得られた木質基材10′の表面11′の両側端部11a′,11a′にまで回り込ませて貼り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧シート貼り木質板材の再利用方法に関し、室内用造作材や室内用パネル部材の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドア枠、窓枠、額縁、幅木、見切、手摺、カウンター等の室内用造作材、化粧パネル、腰壁等の室内用パネル部材に、化粧シート貼り木質板材が使用されている。そして、このような化粧シート貼り木質板材を製造中に、例えば貼付不良等が生じると、化粧シートを剥離して、得られた木質基材に新たに化粧シートを貼り付けることにより、同種の商品を得ることがある。
【0003】
一方、化粧シート貼り木質板材から化粧シートを剥離するのが困難であるという問題がある場合には、剥離を容易にする技術が提案されており、その例として特許文献1〜3に開示のものがある。
【0004】
まず、特許文献1に開示の技術は、プラスチックシートからなる化粧シートと多孔質ボードとしての木質基材とを接着剤で貼り付けてなる化粧シート貼り木質板材において、前記接着剤に熱膨張性微粒中空体を配合すると共に、化粧シート貼り木質板材を加熱することにより前記中空体を膨張させて、化粧シートを容易に剥離可能としたものである。
【0005】
また、特許文献2及び特許文献3に開示の技術は、同じく化粧シートと該化粧シートの裏面に一体的に設けられた熱可塑性シートや水溶性樹脂とを木質基材に接着剤等で貼り付けてなる化粧シート貼り木質板材において、前記熱可塑性シートを加熱することにより軟化させたり、前記化粧シートと木質基材との間に水を侵入させることにより前記水溶性樹脂を水で溶かしたりして、化粧シートを容易に剥離可能としたものである。そして、化粧シートが剥離されて得られた木質基材の同じ面に、新たに化粧シートを貼り付けて木質基材を再利用することができるようになっている。
【0006】
【特許文献1】特許第3413400号公報
【特許文献2】特開2001−25412号公報
【特許文献3】特開2001−26074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、化粧シートを剥離するときには、特許文献1に記載のものは、熱膨張性微粒中空体のように特殊な材料を含む接着剤の使用や化粧シート貼り木質板材の加熱が不可欠であることから、コストの高騰を招き、かつ作業は面倒である。また、特許文献2に記載のものは、化粧シート貼り木質板材の加熱が不可欠であることから、特許文献3に記載のものは、化粧シート貼り木質板材への水の付与が不可欠であることから、いずれも作業は面倒である。
【0008】
一方、化粧シートを手で剥離することができる場合には、前述したような面倒な作業を伴なわない反面、剥離後の木質基材の表面が毛羽立ってざらつくことがある。例えば剥離により得られた木質基材の剥離面に新たに化粧シートを貼り付けるときには、この木質基材の表面性状が非常に重要となり、前述したように表面が毛羽立ってざらついていると、そのことが貼り付けられた化粧シートの外観に反映されて、見栄えが損なわれるという問題が生じることがある。したがって、剥離後の木質基材の表面がざらついている場合には、この木質基材を例えばチップ化することになり、資源のさらなる有効利用を図ることができない。
【0009】
そこで、本発明は、化粧シートを剥離するのに特別な工程を必要とすることがなく、剥離後の木質基材表面のざらつきへの対処を可能とする化粧シート貼り木質板材の再利用方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0011】
まず、請求項1に記載の発明は、少なくとも一面には、化粧シートが貼り付けられており、かつ、少なくとも一面には、化粧シートが貼り付けられていない化粧シート貼り木質板材の再利用方法であって、前記化粧シート貼り木質板材から化粧シートを剥離して得られた木質基材の化粧シートが貼り付けられていなかった面に、新たに化粧シートを貼り付けることを特徴とする。
【0012】
次に、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の化粧シート貼り木質板材の再利用方法において、前記木質基材に新たに化粧シートを貼り付けるときに、該化粧シートの端部を、化粧シートを剥離して得られた木質基材の面の側端部にまで回り込ませて貼り付けることを特徴とする。
【0013】
