説明

化粧品、特にマスカラやヘアダイのための塗布具

【課題】個々にユーザに明確にパターン化されたディスク(5)をもたらす。
【解決手段】化粧品、特にマスカラやヘアダイのための塗布具にして、柄に連結可能な本体を備えて成り、当該本体が互いに平行に配され互いに間隔をおいた複数のディスクを有する塗布具において、先端範囲でのディスク間隔が0.2〜2.4mmであり、基部部分でのディスク間隔が0.0〜1.2mmである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧品、特にマスカラやヘアダイのための塗布具(アプリケーター)にして、柄(取っ手)に連結可能な本体を備えて構成され、当該本体が互いに平行に且つ互いに間隔をおいて配された複数のディスクを有するような塗布具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】US3892248
【特許文献2】DE3114748A1
【特許文献3】DE8025937U1
【特許文献4】US4527575A
【特許文献5】US6345626B1
【特許文献6】EP0038524A
【0003】
この種の塗布具は例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5及び特許文献6から公知である。
ブラシ毛をしっかりと固定するために螺旋状のワイヤ捻りによって作り出されたマスカラブラシと異なって、射出成形によって作り出された上記タイプのブラシはデザイン的に非常に大きな自由を有している。
【0004】
多数のディスクを備えた上記公知の塗布具の成形は主として、射出成形と部分除去のプロセスの必要条件によって決定された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
他方、より新しい射出成形技術によって、より多くの個別の成形が考慮される。このことから、また上記内容に由来して、本発明は、それら可能性の利点をとることによって適用とコーミング特性を改善することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、先端範囲でのディスク間隔が0.2〜2.4mm、特に0.2〜1.6mmで基部部分でのディスク間隔が0.0〜1.2mm、特に0.1〜0.7mmであるような、請求項1の前提部分(所謂おいて部分、プリアンブル部分)に係るアプリケーターで満足させられる。
【0007】
ディスクは好ましくは、はっきりと限定してパターン化された適用である。これは、ディスクが周囲方向に均一で厳密にディスク形状をした幾何学的形態を有しないがそれ自体においてパターン化され、特にその外周縁範囲においてパターン化されることを意味すると理解されるべきである。これは、適用とコーミング品質が塗布具の末梢範囲によって相当程度まで決定されるとの認識に基づいている。これを考慮して、ブラシ毛は螺旋状に捻られたマスカラブラシにおいて既に用いられている。例えば、その端部はたがね形状に形成されている(DE10232589A1参照)。この展開は今や射出成形によって作り出されるブラシのために論理的に続いている。本発明に従い特定寸法に作る結果として、25.4mmの通例のトリム長さに関して従来のディスク密度よりも高く達成され、したがって特に良好なまつげ分離とコーミングが達成される。
【0008】
本発明の更なる展開では、本体が第1の硬めのプラスチック材料からなり、ディスクが第2の軟らかめのプラスチック材料からなってもよく、それ故に一方で塗布具の縦方向安定性が保証され、他方で有利な適用特性を達成する。
【0009】
追加的に、ディスクが縦方向に延在する1本の又は多数の溝によって通り抜けられるようになっていてもよい。これは適用されるべき化粧品にとっての追加的な容器を生み出す一方、同時にこのようにして生み出された半径方向に延在する縁の結果としてコーミングと分離効果を増大する。
【0010】
溝はまたディスク毎にオフセットに配列され得る。
好適な実施形態では、横断面が円錐形に形成されるべきディスクが備えられ、凹形の溝が錐体の先端に設けられてもよい。
【0011】
代わりに、ディスクはまた互いに平行な外表面を有していてもよく、末梢範囲において横断面が半円形に丸くなっていてもよい。
ディスクが上に記載しまた下に記載する限り、縦方向空洞によって通り抜けられ得るように、これらをリングとして表してもよい。
【0012】
ディスクはまた、二成分射出成形プロセスにおいて作り出され得、その結果、当該ディスクは軟らかめのプラスチック材料から構成され、中央体乃至本体は硬めのプラスチック材料から構成される。
【0013】
追加的なバリエーションでは、実質的に円錐形断面から延びて、ビーズ状の厚くなった周辺範囲が錐体先端の範囲に生み出されることがもたらされる。