そして、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の化粧シート貼り木質板材の再利用方法において、前記化粧シート貼り木質板材から化粧シートを剥離する前に、該化粧シート貼り木質板材の端部を化粧シートも併せて切除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
まず、請求項1に記載の発明によれば、化粧シート貼り木質板材から化粧シートを手またはカッター、へら等の簡単な道具を用いて剥離すると、従来のように熱可塑性シートに対する加熱や化粧シート貼り木質板材への水の付与等の特別な工程を必要としない。その上で、化粧シートを剥離して得られた木質基材の剥離面が毛羽立ってざらついていても、化粧シートが貼り付けられていなかった面に、新たに化粧シートを貼り付けるので、見栄えを損なうことのない化粧シート貼り木質板材が得られ、もって化粧シートを剥離して得られた木質基材を化粧シート貼り木質板材の製造に再利用することができる。すなわち、従来のように木質基材をチップ化せずともよく、資源のさらなる有効利用が図られる。
【0015】
次に、請求項2に記載の発明によれば、化粧シートを剥離して得られた木質基材に新たに化粧シートを貼り付けるときに、この化粧シートの端部を、化粧シートを剥離することによって毛羽立ってざらついている面の側端部にまで回り込ませて貼り付けるので、この側端部では前述したざらつきに起因して、化粧シートと木質基材との間に品質を維持するだけの接着力が得られると共に、こうして製造された化粧シート貼り木質板材から再度化粧シートを剥離するときには、手間をかけることなく化粧シートを剥離することができる。
【0016】
そして、請求項3に記載の発明によれば、化粧シート貼り木質板材から化粧シートを剥離する前に、該化粧シート貼り木質板材の端部を化粧シートも併せて切除するので、化粧シートが、表面だけでなく隣接する側面や裏面側端部または側面に形成された凹溝加工部分にまで回り込んで貼り付けられていることから、化粧シートの剥離が面倒な場合には、このような端部を切除することにより、化粧シートを手で剥離するための手がかりが形成され、化粧シートを一層容易に剥離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態に係る化粧シート貼り木質板材の再利用方法について説明する。
【0018】
図1及び図2に示すように、この化粧シート貼り木質板材1は、断面が矩形の木質基材10の表面11に、薄肉の化粧シート20が接着剤層30を介して貼り付けられており、裏面12、両側面13,13、及び両端面(図1に手前側のみ示す)14,14には、化粧シート20が貼り付けられていない構成とされている。この場合、木質基材10は、MDF(中密度木質繊維板)製、化粧シート20は、ポリプロピレン樹脂製である。そして、接着剤層30は、湿気硬化型ポリウレタン樹脂製接着剤が硬化したもので、前記化粧シート20は、手またはカッター、へら等の簡単な道具を用いて剥離可能な程度に、この接着剤層30を介して木質基材10に貼り付けられている。
【0019】
次に、この化粧シート貼り木質板材1から化粧シート20を剥離して、得られた木質基材10に新たに化粧シート20を貼り付けて、化粧シート貼り木質板材1を再利用する方法について説明する。
【0020】
まず、図2に示した化粧シート貼り木質板材1の木質基材10の表面11に貼り付けられていた化粧シート20を、図3(a)に示すように手で剥離する。その場合、この化粧シート20は、手で剥離可能な程度に接着剤層30を介して木質基材10に貼り付けられているので、剥離作業が面倒になることはない。そして、化粧シート20が剥離されて得られた木質基材10′の表面11′は、毛羽立ってざらついている。
【0021】
次いで、図3(b)に示すように、化粧シート20が貼り付けられていなかった3方の面12,13,13を覆うように、新たに化粧シート20を接着剤層30を介して貼り付け、さらに、この化粧シート20の両端部20a,20aを、木質基材10′の表面11′の両側端部11a′,11a′にまで回り込ませて貼り付ける。
【0022】
このようにして、形状を変更することなく木質基材10′が再利用されて、前記化粧シート貼り木質板材1に類似の化粧シート貼り木質板材1′が新たに製造されるようになる。なお、新たに化粧シート20が貼り付けられた裏面12を表側にして化粧シート貼り木質板材1′が使用されると、木質基材10′と化粧シート20との間に水分が侵入し難い構成であるので、接着剤層30の変質が起こり難く、耐久性に優れる。
【0023】
以上のように構成したことにより、化粧シート貼り木質板材1から化粧シート20を手またはカッター、へら等の簡単な道具を用いて剥離すると、従来のように熱可塑性シートに対する加熱や化粧シート貼り木質板材への水の付与等の特別な工程を必要としない。その上で、化粧シート20を剥離して得られた木質基材10′の剥離面である表面11′が毛羽立ってざらついていても、化粧シート20が貼り付けられていなかった面12,13,13に、新たに化粧シート20を貼り付けるので、見栄えを損なうことのない化粧シート貼り木質板材1′が得られ、もって化粧シート20を剥離して得られた木質基材10′を化粧シート貼り木質板材1′の製造に再利用することができる。すなわち、従来のように木質基材10′をチップ化せずともよく、資源のさらなる有効利用が図られる。
【0024】
そして、化粧シート20を剥離して得られた木質基材10′に新たに化粧シート20を貼り付けるときに、この化粧シート20の端部20a,20aを、化粧シート20を剥離することによって毛羽立ってざらついている表面11′の側端部11a′,11a′にまで回り込ませて貼り付けるので、この側端部11a′,11a′では前述したざらつきに起因して、化粧シート20と木質基材10′との間に品質を維持するだけの接着力が得られると共に、こうして製造された化粧シート貼り木質板材1′から再度化粧シート20を剥離するときには、手間をかけることなく化粧シート20を剥離することができる。
【0025】
次に、他の実施の形態に係る化粧シート貼り木質板材の再利用方法について説明する。なお、前記実施の形態における各部材と共通あるいは類似する構成要素については、説明の複雑化を回避するため、特に混乱を招かない限り、同じ符号を付すことにする。
【0026】
まず、図4に示すように、図2に示した化粧シート貼り木質板材1から化粧シート20が剥離されて得られた木質基材10′の表面11′とは反対側の裏面12に、新たに化粧シート20を接着剤層30を介して貼り付け、さらに、この化粧シート20の両端部20a,20aを、木質基材10′の両側面13,13の側端部13a,13aにまで回り込ませて貼り付ける方法がある。このようにして、形状を変更することなく木質基材10′が再利用されて、前記化粧シート貼り木質板材1に類似の化粧シート貼り木質板材1′が新たに製造されるようになる。
【0027】
また、図5に示すように、図2に示した化粧シート貼り木質板材1から化粧シート20が剥離されて得られた木質基材10′の表面11′とは反対側の裏面12にのみ、新たに化粧シート20を接着剤層30を介して貼り付ける方法がある。このようにして、形状を変更することなく木質基材10′が再利用されて、前記化粧シート貼り木質板材1と同種の化粧シート貼り木質板材1′が新たに製造されるようになる。
【0028】
これらのいずれの場合にも、化粧シート20を剥離して得られた木質基材10′の剥離面である表面11′が毛羽立ってざらついていても、化粧シート20が貼り付けられていなかった裏面12に、新たに化粧シート20を貼り付けるので、見栄えを損なうことのない化粧シート貼り木質板材1′が得られ、もって化粧シート20を剥離して得られた木質基材10′を化粧シート貼り木質板材1′の製造に再利用することができる。
【0029】
特に図4に基づいて説明した再利用方法によれば、新たに化粧シート20が貼り付けられた裏面12を表側にして化粧シート貼り木質板材1′が使用されると、木質基材10′と化粧シート20との間に水分が侵入し難い構成であるので、接着剤層30の変質が起こり難く、耐久性に優れる。
【0030】
また、図5に基づいて説明した再利用方法によれば、化粧シート20が貼り付けられたことのない両側面13,13が残されていることから、まず、裏面12に貼り付けられていた化粧シート20を、図6(a)に示すように手で剥離する。化粧シート20が剥離されて得られた木質基材10″の裏面12′は、先の表面11′と同様に毛羽立ってざらついている。
【0031】
そして、図6(b)に示すように、例えば前記木質基材10″の化粧シート20が貼り付けられたことのない両側面13,13のうちの一方の側面13に、新たに化粧シート20を接着剤層30を介して貼り付け、さらに、この化粧シート20の両端部20a,20aを、最初に化粧シート20が剥離された表面11′及び次に化粧シート20が剥離された裏面12′の各側端部11a′,12a′にまで回り込ませて貼り付ける。このようにして、形状を変更することなく木質基材10″が再々利用されて、化粧シート貼り木質板材1″が新たに製造されるようになる。
【0032】