際立ったカール効果を達成するために、即ち、コーミングプロセス中に上方にまつげを湾曲するために、各ディスクは、まつげが支えられることになる段付き範囲を有していてもよい。
【0014】
ディスク形態は、上方から見て、好ましくは丸く、突出部を備えた矩形に、又は四葉のクローバの形に形成されていてもよい。
個々のディスク間の溝の深さは、0.5〜3.0mmであるのが有利であり、好ましくは約2.25mmである。
【0015】
基部範囲におけるディスクの幅は0.2〜1.2mmであるのが有利である。
本発明に係る塗布具は、一成分射出成形又は、特にディスクのための関係材料であるTPE又はTPUと本体のためのPP、POM、PBT、PAの組み合わせでの二成分射出成形を用いて製造され得る。
【0016】
塗布具がプラスチック材料から製造されるならば、好ましくはPE、PP、PA、PBT又はポリエステルであり、ポリアクリル系が好まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を、図面に関連した好適な実施形態に基づいて以下でより詳細に説明する。
本発明に係るマスカラブラシ1は、柄に固定するための連結部分3を有したロッド状の細長い本体2を備えて成っている。トリム4は一部材のようにディスク基部に一体的に接続されている複数のディスク5から構成され、縦方向に延びる凹形溝6が任意に設けられ、それらの間に凸状にアーチ形態をなす隆起部7が形成されている。
【0018】
図1aは、平行平面な側壁と半円形末梢部8とを有するディスク5aの第1の横断面形態を示す。
図1bに係る実施形態において、ディスク5bは丸い末梢部9を備えた横断面円錐に形成されている。この実施形態は特に好まれる。
【0019】
この実施形態において、あるいは本明細書に記載された他の実施形態においても、本体2への移行部でのディスク基部の幅は0.2mm〜1.2mmである。隣接する2つのディスクの基部範囲の間隔は0.0mm〜1.2mmである。ディスクの先端間の又は隣接する2つの先端縦方向中央線の間隔は0.2mm〜2.4mmである。有効ディスク高さは0.5mm〜8.0mmで、特に1.5mm〜1.7mmである。各ディスクの径は4.0mm〜15mmであり、ディスクの数は25.4mmの「トリム長さ」に対して127〜140であり、言い換えれば10mm当たり5〜50ディスクのディスク密度である。トリム長さは10mmと100mmの間である。錐角は0.75°〜99°であり、特に0.75°〜2.5°である。先端の曲率半径は0.025mm〜0.5mmである。
【0020】
図1cは末梢部に溝10を有した図1bの部分変更例を示す。
図1dに示された実施形態において、ディスク5dはまた横断面で円錐であるが、その末梢部11に丸くなった厚み範囲を有している。
【0021】
図1eに係る実施形態は、複数の周辺溝13を有する横断面円錐のディスク5eを示す。
図1fに係る実施形態は、カール効果を達成するために段付き範囲16によって中断された円錐側面14、15を有するディスク5fを示す。
【0022】
図2は、隆起部7が形成された間に複数の半径方向溝6が形成されたディスク5を切る断面図を示す。
溝6は図4に示されるように縦方向に連続して実施されることは必然的結果として必要ではないが、ディスクからディスクにオフセットに実施されていてもよい。
【0023】
空洞又は溝6を有し、各空洞又は溝6の中央にブラシ毛17が配されたディスク5が図5に描かれる。
図6に係る実施形態において、丸くなった側表面を備えたほぼ四角な横断面を有するディスク5が備えられる。
【0024】
図7に係る実施形態において、ディスクはまた実質的に四角な横断面を有し、側表面が凹形に形成され角範囲が丸まっている。
図8は、取っ手延長部3を備えた本体2を描いている。取っ手延長部は横断面が多角形、特に五角形である範囲18を有している。本体2は内側が中空で、複数の放出開口19を有する。したがって、ディスク5を作り出すため、二成分射出成形において縦方向空洞を通り通路開口19を通って第2の成分、特に軟らかめの成分を射出することが可能である。本体2は、ブラシ毛体が軸方向にもぎ取られることを防止する突出部20を有する。
【0025】
上記例示的な実施形態に加えて、あるいは外れて、ディスクとその中央範囲が一つの材料から一部材として射出成形されることが備えられ得、あるいはまた二成分射出成形技術を用いて中央範囲が第1のプラスチック材料で構成され、ディスクがその上に例えば軟らかめのプラスチック材料で射出成形されることが備えられ得る。
【0026】
ディスクはその周辺に沿って少なくとも一つの切り抜き部を有してもよく、連続したディスクの軸方向に連続する複数の切り抜き部が溝を形成し得る。
付加的に一つ又は複数のブラシ毛がディスクの切り抜き部の範囲に設けられることが備えられていてもよい。縦方向に見て、ディスクとブラシ毛リングがまた互い違いに設けられていてもよい。