次に、図7(a)に示すように、木質基材10の表面11に接着剤層30を介して貼り付けられた化粧シート20の両端部20a,20aが、一方の側面13に設けられた凹溝13bと他方の側面13の側端部13aとにまで回り込んで貼り付けられており、裏面12には化粧シート20が貼り付けられていない構成の化粧シート貼り木質板材1の再利用方法について説明する。
【0033】
まず、図7(a)及び図7(b)に示すように、前記化粧シート貼り木質板材1の両端部を例えば矢印X,Xで示す箇所で化粧シート20も併せて切除して、表面11に接着剤層30を介して貼り付けられた化粧シート20が残っており、残りの3面12,13,13には化粧シート20が貼り付けられていない構成の所要寸法の木質基材10を得る。
【0034】
次いで、前記木質基材10に貼り付けられている化粧シート20を、図7(c)に示すように手で剥離する。切除により幅寸法が短くなり、化粧シート20が剥離されて得られた木質基材10′の表面11′は、毛羽立ってざらついている。
【0035】
そして、図7(d)に示すように、前記木質基材10′の化粧シート20が貼り付けられていなかった3方の面12,13,13を覆うように、新たに化粧シート20を接着剤層30を介して貼り付け、さらに、この化粧シート20の両端部20a,20aを、表面11′の両側端部11a′,11a′にまで回り込ませて貼り付ける。このようにして、形状を変更するも木質基材10′が再利用されて、化粧シート貼り木質板材1′が新たに製造されるようになる。
【0036】
以上のように構成したことにより、化粧シート貼り木質板材1から化粧シート20を剥離する前に、該化粧シート貼り木質板材1の端部を化粧シート20も併せて切除するので、化粧シート20が、表面11だけでなく隣接する側面13や側面13に設けられた凹溝13bにまで回り込んで貼り付けられていることから、化粧シート20の剥離が面倒な場合には、このような端部を切除することにより、化粧シート20を手で剥離するための手がかりが形成され、化粧シート20を一層容易に剥離することができる。
【0037】
なお、前述したように化粧シート貼り木質板材1の両端部を切除するのではなく、図例上左側の凹溝13bが設けられた端部のみ切除してもよく、この場合にも、化粧シート20の剥離が一層容易となる。また、再利用に際して、新たに化粧シート20を、例えば図4や図5に示したように木質基材10′に貼り付けてもよい。そして、説明は省略するが、化粧シート20が、裏面12の側端部にまで回り込んで貼り付けられている場合にも、端部を切除することにより、前述したと同様の効果が得られる。
【0038】
次に、図8(a)に示すように、化粧シート20を剥離して得られた木質基材10′の表面11′のざらつきが大きく、新たに化粧シート20の端部20aを、該表面11′の側端部11a′にまで回り込ませて貼り付ける場合に、剥離性は確保されるものの接着性が大幅に低下する可能性がある。
【0039】
その場合には、図8(b)に示すように、前記木質基材10′の表面11′の側端部11a′に、適宜のプライマー処理を施してプライマー層31を形成したのち、図8(c)に示すように、プライマー層31の上に新たに化粧シート20の端部20aを接着剤層30を介して貼り付けることにより、木質基材10′の表面11′のざらつきが大きくとも、この表面11′の側端部11a′と化粧シート20の端部20aとの間に品質を維持するだけの接着力が得られると共に、こうして製造された化粧シート貼り木質板材から再度化粧シート20を剥離するときには、手間をかけることなく化粧シート20を剥離することができる。
【0040】
なお、本発明は、具体的に詳述した前記実施の形態に限定されることはなく、本発明の趣旨に沿うものであればよい。
【0041】
例えば、木質基材10としては、MDF(中密度木質繊維板)の他に、合板、LVL(単板積層材)、PB(パーティクルボード)、無垢材、または、これらを組み合わせた木質板の中から、目的用途に応じて適宜選択可能である。
【0042】
また、後述する接着剤とも関連するが、化粧シート20には、手で木質基材10,10′,10″から容易に剥離することができる材質のものであればよく、ポリプロピレン樹脂の他に、ポリエチレン樹脂等のオレフィン系樹脂が好ましく使用される。一方、接着剤による接着力より材料強度が弱く、木質基材10,10′,10″から剥離するときに層間剥離するような強化紙や、一般に剥離が容易でないメラミン板等は好ましくない。
【0043】
また、接着剤層30を形成する接着剤には、化粧シート20を剥離したときに、木質基材10,10′,10″を大きく損傷させるような接着力の強すぎるものでなければよく、湿気硬化型ポリウレタン樹脂接着剤の他に、ウレタン二液型接着剤等の溶剤型接着剤、水性接着剤等が好ましく使用される。
【0044】
また、化粧シート20を剥離して得られた木質基材10′の表面11′の両側端部11a′,11a′、あるいは木質基材10″の表面11′の側端部11a′と裏面12′の側端部12a′とに回り込ませて新たに化粧シート20を貼り付けていたが、それぞれ一方の側端部11a′,12a′のみに回り込ませるだけでもよい。
【0045】
そして、化粧シート20を剥離して得られた木質基材10,10′,10″に新たに化粧シート20を貼り付ける前に、この木質基材10,10′,10″に、サンダー加工、モルダー加工、溝加工等の適宜の加工を施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上説明したように、本発明によれば、化粧シートを剥離するのに特別な工程を必要とすることがなく、剥離後の木質基材表面のざらつきへの対処を可能とする化粧シート貼り木質板材の再利用方法が提供される。すなわち、本発明は、化粧シート貼り木質板材の再利用方法に関し、室内用造作材や室内用パネル部材の技術分野に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態に係る化粧シート貼り木質板材の斜視図である。
【図2】図1のII−II線による断面図である。
【図3】図1の化粧シート貼り木質板材の再利用方法を説明するための図で、(a)は化粧シート貼り木質板材から化粧シートを剥離している状態、(b)は剥離して得られた木質基材に新たに化粧シートを貼り付けて製造された化粧シート貼り木質板材を示す。
【図4】図1の化粧シート貼り木質板材を再利用して製造された別なる構成の化粧シート貼り木質板材を示す断面図である。
【図5】図1の化粧シート貼り木質板材を再利用して製造されたさらに別なる構成の化粧シート貼り木質板材を示す断面図である。
【図6】図5の化粧シート貼り木質板材の再々利用方法を説明するための図で、(a)は化粧シート貼り木質板材から化粧シートを剥離している状態、(b)は剥離して得られた木質基材に新たに化粧シートを貼り付けて製造された化粧シート貼り木質板材を示す。
【図7】別なる構成の化粧シート貼り木質板材の再利用方法を説明するための図で、(a)は化粧シート貼り木質板材の断面図、(b)は化粧シート貼り木質板材の両端部を切除した状態、(c)は両端部が切除された状態の化粧シート貼り木質板材から化粧シートを剥離している状態、(d)は剥離して得られた木質基材に新たに化粧シートを貼り付けて製造された化粧シート貼り木質板材を示す。
【図8】化粧シート貼り木質板材から化粧シートを剥離して得られた木質基材の表面が、大きくざらついている場合の対処方法を説明するための図で、(a)は木質基材の表面が大きくざらついている状態を示す要部断面図、(b)はプライマー処理を施した状態、(c)は新たに化粧シートを貼り付けて製造された化粧シート貼り木質板材を示す。
【符号の説明】
【0048】
1,1′,1″ 化粧シート貼り木質板材
10,10′,10″ 木質基材
11,11′ 表面(面)
11a,11a′ 側端部
12,12′ 裏面(面)
12a,12a′ 側端部
13 側面(面)
20 化粧シート
20a 端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一面には、化粧シートが貼り付けられており、かつ、少なくとも一面には、化粧シートが貼り付けられていない化粧シート貼り木質板材の再利用方法であって、
前記化粧シート貼り木質板材から化粧シートを剥離して得られた木質基材の化粧シートが貼り付けられていなかった面に、新たに化粧シートを貼り付けることを特徴とする化粧シート貼り木質板材の再利用方法。
【請求項2】
前記請求項1に記載の化粧シート貼り木質板材の再利用方法において、
前記木質基材に新たに化粧シートを貼り付けるときに、該化粧シートの端部を、化粧シートを剥離して得られた木質基材の面の側端部にまで回り込ませて貼り付けることを特徴とする化粧シート貼り木質板材の再利用方法。
【請求項3】
前記請求項1または請求項2に記載の化粧シート貼り木質板材の再利用方法において、
前記化粧シート貼り木質板材から化粧シートを剥離する前に、該化粧シート貼り木質板材の端部を化粧シートも併せて切除すること特徴とする化粧シート貼り木質板材の再利用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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