【0027】
本体は、捻り耐性の組み立てを達成するために、柄に固定するため少なくともその一部分に沿って横断面が多角形であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】a〜fはそれぞれ異なるディスクパターンを描くための個別ディスクを切る断面図である。
【図2】半径方向溝を備えた個別ディスクの断面図である。
【図3】本発明に係る完全なマスカラブラシを切る縦断面図である。
【図4】ディスクから作られたトリムの斜視図である。
【図5】ディスク平面を切って延在する断面でのディスクの或る横断面形態の図である。
【図6】ディスク平面を切って延在する断面でのディスクの別の横断面形態の図である。
【図7】ディスク平面を切って延在する断面でのディスクの更に別の横断面形態の図である。
【図8】本体の有利な実施形態の平面図である。
【符号の説明】
【0029】
2 本体
5 ディスク
6 溝
11 厚くなった範囲
16 段付き範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品、特にマスカラやヘアダイのための塗布具にして、柄に連結可能な本体を備えて成り、当該本体が互いに平行に配され且つ互いに間隔をおいた複数のディスクを有する塗布具において、先端範囲でのディスクの間隔が0.2〜2.4mm、特に0.2〜1.6mmであり、基部部分でのディスクの間隔が0.0〜1.2mm、特に0.1〜0.7mmであることを特徴とする塗布具。
【請求項2】
本体(2)が第1の硬めのプラスチック材料から構成され、ディスク(5)が第2の軟らかめのプラスチック材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項3】
ディスク(5)が縦方向に延在する1本の又は多数の溝(6)によって通り抜けられ、当該溝(6)がディスク(5)毎にオフセットにおかれ得ることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項4】
ディスク(5a)が平行平面な外表面を有し、末梢範囲(8)にて横断面がほぼ半円形上に丸まって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項5】
ディスク(5c)が横断面円錐形に形成されることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項6】
実質的に円錐形断面から延びて、ビーズ状の厚くなった周辺範囲(11)が錐体先端の範囲に形成されることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項7】
横断面で見てディスク(5f)が段付き範囲(16)を有することを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項8】
上方から見てディスク(5)が丸く、突出部を備えた矩形に、又は四葉のクローバの形に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項9】
個々のディスク(5)間の溝(6)の深さが、0.5〜3.0mmであり、好ましくは約2.25mmであることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項10】
基部範囲でのディスク(5)の幅が0.2〜1.2mmであることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項11】
塗布具が二成分射出成形によって作られ、一方の成分がTPEであり他方の成分がTPUであることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
【請求項12】
錐角が0.75°〜99°であり、特に0.75°〜25°であることを特徴とする請求項5に記載の塗布具。
【請求項13】
先端範囲での曲率半径が0.025mm〜0.5mmであることを特徴とする請求項5に記載の塗布具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−44528(P2007−44528A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−217014(P2006−217014)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【出願人】(502393877)ゲーカ ブルシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (16)
【Fターム(参考)】